JP6139249B2 - 試料保持具 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体集積回路の製造工程または液晶表示装置の製造工程等において用いられる、半導体ウエハ等の各試料を保持する際に用いられる試料保持具に関するものである。
半導体集積回路の製造に用いられるシリコンウエハを始めとする半導体ウエハまたは液晶表示装置の製造に用いられるガラス基板等の板状の試料は、それらの製造工程において製造装置または検査装置の支持台の上に保持されて、加工処理または検査等が行なわれる。製造工程では、複数の製造装置および検査装置を使用することが一般的であり、シリコンウエハ等の試料を支持台に保持するための手段は、製造工程中の製造装置および検査装置の種類ならびに次の装置にまで搬送するための搬送装置の種類に応じて様々な形態のものが提案されている。
半導体集積回路を例にとると、半導体集積回路の微細化および高密度化の要求は、近年さらに高まっている。これに伴って、試料保持具は、試料を保持する面における均熱性がさらに求められている。
特許文献1には、複数のセラミック層から成る静電チャックが開示されており、この静電チャックには、中間のセラミック層に冷媒を流すための流路が形成されている。これによって、各部における加熱と冷却とのバランスを調整することで静電チャックの表面における均熱性を高めることができる。
特開平3−108737号公報
しかしながら、特許文献1に記載された静電チャックのように、基体がセラミック層の積層体で構成される場合には、流路に冷媒等の熱媒体を流したときに、熱媒体との接触によってセラミック層が劣化することがあり、流路の内表面を起点としてセラミック層に剥がれが生じる可能性があった。その結果、静電チャックの表面において均熱性が低下してしまう場合があった。
本発明の一態様の試料保持具は、セラミックスから成り上面に試料保持面を有するとともに内部に熱媒体の流路を有する基体と、前記流路の内表面を被覆している被覆膜とを具備しており、前記流路の前記内表面が複数の面から成るとともに、前記被覆膜が前記内表面の少なくとも2つの面を連続して被覆しており、前記内表面が、前記試料保持面側の天井面、該天井面に対向する底面および前記天井面と前記底面とを接続する壁面から成り、前記被覆膜は、前記天井面および前記壁面を連続して被覆しているとともに、前記壁面を被覆する部分の厚みが前記天井面を被覆する部分の厚みよりも薄いことを特徴とする。
本発明の一態様の試料保持具によれば、被覆膜が設けられていることによって、セラミック層に剥がれが生じる可能性を低減できる。さらに、被覆膜が流路の複数の内表面のうち2つの面を連続して被覆していることによって、仮に1つの面において被覆膜の一端に剥がれが生じたとしても、他端が別の面を被覆していることから、被覆膜の剥がれの進展を起こりにくくすることができる。これにより、セラミック層に剥がれが生じる可能性を
さらに抑制することができる。その結果、試料保持具の表面において均熱性が低下することを抑制できる。
本発明の実施形態の一例である試料保持具の外観を示す図である。 試料保持具の内部の流路の配置を平面的に示す模式図である。 図2に示した試料保持具のA−A’断面を示す断面図である。 図3に示した断面図における1つの流路断面を拡大した部分拡大断面図である。 本発明の実施形態である試料保持具の変形例1を示す部分拡大断面図である。 本発明の実施形態である試料保持具の変形例2を示す部分拡大断面図である。 本発明の実施形態である試料保持具の変形例3を示す部分拡大断面図である。 本発明の実施形態である試料保持具の変形例4を示す部分拡大断面図である。
図1は、本発明の実施形態の一例である試料保持具1の外観を示す図である。図1(a)は試料保持具1の斜視図であり、図1(b)は試料保持具1の平面図である。
試料保持具1は、主面(ここでは上面)に試料保持面10aを有するとともに内部に流路11を有する基体10と、基体10の内部に設けられた電極層20と、流路11の内表面を被覆している被覆膜30とを有する。試料保持具1は、基体10に設けられた電極層20に電圧を印加することによって、例えば、シリコンウエハ等の試料を静電気力によって基体10の試料保持面10aに保持するようにして用いられる。
