JP2004337478A - 磁場計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外来磁場をキャンセルする磁場計測装置を提供する。
【解決手段】筒型磁気シールド1の中心軸に平行な平面に、中心軸に垂直な方向の磁場信号を計測する複数の計測用磁束計3を2次元配列し、中心軸に平行な外来磁場を参照信号として計測する参照用磁束計4を、中心軸に平行な平面に垂直な面に配置する。所定の係数が乗算された参照信号を隣接する計測用磁束計3の信号の差分から差引く。
【効果】外来磁場を効率良くキャンセルし微弱な磁場を計測できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は測定対象から発生する磁場、例えば、生体の心臓や脳等から発生する微弱な磁場を、高感度な超電導量子干渉素子(SQUID、Superconducting QUantum Interference Device)用いる磁束計を用いて行なう磁場計測装置に関し、特に外来磁場のキャンセルを行う磁場計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、SQUIDを用いた磁場計測装置は生体の脳や心臓等から発生する磁場(以下、生体磁気と呼ぶ)の計測に用いられてきた。生体磁気のような微弱な磁場の計測では、磁場計測装置に混入してくる外来磁場を80dB−100dB(デシベル)以上に減衰させる必要がある。外来磁場は、送電線、走行する電車、自動車等に由来する磁気雑音が、商用電源を通して磁場計測装置に混入してくる。
【0003】
従来の生体磁気計測装置は、パーマロイ等の強磁性体を用いる磁気シールド室の内部に置かれ、外来磁場が遮断された環境で計測を行っている。パーマロイ等の強磁性体を用いる磁気シールド室は、高価で大きく重いため、設置できる医療機関が限られている。狭い場所にも設置が容易なように、より軽量、小型の簡易な磁気シールドを使用する生体磁気計測が望まれている。
【0004】
磁気シールドを簡易な構造にすることで装置を安価にできるが、簡易な磁気シールドでは外来磁場が完全に遮断されないため、計測された信号から外来磁場を除去、補正する必要がある。外来磁場を除去、補正する方法としては様々な方法が試みられている。外来磁場を測定するためにベクトルマグネトメータを用いる方法が一般的である。
【0005】
生体信号計測用の磁束計と、外来磁場のx、y、z方向それぞれの成分を検出できる3軸のベクトルマグネトメータを組み合わせた1chの心磁計測装置の報告がある(非特許文献1(従来技術1)を参照)。この報告では、ベクトルマグネトメータの3つ磁束計で検出した外来磁場のx、y、z成分の信号にそれぞれ異なる3つの係数を乗算し、生体信号計測用の磁束計の出力信号から差し引く処理を行っている。この方法では3つの係数を同時に最適化する必要がある。
【0006】
165個の計測用磁束計を有する脳磁場計測装置における外来磁場除去についての報告がある(非特許文献2(従来技術1)を参照)。この報告では、153個の計測用磁束計に対して、12個の磁束計で構成された4組の外来磁場計測用の3軸ベクトルグラジオメータを使用して、外来磁場の影響を低減することを試みている。この方法でも複数の係数を同時に最適化する必要がある。
【0007】
生体磁場の法線成分を計測し法線成分から接線成分を求める生体磁場計測装置は周知である(例えば、特許文献1)
【非特許文献1】
K.Sakuta et al., Physica C378−381(2002), 1391−1395
【非特許文献2】
V.Pizzella et al., Proceedings of Biomag, 2000, 2939−942
【特許文献1】
特開平10−305019号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1では、ベクトルマグネトメータで検出した外来磁場のx、y、z成分の信号にそれぞれ異なる3つの係数をかけて、生体信号計測用の磁束計の出力信号から差し引く処理を行っているが、3つの係数を決めることが難しいこと、1個の計測用磁束計に対して3つの外来磁場計測用の磁束計を必要とするため装置規模が大きくなるという課題がある。ベクトルマグネトメータを用いる従来技術2でも、補正のための3つ以上の係数を求める必要があるが、補正係数の決定は容易ではないという課題がある。
【0009】
また、4組の外来磁場計測用の3軸ベクトルグラジオメータでは12個の外来磁場用磁束計を必要とするため装置規模が大きくなるという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、簡易な筒型磁気シールドを用いて少ない参照用磁束計を使用し、外来磁場を効率良くキャンセルし微弱な磁場を計測できる磁場計測装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁場計測装置は、1つの軸方向に対するシールド性能よりも、1つの軸方向に直交する他の2方向に対するシールド性能が優れた磁気シールド、例えば、筒型磁気シールド(強磁性体から構成される磁気シールド筒型体)を使用する。以下、筒型磁気シールドの中心軸をx軸とする。筒型磁気シールドの内部に冷却容器が設置される。冷却容器の内側に複数の計測用磁束計を、計測用磁束計の検出コイル面に垂直な方向がx軸と直交する方向に配列される(図1)。計測用磁束計の磁場の検出方向はz軸方向成分である。これらの計測用磁束計はz軸に垂直な同一平面上に配置されている。
【0012】
また、外来磁場のx方向成分を検出するための第1の参照用磁束計として、磁場検出方向がx軸方向になるように磁束計を、計測用磁束計の付近に配置する。複数の計測用磁束計及び第1の参照用磁束計はいずれも冷却容器内に設置され、液体冷媒により冷却されている。冷却容器はガントリーに保持されている。
【0013】
それぞれの磁束計は駆動回路により制御されており、磁束計で検出した磁場に応じたアナログ信号が駆動回路から出力される。駆動回路の出力はアンプやバンドパスフィルター、ノッチフィルターを含むアナログ信号処理回路で信号処理された後に、AD変換器でデジタル信号に変換される。各磁束計により計測された信号は、解析装置(コンピュータ)に取り込まれ、解析が実行され解析結果が表示される。各磁束計により計測された信号は、計測信号を集録する装置に記憶される。
【0014】
筒型磁気シールドのシールド性能はz、y方向が優れているので、外来磁場のz成分、y成分は、筒型磁気シールド内部では大きく減衰している。一方、外来磁場のx成分、y成分は、SQUID磁束計の磁場の検出方向(z方向)に直交しており、その大部分は計測用磁束計に検出されない。従って、磁気シールドで遮蔽され、かつ、SQUID磁束計の感度が低いy方向の外来磁場は実用上無視できる。z方向の雑音は隣接して配置された検出用磁束計の出力信号の差分を算出することで大部分はキャンセルできる。また、z方向の雑音は隣接しない異なる配置された検出用磁束計の出力信号の差分を算出することで大部分はキャンセルできる。上記差分はコンピュータでデータを取り込んだ後に算出できる。
【0015】
第1の参照用磁束計の信号に第1の所定の係数を乗算した値を前記の計測信号の差分から差し引くことで、外来磁場のx成分を補正し、外来磁場の影響が低減された第1の計測信号を求める演算を行なう。
【0016】
また、本発明の磁場計測装置では、第1の参照用磁束計に加えて、第2の参照用磁束計を使用し、第2の参照用磁束計の検出コイルの中心軸と第1の参照用磁束計の検出コイルの中心軸が一致するように、第2の参照用磁束計を配置した構成とする。この場合、第1の計測信号を求めた後に、第1の計測信号から第1の参照信号と第2の参照信号の差分に第2の所定の係数を乗算した値を差し引いて、外来磁場の影響が低減された第2の計測信号を求める演算を行なう。
【0017】
