JP6139284B2 - シールドフィルム及びプリント配線板 - Google Patents

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Description

本発明は、シールドフィルム及びプリント配線板に関する。
ノイズ耐性を高めるために、回路基板等の配線板に電磁シールドを設けることがある。フレキシブルプリント配線板(FPC)にも、導電性フィラーを含有する接着剤からなる可撓性のシールド層や金属蒸着層からなる金属薄膜(導体層)を設けることが提案されている(特開平7−122882号公報)。そのようなシールド層は、配線板上に設けたグランド回路に電気的に接続されるように重畳して敷設されることが多い。また、通常、シールド層と他の回路等との短絡を防止するために、シールド層の外側には絶縁性の樹脂層が設けられる。さらに、絶縁性樹脂製の基材層の表面にシールド層を形成したシールドフィルムを用意し、配線板に貼着することで電磁シールドを形成することも上記文献において提案されている。
一方、近年の電子機器の小型化にともなって、より小さな径で折り曲げ可能なフレキシブルプリント配線板が求められている。そのようなフレキシブルプリント配線板にシールドフィルムを貼着して使用する場合、シールドフィルムにも高度な可撓性が求められる。
特開平7−122882号公報
フレキシブルプリント配線板のシールドフィルムには、曲げによるストレスが加わる。例えば、シールドフィルムを外側にしてフレキシブルプリント配線板を折り曲げると、シールドフィルムには引っ張り応力が加わる。樹脂製の基材層はそのような伸びを許容するが、金属製の導体層は伸び応力に耐えられず破断する場合がある。
また、部分的に補強板を有するフレキシブルプリント基板のように、表面に段差を有する配線板にシールドフィルムを貼着する場合、段差形状に合わせてシールドフィルムが折り曲げられるので、シールドフィルムに大きな曲げ応力が加わる。この曲げ応力は、導体層の破断を誘発する可能性がある。このようにして、シールドフィルムの導体層が完全に破断すると、導体層の一部がグランドから切り離されて電磁シールドとしての機能を十分に果たせなくなるおそれがある。
一方、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂などの高強度の材料や高強度の繊維からなる高密度な織布や不織布を基材層に用いた場合、基材層の強度が強くなるので導体層の破断は防止できるが、基材層ひいてはシールドフィルムの柔軟性が低下するのでシールドフィルムを平坦でない基板などに貼着する工程やシールドフィルムを基板に接着した後の曲げ工程などの加工が困難となる。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、柔軟性と加工性とを維持しつつ、折り曲げても導体層が完全に破断されず導通が保たれることにより電磁シールド効果が低下し難いシールドフィルム、及びこのシールドフィルムを用いたプリント配線板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
絶縁性の合成樹脂製の基材層と、この基材層の一方の面に積層される金属製又は金属化合物製の導体層と、この導体層の一方の面に積層される接着剤層とを備えるシールドフィルムであって、
少なくとも上記導体層又は上記導体層の界面近傍に複数の繊維が分散して存在することを特徴とするシールドフィルムである。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、
可撓性を有する基板と、
この基板の表面側に接着剤層により積層される当該シールドフィルムと
を備えるプリント配線板である。
本発明のシールドフィルムは、導体層内又は導体層の界面近傍に存在する複数の繊維が折り曲げにより生じる導体層の亀裂の拡大を抑制する。このため、当該シートフィルムは、柔軟性を有しつつ、導体層が完全には断裂せず導通を保つので、折り曲げても電磁シールド効果が低下し難い。また、本発明のプリント配線板は、当該シールドフィルムの電磁シールド効果が低下し難いので、ノイズ耐性が低下し難い。
図1は、本発明の一実施形態のプリント配線板を示す模式的断面図である。 図2は、図1のプリント配線板を拡大して示す模式的断面図である。 図3は、図1のプリント配線板の表面を拡大して示す模式的平面図である。 図4は、図1のプリント配線板とは異なる実施形態のプリント配線板を示す模式的断面図である。 図5は、図2及び図4のプリント配線板とは異なる実施形態のプリント配線板を示す模式的断面図である。 図6は、図1、図4及び図5のプリント配線板とは異なる実施形態のプリント配線板を示す模式的断面図である。 図7は、図1、図4、図5及び図6のプリント配線板とは異なる実施形態のプリント配線板を示す模式的断面図である。 図8は、図1及び図4から図7のプリント配線板とは異なる実施形態のプリント配線板を示す模式的断面図である。 図9は、図1及び図4から図8のプリント配線板とは異なる実施形態のプリント配線板を示す模式的断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明は、
