JP6144001B2 - 銀及び銀合金の表面処理剤、光反射膜付き基板並びに発光装置 - Google Patents

銀及び銀合金の表面処理剤、光反射膜付き基板並びに発光装置 Download PDF

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本発明は、銀及び銀合金の表面処理剤に関し、より詳細には電子部品及び発光装置等に使用される銀及び銀合金の変色を防止するための表面処理剤に関する。また、本発明は、銀或いは銀合金からなる光反射膜を備える光反射膜付き基板並びに発光装置に関する。
近年、蛍光灯又は白熱電球に替わる光源として発光ダイオード(LED)の需要が急速に増加している。発光ダイオードを備える発光装置は、照明機器、自動車用ライト等の用途に用いられている。このような発光装置では、銀或いは銀合金からなる光反射膜を設けることにより光の取り出し効率の向上が図られている。
しかし、銀及び銀合金は化学的に非常に不安定であるため、空気中の酸素、水分、硫化水素、亜硫酸ガス等と反応すると、酸化銀や硫化銀を生成して表面が褐色若しくは黒色に変色する。このような変色は光反射率の低下につながり、発光装置の発光強度を低下させてしまう。
銀及び銀合金の変色を防止する方法として、例えば、下記特許文献1には、カルボン酸のジルコニウム錯体及びシリコンアクリル樹脂成分を含有する銀被覆塗料用組成物が提案されている。また、下記特許文献2には、特定のイミダゾール化合物を含有する銀及び銀合金の表面処理剤が提案されている。更に、下記特許文献3には、特定のオルガノポリシロキサンを含有する光半導体素子封止用樹脂によってLEDパッケージ基板表面に設けられた銀メッキの硫化が抑制できることが開示されている。
特開平10−158572号広報 特開2004−238658号公報 特開2010−248413号公報
特許文献1及び2に記載の処理剤は、紫外線に対する耐性が低く、長期間の紫外線暴露によって変色するという欠点を有している。照明機器及び自動車用途で使用される発光ダイオードは近紫外光を発するため、発光ダイオードを備える発光装置の光反射膜に上記処理剤を適用しても発光強度を長期にわたって十分維持させることは困難である。
一方、特許文献3に記載の封止用樹脂は、展性が不十分であることに加えて、発光ダイオード用封止材として使用した場合、駆動時の発熱に起因して発生する応力によって接着面から剥離することがある。このような剥離は、ガス遮蔽性の低下を招き、銀及び銀合金の変色を十分に抑制することができなくなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、銀及び銀合金の表面に優れた耐変色性を付与することができる銀及び銀合金の表面処理剤、耐変色性に優れた光反射膜付き基板、並びに、発光強度が低下しにくい発光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、銀が蒸着された基板上に、スメクタイト及び水溶性高分子を含有するA液を塗布し、更に膜形成性を有する無機材料として無機系ゾルを含有するB液を塗布することにより、基板の硫化水素耐性及び耐水性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、スメクタイト及び水溶性高分子を含有するA液と、膜形成性を有する無機材料を含有するB液との2液からなる銀及び銀合金の表面処理剤を提供する。
本発明の銀及び銀合金の表面処理剤によれば、銀又は銀合金の表面に優れた耐変色性を付与することができる。
本発明の表面処理剤によって上記の効果が得られる理由を本発明者らは以下のとおり考えている。すなわち、スメクタイト及び水溶性高分子を併用することにより、板状のスメクタイト粒子を銀及び銀合金上に十分な接着力で積層することができ、こうして形成された膜によって例えば銀及び銀合金の変色要因である大気中の硫化水素ガスを十分に遮蔽することができたと本発明者らは考えている。なお、接着力が向上する理由については、スメクタイト粒子と銀或いは銀合金との界面における応力が水溶性高分子によって緩和されることが考えられる。
また、本発明の表面処理剤によれば、上記B液によってA液から形成される膜上に酸化物膜を形成することができ、耐水性などの特性を更に付与することが可能となり、変色を更に高水準で抑制することができる。
銀及び銀合金の変色抑制の観点から、スメクタイトと水溶性高分子との固体質量比が95/5〜50/50であることが好ましい。
また、硫化水素ガスの遮蔽性の点で、上記スメクタイトが、スチーブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、モンモリロナイト及びバイデライトのうちのいずれか1種類以上であることが好ましい。