また、本発明の磁場計測装置では、第1の参照用磁束計に加えて、外来磁場のz方向成分を検出するための第3及び第4の参照用磁束計を計測用磁束計が配置された面と平行な面に配置し、第4の参照用磁束計を第3の参照用磁束計よりも磁気シールド筒型体の中心軸に沿った方向に離れた位置に配置した構成とする。この場合、第1の計測信号を求めた後に、第1の計測信号から第3及び第4の参照用磁束計により検出された計測信号の差分に第3の所定の係数を乗算した値を差し引いて、外来磁場の影響が低減された第3の計測信号を求める演算を行なう。
【0018】
また、本発明の磁場計測装置では、外来磁場のz方向成分を検出するダイナミックレンジ圧縮信号計測用磁束計が付加され、ダイナミックレンジ圧縮信号計測用磁束計を駆動させて、外来磁場の垂直な磁場成分を検出し、ダイナミックレンジ圧縮信号として出力する計測回路を有し、複数の計測用磁束計の計測信号のそれぞれからダイナミックレンジ圧縮信号を差し引き、ダイナミックレンジが圧縮された計測用磁束計の計測信号を出力する差動アンプ回路を有する構成とする。
【0019】
さらに、本発明の磁場計測装置では、複数の計測用磁束計を複数のブロックに分割し、それぞれのブロックごとに参照用磁束計を配置した構成とする。
【0020】
なお、以上説明した本発明の磁場計測装置では、外来磁場のz成分をキャンセルするために隣接した検出用磁束計同士の差分を求めることを前提としている。そのため、最終的に計測したい信号自体も磁場そのものではなく勾配磁場となる。
【0021】
以上の構成によれば、筒型磁気シールドを用いた磁場計測装置において、少数の参照用磁束計を用いて効率よく外来磁場の影響が低減された計測信号を取得できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下の説明では検査対象を生体とし心臓から発する磁場を計測する心磁計測装置を例にする。しかし、本発明はこの例に限定されない。例えば、一般の検査対象に含まれる磁性体の有無やその量、磁性体の分布等、磁気を検出する検査装置にも適用できる。以下の開示は、本発明の一実施例にすぎず、本発明の技術範囲を何ら限定するものではない。
【0023】
なお、図5(A)、図5(B)、図6(A)、図6(B)、図7、図12、図14の各図において、縦軸は磁場(nT)、横軸は、所定の計測時点を0とした相対時間(s)を示す。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1の磁場計測装置であり、円筒型磁気シールドを用いた心磁計測装置の構成例を示す図である。円筒型磁気シールド1の中心軸をx軸とし、x軸に直交する2軸をy、z軸とする。図1(A)はxz断面図、図1(B)はyz断面図である。
【0024】
横型の円筒型磁気シールド1の内部に、頭部を枕20保持した被験者13が横たわるベッド14と冷却容器2とが配置されている。冷却容器2の内部の底部に複数の計測用磁束計3、第1の参照用磁束計4が配置され、液体冷媒により冷却されている。実施例1では、液体窒素温度で動作可能な高温超電導体からなる磁束計を使用し、冷却容器には液体窒素を入れて磁束計を冷却した。冷却容器2は位置合わせ機構をもつガントリー5に保持されている。
【0025】
冷却容器2を固定するガントリー5の位置は、3軸(x、y、z)方向の移動機構をもつガントリー位置調整機構12により調整される。ガントリー位置調整機構12には、ガントリー位置調整ハンドル19が機械的に接続されており、ハンドル19を回すことにより、ガントリー5の位置を調整できる。
【0026】
ベッド14は、被験者13の頭側のベッドの2本のタイヤ付きの足17、スライドする2本のベッドの足15(常に、磁気シールド1の内部にある)により、保持されている。2本のタイヤ付きの足17を床上で移動させ、2本のベッドの足15をガイドレール16の上でスライドさせて、ベッド14を磁気シールド1から引き出し、あるいは、ベッド14を磁気シールド1の内部挿入できる。ベッド14を磁気シールド1から容易に引き出せるので、被験者13の磁気シールド1への出入りが容易となり、ガントリー5の位置の調整を容易にできる。
【0027】
ベッド14、冷却用機2、ガントリー5等、磁気シールド内部に配置されるユニットはFRP(強化プラスチック)やアルミニウム等の非磁性材料で構成される。
【0028】
複数の計測用磁束計の検出コイルは、z軸に垂直なxy面に平行な同一の面に配置され、検出コイルの面はz軸に垂直である。計測用磁束計はz軸方向の磁場成分を検出する。外来磁場のx軸方向成分を検出するための第1の参照用磁束計4を、磁場の検出方向がx軸方向になるように、計測用磁束計3の付近に配置する。
【0029】
複数の計測用磁束計3、第1の参照用磁束計4の駆動動作は、駆動回路6により制御されており、各磁束計で検出された磁場の大きさに応じたアナログ信号が駆動回路6から出力される。駆動回路6の出力はアンプやバンドパスフィルター、ノッチフィルターを含むアナログ信号処理回路7で信号処理される。
【0030】
信号線18は、複数のケーブルで構成され、磁束計3、4から駆動回路6に検出した信号を伝達するケーブルの束と、駆動回路6から磁束計3、4にバイアス電流、フィードバック電流、ヒータ用電流を流すためのケーブルの束から構成される。信号処理回路7の出力は、AD変換器8でデジタル信号に変換され、コンピュータ9に取り込まれる。コンピュータ9では、取り込まれた信号に対して各種の信号処理を実行する。
【0031】
外来磁場はx、y、z方向の3成分を含む。円筒型磁気シールドのシールド性能は、図1に示すx軸に垂直なz、y軸方向で優れているので、外来磁場のz、y軸方向の成分は円筒型磁気シールド内部では大きく減衰している。一方、外来磁場のx、y方向の成分は、SQUID磁束計の磁場検出方向に直交しており、その大部分は磁束計に検出されない。従って、磁気シールドで遮蔽され、かつ、SQUID磁束計の感度が低いy方向の外来磁場は実用上無視できる。
【0032】
外来磁場のz軸方向の成分は、隣接する検出用磁束計3の出力信号の差分を算出することで大部分はキャンセルできる。差分はコンピュータでデータを取り込んだ後に算出できる。
【0033】
コンピュータ9は、隣接する検出用磁束計3の出力信号の差分から、第1の参照用磁束計4による計測信号に第1の所定の係数を乗算した値を差し引くことで、外来磁場のx軸方向成分を補正し、外来磁場の影響が低減された第1の計測信号を求める演算を行なう。
【0034】
図2は、本発明の実施例1で使用される磁束計の構成を示す図である。図2(A)は磁束計の構造を示す斜視図である。図2(B)はSQUID素子の構成を示す平面図、図2(C)はSQUID素子の等価回路図である。
【0035】
高温超電導体からなるSQUID素子34はプリント基板30に固定されている。SQUID素子34の電極48は、プリント基板30のボンディングパッド36にボンディングワイヤー35で接続され、プリント基板の裏面に付けられたコネクタ37につながっている。プリント基板30にはフィードバックコイル33が配置されている。また、トラップ磁束除去のためのヒーター32がプリント基板30に配置されている。劣化防止のため、SQUID素子34はヒーター32と共にキャップ31で乾燥窒素により封止されている。
【0036】
SQUID素子34はSQUID44(超伝導リング49、2つのジョセフソン接合46、スリット型ホール45)と検出コイル43が同じ薄膜上に作製されており、SQUID34と検出コイル43が直接結合した直接結合型マグネトメータである。実施例1で使用したSQUID素子34は、15mm×15mmのSrTiO(100)バイクリスタル基板40(傾角36.8゜)上に形成されたYBaCu(YBCO)高温超電導体の直接結合型のマグネトメータである。使用した磁束計の77Kでの典型的な磁場換算白色雑音は50から100fT/Hz1/2の間であった。
【0037】
バイクリスタル基板40は、2つの異なる方位の単結晶が張り合わされた構造を持つ基板であり、張り合わせ面には結晶粒界41ができている。バイクリスタル基板40上に高温超伝導体の超伝導薄膜42をエピタキシャル成長させることで、結晶粒界41に沿って、超伝導薄膜にも結晶粒界が形成される。高温超伝導体では結晶粒界41がジョセフソン接合特性を示すため、結晶粒界41の上に超伝導リング49を作製することにより、超伝導リング49に2つのジョセフソン接合46をもつSQUID44を作製できる。超伝導リング49の内側のスリット型ホール45の長さを変化させて調整、作製することにより、SQUID44の特性を決める重要な設計パラメーターである超伝導リング49のインダクタンスを、最適な値に設定する。
