JP2019215322A - 磁場計測装置、磁場計測方法、磁場計測プログラム - Google Patents

磁場計測装置、磁場計測方法、磁場計測プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2019215322A
JP2019215322A JP2019075742A JP2019075742A JP2019215322A JP 2019215322 A JP2019215322 A JP 2019215322A JP 2019075742 A JP2019075742 A JP 2019075742A JP 2019075742 A JP2019075742 A JP 2019075742A JP 2019215322 A JP2019215322 A JP 2019215322A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
magnetic
magnetic sensor
measurement data
gradient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019075742A
Other languages
English (en)
Inventor
威信 中村
Takenobu Nakamura
威信 中村
茂樹 岡武
Shigeki Okatake
茂樹 岡武
森安 嘉貴
Yoshitaka Moriyasu
嘉貴 森安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Original Assignee
Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Electronics Co Ltd filed Critical Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Priority to US16/434,192 priority Critical patent/US20190377035A1/en
Publication of JP2019215322A publication Critical patent/JP2019215322A/ja
Priority to US18/327,849 priority patent/US20230324476A1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

【課題】より詳細な勾配磁場分布を得ることができる磁場計測装置を提供する。【解決手段】各々が磁気抵抗素子と磁気抵抗素子の一端および他端の少なくともいずれか一方に配置された磁気収束板とを有する磁気センサを複数有し、磁場を3軸方向で検出可能な複数の磁気センサセルを三次元に配列して構成される磁気センサアレイと、複数の磁気センサのそれぞれが出力するアナログの検出信号をデジタルの計測データに変換する複数のAD変換器と、デジタルの計測データを取得する磁場取得部と、磁場取得部からのデジタルの計測データを、主軸感度、他軸感度、および、オフセットの少なくともいずれかを用いて較正する較正演算部と、デジタルの計測データを較正した磁場計測データを用いて、勾配磁場を算出する勾配磁場演算部と、を備える、磁場計測装置を提供する。【選択図】図8

Description

本発明は、磁場計測装置、磁場計測方法、磁場計測プログラムに関する。
従来、超伝導量子干渉素子(SQUID)を2次元アレイ状に配置した磁束計を用いた生体磁場計測装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2008−142154号公報
従来の磁束計では、生体から発生する生体磁場の略体表面に沿ったXY面に垂直なZ方向の磁場成分、もしくは、X方向の磁場成分およびY方向の磁場成分、のいずれかを計測する構成となっていた。しかしながら、生体をより精密に検査するためには、より詳細な勾配磁場分布を得ることができる磁場計測装置を実現することが望まれる。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、磁場計測装置を提供する。磁場計測装置は、各々が磁気抵抗素子と磁気抵抗素子の一端および他端の少なくともいずれか一方に配置された磁気収束板とを有する磁気センサを複数有し、磁場を3軸方向で検出可能な複数の磁気センサセルを三次元に配列して構成される磁気センサアレイを備えてよい。磁場計測装置は、複数の磁気センサのそれぞれが出力するアナログの検出信号をデジタルの計測データに変換する複数のAD変換器を備えてよい。磁場計測装置は、デジタルの計測データを取得する磁場取得部を備えてよい。磁場計測装置は、磁場取得部からのデジタルの計測データを、主軸感度、他軸感度、および、オフセットの少なくともいずれかを用いて較正する較正演算部を備えてよい。磁場計測装置は、デジタルの計測データを較正した磁場計測データを用いて、勾配磁場を算出する勾配磁場演算部を備えてよい。勾配磁場演算部は、複数の磁気センサセルのうちの隣接する磁気センサセル間で計測された磁場計測データを用いて、隣接する磁気センサセル間の磁場の差分を算出することで、3軸方向の全ての磁場に対して三次元の勾配磁場を算出してよい。
3軸方向と三次元の方向とが同一方向であってよい。
勾配磁場演算部は、複数の隣接する磁気センサセル間で計測された計測データを用いて2次以上の勾配磁場を算出してよい。
勾配磁場演算部は、隣接する磁気センサセル間で計測された計測データを用いて隣接する磁気センサセル間の磁場の差分を算出してよい。
複数の磁気センサセルは、各々が磁気センサとコイルとを有する複数のセンサ部を有してよい。複数のセンサ部は、三次元方向それぞれから見て互いに重ならないように配置されてよい。
複数のセンサ部は、複数のセンサ部の間に設けるギャップ側に一端が設けられ、他端がギャップから離れるように3軸方向の各軸方向に延伸して配置されてよい。
勾配磁場演算部が算出した勾配磁場に基づいて磁気センサアレイの故障を判定する故障判定部を更に備えてよい。
故障判定部は、勾配磁場に基づいて複数の磁気センサセルのうちの任意の磁気センサセルの位置における磁場の回転(rot)を示す値を算出し、磁場の回転を示す値が第1の閾値以上である場合に、磁気センサアレイが故障していると判定してよい。
故障判定部は、勾配磁場に基づいて複数の磁気センサセルのうちの任意の磁気センサセルの位置における磁場の発散を示す値を算出し、磁場の発散(div)を示す値が第2の閾値以上である場合に、磁気センサアレイが故障していると判定してよい。
較正演算部は、複数の磁気センサセル同士の姿勢を補正する演算を行ってよい。
本発明の第2の態様においては、磁場計測装置が磁場を計測する磁場計測方法を提供する。磁場計測方法は、磁場計測装置が、各々が磁気抵抗素子と磁気抵抗素子の一端および他端の少なくともいずれか一方に配置された磁気収束板とを有する磁気センサを複数有し、磁場を3軸方向で検出可能な複数の磁気センサセルを三次元に配列して構成される磁気センサアレイにおける複数の磁気センサのそれぞれが出力するアナログの検出信号をデジタルの計測データに変換することを備えてよい。磁場計測方法は、磁場計測装置が、デジタルの計測データを取得することを備えてよい。磁場計測方法は、磁場計測装置が、デジタルの計測データを、主軸感度、他軸感度、および、オフセットの少なくともいずれかを用いて較正することを備えてよい。磁場計測方法は、磁場計測装置が、デジタルの計測データを較正した磁場計測データを用いて、勾配磁場を算出することを備えてよい。勾配磁場を算出することは、複数の磁気センサセルのうちの隣接する磁気センサセル間で計測された磁場計測データを用いて、隣接する磁気センサセル間の磁場の差分を算出することで、3軸方向の全ての磁場に対して三次元の勾配磁場を算出することを含んでよい。
