JP6144794B2 - 手袋用基体および手袋 - Google Patents

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Description

本発明は、手に装着した際に、手の表面に生じる汗などの水分を素早く吸い上げて手の表面に水分を残しにくくする手袋用基体および手袋に関する。
工場での製造作業、農作業、園芸、軽作業、工事作業、調理作業などのような種々の場面で様々な手袋が用いられている。手袋は、作業者の手を保護すると共に、作業を効率化させる。ここで、手袋には軍手のように繊維を編み上げた種類と、気密性や防水性を目的としてゴムや樹脂を用いた種類とが存在する。
後者のゴムや樹脂で構成される手袋は、気密性や防水性を最優先する場合に使用される。このようなゴムや樹脂などの層のみで構成される手袋は、気密性や防水性は高いが、手の表面に生じる水分を吸収することはほとんどできない。このため、手袋を装着している使用者は、蒸れ感などによる不快を感じる。このようなゴムや樹脂の層のみで構成される手袋は、装着感や不快感などに対応するよりも、気密性や防水性を最優先する必要がある場合に使用される。例えば、食品工場、調理作業、水産加工場などでの作業用に使用される。
一方で、繊維製で製造される基体によって構成される手袋もある。このような繊維製で製造される基体そのままで手袋として使用されるものは、いわゆる軍手のような手袋として把握される。このような繊維製の基体のみから構成される手袋は、気密性や防水性を最優先する必要のない場合に使用される。もちろん、繊維製の基体のみで構成される手袋であるので、装着感が高いことに加えて通気性もよく、装着しての作業における蒸れ感なども軽減できる。
また、このような繊維製で製造される基体の表面の少なくとも一部に被膜が施される手袋もある。繊維製の基体であることで、装着した場合の装着感がよい。ゴムや樹脂の層のみで構成される手袋の場合には、このゴムや樹脂の層が直接手の表面に接するので、装着感は高くない。これに対して、繊維製の基体に被膜が施される手袋は、使用時に繊維製の基体が手の表面に接するので、装着感はよい。
このように、装着感をよくしつつ作業性を高めるために、繊維製の基体の表面の少なくとも一部に被膜を施す手袋も使用される。表面に施される被膜は、把持力を高めるための機能や構造を有することもあり、防水性や気密性を上げるための機能や構造を有することもある。このような繊維製の基体のみでは実現できない、把持力の向上、気密性や防水性の向上、その他の機能を実現するために、繊維製の基体の表面の少なくとも一部に、被膜が施される。
このように、装着感や繊維製の基体のみで構成された手袋は、装着感や使用感をより優先する場合に使用される。特に、繊維製の基体で実現できる以上の把持力、気密性、防水性などを必要としない場合には、繊維製の基体のみの手袋が使用される。
あるいは、装着感や使用感を維持しつつも、繊維製の基体だけでは実現が難しい把持力、気密性、防水性などを実現したい場合に、繊維製の基体の表面の少なくとも一部に被膜が施される手袋が使用される。
このように、様々な構成の手袋がある中で、繊維製の基体を基礎とする手袋も使用される。このような繊維製の基体を基礎とする手袋においても、手に装着する際に、手の表面を覆ってしまう。このため、繊維製の基体を基礎とする手袋であっても、装着時に手の表面の汗などの水分が不快感(蒸れ感)を生じさせる問題があった。
このような手袋の基礎となる繊維製の基体の、装着時における不快感を軽減するための技術がいくつか提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
国際特許公開WO2004−041011号公報 特開2001−279507号公報 実用新案登録3038406号公報
特許文献1は、手袋の表面に表れる糸条と裏面に表れる糸条とが実質的に異なり、かつ、裏面に対する表面の吸水拡散面積の比を1.3以上である手袋とすることにより、肌からの汗を速やかに手袋内側から外側に移動させ大気中に蒸散させることができ、手袋着用者の蒸れ感を大幅に軽減させることができる。この結果、長時間にわたって手袋着用する場合でも着用快適性に優れた手袋が得られる。そのためには、手袋の表面に表れる糸条及び裏面に表れる糸条のうち、どちらか一方の糸条の繊維空間率を88〜98%とすることが好ましく、また、どちらか一方がフィラメント捲縮糸から主として構成され、他方が紡績糸から主として構成されることが好ましい繊維製手袋を開示する。
特許文献1の手袋は、繊維製手袋において、繊維製手袋の表面(外側)の吸水拡散面積を、繊維製手袋の裏面(内側)の吸水拡散面積の1.3以上にする。この吸水拡散面積が、外側が高いことにより、手袋の内側から外側に手の汗を移動させて、蒸れ感を軽減できる手袋を開示する。
しかしながら、手袋を装着している場合の蒸れ感などの不快感は、汗などの手の表面の水分が手の表面に残ることに大きく依存する。特許文献1の手袋は、手の表面に接する内側の吸水拡散面積が、外側に比べて低い構成である。このため、特許文献1の手袋は、相対的に内側の吸水性が低く、手の表面の水分を十分に吸い上げきれない問題がある。吸水拡散面積を、内側よりも外側を高めていることで、手袋全体の吸水能力の中で、手の表面と接する内側の吸水性が相対的に劣ってしまうからである。
また、手の表面に接する内側は、吸水した水分の拡散能力も、手袋の外側に比べて相対的に低い。このため、手袋の内側が吸収した水分は、拡散しにくく吸水した部位に留まりやすい。この結果、汗をかきやすい部分などで吸水された汗が、同じ部位にいつまで残ってしまう不快感がある。このように、手袋の内側が、吸水性でも拡散性でも外側より相対的に低いことで、手の表面の水分を十分に吸水しつつ外部に放出するとのメカニズムが働きにくい。これらの結果、特許文献1の手袋は、蒸れ感などの不快感の軽減が不十分である問題を有していた。
