JP7262243B2 - 測定装置、信号処理装置、信号処理方法、および、信号処理プログラム - Google Patents

測定装置、信号処理装置、信号処理方法、および、信号処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、測定装置、信号処理装置、信号処理方法、および、信号処理プログラムに関する。
従来、10pT程度の微弱な磁場を検出するセンサが知られており、心臓等の臓器の電気的な分極に起因する心磁信号を測定する心磁計等に用いられていた(例えば、特許文献1~4参照)。また、磁気抵抗効果素子を用いた電流センサにおいて、フィードバックコイルを用いて環境磁場の影響をキャンセルすることも知られていた(例えば、特許文献5参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2000-217798号公報
[特許文献2]特開2012-152515号公報
[特許文献3]米国特許第5642045号明細書
[特許文献4]特開2000-284032号公報
[特許文献5]米国特許出願公開第2015/0253412号明細書
例えば、ジョセフソン効果を利用したSQUIDセンサは、微弱な磁場を検出できるが、高価な液体ヘリウムと、大規模な磁気シールドルーム等が必要になってしまい、当該センサを備える装置を設置することは容易ではなかった。また、磁気抵抗効果素子を用いた電流センサは、小型で磁気感度が高いが、入出力特性の直線性が悪く、また、他軸感度を有するので、微弱な磁場を精度よく検出することが困難であった。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、測定装置を提供する。測定装置は、測定対象を測定する測定位置に設けられ、入力磁場を少なくとも1つの検出軸方向で検出する複数の測定用センサ部を備えてよい。測定装置は、測定位置から離間した参照位置に設けられ、入力磁場を3軸方向で検出する複数の参照用センサ部を備えてよい。測定装置は、複数の測定用センサ部の出力に応じた測定信号を、複数の参照用センサ部の出力を示す参照用信号を用いて補正する補正部を備えてよい。複数の測定用センサ部のそれぞれおよび複数の参照用センサ部のそれぞれは、磁気センサを有してよい。複数の測定用センサ部のそれぞれおよび複数の参照用センサ部のそれぞれは、磁気センサが検出した入力磁場を低減させるフィードバック磁場を磁気センサに与える磁場生成部を有してよい。複数の測定用センサ部のそれぞれおよび複数の参照用センサ部のそれぞれは、磁場生成部がフィードバック磁場を発生するために流す電流に応じた出力信号を出力する出力部を有してよい。
複数の測定用センサ部の出力の差分を示す差分信号を算出する差分算出部をさらに備え、補正部は、差分信号を、参照用信号を用いて補正してよい。
複数の測定用センサ部のそれぞれおよび複数の参照用センサ部のそれぞれは、予め定められた入力磁場の範囲において、当該入力磁場に対する検出結果が線形性を有し、補正部は、差分信号から、参照用信号の線形結合として生成される補正信号を減算してよい。
複数の測定用センサ部および複数の参照用センサ部が測定対象から離間して、予め定められた一様な磁場中に配置された場合に、補正部によって補正信号が減算された補正差分信号が予め定められた信号範囲となるように、線形結合の係数を更新する係数更新部をさらに備えてよい。
係数更新部は、補正差分信号の2乗が最小となるように係数を更新してよい。
係数更新部は、LMSアルゴリズムを用いて係数を更新してよい。
複数の測定用センサ部が入力磁場を検出する検出軸方向の数は1つであってよい。
複数の測定用センサ部は、1つの検出軸方向とは異なる2つの直交する軸に沿ってアレイ状に配置されてよい。
磁気センサは、磁気抵抗効果素子を有してよい。
複数の測定用センサ部および複数の参照用センサ部は、それぞれ、磁気抵抗効果素子の両端に配置された二つの磁気収束板をさらに有し、磁気抵抗効果素子は、二つの磁気収束板に挟まれた位置に配置されてよい。
フィードバック磁場を発生させるためのコイルが、磁気抵抗効果素子および二つの磁気収束板を取り囲むように巻かれていてよい。
複数の測定用センサ部の出力をアナログからデジタルに変換する第1AD変換部と、複数の参照用センサ部の出力をアナログからデジタルに変換する第2AD変換部と、をさらに備え、第1AD変換部および第2AD変換部は、共通のサンプリングクロックに応じてAD変換を行ってよい。
測定対象は、動物の心臓であり、補正部によって補正された補正差分信号に基づき、動物の心臓の心磁信号を算出する信号処理部をさらに備えてよい。
本発明の第2の態様においては、信号処理装置を提供する。信号処理装置は、測定対象を測定する測定位置に設けられ、入力磁場を少なくとも1つの検出軸方向で検出する複数の測定用センサ部の出力に応じた測定信号を取得する測定信号取得部を備えてよい。信号処理装置は、測定位置から離間した参照位置に設けられ、入力磁場を3軸方向で検出する複数の参照用センサ部の出力を示す参照用信号を取得する参照用信号取得部を備えてよい。信号処理装置は、測定信号を、参照用信号を用いて補正する補正部を備えてよい。
本発明の第3の態様においては、信号処理装置が信号を処理する信号処理方法を提供する。信号処理方法は、測定対象を測定する測定位置に設けられ、入力磁場を少なくとも1つの検出軸方向で検出する複数の測定用センサ部の出力に応じた測定信号を取得することを備えてよい。信号処理方法は、測定位置から離間した参照位置に設けられ、入力磁場を3軸方向で検出する複数の参照用センサ部の出力を示す参照用信号を取得することを備えてよい。信号処理方法は、測定信号を、参照用信号を用いて補正することを備えてよい。
本発明の第4の態様においては、信号処理プログラムを提供する。信号処理プログラムは、コンピュータにより実行されてよい。信号処理プログラムは、コンピュータを、測定対象を測定する測定位置に設けられ、入力磁場を少なくとも1つの検出軸方向で検出する複数の測定用センサ部の出力に応じた測定信号を取得する測定信号取得部として機能させてよい。信号処理プログラムは、コンピュータを、測定位置から離間した参照位置に設けられ、入力磁場を3軸方向で検出する複数の参照用センサ部の出力を示す参照用信号を取得する参照用信号取得部として機能させてよい。信号処理プログラムは、コンピュータを、測定信号を、参照用信号を用いて補正する補正部として機能させてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係る測定装置10の構成を示す。 本実施形態に係る磁気センサユニット110の構成を示す。 本実施形態に係る磁気センサセル220の構成および配置と、参照用センサセル222の構成を示す。 本実施形態に係る磁気抵抗効果素子を有する磁気センサの入出力特性の一例を示す。 本実施形態に係るセンサ部300の構成例を示す。 本実施形態に係るセンサ部300の入出力特性の一例を示す。 本実施形態に係る磁気センサ520の構成例を示す。 本実施形態に係る磁気センサ520にフィードバック磁場を発生させた時の磁束分布を示す。 本実施形態に係る磁気センサアレイ210、参照用センサセル222、センサデータ収集部230、およびセンサデータ処理部900の構成を示す。 本実施形態に係る測定装置10が測定対象磁場を算出するフローの一例を示す。 本実施形態の変形例に係る磁気センサセル220の構成および配置と、参照用センサセル222の構成を示す。 本実施形態の変形例に係る磁気センサアレイ210、参照用センサセル222、センサデータ収集部230、およびセンサデータ処理部900の構成を示す。 本実施形態の変形例に係るセンサデータ処理部900の少なくとも一部を信号処理装置1300として独立した装置で実現する例を示す。 本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る測定装置10の構成を示す。測定装置10は、磁気抵抗効果素子を用いて磁場を計測する。測定装置10は、心磁計測装置の一例であり、人間の心臓の電気活動により生成される磁場(「心磁」と示す。)を計測する。これに代えて、測定装置10は、人間以外の生体の心磁を計測するために用いられてもよいし、脳磁場等の心磁以外の生体磁場を計測するために用いられてもよい。また、測定装置10は、鉄鋼材料や溶接部の表面および表面下の傷等を検出するための磁気探傷検査のために用いられてもよい。