本発明の第3の態様においては、磁場計測プログラムを提供する。磁場計測プログラムは、コンピュータにより実行されてよい。磁場計測プログラムは、コンピュータを、各々が磁気抵抗素子と磁気抵抗素子の一端および他端の少なくともいずれか一方に配置された磁気収束板とを有する磁気センサを複数有し、磁場を3軸方向で検出可能な複数の磁気センサセルを三次元に配列して構成される磁気センサアレイにおける複数の磁気センサのそれぞれが出力するアナログの検出信号をデジタルの計測データに変換する複数のAD変換器として機能させてよい。磁場計測プログラムは、コンピュータを、デジタルの計測データを取得する磁場取得部として機能させてよい。磁場計測プログラムは、コンピュータを、磁場取得部からのデジタルの計測データを、主軸感度、他軸感度、および、オフセットの少なくともいずれかを用いて較正する較正演算部として機能させてよい。磁場計測プログラムは、コンピュータを、デジタルの計測データを較正した磁場計測データを用いて、勾配磁場を算出する勾配磁場演算部であって、複数の磁気センサセルのうちの隣接する磁気センサセル間で計測された磁場計測データを用いて、隣接する磁気センサセル間の磁場の差分を算出することで、3軸方向の全ての磁場に対して三次元の勾配磁場を算出する、勾配磁場演算部として機能させてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係る磁場計測装置10の構成を示す。 本実施形態に係る磁気センサユニット110の構成を示す。 本実施形態に係る磁気センサアレイ210中の磁気センサセル220の構成および配置を示す。 本実施形態に係る磁気抵抗素子を有する磁気センサの入出力特性の一例を示す。 本実施形態に係るセンサ部300の構成例を示す。 本実施形態に係るセンサ部300の入出力特性の一例を示す。 本実施形態に係る磁気センサ520の構成例を示す。 本実施形態に係る磁気センサアレイ210、センサデータ収集部230、およびセンサデータ処理部800の構成を示す。 本実施形態に係るN次の勾配磁場を算出するフローを示す。 本実施形態に係る磁場計測装置10により得られる1次の勾配磁場分布の一例を示す。 本実施形態に係る磁場計測装置10により得られる2次の勾配磁場分布の一例を示す。 磁場計測装置10の変形例に係る磁気センサアレイ210、センサデータ収集部230、センサデータ処理部800、および故障判定部1200の構成を示す。 本実施形態に係る故障判定フローの一例を示す。 本実施形態の変形例に係る磁気センサアレイ210中の磁気センサセル220の構成および配置を示す。 本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る磁場計測装置10の構成を示す。磁場計測装置10は、磁気抵抗素子を用いて磁場を計測する。磁場計測装置10は、心磁計測装置の一例であり、人間の心臓の電気活動により生成される磁場(「心磁」と示す。)を計測する。これに代えて、磁場計測装置10は、人間以外の生体の心磁を計測するために用いられてもよいし、脳磁場等の心磁以外の生体磁場を計測するために用いられてもよい。また、磁場計測装置10は、鉄鋼材料や溶接部の表面および表面下の傷等を検出するための磁気探傷検査のために用いられてもよい。
磁場計測装置10は、本体部100と、情報処理部150とを備える。本体部100は、被験者の心磁をセンシングするためのコンポーネントであり、磁気センサユニット110と、ヘッド120と、駆動部125と、ベース部130と、ポール部140とを有する。
磁気センサユニット110は、心磁計測時に被験者の胸部における心臓に向かう位置に配置され、被験者の心磁をセンシングする。ヘッド120は、磁気センサユニット110を支持し、磁気センサユニット110を被験者に対向させる。駆動部125は、磁気センサユニット110およびヘッド120の間に設けられ、キャリブレーションを行う場合にヘッド120に対する磁気センサユニット110の向きを変更する。本実施形態に係る駆動部125は、図中のZ軸を中心に磁気センサユニット110を360度回転させることができる第1アクチュエータと、Z軸と垂直な軸(図中の状態においてはX軸)を中心に磁気センサユニット110を回転させる第2アクチュエータとを含み、これらを用いて磁気センサユニット110の方位角および天頂角を変更する。図中の駆動部125として示したように、駆動部125は図中のY軸方向から見るとY字形状を有し、第2アクチュエータは、磁気センサユニット110を図中X軸中心に360度回転させることができる。
ベース部130は、他の部品を支える基台であり、本実施形態においては心磁計測時に被験者が乗る台となっている。ポール部140は、ヘッド120を被験者の胸部の高さに支持する。ポール部140は、磁気センサユニット110の高さを被験者の胸部の高さに調整するべく上下方向に伸縮可能であってよい。
情報処理部150は、本体部100による計測データを処理して表示・印刷等により出力するためのコンポーネントである。情報処理部150は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。これに代えて、情報処理部150は、心磁計測の情報処理用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回線によって実現された専用ハードウェアであってもよい。
図2は、本実施形態に係る磁気センサユニット110の構成を示す。磁気センサユニット110は、磁気センサアレイ210およびセンサデータ収集部230を有する。磁気センサアレイ210は、各々が複数の磁気抵抗素子を有し、磁場を3軸方向で検出可能な複数の磁気センサセル220を三次元に配列して構成される。本図において、磁気センサアレイ210は、X方向に4個、Y方向に4個、Z方向に2個の磁気センサセル220を含む。
センサデータ収集部230は、磁気センサアレイ210に含まれる複数の磁気センサセル220に電気的に接続され、複数の磁気センサセル220からのセンサデータ(検出信号)を収集して情報処理部150へと供給する。
図3は、本実施形態に係る磁気センサアレイ210中の磁気センサセル220の構成および配置を示す。各磁気センサセル220は、各々が磁気抵抗素子を有する複数のセンサ部300x〜z(以下、「センサ部300」と総称する)を有する。本実施形態において、センサ部300xはX軸方向に沿って配置されX軸方向の磁場を検出可能である。また、センサ部300yはY軸方向に沿って配置されY軸方向の磁場を検出可能である。また、センサ部300zはZ軸方向に沿って配置されZ軸方向の磁場を検出可能である。
複数の磁気センサセル220は、X軸方向に沿ってΔx、Y軸方向に沿ってΔy、Z軸方向に沿ってΔzの間隔でそれぞれ等間隔に配列されている。磁気センサアレイ210における各磁気センサセル220の位置は、X方向の位置i、Y方向の位置j、およびZ方向の位置kの組[i,j,k]により表される。ここで、iは0≦i≦Nx−1を満たす整数であり(NxはX方向に配列された磁気センサセル220の個数を示す)、jは0≦j≦Ny−1を満たす整数であり(NyはY方向に配列された磁気センサセル220の個数を示す)、kは0≦k≦Nz−1を満たす整数である(NzはZ方向に配列された磁気センサセル220の個数を示す)。
本図において、センサ部300x、300y、および300zにより検出する磁場の3軸方向と、磁気センサセル220を配列する三次元の方向とが同一方向である。これにより、後に示す勾配磁場の分布図において勾配磁場の各成分の把握が容易となる。また、センサ部300x、300y、および300zは、各磁気センサセル220内において、磁気センサセル220を配列する三次元方向それぞれから見て互いに重ならないように配置されている。また、本図において、センサ部300x、300y、および300zは、複数のセンサ部300の間に設けるギャップ側に一端が設けられ、他端が当該ギャップから離れるように3軸方向の各軸方向に延伸して配置されている。一例として、本図において、磁気センサセル220の正面視左下の角部に空隙(ギャップ)が設けられ、センサ部300x、300y、および300zは、一端が当該空隙に接するように設けられ、他端が当該空隙から離れるようにX軸、Y軸、およびZ軸方向の各軸方向に延伸して配置されている例を示す。本図において、センサ部300x、300y、および300zが、立方体状の磁気センサセル220の一角部から互いに垂直な3辺に沿って配置され、該一角部に空隙が設けられている。また、後に述べるセンサ部300x、300y、および300zが有するコイルまたは磁性体が、互いに重ならないように配置されていることが好ましい。これにより、測定点を明確にでき、勾配磁場の各成分の把握がさらに容易となる。また、センサ部300x、300y、および300zが有する他軸感度を互いに等価なものとみなすことができる。この他軸感度は、センサ部300x、300y、および300zが有するコイル、または磁性体による相互干渉によって発生するものである。しかしながら、検出する磁場の3軸方向と磁気センサセル220を配列する三次元の方向とは異なっていてもよい。両者が異なる場合、磁気センサセル220内におけるセンサ部300の配置や、磁気センサセル220の配列方向に制約を受けることがなく、磁気センサアレイ210の設計の自由度を増すことができる。
