JP6485311B2 - 車両のエコラン制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両のエコラン制御装置に係り、特に、解放状態の油圧式摩擦係合装置を係合させてエコラン制御を解除する場合の制御に関するものである。
(a) 走行用のエンジンと、動力伝達を接続遮断する油圧式摩擦係合装置と、前記エンジンにより回転駆動されて油圧を出力する機械式オイルポンプと、ポンプ用電動モータにより回転駆動されて油圧を出力する電動式オイルポンプと、を有する車両に関し、(b) 車両停止時に、前記エンジンを回転停止させるとともに、前記電動式オイルポンプから待機油圧を出力させるエコラン制御を行なうエコラン制御装置が知られている。特許文献1に記載の装置はその一例で、車両停止時だけでなく車両走行中においても動力伝達経路からエンジンを切り離して回転停止させるS&S(ストップアンドスタート)制御が行なわれるようになっている。
特開2010−210020号公報
しかしながら、エコラン制御を解除してエンジンを始動する際に、係合させるべき油圧式摩擦係合装置が解放状態である場合、待機油圧に基づいてその油圧式摩擦係合装置を係合させようとすると、油路の切換による流量の増加によって油圧が低下するため応答性が悪い。油圧の低下を考慮して待機油圧を比較的高圧にすれば応答性を確保できるが、長時間に亘って高圧の油圧を出力するためには、高トルクを出力できる大型で高価なポンプ用電動モータが必要になる。これに対し、電気的に油路を切り換えるシフトバイワイヤ方式の場合には、エンジンを始動した後に機械式オイルポンプから出力される油圧に基づいて油圧式摩擦係合装置を係合させることが考えられるが、エンジンが回転している状態で油圧式摩擦係合装置を係合することになるため、各部のイナーシャ等により係合ショックが発生する可能性があり、これを防止するために油圧式摩擦係合装置への供給油圧をゆっくり立ち上げると応答性が損なわれる。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、エコラン制御を解除する際に、解放状態の油圧式摩擦係合装置を係合させる場合でも、必ずしも大型で高価なポンプ用電動モータを必要とすることなく、油圧式摩擦係合装置を係合させるとともにエンジンを始動する際の応答性を確保することにある。
本発明は、(a) 走行用のエンジンと、動力伝達を接続遮断する油圧式摩擦係合装置と、前記エンジンにより回転駆動されて油圧を出力する機械式オイルポンプと、ポンプ用電動モータにより回転駆動されて油圧を出力する電動式オイルポンプと、を有する車両に関し、(b) 車両停止時に、前記エンジンを回転停止させるとともに、前記電動式オイルポンプから待機油圧を出力させるエコラン制御を行なうエコラン制御装置において、(c) 前記エコラン制御を解除する際に、解放状態の前記油圧式摩擦係合装置を係合させる場合には、前記エンジンの回転停止状態中にその油圧式摩擦係合装置が係合した後に前記エンジンを始動することを特徴とする。
このような車両のエコラン制御装置においては、エコラン制御を解除する際に、解放状態の油圧式摩擦係合装置を係合させる場合、その油圧式摩擦係合装置が係合した後にエンジンを始動するため、油圧式摩擦係合装置を係合させる際には回転停止状態であり、係合ショックが発生する恐れがなく、高圧の油圧により油圧式摩擦係合装置を速やかに係合させることが可能で、その後のエンジンの始動を含めて所定の応答性を確保することができる。例えば、エコラン制御を解除する際に、電動式オイルポンプの出力油圧を待機油圧よりも高圧とし、その高圧の油圧に基づいて油圧式摩擦係合装置を係合させれば、油路の切換による流量増加に拘らず油圧式摩擦係合装置を速やかに係合させることができる。