測定装置10は、本体部100と、情報処理部150とを備える。本体部100は、被験者の心磁をセンシングするためのコンポーネントであり、磁気センサユニット110と、ヘッド120と、駆動部125と、ベース部130と、ポール部140とを有する。
磁気センサユニット110は、心磁計測時に被験者の胸部における心臓に向かう位置に配置され、被験者の心磁をセンシングする。ヘッド120は、磁気センサユニット110を支持し、磁気センサユニット110を被験者に対向させる。駆動部125は、磁気センサユニット110およびヘッド120の間に設けられ、キャリブレーションを行う場合にヘッド120に対する磁気センサユニット110の向きを変更する。本実施形態に係る駆動部125は、図中のZ軸を中心に磁気センサユニット110を360度回転させることができる第1アクチュエータと、Z軸と垂直な軸(図中の状態においてはX軸)を中心に磁気センサユニット110を回転させる第2アクチュエータとを含み、これらを用いて磁気センサユニット110の方位角および天頂角を変更する。図中の駆動部125として示したように、駆動部125は図中のY軸方向から見るとY字形状を有し、第2アクチュエータは、磁気センサユニット110を図中X軸中心に360度回転させることができる。
ベース部130は、他の部品を支える基台であり、本実施形態においては心磁計測時に被験者が乗る台となっている。ポール部140は、ヘッド120を被験者の胸部の高さに支持する。ポール部140は、磁気センサユニット110の高さを被験者の胸部の高さに調整するべく上下方向に伸縮可能であってよい。
情報処理部150は、本体部100による計測データを処理して表示・印刷等により出力するためのコンポーネントである。情報処理部150は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。これに代えて、情報処理部150は、心磁計測の情報処理用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回線によって実現された専用ハードウェアであってもよい。
図2は、本実施形態に係る磁気センサユニット110の構成を示す。磁気センサユニット110は、磁気センサアレイ210、参照用センサセル222、およびセンサデータ収集部230を有する。磁気センサアレイ210は、各々が磁気抵抗効果素子を有し、入力磁場を少なくとも1つの検出軸方向で検出可能な複数の磁気センサセル220を有する。本図において、磁気センサアレイ210は、X方向、Y方向およびZ方向のそれぞれに複数の磁気センサセル220(例えば、X方向に8個、Y方向に8個、およびZ方向に2個の計128個の磁気センサセル220)が平面状に配置されている。
参照用センサセル222は、複数の磁気抵抗効果素子を有し、入力磁場を3軸方向で検出する。本図において、参照用センサセル222は、磁気センサアレイ210と同一平面(XY平面)内における磁気センサアレイ210のX軸正側に設けられている場合を一例として示すが、これに限定されるものではない。参照用センサセル222は、磁気センサアレイ210と同一平面内における磁気センサアレイ210の異なる側(例えば、X軸負側、Y軸正側およびY軸負側等)に設けられていてもよいし、磁気センサアレイ210の内部の一角に設けられていてもよいし、磁気センサアレイ210と同一平面ではない如何なる位置に設けられていてもよい。一例として、磁気センサアレイ210が平面(XY平面)状に配置される場合、参照用センサセル222は、当該平面(XY平面)座標における磁気センサアレイ210の中央であって、当該平面よりも測定対象から離れた位置、すなわち、磁気センサアレイ210が配置される平面よりもZ軸負側(例えば、磁気センサアレイ210の外部)に配置されてよい。本図において、参照用センサセル222は、例えば、X軸方向に配置された左から4つ目の磁気センサセル220と5つ目の磁気センサセル220との間の中心点におけるX座標、Y軸方向に配置された手前から4つ目の磁気センサセル220と5つ目の磁気センサセル220との間の中心点におけるY軸座標、および、Z軸方向の最も負側に配置された磁気センサセル220の中心座標をZ=0とした場合にZ<0となるZ軸座標に配置されてよい。このような位置に配置される場合、参照用センサセル222は、測定対象から離れることにより出来るだけ純粋な環境磁場を取得することができ、また、磁気センサアレイ210に含まれる複数の磁気センサセル220から見た場合における環境磁場の平均値を測定することができる。
センサデータ収集部230は、磁気センサアレイ210に含まれる複数の磁気センサセル220および参照用センサセル222に電気的に接続され(図示せず。)、複数の磁気センサセル220および参照用センサセル222からのセンサデータ(検出信号)を収集して情報処理部150へと供給する。
図3は、本実施形態に係る磁気センサセル220の構成および配置と、参照用センサセル222の構成を示す。複数の磁気センサセル220の各々は、磁気抵抗効果素子を有する測定用センサ部300Sを有する。複数の測定用センサ部300Sは、測定対象を測定する測定位置に設けられ、入力磁場を少なくとも1つの検出軸方向で検出する。本図においては、複数の測定用センサ部300Sのそれぞれが、Z軸方向に沿って配置されZ軸方向の磁場を検出可能である場合を一例として示す。このように、複数の測定用センサ部300Sが入力磁場を検出する検出軸方向の数は1つであってよい。また、検出軸方向の数が1つである場合、複数の測定用センサ部300Sは、当該1つの検出軸方向とは異なる2つの直交する軸に沿ってアレイ状に配置されてよい。例えば、複数の測定用センサ部300Sが入力磁場を検出する検出軸方向がZ軸方向のみである場合、複数の測定用センサ部300Sは、Z軸方向とは異なるX軸およびY軸の2つの直交する軸に沿ってアレイ状に配置されてよい。なお、上述の説明では、複数の測定用センサ部300Sが入力磁場を検出する検出軸方向の数が1つである場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。複数の測定用センサ部300Sが入力磁場を検出する検出軸方向の数は、参照用センサセル222が入力磁場を検出する検出軸方向の数よりも小さい如何なる数であってもよく、例えば、2つであってもよい。
