JP6137023B2 - 光導波路素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光導波路素子に関し、特に、基板内を伝搬する迷光を効率的に除去することが可能な光導波路素子に関する。
光通信や光情報処理には、光変調器等の多くの光導波路素子が用いられている。ニオブ酸リチウム(LN)などの電気光学効果を有する基板を用いた導波路型LN変調器は、波長チャープが小さく、位相・強度変調が可能であることから、DQPSK、DP−QPSK、QAM等の多値変調器として利用されている。
従来の強度変調器においては、駆動電圧はOn状態からOff状態に変える電圧(Vπ)を印加するが、多値変調器等の光位相を利用した光変調器では、位相をπから‐πまで変調する必要があるため、駆動電圧が2Vπ必要となる。光変調器の駆動回路(ドライバ)の負荷を低減するためには、光変調器の駆動電圧を半分にする必要がある。
また、強度変調から多値変調への移行は、伝送容量を増やすことが目的であるため、低駆動電圧化は、光(応答)帯域を劣化させずに行う必要がある。しかし、駆動電圧と光帯域は、相反的な関係にあるため(特許文献1参照)、従来の技術を用いても実現することは困難であった。
低駆動電圧化と広帯域化を実現する方法としては、LN基板表面をリッジ形状にする方法や、LN基板を薄板化する方法が提案されている。
LN基板の厚みを光分布程度に薄くすると、マイクロ波電界と光導波路が効率的に重なり、低駆動電圧化することができる。しかも、LNによる誘電損失を小さくすることができるため、マイクロ波損失を低減することで光帯域を改善することができる。
一方、光導波路素子を構成するLNチップとファイバとの間の光接続部や光導波路からの漏れ光や、消光時に光導波路のY合波部から放射される放射光等の不要な光などが、LN基板内を伝搬する。この導波路から漏れた不要な光等は、LN基板を薄板化するに従い、LN基板断面積が小さくなり、ピーク光強度が大きくなる。つまり、光導波路を伝搬する光波の光強度に対して、基板内を伝搬する迷光等の平均光強度が大きくなるため、迷光が光導波路と再結合して消光比を劣化させたり、制御用光ダイオード(PD)へ混入することで光変調器のバイアス点制御を困難にすることが知られている。
薄板構造を有する光変調器において、迷光(漏れ光)を除去する方法として、以下のような技術が提案されている。
(1)光導波路近傍以外に光吸収材(金属)を配置(特許文献2,3,4参照)。
(2)薄板化したLN基板(クラッド部分)に貫通坑を形成(特許文献2,3参照)。
(3)光導波路のY合波部に対し、3分岐構造や残留高次モード除去機能を適用(特許文献5参照)。
(4)光導波路のY合波部に対し、3分岐構造の適用と副導波路を伝搬する光の外部へのガイド方法の採用(特許文献6,7参照)。
(5)光導波路のY分岐部の股から漏れた光の終端(吸収又は放出)方法(特許文献8参照)。
次に、従来技術の薄板を用いたLN変調器の形成方法と漏光の金属吸収について、説明する。
薄板を用いたLN変調器の形成方法は次のとおりである。
Ti拡散導波路を形成したXcutのLNウェハの裏面を研磨装置(CMP)等で10μm程度まで薄板化する。Ti拡散工程や、薄板への加工等については従来より既知の技術を用いることが可能である。
光変調器の電極は、LN基板を薄板化する前に形成する場合とLN基板を薄板化した後に形成する場合がある。また、電極の作用部のみを薄板化したい場合は、基板の裏面にマスキングを形成した後に、ウェットエッチング、ドライエッチング、サンドブラストする方法、さらにはエキシマ等によるレーザ加工等にて行うことができる。
薄板化したLNウェハを接着剤を介して保持基板に固定する。その後、電極を電解メッキにて形成するために、接着層を介したメッキシード層を真空蒸着等で薄板化したLN基板表面に形成する。光変調器の電極は、誘電体や半導体に金属を付着させる必要がある。また、通電等による電極変形(マイグレーション)が生じない材料であること、他材料と固相合金反応が生じないこと等が求められる。