図4は、本実施形態に係る磁気抵抗素子を有する磁気センサの入出力特性の一例を示す。本図は、横軸が磁気センサに入力する入力磁場の大きさBを示し、縦軸が磁気センサの検出信号の大きさV_xMR0を示す。磁気センサは、例えば、巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto−Resistance)素子またはトンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magneto−Resistance)素子等を有し、予め定められた一軸方向の磁場の大きさを検出する。
このような磁気センサは、入力磁場Bに対する検出信号V_xMR0の傾きである磁気感度が高く、10pT程度の微小な磁場を検出することができる。その一方で、磁気センサは、例えば、入力磁場Bの絶対値が1μT程度で検出信号V_xMR0が飽和してしまい、入出力特性の直線性が良好な範囲が狭い。そこで、このような磁気センサにフィードバック磁場を発生させる閉ループを加えると、磁気センサの直線性(または線形性と呼ぶ)を改善することができる。このような磁気センサについて次に説明する。
図5は、本実施形態に係るセンサ部300の構成例を示す。センサ部300は、複数の磁気センサセル220のそれぞれの内部に設けられ、磁気センサ520と、磁場生成部530と、出力部540とを有する。なお、センサ部300の一部、例えば増幅回路532および出力部540は、磁気センサセル220側ではなくセンサデータ収集部230側に設けられてもよい。
磁気センサ520は、図4で説明した磁気センサと同様に、GMR素子またはTMR素子等の磁気抵抗効果素子を有する。磁気センサ520は、感磁軸の正の方向を+X方向とした場合に、+X方向の磁場が入力すると抵抗値が増加し、−X方向の磁場が入力すると抵抗値が減少するように形成されてよい。即ち、磁気センサ520の抵抗値の変化を観測することにより、当該磁気センサ520に入力する磁場Bの大きさを検出することができる。例えば、磁気センサ520の磁気感度をSとすると、磁気センサ520の入力磁場Bに対する検出結果は、S×Bと算出できる。なお、磁気センサ520は、一例として、電源等が接続され、抵抗値の変化に応じた電圧降下を、入力磁場の検出結果として出力する。
磁場生成部530は、磁気センサ520が検出した入力磁場を低減させるフィードバック磁場を磁気センサ520に与える。磁場生成部530は、例えば、磁気センサ520に入力する磁場Bとは逆向きで、絶対値が当該入力磁場と略同一のフィードバック磁場B_FBを発生させ、入力磁場を打ち消すように動作する。磁場生成部530は、増幅回路532と、コイル534とを含む。
増幅回路532は、磁気センサ520の入力磁場の検出結果に応じた電流をフィードバック電流I_FBとして出力する。増幅回路532は、例えば、トランスコンダクタンスアンプを含み、磁気センサ520の出力電圧に応じたフィードバック電流I_FBを出力する。例えば、増幅回路532の電圧・電流変換係数をGとすると、フィードバック電流I_FBは、G×S×Bと算出できる。
コイル534は、フィードバック電流I_FBに応じたフィードバック磁場B_FBを発生させる。コイル534は、磁気センサ520の全体にわたって均一のフィードバック磁場B_FBを発生させることが望ましい。例えば、コイル534のコイル係数をβとすると、フィードバック磁場B_FBは、β×I_FBと算出できる。ここで、フィードバック磁場B_FBは、入力磁場Bを打ち消す向きに発生するので、磁気センサ520に入力する磁場は、B−B_FBに低減されることになる。したがって、フィードバック電流I_FBは、次式のように示される。
(数1)式をフィードバック電流I_FBについて解くと、センサ部300の定常状態におけるフィードバック電流I_FBの値を算出することができる。磁気センサ520の磁気感度Sおよび増幅回路532の電圧・電流変換係数Gが十分に大きいとすると、(数1)式から次式が算出される。
出力部540は、磁場生成部530がフィードバック磁場B_FBを発生するために流すフィードバック電流I_FBに応じた出力信号V_xMRを出力する。出力部540は、例えば、抵抗値Rの抵抗性素子を有し、当該抵抗性素子にフィードバック電流I_FBが流れることによって生じる電圧降下を出力信号V_xMRとして出力する。この場合、出力信号V_xMRは、(数2)式より次式のように算出される。
以上のように、センサ部300は、外部から入力する磁場を低減させるフィードバック磁場を発生するので、磁気センサ520に実質的に入力する磁場を低減させる。これにより、センサ部300は、例えば、磁気センサ520として図4の特性を有する磁気抵抗素子を用い、入力磁場Bの絶対値が1μTを超えても、検出信号V_xMRが飽和することを防止できる。このようなセンサ部300の入出力特性を次に説明する。
図6は、本実施形態に係るセンサ部300の入出力特性の一例を示す。本図は、横軸がセンサ部300に入力する入力磁場の大きさBを示し、縦軸がセンサ部300の検出信号の大きさV_xMRを示す。センサ部300は、磁気感度が高く、10pT程度の微小な磁場を検出することができる。また、センサ部300は、例えば、入力磁場Bの絶対値が100μTを超えても、検出信号V_xMRの良好な直線性を保つことができる。
即ち、本実施形態に係るセンサ部300は、例えば、入力磁場Bの絶対値が数百μT以下といった、予め定められた入力磁場Bの範囲において、当該入力磁場Bに対する検出結果が線形性を有するように構成される。このようなセンサ部300を用いることにより、例えば、心磁信号といった微弱な磁気的信号を簡便に検出することができる。
図7は、本実施形態に係る磁気センサ520の構成例を示す。一例として、本実施形態に係る磁気センサ520は、磁気抵抗素子702と、磁気抵抗素子702の一端および他端に配置された磁気収束板704、706を有する。磁気収束板704、706は磁気抵抗素子702を間に挟むように配置されている。図7において、正面視で感磁軸に沿って磁気抵抗素子702の右端に配置されている磁気収束板704が、感磁軸の正側に設けられた磁気収束板であり、磁気抵抗素子702の左端に配置されている磁気収束板706が、感磁軸の負側に設けられた磁気収束板である。感磁軸の負側から正側に向かって磁場が磁気収束板704、706に入力すると、磁気抵抗素子702の抵抗が増加または減少してよい。なお、感磁軸は、磁気抵抗素子702を形成する磁化固定層で固定された磁化の方向に沿っていてよい。磁気収束板704、706は、例えば鉄等の軟磁性体材料により構成される。軟磁性体材料により構成される磁気収束板704、706を磁気抵抗素子702の一端および他端に配置することにより、磁気抵抗素子702を通過する磁力線を増やすことができ、これにより磁気センサ520の感度を高めることができる。
なお、本図においては、磁気収束板が、磁気抵抗素子702の一端および他端のそれぞれに設けられた例を示したが、磁気収束板は磁気抵抗素子702の一端および他端のいずれか一方のみに設けられてもよい。しかしながら、磁気センサ520の感度をより高めるためには磁気抵抗素子702の一端および他端の両方に磁気収束板を設けることが好ましい。
図8は、本実施形態に係る磁気センサアレイ210、センサデータ収集部230、およびセンサデータ処理部800の構成を示す。
磁気センサアレイ210は、複数の磁気センサセル220を有する。複数の磁気センサセル220のそれぞれは、上述のとおり複数のセンサ部300x〜zを有する。本図においては、磁気センサアレイ210が各次元方向に有する複数の磁気センサセル220のうち、[i,j,k]における1次の勾配磁場の算出に関する部分、すなわち、[i,j,k]、[i+1,j,k]、[i,j+1,k]、[i,j,k+1]に関する部分を示す。
センサデータ収集部230は、複数のAD変換器810を有する。複数のAD変換器810は、磁気センサセル220の複数のセンサ部300x〜zのそれぞれに対応して設けられており、対応するセンサ部300が出力するアナログの検出信号(図6のセンサ出力信号V_xMR)をデジタルの計測データ(Vx,Vy,Vz)に変換する。ここで、Vx、Vy、およびVzは、センサ部300x、300y、および300zからの検出信号をデジタルに変換した計測値(例えばデジタルの電圧値)である。