複数の磁気センサセル220は、X軸方向に沿ってΔx、Y軸方向に沿ってΔy、Z軸方向に沿ってΔzの間隔で等間隔に配列される。本図においては、複数の磁気センサセル220が、X軸方向、Y軸方向、および、Z軸方向のそれぞれに沿ってLの間隔で等間隔に配列されている場合を一例として示している。また、本図において、磁気センサアレイ210は、複数の磁気センサセル220をZ軸方向に2個配列して構成されている。すなわち、磁気センサアレイ210は、XY平面上の同一座標における異なるZ座標に2つの磁気センサセル220を配列して構成されている。磁気センサアレイ210における各磁気センサセル220の位置は、X方向の位置i、Y方向の位置j、およびZ方向の位置kの組[i,j,k]により表される。ここで、iは0≦i≦Nx-1を満たす整数であり(NxはX方向に配列された磁気センサセル220の個数を示す)、jは0≦j≦Ny-1を満たす整数であり(NyはY方向に配列された磁気センサセル220の個数を示す)、kは0≦k≦Nz-1を満たす整数である(NzはZ方向に配列された磁気センサセル220の個数を示す)。また、[i,j,k]に位置する磁気センサセル220[i,j,k]が有する測定用センサ部300Sを、測定用センサ部300S[i,j,k]として示す。
本図において、測定用センサ部300Sにより検出する磁場の検出軸方向がZ軸方向であり、磁気センサセルを配列する方向の一つもZ軸方向である。すなわち、測定用センサ部300Sにより検出する磁場の検出軸方向と、磁気センサセルを配列する方向のうちの少なくとも1つの方向とが同一方向である。これにより、後に示す勾配磁場の演算が容易となる。しかしながら、測定用センサ部300Sにより検出する磁場の検出軸方向と、磁気センサセルを配列する方向のうちの少なくとも1つの方向とは異なっていてもよい。例えば、測定用センサ部300Sにより検出する検出軸方向としてZ軸に代えて、極座標系のr軸、θ軸、およびφ軸を用いてもよい。また、磁気センサセル220を配列する三次元の方向として、X軸、Y軸、およびZ軸に代えて、極座標系のr軸、θ軸、およびφ軸を用いてもよい。測定用センサ部300Sにより検出する磁場の検出軸方向と、磁気センサセルを配列する方向のうちの少なくとも1つの方向とが異なる場合、磁気センサセル220内における測定用センサ部300Sの配置や、磁気センサセル220の配列方向に制約を受けることがなく、磁気センサアレイ210の設計の自由度を増すことができる。
参照用センサセル222は、複数の参照用センサ部300Rx、300Ry、および、300Rzを有する。ここで、参照用センサ部300Rx、300Ry、および、300Rzを「参照用センサ部300R」と総称する。また、測定用センサ部300Sおよび参照用センサ部300Rを「センサ部300」と総称する。複数の参照用センサ部300Rは、測定位置から離間した参照位置に設けられ、入力磁場を3軸方向で検出する。本図においては、参照用センサ部300Rxは、X軸方向に沿って配置されX軸方向の磁場を検出可能である。また、参照用センサ部300Ryは、Y軸方向に沿って配置されY軸方向の磁場を検出可能である。また、参照用センサ部300Rzは、Z軸方向に沿って配置されZ軸方向の磁場を検出可能である。複数の参照用センサ部300Rは、磁気センサセル220を配列する三次元方向それぞれから見て互いに重ならず、かつ、複数の参照用センサ部300Rの間に設けるギャップ側に一端が設けられ、他端が当該ギャップから離れるように3軸方向の各軸方向に延伸して配置されていることが好ましい。一例として、本図において、参照用センサセル222の正面視左下の角部に空隙(ギャップ)が設けられ、複数の参照用センサ部300Rx、300Ry、および、300Rzは、一端が当該空隙に接するように設けられ、他端が当該空隙から離れるようにX軸、Y軸、およびZ軸方向の各軸方向に延伸して配置されている例を示す。すなわち、複数の参照用センサ部300Rx、300Ry、および、300Rzが、立方体状の参照用センサセル222の一角部から互いに垂直な3辺に沿って配置され、該一角部に空隙が設けられている。また、後に述べる複数の参照用センサ部300Rx、300Ry、および、300Rzが有するコイルまたは磁性体が、互いに重ならないように配置されていることが好ましい。これにより、測定点を明確にでき、勾配磁場の演算がさらに容易となる。
図4は、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子を有する磁気センサの入出力特性の一例を示す。本図は、横軸が磁気センサに入力する入力磁場の大きさBを示し、縦軸が磁気センサの検出信号の大きさV_xMR0を示す。磁気センサは、例えば、巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto-Resistance)素子またはトンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magneto-Resistance)素子等を有し、予め定められた一軸方向の磁場の大きさを検出する。
このような磁気センサは、入力磁場Bに対する検出信号V_xMR0の傾きである磁気感度が高く、10pT程度の微小な磁場を検出することができる。その一方で、磁気センサは、例えば、入力磁場Bの絶対値が1μT程度で検出信号V_xMR0が飽和してしまい、入出力特性の直線性が良好な範囲が狭い。そこで、このような磁気センサにフィードバック磁場を発生させる閉ループを加えると、磁気センサの直線性を改善することができる。このような磁気センサについて次に説明する。
図5は、本実施形態に係るセンサ部300の構成例を示す。センサ部300は、複数の磁気センサセル220のそれぞれ、および、参照用センサセル222の内部に設けられ、磁気センサ520と、磁場生成部530と、出力部540と、を有する。すなわち、複数の測定用センサ部300Sのそれぞれおよび複数の参照用センサ部300Rのそれぞれは、磁気センサ520と、磁場生成部530と、出力部540と、を有する。なお、センサ部300の一部、例えば増幅回路532および出力部540は、磁気センサセル220側ではなくセンサデータ収集部230側に設けられてもよい。
磁気センサ520は、図4で説明した磁気センサと同様に、GMR素子またはTMR素子等の磁気抵抗効果素子を有する。また、磁気センサ520のそれぞれは、磁気抵抗効果素子と磁気抵抗効果素子の両端に配置された二つの磁気収束板とを含み、磁気抵抗効果素子は、二つの磁気収束板に挟まれた位置に配置される。すなわち、複数の測定用センサ部300Sおよび複数の参照用センサ部300Rは、それぞれ、磁気抵抗効果素子の両端に配置された二つの磁気収束板を有し、磁気抵抗効果素子は、二つの磁気収束板に挟まれた位置に配置される。磁気センサ520が有する磁気抵抗効果素子は、感磁軸の正の方向を+X方向とした場合に、+X方向の磁場が入力すると抵抗値が増加し、-X方向の磁場が入力すると抵抗値が減少するように形成されてよい。即ち、磁気センサ520が有する磁気抵抗効果素子の抵抗値の変化を観測することにより、当該磁気センサ520に入力する磁場Bの大きさを検出することができる。例えば、磁気センサ520の磁気感度をSとすると、磁気センサ520の入力磁場Bに対する検出結果は、S×Bと算出できる。なお、磁気センサ520は、一例として、電源等が接続され、抵抗値の変化に応じた電圧降下を、入力磁場の検出結果として出力する。磁気センサ520の構成の詳細については後述する。
磁場生成部530は、出力部540が出力する出力信号に応じた大きさで、磁気センサ520が検出した入力磁場を低減させるフィードバック磁場を発生させ、磁気センサ520に与える。磁場生成部530は、例えば、磁気センサ520に入力する磁場Bとは逆向きで、絶対値が当該入力磁場と略同一のフィードバック磁場B_FBを発生させ、入力磁場を打ち消すように動作する。磁場生成部530は、増幅回路532と、コイル534とを含む。