更に、銀及び銀合金本来の光沢を維持させる観点から、上記スメクタイトが合成スメクタイトであることが好ましい。
また、スメクタイトとの親和性、及び、銀或いは銀合金との界面における応力緩和の点で、上記水溶性高分子が、カルボキシメチルセルロース塩、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンのうちのいずれか1種類以上であることが好ましい。
上記B液は、膜形成性を有する無機材料として、ケイ素アルコキシド、アルミニウムアルコキシド、アルカリ金属ケイ酸塩、SiOゾル及びAlゾル、のうちの1種以上を含有することが好ましい。この場合、A液から形成される膜の上にSiO膜などの酸化物膜を形成することができ、耐水性を更に向上させることが可能となる。
本発明はまた、基板と、該基板上に設けられた銀又は銀合金からなる光反射膜と、を備え、少なくとも光反射膜の表面に本発明の表面処理剤から形成された膜が設けられている光反射膜付き基板を提供する。
本発明の光反射膜付き基板は、銀又は銀合金からなる光反射膜上に本発明の表面処理剤から形成された膜が形成されていることにより耐変色性に優れた光反射膜を有することができる。上記膜が、光反射膜上にA液及びB液をこの順に塗布して設けられたものであると、耐水性にも優れた膜となり、更に高水準の耐変色性を有する光反射膜を得ることができる。
本発明はまた、発光ダイオードと、本発明の光反射膜付き基板とを備える発光装置を提供する。本発明の発光装置によれば、耐変色性に優れた光反射膜を有するので、発光ダイオードから得られる発光強度を長期にわたって十分維持することが可能となる。
本発明によれば、銀及び銀合金の表面に優れた耐変色性を付与することができる銀及び銀合金の表面処理剤、耐変色性に優れた光反射膜付き基板、並びに、発光強度が低下しにくい発光装置を提供することができる。
本発明によれば、例えば電子部品、発光ダイオードを備える照明機器等に使用される銀及び銀合金の変色や腐食を十分に防止することができる。本発明によれば、特に銀蒸着面に優れた耐変色性を与えることのできる表面処理剤を提供することが可能となる。また、本発明によれば、銀又は銀合金からなり、耐変色性に優れた光反射膜を有する基板を提供することができ、発光ダイオードの光取り出し効率の向上と長期安定化を図ることができる。
本発明に係る光反射膜付き基板の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係る発光装置の一実施形態を示す模式断面図である。
本発明の銀及び銀合金の表面処理剤は、スメクタイト及び水溶性高分子を必須成分として含有するA液と、膜形成性を有する無機材料を必須成分として含有するB液との2液からなる。
銀合金としては、例えば、銀−ビスマス合金、銀−ネオジウム合金、銀−銅合金、銀−マグネシウム合金、銀−亜鉛合金、銀−スズ合金、銀−インジウム合金、銀−チタン合金、銀−ジルコニウム合金、銀−金合金、銀−パラジウム合金、銀−白金合金が挙げられる。
本発明の表面処理剤は、例えば、水及びアルコールなどの溶媒を含むA液を、銀又は銀合金上に塗布した後、溶媒を除去して膜を形成し、この膜の上に水及びアルコールなどの溶媒を含むB液を塗布した後、溶媒を除去して膜を形成することにより、銀又は銀合金上に優れた耐変色性を付与することができ、特に銀蒸着面へ優れた耐変色性を与えることができる。このような効果は、スメクタイトと水溶性高分子とを併用することにより、板状のスメクタイト粒子を銀及び銀合金上に十分な接着力で積層することができ、こうして形成された膜によって例えば銀及び銀合金の変色要因である大気中の硫化水素ガスを十分に遮蔽することができたためと本発明者らは考えている。なお、接着力が向上する理由については、スメクタイト粒子と銀或いは銀合金との界面における応力が水溶性高分子によって緩和されることが考えられる。更に、膜形成性を有する無機材料を含有するB液によって酸化膜が形成され、耐水性などの特性が更に付与されることで、水分による変色が抑制されることも、耐変色性の向上に寄与しているものと考えられる。
A液に含有されるスメクタイトとしては、厚さ0.9〜1.5nm、直径方向長さ10〜400nmの板状形状を有する粒子であり、水及びアルコールなどの溶媒との混合によって膨潤して溶媒に分散する性質を有するものが用いられる。
スメクタイトとしては、スチーブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、モンモリロナイト、及びバイデライトのうちのいずれか1種類以上を好適に用いることができる。これらのスメクタイトは、厚さ0.9〜1.5nm、直径方向長さ10〜400nmの扁平な板状形状を有するスメクタイト粒子であり、銀或いは銀合金上に積層されることによって、例えば硫化水素などのガス遮蔽性を発現することができる。
