JP6142770B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両用制御装置に関し、特にアイドルストップ機能を搭載した車両に適用される車両用制御装置に関する。
従来、この種の車両用制御装置として、Dレンジでアイドルストップした後、運転者がNレンジへの切替操作を行い、その後再びDレンジへの切替操作を行って発進する場合に、NレンジからDレンジへの切替操作をエンジンの再始動条件としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、この車両用制御装置において、上記のようなアイドルストップ後、後退発進するために運転者がDレンジからNレンジを経由してRレンジへの切替操作を行う場合には、NレンジからRレンジへの切替操作がエンジンの再始動条件とされている。
他方、Dレンジでアイドルストップ中にブレーキOFFとなったことを条件にエンジンを再始動させることを前提に、アイドルストップ中にブレーキONの状態でDレンジからNレンジに切替操作が行われた場合には、Nレンジへの切替操作をエンジンの再始動条件とした車両用制御装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−30779号公報 特開2012−87730号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の車両用制御装置にあっては、エンジンの再始動に際し、Dレンジ選択時に係合される前進用摩擦係合要素とRレンジ選択時に係合される後進用摩擦係合要素とで電動式オイルポンプの余剰流量が異なる場合がある。この場合、一方のレンジにおいては発進応答性が高いが、他方のレンジにおいては発進応答性が低くなってしまう。
例えば、前進用摩擦係合要素に対する電動式オイルポンプの余剰流量が小さく、後進用摩擦係合要素に対する余剰流量が大きい場合には、Rレンジでは後進用摩擦係合要素の係合圧の立ち上がりが早いのに対して、Dレンジでは前進用摩擦係合要素の係合圧の立ち上がりが遅くなってしまう。このため、Rレンジでは発進応答性が高いが、Dレンジでは発進応答性が低くなってしまう。
また、特許文献2に記載の車両用制御装置では、アイドルストップ中のDレンジからNレンジへの切替操作をエンジンの再始動条件とすることで速やかなエンジン再始動により機械式オイルポンプを早期に作動して発進応答性を高めることができるが、次のような問題が生ずる。
すなわち、上述のように電動式オイルポンプの余剰流量の大きい後進用摩擦係合要素を係合する場合には、機械式オイルポンプの早期作動によって急激に後進用摩擦係合要素の係合圧が高まるため、後進用摩擦係合要素が急係合し、これが原因でショックが生じてしまう。こうした後進用摩擦係合要素の急係合に起因したショックを軽減するために、係合時間を長くすることも可能であるが、この場合には発進応答性が低くなってしまう。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、アイドルストップ復帰時に選択されるシフトレンジに関わらず発進応答性を高めることができるとともに、アイドルストップ復帰時の摩擦係合要素の係合ショックを抑制することができる車両用制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用制御装置は、上記目的達成のため、(1)運転者のシフト操作によって選択されたシフト位置に応じて複数の摩擦係合要素の係合および解放を切り替える油圧回路を有する自動変速機と、前記油圧回路に作動油を供給する機械式オイルポンプおよび電動式オイルポンプとを備えた車両に搭載され、所定の停止条件が成立すると内燃機関を自動停止させるアイドルストップ制御を実行する制御手段を備えた車両用制御装置であって、前記複数の摩擦係合要素は、前記シフト位置として第1の発進位置が選択された際に係合する第1の摩擦係合要素と、前記シフト位置として第2の発進位置が選択された際に係合する第2の摩擦係合要素とを含み、前記油圧回路は、前記内燃機関の自動停止中に前記電動式オイルポンプのみによって前記作動油が供給される場合に、該作動油の供給開始から前記第1の摩擦係合要素が係合可能な高圧側の第1供給油圧に達するまでの第1