増幅回路532は、磁気センサ520の入力磁場の検出結果に応じた電流をフィードバック電流I_FBとして出力する。磁気センサ520が有する磁気抵抗効果素子が、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を含むブリッジ回路により構成される場合、増幅回路532の入力端子対には、ブリッジ回路の出力がそれぞれ接続される。そして、増幅回路532は、ブリッジ回路の出力に応じた電流をフィードバック電流I_FBとして出力する。増幅回路532は、例えば、トランスコンダクタンスアンプを含み、磁気センサ520の出力電圧に応じたフィードバック電流I_FBを出力する。例えば、増幅回路532の電圧・電流変換係数をGとすると、フィードバック電流I_FBは、G×S×Bと算出できる。
コイル534は、フィードバック電流I_FBに応じたフィードバック磁場B_FBを発生させる。コイル534は、磁気センサ520が有する磁気抵抗効果素子および磁気抵抗効果素子の両端に配置された二つの磁気収束板を取り囲むように、磁気センサ520が検出対象とする磁場の軸方向に沿って巻かれている。コイル534は、磁気センサ520の全体にわたって均一のフィードバック磁場B_FBを発生させることが望ましい。例えば、コイル534のコイル係数をβとすると、フィードバック磁場B_FBは、β×I_FBと算出できる。ここで、フィードバック磁場B_FBは、入力磁場Bを打ち消す向きに発生するので、磁気センサ520に入力する磁場は、B-B_FBに低減されることになる。したがって、フィードバック電流I_FBは、次式のように示される。
Figure 0007262243000001
(数1)式をフィードバック電流I_FBについて解くと、センサ部300の定常状態におけるフィードバック電流I_FBの値を算出することができる。磁気センサ520の磁気感度Sおよび増幅回路532の電圧・電流変換係数Gが十分に大きいとすると、(数1)式から次式が算出される。
Figure 0007262243000002
出力部540は、磁場生成部530がフィードバック磁場B_FBを発生するために流すフィードバック電流I_FBに応じた出力信号V_xMRを出力する。出力部540は、例えば、抵抗値Rの抵抗性素子を有し、当該抵抗性素子にフィードバック電流I_FBが流れることによって生じる電圧降下を出力信号V_xMRとして出力する。この場合、出力信号V_xMRは、(数2)式より次式のように算出される。
Figure 0007262243000003
以上のように、センサ部300は、外部から入力する磁場を低減させるフィードバック磁場を発生するので、磁気センサ520に実質的に入力する磁場を低減させる。これにより、センサ部300は、例えば、磁気センサ520として図4に示した非線形性であり、動作磁場範囲が狭い特性を有する磁気抵抗効果素子を用い、入力磁場Bの絶対値が1μTを超えても、検出信号V_xMRが飽和することを防止できる。このようなセンサ部300の入出力特性を次に説明する。
図6は、本実施形態に係るセンサ部300の入出力特性の一例を示す。本図は、横軸がセンサ部300に入力する入力磁場の大きさBを示し、縦軸がセンサ部300の検出信号の大きさV_xMRを示す。センサ部300は、磁気感度が高く、10pT程度の微小な磁場を検出することができる。また、センサ部300は、例えば、入力磁場Bの絶対値が100μTを超えても、検出信号V_xMRの良好な線形性を保つことができる。
即ち、本実施形態に係るセンサ部300は、例えば、入力磁場Bの絶対値が数百μT以下といった、予め定められた入力磁場Bの範囲において、当該入力磁場Bに対する検出結果が線形性を有するように構成される。すなわち、複数の測定用センサ部300Sのそれぞれおよび複数の参照用センサ部300Rのそれぞれは、予め定められた入力磁場Bの範囲において、入力磁場Bに対する検出結果が線形性を有する。このようなセンサ部300を用いることにより、心磁信号のように微弱な磁気的信号を簡便に検出することができる。
図7は、本実施形態に係る磁気センサ520の構成例を示す。本図において、磁気センサ520は、磁気抵抗効果素子710と、磁気抵抗効果素子710の両端に配置された磁気収束板720および730とを有する。磁気収束板720および730は、磁気抵抗効果素子710を間に挟むように、磁気抵抗効果素子710の両端に配置されている。本図において、磁気収束板720は、感磁軸に沿って磁気抵抗効果素子710の負側に設けられ、磁気収束板730は、感磁軸に沿って磁気抵抗効果素子710の正側に設けられている。なお、ここで、感磁軸は、磁気抵抗効果素子710を形成する磁化固定層において固定された磁化の方向に沿っていてよい。また、感磁軸の負側から正側に向かって磁場が入力されると、磁気抵抗効果素子710の抵抗は増加または減少してよい。磁気収束板720および730は、例えばパーマロイ等の透磁率の高い材料により形成される。そして、磁気センサ520が本図に示すように構成される場合、コイル534は、磁気抵抗効果素子710と、磁気抵抗効果素子710の両端に配置された磁気収束板720および730との断面を取り囲むように、磁気センサ520が検出対象とする磁場の軸方向に沿って巻かれている。また、磁気センサ520は、1つの磁気センサ520内に複数の磁気抵抗効果素子710を有する場合、磁気抵抗効果素子およびその両端に配置された磁気収束板を含む組を複数有してもよい。その場合、磁気抵抗効果素子およびその両端に配置された磁気収束板を含む組を1つのコイルで取り囲むようにコイル534が巻かれてもよい。
このような磁気センサ520において、感磁軸の負側から正側に磁場が入力されると、透磁率の高い材料で形成された磁気収束板720および730が磁化されることにより、本図において破線で示すような磁束の分布が発生する。すると、磁気収束板720および730が磁化されることにより発生する磁束は、二つの磁気収束板720および730の間に挟まれた磁気抵抗効果素子710の位置を通過することとなる。このため、磁気抵抗効果素子710の位置における磁束密度は、磁気収束板720および730を配置することによって大幅に増加させることができる。また、本図のように、磁気収束板720および730に挟まれた狭い位置に配置された磁気抵抗効果素子710を用いて磁場の空間分布をサンプリングすることにより、空間におけるサンプリング点を明確にすることができる。
図8は、本実施形態に係る磁気センサ520にフィードバック磁場を発生させた時の磁束分布を示す。図8においては、図7と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本実施形態に係る磁気センサ520において、コイル534にフィードバック電流が供給されると、コイル534がフィードバック磁場を発生させることにより、本図において一点鎖線で示すような磁束の分布が発生する。このフィードバック磁場により発生する磁束は、磁気抵抗効果素子710に入力され磁気収束板720および730によって磁気増幅された磁場の空間分布をキャンセルするように空間分布する。このため、磁気センサ520は、本図に示すように磁気抵抗効果素子710の両端に磁気収束板720および730が配置されており、磁気抵抗効果素子およびその両端に配置された磁気収束板を含む組を1つのコイルで取り囲むようにコイル534が巻かれている場合には、磁気抵抗効果素子710の位置における磁場分布をフィードバック磁場によって正確にキャンセルすることができるため、入力磁場と出力電圧との間の線形性が高いセンサを実現することができる。