このため、電極とLN基板の間の接着層による二層構造が用いられる。接着層(金属層)には、特許文献9に記載されているチタン、クロム等が使用される。すなわち、電極材料が金では、チタン・金、クロム・金等となり、電極材料が銅ではチタン・銅、クロム・銅などになる。シード層形成後、セミアディティブ法にて電解メッキを用いて電極を形成する。薄板構造を有するLN変調器の断面形状を図1に示す。
基板内を伝搬する漏光を金属で吸収する方法について説明する。光導波路から漏れた光は、LN基板(クラッド部分)中をスラブ伝搬する。この現象は薄板化された基板には特に顕著に出現する。従来は、このスラブ伝搬した光を光変調器を構成する電極の一部を用いて吸収する方法や、漏光のための専用のガイド(導波路等)を設け、漏光を電極下部に誘導する方法で最低限の消光比を確保していた。
一方、光変調器が強度変調器から多値変調器に変わると、薄板を用いたLN変調器チップ内部で光が漏れる箇所(例えば、光が漏れる箇所としては、光接続部(チップとファイバの接続等)、曲げ導波路(特に曲率半径が小さい場合)、Y分岐部、Y合波部(原理的に漏光が発生する)がある。)が多くなり消光比がより劣化し易くなる。しかも、多値化する場合には、強度変調器以上の高消光比化が求められるため、従来技術を駆使するだけでは、対応できなかった。
薄板化したLN基板中をスラブ伝搬する光に対し、電極(接着層,金属層)による光吸収量を試算した結果を図2に示す。図2では、LN基板の厚みを9.0μmとし、接着層(金属層)をチタン(Ti:1.55μmの光波に対する屈折率n及び消衰係数kは、n=4.05358,k=3.81057となる)、電極材料を金(Au:同様に、n=0.56043,k=11.2475となる)とした。
LN基板中をスラブ伝搬する光は、接着層のチタンと接するため、チタン膜の厚みとスラブ伝搬光の伝搬損失の関係が重要になる。また、LN基板は、光導波路としては厚く、マルチモード導波路として機能しているため、低次モード光の伝搬損失(λ=1.55μm,TEモード)をグラフに記載した。0次モード(n=0)に関し、チタン膜厚0.11μmでのグラフの跳びは、LN基板のモードからチタン膜をコアとするモードに移行した結果生じている。つまり、0次モード(n=0)の電界分布がチタン膜内に移行する。同様に、1次モード(n=1)は、電界分布の片方の山がチタン膜内に侵入すると共に、他方の山がLN基板内にある状態となる。
高次モードほどLN基板からの光の浸出しが大きくなり、伝搬損失が増大することが解かる。一方、チタン膜厚を0.07μm以上にすることで、LN基板内の電界分布の山が1つのモードは、4dB/cmの金属吸収損失(伝搬損失)を得ることができる。この金属吸収損失は、チタン膜厚が0.2μm以上になっても、一定の値である。このチタン膜による金属吸収だけでは、多値変調器等の複雑な光導波路で多くの漏れ光が発生する状況に対し、チタン膜等による金属吸収だけでは、十分な対応ができない。
他方、金属を用いた光吸収は、偏光子として利用されている。特に、光導波路上に直接又は低屈折率膜を介して金属膜を付与することで、TMモードの光を吸収する偏光子が開発されている。しかしながら、この方法における金属による吸収は、TEモードの光はあまり吸収されないことが知られている。そのため、光導波路と金属膜の間に高屈折率膜を挿入した形状のTEモード吸収型の偏光子が開発された(非特許文献1,特許文献10参照)。しかしながら、この偏光子の構成をLN基板に適用した場合には、挿入損失が大きくなるという問題が生じる。
低挿入損失と不要偏波光吸収の両立を図るため、高屈折率膜と基板の間に薄い低屈折率膜を挿入する方法が提案されている(非特許文献2参照)。
また、DP−QPSK変調器等の集積型変調器においては、チップ全体の小型化が求められている。小型化を行うには、光導波路の曲げ部分やY分岐部等の曲率半径を小さくする必要がある。曲率半径を小さくすると、光伝搬方向に対し、導波路屈折率変化が急になるため、漏れ光が増加し、より一層の迷光等の除去が必要となる。
金属による光吸収以外には、上述したような基板に貫通孔を形成する方法もあるが、チップが破損し易く、光導波路素子としての信頼性が損なわれる。また、漏光をガイドする光導波路(高屈折率膜含む)を設ける場合では、光導波路の終端をどのように処理するかが課題となる。当然、漏光全てを光導波路でガイドできるわけではない。