絶縁性の合成樹脂製の基材層と、この基材層の一方の面に積層される金属製又は金属化合物製の導体層と、この導体層の一方の面に積層される接着剤層とを備えるシールドフィルムであって、
少なくとも上記導体層又は上記導体層の界面近傍に複数の繊維が分散して存在することを特徴とするシールドフィルムである。
当該シールドフィルムにおいて、導体層内又は導体層の近傍に分散して存在する繊維が、導体層の繊維方向への伸縮を制限することによって、当該シールドフィルムの加工時の引張などの変形に起因して導体層の一部に亀裂が発生しても、繊維の周囲の導体層に亀裂が拡大すること抑制する。このため、当該シールドフィルムは、導体層が完全に断裂する危険性が低く導電性を維持できる。さらに、繊維が分散していることにより、導体層の近傍に繊維が存在していない局所領域では導体層の変形や亀裂が生じ得るので、当該シールドフィルムの折り曲げ等の加工が可能となる。このようにして、当該シールドフィルムは、導体層全体の導通を確保して導体層の一部が電気的に分離されることによる電磁シールド性の低下を防止できるとともに、柔軟性の高い加工特性を有する。
上記導体層内に存在又は上記導体層の界面からの距離が上記複数の繊維の平均径以下の領域に存在する上記複数の繊維の当該シールドフィルムの断面単位長さあたりの本数としては、10本/cm以上が好ましい。繊維がこの断面単位長さあたりの本数以上であれば、当該シールドフィルムの変形より導体層のいずれの場所にどのような向きに亀裂が生じても、生じた亀裂の延長線上に複数の繊維が存在すると予想される。これにより、仮に一本の繊維が断裂して亀裂の伸長を許しても、他の繊維が亀裂のさらなる伸長を防止する。従って、当該シールドフィルムは、導体層の完全な断裂を防止できるので電磁シールド性が低下し難い。
上記複数の繊維の存在箇所が上記基材層であるとよい。このように繊維が基材層中に存在することによって、繊維が導体層の可撓製や導電性を損なわない。また、基材層は導体層に隣接しているので、繊維が導体層の亀裂の拡大を抑制する十分な効果が得られる。
上記基材層の一方の面に上記複数の繊維による微細凹凸が形成されているとよい。つまり、上記繊維は、上記基材層から露出しないように上記基材層又は上記接着剤層の材料によって被覆されていることが好ましい。基材層は繊維が露出する部分が破断し易くなり、基材層の破断が導体層の破断を招くおそれがある。また、基材層の表面に凹凸を形成する程に大きな(例えば基材層の平均厚みと同程度の)径を有する繊維を使用することで、繊維の断裂を防止して導体層の完全な断裂を防止する作用を担保できる。
上記複数の繊維の存在箇所が上記接着剤層であるとよい。このように接着剤層に繊維を混合することは比較的容易であるため、設計の自由度が高く、多様な繊維を使用でき、配合量の幅も広い。
上記繊維の平均繊維長としては、0.1mm以上10mm以下が好ましい。平均繊維長が上記下限値未満であると、導体層に生じた亀裂の成長を十分に防止できないおそれがある。また、平均繊維長が上記上限値を超えると、シールドフィルムの可撓性を損なうおそれがある。
従って、可撓性を有する基板と、この基板の表面側に接着剤層により積層される上記いずれかの構成からなる当該シールドフィルムとを備えるプリント配線板は、折り曲げられたり当該シールドフィルムを敷設した表面に段差を有したりしていても当該シールドフィルムの導体層の完全な破断による電磁シールド性の低下が起こり難い。
ここで、「導体層の界面近傍」とは、導体層のいずれか一方の面から一定距離(好ましくは繊維の平均径の2倍)以内にある領域を意味する。また、「複数の繊維の当該シールドフィルムの断面単位長さあたりの本数」とは、当該シールドフィルムを断面した場合において、当該シールドフィルムの断面の単位長さ(1cm)あたりの断面されている繊維の本数であり、例えば、当該シールドフィルムの十分に長い断面において断面されている繊維の全本数を計数し、この全本数を断面の長さで除することで得られる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る圧電基板の各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
[第一実施形態]
<プリント配線板>
図1及び図2のプリント配線板1は、可撓性を有する基板2と、この基板2の表面に貼着して積層されたシールドフィルム3とを備える。
(基板)
基板2はベースフィルム4と、このベースフィルム4の表面に積層された導電パターン5と、この導電パターン5の表面に積層されたカバーレイ6とを有する。
ベースフィルム4は、可撓性及び電気絶縁性を有するシート状部材で構成されている。このベースフィルム4としては、具体的には樹脂フィルムを採用可能である。この樹脂フィルムの材料としては、例えばポリイミド脂樹、ポリエチレンテレフタレート脂樹等が好適に用いられる。