【0038】
検出コイル43は超伝導材料で形成される閉ループであり、検出コイルのホール47は閉ループを規定する。検出コイルには検出コイルに鎖交する磁束に比例して遮蔽電流が流れる。直接結合型磁束計では、遮蔽電流がSQUID44の超電導リング49に直接流れ、検出磁場が検出される。
【0039】
図3(A)は、本発明の実施例1における磁束計の配置を示す図である。
【0040】
実施例1では、計測用磁束計3として9個の図2(A)に示す磁束計21を使用した。計測用磁束計3は、円筒型磁気シールド1の中心軸(x軸)に平行に配置されるFRP製の第1の面を規定する板61に、3×3の配列で下側から取付けられている。隣接した検出用磁束計の中心同士の間隔は30mmである。外来磁場のx軸方向成分を検出するための第1の参照用磁束計4は、板61に垂直な第2の面を規定する板63に配置されている。第1の参照用磁束計4は図2(A)で示す磁束計21と同じ構造をもつ。
【0041】
各磁束計のコネクター37は、板61に配置されるコネクター66に結合され、コネクター66に信号線67が接続されている。これらの磁束計は図1に示す冷却容器2の内部に配置され、液体窒素により冷却されている。信号線67は冷却容器2の上部から引き出された後、図1に示すように、磁気シールドの内壁に平行になるようにガントリー固定用の柱11に沿って、シールドの外に引き出され駆動回路6に接続される。
【0042】
図4(A)は、本発明の実施例における測定回路の構成を示す図である。
【0043】
点線内の複数の計測用磁束計71は、板61に取付けられた一群の計測用磁束計3を示す。冷却部分73を表す点線の部分は冷却容器2の内側に配置されている。駆動回路6からの出力信号はアナログ信号処理回路7で帯域0.1Hz〜80Hzの適度に増幅された信号に処理され、後段の16ビットのAD変換器8によりデジタル信号に変換され、コンピュータ9に記録される。第1の参照用磁束計4からの信号も同様の処理を行いコンピュータ9に記録される。
【0044】
以下、実際の計測手順を説明する。被験者13は、磁場を発生する時計やベルト等を取り外し、磁気シールド1から引き出された状態のベッド14に仰向けに寝る。ガントリー5の位置を調整して冷却容器2の底部を被験者の胸部に合わせる。ベッド14を磁気シールド1に押し込む。この状態で、すべての磁束計のプリント基板30に固定されたヒーター32に数十mAの電流を30秒から60秒間流し、トラップ磁束を除去する。ヒータの電流を切り、約1分待った後、心臓から発生する心磁の計測を2分間行い、9個の検出用磁束計と1個の参照用磁束計が検出した信号を計測する。
【0045】
以下、計測した信号に対する外来磁場のキャンセル方法について説明する。図3(A)に示したように、実施例1では計測用磁束計を3×3の2次元アレイで配置しているが、ここでは一般的な表現として、N×M個の計測用磁束計を使用した場合について説明する。n行m列目の計測用磁束計をSQUID(m,n)、SQUID(m,n)により検出され、出力される計測信号をB(m,n)と表記することにする。また、第1の参照用磁束計をRef(1)、Ref(1)により検出され出力される第1の参照信号をB(ref,1)と表記する。計測用磁束計SQUID(m,n)の位置における、生体からの磁場ベクトル、外来磁場ベクトルをそれぞれ、S(m,n)、E(m,n)とし、(数1)、(数2)で定義する。
S(m,n)=(Sx(m,n),Sy(m,n),Sz(m,n)) …(数1)
E(m,n)=(Ex(m,n),Ey(m,n),Ez(m,n)) …(数2)
(数1)、(数2)の右辺の各項はそれぞれ、x、y、z軸方向の成分を示す。円筒型磁気シールドの中心軸をxとしているので、円筒型磁気シールドでは円筒軸に垂直なz、y方向のシールド率がz方向より高く、(数3)、(数4)を仮定できる。
Ex(m,n)>>Ez(m,n) …(数3)
Ex(m,n)>>Ey(m,n) …(数4)
SQUID(m,n)の検出コイル面の法線ベクトルをH(m,n)=(Hx(m,n)、Hy(m,n)、Hz(m,n))、とすると、SQUID(m,n)により計測され出力される計測信号B(m,n)は、(数5)と表される。外来の雑音ではなく、SQUID磁束計そのものの雑音と駆動用回路が持つ雑音を合わせて磁束計SQUID(m,n)の固有雑音N(m,n)と定義する。また、駆動回路やアナログ信号処理回路において、増幅器が含まれる場合、計測信号は増幅されて出力されるが、ここでは取扱を簡単にするため増幅器のゲインは1と仮定する。また、(数6)を満たすものとする。
Figure 2004337478
計測用磁束計は磁場の検出方向がz軸方向になるように配置されているので、理想的な場合は、H(m,n)=(0,0,1)となり、z方向以外の外来磁場は検出されない。しかし、SQUID磁束計を固定する際の取付け誤差等により、すべてのSQUID磁束計をxy平面に対して完全に平行に配置すること困難であり、実際のSQUID磁束計はxy平面に対してある小さな角度をもって配置されていると考えるのが妥当である。この場合、(数7)、(数8)、(数9)を仮定できる。
Hz(m,n)〜1 …(数7)
Hx(m,n)<<1 …(数8)
Hy(m,n)<<1 …(数9)
マルチチャンネルの心磁計で計測した心磁の信号の解析には、計測した磁場と等価な電流分布として2次元画像化して表示・解析する方法(電流アローマップ法)を用いた。電流アローマップ法では、ある点での磁場に等価な電流ベクトルをxy平面に投影した2次元電流ベクトルiは(数10)で近似できる。
i∝(ΔBz/Δx,−ΔBz/Δy) …(数10)
ここでBzは磁場のz軸方向成分である。電流ベクトルを求めるのに必要な量はz方向の磁場のx方向の磁場勾配(ΔBz/Δx)とz方向の磁場のy方向の磁場勾配(ΔBz/Δy)であり、それぞれSz(m,n)−Sz(m+1,n)、Sz(m,n)−Sz(m,n+1)である。磁場勾配Sz(m,n)−Sz(m+1,n)は、隣接した検出用磁束計の差分B(m,n)−B(m+1,n)により求めることができる。x方向に隣接した検出用磁束計の差分をB(m,n)−B(m+1、n)をx(m,n)、y方向に隣接した検出用磁束計の差分をB(m,n)−B(m,n+1)をy(m,n)と定義する。即ち、x方向の隣接した検出用磁束計の差分は(数11)となる。
Figure 2004337478
以下、x方向の隣接した検出用磁束計の差分を例にして説明するが、y方向の隣接した検出用磁束計の差分についても同様の考え方で本発明を適用できる。SQUID(m,n)の検出コイル面の法線ベクトルH(m,n)はxy平面に対してほぼ垂直であるので、法線ベクトルH(m,n)、H(m+1,n)のz成分はそれぞれ、(数12)、(数13)で近似できる。
Hz(m,n)〜1 …(数12)
Hz(m+1,n)〜1 …(数13)
従って、(数11)の右辺の第3項が求めるべき磁場勾配Sz(m,n)−Sz(m+1,n)になる。この求めるべき磁場勾配Sz(m,n)−Sz(m+1,n)に対して、(数11)の右辺の第1項から第2項で表される心磁信号のx軸方向成分とy軸方向成分の影響は実用上無視できると考えられる。なぜなら、法線ベクトルH(m,n)、H(m+1,n)のy軸方向成分、z軸方向成分がほぼゼロに近いためである。
【0046】
磁束計の固有雑音はジョセフソン接合の接合特性や駆動回路に用いられるプリアンプ回路の雑音レベル等に依存するため、各々の磁束計で若干異なる。しかし、通常、固有雑音がある程度揃った磁束計を用いてシステムを構成するので、磁束計の固有雑音をその平均的な値をNaveで代表させることができる。各々の磁束計で固有雑音同士に相関がないため(数11)の右辺の第7項は、√2・Naveとなる。以上の仮定により、x方向に隣接した検出用磁束計の差分x(m,n)は(数14)のように表される。
Figure 2004337478
