JP2012002312A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無段変速機の油圧制御部においてオイル漏れが発生しても、必要油圧を確保することが可能な制御を実現する。
【解決手段】油圧制御に寄与しない作動油の流量に関するパラメータ(例えば熱履歴または積算走行距離)に基づいてオイル漏れ量を認識し、そのオイル漏れ量が大きいほど変速制御に用いる目標入力回転数Nintの下限ガードGminを高い側に設定する。このようにして目標入力回転数Nintつまりエンジン回転数の下限を上方に制御することにより、オイルポンプの回転数の下限がオイル漏れ量の増大に応じて上昇するようになるので、油圧(油量)を確保することができる。
【選択図】図9
【解決手段】油圧制御に寄与しない作動油の流量に関するパラメータ(例えば熱履歴または積算走行距離)に基づいてオイル漏れ量を認識し、そのオイル漏れ量が大きいほど変速制御に用いる目標入力回転数Nintの下限ガードGminを高い側に設定する。このようにして目標入力回転数Nintつまりエンジン回転数の下限を上方に制御することにより、オイルポンプの回転数の下限がオイル漏れ量の増大に応じて上昇するようになるので、油圧(油量)を確保することができる。
【選択図】図9
Description
本発明は、エンジンと変速機が搭載された車両の制御装置に関する。
エンジン(内燃機関)を搭載した車両において、エンジンが発生するトルク及び回転速度を車両の走行状態に応じて適切に駆動輪に伝達する変速機として、エンジンと駆動輪との間の変速比を自動的に最適設定する自動変速機が知られている。
車両に搭載される自動変速機としては、例えば、クラッチ及びブレーキなどの摩擦係合要素と遊星歯車装置とを用いて変速比(ギヤ比)を設定する有段式の自動変速機や、変速比を無段階に調整するベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)がある。
ベルト式無段変速機が搭載された車両においては、例えば、運転者の出力要求量を表すアクセル操作量及び車速などに基づいて目標入力回転数を算出し、実際の入力回転数(実入力回転数)がその目標入力回転数となるように、プライマリプーリの油圧アクチュエータにおける作動油の流入出量を制御することによって変速比を変更している(例えば、特許文献1参照)。また、セカンダリプーリの油圧アクチュエータに供給する油圧を制御することによりベルト挟圧力を調整している。こうした変速制御及びベルト挟圧力制御に用いる油圧(ライン圧)は、エンジンによって駆動されるオイルポンプが発生する油圧を、ライン圧調整バルブ(例えばプライマリレギュレータバルブ)にて調圧することによって生成される。
また、自動変速機が搭載された車両においては、エンジンから自動変速機への動力伝達経路にトルクコンバータが配置されている。トルクコンバータには、その入力側(ポンプ側)と出力側(タービン側)とを直結するロックアップクラッチが設けられており、このロックアップクラッチを係合状態とすることにより、トルクコンバータの入力側と出力側とを直結状態にすることができる。
変速機の油圧制御部としては、例えばバルブボディ内に複数のバルブ(スプール弁子)を設けた構造のものが用いられているが、バルブボディは作動油等から加わる熱によって不可逆的な熱膨張が生じるため作動油漏れ(オイル漏れ)が発生する。このようなオイル漏れが発生するとエンジン低回転域において油量(油圧)が不足するため、例えば、ロックアップクラッチを係合できなくなる場合がある。また、ベルト式無段変速機の場合、油圧不足によるベルト滑りやダウンシフトが生じる場合がある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、油圧制御式の変速機が搭載された車両の制御装置において、油圧制御部に上記オイル漏れが発生しても、必要油圧を確保することが可能な制御を実現することを目的とする。
本発明は、エンジンと、油圧制御によって変速比が調整される変速機とが搭載された車両の制御装置を前提としており、このような車両の制御装置において、油圧制御に寄与しない作動油の流量に関するパラメータに基づいて、そのパラメータが大きくなるほど、エンジン回転数の下限を高い側に設定することを技術的特徴としている。
本発明の具体的な構成として、上記変速機が、目標入力回転数に基づいて油圧を制御することにより変速比が調整される無段変速機であり、上記油圧制御に寄与しない作動油の流量に関するパラメータが大きくなるほど、目標入力回転数の下限を高い側に設定するという構成を挙げることができる。
本発明において、油圧制御に寄与しない作動油の流量に関するパラメータとしては、作動油の油温に基づく熱履歴、または、車両の積算走行距離などを挙げることができる。
本発明においては、油圧制御に寄与しない作動油の流量に関するパラメータ(例えば熱履歴または積算走行距離)に基づいてオイル漏れ量を認識し、そのオイル漏れ量が大きいほどエンジン回転数の下限(目標入力回転数の下限)を高い側に設定する。このようにしてエンジン回転数の下限を上方に制御することにより、オイルポンプ(エンジンにて駆動される機械式オイルポンプ)の回転数の下限がオイル漏れ量の増大に応じて上昇するようになるので、油圧(油量)を確保することができる。これによって、例えばロックアップクラッチの係合制御を正常に行うことができる。また、ベルト式無段変速機に本発明を適用した場合、ベルト滑りやダウンシフトを防止することができる。
しかも、本発明では、最初からエンジン回転数(オイルポンプの回転数)の下限値を高く設定するのではなく、バルブボディの不可逆的な熱膨張が生じていない初期の状態では、その状態に見合った下限値とし、その後に経時的に増大するオイル漏れ量に応じてエンジン回転数の下限値を高い側に設定していくので、実燃費の低下を抑制しながら、油圧(油量)を確保することができる。
本発明によれば、バルブボディの不可逆的な熱膨張に伴うオイル漏れ量に応じて、エンジン回転数(オイルポンプ回転数)の下限を上昇する制御を行うので、油圧(油量)を確保することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を適用する車両の一例を示す概略構成図である。