ベースフィルム4の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。ベースフィルム4の平均厚さが上記下限未満の場合、ベースフィルム4の強度が不十分となるおそれがある。一方、ベースフィルム4の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、50μmがより好ましい。ベースフィルム4の平均厚さが上記上限を超える場合、当該プリント配線板1が不要に厚くなるおそれがある。
導電パターン5は、ベースフィルム4に積層された金属層をエッチングすることによって所望の平面形状(パターン)に形成されている。この導電パターン5を形成する金属層は、導電性を有する材料で形成可能であるが、一般的には例えば銅によって形成されている。
上記金属層をベースフィルム4に積層する方法としては、特に限定されず、例えば金属箔を接着剤で貼り合わせる接着法、金属箔上にベースフィルム4の材料である樹脂組成物を塗布するキャスト法、スパッタリングや蒸着法でベースフィルム4上に形成した厚さ数nmの薄い導電層(シールド層)の上に電解メッキで金属層を形成するスパッタ/メッキ法、金属箔を熱プレスで貼り付けるラミネート法等を用いることができる。
上記導電パターン5の平均厚さの下限としては、2μmが好ましく、5μmがより好ましい。導電パターン5の平均厚さが上記下限未満の場合、導通性が不十分となるおそれがある。一方、導電パターン5の平均厚さの上限としては、30μmが好ましく、20μmがより好ましい。導電パターン5の平均厚さが上記上限を超える場合、当該プリント配線板1が不要に厚くなるおそれがある。
カバーレイ6は絶縁層と接着層とを有し、この接着層を介して上記導電パターン5及びベースフィルム4の表面に絶縁層が積層されたものである。この絶縁層の材質としては特に限定されるものではないが、ベースフィルム4を構成する樹脂フィルムと同様のものを使用することができる。
カバーレイ6の絶縁層の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。カバーレイ6の絶縁層の平均厚さが上記下限未満の場合、絶縁性が不十分となるおそれがある。一方、カバーレイ6の絶縁層の平均厚さの上限としては、25μmが好ましく、12.5μmがより好ましい。カバーレイ6の絶縁層の平均厚さが上記上限を超える場合、当該プリント配線板1が可撓性を損なうおそれがある。
また、カバーレイ6の接着層を構成する接着剤としては、特に限定されるものではないが、柔軟性や耐熱性に優れたものが好ましく、かかる接着剤としては、例えば、ナイロン系、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂等の、各種の樹脂接着剤が挙げられる。カバーレイ6の接着層の平均厚さとしては、特に限定されるものではないが、20μm以上30μm以下が好ましい。カバーレイ6の接着層の平均厚さが上記下限未満であると接着性が不十分となるおそれがあり、また上記上限を超えると当該プリント配線板1が可撓性を損なうおそれがある。
(シールドフィルム)
シールドフィルム3は、基材層7と、この基材層7の一方の面(裏面)に積層された導体層8と、この導体層8の一方の面(裏面)に積層された接着剤層9とを備える。またシールドフィルム3は、導体層8に隣接する基材層7の内部に存在する複数の繊維10を有する。従って、これらの繊維10は導体層8の界面近傍に存在している。
基材層7は、シールドフィルム3の強度を確保する部材である。導体層8は、電磁波を遮蔽する電磁シールドを提供する層である。接着剤層9は、シールドフィルム3を基板2に貼着して積層可能とする層である。
シールドフィルム3の平均厚みの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。シールドフィルム3の平均厚みが上記下限未満の場合、基材層7、導体層8及び接着剤層9の各層の厚みを十分に確保することができないおそれがある。一方、シールドフィルム3の平均厚みの上限としては、200μmが好ましく、50μmがより好ましい。シールドフィルム3の平均厚みが上記上限を超える場合、当該シールドフィルム3ひいては当該プリント配線板1が不要に厚くなったり、可撓性が不十分となったりするおそれがある。
〔基材層〕
基材層7は、フィルム状に形成された絶縁性を有する合成樹脂製の層であり、可撓性を有する。上記合成樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などが使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、架橋ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリベンツイミダゾール樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂などが例示される。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂などが例示される。紫外線硬化性樹脂としては、熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型などの樹脂が使用でき、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、それらのメタクリレート変性品などが例示される。