次に外来磁場について考える。隣接した磁束計の位置での外来磁場はかなり相関が強いことが期待できる。そこで、外来磁場の相関は強く、隣接した磁束計の位置での外来磁場を正確に計測し、その差分を求めれば外来磁場を実用上十分なレベルにまで低減できると仮定する。即ち、(数15)、(数16)、(数17)を仮定する。
Ex(m,n)=Ex(m+1,n) …(数15)
Ey(m,n)=Ey(m+1,n) …(数16)
Ez(m,n)=Ez(m+1,n) …(数17)
実施例1では、円筒型磁気シールドの内径800mmに対して、隣接した検出用磁束計の中心同士の間隔は30mmであり、上記の仮定は十分妥当である。この仮定に基づき、x方向の隣接した検出用磁束計の差分x(m,n)は、(数18)のように表される。
Figure 2004337478
(数18)の右辺の第5項で表される外来磁場のz軸方向成分は、(数12)及び(数13)の関係から十分小さいと考えられるので無視できる。さらに、(数18)の第4項で表される外来磁場のy軸方向成分は、(数4)及び(数9)の関係から、(数18)の第3項で表される外来磁場のx軸方向成分よりも十分小さいと考えられる。従って、(数18)に含まれる主たる外来磁場成分は第3項で表される外来磁場のx軸方向成分であり、外来磁場のx軸方向成分を補正することで外来磁場を効率よく実用的なレベルに低減できる。
【0047】
本発明では(数18)の第3項で表される外来磁場のx軸方向成分を補正するために第1の参照用磁束計を用いる。参照用磁束計SQUID(Ref,1)の位置での外来磁場ベクトル(E(Ref,1))を(数20)とする。
E(Ref,1)=(Ex(Ref,1),Ey(Ref,1),Ez(Ref,1)) …(数19)
なお、参照用磁束計は生体から離れた位置にあるので生体からの磁場は無視できると仮定する。円筒型磁気シールドでは円筒軸(x軸)に垂直なy、z方向のシールド率がx方向より高いので、(数20)、(数21)が成り立つ。
Ex(Ref,1)>>Ey(Ref,1) …(数20)
Ex(Ref,1)>>Ez(Ref,1) …(数21)
参照用磁束計の法線ベクトルH(Ref,1)を(数22)とする。
H(Ref,1)=(Hx(Ref,1)、Hy(Ref,1)、Hz(Ref,1)) …(数22)
また、(数23)を満たすものとする。
Hx(Ref,1)+Hy(Ref,1)+Hz(Ref,1)=1 …(数23)
参照用磁束計の法線ベクトルH(Ref,1)がほぼx軸に平行となっているので、(数24)、(数25)、(数26)を仮定できる。
Hy(Ref,1)<<1 …(数24)
Hz(Ref,1)<<1 …(数25)
Hx(Ref,1)〜1 …(数26)
参照用磁束計により検出される参照信号をB(Ref,1)、固有雑音をNaveとすると(数27)が成立する。
Figure 2004337478
(数20)、(数21)、(数24)、(数25)の関係を考慮すると(数27)は(数28)と近似できる。
B(Ref,1)=Hx(Ref,1)・Ex(Ref,1)+Nave …(数28)
Ex(m,n)とEx(Ref,1)の相関が良いと仮定し、第1の補正係数Ax(m,n)を参照用磁束計の信号B(Ref,1)に乗じて補正を行うことで、x方向の隣接した検出用磁束計の差分信号x(m,n)に含まれる外来磁場のz方向成分を補正できる。補正された第1の計測信号をCx(m,n)とすると、Cx(m,n)は(数29)となるので、第1の補正係数Ax(m,n)を(数30)となるように選ぶことで、外来磁場の影響が低減された計測信号(数31)を取得できる。
Figure 2004337478
(数30)で表されるAx(m,n)は(数8)、(数26)から1より十分小さな値となるので、補正された第1の計測信号に対する参照用磁束計の固有雑音による雑音の増加はわずかである。実際には(数30)に含まれるHx(m,n)、Hx(m+1,n)、Hx(Ref,1)を正確に測定することが困難なため、第1のの補正係数Ax(m,n)は以下の方法で予め決定した値を用いた。ある時間範囲(通常、60秒間とした)でのB(m,n)、B(m+1,n)、B(Ref,1)を計測し、その時間平均値をBave(m,n)、Bave(m+1,n)、Bave(Ref,1)を求めた。次に、(数32)で計算される値の二乗和が、ある時間範囲で最小になるようにAx(m,n)を決定した。
Figure 2004337478
なお、この方法は一例であり、Ax(m,n)の値は他のアルゴリズムを用いて決定してもかまわない。また、実施例1では予め決定された第1の補正係数を使用して解析を行ったが、測定の都度、実際の測定信号に対して第1の補正係数を求めることも可能である。
【0048】
以上、x方向の差分を例にとって説明を行ったが、y方向の差分y(m,n)は(数33)で表され、y方向の差分に対しても第1の補正係数Ay(m,n)として(数34)を用いてx方向の外来磁場を補正することで、外来磁場の影響が低減された計測信号(数35)を取得できる。
Figure 2004337478
図5は、本発明の実施例1の磁場計測装置で測定した心磁波形の一例を示す図である。図5(A)は実施例1による外来磁場の補正を実行しなかった場合の磁場波形、図5(B)は実施例1による外来磁場の補正を実行した場合の磁場波形を示す。
【0049】
帯域は0.1Hz〜80Hzで、50、100、150Hzのアナログノッチフィルターも併用した。サンプリング周波数は1kHzである。図5(A)は上から順に、隣接した磁束計からの信号の差分であるX(1,1)、X(2,1),Y(2,1)の時間波形を示している。差分信号には目的とする心磁の波形も観察されているが、外来磁場の影響を受けて、大きく変動している。図5(B)は実施例1の方法を用いて、外来磁場を補正した結果Cx(1,1)、Cx(2,1),Cy(2,1)である。大きな変動をほぼ完全に除去できており、実施例1の効果を確認できる。
【0050】
本実施例では3×3の配置でその効果を確認しているが、4×4以上の大きな規模の磁束計の配列に対しても同様の効果を期待できる。
(実施例2)
外来磁場の大きさは装置の設置場所に大きく依存する。例えば、線路の近くやエレベータの近くでは外来磁場が大きく変動する。
【0051】
図6は、本発明の実施例2の磁場計測装置で測定した心磁波形の一例を示す図である。図6(A)は実施例2による外来磁場の補正を実行しなかった場合の磁場波形、図6(B)は実施例2による外来磁場の補正を実行した場合の磁場波形を示す。
【0052】
図6(A)は、電車の線路から30m程度の離れた位置にある建物の内部に心磁計(磁場計測装置)を設置して計測を行った場合の、計測用磁束計の出力信号(B(1,1)、B(2,1))の波形である。帯域は0.1Hz〜80Hzで、50、100、150Hzのアナログノッチフィルターも併用した。電車が通過した場合に大きな外部磁場の変動が起こったため、計測信号が後段のAD変換器の入力ダイナミックレンジを越え、飽和している。この問題は、16ビットAD変換器の代わりに、入力ダイナミックレンジが広い24ビットAD変換器を用いることで解決可能であるが、高価なため好ましくない。実施例2ではダイナミックレンジ圧縮用の信号を用いて、AD変換器入力前に計測信号を圧縮することで、この問題を解決する。
【0053】
図3(B)は、本発明の実施例2の磁束計の配置を示す図である。図3(B)は、冷却容器2の内部に設置される磁束計の配置を示す。図3(B)に示す構成は、図3(A)で説明した実施例1の構成に、圧縮信号用磁束計69を付加した構成である。圧縮信号用磁束計69は、板61と平行な第3の面を規定する板65に、圧縮信号用磁束計69の磁場検出方向が、板65に対して垂直になるように固定されている。板61と板65は、非磁性材料でできた4本の柱68により平行に固定される。実施例2では、板61と板65の距離を60mmとした。
【0054】
図4(B)は、本発明の実施例2の測定回路の構成を示す図である。図4(C)は、本発明の実施例2の別の測定回路の構成を示す図である。
【0055】