図9は、本実施形態に係る磁気センサアレイ210、参照用センサセル222、センサデータ収集部230、およびセンサデータ処理部900の構成を示す。本実施形態においては、磁気センサアレイ210として、図3の磁気センサアレイ210を用いる。すなわち、本実施形態における磁気センサアレイ210は、XY平面上の同一座標における異なるZ座標に2つの磁気センサセル220を配列して構成されている。
本図においては、磁気センサアレイ210が各次元方向に有する複数の磁気センサセル220のうち、位置[i,j,0]および「i,j,1」に関する部分を示す。複数の磁気センサセル220のそれぞれは、上述のとおり測定用センサ部300Sを有する。また、参照用センサセル222は、上述のとおり、複数の参照用センサ部300Rを有する。
センサデータ収集部230は、第1AD変換部232、第2AD変換部234、および、クロック発生器236を有する。
第1AD変換部232は、複数の第1AD変換器を含む。複数の第1AD変換器は、複数の磁気センサセル220の測定用センサ部300Sそれぞれに対応して設けられており、対応する測定用センサ部300Sが出力するアナログの検出信号(図6のセンサ出力信号V_xMR)をデジタルの測定用計測値Vsen(Vsen0、Vsen1)に変換する。すなわち、第1AD変換部232は、複数の測定用センサ部300Sの出力をアナログからデジタルに変換する。本図において、測定用計測値Vsen0およびVsen1は、それぞれ、測定用センサ部300S[i,j,0]および測定用センサ部300S[i,j,1]からの検出信号をデジタルに変換した計測値(例えば、デジタルの電圧値)である。
第2AD変換部234は、複数の第2AD変換器を含む。複数の第2AD変換器は、参照用センサセル222の複数の参照用センサ部300Rそれぞれに対応して設けられており、対応する参照用センサ部300Rが出力するアナログの検出信号(図6のセンサ出力信号V_xMR)をデジタルの参照用計測値Vref(Vref,x、Vref,y、Vref,z)に変換する。すなわち、第2AD変換部234は、複数の参照用センサ部300Rの出力をアナログからデジタルに変換する。本図において、参照用計測値Vref,x、Vref,y、およびVref,zは、それぞれ、参照用センサ部300Rx、300Ry、および300Rzからの検出信号をデジタルに変換した計測値(例えば、デジタルの電圧値)である。
クロック発生器236は、サンプリングクロックを発生させ、共通のサンプリングクロックを第1AD変換部232の複数の第1AD変換器、および、第2AD変換部234の複数の第2AD変換器のそれぞれへ供給する。そして、第1AD変換部232および第2AD変換部234は、共通のサンプリングクロックに応じてAD変換を行う。したがって、異なる位置に設けられたセンサ部300の出力をそれぞれAD変換する複数のAD変換器の全てが同期動作をする。これにより、第1AD変換部232および第2AD変換部234は、異なる空間に設けられたセンサ部300の検出結果を同時にサンプリングすることができる。
センサデータ処理部900は、測定信号取得部910、参照用信号取得部920、差分算出部930、補正部940、係数更新部950、および、信号処理部960を有する。
測定信号取得部910は、磁気センサアレイ210を構成する複数の磁気センサセル220内の測定用センサ部300Sからの測定信号をそれぞれ取得する。具体的には、測定信号取得部910は、複数の磁気センサセル220内の測定用センサ部300Sによって計測され、第1AD変換部232によってデジタルに変換されたそれぞれの測定用計測値Vsen(Vsen0およびVsen1)を所定のタイミングTでラッチするフリップフロップ等を用いて構成されてよい。測定信号取得部910は、取得した測定信号を差分算出部930へ供給する。
参照用信号取得部920は、参照用センサセル222内の複数の参照用センサ部300Rからの参照用信号をそれぞれ取得する。具体的には、参照用信号取得部920は、参照用センサセル222内の複数の参照用センサ部300Rによって計測され、第2AD変換部234によってデジタルに変換されたそれぞれの参照用計測値Vref(Vref,x、Vref,y、Vref,z)を所定のタイミングTでラッチするフリップフロップ等を用いて構成されてよい。参照用信号取得部920は、取得した参照用信号を補正部940へ供給する。
差分算出部930は、測定信号取得部910から供給された測定信号から、複数の測定用センサ部300Sの出力の差分を示す差分信号を算出する。本図においては、差分算出部930は、測定用センサ部300S[i,j,0]からの測定信号と測定用センサ部300S[i,j,1]からの測定信号との間の差分を示す差分信号Vgrad10を算出する。差分算出部930は、算出した差分信号を補正部940へ供給する。
補正部940は、参照用信号取得部920から参照用信号を取得し、差分算出部から差分信号を取得する。そして、補正部940は、複数の測定用センサ部300Sの出力に応じた測定信号を、複数の参照用センサ部300Rの出力を示す参照用信号を用いて補正する。すなわち、補正部940は、差分信号を、参照用信号を用いて補正する。より詳細には、補正部940は、差分信号から、参照用信号の線形結合として生成される補正信号を減算する。これについては後述する。補正部940は、差分信号を補正した補正差分信号を係数更新部950および信号処理部960へ供給する。本図においては、補正部940は、差分信号Vgrad10を補正した補正差分信号Vcal_grad10を係数更新部950および信号処理部960へ供給する。
係数更新部950は、補正部940から補正差分信号を取得する。そして、複数の測定用センサ部300Sおよび複数の参照用センサ部300Rが測定対象から離間して、予め定められた一様な磁場中に配置された場合に、補正部940によって補正信号が減算された補正差分信号が予め定められた信号範囲となるように、線形結合の係数を更新する。これについても後述する。
信号処理部960は、補正部940から供給された補正差分信号に基づいて、測定対象磁場を算出する。測定対象が動物の心臓である場合、信号処理部960は、補正部940によって補正された補正差分信号に基づき、動物の心臓の心磁信号を算出する。
図10は、本実施形態に係る測定装置10が測定対象磁場を算出するフローの一例を示す。はじめに、測定装置10は、時刻nを0にセットする。そして、ステップ1010において、測定装置10を測定対象から離隔する。例えば、測定装置10が心磁計測装置である場合、被検者の胸部を測定装置10から遠ざける。これにより、複数の測定用センサ部300Sおよび複数の参照用センサ部300Rを測定対象から離間して、空間分布が均一な環境磁場、すなわち、予め定められた一様な磁場中に配置する。
次に、ステップ1020において、測定装置10は、線形結合の係数を更新する。まず、複数の測定用センサ部300Sおよび複数の参照用センサ部300Rを予め定められた一様な磁場中に配置した状態において、測定信号取得部910は、測定信号を取得し、取得した測定信号を差分算出部930へ供給する。例えば、測定信号取得部910は、複数の磁気センサセル220内の測定用センサ部300Sによって計測され、第1AD変換部232によってデジタルに変換されたそれぞれの測定用計測値Vsen(Vsen0およびVsen1)をラッチし、取得した測定信号を差分算出部930へ供給する。