一方、エコラン制御中の待機油圧は所定の低圧に維持し、エコラン制御を解除する際に解放状態の油圧式摩擦係合装置を係合させる場合に高圧にすれば良いため、ポンプ用電動モータの電流制御で高トルクを発生させて高圧にすることが可能であり、必ずしも大型で高価なポンプ用電動モータを採用する必要がない。すなわち、モータ電流値を高くして高トルクを発生させる場合、その電流アップに伴って発熱量が大きくなるが、車両停止時のエコラン制御中は低圧の待機油圧を出力すれば良いため、高圧の油圧を出力する時間が限定的で、その発熱に起因するポンプ用電動モータの耐久性低下が抑制される。これにより、車両停止時のエコラン制御中を含めて、油路の切換を伴う油圧式摩擦係合装置の係合に備え、電動式オイルポンプにより高油圧を出力する場合に比較して、小型で安価なポンプ用電動モータを採用することができるのである。
本発明の一実施例であるエコラン制御装置を備えている車両の制御系統を含むブロック線図で、油圧回路を併せて示した図である。 図1の車両制御用ECUが機能的に備えているS&S制御部によって実行されるリバース移行制御を具体的に説明するフローチャートである。 図1のS&S制御部によって停車時S&S制御が行なわれた後にリバース移行制御が行なわれた場合のレンジ、エンジン回転速度NE、および各部の油圧の変化を示すタイムチャートの一例である。 図1のS&S制御部によって停車時S&S制御が行なわれた後に通常走行に復帰した場合のレンジ、エンジン回転速度NE、および各部の油圧の変化を示すタイムチャートの一例である。 図1の減速時S&S制御部を備えていない場合の実施例で、通常走行から直接停車時S&S制御が行なわれた後に通常走行へ復帰した場合のレンジ、エンジン回転速度NE、および各部の油圧の変化を示すタイムチャートの一例である。
動力伝達を接続遮断する油圧式摩擦係合装置は、例えば単一の発進クラッチやエンジン切離しクラッチなどでも良いが、動力伝達状態を切り換えることができる動力伝達切換装置のクラッチやブレーキでも良い。具体的には、前後進切換装置の前進用クラッチや後進用ブレーキ、或いは複数のギヤ段を成立させることができる遊星歯車式等の有段変速機のクラッチやブレーキなどである。
エコラン制御は、少なくとも車両停止時にエンジンを回転停止させるとともに、電動式オイルポンプから低圧の待機油圧を出力させるように構成されるが、減速走行中でも、一定の条件下で油圧式摩擦係合装置を解放することにより、エンジンを動力伝達経路から切り離して回転停止させることができる。流体式動力伝達装置のロックアップクラッチを解放してエンジンを動力伝達経路から切り離し、回転停止させることもできる。その減速走行中のエンジン停止時にも、アクセルの踏込み操作などでエンジンを再始動するとともに油圧式摩擦係合装置を係合させて動力伝達経路に接続する際には、油路の切換を伴って油圧を供給する必要があるため、電動式オイルポンプの出力油圧を前記待機油圧よりも高圧の油圧に制御することが望ましい。ブレーキの踏込み解除に伴って電動式オイルポンプを作動させても良いが、所定の駆動力応答性を確保するために、機械式オイルポンプによって所定の油圧が得られないエンジン低回転時を含めて、減速時のエンジン停止制御の実行中常に電動式オイルポンプによって所定の高油圧を出力することが望ましい。
本発明は、エコラン制御を解除する際に、油路の切換を伴って解放状態の油圧式摩擦係合装置が係合させられる場合の油圧制御やエンジン始動制御に関するもので、例えばシフトレバー操作を電気的に検出して油路を電気的に切り換えるシフトバイワイヤ方式の油圧回路に適用されるが、シフトレバーに連結されたマニュアルバルブによって油路が機械的に切り換えられる油圧回路にも適用され得る。