なお、基材層7は、異なる合成樹脂を主成分とする複数の層を積層した多層構造を有していてもよい。
基材層7の平均厚さの下限としては、0.1μmが好ましく、0.5μmがより好ましい。基材層7の平均厚さが上記下限未満の場合、当該シールドフィルム3の強度が不十分となるおそれがある。一方、基材層7の平均厚さの上限としては、200μmが好ましく、100μmがより好ましい。基材層7の平均厚さが上記上限を超える場合、当該シールドフィルム3ひいては当該プリント配線板1が不要に厚くなったり、可撓性が不十分になったりするおそれがある。
基材層7の引っ張り強度の下限としては、0.5MPaが好ましく、1MPaがより好ましい。基材層7の引っ張り強度が上記下限値未満の場合、当該シールドフィルム3の強度が不十分となるおそれがある。基材層7の引っ張り強度の上限としては、30MPaが好ましく、20MPaがより好ましい。基材層7の引っ張り強度が上記上限値を越える場合、当該シールドフィルム3の可撓性が不十分となるおそれがある。なお、基材層7の引っ張り強度は、JIS K7127に準拠して測定される。
〔導体層〕
導体層8は、金属製又は金属化合物製の層である。導体層8を形成する金属としては、ニッケル、銅、銀、アルミニウム、金等が使用でき、導体層8を形成する金属化合物としては、ITOのような導電性の金属化合物が使用できる。導体層8は、蒸着等の公知の製膜技術を用いて基材層7に積層してもよく、金属箔を導体層8として利用し、この導体層8の表面に塗工等の公知の樹脂成形技術を用いて合成樹脂製の基材層7を形成してもよい。導体層8は、当該シールドフィルム3を折り曲げたときに弾性変形することが好ましいが、現実的には、シールドフィルム3の折り曲げ半径が小さくなると、組成変形及び微少な亀裂を生じることによって、当該シールドフィルム3に可撓性を提供する。
導体層8の平均厚さの下限としては、0.01μmが好ましく、0.1μmがより好ましい。導体層8の平均厚さが上記下限未満の場合、連続した層の形成が比較的難しい上、導体層8が断裂し易くなるおそれがある。導体層8の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、20μmがより好ましい。導体層8の平均厚さが上記上限を超える場合、当該シールドフィルム3ひいては当該プリント配線板1の可撓性が不十分になるおそれがある。
〔接着剤層〕
接着剤層9を構成する接着剤の主成分としては、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ゴム等が使用できる。接着剤層9として、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂等を主成分とする粘着剤を用いれば、シールドフィルム3を基板2に簡単に貼着できる。
接着剤層9の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、5μmがより好ましい。接着剤層9の平均厚さが上記下限未満の場合、均一な接着剤層の形成が容易ではない。一方、着剤層9の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、50μmがより好ましい。着剤層9の平均厚さが上記上限を超える場合、当該シールドフィルム3ひいては当該プリント配線板1が不要に厚くなるおそれがある。
〔繊維〕
繊維10は、図3に示すように、繊維の向きが平面視でランダムになるように、基材層7中に略均一に分散されている。なお、必ずしも、図示するように基材層7の外側から内部の繊維10が視認できる必要はない。繊維10としては、特に限定されないが、ガラス繊維、アルミナ繊維のようなセラミックス繊維、炭素繊維、アラミド繊維のようなプラスチック繊維などが好適に使用できる。
また、繊維10として、導電性の繊維を使用してもよい。繊維10が導電性を有していれば、導体層8に生じた亀裂の両側に接触する繊維10が亀裂の両側の導体層8を電気的に接続するので、微少な亀裂による導通性の低下を抑制できる。これにより、当該シールドフィルム3の電磁シールド性の低下をより確実に抑制できる。なお、導電性の繊維としては、金属繊維の他、上記セラミックス繊維、炭素繊維、プラスチック繊維などを導電性の材料でコーティングしたものも使用できる。
繊維10の平均径の下限としては、0.01μmが好ましく、0.05μmがより好ましい。繊維10の平均径が上記下限未満の場合、繊維10が断裂しやすく、導体層8に生じた亀裂の拡大を十分に抑制できないおそれがある。一方、繊維10の平均径の上限としては、10μmが好ましく、50μmがより好ましい。繊維10の平均径が上記上限を超える場合、当該シールドフィルム3ひいては当該プリント配線板1が不要に厚くなったり、可撓性が不十分となったりするおそれがある。なお、導電性の繊維10を使用する場合、基材層7の表面の絶縁性を確保するために、繊維10が基材層7の表面に露出しないようにすることが好ましい。このため、繊維10の平均径は、基材層7の平均厚みの1/2未満であることが好ましい。