ここで、空間分布が均一な環境磁場をB(Bx,By,Bz)とし、α0、α1、β0、β1、γ0およびγ1を、それぞれ、環境磁場の各成分に対する係数とすると、測定信号取得部910は、例えば、測定信号として次式の信号を取得する。
Figure 0007262243000004
同様に、複数の測定用センサ部300Sおよび複数の参照用センサ部300Rを予め定められた一様な磁場中に配置した状態において、参照用信号取得部920は、参照用信号を取得し、取得した参照用信号を補正部940へ供給する。例えば、参照用信号取得部920は、参照用センサセル222内の参照用センサ部300Rによって計測され、第2AD変換部234によってデジタルに変換されたそれぞれの参照用計測値Vref(Vref,x、Vref,y、Vref,z)をラッチし、取得した参照用信号を補正部940へ供給する。
ここで、Sxx、Syy、およびSzzを、それぞれ、参照用センサ部300Rx、300Ry、および300Rzの主軸方向の感度とし、Sxy、Sxz、Syx、Syz、Szx、およびSzyを、それぞれ、参照用センサ部300Rx、300Ry、および300Rzの他軸方向の感度とすると、参照用信号取得部920は、参照用信号として次式の信号を取得する。
Figure 0007262243000005
次に、差分算出部930は、測定信号取得部910から供給された測定信号から、複数の測定用センサ部300Sの出力の差分を示す差分信号を算出する。例えば、差分算出部930は、次式により、位置[i,j,0]および[i,j,1]の測定用センサ部300Sからの測定信号を用いて、空間分布が均一な環境磁場(Bx,By,Bz)に対する1次のグラジオメータ差分信号を算出する。
Figure 0007262243000006
ここで、2つの測定用センサ部300S[i,j,0]および300S[i,j,1]の間では、環境磁場の各成分に対する磁気感度(主軸感度および他軸感度)が異なるため、α1-α0≠0、β1-β0≠0、およびγ1-γ0≠0となる。このように、複数の測定用センサ部300Sを測定対象から離間して、空間分布が均一な環境磁場に配置しているにも関わらず、補正前の差分信号Vgrad10は0とならず、そのため、このままでは測定装置10は、高精度なグラジオメータを実現することができない。
そこで、本実施形態に係る測定装置10は、複数の測定用センサ部300Sの出力に応じた測定信号を、複数の参照用センサ部300Rの出力を示す参照用信号を用いて補正する。より詳細には、補正部940は、複数の測定用センサ部300Sの出力の差分を示す差分信号Vgrad10から、参照用信号の線形結合として生成される補正信号を減算する。この際、係数更新部950は、複数の測定用センサ部300Sおよび複数の参照用センサ部300Rが測定対象から離間して、予め定められた一様な磁場中に配置された場合に、補正部940によって補正信号が減算された補正差分信号Vcal_grad10が予め定められた信号範囲となるように、線形結合の係数を更新する。ここで、係数更新部950は、補正差分信号Vcal_grad10の2乗が最小となるように当該係数を更新してよい。係数更新部950は、例えば、LMSアルゴリズムを用いて当該係数を更新することができる。これについて、数式を用いて説明する。
参照用信号の各成分Vref,x、Vref,y、およびVref,zに対する線形結合の係数を、それぞれ、W10,x、W10,y、およびW10,zとし、E{}を統計平均とすると、補正差分信号Vcal_grad10の2乗の長時間平均は次式で表される。
Figure 0007262243000007
ここで、上式において、Aは3行3列の磁場信号の相間行列であり、bは3行1列の行ベクトルであり、cはスカラーであり、それぞれ、次式のように表される。
Figure 0007262243000008
そして、ステップ1030において、測定装置10は、補正差分信号Vcal_grad10の2乗の長時間平均が、予め定められたしきい値V_Th以下であるか否かを判定する。そして、補正差分信号Vcal_grad10の2乗の長時間平均が予め定められたしきい値V_Th以下でないと判定された場合、測定装置10は、ステップ1040において、nをインクリメントし、処理をステップ1020に戻す。
そして、ステップ1020において、測定装置10は、時刻nにおける線形結合の係数の値から、時刻n+1における線形結合の係数へ更新する。この際、係数更新部950は、補正差分信号Vcal_grad10の2乗が最小となるように当該係数を更新する。より詳細には、係数更新部950は、例えば、次式によりLMSアルゴリズムを用いて当該係数を更新する。なお、LMSアルゴリズムによる適応制御が収束するためには、環境磁場の中にランダムに時間変動する成分が必要であるが、これについては商用電源(50Hz/60Hz)から生じる環境磁場や各種の都市雑音などを利用することができる。また、(数7)に示す相間行列Aが対称行列であることから、補正差分信号Vcal_grad10の2乗の長時間平均は必ず最小値を持つこととなり、次式に示す漸化式は収束する。なお、上述の説明では、係数更新部950がLMSアルゴリズムを用いて線形結合の係数を更新する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。係数更新部950は、例えば、RLSアルゴリズム等、他の適応アルゴリズムを用いて線形結合の係数を更新してもよい。
Figure 0007262243000009
そして、測定装置10は、更新後の線形結合の係数を用いて補正差分信号Vcal_grad10の2乗の長時間平均を算出し、補正差分信号Vcal_grad10の2乗が予め定められたしきい値V_th以下となるまで処理を繰り返す。
ステップ1030において、補正差分信号Vcal_grad10の2乗が予め定められたしきい値V_th以下であると判定された場合、測定装置10は、1次グラジオメータの較正を終了する。
そして、ステップ1050において、測定装置10に測定対象を接近させ、ステップ1060において、測定装置10は、測定対象磁場を算出する。例えば、測定装置10が心磁計測装置である場合、被検者の胸部を測定装置10の磁気センサアレイ210に接近させ、信号処理部960は、複数の測定用センサ部300Sの出力の差分を示す差分信号Vgrad10を補正した補正差分信号Vcal_grad10に基づいて、動物の心臓の心磁信号を算出する。
この際、較正後の補正差分信号Vcal_grad10は、入力磁場の空間分布が均一な場合には0となり、入力磁場に空間勾配がある場合にはBz[i,j,1]-Bz[i,j,0]となる。このように、本実施形態に係る測定装置10によれば、複数の測定用センサ部300Sの出力の差分を示す差分信号Vgrad10から、参照用信号Vrefの線形結合として生成される補正信号を減算して補正するので、複数の測定用センサ部300Sの間で、磁気感度(主軸感度および他軸感度)が異なっている場合であっても、高精度な1次のグラジオメータを実現することができる。