金属による光吸収においては、LN変調器に入射する光波の偏波がTEモードである場合に、特に問題が難しくなる。つまり、金属膜によるTEモード光の吸収効果は、TMモードと比較すると、吸収効果が二桁ほど低い。商用の光変調器の最低消光比は、一般的に25dB以上必要となる。これに対し、LN変調器のチップのY合分波部の長さが1cm程度であることを考慮すると、金属膜のみでは十分な光吸収を行うことができない。
特公平7−50265号公報 特開2006−276518号公報 特開2006−301612号公報 特開2012−078507号公報 特開2011−075906号公報 特開2012−078508号公報 特開2012−215901号公報 特願2012−176628号(出願日:平成24年8月9日) 特許第3628342号公報 特許第2641238号公報 特開2008−89875号公報 特許第4782213号公報 特開2012−078508号公報 特許第4719135号公報
H.A.JAMID et al., "TM-PASS POLARISER USING METAL-CLAD WAVEGUIDE WITH INDEX BUFFER LAYER", Electronics Letters, Vol.24, No.4, pp229-230, Feb. 18 (1988) Guangyuan Li et al., "Analysis of the TE-Pass or TM-Pass Metal-Clad Polarizer With a Resonant Buffer Layer", Jounal of Lightwave Technology, Vol.26, No.10, pp1234-1241, May 15 (2008)
本発明が解決しようとする課題は、上述したような問題を解決し、基板中を伝搬する漏光を効率的に吸収・除去可能な光導波路素子を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の光導波路素子は以下の技術的特徴を有している。
(1) Xカットの基板に光導波路が形成された光導波路素子において、該光導波路は信号光が伝播する主導波路を含み、該基板の表面であり、該主導波路が形成されていない領域の少なくとも一部に、該基板の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層を介して金属層が形成されていると共に、主導波路が形成されている領域においては、該高屈折率層を介さずに該金属層が配置されていることを特徴とする。
(2) 上記(1)に記載の光導波路素子において、該金属層の上には、該主導波路を伝搬する光波を制御するための制御電極が形成されていることを特徴とする。
) 上記(1)又は(2)に記載の光導波路素子において、該基板の厚みは200μm以下であることを特徴とする。
) 上記(1)乃至()のいずれかに記載の光導波路素子において、該基板は電気光学効果を有する材料で構成されていることを特徴とする。
) 上記(1)乃至()のいずれかに記載の光導波路素子において、該基板と該高屈折率層との間には、該基板の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が配置されていることを特徴とする。
) 上記()に記載の光導波路素子において、該低屈折率層は次の条件を満足することを特徴とする。
(nlow・tlow)/λ≦0.45
ただし、nlowは低屈折率層の屈折率、tlowは低屈折率層の膜厚(単位μm)、λは主導波路を伝搬する光波の主な波長(単位μm)である。
ここで、高(低)屈折率は、消衰係数を無視できる材料に対して定義している。また、消衰係数を無視できない材料を、金属と定義する。
本発明の光導波路素子では、基板に光導波路が形成された光導波路素子において、該光導波路は信号光が伝播する主導波路を含み、該基板の表面であり、該主導波路が形成されていない領域の少なくとも一部に、該基板の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層を介して金属層が形成されているため、基板内を伝搬している漏光を効率的に吸収・除去することが可能となり、光導波路素子の消光比等の光学特性を改善することが可能となる。