本実施形態では、基体10は、セラミック層が複数積層された積層体から成る。基体10の内部には、熱媒体を流すための流路11が設けられている。この試料保持具1は、流路11に熱媒体を流すことにより、試料保持面10aに保持した試料を加熱、冷却または保温することができる。流路11に流す熱媒体としては、基体10の流路11から試料保持面10aとなる一方主面までのセラミック層および電極層20を介して保持した試料と熱交換可能な物質であれば、どのような熱媒体を用いてもよい。そのような熱媒体としては、各種の流体、例えば温水、冷水またはスチーム等の水系媒体、エチレングリコール等の有機系媒体、あるいは空気を含む気体等を用いることができる。
流路11は、図1(a)に示すように、基体10の端面に、外部空間に開口する開口部11aを有している。また、図1(a)には図示していないが、開口部11aの反対側の端面にも外部空間に通じる開口部を有している。流路11内を流れる熱媒体は、例えば、供給口となる開口部11aから流路11へと流入し、開口部11aの反対側の開口部から排出される。
試料保持具1を半導体集積回路の製造装置または検査装置等に用いる場合は、熱媒体を供給するための供給装置から延びる供給管を開口部11aに接続し、供給装置から所定の流量、流速で流路11内に熱媒体を供給する。開口部11aと反対側の排出口には排管を接続し、流路11を流れて試料と熱交換を行なった熱媒体を流路11から排管へと排出する。または、排出口に戻り管を接続し、流路11を流れて試料と熱交換を行なった熱媒体を流路11から戻り管へと排出するとともに、この戻り管から直接または温度調整後に再び供給装置に戻して、熱媒体を循環させるようにしてもよい。
図2は、基体10の内部における流路11の配置を平面的に示す模式図である。流路11を流れる熱媒体が試料保持面10aに保持される試料と効率よく熱交換するためには、流路11が試料保持面10aに対応して広範囲に形成されていることが好ましい。また、試料保持面10aの全体にわたる均熱性の観点からも、流路11は広範囲に形成されていることが重要である。そこで、本実施形態の試料保持具1においては、図2に示すように、開口部11aから開口部11aの反対側に位置する開口部11bまでの流路11が試料保持面10aの全体に行き渡るように蛇行形状となっている。
このように流路11を配置しておいて、流路11の幅を大きくしたり、流路11を蛇行させるときの湾曲部の曲率半径を小さくしたりすることで、保持される試料との熱交換をより効率的に行なうことができる。なお、蛇行させた場合の直線部分と直線部分との間の折返し部分の距離を短くし過ぎると、流路11の側壁となる部分が細くなり、機械的強度が低下するので、強度を考慮しつつ流路11を形成することが好ましい。
図2に示す例では流路11を蛇行形状としているが、流路11の配置形状はこれに限られない。例えば、流路11は、渦巻き状であってもよく、また、複数の同心円とこの円同士を繋ぐ径方向に延びる直線とを組み合せた形状等であってもよい。
図3に示すように、流路11は、内表面が複数の面から成る。詳しくは、流路11を基体10の主面に垂直な断面で見たときの形状は、四角形状または円形状等にすることができる。特に、製造のしやすさからは四角形状であることが好ましい。具体的には、図4に示すように、試料保持面10a側の天井面31、天井面31に対向する底面32および天井面31と底面32とを接続する壁面33から成ることが好ましい。このとき、天井面31および底面32を試料保持面10aと平行になるように形成することが好ましい。これにより、熱媒体による振動が試料保持面10aに均一に伝わることから、試料保持面10aで揺れが均一になる。そのため、試料保持面10aの面内の振動のばらつきを低減できる。