ガス遮蔽性並びに銀及び銀合金本来の光沢を維持する観点から、スメクタイト粒子の直径方向長さは、10〜400nmであることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましく、10〜100nmであることがさらに好ましい。
なお、スメクタイト粒子の直径方向長さは、例えば透過型電子顕微鏡などを用いることによって測定することができる。なお、スメクタイト粒子形状が円形でない場合、例えば楕円形などの場合、最も長い径を直径方向長さとして算出する。
A液に含有されるスメクタイトは、銀及び銀合金本来の光沢を維持する観点から、合成品であることが好ましい。
合成品以外のスメクタイト、例えば土壌から産出される天然スメクタイトを使用した場合、精製後も成分中に鉄イオンなどの不純物が含有されるため、スメクタイトが褐色に着色する場合がある。その結果、銀及び銀合金にコーティングした際に表面が着色し、銀及び銀合金本来の光沢が低下する傾向にある。
なお、スメクタイトの合成方法としては、例えば水熱合成法を好適に用いることができる。
A液に含有される水溶性高分子としては、スメクタイトと同様に、水及びアルコールなどの溶媒との混合によって膨潤して溶媒に分散する性質を有するものが用いられる。
水溶性高分子としては、カルボキシメチルセルロース塩、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドンのうちのいずれか1種類以上を好適に用いることができる。
カルボキシメチルセルロース塩としては、例えば、カルボキシメチルセルロースアンモニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。ポリアクリル酸塩としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウムが挙げられる。
水溶性高分子の分子量は、重量平均分子量が10000〜100000が好ましく、15000〜80000がより好ましく、30000〜60000がさらに好ましい。
A液におけるスメクタイトと水溶性高分子との固体質量比は、95/5〜50/50であることが好ましい。
上記固体質量比が95/5よりも大きくスメクタイト含有量が多くなりすぎると、水溶性高分子による接着性向上作用が得られにくくなるためスメクタイト粒子の銀及び銀合金上への密着性が低下し、接着界面からの硫化水素等のガス透過量が増大して、銀及び銀合金の変色抑制効果が得られにくくなる。一方、上記固体質量比が50/50よりも小さく水溶性高分子含有量が多くなりすぎると、ガス遮蔽性を有するスメクタイト粒子含有量が少なくなるため、硫化水素等のガス透過量が増大し、銀及び銀合金の変色抑制効果が得られにくくなる。
銀及び銀合金への接着性及び硫化水素などのガス遮蔽性を向上させて、銀及び銀合金の変色抑制効果をより確実に得る観点から、上記固体質量比は90/10〜50/50であることがより好ましく、80/20〜50/50であることがさらに好ましい。
A液に使用される溶媒としては、水が好適に用いられる。水以外の溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどの極性溶媒を用いることも可能である。
A液におけるスメクタイトと水溶性高分子との合計含有量は、固体成分の濃度で0.005〜2質量%であることが好ましく、0.01〜1.5質量%であることがより好ましく、0.05〜1質量%であることがさらに好ましい。この場合、例えば銀及び銀合金の変色要因である硫化水素ガスの遮蔽性に優れた膜を、銀及び銀合金表面上に容易に形成することができる。
A液には本発明の効果が損なわれない範囲で各種添加剤を加えることができる。
B液に含有される膜形成性を有する無機材料としては、無機塩又は無機系ゾルを用いることができ、例えば、アルコキシド、硝酸塩、硫酸塩、水ガラス等、水もしくはアルコール等の溶媒に溶解可能な化合物を用いることができる。このようなB液によれば、A液に含有される固体成分からなる膜上に塗布した後、溶媒を除去することによって、A液に含有される固体成分からなる膜の耐水性を向上させることができる。この耐水性の向上効果が得られる理由としては、本発明の表面処理剤のB液に含有される膜形成性を有する無機材料(例えば、無機塩、無機系ゾル)が、A液に含有される固体成分からなる膜上に酸化物膜を形成することによって、A液に含有される固体成分の水への膨潤が抑制されるためと考えられる。