の立上り時間が、前記作動油の供給開始から前記第2の摩擦係合要素が係合可能な低圧側の第2供給油圧に達するまでの第2の立上り時間より長くなるように構成されており、前記制御手段は、前記内燃機関の自動停止中に前記シフト位置が中立位置にシフト操作され該中立位置にある状態で所定時間が経過した場合には、前記第1の発進位置が選択されると推定して、前記シフト位置が前記中立位置にある状態下で前記内燃機関を再始動させ、前記シフト位置が前記中立位置にある状態で前記所定時間が経過する前に前記シフト操作がされた場合には、該シフト操作により前記第2の発進位置が選択されたことを条件に前記内燃機関を再始動させることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る車両用制御装置は、内燃機関の自動停止中にシフト位置が中立位置にシフト操作された後に所定時間の間、継続して中立位置に維持された場合、第1の発進位置が選択されると推定し、シフト位置が中立位置にあるときに内燃機関を再始動させるようになっている。このため、早期に再始動された内燃機関によって駆動される機械式オイルポンプによって作動油を第1の摩擦係合要素に早期に供給することができる。これにより、第1の発進位置が選択された場合に係合される第1の摩擦係合要素の係合圧の立ち上がりを早めることができる。この結果、内燃機関の自動停止中に中立位置にシフト操作された後に第1の発進位置が選択された際の車両の発進応答性を高めることができる。
一方、本発明に係る車両用制御装置は、内燃機関の自動停止中にシフト位置が中立位置にシフト操作された後、所定時間の経過前にシフト操作がされた場合には、第2の発進位置が選択されたことを条件に内燃機関を再始動させるようになっている。このため、係合圧が低く、該係合圧の立ち上がりを早める必要のない第2の摩擦係合要素に対しては、早期の内燃機関再始動によって機械式オイルポンプから過剰な作動油が供給されることを防止することができる。これにより、機械式オイルポンプの早期作動によって急激に第2の摩擦係合要素の係合圧が高まることが防止され、第2の摩擦係合要素の急係合に起因したショックの発生を防止することができる。
また、本発明に係る車両用制御装置は、上述したようなショックの発生を防止することができるので、例えば第2の摩擦係合要素の係合時間を長くする必要がなく、よって、内燃機関の自動停止中に中立位置にシフト操作された後に第2の発進位置が選択された際の車両の発進応答性を高めることができる。
したがって、本発明に係る車両用制御装置は、アイドルストップ制御からの復帰時に選択されるシフト位置に関わらず発進応答性を高めることができるとともに、アイドルストップ制御からの復帰時の摩擦係合要素の係合ショックを抑制することができる。
本発明によれば、アイドルストップ復帰時に選択されるシフトレンジに関わらず発進応答性を高めることができるとともに、アイドルストップ復帰時の摩擦係合要素の係合ショックを抑制することができる車両用制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る車両用制御装置を備えた車両の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る作動油の油圧と、その流量との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係るECUによって実行されるアイドルストップ制御の流れを示したフローチャートである。 アイドルストップ制御の実行中にDレンジからNレンジに切り替えられた際のタイムチャートである。 アイドルストップ制御の実行中にDレンジからNレンジ、NレンジからRレンジに切り替えられた際のタイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
以下の説明においては、自動変速機を備えた車両に本発明に係る車両用制御装置を適用した例について説明する。本実施の形態では、自動変速機としてベルト式無段変速機(Continuously Variable Transmission:以下、単にCVTという)を用いることとした。