基体10は、例えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムまたは酸化アルミニウム等を主成分とするセラミックス(セラミック焼結体)から成る。これらの中でも特に、窒化アルミニウム質焼結体から成ることが好ましい。窒化アルミニウム質焼結体は、室温における熱伝導率を150W/(m・K)以上にすることができ、他のセラミック材料に比べて熱伝導率が高い。そのため、試料保持面10aに保持した試料に局所的に熱が加わった場合でも試料の熱を基体10に効率よく伝導させて放熱させることができるので、熱膨張に伴う試料の歪みが生じにくい。これによって、半導体集積回路製造工程のうち、例えば露光工程において、発熱による試料の歪みに起因する露光精度の劣化を低減することができる。
なお、室温における熱伝導率とは、測定雰囲気温度を22℃から24℃の室温の範囲内として測定した熱伝導率の値であり、この温度範囲内のうちいずれかの設定温度で測定した熱伝導率が150W/(m・K)以上であることを示す。さらに、窒化アルミニウム質焼結体は、室温を超える環境においても、熱伝導率を高い値で保持することができる。具体的には、例えば600℃以上での雰囲気温度における熱伝導率を、60W/(m・K)以上にすることができる。
この窒化アルミニウム質焼結体は、平均結晶粒径が3〜10μmの範囲内であることが好ましい。平均結晶粒径が3μm以上であると、窒化アルミニウム質焼結体中の結晶粒子が比較的十分に充填され、焼結体の機械的特性が比較的良好にされる。また、平均結晶粒径が10μm以下のサイズの結晶とすることで、結晶間に存在するボイドの残留を少なく
することができる。したがって、平均結晶粒径は3〜10μmの範囲が好ましい。より好ましい平均結晶粒径の範囲は3〜7μmである。
図1に戻って、電極層20は、基体10の内部に設けられ、1つもしくは2つの分離された電極21と電極22とから構成される。電極層20は、静電吸着のために設けられている。電極21および電極22は、一方が電源の正極に接続され、他方が負極に接続される。一例として、正極に接続される側の電極を電極21(以下では「正電極21」という)とし、負極に接続される側の電極を電極22(以下では「負電極22」という)とする。なお、電極層20は、電極21が負極に接続され、電極22が正極に接続されていてもよい。
正電極21および負電極22は、それぞれ略半円板状に形成され、半円の弦同士が対向するように基体10の内部に配置される。正電極21および負電極22の2つの電極が合わさって、電極層20全体の外形が略円形状を成す。この電極層20全体の外形が成す略円形の中心は、基体10の外形が成す円の中心と同一に設定される。
正電極21および負電極22には、それぞれ外部電源と電気的に接続するための接続端子21aおよび接続端子22aが設けられる。本実施形態では、正電極21および負電極22のいずれも、円弧と弦とが交差する部分に弦に沿って延びるように接続端子21aおよび接続端子22aが設けられている。正電極21に設けられた接続端子21aと、負電極22に設けられた接続端子22aとは、正電極21の半円の弦および負電極22の半円の弦同士の間隔と同じ間隔を空けて隣り合うように設けられるとともに、これらの半円の弦の延長線に沿って基体10の外周面にまで延びている。また、接続端子21aおよび接続端子22aは、基体10の端面にその一部が露出するように設けられる。正電極21および負電極22は、この接続端子21aおよび接続端子22aが露出した部分を介して外部電源と接続される。
電極層20は、例えばタングステンまたはモリブデン等の導電性材料から成り、これら導電性材料を含むペーストのスクリーン印刷等によって、基体10のセラミック層の層間に位置するように形成される。本実施形態の電極層20の厚みは、例えば1〜100μm程度である。
図4に戻って、基体10は、4つのセラミック層12,13,14,15を積層した積層体から成り、内部に電極層20が設けられている。本実施形態では、電極層20は流路11よりも試料を保持する一方主面(試料保持面10a)側に設けられる。
以下では、最外層のセラミック層15を最外層15、最外層15との間に電極層20が設けられるセラミック層12を上層12、上層12とはセラミック層13を挟んで反対側に設けられるセラミック層14を下層14、上層12と下層14とに挟持されるセラミック層13を中間層13という。ここで、これら各層の名称は説明をわかり易くするために便宜上付したものであって、必ずしも上層12が鉛直方向上側に位置するものではなく、下層14が鉛直方向下側に位置するものではない。また、図2に示したように、熱媒体は供給口となる開口11aから排出口となる開口11bまで流れるので、図3および図4において、熱媒体の流れ方向は紙面に垂直な方向となる。