この例の車両は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両であって、走行用動力源であるエンジン(内燃機関)1、流体伝動装置としてのトルクコンバータ2、前後進切替装置3、ベルト式無段変速機(CVT)4、減速歯車装置5、差動歯車装置6、及び、ECU8などが搭載されており、そのECU8により実行されるプログラムによって本発明の車両の制御装置が実現される。
エンジン1の出力軸であるクランクシャフト11はトルクコンバータ2に連結されており、エンジン1の出力が、トルクコンバータ2から前後進切替装置3、ベルト式無段変速機4及び減速歯車装置5を介して差動歯車装置6に伝達され、左右の駆動輪7へ分配される。これらエンジン1、トルクコンバータ2、前後進切替装置3、ベルト式無段変速機4、及び、ECU8の各部について以下に説明する。
−エンジン−
エンジン1は、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1に吸入される吸入空気量は電子制御式のスロットルバルブ12により調整される。スロットルバルブ12は運転者のアクセルペダル操作とは独立してスロットル開度を電子的に制御することが可能であり、その開度(スロットル開度)はスロットル開度センサ102によって検出される。また、エンジン1の冷却水温は水温センサ103によって検出される。
エンジン1は、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1に吸入される吸入空気量は電子制御式のスロットルバルブ12により調整される。スロットルバルブ12は運転者のアクセルペダル操作とは独立してスロットル開度を電子的に制御することが可能であり、その開度(スロットル開度)はスロットル開度センサ102によって検出される。また、エンジン1の冷却水温は水温センサ103によって検出される。
スロットルバルブ12のスロットル開度はECU8によって駆動制御される。具体的には、エンジン回転数センサ101によって検出されるエンジン回転数Ne、及び、運転者のアクセルペダル踏み込み量(アクセル操作量Acc)等のエンジン1の運転状態に応じた最適な吸入空気量(目標吸気量)が得られるようにスロットルバルブ12のスロットル開度を制御している。より詳細には、スロットル開度センサ102を用いてスロットルバルブ12の実際のスロットル開度を検出し、その実スロットル開度が、上記目標吸気量が得られるスロットル開度(目標スロットル開度)に一致するようにスロットルバルブ12のスロットルモータ13をフィードバック制御している。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ2は、入力側のポンプインペラ21、出力側のタービンランナ22、及び、トルク増幅機能を発現するステータ23などを備えており、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体(作動油)を介して動力伝達を行う。ポンプインペラ21はエンジン1のクランクシャフト11に連結されている。タービンランナ22はタービンシャフト27を介して前後進切替装置3に連結されている。
トルクコンバータ2は、入力側のポンプインペラ21、出力側のタービンランナ22、及び、トルク増幅機能を発現するステータ23などを備えており、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体(作動油)を介して動力伝達を行う。ポンプインペラ21はエンジン1のクランクシャフト11に連結されている。タービンランナ22はタービンシャフト27を介して前後進切替装置3に連結されている。
トルクコンバータ2には、当該トルクコンバータ2の入力側と出力側とを直結するロックアップクラッチ24が設けられている。ロックアップクラッチ24は、係合側油室25内の油圧と解放側油室26内の油圧との差圧(ロックアップ差圧)を制御することにより完全係合・半係合(スリップ状態での係合)または解放される。
ロックアップクラッチ24を完全係合させることにより、ポンプインペラ21とタービンランナ22とが一体回転する。また、ロックアップクラッチ24を所定のスリップ状態(半係合状態)で係合させることにより、駆動時には所定のスリップ量でタービンランナ22がポンプインペラ21に追随して回転する。一方、ロックアップ差圧を負に設定することによりロックアップクラッチ24は解放状態となる。このロックアップクラッチ24の係合または解放は、ECU8及び油圧制御回路20によって制御される。
そして、トルクコンバータ2にはポンプインペラ21に連結して駆動される機械式のオイルポンプ(油圧発生源)10が設けられている。このオイルポンプ10はエンジン1によって駆動される。
−前後進切替装置−
前後進切替装置3は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構30、フォワードクラッチ(前進用クラッチ)C1及びリバースブレーキ(後進用ブレーキ)B1を備えている。
前後進切替装置3は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構30、フォワードクラッチ(前進用クラッチ)C1及びリバースブレーキ(後進用ブレーキ)B1を備えている。
遊星歯車機構30のサンギヤ31はトルクコンバータ2のタービンシャフト27に一体的に連結されており、キャリア33はベルト式無段変速機4の入力軸40に一体的に連結されている。これらキャリア33とサンギヤ31とはフォワードクラッチC1を介して選択的に連結されている。また、リングギヤ32はリバースブレーキB1を介してハウジング300に選択的に固定されるようになっている。
フォワードクラッチC1及びリバースブレーキB1は、油圧制御回路20によって係合・解放される油圧式の摩擦係合装置であって、フォワードクラッチC1が係合され、リバースブレーキB1が解放されることにより、前後進切替装置3が一体回転状態となって前進用動力伝達経路が成立(達成)し、この状態で、前進方向の駆動力がベルト式無段変速機4側へ伝達される。