特許文献2は、撥水性繊維糸2と吸水性繊維糸3とを編織手段により添え糸編し、外部面4全体に撥水性繊維糸2が表出しているとともに、内部面5全体に吸水性繊維糸3が表出していることを特徴とする手袋を開示する。
特許文献2は、繊維製の手袋において、内側に吸水性繊維を表出させることで、手の表面の水分を吸い上げることを目的としている。
しかしながら、手袋の表面が撥水性繊維で構成されるので、手袋の内側が手の表面から吸い上げた水分が、手袋内部に留まってしまう問題を有している。吸い上げた水分が手袋内部に留まってしまえば、手袋全体としての蒸れ感が生じ、装着時の不快感が軽減できない問題がある。
特許文献3は、手袋10は、ポリプロピレンの編布の内層12と絹の編布の外層14との2層構造である。肌に接する内側に非吸水性繊維(ポリプロピレン)の内層12を設け、その外側に吸水性繊維(絹)の外層14を設けて2層構造としている。この手袋10では、内層12のポリプロピレンは水分を含んだり保持することはないが、外層14の絹が汗や外気に由来する水分を吸水する。しかし、外装14と皮膚とが直接接触しないから、外層14が水分を吸収しすぎて皮膚が乾燥しすぎることはない。よって、この手袋10を使用すれば、皮膚が乾燥しすぎて肌荒れを招くこともない手袋を開示する。
特許文献3は、特許文献2と逆で、手の表面に接する手袋の内側が非吸水性繊維であり、手袋の外側が吸水性繊維である。この結果、外気が乾燥している場合でも、大気中の水分を手袋が吸水して手袋全体の湿度を高めることができることを目的とする。
しかしながら、当然に手袋の内側の吸水性が低いことで、手の表面の水分を吸収できない。この結果、装着時の手の蒸れ感が高くなり、不快感を軽減できない問題がある。
このように、従来技術における繊維製の基体を基礎とする手袋は、手の表面の水分による蒸れ感などの不快感を十分に軽減できない問題があった。例えば、手の表面の水分を手袋の内側が吸収しても、手袋全体としては水分を残してしまい、蒸れ感を十分に軽減できない問題を有していた。あるいは、手の表面の水分を十分に吸水できない問題を有していた。
また、特許文献1〜3に開示される従来技術の繊維製の手袋の表面に被膜が施される場合には、更に蒸れ感が残ってしまう問題があった。
本発明は、このような課題に鑑み、繊維製の基体のみで構成される手袋であっても表面に被膜が施される手袋であっても、手の表面の水分の吸水性を高めると共に手袋全体から外部に放出しやすい手袋用基体および手袋を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の手袋用基体は、
手の形状を有する繊維製の手袋用基体であって、
手袋用基体の主に内側に表出する第1繊維の吸水性が、手袋用基体の主に外側に表出する第2繊維の吸水性よりも高く、
第1繊維は、内側において手の表面の水分を吸収すると共に第2繊維に移動させ、
第2繊維は、第1繊維から移動した水分を、主として面方向に移動させ
第1繊維と第2繊維からなる交撚糸が使用されることにより、第1繊維は内側に表出し、第2繊維は外側に表出する

本発明の手袋用基体は、手の表面に接する内側の吸水性が外側よりも相対的に高い。この結果、装着時に手の表面の水分を早期かつ確実に吸収することができる。この吸収により、手の表面に水分を残しにくくなり、不快感を軽減できる。
また、本発明の手袋用基体は、内側の吸水性が外側の吸水性よりも高いので、手袋用基体全体では、垂直方向よりも平面方向への水分移動を生じさせやすい。この平面方向への水分移動により、手袋用基体全体での水分が広がって不快感がより軽減できる。加えて、平面方向の水分移動の中で、手袋用基体の表面から外気へ水分が放出できる。この放出も合わさって、手袋用基体は、蒸れ感などの不快感を軽減できる。
更には、この平面方向での水分移動や拡散により、手袋用基体の表面の少なくとも一部に被膜が施されて手袋とされる場合でも、手首などの被膜の切れ目に、水分が移動する。この結果、被膜によって蓋をされている手袋であっても、手袋用基体が吸収した水分が、平面方向に移動して被膜の切れ目から外部に放出される。この放出により、被膜が施される場合でも本発明の手袋用基体は、蒸れ感などの不快感を軽減できる。
本発明の実施の形態1における手袋用基体の正面図である。 本発明の実施の形態1における手袋用基体の水分移動のメカニズムを示す模式図である。 本発明の実施の形態1における手袋の斜視図である。 本発明の実施の形態1における手袋の背面図である。 本発明の実施の形態2におけるプレーティング編みを説明する模式図である。 本発明の実施の形態3における交撚糸の模式図である。
本発明の第1の発明に係る手袋用基体は、手の形状を有する繊維製の手袋用基体であって、手袋用基体の主に内側に表出する第1繊維の吸水性が、手袋用基体の主に外側に表出する第2繊維の吸水性よりも高く、第1繊維は、内側において手の表面の水分を吸収すると共に第2繊維に移動させ、第2繊維は、第1繊維から移動した水分を、主として面方向に移動させる。
この構成により、手袋用基体は、手の表面の水分を早期に吸収し、吸収した水分を拡散して放出できる。この第1繊維と第2繊維のメカニズムの組み合わせにより、手の表面の水分の軽減状態を維持でき、蒸れ感を軽減できる。
本発明の第2の発明に係る手袋用基体では、第1の発明に加えて、第1繊維の吸水性は、第2繊維の吸水性に対して、2.0〜37.5である。
この構成により、手袋用基体の主として内側に表出する第1繊維が、相対的に高い吸水性により手の表面の水分を効率的に吸収できる。結果として、手の表面の水分が無い状態を維持しやすい。
本発明の第3の発明に係る手袋用基体では、第1または第2の発明に加えて、吸水性は、単位面積もしくは単位体積当たりの吸水量を含む。
この構成により、第1繊維の吸水性が高い。