ここで、試料保持具1は、流路11の内表面の一部または全面を被覆している被覆膜30を具備している。試料保持具1は、被覆膜30が設けられていることによって、セラミック層12,13,14に剥がれが生じる可能性を低減できる。被覆膜30は、流路11の複数の内表面のうち少なくとも2つの面を連続して被覆している。被覆膜30が2つの面を連続して被覆していることによって、仮に1つの面において被覆膜30の一端に剥が
れが生じたとしても、他端が別の面を被覆していることから、被覆膜30における剥がれの進展を起こりにくくすることができる。これにより、セラミック層12,13,14に剥がれが生じる可能性をさらに抑制することができる。その結果、試料保持具1の表面において均熱性が低下することを抑制できる。
被覆膜30は、基体10に用いられるセラミックスとは組成あるいは材料特性が異なるセラミックスから成る。被覆膜30をセラミックスで形成することによって、被覆膜30を変形しにくくすることができる。これにより、被覆膜30が熱媒体によって振動させられることを抑制することができる。その結果、試料保持具1の表面において振動が生じる可能性を低減できる。
被覆膜30は、基体10のセラミックスよりも硬度が高いセラミックスから成る。流路11の内表面が硬度の高いセラミックスで被覆されていることによって、流路11を流れる熱媒体によって基体10が磨耗されにくくなる。これにより、流路11の内部に基体10の摩耗に起因して堆積する粉末の量を減らすことができる。そのため、部分的に熱媒体と基体10との間の熱伝導が低下する可能性を低減できる。その結果、試料保持具1の表面すなわち試料保持面10aにおける均熱性の低下を抑制できる。
基体10を構成するセラミックスは、流路11に流れる熱媒体に対して安定なセラミックスであることが好ましい。これにより、熱媒体との化学反応による腐食を抑制することができる。その結果、腐食粉の堆積等による試料保持面10aの均熱性の劣化を低減することができる。
また、このセラミックスは、導電性のセラミックスであることが好ましい。これにより、熱媒体のイオン化を抑制することができる。そのため、被覆膜30が熱媒体によって腐食する可能性を低減できる。その結果、被覆膜30の腐食に起因する腐食粉の堆積等による試料保持面10aの均熱性の劣化を低減することができる。
具体的には、基体10に窒化アルミニウム(硬度14GPa)が用いられる場合には、被覆膜30に用いられるセラミックスは炭化タングステン(硬度18GPa)であることが好ましい。炭化タングステンは硬度が高く、導電性を有することから、上述の効果を得ることができる。これに加え、硬度が高い炭化タングステンを硬度の低い窒化アルミニウムと組み合わせることにより、被覆膜30と基体10との界面で振動を吸収しやすくなることから、流路11に熱媒体を流すことによって発生する脈動を抑制することができる。
さらに、被覆膜30に炭化タングステンを用いた場合には、炭化タングステンには焼結助剤を含むことが好ましい。これにより、基体10と被覆膜30との密着性を高めることができる。これは、焼結助剤が炭化タングステン自体の緻密化を促進するとともに、一部が母材に拡散することにより、界面の結合が強化されるためである。
また、炭化タングステンがIIIa族化合物を含むことによって、炭化タングステンの緻
密化を促進することができる。その結果、被覆膜30の表面におけるボイドの発生を抑制できる。これにより、被覆膜30が磨耗する可能性をさらに抑制できる。
さらに、焼結助剤としてIIIa族化合物を含むことにより、炭化タングステンの水との
反応性を低下させることができる。これにより、熱媒体として冷却水を用いることができるようになる。
また、図5に示すように、被覆膜30は、天井面31および壁面33を被覆しているとともに、壁面33を被覆する部分の厚みが天井面31を被覆する部分の厚みよりも薄いこ
とが好ましい。これにより、熱媒体による振動を被覆膜30の厚みが薄い壁面33側に伝えることができるため、試料保持面10aにおける振動を抑制できる。