一方、リバースブレーキB1が係合され、フォワードクラッチC1が解放されると、前後進切替装置3によって後進用動力伝達経路が成立(達成)する。この状態で、ベルト式無段変速機4の入力軸40がタービンシャフト27に対して逆方向へ回転し、この後進方向の駆動力がベルト式無段変速機4側へ伝達される。また、フォワードクラッチC1及びリバースブレーキB1がともに解放されると、前後進切替装置3は動力伝達を遮断するニュートラル(遮断状態)になる。
−ベルト式無段変速機−
ベルト式無段変速機4は、図1に示すように、入力側のプライマリプーリ41、出力側のセカンダリプーリ42、及び、これらプライマリプーリ41とセカンダリプーリ42とに巻き掛けられた金属製のベルト43などを備えている。
ベルト式無段変速機4は、図1に示すように、入力側のプライマリプーリ41、出力側のセカンダリプーリ42、及び、これらプライマリプーリ41とセカンダリプーリ42とに巻き掛けられた金属製のベルト43などを備えている。
プライマリプーリ41は、有効径が可変な可変プーリであって、入力軸40に固定された固定シーブ411と、入力軸40に軸方向のみの摺動が可能な状態で配設された可動シーブ412とによって構成されている。セカンダリプーリ42も同様に有効径が可変な可変プーリであって、出力軸44に固定された固定シーブ421と、出力軸44に軸方向のみの摺動が可能な状態で配設された可動シーブ422とによって構成されている。
プライマリプーリ41の可動シーブ412側には、固定シーブ411と可動シーブ412との間のV溝幅を変更するための油圧アクチュエータ413が配置されている。また、セカンダリプーリ42の可動シーブ422側にも同様に、固定シーブ421と可動シーブ422との間のV溝幅を変更するための油圧アクチュエータ423が配置されている。
以上の構造のベルト式無段変速機4において、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413の油圧を制御することにより、プライマリプーリ41及びセカンダリプーリ42の各V溝幅が変化してベルト43の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(γ=プライマリプーリ回転数(入力軸回転数)Nin/セカンダリプーリ回転数(出力軸回転数)Nout)が連続的に変化する。また、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423の油圧は、ベルト滑りが生じない所定の挟圧力でベルト43が挟圧されるように制御される。これらの制御はECU8及び油圧制御回路20によって実行される。
−油圧制御回路−
油圧制御回路20は、図1に示すように、変速速度制御部20a、ベルト挟圧力制御部20b、ライン圧制御部20c、ロックアップクラッチ24の係合(完全係合及び半係合)または解放を制御するロックアップ制御部20d、前後進切替装置3のフォワードクラッチC1及びリバースブレーキB1の係合または解放を制御するクラッチ圧力制御部20e、並びに、マニュアルバルブ20fなどを備えている。なお、クラッチ圧力制御部20eには、リニアソレノイドバルブSLTにて制御されたライン圧が供給される。
油圧制御回路20は、図1に示すように、変速速度制御部20a、ベルト挟圧力制御部20b、ライン圧制御部20c、ロックアップクラッチ24の係合(完全係合及び半係合)または解放を制御するロックアップ制御部20d、前後進切替装置3のフォワードクラッチC1及びリバースブレーキB1の係合または解放を制御するクラッチ圧力制御部20e、並びに、マニュアルバルブ20fなどを備えている。なお、クラッチ圧力制御部20eには、リニアソレノイドバルブSLTにて制御されたライン圧が供給される。
また、油圧制御回路20を構成する変速速度制御用の変速制御ソレノイドバルブDS1及び変速制御ソレノイドバルブDS2、ベルト挟圧力制御用のリニアソレノイドバルブSLS、ライン圧制御用のリニアソレノイドバルブSLT、並びに、ロックアップ係合圧制御用のデューティソレノイドバルブSLUにはECU8からの制御信号が供給される。
次に、油圧制御回路20のうち、ベルト式無段変速機4のプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413の油圧制御回路(変速速度制御部20aの具体的な油圧回路構成)、及び、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423の油圧制御回路(ベルト挟圧力制御部20bの具体的な油圧回路構成)について、図2及び図3を参照して説明する。
まず、図3に示すように、オイルポンプ10が発生した油圧はプライマリレギュレータバルブ203により調圧されてライン圧PLが生成される。プライマリレギュレータバルブ203には、リニアソレノイドバルブ(SLT)201が出力する制御油圧がクラッチアプライコントロールバルブ204を介して供給され、その制御油圧をパイロット圧として作動する。
なお、クラッチアプライコントロールバルブ204の切り替えにより、リニアソレノイドバルブ(SLS)202からの制御油圧がプライマリレギュレータバルブ203に供給され、その制御油圧をパイロット圧としてライン圧PLが調圧される場合もある。これらリニアソレノイドバルブ(SLT)201及びリニアソレノイドバルブ(SLS)202には、ライン圧PLを元圧としてモジュレータバルブ205にて調圧された油圧が供給される。
リニアソレノイドバルブ(SLT)201は、ECU8が出力するDuty信号によって決まる電流値に応じて制御油圧を出力する。リニアソレノイドバルブ(SLT)201はノーマルオープンタイプのソレノイドバルブである。
また、リニアソレノイドバルブ(SLS)202は、ECU8が出力するDuty信号によって決まる電流値に応じて制御油圧を出力する。このリニアソレノイドバルブ(SLS)202も上記リニアソレノイドバルブ(SLT)201と同様にノーマルオープンタイプのソレノイドバルブである。