本発明の第4の発明に係る手袋用基体では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、第1繊維は、内側において、手の表面から吸収した水分を主として略垂直方向に移動させて第2繊維に移動させる。
この構成により、第1繊維は、手の表面の水分を効率的に吸収して、手の表面に水分が残りにくくできる。
本発明の第5の発明に係る手袋用基体では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、第2繊維は、外側において、第1繊維から移動した水分を、手袋用基体の端部に移動させる。
この構成により、被膜が施されている場合でも、第2繊維は、端部を通じて水分を外部に放出できる。
本発明の第6の発明に係る手袋用基体では、第5の発明に加えて、端部は、手袋用基体の手首部分の端部である。
この構成により、被膜が施されにくい手首部分から水分を外部に放出できる。
本発明の第7の発明に係る手袋用基体では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、手袋用基体の表面の少なくとも一部に被膜が施される場合には、第2繊維は、第1繊維から移動された水分を、被膜の施されていない部分に移動させて外気に放出できる。
この構成により、第1繊維と第2繊維のメカニズムの組み合わせにより、手の表面の水分を効率的に吸収した上で、外部に放出できる。結果として、手の蒸れ感を軽減できる。
本発明の第8の発明に係る手袋用基体では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、第1繊維の水分移動性は、略垂直方向において面方向より高く、第2繊維の水分移動性は、面方向において略垂直方向より高い。
この構成により、第1繊維は、手の表面の水分を、素早く吸収できる。結果として、手の表面に水分が残りにくい状態を維持できる。
本発明の第9の発明に係る手袋用基体では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、第1繊維は、綿、麻、絹、羊毛、レーヨン、キュプラおよび高吸放湿性ナイロンの少なくとも一つを含む。
この構成により、第1繊維は、第2繊維よりも高い吸水性を実現できる。
本発明の第10の発明に係る手袋用基体では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、第2繊維は、普通ナイロン、ポリエステル、ビニロン、ビニリデン、ポリプロピレンおよびポリエチレンの少なくとも一つを含む。
この構成により、第2繊維は、第1繊維よりも低い吸水性を有する。この相対的に低い吸水性により、第2繊維は第1繊維よりも拡散性を高くできる。
本発明の第11の発明に係る手袋用基体では、第10の発明に加えて、高吸放湿性ナイロンの吸放湿性は、普通ナイロンの2倍以上である。
この構成により、第1繊維は第2繊維よりも高い吸水性を実現できる。
本発明の第12の発明に係る手袋用基体では、第1から第11のいずれかの発明に加えて、プレーティング編みにより、第1繊維は内側に表出し、第2繊維は外側に表出する。
この構成により、手袋用基体の内側と外側の繊維を所望の状態にできる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
(発明者による分析)
従来技術の説明における特許文献1〜3のように、装着時に生じる汗などの手の表面の水分による蒸れ感の軽減への取り組みが行われていた。例えば、特許文献1のように、繊維製手袋の外側の吸水拡散面積が内側よりも大きくする技術が提案されている。あるいは、特許文献2のように、繊維製手袋の内側が吸水性繊維であり外側が撥水性繊維である技術が提案されている。
特許文献1,2のいずれも、繊維製手袋の内側と外側との繊維の特性を変えることで、装着時の蒸れ感などの不快感を軽減することを想定している。しかしながら、発明者は、様々な検討により、蒸れ感の軽減には次のような要件が必要であると分析した。
(その1:手の表面の水分の吸収性の高さ)
特許文献1は、吸水拡散面積の内側と外側との相違を出すことで、蒸れ感を軽減することを目的としている。しかしながら、吸水性と拡散性とは、蒸れ感の軽減においてそれぞれ異なるメカニズムを発揮する。発明者は、様々な検討により、手袋による蒸れ感が生じる要因の一つとして、手袋を装着している際に、手の表面に生じる汗などの水分が、手の表面に長時間留まっていることであると、分析した。
このため、発明者は、蒸れ感を軽減するには手袋用基体において手の表面と接する内側での吸水性が高いことが必要であると分析した。これに対して、特許文献1は、繊維製手袋の外側の吸水性が内側よりも相対的に高いことを目的としており、手の表面の水分が残りやすい問題を残している。
特許文献2は、手袋の内側に吸水性繊維を用いているので、手の表面の水分を効率的に吸収できるとも考えられる。しかしながら、内側の繊維の外側が撥水性繊維で蓋をされていることで、吸収した水分が手袋の内側の吸水性繊維に留まってしまう。このため、内側が吸収できる量よりも多い水分が生じると、手の表面の水分を吸収しきれなくなってしまう問題も生じる。
発明者は、このように、手袋用基体の内側での吸水性が外側よりも高いことおよびこの吸水性の高さの維持が、蒸れ感の減少に必要であると分析した。
(その2:吸収した手の表面の水分の拡散性)
発明者は、手の表面の水分の吸収性の高さのみでは、特許文献2のような撥水性繊維による手袋の外側の蓋による限界があることを分析した。この結果、発明者は、手袋用基体の外側は、内側で吸水した水分を拡散することが必要であると分析した。
特に、手袋用基体の外側は、内側から移動した水分を面方向に拡散移動させることが必要であると分析した。その1と合せて、繊維製の手袋用基体においては、内側と外側とで異なる特性の繊維が表出し、内側が相対的に高い吸水性を有し、外側が相対的に高い面方向の移動性を有することが必要であると分析した。