図1に示すように、本実施の形態における車両1は、内燃機関を構成するエンジン2と、自動変速機としてのCVT3と、油圧回路4と、機械式オイルポンプ5と、電動式オイルポンプ6と、制御手段としてのECU10とを含んで構成されている。
CVT3は、図示しないトルクコンバータを介してエンジン2に接続され、エンジン2から出力された回転を所望の変速比で変速して出力するものである。CVT3は、前後進切換装置31と、変速機構32とを備えている。
前後進切換装置31は、タービンシャフト21に一体回転可能に連結されたサンギヤ12と、サンギヤ12と同心上で回転可能に支持されたリングギヤ13と、サンギヤ12およびリングギヤ13に噛み合う複数のプラネタリギヤ14とを備えている。各プラネタリギヤ14は、変速機構32の入力軸32aと連結されるキャリア15に支持されている。
また、前後進切換装置31には、タービンシャフト21とキャリア15との間を断接すべく係合・解放される前進クラッチ16と、リングギヤ13の回転を許可または禁止すべく係合・解放される後進ブレーキ17とが設けられている。
これら前進クラッチ16および後進ブレーキ17は、油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置で構成されている。したがって、前後進切換装置31は、運転者によるシフトレバー7のシフト操作によって選択されたシフト位置としてのシフトレンジに応じて、油圧回路4から作動油が前進クラッチ16または後進ブレーキ17に選択的に供給されることで、これら前進クラッチ16および後進ブレーキ17の係合・解放を切り替えるようになっている。本実施の形態における前進クラッチ16および後進ブレーキ17は、本発明に係る複数の摩擦係合要素を構成する。
本実施の形態では、上記シフトレンジとして、駐車用の「Pレンジ」、後進走行用の「Rレンジ」、エンジン側から車輪側への回転伝達を遮断する中立位置としての「Nレンジ」、および前進走行用の「Dレンジ」ならびに「Bレンジ」が設けられている。以下においては、「Dレンジ」および「Bレンジ」を「前進レンジ」と総称する。本実施の形態におけるDレンジおよびBレンジは、本発明に係る第1の発進位置を構成し、Rレンジは、本発明に係る第2の発進位置を構成する。
シフトレバー7が前進レンジにシフト操作される、すなわち前進レンジが選択されると、前進クラッチ16が係合されるとともに、後進ブレーキ17が解放される。これにより、タービンシャフト21とキャリア15とが直結され、リングギヤ13の回転が許可されて、変速機構32の入力軸32aの正回転方向への回転が許容される。本実施の形態における前進クラッチ16は、本発明に係る第1の摩擦係合要素を構成する。
一方、シフトレバー7がRレンジにシフト操作される、すなわちRレンジが選択されると、前進クラッチ16が解放されるとともに、後進ブレーキ17が係合される。これにより、タービンシャフト21とキャリア15との直結が解除され、リングギヤ13の回転が禁止されて、入力軸32aの逆回転方向への回転が許容される。
他方、シフトレバー7がPレンジまたはNレンジにシフト操作されると、前進クラッチ16および後進ブレーキ17がともに解放される。これにより、キャリア15が回転することはなく、入力軸32aが回転することもなくなる。
変速機構32は、入力軸32aに設けられたプライマリプーリ18と、出力軸32bに設けられたセカンダリプーリ19と、それらプーリ18、19に巻き掛けられたベルト20とを備えている。なお、自動変速機としては、CVT3の他、互いに変速比の異なる複数の変速段を有する多段の自動変速機を用いてもよい。
プライマリプーリ18は、その溝幅を変化させることによってベルト20の巻き掛け半径を変化させ、変速比を連続的に変化させるようになっている。
セカンダリプーリ19は、プーリ18、19に対するベルト20の滑りが生じないように、ベルト20を挟み付けるベルト挟圧力を発生させるようになっている。セカンダリプーリ19は、油圧回路4から供給される油圧の大きさに応じて、可動シーブを出力軸32bの軸線方向に移動させるための推力が調整されることによりベルト挟圧力が調整される。
油圧回路4は、各種バルブ等を備えており、機械式オイルポンプ5、あるいは電動式オイルポンプ6から圧送されてくる作動油を各種バルブの開閉等を通じて油路を切り替えることにより、前進クラッチ16、後進ブレーキ17およびセカンダリプーリ19等の各種油圧アクチュエータに供給するようになっている。各種バルブの開閉等を通じた油路の切り替えは、ECU10からの制御信号によって制御される。