B液に含有される膜形成性を有する無機材料としては、例えば、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケートなどのケイ素アルコキシド、アルミニウムイソプロポキシドなどのアルミニウムアルコキシド等、主としてアルコールに溶解可能なアルコキシド類、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等、主として水に溶解可能なアルカリ金属ケイ酸塩、コロイダルシリカなどのSiOゾル、アルミナゾル(Alゾル)、及びこれらの分散液が挙げられる。
B液が上述したケイ素化合物を含有する場合、A液に含有される固体成分からなる膜上に酸化膜(SiO膜)を形成することができ、膜の耐水性がさらに向上することで、銀及び銀合金の耐変色性を更に高めることが可能となる。B液が上述したアルミニウム化合物を含有する場合、A液に含有される固体成分からなる膜上に酸化膜(Al膜)を形成することができ、膜の耐水性がさらに向上することで、銀及び銀合金の耐変色性を更に高めることが可能となる。
膜形成性維持の観点から、B液は、上記無機材料として、SiOもしくはAlを含有することが好ましい。
B液に使用される溶媒としては、水もしくはアルコールが好適に用いられる。また、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミドなどの極性溶媒を用いることも可能である。
B液における上記無機材料の含有量については特に限定されるものではなく、例えば、0.5〜60質量%とすることができる。具体的には、例えば、SiO濃度が40〜48質量%のテトラエチルオルトシリケートなどを好適に使用することができる。
本発明の表面処理剤によれば、銀又は銀合金表面上に、本発明の表面処理剤に含有される固体成分からなる耐水性及び耐ガス性を有する膜を形成でき、銀又は銀合金の表面の変色を抑制することができる。
本発明の表面処理剤による銀又は銀合金の処理方法としては、耐水性を向上させて更に高水準の耐変色性を得る観点から、A液を塗布した後B液を塗布することが好ましい。この場合、まず、銀又は銀合金上に、本発明の表面処理剤のA液を塗布した後、溶媒を除去することによって、銀及び銀合金上にスメクタイト及び水溶性高分子を含有する膜が形成される。次に、この膜上に、本発明の表面処理剤のB液を塗布した後、溶媒を除去することによって、酸化物膜が形成される。
なお、本発明においては、A液とB液を混合してから塗布してもよい。
本発明の表面処理剤のA液及びB液を塗布する方法としては、例えばバーコート、ディップコート、スピンコート、スプレーコート、ポッティングなどの方法を好適に用いることができる。
本発明の表面処理剤の塗膜から溶媒を除去する方法としては、室温以上の温度での乾燥が挙げられ、硫化水素ガスの遮蔽性維持の点から20〜80℃で加熱することが好ましい。
本発明の表面処理剤によれば、銀又は銀合金の表面上に本発明の表面処理剤に含有される固体成分からなる膜を形成することで、耐変色性を有する銀又は銀合金を提供することができる。
好適な実施形態としては、例えば、基板と、該基板上に設けられた銀又は銀合金からなる光反射膜と、を備え、少なくとも光反射膜の表面に本発明の表面処理剤から形成された膜が設けられている光反射膜付き基板が挙げられる。図1は、本発明に係る光反射膜付き基板の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示される光反射膜付き基板10は、基板1と、該基板1上に設けられた銀又は銀合金からなる光反射膜2とから構成されている。基板1の材質としては、セラミック、樹脂、或いは金属が挙げられる。光反射膜2上には、本発明に係る表面処理剤から形成された膜が設けられている。
本実施形態の光反射膜付き基板は、LEDパッケージ基板として好適である。
本発明の発光装置としては、発光ダイオードと、上記の光反射膜付き基板とを備える発光装置が挙げられる。図2は、本発明に係る発光装置の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示される発光装置20は、基板1と、基板1上に設けられた反射板5と、これら基板1及び反射板5上に設けられた光反射膜2と、基板1上に設けられ金属製ワイヤ3により電気的に接続されたLEDチップ4とから構成されている。基板1の材質としては、セラミック、樹脂、或いは金属が挙げられる。反射板5の材質としては、セラミック、樹脂、或いは金属が挙げられる。光反射膜2上には、本発明に係る表面処理剤から形成された膜が設けられている。
本発明の表面処理剤を適用できる電子部品としては、例えば、銀又は銀合金を反射防止膜として備えるプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイなどが挙げられる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<スチーブンサイトの合成>