本発明の好適な実施態様は、例えば(a) 走行用のエンジンと、(b) 前進用油圧式摩擦係合装置が係合させられた前進走行が可能な前進走行モードと、後進用油圧式摩擦係合装置が係合させられた後進走行が可能な後進走行モードと、に切り換えることができる動力伝達切換装置と、(c) 前記エンジンにより回転駆動されて油圧を出力する機械式オイルポンプと、(d) ポンプ用電動モータにより回転駆動されて油圧を出力する電動式オイルポンプと、を有する車両に関し、(e) 前記前進走行モードにおける車両停止時に、前記エンジンを回転停止させるとともに、前記電動式オイルポンプから待機油圧を出力させるエコラン制御を行なうエコラン制御装置において、(f) 前記エコラン制御を解除する際に、前記前進用油圧式摩擦係合装置が解放されるとともに前記後進用油圧式摩擦係合装置が係合させられて前記後進走行モードへ切り換えられる場合には、前記電動式オイルポンプの出力油圧を前記待機油圧よりも高圧とし、該高圧の油圧に基づいて該後進用油圧式摩擦係合装置を係合させた後に、前記エンジンを始動するように構成される。この実施態様では、前進用油圧式摩擦係合装置は、車両停止時のエコラン制御中も、再発進に備えて電動式オイルポンプから出力される待機油圧に基づいて所定の係合状態に保持されるが、本発明の実施に際しては、エコラン制御中は、前進用油圧式摩擦係合装置および後進用油圧式摩擦係合装置が何れも解放されるようになっていても良い。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例であるエコラン制御装置を備えている車両10の制御系統を含むブロック線図で、油圧回路12を併せて示した図である。車両10は、走行用駆動力源として内燃機関のエンジン20を備えており、そのエンジン20の出力は、トルクコンバータ(T/C)22から前後進切換装置24およびベルト式無段変速機26を経て差動歯車装置28に伝達され、左右の駆動輪30に分配される。トルクコンバータ22は流体式伝動装置で、前後進切換装置24は前進走行および後進走行を切り換えることができる動力伝達切換装置である。この前後進切換装置24は、例えばサンギヤ、リングギヤ、およびキャリアの3つの回転要素を有するダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成され、サンギヤおよびキャリアの一方がトルクコンバータ22に連結され、他方がベルト式無段変速機26に連結されるとともに、2つの回転要素を連結して一体回転させる前進クラッチC1、およびリングギヤをケース等に固定して回転停止させる後進ブレーキB1を備えている。前進クラッチC1および後進ブレーキB1は、何れも単板式或いは多板式等の油圧式摩擦係合装置で、前進クラッチC1は前進用油圧式摩擦係合装置であり、後進ブレーキB1は後進用油圧式摩擦係合装置である。ベルト式無段変速機26は、溝幅が可変の一対の可変プーリにベルトが巻き掛けられたもので、その一対の可変プーリにそれぞれ設けられた油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)によって変速比やベルト挟圧力が制御される。
前記トルクコンバータ22、前後進切換装置24の前進クラッチC1および後進ブレーキB1、ベルト式無段変速機26の一対の油圧アクチュエータには、油圧回路12に設けられた油圧作動制御部32から作動油が供給されるようになっている。油圧作動制御部32は、油路を切り換える電磁式切換弁や油圧を制御する電磁式油圧制御弁等が設けられたバルブボデーなどで、前進クラッチC1を係合させるとともに後進ブレーキB1を解放することにより前進走行が可能な前進走行モードが成立させられ、前進クラッチC1を解放するとともに後進ブレーキB1を係合させることにより後進走行が可能な後進走行モードが成立させられ、前進クラッチC1および後進ブレーキB1を何れも解放することにより動力伝達を遮断するニュートラルモードが成立させられる。また、ベルト式無段変速機26の一対の油圧アクチュエータに供給する油圧をそれぞれ制御することで、変速比を連続的に変化させたり、ベルト滑りが発生しないようにベルト挟圧力を制御したりすることができる。油圧作動制御部32へ供給された作動油の一部は潤滑油として用いられ、前後進切換装置24の歯車やベルト式無段変速機26のベルト挟圧部、回転軸受部等が潤滑されるとともに、図示しない循環油路等を経てオイルパン34へ戻されるようになっている。