なお、図2及び図3に示す油圧制御回路において、モジュレータバルブ206は、モジュレータバルブ205が出力する油圧を一定の圧力に調圧して、後述する変速制御ソレノイドバルブ(DS1)304、変速制御ソレノイドバルブ(DS2)305、及び、ベルト挟圧力制御バルブ303などに供給する。
[変速制御]
次に、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413の油圧制御回路について説明する。図2に示すように、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413にはアップシフト用変速制御バルブ301が接続されている。
次に、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413の油圧制御回路について説明する。図2に示すように、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413にはアップシフト用変速制御バルブ301が接続されている。
アップシフト用変速制御バルブ301には、バルブボディ内において軸方向に移動可能なスプール弁子311が設けられている。スプール弁子311の一端側(図2の上端側)にはスプリング(圧縮コイルばね)312が配置されており、このスプール弁子311を挟んでスプリング312とは反対側の端部に、第1油圧ポート315が形成されている。また、スプリング312が配置されている上記の一端側に第2油圧ポート316が形成されている。
第1油圧ポート315には、ECU8が出力するDuty信号(DS1変速Duty(アップシフトDuty))によって決まる電流値に応じて制御油圧を出力する変速制御ソレノイドバルブ(DS1)304が接続されており、その変速制御ソレノイドバルブ(DS1)304が出力する制御油圧が第1油圧ポート315に印加される。第2油圧ポート316には、ECU8が出力するDuty信号(DS2変速Duty(ダウンシフトDuty))によって決まる電流値に応じて制御油圧を出力する変速制御ソレノイドバルブ(DS2)305が接続されており、その変速制御ソレノイドバルブ(DS2)305が出力する制御油圧が第2油圧ポート316に印加される。
さらに、アップシフト用変速制御バルブ301には、ライン圧PLが供給される入力ポート313、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413に接続(連通)される入出力ポート314及び出力ポート317が形成されており、スプール弁子311がアップシフト位置(図2の右側位置)にあるときには、出力ポート317が閉鎖され、ライン圧PLが入力ポート313から入出力ポート314を経てプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413に供給される。一方、スプール弁子311が閉じ位置(図2の左側位置)にあるときには、入力ポート313が閉鎖され、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413が入出力ポート314を介して出力ポート317に連通する。
ダウンシフト用変速制御バルブ302には、バルブボディ内において軸方向に移動可能なスプール弁子321が設けられている。スプール弁子321の一端側(図2の下端側)にはスプリング(圧縮コイルばね)322が配置されているとともに、その一端側に第1油圧ポート326が形成されている。また、スプール弁子321を挟んでスプリング322とは反対側の端部に第2油圧ポート327が形成されている。第1油圧ポート326には、上記変速制御ソレノイドバルブ(DS1)304が接続されており、その変速制御ソレノイドバルブ(DS1)304が出力する制御油圧が第1油圧ポート326に印加される。第2油圧ポート327には、上記変速制御ソレノイドバルブ(DS2)305が接続されており、その変速制御ソレノイドバルブ(DS2)305が出力する制御油圧が第2油圧ポート327に印加される。
さらに、ダウンシフト用変速制御バルブ302には、入力ポート323、入出力ポート324及び排出ポート325が形成されている。入力ポート323にはバイパスコントロールバルブ306が接続されており、そのバイパスコントロールバルブ306にてライン圧PLを調圧した油圧が供給される。そして、このようなダウンシフト用変速制御バルブ302において、スプール弁子321がダウンシフト位置(図2の左側位置)にあるときには入出力ポート324が排出ポート325に連通する。一方、スプール弁子321が閉じ位置(図2の右側位置)にあるときには入出力ポート324が閉鎖される。なお、ダウンシフト用変速制御バルブ302の入出力ポート324は、アップシフト用変速制御バルブ301の出力ポート317に接続されている。
以上の図2の油圧制御回路において、ECU8が出力するDS1変速Duty(アップシフト変速指令)に応じて変速制御ソレノイドバルブ(DS1)304が作動し、その変速制御ソレノイドバルブ(DS1)304が出力する制御油圧がアップシフト用変速制御バルブ301の第1油圧ポート315に供給されると、その制御油圧に応じた推力によって、スプール弁子311がアップシフト位置側(図2の上側)に移動する。このスプール弁子311の移動(アップシフト側への移動)により、作動油(ライン圧PL)が制御油圧に対応する流量で入力ポート313から入出力ポート314を経てプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413に供給されるとともに、出力ポート317が閉鎖されてダウンシフト変速制御バルブ302への作動油の流通が阻止される。これによって変速制御圧が高められ、プライマリプーリ41のV溝幅が狭くなって変速比γが小さくなる(アップシフト)。
なお、変速制御ソレノイドバルブ(DS1)304が出力する制御油圧がダウンシフト用変速制御バルブ302の第1油圧ポート326に供給されると、スプール弁子321が図2の上側に移動し、入出力ポート324が閉鎖される。