(合成例1)
コロイダルシリカ(Ludox TM 50、SigmaAldrich社製)60gと蒸留水120mlとを混合した分散液に硝酸20mlを添加した。これに硝酸マグネシウム(一級試薬)91gと蒸留水128mlとを混合した溶液を入れて攪拌しながら、アンモニア水(28%水溶液)をゆっくりと滴下した。pH10になったところで滴下を止め、室温で一晩熟成させ、均一複合沈殿を得た。その後、蒸留水の添加、振盪、固液分離の過程による水洗浄をアンモニア臭がなくなるまで繰り返した。充分に洗浄を行った均一複合沈殿の分散液に、10質量%の水酸化リチウム水溶液を25.4ml添加し、よく混合し、出発原料スラリーを得た。出発原料スラリーをオートクレーブに仕込み、200℃で48時間水熱反応させた。冷却後、オートクレーブ内の反応生成物を取り出し、60℃で乾燥した後、粉砕し、スチーブンサイトに分類されるスメクタイトを得た。
<表面処理剤の作製>
(実施例1)
容器内に、スメクタイトとして合成例1で得られたスチーブンサイト0.9g、及び、水溶性高分子としてカルボキシメチルセルロースアンモニウム(ダイセル化学工業社製、DN−800H)0.1gを入れ、蒸留水を添加して全質量100gとした後、自転・公転ミキサー(シンキー社製、ARE−310)を用いて2000rpm、10分混合、2200rpm10分脱泡を行った。こうして、スメクタイト/水溶性高分子の固体質量比90/10、濃度1質量%のA液を得た。
一方で、SiO濃度が40質量%のエチルシリケート(コルコート株式会社、エチルシリケート40)をB液として用意した。
(実施例2)
A液のスメクタイト/水溶性高分子の固体質量比を80/20とした以外は実施例1と同様にして表面処理剤を作製した。
(実施例3)
A液のスメクタイト/水溶性高分子の固体質量比を60/40とした以外は実施例1と同様にして表面処理剤を作製した。
(実施例4)
A液の濃度を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして表面処理剤を作製した。
(実施例5)
A液の濃度を0.2質量%とした以外は実施例1と同様にして表面処理剤を作製した。
(実施例6)
A液の濃度を0.1質量%とした以外は実施例1と同様にして表面処理剤を作製した。
(実施例7)
A液の水溶性高分子としてポリアクリル酸アンモニウム(東亞合成株式会社、A−6114)を使用した以外は実施例4と同様にして表面処理剤を作製した。
(実施例8)
A液の濃度を0.2質量%とした以外は実施例7と同様にして表面処理剤を作製した。
(実施例9)
A液の濃度を0.1質量%とした以外は実施例7と同様にして表面処理剤を作製した。
(実施例10)
A液のスメクタイトとしてサポナイト(クニミネ工業株式会社、スメクトンSA)を使用した以外は実施例4と同様にして表面処理剤を作製した。
<銀基板の表面処理>
上記で作製した表面処理剤のA液を、ソーダガラス製のスライドガラスに厚さ100nmの銀が蒸着された銀基板上に、wet厚12μmのバーコーターを用いて塗布した後、22℃で12時間静置して溶媒を除去した。次に、A液から形成された膜上に、B液をwet厚12μmのバーコーターを用いて塗布した後、22℃で6時間静置して溶媒を除去し、銀蒸着面が表面処理された表面処理済み銀基板をそれぞれ得た。
<発光装置の作製>
銀メッキ基板(LED搭載用の基板)上に、発光波長467.5nm〜470nm、容量3.7μLの発光ダイオードチップを金ワイヤで接続し、発光装置を作製した。その後、発光装置の銀メッキ上に、上記で作製した表面処理剤のA液をポッティング法、すなわちスポイトで0.2mL滴下し、22℃で12時間静置して溶媒を除去した。次に、A液から形成された膜上に、B液をwet厚12μmのバーコーターを用いて塗布した後、22℃で6時間静置して溶媒を除去した。こうして、銀メッキ上に表面処理が施された発光装置をそれぞれ得た。
[表面処理済み銀基板の硫化水素ガス耐性評価]
表面処理済み銀基板の波長550nmの可視光反射率を、分光光度計(日本分光、V−570)を用いて測定し、これを[硫化水素暴露前反射率]とした。次に、表面処理済み銀基板を、10ppm硫化水素ガス気流、40℃、90%RH中に96時間静置した後、波長550nmの可視光反射率を測定し、これを[硫化水素暴露後反射率]とした。そして、下記式から反射低下率1を求めた。結果を表1に示す。
[反射低下率1]=[硫化水素暴露前反射率]−[硫化水素暴露後反射率]
なお、この反射低下率1が小さいほど硫化水素ガス耐性に優れていると判断することができる。
[表面処理済み銀基板の耐湿性及び硫化水素ガス耐性評価]