油圧回路12は、機械式オイルポンプ40および電動式オイルポンプ42を備えており、機械式オイルポンプ40は前記エンジン20に連結されて機械的に回転駆動される一方、電動式オイルポンプ42は、ポンプ用電動モータ44によって任意の時間に任意の駆動トルクで回転駆動される。これ等の機械式オイルポンプ40および電動式オイルポンプ42は、共通の吸い込み口(ストレーナ)46を備えているとともに途中の分岐点48で分岐している吸入油路50、52に接続されており、トランスミッションケースの下部に設けられたオイルパン34に還流した作動油を吸い込み口46から吸い上げて吐出油路54、56に吐出する。吐出油路54、56は、連結点58で互いに連結されて油圧作動制御部32に作動油を供給するが、吐出油路54には、機械式オイルポンプ40から吐出された作動油が電動式オイルポンプ42側へ流入することを防止するための逆止弁60が設けられている。また、吐出油路54と吸入油路52との間には、リリーフ弁62を有する還流油路64が接続されており、吐出油路54内の油圧が所定のリリーフ圧以上になった場合には、その吐出油路54内の作動油がリリーフ弁62を介して吸入油路52へ還流されるようになっている。
車両10はまた、各種の制御を行なうコントローラとして車両制御用ECU(電子制御装置)70およびポンプ制御用ECU80を備えている。車両制御用ECU70およびポンプ制御用ECU80は、何れもマイクロコンピュータを備えて構成されており、RAM等の一時記憶機能を利用しつつROMに予め定められたプログラムに従って所定の信号処理を行う。車両制御用ECU70には、シフトレバー82のシフト操作を検出するシフト操作検出スイッチ84からシフト操作信号Pshが供給される他、エンジン回転速度NE、車速Vに対応する出力回転速度Nout 、アクセル操作量Acc、ブレーキ操作(踏込み操作)Brを表す信号など、各種の制御に必要な種々の情報が供給されるようになっている。シフトレバー82は、例えば運転席の近傍に配設され、少なくとも「D」位置、「R」位置、「P」位置、「N」位置へ手動操作されるようになっており、「D」位置への移動操作によって前進走行用のD(ドライブ)レンジを選択することができ、「R」位置への移動操作によって後進走行用のR(リバース)レンジを選択することができる。また、「P」位置は駐車用のP(パーキング)レンジを選択する位置で、「N」位置は動力伝達を遮断するN(ニュートラル)レンジを選択する位置である。
上記車両制御用ECU70は、例えばアクセル操作量Acc等に応じてエンジン20の出力制御を行うとともに、シフトレバー82によるレンジ選択操作に従って油圧作動制御部32を制御することにより、前後進切換装置24の作動モードを切り換える。具体的には、シフトレバー82によってDレンジが選択された場合には前記前進走行モードとし、Rレンジが選択された場合には前記後進走行モードとし、PレンジまたはNレンジが選択された場合には前記ニュートラルモードとする。すなわち、本実施例は、シフトレバー82のシフト操作に従ってシフトバイワイヤ方式で油圧作動制御部32の油路を電気的に切り換えて、前後進切換装置24の作動モードを制御するのである。車両制御用ECU70はまた、アクセル操作量Accや車速V等に応じて油圧作動制御部32を制御することにより、ベルト式無段変速機26の変速比を連続的に変化させるとともに、ベルト滑りが発生しないようにベルト挟圧力を制御する。
ポンプ制御用ECU80は、モータドライバー86を介してポンプ用電動モータ44を回転駆動することにより電動式オイルポンプ42から所定の油圧を出力するもので、必要油圧に応じて任意の時間に任意の駆動トルク(モータ電流)でポンプ用電動モータ44を回転駆動することができる。