繊維10の平均繊維長の下限としては、0.1mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。繊維10の平均繊維長が上記下限未満の場合、導体層8に生じた亀裂の両側に跨って繊維10が存在する確率が低く、導体層8の亀裂の拡大を十分に防止できないおそれがある。一方、繊維10の平均繊維長の上限としては、10mmが好ましく、5mmがより好ましい。繊維10の平均繊維長が上記上限を超える場合、繊維10が基材層7の変形を阻害して、可撓性が不十分となるおそれがある。
繊維10の引張強度は、基材層7の引張強度よりも相対的に大きければよく、基材層7の材質や構造との関係から相対的に選択すればよいが、繊維10の引っ張り強度の下限値としては、30MPaが好ましく、50MPaがより好ましい。繊維10の引っ張り強度が上記下限値未満の場合、繊維が破断して導体層8の破断を抑制することができないおそれがある。一方、繊維10の引っ張り強度の上限値としては、100000MPaが好ましく、10000MPaがより好ましい。繊維10の引っ張り強度が上記上限値を越える場合、当該シールドフィルム3の可撓性が不十分になるおそれがある。なお、繊維10の引っ張り強度(MPa)は、JIS L1015に準拠して測定した引っ張り強さ(N/tex)及び比重から算出する値である。
導体層8の界面からの距離が繊維10の平均径以下の領域に存在する複数の繊維10の当該シールドフィルム3の断面単位長さあたりの本数の下限としては、10本/cmが好ましく、50本/cmがさらに好ましい。上記領域における繊維10の当該シールドフィルム3の断面単位長さあたりの本数が上記下限未満の場合、導体層8の亀裂を抑制する繊維10の数が不足し、導体層8の断裂を防止できないおそれがある。また、上記領域における繊維10の当該シールドフィルム3の断面単位長さあたりの本数の上限としては、100000本/cmが好ましく、10000本/cmがより好ましい。上記領域における繊維10の当該シールドフィルム3の断面単位長さあたりの本数が上記上限を超える場合、当該シールドフィルム3ひいては当該プリント配線板1の可撓性が不十分となるおそれがある。
[利点]
当該シールドフィルム3は、導体層8に隣接する基材層7の内部、即ち導体層8の界面の近傍に向きがランダムな多数の繊維10が存在している。これらの繊維10は、当該シールドフィルム3の折り曲げなどによって導体層8生じた亀裂の拡大を抑制する。詳しく説明すると、導体層8の界面の近傍、特に導体層8の界面からの距離が繊維10の平均径以下の領域に存在する繊維10は、基材層7の合成樹脂によって、導体層8に生じた亀裂の両側に跨るように導体層8上に接着されていると言える。それらの繊維10は、導体層8に生じた亀裂の幅の拡がりを抑制し、亀裂の端部に応力が集中して亀裂の長さが延長することを防止する。これにより、導体層8は、完全に分断されることがなく、全体の導通が維持される。つまり、基材層7中に繊維10が存在すること、すなわち導体層8の界面近傍に繊維10が存在することにより、導体層8の一部が電気的に切り離されて導体層8の電磁シールドとしての機能が低下することを防止する。
よって、当該シールドフィルム3を備えるプリント配線板1は、電磁ノイズの影響を受け難く、折り曲げてもノイズ耐性が低下し難い。
[第二実施形態]
<プリント配線板>
図4のプリント配線板11は、可撓性の基板2と、この基板2の表面側に積層されたシールドフィルム3と、基板2とシールドフィルム3との間の配設された補強板12とを備える。補強板12は、平面視で基板2の一部分のみ、例えば電子部品の実装箇所だけを覆っている。従って、シールドフィルム3は、基板2と補強板12によって形成された微少な段差に沿って折り曲げて貼着されている。なお、基板2及びシールドフィルム3の構成については、図2の基板2及びシールドフィルム3と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
(補強板)
補強板12は、金属製又は樹脂製の板状部材である。補強板12を形成する金属としては、特に限定されず、例えばステンレス鋼、アルミニウム等を用いることができる。また、補強板12を形成する樹脂としては、液晶ポリマー等を用いることができる。
補強板12の平均厚さとしては、特に限定されるものではないが、1mm以上2mm以下が好ましい。補強板12の平均厚さが上記下限未満であると強度が不十分となるおそれがあり、補強板12の平均厚さが上記上限を超えると当該プリント配線板11が不要に厚くなるおそれや重くなるおそれがある。
[利点]
当該プリント配線板11では、シールドフィルム3が基板2と補強板12との段差に合わせて略直角に折り曲げられているが、シールドフィルム3の基材層7の中に配合された多数の繊維10が導体層8の断裂を防止する。このため、当該プリント配線板11は、補強板12により形成された段差部分で導体層8が分断されて電磁シールドとしての機能が低下する危険性が低い。
[第三実施形態]
<プリント配線板>