機械式オイルポンプ5は、エンジン2の例えばクランクシャフト等に接続され、エンジン2の回転動力を得て駆動するようになっている。この機械式オイルポンプ5は、エンジン2の駆動中、オイルパン9に貯留された作動油を汲み上げ、これを油圧回路4に圧送するようになっている。
電動式オイルポンプ6は、機械式オイルポンプ5と並列に設けられ、電動機6aによって駆動されるようになっている。この電動式オイルポンプ6は、エンジン2が停止、例えばアイドルストップ制御によって自動停止している場合に、機械式オイルポンプ5に代わってオイルパン9に貯留された作動油を汲み上げ、これを油圧回路4に圧送するようになっている。
ECU10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read OnlyMemory)と、RAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリと、入出力ポートと、を備えたマイクロプロセッサによって構成されている。ECU10は、CPUがRAMを作業領域としてROMに記憶されたプログラムを実行するようになっている。
ECU10には、シフトポジションセンサ41、アクセル開度センサ42、ブレーキセンサ43、車速センサ44等の各種センサ類が接続されている。
シフトポジションセンサ41は、シフトレバー7の操作位置、すなわちシフトレンジを検出するものである。アクセル開度センサ42は、図示しないアクセルペダルの開度を表すアクセル開度を検出するものである。ブレーキセンサ43は、図示しないブレーキペダルの踏み込み量を検出するものである。車速センサ44は、車速を検出するものである。
ECU10は、エンジン2の運転状態を検出する各種センサから入力される検出信号等に基づいて、燃料噴射制御、点火制御および吸入空気量調節制御等のエンジン2の運転制御を行うようになっている。また、ECU10は、シフトポジションセンサ41によって検出されたシフトレンジとエンジン2の運転状態に基づいて、油圧回路4を制御することによって前後進切換装置31や変速機構32を制御するようになっている。
また、ECU10は、所定の停止条件が成立するとエンジン2を自動停止させ、所定の再始動条件が成立するとエンジン2を自動的に再始動させるアイドルストップ制御を実行するようになっている。このアイドルストップ制御は、交差点などの車両走行停止時に燃費の向上、排気ガスの低減、騒音の低減などのために実行されるものである。
例えば、ECU10は、後述する所定の停止条件のいずれもが成立した場合には、スロットルバルブを閉じる制御、インジェクタからの燃料供給を停止する制御などを実行してエンジン2を一時的に自動停止する。
一方、ECU10は、後述する所定の再始動条件のいずれか1つでも成立した場合には、インジェクタからの燃料供給を再開するなどしてエンジン2を再始動する。
ここで、上記所定の停止条件としては、例えばシフトレンジがDレンジであるか、アクセル開度Accが零と判定されるための零判定値(零を含む略零の値を意味する)であるか、ブレーキペダルが踏み込まれているか、車速Vが零と判定されるための零判定値(零を含む略零の値を意味する)であるかなどの条件が含まれる。
また、上記所定の再始動条件としては、例えばシフトレンジがDレンジであるときの車両停止時に、アクセル開度Accが零判定値とされない値となった、すなわちアクセルペダルが踏み込まれた(アクセルON)か、ブレーキペダルの踏み込みが解除された、つまりブレーキOFFとされたかなどの条件が含まれる。したがって、ECU10は、エンジン2の自動停止中にアクセルペダルが踏み込まれたか、あるいはブレーキペダルの踏み込みが解除されることを条件にエンジン2を自動的に再始動させる。
さらに、ECU10は、エンジン2の自動停止中、すなわちアイドルストップ制御の実行中にシフトレンジがDレンジからNレンジにシフト操作された際には、上述の再始動条件とは異なる再始動条件(以下、シフト操作時再始動条件という)の成立によりエンジン2を再始動させるようになっている。