図4(B)に示すように、計測信号をAD変換器8に入力する前に、差動アンプ回路79を通して、それぞれの計測信号から圧縮信号用磁束計69で計測された圧縮信号を差し引く構成となっている。計測用磁束計と圧縮信号用磁束計は磁場の検出方向が同じで、内径800mmの磁気シールドに比べ相対的に近い位置に設置されており、計測用磁束計で検出される外来磁場と圧縮信号用磁束計69で計測された圧縮信号には強い相関がある。
【0056】
従って、計測信号から圧縮信号用磁束計69で計測された圧縮信号を差し引くことで外来磁場による変動を数分の1から数十分の1まで軽減できる。図6(B)に示す信号波形B(1,1)、B(2,1)は、電車が通過中に測定した計測信号から圧縮信号用磁束計69で圧縮計測された信号を差し引いた信号を、16ビットのAD変換器を通してコンピュータに取り込んだデータである。計測された信号の変動幅はAD変換器の入力ダイナミックレンジを越えることなく、コンピュータに取り込まれている。
【0057】
図6(B)の下方の2つの信号波形は2つの磁束計の出力信号の差分データX(1,1)、第1の参照信号による補正を行ったデータCx(1,1)である。実施例2での圧縮信号用磁束計69で計測された信号は、隣接した磁束計の信号の差分を求める際にキャンセルされるため差分データには残らないことが特徴である。
【0058】
また、実施例1と同様に、補正を行うことにより、差分データx(1,1)に残っている外来磁場による変動が補正後のデータCx(1,1)では除去されており、圧縮信号用磁束計69で計測された圧縮信号を計測回路に入れても、実施例2では外来磁場の低減効果は影響を受けないことがわかる。
【0059】
以上の結果から、外来磁場の変動が大きな場合にも、外来磁場が低減された計測信号を取得できることを確認できる。
【0060】
なお、実施例2では計測回路として、図4(B)の回路構成を使用したが、この構成は一例であり、差動アンプ回路79の配置場所については様々な構成が可能である。例えば、図4(C)に示すように、駆動回路6の後段に磁束計の感度補正のためのゲイン可変アンプ80を設置し、差動アンプ回路79の後段に図示しないアンプ・フィルター回路を設置することでも同様の結果が得られる。
(実施例3)
実施例1の装置構成で心磁計測を行った場合、装置の設置場所によっては数Hz程度の周波数の雑音が残る場合が確認された。
【0061】
図7は、本発明の実施例3の磁場計測装置で測定した心磁波形の一例を示す図である。図7の上段の磁場波形は、外来磁場の補正を行う前の差分データX(1,1)、図7の中段の磁場波形は、第1の参照信号による補正を行った後の差分データCx(1,1)である。実施例1で述べた第1の参照信号による補正を行うことで大きな外来磁場による変動を除去できているが、図7に矢印で示す位置に5Hz程度の小さな振動成分が残っている。この小さな振動成分の発生原因は完全には把握できていないが、床の振動や冷却容器の振動等が原因として考えられる。実施例3では、この小さな振動成分を除去するために、実施例1の磁場計測装置の構成に第2の参照用磁束計を付加した構成とした。
【0062】
図8(A)は、本発明の実施例3の磁束計の配置を示す図である。図8(A)は、冷却容器2の内部に設置される磁束計の配置を示す。図3(A)に示す実施例1の構成に、第2の参照用磁束計82を付加した構成となっている。第2の参照用磁束計82は図2に示した磁束計と同じ構造をもつ。
【0063】
第2の参照用磁束計82は、第1の参照用磁束計4が配置されている板63に平行な第4の面を規定する板81に配置されている。実施例3では、板63と板81の間隔を40mmとした。第1の参照用磁束計4の検出コイルの中心軸と第3の参照用磁束計82の検出コイルの中心軸とが一致するように、第3の参照用磁束計82が第4の面を規定する板81に固定されている。
【0064】
実施例3では、第1の参照用磁束計4と第3の参照用磁束計82で同軸型の1次のグラジオメータを構成し、第1の参照信号による補正を行った後の差分データに対して、この1次のグラジオメータの信号を用いてさらに雑音の補正を行なう。具体的には、第1の参照信号で補正された差分データから、第1の参照用信号と第2の参照用信号の差分に所定の第2の補正係数が乗算された値を差し引くことで、外来磁場が一層軽減された計測信号Dx(m,n)、Dy(m,n)((数36)、(数37))を取得できる。
Dx(m,n)=Cx(m,n)−βx(m,n)・(B(ref,1)−B(ref,2)) …(数36)
Dy(m,n)=Cy(m,n)−βy(m,n)・(B(ref,1)−B(ref,2)) …(数37)
ここで、βx(m,n)、βy(m,n)は第2の補正係数、B(ref,1)、B(ref,2)はそれぞれ第1の参照用磁束計と第2の参照用磁束計によって検出された第1、第2の参照信号である。第2の補正係数βx(m,n)、βy(m,n)は第1の補正係数と同様に最小自乗法により、計測信号の変動が最小となる値を選び使用する。また、実施例3では予め決定された第2の補正係数を使用して解析を行うが、測定の都度、実際の測定信号に対して第2の補正係数を求めることも可能である。
【0065】
図9(A)は、本発明の実施例3の測定回路の構成を示す図である。
図4(A)に示した実施例1の回路構成に、第2の参照用磁束計82とこれに対応する駆動回路6やアナログ信号処理回路7が付加された構成となっている。図7の下段の磁場波形データDx(1,1)は、第1の参照信号による補正を行った後に、上述の1次のグラジオメータの信号を用いて補正を行った結果である。第1の参照信号による補正では除去できなかった5Hz程度の周期の変動の大部分を除去できており、実施例3の効果を確認できる。
(実施例4)
図8(B)は、本発明の実施例4の磁束計の配置を示す図である。図8(B)は、冷却容器2の内部に設置される磁束計の配置を示す。図8(A)で説明した実施例3の構成に、圧縮信号用磁束計69が追加された構成となっている。圧縮信号用磁束計69は図3(B)に示した実施例2と同じ位置に取付けた。実施例4の磁場計測装置の構成では、実施例3の磁場計測装置に実施例2で述べた圧縮信号用磁束計69と作動アンプ回路79が付加された構成となっている。実施例2で述べたように、圧縮信号用を使用することで計測信号がAD変換器の入力ダイナミックレンジを超過することを防ぐことが可能である。
【0066】
図9(B)は、本発明の実施例4の測定回路の構成を示す図である。図9(A)に示した実施例3の計測回路に、圧縮信号用磁束計69とその駆動回路が追加され、計測信号をAD変換器8に入力する前に差動アンプ回路79を通して、計測信号から圧縮信号用磁束計69で計測された圧縮信号を差し引く構成となっている。また、差動アンプ回路の前にはゲイン可変アンプ80が挿入されている。実施例4ではゲイン可変アンプを使用して、各磁束計の感度補正を行った。
【0067】
このように、圧縮信号用磁束計69を追加することで実施例2と同じように、計測信号がAD変換器の入力ダイナミックレンジを超過すること防止できる。
【0068】
なお、実施例4では計測回路として、図9(B)の回路構成を使用したが、この構成は一例であり、差動アンプ回路やゲイン可変アンプの位置については様々な構成が可能である。
(実施例5)
実施例3で述べたように、装置の設置場所によっては数Hz程度の周波数の雑音が残る場合がある。実施例5では実施例3とは異なる構成の1次グラジオメータによる補正について検討した。
【0069】
図10(A)は、本発明の実施例5の磁場計測装置の構成を示す図、図10(B)は、本発明の実施例5における磁束計の配置を示す図である。
【0070】
実施例5では図10(A)に示すように、円筒磁気シールドの中心軸が床面に対して垂直になるように配置された縦型円筒磁気シールド101を使用した。被験者13はベッドに仰臥する代わりに椅子104に軽く腰掛けた状態で心磁計測を行う。椅子104及びガントリー102に固定された冷却容器103は上下移動機構を有し、被験者の胸部の最適な位置に計測用磁束計の位置を合わせることができる。
【0071】
椅子104、ガントリー102等は非磁性材料で作られている。FRPで作製された冷却容器103はL字型をなしており、その上部から信号線67が取り出されている。信号線は磁気シールドの内壁に取付けられた駆動回路6に接続され、駆動回路6から出力された信号は磁気シールドの内壁に沿って配置された信号線を通って磁気シールド外部に置かれたアンプ・フィルターユニット7に接続されている。また、冷却容器103の上部に取付けられた角度調整用つまみ105を回すことで、第1の磁束計の角度を微調整できる。