なお、特許文献1は、吸水拡散面積として、吸水性と拡散性を同一に論じており、内側が相対的に高い吸水性を有し、外側が相対的に高い拡散性を有する必要があるとの発明者の分析とは相違する。また、後述するように、外側は、面方向における水分の移動性を高める必要があるが、特許文献1は、吸水拡散面積が高いだけであるので、内側からの水分の伝達とこの伝達された水分の面方向移動性を高めることができない。
もちろん、特許文献2は、撥水性繊維である外側における水分の面方向の移動性が低いので、その2の分析とは相違する。
(その3:被膜が施される場合への対応)
繊維製の手袋用基体は、そのままで手袋として使用される場合もある。しかしながら、把持力、耐久性、気密性、防水性などを向上させるためにその表面の少なくとも一部に被膜を施す必要がある場合もある。このような被膜は、樹脂製であることが多く、繊維製の手袋用基体の外側にとっての蓋のようなものとなってしまう。
このため、繊維製の手袋用基体は、その表面から吸水した水分を外部に放出するのが難しくなる。例えば、特許文献1の繊維製手袋の表面に被膜が施されると、蓋がされた状態となる。その1、その2で説明したように、特許文献1の手袋は、手の表面に接する内側の吸水性の高さ、内側から外側への水分の伝達性の高さ、外側における水分の面方向の移動性の高さを有していない。このため、内側が吸収した手の表面の水分が、被膜に押さえられて外部に放出できない。特許文献2も同様である。
発明者は、これらの分析により、被膜が施される可能性も考慮して、手袋用基体の外側の繊維は、水分の単純な移動性だけでなく、面方向への移動性が高いことが必要であるとの分析に至った。この面方向への移動性が高いことで、手首などの被膜の切れ目となる端部に水分が移動(水分が拡散)して、この端部から移動した水分が外気に放出できる。
以上のように、発明者は、手の表面に接する内側の吸水性の高さ、内側から外側への水分の伝達性の高さ、外側における水分の面方向の移動性の高さとの3次元的な水分移動が、繊維製の手袋用基体での蒸れ感軽減に必要であるとの分析に至った。これは、繊維製の手袋用基体の表面に被膜が施される場合には、特に必要である。
本発明は、これらの分析に基づいてなされたものである。
(全体概要)
まず、本発明の実施の形態1における手袋用基体の全体概要を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における手袋用基体の正面図である。手袋用基体2は、手袋として利用されるので、手の形状を有する。このとき、手袋としての利用に対応して手袋容基体2のサイズは、S、M、L、LLなどによって特定されて製造されればよい。
手袋用基体2は、繊維によって編まれて製造される。ここで、手袋用基体2は、第1繊維21と第2繊維22とを備える。図1では、発明の理解のために手袋用基体2において、第1繊維21と第2繊維22の両方を記している。実際には、手袋用基体2において、第1繊維21は主に内側に表出し、第2繊維22は主に外側に表出する。すなわち、第1繊維21は、手袋用基体2の主に内側に表出するので、図1における手袋用基体2の表面において第1繊維21は、実際には余り見えない。
このような構造であるので、手袋用基体2では、内側には主に第1繊維21が表出しており、この第1繊維21が、手袋用基体2が装着される際に、手の表面に接する。一方、手袋用基体2では、外側に主に第2繊維22が表出しており、手袋用基体2が装着される際に外部には第2繊維22が表出する。手袋用基体2がそのまま手袋として使用される場合には、この第2繊維22が主に手袋の外部表面に露出する。あるいは、手袋用基体2の表面の少なくとも一部に被膜が施される場合には、被膜直下に、この第2繊維22が主に表出する。
第1繊維21の吸水性は、第2繊維22の吸水性よりも高い。この結果、手袋用基体2が手に装着される場合には、手の表面と接する第1繊維21が手の表面の水分を吸収する。更に、第1繊維21は、吸収した手の表面の水分を第2繊維22に移動させる。第2繊維22は、第1繊維21から移動された水分を、面方向に移動させる。
第2繊維22は、第1繊維に比較して相対的に吸水性が低いので、略垂直方向における水分の移動よりも、面方向での水分の移動能力が相対的に高くなる。このため、第2繊維22は、第1繊維21に比較して面方向での水分拡散性を高くできる。
このように、実施の形態1の手袋用基体2は、内側に主に第1繊維21が表出して外側には主に第2繊維22が表出する。この構造を有することで、手袋用基体2は、手袋として利用される際に(そのまま手袋として使用される場合、表面に被膜が施されるなどの追加的な加工が施されて使用される場合を含む)、手の表面には、第1繊維21が主に接触する。第1繊維21は、第2繊維22よりも吸水性が高いので、第1繊維21が汗などの手の表面の水分を吸い上げる。このとき、高い吸水性により、第1繊維21は略垂直方向を中心に水分を吸収する。
第1繊維21と第2繊維22とは接触しているので、第1繊維21が吸い上げた水分は、第2繊維22に移動する。このとき、第1繊維21は、高い吸水性により、手の表面全体から略垂直方向に水分を吸収しているので、第1繊維21は手袋用基体2の内側全体で水分を吸収している。このため、手袋用基体2の内側の第1繊維21は、その全体を使って第2繊維22に吸収した水分を移動させる。
こうして第1繊維21の全体から略垂直方向の移動で水分を受け取った第2繊維22は、その面方向に水分を移動させる。面方向に移動させる中で、第2繊維22は、外部に露出している表面から外部に水分を放出できる(手袋用基体2がそのまま手袋として使用される場合)。
また、第2繊維22は、面方向に水分を移動させることで、水分を手袋用基体2の端部に輸送できる。例えば、手袋用基体2の表面に被膜が施される場合には、第2繊維22が表出している手袋用基体2の表面から水分を放出しにくい。この場合でも、第2繊維22は、面方向に沿って手袋用基体2の端部に水分を移動させることができる。この結果、被膜が施されている場合でも、手首などの端部であって被膜の切れ目に、第2繊維22は、水分を効率的に移動させる。この移動の結果、第2繊維22は、この端部から水分を外部に放出できる。