具体的には、ECU10は、まずアイドルストップ制御の実行中にDレンジからNレンジにシフト操作された後に、前進レンジが運転者により選択されるか否かを推定する。ECU10は、上記Nレンジへのシフト操作後、所定時間T1の間、継続してNレンジに維持された場合には、その後、運転者により前進レンジが選択されるものと推定する。
ECU10は、上述のように前進レンジが選択されるものと推定した場合には、シフトレンジがNレンジにあるときにエンジン2を再始動させるようになっている。より詳細には、ECU10は、所定時間T1の経過後にエンジン2を再始動させる。
一方、ECU10は、アイドルストップ制御の実行中にNレンジにシフト操作された後に、上述の所定時間T1の経過前にシフト操作(本実施の形態では、Rレンジへのシフト操作)がなされたか否かを判定する。ECU10は、上記Nレンジへのシフト操作後、所定時間T1の経過前にRレンジが選択されたと判定した場合には、Rレンジにシフト操作された後、所定時間T2の経過後にエンジン2を再始動させるようになっている。
こうしたシフト操作時再始動条件を設けた理由は、次の通りである。
図2は、アイドルストップ制御の実行中の前進クラッチ16および後進ブレーキ17の各係合圧と電動式オイルポンプ6の余剰流量との関係を示したものである。
図2に示すように、前進クラッチ16の係合圧は、後進ブレーキ17の係合圧に比べて高い。すなわち、前進クラッチ16は、係合するために後進ブレーキ17に供給される油圧よりも高い油圧を必要とする。また、電動式オイルポンプ6の供給流量QEOPは、油圧が上昇するに伴い減少する。これは、油圧が上昇する程、電動式オイルポンプ6の負荷が増大するためである。また、CVT漏れ量QLEAKは、油圧が大きい程、大きくなる特性を有する。
このとき、供給流量QEOPからCVT漏れ量QLEAKを差し引いた電動式オイルポンプ6の余剰流量Q(=QEOP−QLEAK)は、実際にクラッチまたはブレーキ等の摩擦係合要素に対して供給される作動油の流量であって、前進クラッチ16を係合するときよりも後進ブレーキ17を係合するときの方が大きい。したがって、Rレンジが選択されたときには、後進ブレーキ17を係合するための十分な余剰流量Qが存在する一方で、前進レンジが選択されたときには、前進クラッチ16を係合するための余剰流量Qが不足してしまう。
このため、アイドルストップ制御の実行中にNレンジにシフト操作された後に前進レンジが選択されたときは、余剰流量Qが小さいため前進クラッチ16を係合するのに必要な作動油を前進クラッチ16に供給するのに比較的長い時間を要する。こうした場合、発進応答性が悪化するという問題がある。
そこで、本実施の形態では、アイドルストップ制御の実行中にNレンジにシフト操作された後に前進レンジが選択されるような場合には、該Nレンジにシフト操作されたときにエンジン2を再始動させて機械式オイルポンプ5によって早期に前進クラッチ16に作動油を供給するようにした。
一方、アイドルストップ制御の実行中にNレンジにシフト操作された後にRレンジが選択されたときには、余剰流量Qが大きいため後進ブレーキ17を係合するのに必要な作動油を早期に供給できる。このとき、上述のようにNレンジにシフト操作されたときにエンジン2を再始動させると、機械式オイルポンプ5の駆動によって後進ブレーキ17に供給される作動油が過剰となってしまう。このため、後進ブレーキ17が急係合してショックが生ずるという問題がある。
そこで、本実施の形態では、アイドルストップ制御の実行中にNレンジにシフト操作された後にRレンジが選択されたときには、Rレンジ選択後、所定時間T2の経過後にエンジン2を再始動させることとした。
次に、図3を参照して、アイドルストップ制御の実行中におけるエンジン再始動制御について説明する。このエンジン再始動制御は、アイドルストップ制御の実行中に予め定められた時間間隔でECU10によって実行される。
図3に示すように、まずECU10は、シフトポジションセンサ41からの検出信号に基づき、アイドルストップ制御の実行中にDレンジからNレンジへのシフト操作がなされたか否かを判定する(ステップS101)。ECU10は、上記シフト操作がなされていないと判定した場合には、再度ステップS101の処理を行う。