【0072】
図10(B)は冷却容器103の内部に設置される磁束計の配置を示す図である。図3(A)で説明した実施例1の構成に、第3の参照用磁束計85、第4の参照用磁束計86、第1の参照用磁束計4の方向を微調整するための角度調整機構107を付加した構成となっている。第3の参照用磁束計85は、板61に平行な板65に配置される。
第4の参照用磁束計86は板65に、x方向に第3の参照用磁束計85から30mm離れた位置に配置している。
【0073】
角度調整機構107は、非磁性材料のワイヤー106を介して角度調整用つまみ105に接続されており、角度調整用つまみ105を回すことにより、板63を板61に対して回転させて、第1の参照用磁束計4の検出コイルの面の方向を微調整できる。
【0074】
第1の参照用磁束計4で検出される外来磁場、即ち、第1の参照信号が最も大きくなるように、第1の参照用磁束計4の角度を調整することで、第1の参照信号に乗算される第1の補正係数はより小さな値となる。その結果、(数31)で示される補正されたデータに対する第1の参照用磁束計の固有雑音の影響が一層低減される。なお、図10(B)に示した磁束計のユニットは、複数の計測用磁束計3が取付けられている第1の面を規定する板63が、図10(A)に示す円筒磁気シールドの中心軸と平行になるように配置される。
【0075】
実施例5では、第3の参照用磁束計と第4の参照用磁束計で平面型の1次のグラジオメータを構成し、実施例1で述べた第1の参照信号による補正を行った後の差分データに対して、この1次のグラジオメータの信号を用いてさらに雑音の補正を行なう。つまり、実施例3で使用した同軸型の1次グラジオメータの代わりに、平面型の1次のグラジオメータを使用した構成である。
【0076】
(数38)、(数39)に示すように、第1の参照信号で補正された差分データから、第3の参照用信号と第4の参照用信号の差分に所定の第3の補正係数が乗算された値を差し引くことで外来磁場が一層軽減された計測信号Fx(m,n)、Fy(m,n)を取得ができる。ここで、γx(m,n)、γy(m,n)は第3の補正係数、B(ref,3)、B(ref,4)はそれぞれ第3の参照用磁束計、第4の参照用磁束計の信号である。第3の補正係数は第1、第2の補正係数と同様に最小自乗法により、計測信号の変動が最小となる値を選び使用する。
Fx(m,n)=Cx(m,n)−γx(m,n)・(B(ref,3)−B(ref,4)) …(数38)
Fy(m,n)=Cy(m,n)−γy(m,n)・(B(ref,3)−B(ref,4)) …(数39)
図11(A)は、本発明の実施例5の測定回路の構成を示す図である。図4(A)に示した実施例1の回路構成に、第3の参照用磁束計85、第4の参照用磁束計86、これらに対応する駆動回路6やアナログ信号処理回路7が付加された構成をとる。
【0077】
図12は、本発明の実施例5の磁場計測装置で測定した心磁波形の例を示す図である。図12の上段の磁場波形データは隣接した計測用磁束計の差分データX(1,1)である。差分データX(1,1)は、外来磁場のため波形が大きく変動している。図12の中段の磁場波形データは、第1の参照信号による補正を行った磁場波形Cx(1,1)である。磁場波形Cx(1,1)では大きな変動成分は除去されているが、図12に矢印で示した位置に8Hz程度の周期性の雑音が残っている。図12の下段の磁場波形データは、図2の中段の磁場波形Cx(1,1)(第1の参照信号による補正を行った波形)から第3の参照用信号及び第4の参照用信号の差分に所定の第3の係数をかけた値を差し引いた結果を示す磁場波形Fx(1,1)である。8Hz程度の周期性の雑音の大部分が除去できていることを確認できる。
(実施例6)
実施例6は、実施例5の磁場計測装置に、実施例2、実施例4で述べた圧縮信号を使用した例である。実施例2、実施例4では圧縮信号計測用の磁束計を設置したが、図10(A)に示す実施例5の構成のように、計測用磁束計と同じ磁場検出方向の磁束計として第3の参照用磁束計85、第4の参照用磁束計86が設置されている。実施例6では、第3の参照用磁束計85の計測信号を圧縮信号として使用する。そのため、実施例6では、冷却容器2の内部に設置される磁束計の配置は、図10(A)に示した実施例5の配置と同じである。
【0078】
図11(B)は、本発明の実施例6の測定回路の構成を示す図である。駆動回路6から出力された第3の参照用磁束計85の計測信号を分岐して差動アンプ回路79に接続することで、第3の参照用磁束計85の計測信号を圧縮信号として使用できる。その結果、計測用磁束計の出力信号から第3の参照用磁束計85の計測信号が差し引かれた信号が、後段のAD変換器により取り込まれる構成になっている。
【0079】
実施例6の構成によっても、実施例2、実施例4と同様に、AD変換器の入力部分で信号がダイナミックレンジを超過することなく心磁波形を計測できる。
(実施例7)
実施例7では36個の計測用磁束計が6×6の配列で配置された磁場計測装置による心磁計測を行った。実施例7の磁場計測装置の全体の構成は図1と同じ構造であるが、大型の冷却容器を使用し、図3(B)に示した実施例2で用いた3×3配列の計測用磁束計、第1の参照用磁束計、圧縮信号用磁束計からなるブロックを2×2の配置で4組並べた構成とした。
【0080】
図13は、本発明の実施例7における計測用磁束計の配置の例を示す図であり、冷却容器2の内部に設置される磁束計の配置を示す図である。同じブロック内の磁束計の計測信号間の差分データを補正する場合は、各ブロックに配置された第1の磁束計で計測した第1の参照信号を使用する。差分をとる磁束計が2つのブロックにまたがった場合は、2つのブロックそれぞれの第1の参照信号の平均値を参照信号として使用する。また、圧縮信号用磁束計として、4つの圧縮信号用磁束計69のうちの1つを使用する。なぜなら、差分を求める時に圧縮信号を完全にキャンセルするためには、全く同じ圧縮信号を使用する必要があるためである。実施例7では、各ブロックの中心に配置された圧縮信号用磁束計の1つを用いるが、もちろん、圧縮信号用磁束計を全体の中心部に配置してもかまわない。また、計測回路は図4(C)の回路を4倍に拡張した構成とした。ただし、前述したように圧縮信号用磁束計は1系統である。
【0081】
実施例7の構成により、実施例2で示した結果と同じように外来磁場の影響が低減された心磁波形を6×6配列の計測用磁束計で取得できる。
(実施例8)
実施例8では、実施例7で用いた6×6配列の計測用磁束計をもつ磁気計測装置を使用した。心磁信号の強度は心臓の位置や大きさ等に依存するため、個人差が大きい。そのため、心房の活動により発生するピーク(P波)が弱い場合、十分なS/N比で計測できない場合がある。実施例1から実施例7では、隣接して配置された2つの計測用磁束計の差分を求めていたが、SN比が悪くP波をうまく計測できない場合には、隣接した計測用磁束計よりもさらに離れて配置された位置の計測用磁束計との差分を求めることで、SN比が改善され明瞭なP波を計測できる。
【0082】
図14は、本発明の実施例8の磁場計測装置で測定した心磁波形の例を示す図である。 図14には、隣接した磁束計(SQUID(1,1)とSQUID(2,1)、間隔30mm)で測定した心磁波形の例(上段)と、より離れた磁束計(SQUID(1,1)とSQUID(3,1)、間隔60mm)で測定された心磁波形の例(下段)を示す。
【0083】
図14の上段、下段の何れのデータも、外来磁場を除去した後のデータであり、外来磁場による大きな変動成分は除去されている。より離れた磁束計(SQUID(1,1)とSQUID(3,1)、間隔60mm)で測定された心磁波形(下段)では、図中の矢印の部分にP波のピークが観察されている。このように、本発明の外来磁場の除去方法は、隣接した磁束計以外の組み合わせにも適用可能である。
【0084】