図2は、本発明の実施の形態1における手袋用基体の水分移動のメカニズムを示す模式図である。図2は、手袋用基体2が手10に装着された状態での横断面を模した状態を示している。
手袋用基体2は、内側に第1繊維21を表出し、外側に第2繊維22を表出する。このため、第1繊維21は、手10の表面に接触する。手10の表面には、汗などの水分がある。第1繊維21は、高い吸水性により矢印Aに沿って手10の表面の水分を略垂直方向に沿って吸収する。第1繊維21は、吸収した水分を第2繊維22に移動させる。もちろん、第1繊維21は、矢印A以外の方向においても(面方向や交差方向)水分を移動させる。第2繊維22に比較すると矢印Aの方向に沿った水分の移動効率が高い。
次いで、第2繊維22は、矢印Bに沿って水分を移動させる。矢印Bに沿った面方向での水分の移動によって、第2繊維22は、水分を端部に移動させることができる。移動に伴って表面から水分を放出できるのに加えて、第2繊維22は、被膜が施される場合でも、被膜の切れ目となる端部から水分を放出できる。もちろん、第2繊維22は、矢印B以外の方向においても水分を移動できる。ただ、第2繊維22は、第1繊維21よりも吸水性が低いことにより拡散性が高い。この点で、第2繊維22は、矢印Bを中心に水分を移動させることができる。
手袋用基体の主に内側に表出する第1繊維21と主に外側に表出する第2繊維22との組み合わせにより、上記のメカニズムが機能して、次のような作用を生じさせる。
(作用1)第1繊維21の吸水性が高く、特に略垂直方向に沿って手の表面の水分を吸収することで、手の表面に水分が残りにくい状態が維持される。
(作用2)第2繊維22が、面方向に水分を移動させることで、手袋用基体2の表面に加えて端部からも水分を放出できる。
(作用3)作用2に加えて、手袋用基体2の表面に被膜が施される場合でも、被膜の切れ目である端部から、第2繊維22は、水分を放出できる。
以上のメカニズムと作用により、実施の形態1における手袋用基体2は、装着される場合でも手の表面の水分による蒸れ感を軽減できる。
次に各部の詳細等について説明する。
(第1繊維の吸水性)
第1繊維21の吸水性は、第2繊維22の吸水性に対して、2.0〜37.5である。例えば、第1繊維21としては、綿、朝、絹、羊毛、レーヨン、キュプラおよび高吸放湿性ナイロンの少なくとも一つが用いられる。これらの繊維は、繊維としての吸水性が高い。
これに対して、第2繊維22としては、普通ナイロン、ポリエステル、ビニロン、ビニリデン、ポリプロピレンおよびポリエチレンの少なくとも一つが用いられる。これらの繊維は、第1繊維21として列挙された繊維よりも吸水性が低い。
例えば、羊毛の公定水分率は、15.0%である。一方、ポリエステルの公定水分率は、0.4%である。あるいは、第1繊維21の綿の公定水分率は8.5%であり、麻の公定水分率は12.0%であり、絹の公定水分率は12.0%であり、レーヨンの公定水分率は11.0%であり、キュプラの公定水分率は11.0%である。
一方、第2繊維22であるナイロンの公定水分率は4.5%であり、ビニロンの公定水分率は5.0%である。また、高吸放湿性ナイロンの吸放湿性は、普通ナイロンの2倍以上である。
このような吸水性の違いにより、第1繊維21の吸水性は第2繊維の吸水性の2.0〜37.5である。
ここで、吸水性は、単位面積もしくは単位体積当たりの吸水量によって定義されることを含む。
(第1繊維の機能)
第1繊維21は、上述のような種類の繊維が使用される。第1繊維21は、手袋用基体2の内側に主に表出する。これは、後述する手袋用基体2の編み方によって実現される。第1繊維21は、第2繊維22と分離した状態で編まれるのではなく、第1繊維21と第2繊維22とが合わされた状態で編まれる。
第1繊維21は、第2繊維22に比較して相対的に吸水性が高い。手袋用基体2が手に装着されると内側に表出している第1繊維21が手の表面に接触する。手袋を使用する使用者は、どうしても手の表面に汗をかいたりして水分を生じさせる。第1繊維21は、高い吸水性でこの手の表面の水分を吸収する。
特に、第1繊維21は、手の表面の水分を吸収して略垂直方向に沿って水分を移動させる。もちろん、交差方向や面方向に沿っても水分を移動させるが、吸水性の高さから、略垂直方向に向けた移動を十分に行える。
この略垂直方向に向けた水分の移動能力に優れていることで、第1繊維21は、接する手の表面全体から即座に水分を吸い上げることができる。このため、主として内側に表出している第1繊維21は、接する手の表面に水分を残しにくい。
第1繊維21は、手の表面から吸い上げた水分をそのまま略垂直方向を主として第2繊維22に移動させる。第2繊維22に水分を移動させることで、第1繊維21は、更に手の表面の水分を吸収しやすくなる。このように手袋用基体2は、第1繊維21によって手の表面に水分が残りにくい状態を維持できる。
(第2繊維の機能)
第2繊維22は、第1繊維21から移動された水分を、面方向に移動させる。もちろん、面方向だけでなく交差方向や略垂直方向に沿っても移動させるが、主として面方向に移動させる。第2繊維22の吸水性は第1繊維21の吸水性よりも低いので、第2繊維22は、略垂直方向への吸水よりも面方向への拡散性が強くなる。
この相対的な拡散性の強さのために、第2繊維22は、第1繊維21から移動された水分を面方向に移動させて拡散できる。この拡散によって、手袋用基体2がそのまま手袋として使用される場合には、広い面方向を使って水分を外部に放出できる。