また、図6に示すように、被覆膜30は、天井面31、壁面33および底面32を被覆しているとともに、底面32を被覆する部分の厚みが天井面31を被覆する部分の厚みよりも薄いことが好ましい。これにより、熱媒体による振動を被覆膜30が薄い底面32側に伝えることができるため、試料保持面10aにおける振動を抑制できる。
また、図7に示すように、被覆膜30は、天井面31および両側の壁面33を連続して被覆しているとともに、天井面31を被覆する部分の厚みが壁面33側から中央の部分にかけて薄くなっていることが好ましい。これにより、被覆膜30のうち天井面31を覆う部分と壁面33を覆う部分とによって形成される角部を広角にすることができる。その結果、仮に熱媒体中に気泡が生じたとしても、生じた気泡がこの角部に停滞してしまう可能性を低減できる。その結果、試料保持面10aにおいて均熱性が低下することを抑制できる。
また、図8に示すように、被覆膜30が少なくとも壁面33を被覆しているとともに、壁面33を被覆する部分の厚みが天井面31側から底面32側に向かって薄くなっていることが好ましい。これにより、熱媒体に異物が混入したときに、この異物が底面32側へと誘導されるので、天井面31側に異物が存在する可能性を低減できる。その結果、天井面31において局所的に均熱性が低下する可能性を低減できる。これにより、試料保持面10aの均熱性が低下する可能性を低減できる。
被覆膜30の厚みは1μmから100μm程度が好ましい。厚みが1μm以上であることによって、長期間の使用によっても基体10(流路11の内表面)が被覆膜30から露出する可能性を低減できる。また、厚みが100μm以下であることによって、被覆膜30と基体10との界面で振動を吸収しやすくなる。そのため、上述した脈動の発生を抑制する効果を良好に発揮することができる。
硬度が高く、熱媒体に対して安定で、導電性のあるセラミックスとしては、例えば、タングステン、モリブデン、チタン、ニオブ、タンタル等の高融点金属の炭化物、窒化物またはホウ化物等を主成分とするものが好ましい。これらのセラミックスのように硬度が14GPa以上であり、電気伝導度が100×10/Ωm以上であるセラミックスを被覆膜30として用いることが好ましい。
ここで、流路11の内表面を被覆する被覆膜30を説明するために、基体10の製造方法について簡単に述べる。
本実施形態の基体10は、前述のように最外層15、上層12、中間層13および下層14の4層が積層された積層体であり、所定の形状に予め成形した4枚のグリーンシートを、最外層15となるグリーンシートと上層12となるグリーンシートとの間に電極層20となる金属ペーストを塗布して積層し、焼成して得られるものである。焼成後に最外層15、上層12および下層14となるグリーンシートは、同一の円板形状であり、焼成後に中間層13となるグリーンシートは、外形が最外層15、上層12および下層14となるグリーンシートと同一の円形状である。さらに、中間層13となるグリーンシートは、流路11に対応した形状に形成され、上下方向に貫通した切欠きが設けられている。
これら4枚のグリーンシートを積層すると、上層12となるグリーンシートにおける中間層13に接する側の表面のうち、中間層13となるグリーンシートに設けられた切欠きに臨む面121と、下層14となるグリーンシートにおける中間層13に接する側の表面
のうち、中間層13となるグリーンシートに設けられた切欠きに臨む面141と、中間層13となるグリーンシートにおける切欠きの内側面131とが、焼成後に流路11の内表面となる。ここで、内表面の大きさおよび形状は特に限定されず、流路11に流す熱媒体の量や、必要な加熱速度または冷却速度等によって決められる。
被覆膜30を形成するには、グリーンシートを作製する場合と同様に、有機系バインダーとセラミック粒子と添加剤等とを混合してスラリーを作製し、このスラリーを、例えば、グリーンシートを積層する工程よりも前の工程、または積層する工程中に、被覆膜30を設けたい箇所に印刷または浸漬等によって部分的に塗布しておき、積層したグリーンシートと一緒に焼成すればよい。