一方、ECU10は、上記シフト操作がなされたと判定した場合には、Nレンジ維持で所定時間T1が経過したか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、ECU10は、Nレンジへのシフト操作がなされたことを検出すると、第1のカウンタを作動させ、当該第1のカウンタの値が所定時間T1に達したか否かを判定する。
ECU10は、Nレンジ維持で所定時間T1が経過したと判定した場合には、その後、前進レンジが選択されるものと推定し、エンジン再始動要求を行って本処理を終了する(ステップS103)。これにより、エンジン2が再始動され、車両1がアイドルストップ制御から復帰される。
他方、ECU10は、ステップS102において、Nレンジ維持で所定時間T1が経過していないと判定した場合には、シフトポジションセンサ41からの検出信号に基づき、Rレンジへのシフト操作がなされたか否かを判定する(ステップS104)。ECU10は、Rレンジへのシフト操作がなされていないと判定した場合には、再度ステップS102移行の処理を行う。
一方、ECU10は、Rレンジへのシフト操作がなされたと判定した場合には、運転者によるRレンジ選択後、所定時間T2が経過したか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、ECU10は、Rレンジへのシフト操作がなされたことを検出すると、第1のカウンタをリセットするとともに第2のカウンタを作動させ、当該第2のカウンタの値が所定時間T2に達したか否かを判定する。ECU10は、運転者によるRレンジ選択後、所定時間T2が経過していないと判定した場合には、再度ステップS105の処理を行う。
一方、ECU10は、運転者によるRレンジ選択後、所定時間T2が経過したと判定した場合には、エンジン再始動要求を行って本処理を終了する(ステップS106)。これにより、エンジン2が再始動され、車両1がアイドルストップ制御から復帰される。
次に、図4のタイムチャートを用いて、アイドルストップ制御の実行中にNレンジにシフト操作された後に前進レンジが選択されると推定される場合の作用について説明する。
図4に示すように、アイドルストップ制御の実行中、すなわちアイドルストップ状態中にNレンジが選択されると、第1のカウンタが作動する。その後、第1のカウンタの値が所定時間T1に達したことを条件に、エンジン2が再始動される。ここでは、第1のカウンタの値が所定時間T1に達するまでにシフト操作がなされていないため、Nレンジ選択後に前進レンジが選択されることが推定される。
次いで、上述のエンジン再始動に伴い、エンジン回転数が上昇し、例えばエンジン回転数がアイドル回転数に達すると、通常のエンジン制御が行われ、エンジン回転数がアイドル回転数に維持されることとなる。タービン回転数についても同様である。
次に、図5のタイムチャートを用いて、アイドルストップ制御の実行中にNレンジにシフト操作された後にRレンジが選択された場合の作用について説明する。
図5に示すように、アイドルストップ状態中にNレンジが選択されると、第1のカウンタが作動する。その後、第1のカウンタの値が所定時間T1に達する前に、Rレンジが選択されると、第1のカウンタがリセットされるとともに、第2のカウンタが作動する。
次いで、第2のカウンタの値が所定時間T2に達すると、エンジン2が再始動される。これに伴い、エンジン回転数が上昇し、例えばエンジン回転数がアイドル回転数に達すると、通常のエンジン制御が行われ、エンジン回転数がアイドル回転数に維持されることとなる。
以上のように、本実施の形態に係る車両用制御装置は、エンジン2の自動停止中にシフトレンジがNレンジにシフト操作された後に前進レンジが選択されると推定した場合には、シフトレンジがNレンジにあるときにエンジン2を再始動させるようになっている。このため、早期に再始動されたエンジン2によって駆動される機械式オイルポンプ5によって作動油を前進クラッチ16に早期に供給することができる。これにより、前進レンジが選択された場合に係合される前進クラッチ16の係合圧の立ち上がりを早めることができる。この結果、エンジン2の自動停止中にNレンジにシフト操作された後に前進レンジが選択された際の車両1の発進応答性を高めることができる。