図5のプリント配線板21は、可撓性を有する基板2と、この基板2の表面に積層されたシールドフィルム23とを備える。なお、基板2の構成については、図2の基板2と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
(シールドフィルム)
当該シールドフィルム23は、合成樹脂製の基材層27と、この基材層27の一方の面(裏面)に積層された導体層8と、この導体層8の一方の面(裏面)に積層された接着剤層9とを備える。また、このシールドフィルム23では、基材層27の中の導電層8の近傍部分のみに繊維10が存在している。つまり、基材層27の表面側には実質的に繊維が存在しない。なお、導体層8及び接着剤層9の構成については、図2の導体層8及び接着剤層9と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
〔基材層〕
基材層27を形成する合成樹脂の材料としては、図2の基材層7を形成する合成樹脂と同様のものが使用される。導電層8の近傍部分のみに繊維10を分散させた基材層27は、繊維10を含まない合成樹脂製フィルムと、繊維10を分散した合成樹脂製フィルムとを貼り合わせて製造してもよい。
〔繊維〕
繊維10の材質及び寸法並びに導体層8の界面からの距離が繊維10の平均径以下の領域における繊維10の当該シールドフィルム23の断面単位長さあたりの本数については、図2の繊維10と同様であるため、説明を省略する。
[利点]
当該シールドフィルム23は、基材層27の導体層8の近傍範囲にのみ繊維10を配合すること、つまり導体層8のから遠い範囲の繊維10の配合量、すなわち導体層8の変形及び断裂の抑制に寄与しない繊維10の配合量を減らすことによって、基材層27ひいては当該シールドフィルム23の可撓性を高めながら、導体層8に生じた亀裂の拡大を効率よく抑制できる。
[第四実施形態]
<プリント配線板>
図6のプリント配線板31は、可撓性を有する基板2と、この基板2の表面に積層されたシールドフィルム33とを備える。なお、基板2の構成については、図2の基板2と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
(シールドフィルム)
当該シールドフィルム33は、合成樹脂製の基材層37と、この基材層37の裏面に積層された導体層38と、この導体層38の裏面に積層された接着剤層9とを備える。また、このシールドフィルム33では、導体層38の内部のみに繊維10が存在している。つまり、他の層が実質的に繊維10を含まない。なお、接着剤層9の構成については、図2の接着剤層9と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
〔基材層〕
基材層37は、図2の基材層7と同様の合成樹脂で形成した層であるが、図2の基材層7と異なり繊維を含んでいない。基材層37を構成する合成樹脂については、図2の基材層7と同様であるため、説明を省略する。
〔導体層〕
導体層38は、図2の導体層8と同様の金属又は金属化合物で形成した層である。この導体層38の中には、その向きが平面視でランダムとなるように繊維10が分散されている。このように、内部に繊維10が分散された導体層38は、例えば導体層38を基材層37の裏面に積層する工程の途中で繊維10を散布することで形成できる。また、複数の金属箔の間に繊維10を配置し、金属箔同士を圧接して導体層38を形成してもよい。
導体層38の平均厚さの下限としては、0.2μmが好ましく、0.5μmがより好ましい。導体層38の平均厚さが上記下限未満の場合、繊維10によって導体層38が分断されるおそれがある。導体層38の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、20μmがより好ましい。導体層38の平均厚さが上記上限を超える場合、当該シールドフィルム33ひいては当該プリント配線板31の可撓性が不十分になるおそれがある。
〔繊維〕
繊維10の材質及び寸法については、図2の繊維10と同様であるため、説明を省略する。図2のシールドフィルム3では繊維10が導体層8の表面に存在しているのに対して、当該シールドフィルム33では繊維10が導体層38の内部に存在しているという違いはあるものの、当該シールドフィルム33における繊維10の機能については図2のシールドフィルム3と同様である。導体層38の内部に存在する繊維10の当該シールドフィルム33の断面単位長さあたりの本数の下限としては、10本/cmが好ましく、50本/cmがさらに好ましい。導体層38内に存在する繊維10の断面単位長さあたりの本数が上記下限未満の場合、導体層38の亀裂を抑制する繊維10の数が不足し、導体層38の断裂を十分に防止できないおそれがある。導体層38内に存在する繊維10の断面単位長さあたりの本数の上限としては、100000本/cmが好ましく、10000本/cmがより好ましい。導体層38内に存在する繊維10の断面単位長さあたりの本数が上記上限を超える場合、当該シールドフィルム33ひいては当該プリント配線板31の可撓性が不十分となるおそれがある。
[利点]
当該シールドフィルム33は、導体層38の内部に繊維10を含むので導体層38の断裂をより確実に抑制できる。このため、当該シールドフィルム33は、電磁シールドとしての機能が低下し難い。