一方、ECU8が出力するDS2変速Duty(ダウンシフト変速指令)に応じて変速制御ソレノイドバルブ(DS2)305が作動し、その変速制御ソレノイドバルブ(DS2)305が出力する制御油圧がアップシフト用変速制御バルブ301の第2油圧ポート316に供給されると、その制御油圧に応じた推力によって、スプール弁子311がダウンシフト位置側(図2の下側)に移動する。このスプール弁子311の移動(ダウンシフト側への移動)により、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413内の作動油が制御油圧に対応する流量でアップシフト用変速制御バルブ301の入出力ポート314に流入する。このアップシフト用変速制御バルブ301に流入した作動油は出力ポート317及びダウンシフト用変速制御バルブ302の入出力ポート324を経て排出ポート325から排出される。これによって変速制御圧が低められ、入力側可変プーリ42のV溝幅が広くなって変速比γが大きくなる(ダウンシフト)。
なお、変速制御ソレノイドバルブ(DS2)305が出力する制御油圧がダウンシフト用変速制御バルブ302の第2油圧ポート327に供給されると、スプール弁子321が図2の下側に移動し、入出力ポート324と排出ポート325とが連通する。
以上のように、変速制御ソレノイドバルブ(DS1)304から制御油圧が出力されると、アップシフト用変速制御バルブ301から作動油がプライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413に供給されて変速制御圧が連続的にアップシフトされる。また、変速制御ソレノイドバルブ(DS2)305から制御油圧が出力されると、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413内の作動油がダウンシフト用変速制御バルブ302の排出ポート325から排出されて変速制御圧が連続的にダウンシフトされる。
そして、この例では、例えば図4に示すように、運転者の出力要求量を表すアクセル操作量Acc及び車速Vをパラメータとして予め設定された変速線マップから入力側の目標入力回転数Nintを算出し、実際の入力回転数Ninが目標入力回転数Nintと一致するように、それらの偏差(Nint−Nin)に応じてベルト式無段変速機4の変速制御、すなわち、プライマリプーリ41の油圧アクチュエータ413に対する作動油の供給・排出によって変速制御圧が制御され、変速比γが連続的に変化する。図4のマップは変速条件に相当し、ECU8のROM82(図6参照)内に記憶されている。
なお、図4のマップにおいて、車速Vが小さくてアクセル操作量Accが大きい程大きな変速比γになる目標入力回転数Nintが設定されるようになっている。また、車速Vはセカンダリプーリ回転数(出力軸回転数)Noutに対応するため、プライマリプーリ回転数(入力軸回転数)Ninの目標値である目標入力回転数Nintは目標変速比に対応し、ベルト式無段変速機4の最小変速比γminと最大変速比γmaxの範囲内で設定されている。
ここで、図4に示す変速線マップには目標入力回転数Nintの下限ガードGminが設定されている。この下限ガードGminは、エンジン低回転域においてオイルポンプ10の吐出量(ライン圧)が不足しないように、目標入力回転数Nintつまりエンジン回転数Neの下限を制限するために設定している。この下限ガードGminについては、車両出荷時においてノミナル値(例えば1000rpm)が設定されており、そのノミナル値を後述する制御にて順次補正するようになっている。
[ベルト挟圧力制御]
次に、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423の油圧制御回路について図3を参照して説明する。
次に、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423の油圧制御回路について図3を参照して説明する。
図3に示すように、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423にはベルト挟圧力制御バルブ303が接続されている。
ベルト挟圧力制御バルブ303には、バルブボディ内において軸方向に移動可能なスプール弁子331が設けられている。スプール弁子331の一端側(図3の下端側)にはスプリング(圧縮コイルばね)332が配置されているとともに、その一端側に第1油圧ポート335が形成されている。また、スプール弁子331を挟んでスプリング332とは反対側の端部に第2油圧ポート336が形成されている。
第1油圧ポート335にはリニアソレノイドバルブ(SLS)202が接続されており、そのリニアソレノイドバルブ(SLS)202が出力する制御油圧が第1油圧ポート335に印加される。第2油圧ポート336にはモジュレータバルブ206からの油圧が印加される。
さらに、ベルト挟圧力制御バルブ303には、ライン圧PLが供給される入力ポート333、及び、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に接続(連通)される出力ポート334が形成されている。
この図3の油圧制御回路において、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイドバルブ(SLS)202が出力する制御油圧が増大すると、ベルト挟圧力制御バルブ303のスプール弁子331が図3の上側に移動する。この場合、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に供給される油圧が増大し、ベルト挟圧力が増大する。一方、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイドバルブ(SLS)202が出力する制御油圧が低下すると、ベルト挟圧力制御バルブ303のスプール弁子331が図3の下側に移動する。この場合、セカンダリプーリ42の油圧シリンダに供給される油圧が低下し、ベルト挟圧力が低下する。