一方、本実施の形態に係る車両用制御装置は、エンジン2の自動停止中にシフトレンジがNレンジにシフト操作された後にRレンジが選択された場合には、Rレンジにシフト操作されたことを条件にエンジン2を再始動させるようになっている。このため、係合圧が低く、該係合圧の立ち上がりを早める必要のない後進ブレーキ17に対しては、早期のエンジン再始動によって機械式オイルポンプ5から過剰な作動油が供給されることを防止することができる。これにより、機械式オイルポンプ5の早期作動によって急激に後進ブレーキ17の係合圧が高まることが防止され、後進ブレーキ17の急係合に起因したショックの発生を防止することができる。
また、本実施の形態に係る車両用制御装置は、上述したようなショックの発生を防止することができるので、例えば後進ブレーキ17の係合時間を長くする必要がなく、よって、エンジン2の自動停止中にNレンジにシフト操作された後にRレンジが選択された際の車両1の発進応答性を高めることができる。
したがって、本実施の形態に係る車両用制御装置は、アイドルストップ制御からの復帰時に選択されるシフトレンジに関わらず発進応答性を高めることができるとともに、アイドルストップ制御からの復帰時の摩擦係合要素の係合ショックを抑制することができる。
さらに、本実施の形態に係る車両用制御装置は、上述のように後進ブレーキ17の急係合が防止されるので、後進ブレーキ17の急係合時のイナーシャトルクに対してベルト挟圧力が不足することによるベルト20の滑りを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、後進ブレーキ17の係合圧に比べて前進クラッチ16の係合圧が高い場合に本発明を適用した例について説明したが、これら係合圧の関係が逆の場合であっても本発明を適用可能である。この場合、後進ブレーキ17を第1の摩擦係合要素とし、前進クラッチ16を第2の摩擦係合要素とする。
以上説明したように、本発明に係る車両用制御装置は、アイドルストップ復帰時に選択されるシフトレンジに関わらず発進応答性を高めることができるとともに、アイドルストップ復帰時の摩擦係合要素の係合ショックを抑制することができ、アイドルストップ機能を搭載した車両に適用される車両用制御装置に有用である。
1…車両、2…エンジン(内燃機関)、3…CVT(自動変速機)、5…機械式オイルポンプ、6…電動式オイルポンプ、10…ECU(制御手段)、16…前進クラッチ(摩擦係合要素,第1の摩擦係合要素)、17…後進ブレーキ(摩擦係合要素,第2の摩擦係合要素)、31…前後進切換装置、32…変速機構、41…シフトポジションセンサ

Claims (1)

  1. 運転者のシフト操作によって選択されたシフト位置に応じて複数の摩擦係合要素の係合および解放を切り替える油圧回路を有する自動変速機と、前記油圧回路に作動油を供給する機械式オイルポンプおよび電動式オイルポンプとを備えた車両に搭載され、所定の停止条件が成立すると内燃機関を自動停止させるアイドルストップ制御を実行する制御手段を備えた車両用制御装置であって、
    前記複数の摩擦係合要素は、前記シフト位置として第1の発進位置が選択された際に係合する第1の摩擦係合要素と、前記シフト位置として第2の発進位置が選択された際に係合する第2の摩擦係合要素とを含み、
    前記油圧回路は、前記内燃機関の自動停止中に前記電動式オイルポンプのみによって前記作動油が供給される場合に、該作動油の供給開始から前記第1の摩擦係合要素が係合可能な高圧側の第1供給油圧に達するまでの第1の立上り時間が、前記作動油の供給開始から前記第2の摩擦係合要素が係合可能な低圧側の第2供給油圧に達するまでの第2の立上り時間より長くなるように構成されており、
    前記制御手段は、前記内燃機関の自動停止中に前記シフト位置が中立位置にシフト操作され該中立位置にある状態で所定時間が経過した場合には、前記第1の発進位置が選択されると推定して、前記シフト位置が前記中立位置にある状態下で前記内燃機関を再始動させ、前記シフト位置が前記中立位置にある状態で前記所定時間が経過する前に前記シフト操作がされた場合には、該シフト操作により前記第2の発進位置が選択されたことを条件に前記内燃機関を再始動させることを特徴とする車両用制御装置。
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