表面処理済み銀基板を、85℃、85%RHの高温高湿条件下に96h静置した。次いで、波長550nmの可視光反射率を、分光光度計(日本分光、V−570)を用いて測定し、これを[高温高湿後反射率]とした。その後、表面処理済み銀基板を、10ppm硫化水素ガス気流、40℃、90%RH中に96時間静置した後、波長550nmの可視光反射率を測定し、これを[高温高湿および硫化水素暴露後反射率]とした。そして、下記式から反射低下率2を求めた。結果を表1に示す。
[反射低下率2]=[高温高湿後反射率]−[高温高湿および硫化水素暴露後反射率]
なお、この反射低下率2が小さいほど耐湿性及び硫化水素ガス耐性に優れていると判断することができる。
[表面処理を施した発光装置の硫化水素ガス耐性評価]
表面処理を施した発光装置を順電流20mA、順電圧3.3Vで発光させ、マルチ測光計(大塚電子株式会社、MCPD−3700)を用いて露光時間30ミリ秒で発光強度を測定し、これを[硫化水素暴露前発光強度]とした。次に、表面処理を施した発光装置を、10ppm硫化水素ガス気流、40℃、90%RH中に96時間静置した後、順電流20mA、順電圧3.3Vで発光させ、マルチ測光計を用いて露光時間30ミリ秒で発光強度を測定し、これを[硫化水素暴露後発光強度]とした。そして、下記式から発光強度維持率1を求めた。結果を表2に示す。
[発光強度維持率1]=([硫化水素暴露後発光強度]/[硫化水素暴露前発光強度])×100
なお、この発光強度維持率1が大きいほど硫化水素ガス耐性に優れていると判断することができる。
[表面処理を施した発光装置の耐湿性及び硫化水素ガス耐性評価]
表面処理を施した発光装置を85℃、85%RHの高温高湿条件下に96h静置した。次いで、発光ダイオードを順電流20mA、順電圧3.3Vで発光させ、マルチ測光計(大塚電子株式会社、MCPD−3700)を用いて露光時間30ミリ秒で発光強度を測定し、これを[高温高湿後発光強度]とした。その後、表面処理を施した発光装置を、10ppm硫化水素ガス気流、40℃、90%RH中に96時間静置した後、順電流20mA、順電圧3.3Vで発光させ、マルチ測光計を用いて露光時間30ミリ秒で発光強度を測定し、これを[高温高湿および硫化水素暴露後発光強度]とした。そして、下記式から発光強度維持率2を求めた。結果を表2に示す。
[発光強度維持率2]=([高温高湿および硫化水素暴露後発光強度]/[高温高湿後発光強度])×100
なお、この発光強度維持率2が大きいほど耐湿性及び硫化水素ガス耐性に優れていると判断することができる。
Figure 0006144001

Figure 0006144001

1…基板、2…光反射膜、3…金属製ワイヤ、4…LEDチップ、5…反射板、10…光反射膜付き基板、20…発光装置。

Claims (7)

  1. スメクタイト及び水溶性高分子を含有するA液、並びに、膜形成性を有する無機材料を含有するB液の2液からなり、
    前記B液が、前記無機材料として、ケイ素アルコキシド、アルミニウムアルコキシド、アルカリ金属ケイ酸塩、SiO ゾル及びAl ゾル、のうちの1種以上を含有する、銀及び銀合金の表面処理剤。
  2. 前記スメクタイトと前記水溶性高分子との固体質量比が95/5〜50/50である、請求項1に記載の銀及び銀合金の表面処理剤。
  3. 前記スメクタイトが、スチーブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、モンモリロナイト及びバイデライトのうちのいずれか1種類以上である、請求項1又は2に記載の銀及び銀合金の表面処理剤。
  4. 前記スメクタイトが合成スメクタイトである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の銀及び銀合金の表面処理剤。
  5. 前記水溶性高分子が、カルボキシメチルセルロース塩、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンのうちのいずれか1種類以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の銀及び銀合金の表面処理剤。
  6. 基板と、該基板上に設けられた銀又は銀合金からなる光反射膜と、を備え、
    少なくとも前記光反射膜の表面に設けられた請求項1〜のいずれか一項に記載の表面処理剤の前記A液から形成された膜と、該膜上に設けられた前記B液から形成された膜と、を有する、光反射膜付き基板。
  7. 発光ダイオードと、請求項に記載の光反射膜付き基板と、を備える、発光装置。
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