このようにして、リニアソレノイドバルブ(SLS)202が出力する制御油圧をパイロット圧としてライン圧PLを調圧制御してセカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423に供給することによってベルト挟圧力が増減する。
そして、この例では、例えば図5に示すように、伝達トルクに対応するアクセル開度Acc及び変速比γ(γ=Nin/Nout)をパラメータとし、ベルト滑りが生じないように予め設定された必要油圧(ベルト挟圧力に相当)のマップに従って、リニアソレノイドバルブ(SLS)202が出力する制御油圧を制御することにより、ベルト式無段変速機4のベルト挟圧力、つまり、セカンダリプーリ42の油圧アクチュエータ423の油圧を調圧制御することによって行われる。図5のマップは挟圧力制御条件に相当し、ECU8のROM82(図6参照)内に記憶されている。
−ECU−
ECU8は、図6に示すように、CPU81、ROM82、RAM83及びバックアップRAM84などを備えている。
ECU8は、図6に示すように、CPU81、ROM82、RAM83及びバックアップRAM84などを備えている。
ROM82には、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU81は、ROM82に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAM83はCPU81での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM84はエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
これらCPU81、ROM82、RAM83、及び、バックアップRAM84はバス87を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース85及び出力インターフェース86に接続されている。
ECU8の入力インターフェース85には、エンジン回転数センサ101、スロットル開度センサ102、水温センサ103、タービン回転数センサ104、プライマリプーリ回転数センサ105、セカンダリプーリ回転数センサ106、アクセル開度センサ107、CVT油温センサ108、ブレーキペダルセンサ109、及び、シフトレバー9のレバーポジション(操作位置)を検出するレバーポジションセンサ110などが接続されており、その各センサの出力信号、つまり、エンジン1の回転数(エンジン回転数)Ne、スロットルバルブ12のスロットル開度θth、エンジン1の冷却水温Tw、タービンシャフト27の回転数(タービン回転数)Nt、プライマリプーリ回転数(入力軸回転数)Nin、セカンダリプーリ回転数(出力軸回転数)Nout、アクセルペダルの操作量(アクセル関度)Acc、油圧制御回路20の油温(CVT油温Thc)、常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無(ブレーキON・OFF)、及び、シフトレバー9のレバーポジション(操作位置)などを表す信号がECU8に供給される。
出力インターフェース86には、スロットルモータ13、燃料噴射装置14、点火装置15及び油圧制御回路20(ロックアップ制御回路200)などが接続されている。
ここで、ECU8に供給される信号のうち、タービン回転数Ntは、前後進切替装置3のフォワードクラッチC1が係合する前進走行時にはプライマリプーリ回転数(入力軸回転数)Ninと一致し、セカンダリプーリ回転数(出力軸回転数)Noutは車速Vに対応する。また、アクセル操作量Accは運転者の出力要求量を表している。
また、シフトレバー9は、駐車のためのパーキング位置「P」、後進走行のためのリバース位置「R」、動力伝達を遮断するニュートラル位置「N」、前進走行のためのドライブ位置「D」、前進走行時にベルト式無段変速機4の変速比γを手動操作で増減できるマニュアル位置「M」などの各位置に選択的に操作されるようになっている。
マニュアル位置「M」には、変速比γを増減するためのダウンシフト位置やアップシフト位置、あるいは、変速範囲の上限(変速比γが小さい側)が異なる複数の変速レンジを選択できる複数のレンジ位置等が備えられている。
レバーポジションセンサ110は、例えば、パーキング位置「P」、リバース位置「R」、ニュートラル位置「N」、ドライブ位置「D」、マニュアル位置「M」やアップシフト位置、ダウンシフト位置、あるいはレンジ位置等へシフトレバー9が操作されたことを検出する複数のON・OFFスイッチ等を備えている。なお、変速比γを手動操作で変更するために、シフトレバー9とは別にステアリングホイール等にダウンシフトスイッチやアップシフトスイッチ、あるいはレバー等を設けることも可能である。
そして、ECU8は、上記した各種のセンサの出力信号などに基づいて、エンジン1の出力制御、上述したベルト式無段変速機4の変速速度制御及びベルト挟圧力制御、並びにロックアップクラッチ24の係合・解放制御などを実行する。さらに、ECU8は、下記の[目標入力回転数の下限ガード補正制御]を実行する。
−目標入力回転数の下限ガード補正制御−
まず、油圧制御回路20においてオイル漏れが発生する理由について図11を参照して説明する。
まず、油圧制御回路20においてオイル漏れが発生する理由について図11を参照して説明する。
油圧制御回路20に用いられるバルブボディVBは例えばアルミニウム合金製であり、作動油等からの熱が加わると不可逆的な熱膨張が生じる(バルブボディVBの内径Vdが拡径する)。これに対し、油圧制御回路20の各制御バルブに用いられるスプール弁子SPは例えばアルミニウム製であって、そのような不可逆的な熱膨張は生じない。したがって、バルブボディVBに不可逆的な熱膨張が生じると、スプール弁子SPの外周面とバルブボディVBの内周面との間の隙間(クリアランスVc)がノミナル時よりも大きくなってオイル漏れ量(油圧制御に寄与しない作動油の流量)が増大する。そして、このようなオイル漏れが発生するとエンジン低回転域において油量(油圧)が不足するため、例えばロックアップクラッチを係合できなくなる場合があり、また、ベルト滑りやダウンシフトが生じる場合がある。