従来の光導波路素子の一例を示す断面図である。 薄板化したLN基板上にチタン膜及び金電極を堆積した構造において、チタン膜厚に対する伝搬損失の変化を示すグラフである。 本発明の光導波路素子の一例を示す断面図である。 LN基板とチタン膜との間に配置した高屈折率層の屈折率を変化させた際に、高屈折率層の膜厚に対する伝搬損失の変化を示すグラフである。 高屈折率膜が屈折率n=3.5の場合の、光分布(λ=1.55μm、TEモード)を示す。(a)は高屈折率層の膜厚が0.06μmの場合、(b)は高屈折率層の膜厚が0.16μmの場合を示す。 チタン(接着層又は金属層)とシリコン(高屈折率層)の各膜厚を変化させた場合の伝搬損失の変化を示すグラフである。 QPSK変調器において、高屈折率層(Si)の有無によるサブ・マッハツェンダー型導波路(子MZ)での消光比を、入射する光波の波長を変化させて測定した結果を示すグラフである。 高屈折率膜をパターニングした後に接着層(金属層)と電極を形成した例を示す断面図である。 ニッケル(接着層又は金属層)とシリコン(高屈折率層)の各膜厚を変化させた場合の伝搬損失の変化を示すグラフである。 接着層(金属層)をアルミとし、高屈折率層の屈折率を変化させた際に、高屈折率層の膜厚に対する伝搬損失の変化を示すグラフである。 光ファイバと薄板に形成した光導波路とを光結合した際に、揺動光成分を除去するための構成を説明する図である。 受光素子(PD)を基板上に実装する場合に、PDに入射する迷光を除去するための構成を説明する図である。 強度変調器に規格化電圧(数値1は電圧Vπを示す。印加電圧を駆動電圧Vπで除した値)を印加した際の光導波路からの光出力と、迷光を吸収する構成の有無による受光素子(PD)における検出出力との対比を示す図である。 ネスト型光導波路を備えた光導波路素子の平面図である。(a)は、光導波路とシリコン(高屈折率層)とのパターン状態を示し、(b)は、(a)にさらに接着層及び電極パターンを重ねた状態を示したものである。 サブ・マッハツェンダー型導波路の合波部に不要光用導波路を設けた3分岐導波路と、該不要光用導波路の終端をメイン・マッハツェンダー型導波路内に留めた構成を示す図である。 薄板化した基板と高屈折率層との間に低屈折率層を配置した例を示す断面図である。 窒化シリコン(低屈折率層)の厚みを変化させた際に、シリコン(高屈折率層)の厚みに対する伝搬損失の変化を示すグラフである。 基板の裏面に光吸収膜を形成した例を示す断面図である。 光結合導波路間に光吸収膜を形成した構造を示す図である。 光導波路上にシリコン(高屈折率層)とニッケル(接着層又は金属層)と金(電極)を配置した際の、シリコンの厚みに対する各偏波(波長1.55μm)の伝搬損失を示すグラフである。 「光吸収膜による迷光除去」と「光導波路の接着層による吸収抑制(ロス増加抑制)」を両立させる構成の一例を示す図である。
以下、本発明の光導波路素子について、好適例を用いて詳細に説明する。
本発明の光導波路素子は、図3に示すように、基板に光導波路が形成された光導波路素子において、該光導波路は信号光が伝播する主導波路を含み、該基板の表面であり、該主導波路が形成されていない領域の少なくとも一部に、該基板の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層を介して金属層が形成されていることを特徴とする。
本発明における「基板の表面」とは、光導波路が形成された側の基板面のみを意味するのではなく、その反対側の面や、基板の側面のいずれであっても良い。
基板には、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムなどの電気光学効果を有する基板や半導体基板などを利用することが可能である。
光導波路の形成方法としては、例えば、LiNbO基板(LN基板)上にチタン(Ti)などの高屈折率物質を熱拡散することにより形成される。また、リッジ型導波路のように、基板に凹凸を形成して形成することも可能である。
本発明の光導波路素子は、基板の厚さについては特に限定は無いが、200μm以下、特に、20μm以下の基板を用いる場合には、基板内に漏光等の迷光が閉じ込められるため、本発明の光吸収膜を用いることがより好ましい。基板を薄板化する方法や基板に制御電極等を形成する方法は、従来技術で説明した各種方法が使用できることは言うまでも無い。