前記車両制御用ECU70はまた、Dレンジでの走行中(停車時を含む)に一定の条件下でエンジン20を回転停止させるS&S制御を実行するS&S制御部72を備えている。このS&S制御部72はエコラン制御装置として機能する部分で、減速時S&S制御部74、停車時S&S制御部76、およびリバース移行制御部78を機能的に備えている。減速時S&S制御部74は減速時S&S制御を実行する。減速時S&S制御は、ブレーキが踏込み操作されたブレーキONの減速時に、エンジン20を動力伝達経路から切り離すとともに、エンジン20への燃料供給等を停止して回転停止させるものである。この減速時S&S制御ではまた、エンジン20の回転停止に伴う機械式オイルポンプ40の出力油圧PMOPの低下に拘らず、ベルト式無段変速機26のベルト挟圧力や各部の潤滑等に必要な油圧を確保できるように、エンジン回転速度NEが予め定められた判定値NE1以下になったら、ポンプ制御用ECU80を介してポンプ用電動モータ44を作動させることにより、電動式オイルポンプ42から予め定められた第1油圧PEOP1を出力させる。判定値NE1は、機械式オイルポンプ40によっては十分な油圧を確保することができなくなるエンジン回転速度NEで、電動式オイルポンプ42の出力油圧PEOPの立上りの応答遅れ等を考慮して定められる。また、第1油圧PEOP1は、例えばベルト滑りが発生しないように所定のベルト挟圧力を確保できる比較的高圧の油圧が定められる。
図3および図4は、上記S&S制御部72によってS&S制御が行なわれた時のレンジの変化、エンジン回転速度NEの変化、各部の油圧の変化を示したタイムチャートの一例であり、油圧の欄の「PEOP」は電動式オイルポンプ42の出力油圧、「PC1」は前進クラッチC1の係合油圧、「PB1」は後進ブレーキB1の係合油圧である。そして、図3および図4における時間t2よりも前の部分は、減速時S&S制御部74により減速時S&S制御が行なわれた時間で、時間t1でエンジン回転速度NEが判定値NE1以下になると、ポンプ用電動モータ44が作動させられて電動式オイルポンプ42から第1油圧PEOP1が出力されるようになる。
前記停車時S&S制御部76は停車時S&S制御を実行する。停車時S&S制御は、車両停止時に、エンジン20への燃料供給等を停止して回転停止させるとともに、ポンプ制御用ECU80を介してポンプ用電動モータ44を作動させることにより、電動式オイルポンプ42から予め定められた第2油圧PEOP2を出力させるものである。第2油圧PEOP2は、再発進に備えて前進クラッチC1を係合させたり所定のベルト挟圧力を確保しておくためのものであるが、油路の切換による流量増加等を考慮する必要がないとともに、車両が停止状態でベルト滑りを生じる恐れがないため、前記第1油圧PEOP1よりも低圧の油圧が設定される。この第2油圧PEOP2は待機油圧に相当する。図3および図4のタイムチャートにおける時間t2は、車両停止に伴って停車時S&S制御へ切り換えられた時間であり、所定の過渡制御を経て電動式オイルポンプ42の出力油圧PEOPが第2油圧PEOP2に保持されるようになる。それに伴い、前進クラッチC1の係合油圧PC1が第2油圧PEOP2と略同じ油圧とされて係合状態に保持される。
図4は、上記停車時S&S制御からそのまま通常走行へ復帰する場合で、時間t3でブレーキペダルの踏込みが解除されると(ブレーキOFF)、直ちにエンジン20が再始動される。前進クラッチC1は第2油圧PEOP2に基づいて係合状態に保持されているため、エンジン20の再始動に伴って駆動力が速やかに駆動輪30へ伝達される。また、エンジン20の再始動によるエンジン回転速度NEの上昇に追従して機械式オイルポンプ40の出力油圧PMOPが上昇すると、その出力油圧PMOPに基づいて前進クラッチC1の係合油圧PC1も上昇させられるため、一定時間経過した後、或いはエンジン回転速度NEが所定値に達した場合など、予め定められた所定のタイミング(時間t4)で電動式オイルポンプ42が停止させられる。