図11は、本実施形態の変形例に係る磁気センサセル220の構成および配置と、参照用センサセル222の構成を示す。本図において、図3と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。図3においては、磁気センサアレイ210は、複数の磁気センサセル220をZ軸方向に2個配列して構成されていたのに対して、本変形例に係る磁気センサアレイ210は、複数の磁気センサセル220をZ軸方向に3個配列して構成されている。すなわち、本変形例に係る磁気センサアレイ210は、XY平面上の同一座標における異なるZ座標に3つの磁気センサセル220を配列して構成されている。
図12は、本実施形態の変形例に係る磁気センサアレイ210、参照用センサセル222、センサデータ収集部230、およびセンサデータ処理部900の構成を示す。本図において、図9と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本変形例においては、磁気センサアレイ210として、図11の磁気センサアレイ210を用いる。すなわち、本変形例における磁気センサアレイ210は、XY平面上の同一座標における異なるZ座標に3つの磁気センサセル220を配列して構成されている。
本変形例においては、α2、β2、およびγ2を、それぞれ、測定用センサ部300S[i,j,2]における環境磁場の各成分に対する係数とすると、測定信号取得部910は、例えば、測定信号として次式の信号を取得する。
Figure 0007262243000010
そして、本変形例においては、差分算出部930は、次式により、位置[i,j,0]、[i,j,1]、および[i,j,2]の測定用センサ部300Sからの測定信号を用いて、空間分布が均一な環境磁場(Bx,By,Bz)に対する2次のグラジオメータ差分信号を算出する。
Figure 0007262243000011
他の処理については、1次のグラジオメータの場合と同様である。これにより、較正後の補正差分信号Vcal_grad210は、入力磁場の空間分布が均一な場合には0となり、入力磁場に空間勾配がある場合には{Bz[i,j,2]-Bz[i,j,1]}-{Bz[i,j,1]-Bz[i,j,0]}となる。このように、本変形例に係る測定装置10によれば、複数の測定用センサ部300Sの出力の差分を示す差分信号Vgrad10から、参照用信号Vrefの線形結合として生成される補正信号を減算して補正するので、複数の測定用センサ部300Sの間で、磁気感度(主軸感度および他軸感度)が異なっている場合であっても、高精度な2次のグラジオメータを実現することができる。
図13は、本実施形態の変形例に係るセンサデータ処理部900の少なくとも一部を信号処理装置1300として独立した装置で実現する例を示す。本図において、図9および図12と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。信号処理装置1300は、センサデータ処理部900の少なくとも一部の機能および構成を備える。信号処理装置1300は、測定対象を測定する測定位置に設けられ、入力磁場を少なくとも1つの検出軸方向で検出する複数の測定用センサ部の出力に応じた測定信号を取得する測定信号取得部と、測定位置から離間した参照位置に設けられ、入力磁場を3軸方向で検出する複数の参照用センサ部の出力を示す参照用信号を取得する参照用信号取得部と、測定信号を、参照用信号を用いて補正する補正部と、を備えてよい。また、信号処理装置1300は、差分算出部930、係数更新部950、および、信号処理部960をさらに備えてもよい。
信号処理装置1300が独立した装置として実現される場合、測定信号取得部910は、ネットワーク(図示せず。)を介して測定信号を取得し、取得した測定信号を差分算出部930へ供給してよい。これに代えて、または加えて、測定信号取得部910は、ユーザによるキーボード操作およびマウス操作等を受け付け、ユーザ入力を介して測定信号を取得してもよい。また、測定信号取得部910は、データを記憶可能なメモリデバイス等を介して測定信号を取得してもよい。
同様に、参照用信号取得部920は、ネットワーク(図示せず。)を介して参照用信号を取得し、取得した参照用信号を補正部940へ供給してよい。これに代えて、または加えて、参照用信号取得部920は、ユーザによるキーボード操作およびマウス操作等を受け付け、ユーザ入力を介して参照用信号を取得してもよい。また、参照用信号取得部920は、データを記憶可能なメモリデバイス等を介して参照用信号を取得してもよい。
このような信号処理装置1300は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。また、信号処理装置1300は、コンピュータ内で1または複数実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、信号処理装置1300は、測定信号の補正用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。また、信号処理装置1300がインターネットに接続可能な場合、信号処理装置1300は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。これにより、信号処理装置1300は、インターネットにアクセス可能な様々な環境から測定信号および参照用信号を収集し、処理した情報をインターネットにアクセス可能な様々な環境の他の装置へ供給することができる。
また、信号処理装置1300を独立した装置として実現する場合、信号処理装置1300は、グラジオメータの較正機能を持たない既存の測定装置から測定信号を取得し、別途設けた参照用センサセル222から参照用信号を取得してよい。そして、信号処理装置1300は、既存の測定装置から取得した測定信号の差分信号を補正して補正差分信号を出力してもよい。このように、本変形例によれば、信号処理装置1300は、既存の測定装置を変更することなく、高精度なグラジオメータを実現することができる。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図14は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 測定装置
100 本体部
110 磁気センサユニット
120 ヘッド
125 駆動部
130 ベース部
140 ポール部
150 情報処理部
210 磁気センサアレイ
220 磁気センサセル
222 参照用センサセル
230 センサデータ収集部
232 第1AD変換部
234 第2AD変換部
236 クロック発生器
300 センサ部
300S 測定用センサ部
300R 参照用センサ部
520 磁気センサ
530 磁場生成部
532 増幅回路
534 コイル
540 出力部
710 磁気抵抗効果素子
720、730 磁気収束板
900 センサデータ処理部
910 測定信号取得部
920 参照用信号取得部
930 差分算出部
940 補正部
950 係数更新部
960 信号処理部
1300 信号処理装置
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード

Claims (15)

  1. 測定対象を測定する測定位置に設けられ、入力磁場を少なくとも1つの検出軸方向で検出する複数の測定用センサ部と、
    前記測定位置から離間した参照位置に設けられ、入力磁場を3軸方向で検出する複数の参照用センサ部と、
    前記複数の測定用センサ部の出力に応じた測定信号から、前記複数の測定用センサ部の出力の差分を示す差分信号を算出する差分算出部と、
    前記差分信号を、前記複数の参照用センサ部の出力を示す参照用信号を用いて補正する補正部と、
    を備え、