この例では、そのようなバルブボディの不可逆的な熱膨張に起因するオイル漏れが生じても、油圧(油量)を確保することできるようにエンジン回転数Neの下限(オイルポンプ10の回転数の下限)を高い側に補正する制御を実行する。
その具体的な制御の一例について図7のフローチャートを参照して説明する。図7の制御ルーチンはECU8において実行される。
まず、ステップST101において、CVT油温センサ108の出力信号から算出されるCVT油温Thoと走行開始からの経過時間とに基づいて、図8のマップを参照して膨張率x(%)を求め、その膨張率x(%)を順次積算していく。
具体的には、例えば、CVT油温Thoが110℃である状態で10分間走行した場合の膨張率x1(%)を図8のマップから読み取り、また、CVT油温Thoが120℃の状態で15分間走行した場合の膨張率x2(%)を読み取る、という処理によって膨張率x1,x2,・・,xnを採取し、それら膨張率x1,x2,・・,xnを順次加算していく(積算膨張率Σxの算出)。また、走行を停止(エンジン停止)したときの積算膨張率Σxを記憶しておき、次に、走行を開始した(エンジン始動)ときには、その前回の積算膨張率Σxに今回算出の膨張率xを順次加算していく。なお、図8のマップは、CVT油温及び時間をパラメータとし、バルブボディの不可逆的な熱膨張量を考慮して、実験・シミュレーション等によって膨張率xを適合した値をマップ化したものであって、ECU8のROM82内に記憶されている。
ここで、膨張率x(%)は、図11に示すバルブボディVBの内径Vdがノミナルで「Vd0」、不可逆的な熱膨張が発生したときの内径Vdを「Vdn」とすると、x=[(Vdn−Vd0)/Vd0]×100%で定義される値であって、例えば、ノミナルのd0が60mmであり、不可逆的な熱膨張が発生したときの内径Vdnが66mmである場合、膨張率xは10%となる。なお、「膨張率x」を理解しやすくするために、図11ではバルブボディVBの1箇所(1つの制御バルブの配置箇所)について説明しているが、この例では、バルブボディ全体の膨張率の総和を上記「膨張率x」として算出する。
なお、ステップST101の処理において、積算膨張率Σxが、図8のマップに示す「xmax」に到達した場合は、膨張率xの加算処理は実行せずに、その「xmax」の値を用いて下記のステップST102の処理を実行する。この「xmax」については、バルブボディVBに熱が加わった時間が長くなるほど上記不可逆的な熱膨張量が増大していくが、その不可逆的な熱膨張量の増大には限界がある(サチュレートする)という点を考慮して設定している。
ステップST102では、現在の積算膨張率Σxを用いて、一般に知られている流体力学の隙間流れの式(例えば、特開平09−287538号公報を参照)に基づいてオイル漏れ量を算出し、その現在のオイル漏れ量とノミナル時のオイル漏れ量との差、つまり、オイル漏れ量の増加分ΔQ[L/min]を得る。例えば、ノミナル時のオイル漏れ量が10L/minである場合に、現在の積算膨張率Σxから算出されるオイル漏れ量が11L/minであるとすると、オイル漏れ量の増加分ΔQは1L/minとなる。なお、このステップST102の処理に用いるノミナル時のオイル漏れ量(図11に示すクリアランスVcからの作動油の流出量)は、例えばECU8のROM82内に記憶されている。
次に、ステップST103において、上記ステップST102で算出したオイル漏れ量の増加分ΔQ[L/min]と、オイルポンプ10の1回転当たりの吐出量Oq[cc/rev]とを用いて、そのオイル漏れ量の増加分に相当する回転数ΔNo(ΔNo=ΔQ/Oq[rpm])を算出する。例えば、オイル漏れ量の増加分ΔQが1L/minであり、オイルポンプ10の吐出量Oqが10cc/revである場合、上記回転数ΔNoは100rpmとなる。
このようにして算出した、オイル漏れ量の増加分に相当する回転数ΔNoを用いて、図9に示すように、変速線マップの下限ガード(目標入力回転数Nintの下限ガード)Gminを高い側に補正する(ステップST104)。具体的には、例えば目標入力回転数Nintの下限ガードGminのノミナル値が1000rpmである場合、その下限ガード値を1100rpmに補正する。そして、このようにして下限ガードGminを補正した変速線マップ(図9)を用いてベルト式無段変速機4の変速制御を行う。
なお、以上の制御において、例えば、車両購入後の初期走行時でCVT油温Thoが比較的低い状態での走行(例えば、CVT油温Thoが100℃以下での走行)が継続された場合など、上記積算膨張率Σxが初期状態から変化しない状況(Σxが「0」である場合)のときには、目標入力回転数Nintの下限ガードGminがノミナル値の変速線マップ(図4に示すマップ)を用いてベルト式無段変速機4の変速制御を行う。
以上のように、この例の制御によれば、オイル漏れ量(油圧制御に寄与しない作動油の流量)を認識し、そのオイル漏れ量が大きいほど変速制御に用いる目標入力回転数Nintの下限ガードGminを高い側に設定しているので、エンジン回転数Neつまりオイルポンプ10の回転数の下限がオイル漏れ量の増大に応じて上昇するようになり、油圧(油量)を確保することができる。これによって、例えばロックアップクラッチ24の係合制御を正常に行うことが可能になり、また、ベルト式無段変速機4のベルト滑りやダウンシフトを防止することができる。
しかも、この例の制御では、最初から目標入力回転数Nint(エンジン回転数Ne)の下限ガードGminを高く設定するのではなく、バルブボディの不可逆的な熱膨張が生じていない初期の状態では、その状態に見合った下限ガードGmin(ノミナル値)とし、その後に経時的に増大するオイル漏れ量に応じて目標入力回転数Nint(エンジン回転数Ne)の下限ガードGminを高い側に設定していくので、実燃費の低下を抑制しながら、油圧(油量)を確保することができる。
−他の実施形態−