図5のタイムチャートは、前記減速時S&S制御部74を備えていない場合で、通常走行から直接停車時S&S制御が開始される。通常走行では前進クラッチC1が係合させられたままで、ブレーキON状態ではフューエルカット等によりエンジン20の作動が停止させられ、車速Vの低下に伴ってエンジン回転速度NEが低下させられる。そして、時間t1でエンジン回転速度NEが判定値NE1以下になると、ポンプ制御用ECU80を介してポンプ用電動モータ44を作動させることにより、電動式オイルポンプ42の出力油圧PEOPが一時的に前記第1油圧PEOP1まで上昇させられる。その後、時間t2で車両が停止すると停車時S&S制御が開始され、所定の過渡制御を経て電動式オイルポンプ42の出力油圧PEOPが第2油圧PEOP2に保持されるようになる。それに伴い、前進クラッチC1の係合油圧PC1が第2油圧PEOP2と略同じ油圧とされて係合状態に保持される。この図5は、図4のタイムチャートと同様に、ブレーキOFFに伴って停車時S&S制御からそのまま通常走行へ復帰させられた場合である。
一方、上記停車時S&S制御の実行中にシフトレバー82が「R」位置へ移動操作され、後進走行を行なうRレンジが選択された場合には、前記リバース移行制御部78によってリバース移行制御が実行される。このリバース移行制御は、図2のフローチャートの各ステップS1〜S6(以下、単にS1〜S6という)に従って実行される。図2のフローチャートは、停車時S&S制御の実行中に実行され、S1ではシフトレバー82が「R」位置へ移動操作されるDR切換が行なわれたか否かを判断する。DR切換が行なわれた場合にはS2が実行され、前進クラッチC1を解放するとともに後進ブレーキB1を係合させるように、言い換えれば前後進切換装置24を前進走行モードから後進走行モードへ切り換えるように、油圧作動制御部32の油路が切り換えられるとともに、S3で電動式オイルポンプ42の出力油圧PEOPが第2油圧PEOP2から高圧の第1油圧PEOP1へ切り換えられる。このように高圧の第1油圧PEOP1とされることにより、油路の切換による流量の増加に拘らず、後進ブレーキB1の係合油圧PB1が速やかに立ち上げられて、後進ブレーキB1が速やかに係合させられる。この時点では、車両は停止状態で且つエンジン20も回転停止しているため、動力伝達系の各部材が何れも回転停止状態であり、後進ブレーキB1を急係合させてもショックを生じる恐れがない。第1油圧PEOP1は、後進ブレーキB1を係合させるために油路を切り換えた際の流量の増加(油圧の低下)に拘らず、後進ブレーキB1を速やかに係合させることができる油圧である。図3のタイムチャートは、停車時S&S制御の実行中にDR切換が行なわれてリバース移行制御が実行された場合で、時間t3は、DR切換が行なわれてリバース移行制御が開始された時間である。なお、上記S2およびS3の実行は、何方を先に行なっても良いし同時でも良い。マニュアルバルブによって油路が機械的に切り換えられる場合は、S2の処理は不要である。
次のS4では、後進ブレーキB1が係合状態になったか否かを、例えばその係合油圧PB1を検出したり、経過時間を計測したりすることによって判断し、係合状態と判断できたら、S5でエンジン20を再始動する。また、エンジン20の再始動によるエンジン回転速度NEの上昇に追従して機械式オイルポンプ40の出力油圧PMOPが上昇させられるため、次のS6で電動式オイルポンプ42を停止させる。電動式オイルポンプ42の停止は、例えば機械式オイルポンプ40の出力油圧PMOPが所定値以上になった後、所定時間が経過した後、或いはエンジン回転速度NEが所定値に達した後など、エンジン20の始動後に予め定められた所定のタイミングで実行される。図3の時間t4は、S5でエンジン20が再始動させられた時間で、時間t5は、S6で電動式オイルポンプ42が停止させられた時間である。なお、図5のタイムチャートのように減速時S&S制御部74を備えていない場合でも、リバース移行制御部78を有する場合には、停車時S&S制御の実行中にDR切換が行なわれると、図2のフローチャートに従って信号処理が実行されることにより、図3のタイムチャートの時間t3以後と同様にリバース移行制御が行なわれる。