以上説明した実施例1から実施例8では、高温超電導体の薄膜一体型直接結合マグネトメータを使用したが、低温超電導体のマグネトメータを使用することもできる。例えば、図15(A)に示すような、Nb−Ti線で作られた検出コイルが、薄膜多層プロセスでSQUID上に層間絶縁膜を介して形成された入力コイルに接続されたNb系超電導体のマグネトメータを使用できる。
【0085】
マグネトメトリック検出コイル121には磁場に比例した遮蔽電流が流れ、遮蔽電流は入力コイル122により磁束に変換されSQUID124に伝達される。SQUID124は、磁束を検出し、電圧信号に変換する超電導素子である。SQUID124を駆動するためのフィードバック磁束は、フィードバックコイル123によって供給される。駆動回路125は、非線型な出力電圧信号を持つSQUID124を制御し、SQUIDが検出した磁場に比例した電圧信号を出力する電子回路である。駆動回路125の出力信号は、信号線126を介して後段の信号処理回路に伝達される。
【0086】
また、計測用磁束計として、図15(B)に示す微分型検出コイルを具備した同軸型グラジオメータを用いることもできる。2つの面積が等しいループに鎖交した磁束の差分に比例する遮蔽電流が流れる1次のグラジオメトリック検出コイル127を使用する。検出コイル127には、磁場勾配に比例した遮蔽電流が流れる。
【0087】
図15に示した磁束計は一例であり、各種の構造の磁束計を使用することが可能であるが、圧縮信号計測用の磁束計は計測用磁束計と同じ構造の磁束計が適している。また、円筒型磁気シールドの中心軸方向の磁場成分を検出する第1の参照用磁束計は、グラジオメータではなくマグネトメータが適している。
【0088】
【発明の効果】
本発明の磁場計測装置によれば、簡易な筒型磁気シールドを用いて少ない参照用磁束計を使用し、外来磁場を効率良くキャンセルし微弱な磁場を検出できる。また、参照用の磁束計の数が少ないため回路規模が小さく低コストで装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の磁場計測装置の構成例を示す図。
【図2】本発明の実施例1で使用される磁束計の構成を示す図。
【図3】本発明の実施例における磁束計の配置を示す図。
【図4】本発明の実施例における測定回路の構成を示す図。
【図5】本発明の実施例1の磁場計測装置で測定した心磁波形の一例を示す図。
【図6】本発明の実施例2の磁場計測装置で測定した心磁波形の一例を示す図。
【図7】本発明の実施例3の磁場計測装置で測定した心磁波形の一例を示す図。
【図8】本発明の実施例における磁束計の配置を示す図。
【図9】本発明の実施例における測定回路の構成を示す図。
【図10】本発明の実施例5の磁場計測装置の構成を示す図。
【図11】本発明の実施例の測定回路の構成を示す図。
【図12】本発明の実施例5の磁場計測装置で測定した心磁波形の一例を示す図。
【図13】本発明の実施例7における計測用磁束計の配置の例を示す図。
【図14】本発明の実施例8の磁場計測装置で測定した心磁波形の例を示す図。
【図15】本発明を適用できる磁束計の別の構成を示す図。
【符号の説明】
1…円筒型磁気シールド、2、103…冷却容器、3…計測用磁束計、4…第1の参照用磁束計、5、102…ガントリー、6、74、125…駆動回路、7…アナログ信号処理回路、8、76…AD変換器、9、77…コンピュータ、11…ガントリー固定用の柱、12…ガントリー位置調整機構、13…被験者、14…ベッド、15…スライドするベッドの足、16…ガイドレール、17…タイヤ付きベッドの足、18、67、126…信号線、19…ハンドル、20…枕、21…磁束計、30…プリント基板、31…保護キャップ、32…ヒーター、33…フィードバックコイル、34…SQUID素子、35…ボンディングワイヤー、36…ボンディングパッド、37…コネクタ、40…バイクリスタル基板、41…結晶粒界、42…超伝導薄膜、43…検出コイル、44、124…SQUID、45…スリット型ホール、46…ジョセフソン接合、47…検出コイルのホール、48…電極、49…超伝導リング、61…第1の面を規定する板、63…第2の面を規定する板、65…第3の面を規定する板、66…コネクター、68…柱、69…圧縮信号用磁束計、71…一群の計測用磁束計、73…冷却部分、79…差動アンプ回路、80…ゲイン可変アンプ、81…第4の面、82…第2の参照用磁束計、101…縦置き円筒型磁気シールド104…椅子、105…角度調整用つまみ、106…ワイヤー、107…角度調整機構、121…マグネトメトリック検出コイル、122…入力コイル、123…フィードバックコイル、127…1次のグラジオメトリック検出コイル。

Claims (12)

  1. 強磁性体から構成される磁気シールド筒型体を具備する磁気シールド装置と、SQUIDと検出コイルとを具備し生体から発する磁場の前記磁気シールド筒型体の中心軸に垂直な磁場成分を検出する2次元に配置された複数の計測用磁束計と、SQUIDと検出コイルとを具備し外来磁場の前記中心軸に平行な磁場成分を検出する第1の参照用磁束計と、複数の前記計測用磁束計の前記検出コイルの面が前記中心軸に平行になるように、複数の前記計測用磁束計を前記中心軸に近い第1の面に2次元に配置し、前記第1の参照用磁束計の前記検出コイルの面が前記第1の面に垂直になるように、前記参照用磁束計を前記第1の面に垂直な第2の面上の前記第1の面から離れた位置に配置し、複数の前記計測用磁束計及び前記第1の参照用磁束計を収納して冷却する冷却容器と、前記磁気シールド筒型体の内側に前記冷却容器を保持するガントリーと、前記複数の計測用磁束計及び前記第1の参照用磁束計を駆動させて、前記垂直な磁場成分及び前記平行な磁場成分を検出し、計測信号及び第1の参照信号として出力する計測回路と、前記計測信号を集録する装置と、前記計測信号の解析を行ない解析結果を表示する解析装置とを有し、前記解析装置は、異なる位置に配置される2つの前記計測用磁束計により検出された前記計測信号の差分から、前記第1の参照用磁束計により検出された前記第1の参照信号に第1の所定の係数を乗算した値を差し引いて、前記外来磁場の影響が低減された第1の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
  2. 請求項1に記載の磁場計測装置において、前記第1の面と平行で前記第1の面よりも前記磁気シールド筒型体の中心軸から離れた位置の第3の面上に配置される磁束計であり、SQUIDと検出コイルとを具備し前記外来磁場の前記中心軸に垂直な磁場成分を検出するダイナミックレンジ圧縮信号計測用磁束計と、前記ダイナミックレンジ圧縮信号計測用磁束計を駆動させて前記垂直な磁場成分を検出し、ダイナミックレンジ圧縮信号として出力する計測回路と、複数の前記計測用磁束計の計測信号のそれぞれから前記ダイナミックレンジ圧縮信号を差し引き、ダイナミックレンジが圧縮された前記計測用磁束計の計測信号を出力する差動アンプ回路とを有し、前記集録する装置は、複数のダイナミックレンジが圧縮された前記計測用磁束計の計測信号と参照用磁束計の計測信号を集録し、前記解析装置は、ダイナミックレンジが圧縮された異なる前記計測用磁束計の計測信号の差分から、前記参照用磁束計により検出された前記参照信号に第1の所定の係数を乗算した値を差し引いて、前記外来磁場の影響が低減された第1の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
  3. 請求項1に記載の磁場計測装置において、複数の前記計測用磁束計を複数のブロックに分割し、各前記ブロック毎に前記第1の参照用磁束計が配置され、前記解析装置は、各前記ブロック毎に前記外来磁場の影響が低減された第1の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
  4. 請求項2に記載の磁場計測装置において、複数の前記計測用磁束計を複数のブロックに分割し、各前記ブロック毎に、前記第1の参照用磁束計が配置され、前記解析装置は、各前記ブロック毎に前記外来磁場の影響が低減された第1の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