センサデータ処理部800は、複数の磁気センサセル220のそれぞれに対応して設けられた複数の磁場取得部820、複数の較正演算部830、複数のデータ出力部840、および勾配磁場演算部850、を有する。
磁場取得部820は、それぞれ対応する磁気センサセル220に接続された3つのAD変換器810に接続され、磁気センサアレイ210を構成する複数の磁気センサセル220内のセンサ部300x〜zによって計測された計測データをそれぞれ取得する。具体的に、磁場取得部820は、AD変換器810によってデジタルに変換されたデジタルの計測データ(Vx,Vy,Vz)を所定のタイミングTでラッチして取得するフリップフロップ等を用いて構成されてよい。
較正演算部830は、磁場取得部820に接続され、磁場取得部820が取得した計測データを較正パラメータを用いて較正する。較正演算部830による計測データの較正の概要は以下のとおりである。位置[i,j,k]にある磁気センサセル220に入力される磁場をB(Bx,By,Bz)とし、センサ部300x、300y、300zによる3軸磁気センサの検出結果をV(Vx,Vy,Vz)とする。この場合、3軸磁気センサの磁気センサ特性を行列Sとすると、3軸磁気センサの検出結果Vは次式のように示すことができる。
ここで、Sxx、Syy、Szzは、それぞれセンサ部300x、300y、300zの主軸方向の感度(主軸感度)を表し、Sxy、Sxz、Syx、Syz、Szx、Szyは他軸方向の感度(他軸感度)を表している。また、Vos,x、Vos,y、Vos,zは、それぞれセンサ部300x、300y、300zのオフセットを表している。ここで主軸方向とは、センサ部300x、300y、300zが主として計測する方向であり、他軸方向とは、主として計測しない方向である。磁気センサの計測において、主軸方向は磁場が入力されたときに磁気センサが最大の感度を示す方向(入力軸方向、感度軸方向)である。そして、他軸方向は、主軸方向と垂直な軸とする。例えば、センサ部300xがX軸方向を計測する場合、主軸方向はX軸であり、他軸方向はY軸方向、Z軸方向である。磁気センサ520は主軸感度のみを持つことが理想的だが、プロセス因等により他軸感度を持つことがある。また、上述した相互干渉によって発生する他軸感度も持つ。
センサ部300のそれぞれが、検出すべき入力磁場の範囲において、当該入力磁場に対する検出結果が線形性を有するので、行列Sの各要素は、入力磁場Bの大きさとは無関係な略一定の係数となる。また、センサ部300が他軸感度を有していても、当該センサ部300の検出結果が線形性を有していれば、行列Sの各要素は、入力磁場Bの大きさとは無関係な略一定の係数となる。
したがって、較正演算部830は、行列Sの逆行列S−1とオフセット(Vos,x,Vos,y,Vos,z)とを用いることで、次式のように、計測データV(Vx,Vy,Vz)を元の入力される磁場を示す磁場計測データB(Bx,By,Bz)に変換することができる。つまり、較正演算部830は、磁場取得部820からのデジタルの計測データVを、主軸感度、他軸感度、および、オフセットを用いて較正する。これにより、較正演算部830は、オフセット、主軸方向の感度、他軸方向の感度を補正する。なお、この変換は、センサ部300x〜zが上述の磁気収束板を備えている場合も成立する。これは、磁気センサセル220がセンサ部300x〜zを利用した3軸磁気センサとして構成されるためであり、線形代数を利用した変換が可能となるからである。なお、センサ部300の出力から較正演算部830までに、ハイパスフィルタ等を備えることにより、計測データVを交流成分とする場合は、オフセットの較正は省略してもよい。すなわち、較正演算部830は、磁場取得部820からのデジタルの計測データVを、主軸感度、他軸感度、および、オフセットの少なくともいずれかを用いて較正してもよい。
較正演算部830は、環境磁場計測データを用いて行列Sの逆行列S−1およびオフセット(Vos,x,Vos,y,Vos,z)を算出し、磁場取得部820により取得された計測データを、これらの較正パラメータを用いて磁場計測データBに変換してデータ出力部840に供給する。
以上のように、各センサ部300が線形性を有するので、較正演算部830は、略一定の係数を用いて計測データを磁場計測データBに変換することができる。すなわち、較正演算部830が用いる略一定の係数は、環境磁場データを用いて一組の較正パラメータとして定めることができる。
また、同じ磁気センサアレイ210中の磁気センサセル220と別の磁気センサセル220の姿勢が異なっていることがある。そこで較正演算部830は、さらに各磁気センサセル220の姿勢をそろえる演算を行ってもよい。すなわち、較正演算部830は、複数の磁気センサセル220同士の姿勢を補正する演算を行ってもよい。一例として、較正演算部830は、各磁気センサセル同士の姿勢を同一座標系へと変換する姿勢変換行列をRとすると、以下のような演算で姿勢補正を行ってよい。
これにより、各磁気センサセル同士の出力がすべて同一の座標系の出力とみなせるので、一様な環境磁場が存在する場合、すべて同一の出力となるため、後述する勾配磁場の演算において、一様な環境磁場の影響をキャンセルすることができる。各磁気センサセル同士の姿勢は、基準となる磁気センサセルの姿勢にあわせてもよい。また、磁気センサアレイ210の筐体の姿勢にあわせてもよい。また、姿勢変換行列Rは、各磁気センサセルに加速度センサをさらに備え、加速度センサの出力から算出してもよい。また、姿勢変換行列Rは、各磁気センサセルの出力同士が直交変換の関係にあることを利用して、算出してもよい。すなわち、ある基準の磁気センサセル220の出力に対して、(数5)の補正を行った後の計測データ行列をDaとし、他の補正対象の磁気センサセル220についても、同じ磁場を検出したときの出力に対して、(数5)の補正を行った後の計測データ行列をDbとする。このとき、DaとDbの間には直交変換の関係があり、次のように算出する。行列Daと行列Dbの転置行列との積である行列DaDbを算出し、これを特異値分解して2つのユニタリ行列UおよびWを算出する。このとき、R=UWにより算出することができる。また、姿勢変換行列Rは、あらかじめ既知の磁場を利用したキャリブレーションによって求めておいてもよい。このように、較正演算部830は、計測データのオフセット、主軸方向の感度、他軸方向の感度、および、姿勢を補正してよい。
データ出力部840は、較正演算部830によって較正された磁場計測データBを勾配磁場演算部850に供給する。
勾配磁場演算部850は、データ出力部840から供給された磁場計測データB、すなわち、デジタルの計測データVを較正した磁場計測データBを用いて勾配磁場を算出する。本実施形態において、勾配磁場演算部850は、3軸方向の全ての磁場に対して三次元の全ての方向についての勾配磁場を算出する。これによって、より詳細な勾配磁場分布を得ることができる。これに代えて、勾配磁場演算部850は、3軸方向の一部の磁場に対してのみ勾配磁場を算出してもよい。また、勾配磁場演算部850は、三次元方向の一部の方向についてのみ勾配磁場を算出してもよい。これにより、必要な勾配磁場成分のみを算出することができ、勾配磁場演算部850における演算処理の負荷を低減できる。
また、本実施形態においては、検出する磁場の3軸方向と磁気センサセル220を配列する三次元方向とが同一方向である。これにより、後に示す勾配磁場の分布図において勾配磁場の各成分の把握が容易となる。これに代えて、検出する磁場の3軸方向と磁気センサセル220を配列する三次元方向とが異なっていてもよい。両者が異なる場合、磁気センサセル220内におけるセンサ部300の配置や、磁気センサセル220の配列方向に制約を受けることがなく、磁気センサアレイ210の設計の自由度を増すことができる。
勾配磁場演算部850は、複数の磁気センサセル220のうちの隣接する磁気センサセル220間で計測された磁場計測データを用いて隣接する磁気センサセル220間の磁場の差分を算出することで、すなわち磁場計測データの差分を算出することで、3軸方向の全ての磁場に対して三次元の勾配磁場を算出する。勾配磁場演算部850は、複数の隣接する磁気センサセル220間で計測された磁場計測データを用いて2次以上の勾配磁場を算出してもよい。