    前記複数の測定用センサ部のそれぞれおよび前記複数の参照用センサ部のそれぞれは、
    磁気センサと、
    前記磁気センサが検出した入力磁場を低減させるフィードバック磁場を前記磁気センサに与える磁場生成部と、
    前記磁場生成部が前記フィードバック磁場を発生するために流す電流に応じた出力信号を出力する出力部と、
    を有し、
    前記差分算出部は、環境磁場Bにおけるx成分をBx、y成分をBy、および、z成分をBzとし、前記複数の測定用センサ部のうちの2つの測定用センサ部それぞれにおけるx成分に対する係数をα0およびα1、y成分に対する係数をβ0およびβ1、および、z成分に対する係数をγ0およびγ1とすると、次式を用いて前記差分信号を算出し、
    (α1-α0)・Bx+(β1-β0)・By+(γ1-γ0)・Bz
    前記補正部は、前記差分信号におけるx成分、y成分、および、z成分を、前記参照用信号を用いてそれぞれ補正する、測定装置。
  2. 前記複数の測定用センサ部のそれぞれおよび前記複数の参照用センサ部のそれぞれは、予め定められた入力磁場の範囲において、当該入力磁場に対する検出結果が線形性を有し、
    前記補正部は、前記差分信号から、前記参照用信号の線形結合として生成される補正信号を減算する、請求項に記載の測定装置。
  3. 前記複数の測定用センサ部および前記複数の参照用センサ部が前記測定対象から離間して、予め定められた一様な磁場中に配置された場合に、
    前記補正部によって前記補正信号が減算された補正差分信号が予め定められた信号範囲となるように、前記線形結合の係数を更新する係数更新部をさらに備える、請求項に記載の測定装置。
  4. 前記係数更新部は、前記補正差分信号の2乗が最小となるように前記係数を更新する、請求項に記載の測定装置。
  5. 前記係数更新部は、LMSアルゴリズムを用いて前記係数を更新する、請求項に記載の測定装置。
  6. 前記複数の測定用センサ部が入力磁場を検出する検出軸方向の数は1つである、請求項1からのいずれか一項に記載の測定装置。
  7. 前記複数の測定用センサ部は、前記1つの検出軸方向とは異なる2つの直交する軸に沿ってアレイ状に配置される、請求項に記載の測定装置。
  8. 前記磁気センサは、磁気抵抗効果素子を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の測定装置。
  9. 前記複数の測定用センサ部および前記複数の参照用センサ部は、それぞれ、前記磁気抵抗効果素子の両端に配置された二つの磁気収束板をさらに有し、前記磁気抵抗効果素子は、二つの前記磁気収束板に挟まれた位置に配置される、請求項に記載の測定装置。
  10. 前記フィードバック磁場を発生させるためのコイルが、前記磁気抵抗効果素子および二つの前記磁気収束板を取り囲むように巻かれている、請求項に記載の測定装置。
  11. 前記複数の測定用センサ部の出力をアナログからデジタルに変換する第1AD変換部と、
    前記複数の参照用センサ部の出力をアナログからデジタルに変換する第2AD変換部と、をさらに備え、
    前記第1AD変換部および前記第2AD変換部は、共通のサンプリングクロックに応じてAD変換を行う、請求項1から10のいずれか一項に記載の測定装置。
  12. 前記測定対象は、動物の心臓であり、
    前記補正部によって補正された補正差分信号に基づき、前記動物の心臓の心磁信号を算出する信号処理部をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の測定装置。
  13. 測定対象を測定する測定位置に設けられ、入力磁場を少なくとも1つの検出軸方向で検出する複数の測定用センサ部の出力に応じた測定信号を取得する測定信号取得部と、
    前記測定位置から離間した参照位置に設けられ、入力磁場を3軸方向で検出する複数の参照用センサ部の出力を示す参照用信号を取得する参照用信号取得部と、
    前記測定信号から、前記複数の測定用センサ部の出力の差分を示す差分信号を算出する差分算出部と、
    前記差分信号を、前記参照用信号を用いて補正する補正部と、
    を備え
    前記差分算出部は、環境磁場Bにおけるx成分をBx、y成分をBy、および、z成分をBzとし、前記複数の測定用センサ部のうちの2つの測定用センサ部それぞれにおけるx成分に対する係数をα0およびα1、y成分に対する係数をβ0およびβ1、および、z成分に対する係数をγ0およびγ1とすると、次式を用いて前記差分信号を算出し、
    (α1-α0)・Bx+(β1-β0)・By+(γ1-γ0)・Bz
    前記補正部は、前記差分信号におけるx成分、y成分、および、z成分を、前記参照用信号を用いてそれぞれ補正する、信号処理装置。
  14. 信号処理装置が信号を処理する信号処理方法であって、
    測定対象を測定する測定位置に設けられ、入力磁場を少なくとも1つの検出軸方向で検出する複数の測定用センサ部の出力に応じた測定信号を取得することと、
    前記測定位置から離間した参照位置に設けられ、入力磁場を3軸方向で検出する複数の参照用センサ部の出力を示す参照用信号を取得することと、
    前記測定信号から、前記複数の測定用センサ部の出力の差分を示す差分信号を算出することと、
    前記差分信号を、前記参照用信号を用いて補正することと、
    を備え
    前記算出することは、環境磁場Bにおけるx成分をBx、y成分をBy、および、z成分をBzとし、前記複数の測定用センサ部のうちの2つの測定用センサ部それぞれにおけるx成分に対する係数をα0およびα1、y成分に対する係数をβ0およびβ1、および、z成分に対する係数をγ0およびγ1とすると、次式を用いて前記差分信号を算出することを含み、
    (α1-α0)・Bx+(β1-β0)・By+(γ1-γ0)・Bz
    前記補正することは、前記差分信号におけるx成分、y成分、および、z成分を、前記参照用信号を用いてそれぞれ補正することを含む、信号処理方法。
  15. コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
    測定対象を測定する測定位置に設けられ、入力磁場を少なくとも1つの検出軸方向で検出する複数の測定用センサ部の出力に応じた測定信号を取得する測定信号取得部と、
    前記測定位置から離間した参照位置に設けられ、入力磁場を3軸方向で検出する複数の参照用センサ部の出力を示す参照用信号を取得する参照用信号取得部と、
    前記測定信号から、前記複数の測定用センサ部の出力の差分を示す差分信号を算出する差分算出部と、
    前記差分信号を、前記参照用信号を用いて補正する補正部と、
    して機能させ
    前記差分算出部は、環境磁場Bにおけるx成分をBx、y成分をBy、および、z成分をBzとし、前記複数の測定用センサ部のうちの2つの測定用センサ部それぞれにおけるx成分に対する係数をα0およびα1、y成分に対する係数をβ0およびβ1、および、z成分に対する係数をγ0およびγ1とすると、次式を用いて前記差分信号を算出し、
    (α1-α0)・Bx+(β1-β0)・By+(γ1-γ0)・Bz
    前記補正部は、前記差分信号におけるx成分、y成分、および、z成分を、前記参照用信号を用いてそれぞれ補正する、信号処理プログラム。
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