[第五実施形態]
<プリント配線板>
図7のプリント配線板41は、可撓性を有する基板2と、この基板2の表面に積層されたシールドフィルム43とを備える。なお、基板2の構成については、図2の基板2と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
(シールドフィルム)
当該シールドフィルム43は、合成樹脂製の基材層37と、この基材層37の裏面に積層された導体層8と、この導体層8の裏面に積層された接着剤層49とを備える。また、このシールドフィルム43では、接着剤層49の内部のみに繊維10が存在する。つまり、他の層が実質的に繊維10を含まない。なお、基材層37の構成については、図6の基材層37と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。また、導体層8の構成については、図2の導体層8と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
〔接着剤層〕
接着剤層49は、接着剤からなる層である。接着剤層49を構成する接着剤の材質としては、図2の接着剤層9と同様のものが使用できる。接着剤層49の平均厚さについても、図2の接着剤層9と同様である。
〔繊維〕
繊維10は、接着剤層49中に平面視ランダムな向きに分散されている。繊維10の材質及び寸法については、図2の繊維10と同様であるため、説明を省略する。また、繊維10と導体層8との間に介在して、繊維10の張力を導体層8に伝達するものが、図2では基材層7の合成樹脂であるのに対して、図5では接着剤層9の接着剤であるものの、繊維10が導体層8の変形を制限する作用については同じである。従って、導体層8の界面からの距離が繊維10の平均径以下の領域に存在する繊維10の断面単位長さあたりの本数については、図2の繊維10と同様であるため、説明を省略する。
[利点]
シールドフィルム43は、粘性流体である接着剤に繊維10を分散させるので、繊維10の配合が比較的容易であり、設計の自由度が高く、多様な繊維を使用でき、配合量の幅も広い。
[第六実施形態]
<プリント配線板>
図8のプリント配線板51は、可撓性を有する基板2と、この基板2の表面に積層されたシールドフィルム53とを備える。なお、基板2の構成については、図2の基板2と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
(シールドフィルム)
シールドフィルム53は、合成樹脂製の基材層57と、この基材層57の裏面に積層された金属製又は金属化合物製の導体層58と、この導体層58の裏面に積層された接着剤層9とを備える。このシールドフィルム53では、繊維10が平面視ランダムな向きで基材層57と導体層58とに跨る範囲に存在している。なお、接着剤層9の構成については、図2の接着剤層9と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。また、繊維10の材質や寸法についても、図2の繊維10と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
基材層57を構成する合成樹脂については、図2の基材層7を形成する合成樹脂と同様のものが使用される。また、導体層58を構成する金属又は金属化合物については、図2の導体層8と同様のものが使用される。
基材層57と導体層58とに跨る繊維10の配置は、例えば、熱可塑性樹脂を加熱溶融してフィルム状に流延し、樹脂が硬化する前に樹脂フィルムの表面に繊維を散布してから冷却し、樹脂を硬化して基材層57を形成した後に、導体層58を積層することで実現可能である。
当該シールドフィル53における繊維10の配合量については、導体層58内に存在する繊維10の断面単位長さあたりの本数と導体層58の界面からの距離が繊維10の平均径以下である基材層57内の領域に存在する繊維10の断面単位長さあたりの本数との合計量を考慮する必要がある。導体層58内に存在する繊維10及び導体層58からの距離が繊維10の平均径以下の領域に存在する繊維10の断面単位長さあたりの本数の下限としては、10本/cmが好ましく、50本/cmがさらに好ましい。繊維10の断面単位長さあたりの本数が上記下限未満の場合、導体層58の亀裂を抑制する繊維10の数が不足し、導体層58の断裂を防止できないおそれがある。繊維10の断面単位長さあたりの本数の上限としては、100000本/cmが好ましく、10000本/cmがより好ましい。繊維10の断面単位長さあたりの本数が上記上限を超える場合、当該シールドフィルム53ひいては当該プリント配線板51の可撓性が不十分となるおそれがある。
[利点]
当該シールドフィルム53は、導体層58の表面近傍(導体層58の内部を含む)に集中して繊維10を含むことにより導体層58の断裂をより確実に抑制できるので、電磁シールドとしての機能が低下し難い。また、当該シールドフィルム53は、導体層58の表面近傍以外には繊維10を含まないので、可撓性に優れる。
[第七実施形態]
<プリント配線板>