図9は、N次の勾配磁場を算出するフローを示す。ステップ910において、勾配磁場演算部850は、nに1を代入する。ステップ920において、勾配磁場演算部850は、各位置における磁気センサセル220により計測された磁場計測データを取得する。ここで、位置[i,j,k]の磁気センサセル220により計測された磁場計測データを次の(数7)式のように表記する。
ステップ930において、勾配磁場演算部850は、磁気センサアレイ210に含まれる隣接する各磁気センサセル220間の磁場計測データを用いて磁場の1次の差分を算出することで、1次の勾配磁場を算出する。勾配磁場演算部850は、X軸方向についての1次の勾配磁場を、磁気センサセル220[i+1,j,k]と磁気センサセル220[i,j,k]との間で計測された磁場計測データを用いて次式により算出する。
すなわち、勾配磁場演算部850は、磁気センサセル220[i+1,j,k]におけるX軸の磁場計測データBxi+1,j,kから磁気センサセル220[i,j,k]におけるX軸の磁場計測データBxi,j,kを減算して磁気センサセル220[i+1,j,k]と磁気センサセル220[i,j,k]との間の磁場計測データのX軸成分の差分を算出し、これを磁気センサセル220[i+1,j,k]と磁気センサセル220[i,j,k]との間の距離Δxで除すことで、位置[i,j,k]における磁場計測データのX軸成分に対するX軸方向についての1次の勾配磁場を算出する。
同様に、勾配磁場演算部850は、磁気センサセル220[i+1,j,k]におけるY軸の磁場計測データByi+1,j,kから磁気センサセル220[i,j,k]におけるY軸の磁場計測データByi,j,kを減算して磁気センサセル220[i+1,j,k]と磁気センサセル220[i,j,k]との間の磁場計測データのY軸成分の差分を算出し、これを磁気センサセル220[i+1,j,k]と磁気センサセル220[i,j,k]との間の距離Δxで除すことで、位置[i,j,k]における磁場計測データのY軸成分に対するX軸方向についての1次の勾配磁場を算出する。
同様に、勾配磁場演算部850は、磁気センサセル220[i+1,j,k]におけるZ軸の磁場計測データBzi+1,j,kから磁気センサセル220[i,j,k]におけるZ軸の磁場計測データBzi,j,kを減算して磁気センサセル220[i+1,j,k]と磁気センサセル220[i,j,k]との間の磁場計測データのZ軸成分の差分を算出し、これを磁気センサセル220[i+1,j,k]と磁気センサセル220[i,j,k]との間の距離Δxで除すことで、位置[i,j,k]における磁場計測データのZ軸成分に対するX軸方向についての1次の勾配磁場を算出する。
また、勾配磁場演算部850は、X軸方向についての1次の勾配磁場と同様に、Y軸方向についての1次の勾配磁場を、磁気センサセル220[i,j+1,k]と磁気センサセル220[i,j,k]との間で計測された磁場計測データを用いて次式により算出する。
また、勾配磁場演算部850は、X軸方向についての1次の勾配磁場と同様に、Z軸方向についての1次の勾配磁場を、磁気センサセル220[i,j,k+1]と磁気センサセル220[i,j,k]との間で計測された磁場計測データを用いて次式により算出する。
勾配磁場演算部850は、(数8)〜(数10)式の演算により、3軸の磁場計測データに対して三次元方向について、以下の(数11)の1次の勾配磁場を得ることができる。つまり、勾配磁場演算部850は、3軸方向の全ての磁場に対して三次元の全ての方向についての勾配磁場を得ることができる。なお、勾配磁場演算部850は、各磁気センサセル220間の距離Δx=Δy=Δzを1単位として1次の勾配磁場を算出してもよい。この場合、勾配磁場演算部850は、磁場計測データの差分を1次の勾配磁場としてみなすことができる。
ステップ940において、勾配磁場演算部850は、nがNに等しいか否か判定する。nがNに等しい場合、勾配磁場演算部850は、処理を終了する。ステップ940において、nがNに等しくない場合、勾配磁場演算部850は、処理をステップ950へ進め、nを1インクリメントする。そして、勾配磁場演算部850は、処理をステップ960へ進める。
ステップ960において、勾配磁場演算部850は、磁場のn−1次の勾配磁場を用いてn次の勾配磁場を算出する。一例として、勾配磁場演算部850は、2次の勾配磁場の算出前のステップ930において、(数8)式に加えて、X軸方向についての1次の勾配磁場として磁気センサセル220[i+2,j,k]と磁気センサセル220[i+1,j,k]との間で計測された磁場計測データを用いて、位置[i+1,j,k]におけるの1次の勾配磁場を次式により算出済みである。
そこで、2次の勾配磁場を算出する場合のステップ960において、勾配磁場演算部850は、(数8)式および(数12)式で算出した1次の勾配磁場を用いて次式によりX軸方向についての2次の勾配磁場を算出する。
すなわち、勾配磁場演算部850は、位置[i+1,j,k]におけるX軸方向についての1次の勾配磁場から位置[i,j,k]におけるX軸方向についての1次の勾配磁場を減算した値を、X軸方向における隣接する磁気センサセル220間の距離ΔXで除すことで、X軸方向についての2次の勾配磁場を算出する。
勾配磁場演算部850は、Y軸方向、Z軸方向についてもX軸方向と同様の演算により、2次の勾配磁場を算出することができる。次に、勾配磁場演算部850は、処理をステップ940へ戻し、以下処理を繰り返す。これにより、勾配磁場演算部850は、隣接する磁気センサセル220間で計測された磁場計測データを用いて3軸の磁場計測データに対して三次元方向についてのn次の勾配磁場を取得することができる。
ここで、N=1の場合、勾配磁場演算部850は、Δx=Δy=Δzが十分小さいとして、ステップ930で得られた(数11)式で与えられる1次の勾配磁場を以下のように表すことができる。
N=2の場合、勾配磁場演算部850は、1次の勾配磁場と本図のフローにより以下の2次の勾配磁場を取得する。
Nが2より大きい場合、勾配磁場演算部850は、1次および2次の勾配磁場と本図のフローにより以下のn次の勾配磁場を取得する。
ここで、特許文献1に示されるような従来のZ軸SQUIDグラジオアレイでは、∂Bx/∂x、∂Bx/∂y、∂Bx/∂z、∂By/∂x、∂By/∂y、∂By/∂z成分を取得することができない。また、特許文献1に示されるような従来のXY軸SQUIDグラジオアレイでは、∂Bx/∂z、∂By/∂z、∂Bz/∂x、∂Bz/∂y、∂Bz/∂z成分を取得することができない。これに対して、本実施形態の磁場計測装置10によれば、(数14)、(数15)、(数16)式に示されるように、3軸の磁場計測データに対して三次元方向についての勾配磁場をもれなく得ることができる。また、本実施形態の磁場計測装置10によれば、隣接する磁気センサセル220間の磁場からの演算となるので、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のみの2次以上の勾配磁場だけでなく、∂B/∂x∂y、∂B/∂y∂z、∂B/∂z∂xのような、異なる軸方向に偏微分した形式に相当する勾配磁場成分も得られる。
また、本実施形態の磁場計測装置10によれば、三次元方向についての勾配磁場をもれなく得ることができるので、例えば心磁計測において、接線成分を利用した計測と、法線成分を利用した計測を同時に実施できる。例えば、図1に示すように、人の胸に平行な面のXY平面において、例えば、接線成分の勾配磁場(∂Bx/∂z、∂By/∂z)を利用して、ベクトルアロー図を作成する。また例えば、法線成分の勾配磁場(∂Bz/∂x、∂Bz/∂y)を利用して、ベクトルアロー図を作成する。ここで、ベクトルアロー図とは、電流アロー図とも呼ばれ、代表的な法線成分の勾配磁場(∂Bz/∂x、∂Bz/∂y)を利用する場合、次の式によって求められる。