  5. 強磁性体から構成される磁気シールド筒型体を具備する磁気シールド装置と、SQUIDと検出コイルとを具備し生体から発する磁場の前記磁気シールド筒型体の中心軸に垂直な磁場成分を検出する2次元に配置された複数の計測用磁束計と、SQUIDと検出コイルとを具備し外来磁場の前記中心軸に平行な磁場成分を検出する第1及び第2の参照用磁束計と、前記複数の計測用磁束計の前記検出コイルの面が前記中心軸に平行になるように、前記複数の計測用磁束計を前記中心軸に近い第1の面に2次元に配置し、前記第1の参照用磁束計の前記検出コイルの面が前記第1の面に垂直になるように、前記第1の参照用磁束計を前記第1の面に垂直な第2の面上の前記第1の面から離れた位置に配置し、前記第2の面と平行に離れた第4の面上に、前記第2の参照用磁束計の前記検出コイルの中心軸と前記第1の参照用磁束計の前記検出コイルの中心軸が一致するように前記第2の参照用磁束計を配置し、前記複数の計測用磁束計、前記第1及び第2の参照用磁束計を収納して冷却する冷却容器と、前記磁気シールド筒型体の内側に前記冷却容器を保持するガントリーと、前記複数の計測用磁束計及び前記第1、第2の参照用磁束計を駆動させて、前記垂直な磁場成分及び前記平行な磁場成分を検出し、計測信号及び第1、第2の参照信号として出力する計測回路と、前記計測信号及び参照信号を集録する装置と、前記計測信号の解析を行ない解析結果を表示する解析装置とを有し、前記解析装置は、異なる位置に配置される2つの前記計測用磁束計により検出された前記計測信号の差分から、前記第1の参照用磁束計により検出された前記第1の参照信号に第1の所定の係数を乗算した値を差し引いて第1の補正された計測信号を求め、前記第1の補正された計測信号から、前記第1の参照信号と前記第2の参照信号の差分に第2の所定の係数を乗算した値を差し引いて、前記外来磁場の影響が低減された第2の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
  6. 請求項5に記載の磁場計測装置において、前記第1の面と平行で前記第1の面よりも前記磁気シールド筒型体の中心軸から離れた位置の第3の面上に配置される磁束計であり、SQUIDと検出コイルとを具備し外来磁場の前記中心軸に垂直な磁場成分を検出するダイナミックレンジ圧縮信号計測用磁束計と、前記ダイナミックレンジ圧縮信号計測用磁束計を駆動させて、前記垂直な磁場成分を検出しダイナミックレンジ圧縮信号として出力する計測回路と、複数の前記計測用磁束計の計測信号のそれぞれから前記ダイナミックレンジ圧縮信号を差し引く差動アンプ回路とを有し、前記集録する装置は、複数の前記計測用磁束計の計測信号から前記ダイナミックレンジ圧縮信号が差し引かれた後の圧縮された計測信号と前記第1及び第2の参照信号を集録し、前記解析装置は、ダイナミックレンジが圧縮された、異なる前記計測用磁束計の計測信号の差分から、前記第1の参照用磁束計により検出された前記第1の参照信号に第1の所定の係数を乗算した値を差し引いて、前記外来磁場の影響が低減された第1の補正された計測信号を求め、前記第1の補正された計測信号から前記第1の参照信号と前記第2の参照信号の差分に第2の所定の係数を乗算した値を差し引いて、前記外来磁場の影響が低減された第2の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
  7. 請求項5に記載の磁場計測装置において、複数の前記計測用磁束計を複数のブロックに分割し、各前記ブロック毎に前記第1、第2の参照用磁束計が配置され、前記解析装置は、各前記ブロック毎に前記外来磁場の影響が低減された第2の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
  8. 請求項6に記載の磁場計測装置において、複数の前記計測用磁束計を複数のブロックに分割し、各前記ブロック毎に、前記第1、第2の参照用磁束計が配置され、前記解析装置は、各前記ブロック毎に前記外来磁場の影響が低減された第2の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
  9. 強磁性体から構成される磁気シールド筒型体を具備する磁気シールド装置と、SQUIDと検出コイルとを具備し生体から発する磁場の前記磁気シールド筒型体の中心軸に垂直な磁場成分を検出する2次元に配置された複数の計測用磁束計と、SQUIDと検出コイルとを具備し外来磁場の前記中心軸に平行な磁場成分を検出する第1の参照用磁束計と、SQUIDと検出コイルとを具備し外来磁場の前記中心軸に垂直な磁場成分を検出する第3及び第4の参照用磁束計と、前記複数の計測用磁束計の前記検出コイルの面が前記中心軸に平行になるように、前記複数の計測用磁束計を前記中心軸に近い第1の面に2次元に配置し、前記第1の参照用磁束計の前記検出コイルの面が前記第1の面に垂直になるように、前記第1の参照用磁束計を前記第1の面に垂直な第2の面上の前記中心軸から離れた位置に配置し、前記第3及び第4の参照用磁束計を前記第1の面と平行で前記中心軸から離れた位置の第3の面上に検出コイルの面が前記第3の面と平行になるように配置し、前記第4の参照用磁束計を前記第3の参照用磁束計よりも前記磁気シールド筒型体の前記中心軸方向に離れた位置に配置し、前記複数の計測用磁束計、前記第1、第3及び第4の参照用磁束計を収納して冷却する冷却容器と、前記磁気シールド筒型体の内側に前記冷却容器を保持するガントリーと、前記複数の計測用磁束計及び前記第1、第3、第4の参照用磁束計を駆動させて前記垂直な磁場成分及び前記平行な磁場成分を検出し、計測信号及び第1、第3、第4の参照信号として出力する計測回路と、前記計測信号及び第1、第3、第4の参照信号を集録する装置と、集録した信号の解析を行ない解析結果を表示する解析装置とを有し、前記解析装置は、異なる位置に配置される2つの前記計測用磁束計により検出された前記計測信号の差分から、前記第1の参照信号に第1の所定の係数を乗算した値を差し引いて第1の補正された計測信号を求め、前記第1の計測信号から前記第3及び前記第4の磁束計により検出された前記計測信号の差分に第3の所定の係数を乗算した値を差し引いて、前記外来磁場の影響が低減された第3の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
  10. 請求項9に記載の磁場計測装置において、複数の前記計測用磁束計の計測信号のそれぞれから前記第3の参照用磁束計の計測信号を差し引く差動アンプ回路を有し、前記集録する装置は、複数の前記計測用磁束計の計測信号から前記第3の参照用磁束計の計測信号が差し引かれたダイナミックレンジが圧縮された複数の前記計測用磁束計の計測信号を集録し、前記解析装置は、前記計測用磁束計の計測信号から前記第3の参照用磁束計の計測信号が差し引かれた前記ダイナミックレンジが圧縮された、異なる計測用磁束計の計測信号の差分から、前記第1の磁束計により検出された前記第1の参照信号に第1の所定の係数を乗算した値を差し引いて第1の補正された計測信号を求め、前記第1の計測信号から前記第3の参照信号と前記第4の参照信号の差分に第3の所定の係数を乗算した値を差し引いて、前記外来磁場の影響が低減された第3の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
  11. 請求項9に記載の磁場計測装置において、複数の前記計測用磁束計を複数のブロックに分割し、各前記ブロック毎に前記第1、第3、第4の参照用磁束計が配置され、前記解析装置は、各前記ブロック毎に前記外来磁場の影響が低減された第3の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
  12. 請求項10に記載の磁場計測装置において、複数の前記計測用磁束計を複数のブロックに分割し、各前記ブロック毎に、前記第1、第3、第4の参照用磁束計が配置され、前記解析装置は、各前記ブロック毎に前記外来磁場の影響が低減された第3の補正された計測信号を求める演算を行なうことを特徴とする磁場計測装置。
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