特に、第1繊維21は、手の表面から万遍なく水分を略垂直方向に吸い上げるが、手の表面の全てに渡って水分があるわけではない。すなわち、第1繊維21は、部位によっては水分を吸い上げない場所もある。第1繊維21は、手袋用基体2の内側において水分を吸収する場所と吸収できない場所とが遍在する。
このような第1繊維21の吸い上げる水分が、手袋用基体2の場所によって遍在する場合に、第2繊維も第1繊維21と同じ水分移動の機能を有すると、第2繊維は、手袋用基体2全体を活用して水分を移動させて放出できない。
これに対して、実施の形態1の第2繊維22は、面方向を主として水分を移動させるので、移動させる過程で手袋用基体2の全体に水分をいきわたらせる。手袋用基体2の全体を利用できることで、第2繊維22は、第1繊維21による水分の吸い上げ速度に劣ることなく、水分を移動・拡散して外部に放出できる。
また、手袋用基体2の表面に被膜が施される場合でも、第2繊維22は、面方向に沿って水分を移動させるので、手袋用基体2の端部に水分を移動させることができる。手袋用基体2の端部とは、手袋用基体2の手首部分であることが多い。例えば、手袋用基体2の表面に被膜が施される場合でも、第2繊維22は、被膜の切れ目となる手首部分に水分を移動させて外部に放出できる。
あるいは、手首以外の被膜の施されていない部分にも第2繊維22は、水分を移動させることができる。第2繊維22は、水分を、手袋用基体2の外側全体を面方向に移動させることができるので、被膜の施されていない部分に移動できる。
第2繊維22は、この被膜の施されていない部分に水分を移動させて外部に放出できる。
以上のように、第1繊維21の水分移動性は、略垂直方向において面方向より高く、第2繊維22の水分移動性は、面方向において略垂直方向より高い。
(被膜が施されている手袋の場合)
図3は、本発明の実施の形態1における手袋の斜視図である。図3の手袋1は、手袋用基体2の表面に被膜3が施されている。被膜3は、樹脂液などの被膜液が浸漬されてから乾燥されて形成される。図3の手袋1では、被膜3は、掌5、指部6に形成されている。一方で手首部分7には被膜3は形成されていない。被膜3は、防水性、気密性、把持性を上げるために設けられることが多い。このため、手袋1を装着する使用者が、実際に物を握る掌5や指部6においては、被膜3が必要である。
しかしながら、手首部分7には、このような目的に対応する被膜3が不要であることも多い。このため、手首部分7には、被膜3が形成されない手袋1となることも多い。
第2繊維22は、上述の通り、面方向に水分を移動させる。面方向に移動させることで、手袋1を構成する手袋用基体2の内側に表出する第1繊維21が吸い上げて第2繊維22に移動させた水分は、第2繊維22によってこの手首部分7に移動できる。例えば、掌に接する第1繊維21が吸い上げた水分は、第1繊維21から第2繊維22を通じて、手首部分7にまで移動させられる。
図3のように、手袋1においては手首部分7において被膜3が施されていない。すなわち、第2繊維22は、手袋1の表面に露出している。この露出により、第2繊維22は、移動させた水分を手首部分7から外部に放出できる。
このように、被膜3が施されて手袋1として使用される場合でも、手袋用基体2は、被膜3の施されていない部分にまで水分を移動でき、この被膜3の施されていない部分から移動させた水分を放出できる。
図4は、本発明の実施の形態1における手袋の背面図である。図4の手袋1では、手袋用基体2の掌5側に被膜3が形成されているが、手の甲4側には被膜3が形成されていない。同様に手首部分7にも被膜3が形成されていない。例えば、把持力を高めるための被膜3が施される場合には、このように手袋1の背中である手の甲4側には被膜3が施されていない。
この場合にも、第2繊維22は、面方向に沿った水分の移動を行う。移動の過程で被膜3の施されていない手の甲4の手袋用基体2の表面から外部に水分を放出しつつ、手首部分7に到達した水分を手首部分7から外部に放出できる。
以上のように、第2繊維22は、面方向に水分を移動させることで、被膜3が施される手袋1であっても被膜3の施されていない部分や端部から外部に水分を放出できる。この面方向移動による水分の外部への放出に伴い、第1繊維21が吸い上げた水分を、早期に外部に触れる部分から放出できる。結果として、手袋用基体2に被膜3が施される場合でも、手の表面に水分が残りにくい。もちろん、手の表面に接する第1繊維21における水分も第2繊維22によって移動させられて外部に放出されるので、第1繊維21においても水分が残りにくい。
このように、第1繊維21と第2繊維22の異なる構造とメカニズムの組み合わせにより、実施の形態1における手袋用基体2は、表面に被膜3が施される場合でも被膜3の施されていない部分から水分を放出できる。このため、手袋用基体2がそのまま手袋として使用される場合も被膜3が施されて手袋1として使用される場合も、装着時の蒸れ感が軽減できる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。実施の形態2では、手袋用基体2において主として内側に第1繊維21を表出し、主として外側に第2繊維22を表出する構造の実現方法を説明する。
図5は、本発明の実施の形態2におけるプレーティング編みを説明する模式図である。実施の形態1において説明した手袋用基体2は、プレーティング編みによって、第1繊維21を内側に第2繊維22を外側に主に表出させることができる。
プレーティング編みは、添え糸編みとも言われ、主糸と添糸とを同時に編み針に供給して編成する編み方である。この編み方により主糸は編まれる手袋用基体2の外側に表出し、添糸は編まれる手袋用基体2の内側に表出する。このような表出により、主糸と添糸とを同時に編み針に通すプレーティング編みによって、一方の繊維である主糸が、主に手袋用基体2の内側に表出するようになる。他方の繊維である添糸が、主に手袋用基体2の外側に表出するようになる。