ここで、ex、eyはX方向、Y方向の単位ベクトルである。接線成分を利用する場合は、(∂Bx/∂z、∂By/∂z)をそれぞれ(−∂Bz/∂x、−∂Bz/∂y)と入れ替えてよい。そして、上記はXY平面に磁場源を投影した概念であるが、本実施形態の磁場計測装置10によれば、これを三次元に拡張できる。すなわち、YZ平面、XZ平面に投影したベクトルアロー図を作成することができる。したがって、勾配磁場演算部850は、さらに、二次元のベクトルアロー図、または、三次元のベクトルアロー図(XY平面、YZ平面、XZ平面のベクトルアロー図)を演算して出力してもよい。なお、本実施形態の磁場計測装置10によれば、磁気センサ520の各センサ部300が線形性を有し、磁場の入力レンジを広くできるため、較正演算部830によって、各磁気センサセルの磁場計測データを同一座標系の出力とすることで、勾配磁場演算部850の演算において一様磁場がキャンセルされた勾配磁場を演算することができる。したがって、本実施形態の磁場計測装置10は、シールドルームのない地磁気のある環境においても勾配磁場の演算が利用可能となる。
図10は、本実施形態に係る磁場計測装置10により得られる1次の勾配磁場分布の一例を示す。図11は、本実施形態に係る磁場計測装置10により得られる2次の勾配磁場分布の一例を示す。これらの図は、(X,Y)=(0,−5cm)の点にX=5mm、Y=0.5mm、Z=0.5mmの磁石をN極がX軸の正方向を向くように配置し、(X,Y)=(0,5cm)の点にX=5mm、Y=0.5mm、Z=0.5mmの磁石をN極がX軸の負方向を向くように配置し、30cm×30cmの平面を1cm間隔の格子点で、磁石の置かれた面から高さZ=1cmで磁場計測装置10によって計測した場合の勾配磁場分布を示す。これらの図において、各座標におけるドット密度は任意単位における勾配磁場の大きさを示しており、ドット密度が小さい方が勾配磁場が大きいことを表している。図10は、この条件によって得られた1次の勾配磁場分布のうちの∂Bx/∂x成分を示した図であり、図11は、この条件によって得られた2次の勾配磁場分布のうちの∂Bx/∂x成分を示した図である。
図10および図11に示すように、本実施形態に係る磁場計測装置10によれば、算出した勾配磁場を可視化した勾配磁場分布を得ることができる。なお、本図においては、1次の勾配磁場分布については∂Bx/∂x成分、2次の勾配磁場分布については∂Bx/∂x成分のみを一例として示したが、磁場計測装置10は、他の勾配成分や3次以上の勾配磁場についても同様に勾配磁場分布を得ることができる。
図12は、磁場計測装置10の変形例に係る磁気センサアレイ210、センサデータ収集部230、センサデータ処理部800、および故障判定部1200の構成を示す。本変形例において、磁場計測装置10は、故障判定部1200を更に備える。故障判定部1200は、勾配磁場演算部850が算出した勾配磁場に基づいて磁気センサアレイ210の故障を判定する。
図13は、故障判定フローを示す図である。ステップ1310において、故障判定部1200は、一例として図9の処理フローにより得られた勾配磁場に基づいて、複数の磁気センサセル220のうちの任意の磁気センサセル220の位置における磁場の回転を示す値を算出する。
そして、ステップ1320において、故障判定部1200は、算出した磁場の回転を示す値が第1の閾値以上であるか否か判定する。故障判定部1200は、算出した磁場の回転を示す値が第1の閾値以上である場合に、磁気センサアレイ210が故障していると判定する。
これについて説明する。ベクトル解析に基づけば、位置[i,j,k]の磁気センサセル220が計測する磁場が(数7)式で与えられるとき、その回転は次のように、∂Bzi,j,k/∂yと∂Byi,j,k/∂zとの差、∂Bxi,j,k/∂zと∂Bzi,j,k/∂xとの差、∂Byi,j,k/∂xと∂Bxi,j,k/∂yとの差を各成分とするベクトル関数で表される。
ここで、マクスウェル方程式に基づけば、磁場の発生は、電場の時間変化と電流とで生じるものであるが、磁気センサアレイ210には電流源が存在しない。このため、位置[i,j,k]における磁場の回転は0、すなわち、rot B=0となる。つまり、(数18)式で表されるベクトル関数の各成分は理論上0となる。
したがって、故障判定部1200は、例えば(数14)式に示される勾配磁場の対称成分の差から、∂Bzi,j,k/∂yと∂Byi,j,k/∂zとの差、∂Bxi,j,k/∂zと∂Bzi,j,k/∂xとの差、∂Byi,j,k/∂xと∂Bxi,j,k/∂yとの差を求め、これら対称成分の差の絶対値を位置[i,j,k]における磁場の回転を示す値とし、当該値のいずれかが0よりも著しく離れた場合、すなわち、第1の閾値以上である場合に、磁気センサアレイ210が故障していると判定することができる。
なお、上述の説明では、(数18)式で表されるベクトル関数の各成分のいずれかが0よりも著しく離れた場合に磁気センサアレイ210が故障していると判定する場合について示したが、故障判定部1200は、(数18)式で表されるベクトル関数の大きさが0よりも著しく離れた場合に磁気センサアレイ210が故障していると判定してもよい。この場合、故障判定部1200は、∂Bzi,j,k/∂yと∂Byi,j,k/∂zとの差の2乗、∂Bxi,j,k/∂zと∂Bzi,j,k/∂xとの差の2乗、∂Byi,j,k/∂xと∂Bxi,j,k/∂yとの差の2乗の総和の平方根を位置[i,j,k]における磁場の回転を示す値とし、当該値が0よりも著しく離れた場合、すなわち、第1の閾値以上である場合に、磁気センサアレイ210が故障していると判定する。
ステップ1320において、磁場の回転を示す値が第1の閾値未満である場合には、故障判定部1200は、処理をステップ1330へ進める。ステップ1330において、故障判定部1200は、一例として図9の処理フローにより得られた勾配磁場に基づいて、複数の磁気センサセル220のうちの任意の磁気センサセル220の位置における磁場の発散を示す値を算出する。
そして、ステップ1340において、故障判定部1200は、算出した磁場の発散を示す値が第2の閾値以上であるか否か判定する。故障判定部1200は、算出した磁場の発散を示す値が第2の閾値以上である場合に、磁気センサアレイ210が故障していると判定する。
これについて説明する。ベクトル解析に基づけば、位置[i,j,k]の磁気センサセル220が計測する磁場が(数7)式で与えられるとき、その発散は次のように、∂Bxi,j,k/∂xと、∂Byi,j,k/∂yと、∂Bzi,j,k/∂zとの和であるスカラー関数で表される。
ここで、マクスウェル方程式に基づけば、磁力線は必ず閉曲線となる。このため、位置[i,j,k]における磁場の発散は0、すなわち、div B=0となる。つまり、(数19)式で表されるスカラー関数の解は理論上0となる。
したがって、故障判定部1200は、例えば(数14)式に示される対角成分の和から、∂Bxi,j,k/∂xと、∂Byi,j,k/∂yと、∂Bzi,j,k/∂zとの和を求め、対角成分の和の絶対値を位置[i,j,k]における磁場の発散を示す値とし、当該値が0よりも著しく半れた場合、すなわち、第2の閾値以上である場合に、磁気センサアレイ210が故障していると判定することができる。
ステップ1340において、磁場の発散を示す値が第2の閾値未満である場合には、磁気センサアレイ210が正常であると判定する。このように、3軸の磁場計測データに対して三次元方向についてもれなく勾配磁場を取得することで、当該勾配磁場を用いて磁気センサアレイ210が故障しているか否かを検出することができる。また、故障判定を行う際に用いた勾配磁場が、どの隣接する磁気センサセル220間での勾配磁場であるかに基づいて、磁気センサアレイ210中のどの位置で故障が発生したかを特定することができる。
図14は、本実施形態に係る磁気センサアレイ210の変形例を示す。図14においては、図3と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本図において、磁気センサアレイ210が有する複数の磁気センサセル220のそれぞれは、角部に空隙(ギャップ)を設けることなく、センサ部300x、300y、および300zが設けられている。このように、複数の磁気センサセル220のそれぞれは、センサ部300をこのように配置しても、各センサ部300x、300y、および300zが、X軸、Y軸、およびZ軸の三次元方向それぞれから見て互いに重ならないように配置することができる。このような配置とすることにより、複数のセンサ部300x、300y、および300zを磁気センサセル220内に分散して配置することができ、1つの角部に複数のセンサ部300x、300y、および300zが集中して配置されることを防ぐことができる。本実施形態の磁場計測装置10は、このようにセンサ部300が配置された磁気センサアレイ210を用いて計測データを取得してもよい。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図15は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 磁場計測装置