このように本実施例のエコラン制御、すなわちS&S制御部72によるS&S制御では、エコラン制御を解除する際に解放状態の油圧式摩擦係合装置を係合させる場合、具体的には停車時S&S制御の実行中にDR切換が行なわれて後進走行モードへ移行する場合に、後進ブレーキB1が係合した後にエンジン20を始動するため、後進ブレーキB1を係合させる際には動力伝達系の各部材が何れも回転停止状態であり、係合ショックが発生する恐れがなく、高圧の油圧により後進ブレーキB1を速やかに係合させることが可能で、その後のエンジン20の始動を含めて所定の応答性を確保できる。本実施例では、電動式オイルポンプ42の出力油圧PEOPを待機油圧である第2油圧PEOP2よりも高圧の第1油圧PEOP1に切り換え、その第1油圧PEOP1に基づいて後進ブレーキB1を係合させるため、油路の切換による流量増加に拘らず後進ブレーキB1を速やかに係合させることができる。
また、停車時S&S制御中の待機油圧である第2油圧PEOP2は低圧に維持され、停車時S&S制御を解除する際に解放状態の油圧式摩擦係合装置を係合させる場合、具体的には停車時S&S制御から後進走行モードへ移行する場合に、高圧の第1油圧PEOP1に切り換えれば良いため、ポンプ用電動モータ44の電流制御で高トルクを発生させて高圧にすることが可能であり、大型で高価なポンプ用電動モータを採用する必要がない。すなわち、モータ電流値を高くして高トルクを発生させる場合、その電流アップに伴って発熱量が大きくなるが、車両停止時の停車時S&S制御中は低圧の第2油圧PEOP2を出力すれば良いため、高圧の第1油圧PEOP1を出力する時間が限定的で、その発熱に起因するポンプ用電動モータ44の耐久性低下が抑制される。これにより、車両停止時の停車時S&S制御中を含めて、DR切換すなわち後進ブレーキB1の係合に備え、電動式オイルポンプ42により高油圧(例えば第1油圧PEOP1)を出力する場合に比較して、小型で安価なポンプ用電動モータ44を採用することができるのである。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両 20:エンジン 40:機械式オイルポンプ 42:電動式オイルポンプ 44:ポンプ用電動モータ 70:車両制御用ECU 72:S&S制御部(エコラン制御装置) B1:後進ブレーキ(油圧式摩擦係合装置) PEOP:電動式オイルポンプの出力油圧 PEOP1:第1油圧(高圧の油圧) PEOP2:第2油圧(待機油圧)

Claims (1)

  1. 走行用のエンジンと、動力伝達を接続遮断する油圧式摩擦係合装置と、前記エンジンにより回転駆動されて油圧を出力する機械式オイルポンプと、ポンプ用電動モータにより回転駆動されて油圧を出力する電動式オイルポンプと、を有する車両に関し、
    車両停止時に、前記エンジンを回転停止させるとともに、前記電動式オイルポンプから待機油圧を出力させるエコラン制御を行なうエコラン制御装置において、
    前記エコラン制御を解除する際に、解放状態の前記油圧式摩擦係合装置を係合させる場合には、前記エンジンの回転停止状態中に該油圧式摩擦係合装置が係合した後に前記エンジンを始動する
    ことを特徴とする車両のエコラン制御装置。
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