図9のプリント配線板61は、可撓性を有する基板2と、この基板2の表面に積層されたシールドフィルム63とを備える。なお、基板2の構成については、図2の基板2と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
(シールドフィルム)
シールドフィルム63は、合成樹脂製の基材層67と、この基材層67の裏面に積層された金属製又は金属化合物製の導体層8と、この導体層8の裏面に積層された接着剤層9とを備える。このシールドフィルム63では、繊維70が平面視ランダムな向きで基材層67の中にのみ存在している。なお、導体層8及び接着剤層9の構成については、図2の導体層8及び接着剤層9と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
〔基材層〕
基材層67を構成する合成樹脂については、図2の基材層7を形成する合成樹脂と同様のものが使用される。この基材層67は、その内部に向きがランダムになるように比較的径が大きい複数の繊維70が分散されている。
〔繊維〕
繊維70の材質については、図2の繊維10と同様のものが使用される。しかしながら、この繊維70は、平均径が基材層67の平均厚みと同じオーダーである。このため、基材層67の合成樹脂に覆われた繊維70は、基材層67の表面に自身の形状に倣う微細凹凸を形成している。
このような繊維70の平均径の下限としては、基材層67の平均厚みの0.25倍が好ましく、0.5倍がより好ましい。繊維70の平均径が上記下限未満の場合、基材層67の表面に微細凹凸が形成され難いだけでなく、繊維の強度が不足して導体層8の亀裂の拡大を十分に抑制できないおそれがある。また、繊維70の平均径の上限としては、基材層67の平均厚みの1.2倍が好ましく、1.1倍がより好ましい。繊維70の平均径が上記上限を越える場合、繊維70が基材層67の表面に露出し、基材層67の強度を損なうおそれがある。
[利点]
基材層67の表面に凹凸を形成する程に径が大きい繊維70は破断し難いため、導体層8に生じた亀裂の拡大を確実に抑制できる。よって、当該シールドフィルム63は、電磁シールドとしての機能が低下し難い。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
当該プリント配線板は、両面に当該シールドフィルムが積層されていてもよい。また、当該プリント配線板は、複数の基板を有する多層構造であってもよい。
当該シールドフィルムにおいて、繊維は、基材層、導体層及び接着剤層のすべてに跨る範囲に存在してもよく、導体層と接着剤層に跨る範囲に存在してもよい。
また、当該シールドフィルムにおいて、基板は、カバーレイがソルダーレジスト等であってもよく、当該シールドフィルムの接着剤層が絶縁性を有する場合にはカバーレイが省略されてもよい。また、基板は、複数層のベースフィルムや導電パターンを有してもよく、補強板を内部に配設したものであってもよい。
さらに、当該シールドフィルムは、繊維が一方向又は複数の方向に配向されていてもよい。
以上のように、本発明のプリント配線板は、電磁シールド性が高く、小型の電子機器に用いられるプリント配線板などに好適に用いることができる。
1、11、21、31、41、51、61 プリント配線板
2 基板
3、23、33、43、53、63 シールドフィルム
4 ベースフィルム
5 導電パターン
6 カバーレイ
7、27、37、57、67 基材層
8、38、58 導体層
9、49 接着剤層
10、70 繊維

Claims (6)

  1. 絶縁性の合成樹脂製の基材層と、この基材層の一方の面に積層される金属製又は金属化合物製の導体層と、この導体層の一方の面に積層される接着剤層とを備えるシールドフィルムであって、
    少なくとも上記導体層又は上記導体層の界面近傍に複数の繊維が分散して存在し、
    上記導体層内に存在又は上記導体層の界面からの距離が上記複数の繊維の平均径以下の領域に存在する上記複数の繊維の当該シールドフィルムの断面単位長さあたりの本数が10本/cm以上であることを特徴とするシールドフィルム。
  2. 上記複数の繊維の存在個所が上記基材層である請求項1に記載のシールドフィルム。
  3. 上記基材層の一方の面に上記複数の繊維による微細凹凸が形成されている請求項2に記載のシールドフィルム。
  4. 上記複数の繊維の存在個所が上記接着剤層である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のシールドフィルム。
  5. 上記繊維の平均繊維長が0.1mm以上10mm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシールドフィルム。
  6. 可撓性を有する基板と、
    この基板の表面側に接着剤層により積層される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシールドフィルムと
    を備えるプリント配線板。
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