100 本体部
110 磁気センサユニット
120 ヘッド
125 駆動部
130 ベース部
140 ポール部
150 情報処理部
210 磁気センサアレイ
220 磁気センサセル
230 センサデータ収集部
300 センサ部
520 磁気センサ
530 磁場生成部
532 増幅回路
534 コイル
540 出力部
702 磁気抵抗素子
704、706 磁気収束板
800 センサデータ処理部
810 AD変換器
820 磁場取得部
830 較正演算部
840 データ出力部
850 勾配磁場演算部
1200 故障判定部
2200 コンピュータ
2201 DVD−ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD−ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード

Claims (12)

  1. 各々が磁気抵抗素子と前記磁気抵抗素子の一端および他端の少なくともいずれか一方に配置された磁気収束板とを有する磁気センサを複数有し、磁場を3軸方向で検出可能な複数の磁気センサセルを三次元に配列して構成される磁気センサアレイと、
    複数の前記磁気センサのそれぞれが出力するアナログの検出信号をデジタルの計測データに変換する複数のAD変換器と、
    前記デジタルの計測データを取得する磁場取得部と、
    前記磁場取得部からの前記デジタルの計測データを、主軸感度、他軸感度、および、オフセットの少なくともいずれかを用いて較正する較正演算部と、
    前記デジタルの計測データを較正した磁場計測データを用いて、勾配磁場を算出する勾配磁場演算部と、を備え、
    前記勾配磁場演算部は、前記複数の磁気センサセルのうちの隣接する磁気センサセル間で計測された前記磁場計測データを用いて、隣接する磁気センサセル間の磁場の差分を算出することで、3軸方向の全ての磁場に対して三次元の前記勾配磁場を算出する、
    磁場計測装置。
  2. 前記3軸方向と前記三次元の方向とが同一方向である請求項1に記載の磁場計測装置。
  3. 前記勾配磁場演算部は、複数の前記隣接する磁気センサセル間で計測された前記計測データを用いて2次以上の前記勾配磁場を算出する請求項1または2に記載の磁場計測装置。
  4. 前記勾配磁場演算部は、前記隣接する磁気センサセル間で計測された前記計測データを用いて前記隣接する磁気センサセル間の磁場の差分を算出する請求項1から3のいずれか一項に記載の磁場計測装置。
  5. 前記複数の磁気センサセルは、各々が前記磁気センサとコイルとを有する複数のセンサ部を有し、
    前記複数のセンサ部は、前記三次元方向それぞれから見て互いに重ならないように配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載の磁場計測装置。
  6. 前記複数のセンサ部は、前記複数のセンサ部の間に設けるギャップに一端が設けられ、他端が前記ギャップから離れるように前記3軸方向の各軸方向に延伸して配置されている請求項5に記載の磁場計測装置。
  7. 前記勾配磁場演算部が算出した前記勾配磁場に基づいて前記磁気センサアレイの故障を判定する故障判定部を更に備える請求項1から6のいずれか一項に記載の磁場計測装置。
  8. 前記故障判定部は、前記勾配磁場に基づいて前記複数の磁気センサセルのうちの任意の磁気センサセルの位置における磁場の回転を示す値を算出し、前記磁場の回転を示す値が第1の閾値以上である場合に、前記磁気センサアレイが故障していると判定する請求項7に記載の磁場計測装置。
  9. 前記故障判定部は、前記勾配磁場に基づいて前記複数の磁気センサセルのうちの任意の磁気センサセルの位置における磁場の発散を示す値を算出し、前記磁場の発散を示す値が
    第2の閾値以上である場合に、前記磁気センサアレイが故障していると判定する請求項7または8に記載の磁場計測装置。
  10. 前記較正演算部は、前記複数の磁気センサセル同士の姿勢を補正する演算を行う、請求項1から9のいずれか一項に記載の磁場計測装置。
  11. 磁場計測装置が磁場を計測する磁場計測方法であって、
    前記磁場計測装置が、各々が磁気抵抗素子と前記磁気抵抗素子の一端および他端の少なくともいずれか一方に配置された磁気収束板とを有する磁気センサを複数有し、磁場を3軸方向で検出可能な複数の磁気センサセルを三次元に配列して構成される磁気センサアレイにおける複数の前記磁気センサのそれぞれが出力するアナログの検出信号をデジタルの計測データに変換することと、
    前記デジタルの計測データを取得することと、
    前記デジタルの計測データを、主軸感度、他軸感度、および、オフセットの少なくともいずれかを用いて較正することと、
    前記デジタルの計測データを較正した磁場計測データを用いて、勾配磁場を算出することと、を備え、
    前記勾配磁場を算出することは、前記複数の磁気センサセルのうちの隣接する磁気センサセル間で計測された前記磁場計測データを用いて、隣接する磁気センサセル間の磁場の差分を算出することで、3軸方向の全ての磁場に対して三次元の前記勾配磁場を算出することを含む、
    磁場計測方法。
  12. コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
    各々が磁気抵抗素子と前記磁気抵抗素子の一端および他端の少なくともいずれか一方に配置された磁気収束板とを有する磁気センサを複数有し、磁場を3軸方向で検出可能な複数の磁気センサセルを三次元に配列して構成される磁気センサアレイにおける複数の前記磁気センサのそれぞれが出力するアナログの検出信号をデジタルの計測データに変換する複数のAD変換器と、
    前記デジタルの計測データを取得する磁場取得部と、
    前記磁場取得部からの前記デジタルの計測データを、主軸感度、他軸感度、および、オフセットの少なくともいずれかを用いて較正する較正演算部と、
    前記デジタルの計測データを較正した磁場計測データを用いて、勾配磁場を算出する勾配磁場演算部であって、前記複数の磁気センサセルのうちの隣接する磁気センサセル間で計測された前記磁場計測データを用いて、隣接する磁気センサセル間の磁場の差分を算出することで、3軸方向の全ての磁場に対して三次元の前記勾配磁場を算出する、勾配磁場演算部と、
    して機能させる磁場計測プログラム。
JP2019075742A 2018-06-08 2019-04-11 磁場計測装置、磁場計測方法、磁場計測プログラム Pending JP2019215322A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16/434,192 US20190377035A1 (en) 2018-06-08 2019-06-07 Magnetic field measurement apparatus, magnetic field measurement method, and storage medium with magnetic field measurement program stored thereon
US18/327,849 US20230324476A1 (en) 2018-06-08 2023-06-01 Magnetic field measurement apparatus, magnetic field measurement method, and storage medium with magnetic field measurement program stored thereon

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018110417 2018-06-08
JP2018110417 2018-06-08

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019215322A true JP2019215322A (ja) 2019-12-19

Family