すなわち、主糸を第2繊維22とし、添糸を第1繊維21としてプレーティング編みで手袋用基体2が編まれれば、第1繊維21が内側に主として表出し、第2繊維22が外側に主として表出するようになる。
図5の繊維200は、第1繊維21と第2繊維22とを含んでいる。第1繊維21と第2繊維22とが分離した状態でもよいが、第1繊維21と第2繊維22とが組み合わされて繊維200となった状態でもよい。
図5のように繊維200がU字状に構成して、このU字状部分を繊維200の別の場所に通す。このU字状部分を別の場所に通す作業を続けることで、第1繊維21は、内側23に表出し、第2繊維22は、外側24に表出するようになる。このプレーティング編みが続けられて手袋用基体2が形成される。
このようにして形成された手袋用基体2では、第1繊維21が主に内側に表出し、第2繊維22が主に外側に表出するようになる。
(被膜の形成)
被膜3は、被膜3を形成する樹脂液などに、手袋用基体2が浸漬されることで形成される。樹脂液が容器に収容されており、この樹脂液に手袋用基体2の表面が浸漬されて、樹脂液が手袋用基体2に浸透する。その後、樹脂液を乾燥させることで、手袋容基体2に、被膜3が形成される。樹脂液に浸漬させる場所を適宜変えることにより、手袋用基体2の表面の様々な場所に被膜3を形成できる。
ここで、被膜3が形成される際には、被膜用の樹脂液に浸漬される前に、凝固液に浸漬されていることも好適である。手袋用基体2の内面に被膜3が到達しにくくなるからである。また、凝固液が浸漬されていることで、被膜3を形成する際に、被膜3用の樹脂液の乾燥が早くなり、被膜3の形成時間が短縮される。この時間短縮によって、被膜3が、きれいに形成される。加えて、時間短縮により、樹脂液が早期に乾燥するので、樹脂液が手袋用基体2の内面に浸透しにくくなる。この点でも、凝固液によって、手袋用基体2の内面に被膜3を形成する樹脂液が浸透しにくくなる。
(手袋の蒸れ感軽減の実験結果)
次に、本発明の実施の形態1、2で説明した手袋用基体を用いた手袋での蒸れ感軽減の実験結果を説明する。実験では、本発明の実施の形態1,2で説明した内側に主として表出する第1繊維と、外側に主として表出する第2繊維とを用いて製造された手袋用基体の表面に被膜を施した手袋を製造して、実験した。
蒸れ感の軽減には、実施の形態1,2で説明したように、手袋用基体の内側は吸水性(吸湿性)に優れ、外側は放出性(放湿性)に優れていることが必要である。発明者は、実際に第1繊維と第2繊維で手袋を製造した上で被膜も施し、この状態の手袋の吸湿性と放湿性とを、実施例と比較例とで比較した。既述しているように、吸湿性が高いことに加えて放湿性が高いことが、手袋全体で確認できれば、蒸れ感の軽減に必要な優位性が確認できる。発明者は、表1の通りの実施例に対応する手袋と比較例に対応する手袋とを製造し、それぞれを、所定の湿度と温度を有する恒温恒湿室に設置した状態で、手袋の吸湿性と放湿性とを比較した。
表1における実施例、比較例は次の通りである。
(実施例1)
実施例1の手袋は、第1繊維に高吸放湿性ナイロンを用い、第2繊維に通常ナイロン1本を用いて製造された手袋用基体を用いている。更に、ポリウレタン(PU)の被膜を施した(指先には、更にニトリルゴム(NBR)の被膜を施している)手袋が、実施例1である。実施例1〜比較例4のそれぞれは、手袋用基体の表面に被膜を施すことで、より蒸れ感軽減の難しい状態での実験としている。このような蒸れ感軽減の難しい状態でも、実施例が比較例より優れていれば、実施の形態1,2で説明した手袋用基体が、蒸れ感軽減に優れていることが実証できる。
(実施例2)
実施例2の手袋は、第1繊維に高吸放湿性ナイロンを用い、第2繊維に通常ナイロン2本を用いて製造された手袋用基体を用いている。更に、ポリウレタン(PU)の被膜が施されている(指先には、更にニトリルゴム(NBR)の被膜を施している)。
(比較例1)
比較例1の手袋は、すべての繊維が通常ナイロン2本である手袋用基体を用いている。更に、ポリウレタンの被膜が施されている(指先には、更にニトリルゴム(NBR)の被膜を施している)。
実験手順としては次の通りである。なお、各用語を次の通り定義する。
絶乾状態:対象の手袋を、温度85℃のオーブンで1時間乾燥させた状態
吸湿状態:対象の手袋を、温度40℃、湿度90%の恒温恒湿槽内部に、1時間放置した状態
放湿状態:対象の手袋を、温度20℃、湿度65%の恒温恒湿槽内部に、1時間放置した状態
(吸湿量・吸湿率の測定)
絶乾状態の実施例1〜比較例1の手袋を吸湿状態の恒温恒湿槽内部に1時間置く。その後、対象の手袋の吸湿量および吸湿率を測定する。吸湿量と吸湿率は、次の通りの算出式で算出される。
吸湿量(g) = 吸湿状態の手袋重量(g) − 絶乾状態の手袋重量(g)
吸湿率(%) = (吸湿状態の手袋重量(g) − 絶乾状態の手袋重量(g))/絶乾状態の手袋の重量(g)×100
(放湿量、放湿率の測定)
吸湿状態の実施例1〜比較例1の手袋を、放湿状態の恒温恒湿槽内部に1時間置く。その後、対象の手袋の放湿量および放湿率を測定する。放湿量と放湿率は、次の通りの算出式で算出される。
放湿量(g) = 吸湿状態の手袋重量(g) − 放湿状態の手袋重量(g)
放湿率(%) = (吸湿状態の手袋重量(g) − 放湿状態の手袋重量(g))/絶乾状態の手袋の重量(g))×100
以上の実験手順で測定された実施例1〜比較例1の吸湿量、吸湿率、放湿量、放湿率のそれぞれは、表1に示される通りである。以下に、それぞれを説明する。
(吸湿量)
実施例1の吸湿量は、0.50g/Hrである。実施例2の吸湿量は、0.72g/Hrである。これに対して、比較例1の吸湿量は、0.45g/Hrである。
すなわち、実施例1、2の吸湿量は、比較例1に対して高い。湿度を有する恒温恒湿室に入れているだけの場合でも、実施例1、2の手袋はその吸湿量が相対的に高い。この結果、実施例1、2の手袋は、手に装着した場合に手の表面の汗や水分を短時間で吸収できる。
(放湿量)