以上の例では、CVT油温及び時間をパラメータとするマップ(図9)を用いてバルブボディの膨張率xを算出するようにしているが、これに替えて、例えば、図10に示すマップ、つまり、CVT油温及び車両走行距離をパラメータとするマップを用いてバルブボディの膨張率xを算出して積算膨張率Σxを求めるようにしてもよい。
以上の例では、CVT油温及び時間をパラメータとするマップ(図9)を用いてバルブボディの膨張率xを算出するようにしているが、これに替えて、例えば、図10に示すマップ、つまり、CVT油温及び車両走行距離をパラメータとするマップを用いてバルブボディの膨張率xを算出して積算膨張率Σxを求めるようにしてもよい。
また、車両購入時(出荷時)からの走行時間の積算時間が、バルブボディの不可逆的な熱膨張量に関連する点を考慮し、その走行時間の積算時間に応じて、積算走行時間が長くなるほど目標入力回転数(エンジン回転数)を高い側に設定する制御を行うようにしてもよい。
以上の例では、ガソリンエンジンを搭載した車両の制御装置に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、ディーゼルエンジン等の他のエンジンを搭載した車両の制御装置にも適用可能である。
また、車両に搭載される無段変速機としては、上記したベルト式無段変速機に限られることなく、トロイダル式無段変速機などの他の形式の無段変速機であってもよい。さらに、クラッチ及びブレーキなどの摩擦係合要素と遊星歯車装置とを用いて変速比(ギヤ比)を設定する有段式自動変速機が搭載された車両の制御装置にも適用可能である。
また、本発明の制御装置は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に限れられることなく、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型車両、4輪駆動車にも適用できる。
本発明は、エンジンと、このエンジンに連結され油圧制御によって変速比が調整される変速機とが搭載された車両の制御装置に利用することができる。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
24 ロックアップクラッチ
4 ベルト式無段変速機
41 プライマリプーリ
413 油圧アクチュエータ
42 セカンダリプーリ
423 油圧アクチュエータ
101 エンジン回転数センサ
105 プライマリプーリ回転数センサ
106 セカンダリプーリ回転数センサ
108 CVT油温センサ
20 油圧制御回路
8 ECU
10 オイルポンプ
2 トルクコンバータ
24 ロックアップクラッチ
4 ベルト式無段変速機
41 プライマリプーリ
413 油圧アクチュエータ
42 セカンダリプーリ
423 油圧アクチュエータ
101 エンジン回転数センサ
105 プライマリプーリ回転数センサ
106 セカンダリプーリ回転数センサ
108 CVT油温センサ
20 油圧制御回路
8 ECU
10 オイルポンプ
Claims (4)
- エンジンと、油圧制御によって変速比が調整される変速機とが搭載された車両の制御装置であって、
油圧制御に寄与しない作動油の流量に関するパラメータに基づいて、そのパラメータが大きくなるほどエンジン回転数の下限を高い側に設定することを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1記載の車両の制御装置において、
前記変速機が、目標入力回転数に基づいて油圧を制御することにより変速比が調整される無段変速機であって、前記油圧制御に寄与しない作動油の流量に関するパラメータが大きくなるほど、目標入力回転数の下限を高い側に設定することを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1または2記載の車両の制御装置において、
前記油圧制御に寄与しない作動油の流量に関するパラメータが、作動油の油温に基づく熱履歴であることを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1または2記載の車両の制御装置において、
前記油圧制御に寄与しない作動油の流量に関するパラメータが、車両の積算走行距離であることを特徴とする車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010139270A JP2012002312A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010139270A JP2012002312A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012002312A true JP2012002312A (ja) | 2012-01-05 |
Family
ID=45534523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010139270A Pending JP2012002312A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | 車両の制御装置 |
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JP (1) | JP2012002312A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014163302A (ja) * | 2013-02-26 | 2014-09-08 | Daihatsu Motor Co Ltd | 内燃機関 |
JP2020041579A (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | ジヤトコ株式会社 | 自動変速機の制御装置 |
-
2010
- 2010-06-18 JP JP2010139270A patent/JP2012002312A/ja active Pending
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