ID=68918604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019075742A Pending JP2019215322A (ja) 2018-06-08 2019-04-11 磁場計測装置、磁場計測方法、磁場計測プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019215322A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020138170A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁場計測装置
CN113237477A (zh) * 2021-04-27 2021-08-10 中国科学院电工研究所 一种用于地磁导航的仿生地磁传感系统
JP7364485B2 (ja) 2020-01-31 2023-10-18 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁場計測装置、磁場計測方法、および、磁場計測プログラム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03200083A (ja) * 1989-12-28 1991-09-02 Mishima Taimu Ind:Kk 磁場測定器
JPH09243725A (ja) * 1996-03-06 1997-09-19 Kanazawa Kogyo Univ 磁気分布測定方法,磁気分布測定装置および磁気検出器板
JP2007508533A (ja) * 2003-10-08 2007-04-05 サントル ナシオナル デチュード スパシアル 磁場測定プローブ
JP2007285865A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Technical Research & Development Institute Ministry Of Defence 勾配型磁力計の調整方法
JP2011047910A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Technical Research & Development Institute Ministry Of Defence 磁気測定システム
JP2016183944A (ja) * 2015-03-27 2016-10-20 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁場検出方法、磁気センサ及び生体磁気センサ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03200083A (ja) * 1989-12-28 1991-09-02 Mishima Taimu Ind:Kk 磁場測定器
JPH09243725A (ja) * 1996-03-06 1997-09-19 Kanazawa Kogyo Univ 磁気分布測定方法,磁気分布測定装置および磁気検出器板
JP2007508533A (ja) * 2003-10-08 2007-04-05 サントル ナシオナル デチュード スパシアル 磁場測定プローブ
JP2007285865A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Technical Research & Development Institute Ministry Of Defence 勾配型磁力計の調整方法
JP2011047910A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Technical Research & Development Institute Ministry Of Defence 磁気測定システム
JP2016183944A (ja) * 2015-03-27 2016-10-20 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁場検出方法、磁気センサ及び生体磁気センサ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020138170A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁場計測装置
JPWO2020138170A1 (ja) * 2018-12-26 2021-09-09 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁場計測装置
JP7364485B2 (ja) 2020-01-31 2023-10-18 旭化成エレクトロニクス株式会社 磁場計測装置、磁場計測方法、および、磁場計測プログラム
CN113237477A (zh) * 2021-04-27 2021-08-10 中国科学院电工研究所 一种用于地磁导航的仿生地磁传感系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230324476A1 (en) Magnetic field measurement apparatus, magnetic field measurement method, and storage medium with magnetic field measurement program stored thereon
US20210161420A1 (en) Magnetic field measuring apparatus, magnetic field measuring method, and recording medium storing magnetic field measuring program
JP6936405B2 (ja) 磁場計測装置
JP7222814B2 (ja) 測定装置および測定方法
US20190298202A1 (en) Magnetocardiographic measurement apparatus, calibration method, and recording medium having recorded thereon calibration program
US11497425B2 (en) Magnetic field measurement apparatus
US20220065953A1 (en) Measuring apparatus, measuring method and recording medium
JP2019215322A (ja) 磁場計測装置、磁場計測方法、磁場計測プログラム
JP7186652B2 (ja) 心磁計測装置
JP7365915B2 (ja) 測定装置
JP2021177159A (ja) 磁場計測装置、磁場計測方法、および、磁場計測プログラム
JP7330014B2 (ja) 心磁計測装置、心磁計測方法、および、心磁計測プログラム
JP2023147067A (ja) 磁場計測装置、磁場計測方法、及び磁場計測プログラム
US11668772B2 (en) Magnetic field measurement device, magnetic field measurement method, and recording medium having recorded thereon magnetic field measurement program
JP7262243B2 (ja) 測定装置、信号処理装置、信号処理方法、および、信号処理プログラム
JP2021120619A (ja) 磁場計測装置、磁場計測方法、および磁場計測プログラム
JP2022153083A (ja) 計測装置、計測方法、およびプログラム
JP2022153186A (ja) 計測装置、計測方法、およびプログラム
JP2022153075A (ja) 計測装置、計測方法、およびプログラム
JP2021124288A (ja) 磁場計測装置、磁場計測方法、および、磁場計測プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220406

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230704

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231226