実施例1の放湿量は、0.04g/Hrであり、実施例2の放湿量は、0.10g/Hrである。比較例1の放湿量は、−0.03g/Hrである。
実施例1,2の放湿量は、比較例1に対して高い。すなわち、実施例1、2の手袋は、手に装着した場合に吸収した手の汗や水分を、効率的に外部に放出できる。
これらは、吸湿率と放湿率にも表れている。実施例1、2の手袋は、吸湿率も放湿率のいずれも、比較例1よりも高い。
吸湿量(吸湿率)および放湿量(放湿率)が高いことは、手に装着した場合に、手の表面の汗や水分を短時間で効率的に吸収すると共に、吸収した水分を早期かつ効率的に外部に放出できることを示している。これらの特性によって、手袋を装着する場合においても、手が感じる蒸れ感を軽減できる。
以上のように、表1に示される実験結果からも、本発明の手袋用基体および手袋は、装着される場合の蒸れ感を軽減できることが確認された。
(実施の形態3)
次に実施の形態3について説明する。実施の形態3では、第1繊維と第2繊維からなる交撚糸を用いて基体を製造することで、実施の形態1、2で説明した手袋用基体を実現することを説明する。
図6は、本発明の実施の形態3における交撚糸の模式図である。交撚糸200は、第1繊維21と第2繊維22とが、撚り合わされて一本とされた糸である。すなわち、基体2を製造する際に、この交撚糸200が用いられることで、一本の糸で織られる際に、第1繊維21と第2繊維22とを両方使用することになる。
このような交撚糸200が使用されて基体2が製造されると、交撚糸200が含む一方の繊維が基体2の内側に、他方の繊維が基体2の外側に表出するようになる。交撚糸200は、第1繊維21と第2繊維22とを有しているので、第1繊維21は、基体2の内側に表出し、第2繊維22は、基体2の外側に表出する。
このように、交撚糸200を用いると、一本の糸での製造で、第1繊維21と第2繊維22とからなる基体2が製造される。更には、第1繊維21が内側に表出し、第2繊維22が外側に表出するようになる。交撚糸200を用いることで、実施の形態1、2で説明した基体2が製造できる。
例えば、第1繊維21として、綿、麻、絹、羊毛、レーヨン、キュプラおよび高吸放湿性ナイロンのいずれかが使用される。第2繊維22として、普通ナイロン、ポリエステル、ビニロン、ビニリデン、ポリプロピレンおよびポリエチレンのいずれかが使用される。このいずれかの繊維である第1繊維21と第2繊維22とが撚りあわされた交撚糸200が使用されれば、内側は、手の表面の水分を吸収すると共に第2繊維22に移動させ、外側は、第1繊維21から移動した水分を主に面方向に移動させる基体2を実現できる。
また、交撚糸200を形成する第1繊維21と第2繊維22のそれぞれの色味を変えることで、第1繊維21と第2繊維22のそれぞれの、内側と外側への主な表出を確認しやすくなる。もちろん、まだら模様などのデザインにとってもメリットがある。
以上、実施の形態1〜3で説明された手袋は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 手袋
2 基体
21 第1繊維
22 第2繊維
3 被膜
4 手の甲
5 掌
6 指部
7 手首部分
10 手
200 交撚糸

Claims (13)

  1. 手の形状を有する繊維製の手袋用基体であって、
    前記手袋用基体の主に内側に表出する第1繊維の吸水性が、前記手袋用基体の主に外側に表出する第2繊維の吸水性よりも高く、
    前記第1繊維は、前記内側において手の表面の水分を吸収すると共に前記第2繊維に移動させ、
    前記第2繊維は、前記第1繊維から移動した水分を、主として面方向に移動させ
    前記第1繊維と前記第2繊維からなる交撚糸が使用されることにより、前記第1繊維は前記内側に表出し、前記第2繊維は前記外側に表出する、手袋用基体。
  2. 前記第1繊維の吸水性は、前記第2繊維の吸水性に対して、2.0〜37.5である、請求項1記載の手袋用基体。
  3. 前記吸水性は、単位面積もしくは単位体積当たりの吸水量を含む、請求項1または2記載の手袋用基体。
  4. 前記第1繊維は、前記内側において、手の表面から吸収した水分を主として略垂直方向に移動させて前記第2繊維に移動させる、請求項1から3のいずれか記載の手袋用基体。
  5. 前記第2繊維は、前記外側において、前記第1繊維から移動した水分を、前記手袋用基体の端部に移動させる、請求項1から4のいずれか記載の手袋用基体。
  6. 前記端部は、前記手袋用基体の手首部分の端部である、請求項5記載の手袋用基体。
  7. 前記手袋用基体の表面の少なくとも一部に被膜が施される場合には、前記第2繊維は、前記第1繊維から移動された水分を、前記被膜の施されていない部分に移動させて外気に放出できる、請求項1から6のいずれか記載の手袋用基体。
  8. 前記第1繊維の水分移動性は、略垂直方向において面方向より高く、
    前記第2繊維の水分移動性は、面方向において略垂直方向より高い、請求項1から7のいずれか記載の手袋用基体。
  9. 前記第1繊維は、綿、麻、絹、羊毛、レーヨン、キュプラおよび高吸放湿性ナイロンの少なくとも一つを含む、請求項1から8のいずれか記載の手袋用基体。
  10. 前記第2繊維は、普通ナイロン、ポリエステル、ビニロン、ビニリデン、ポリプロピレンおよびポリエチレンの少なくとも一つを含む、請求項1から9のいずれか記載の手袋用基体。
  11. 前記高吸放湿性ナイロンの吸放湿性は、前記普通ナイロンの2倍以上である、請求項10記載の手袋用基体。
  12. プレーティング編みにより、前記第1繊維は前記内側に表出し、前記第2繊維は前記外側に表出する、請求項1から11のいずれか記載の手袋用基体。
  13. 請求項1から12のいずれか記載の手袋用基体を用いた手袋。
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