上記では、本発明の実施形態として電極層20を有する試料保持具1、いわゆる静電チャックについて説明したが、これに限られない。具体的には、電極層20を設けず、真空吸着によって試料を保持する真空チャックにも本発明を適用することができる。真空チャックに適用する態様では、流路11以外に他の流路を基体10の内部に設けるとともに、基体10の一方主面(試料保持面10a)に他の流路からの開口を設けることによって他の流路に繋がる吸着孔を複数設け、この他の流路を真空ポンプに接続して他の流路を真空状態とすればよい。流路11は、試料保持具1の態様と同様に、試料保持面10aに真空吸着によって保持される試料を冷却または加熱するために、試料と熱交換する熱媒体を流すように構成される。
1 試料保持具
10 基体
10a 試料保持面
11 流路
11a,11b 開口部
12 上層
13 中間層
14 下層
15 最上層
20 電極層
21 正電極
22 負電極
30 被覆膜
31 天井面
32 底面
33 壁面

Claims (8)

  1. セラミックスから成り上面に試料保持面を有するとともに内部に熱媒体の流路を有する基体と、前記流路の内表面を被覆している被覆膜とを具備しており、前記流路の前記内表面が複数の面から成るとともに、前記被覆膜が前記内表面の少なくとも2つの面を連続して被覆しており、
    前記内表面が、前記試料保持面側の天井面、該天井面に対向する底面および前記天井面と前記底面とを接続する壁面から成り、
    前記被覆膜は、前記天井面および前記壁面を連続して被覆しているとともに、前記壁面を被覆する部分の厚みが前記天井面を被覆する部分の厚みよりも薄いことを特徴とする試料保持具。
  2. セラミックスから成り上面に試料保持面を有するとともに内部に熱媒体の流路を有する基体と、前記流路の内表面を被覆している被覆膜とを具備しており、前記流路の前記内表面が複数の面から成るとともに、前記被覆膜が前記内表面の少なくとも2つの面を連続して被覆しており、
    前記内表面が、前記試料保持面側の天井面、該天井面に対向する底面および前記天井面と前記底面とを接続する壁面から成り、
    前記被覆膜は、前記天井面、前記壁面および前記底面を被覆しているとともに、前記底面を被覆する部分の厚みが前記天井面を被覆する部分の厚みよりも薄いことを特徴とする試料保持具。
  3. セラミックスから成り上面に試料保持面を有するとともに内部に熱媒体の流路を有する基体と、前記流路の内表面を被覆している被覆膜とを具備しており、前記流路の前記内表面が複数の面から成るとともに、前記被覆膜が前記内表面の少なくとも2つの面を連続して被覆しており、
    前記内表面が、前記試料保持面側の天井面、該天井面に対向する底面および前記天井面と前記底面とを接続する壁面から成り、
    前記被覆膜は、前記天井面および両側の前記壁面を連続して被覆しているとともに、前記天井面を被覆する部分の厚みが前記壁面側から中央の部分にかけて薄くなっていることを特徴とする試料保持具。
  4. 前記被覆膜が、セラミックスから成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の試料保持具。
  5. 前記被覆膜のセラミックスが、前記基体のセラミックスよりも硬度が高いことを特徴とする請求項に記載の試料保持具。
  6. 前記被覆膜は、前記天井面、前記壁面および前記底面を被覆しているとともに、前記底面を被覆する部分の厚みが前記天井面を被覆する部分の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項に記載の試料保持具。
  7. 前記被覆膜は、前記天井面および両側の前記壁面を連続して被覆しているとともに、前記天井面を被覆する部分の厚みが前記壁面側から中央の部分にかけて薄くなっていることを特徴とする請求項1または請求項6に記載の試料保持具。
  8. 前記被覆膜は、少なくとも前記壁面を被覆しているとともに、前記壁面を被覆する部分の厚みが前記天井面側から前記底面側に向かって薄くなっていることを特徴とする請求項乃至請求項7のいずれかに記載の試料保持具。
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