本発明の光導波路素子では、LN基板など、光導波路を形成した基板、特に、薄板化した基板内をコアとして伝搬するTEモードの光を効率的に金属層に吸収させるため、基板と(電極等の)金属層との間に高屈折率層を介在させている。ここで、「高屈折率」とは、基板(光導波路のクラッドに相当)の屈折率に対し、より高い屈折率を有することを意味している。
高屈折率層とは、基板の屈折率よりも高い屈折率を有する層を意味し、具体的には、シリコン、酸化チタン、酸化銅等が利用可能である。また、金属層とは、電極を構成する金属の一部であっても良いし、電極を基板に接着するために用いられた金属の接着層でも良い。接着層としては、チタン、ニッケル、アルミニウムなどの金属やその合金を用いることが可能である。
本発明に用いられる迷光(漏光)除去手段は、基板に形成された光導波路を伝搬する主な光波の偏波がTEモードを用いる場合には、特に効果が大きい。TEモードの光波は、薄板構造のXカットのLN基板を用いる光導波路素子に多く使用されている。ここで、薄板とは、主に20μm以下の基板厚を指すが、本発明の迷光除去手段は、基板の厚さによらず各種の光導波路素子に適用可能であるが、特に、200μm以下の基板に対しては、より効果が高い。
以下では、薄板化した基板、具体的には9.0μmの厚さのLN基板を中心に説明する。なお、薄板化した光導波路付きLNウェハを接着剤を介して保持基板へ固定するまでの工法については、従来技術と同じ方法で作成可能であるため、詳細には説明しない。
次に、高屈折率膜としてシリコン(Si:1.55μmに対する屈折率n=3.485674,消衰係数k=0である)をスパッタにて形成し、厚さを0.11μmとした。その後、接着・シード層(金属層)としてチタン・金を蒸着にて、各々0.10μm,0.05μm形成した。形成したシード層を電解メッキの電極として、セミアディティブ法にて金電極を形成した。ここで、電極間の接着・シード層を除去した後にシリコンが残存しているため、適当な薬剤(KOH等)にて電極間のシリコンを除去する。少なくとも電極間に導波路がある箇所は、高屈折率膜のシリコンを除去する必要がある。形成した光導波路素子の断面形状の一部を図3に示す。
接着層(金属層)、電極としてチタン、金を各々用いたときの伝搬損失を計算した。Ti膜の厚みを0.10μm、LN基板の厚みを9.0μmと固定して、高屈折率層の屈折率を2.5〜5.0まで変化させて、LN基板内を伝搬する光(1550nm,TEモード)の電界強度分布の山が1つのモードに対する伝搬損失を試算した(図4参照)。その時の代表的な電界分布を図5に示す。図5は、高屈折率膜がn=3.5の時の光分布(λ=1.55μm,TEモード)である。図5(a)は高屈折率膜の厚さが0.06μmのもの、同(b)は高屈折率膜の厚さが0.16μmのものを示す。高屈折率膜が厚くなると光分布が高屈折率膜側に引き寄せられる。
計算結果から、接着層/電極がTi/Auの時、以下のことが解る。
(1)高屈折率膜の屈折率が高いほど、伝搬損失の極大値が小さくなる。
(2)高屈折率膜の屈折率が高いほど、伝搬損失が極大値になる膜厚が薄い。
※伝搬損失の極大値は、高屈折率膜厚に対し、周期的に現れる(特許文献10参照)。
(3)高屈折率膜の屈折率が高いほど、半値幅FWHM(Full Width Half Maximum)が狭い。
さらに、高屈折率膜をシリコンとして、チタン膜の厚さに対する依存性を調査した(図6参照)。図6では、薄板化したLN基板上に高屈折率膜(シリコン)と金を固定し、チタン,シリコン膜厚を変えて、LN基板中の伝搬損失を試算した。光は、波長λ=1.55μmでTEモードとする。
その結果、チタン膜厚を0.07μm以上にすることで、伝搬損失が極大となるシリコン膜厚が一定になり、伝搬損失の極大値がチタン膜厚に依存しなくなる。また、チタンが厚くなるに従い、極大値が小さく、FWHMは大きくなる。チタン膜厚が十分厚い状態でも、高屈折率膜の挿入により伝搬損失は4dB/cmから40dB/cmと大きく改善する。また、FWHM(0.055μm)が大きいため波長依存性も小さいと想定される。
次に、信号・接地電極を構成する電極の下部にシリコン膜を挿入した、QPSK変調器を試作した。比較用変調器(シリコン未挿入)と共に消光比を評価した(図7参照)。LN基板,シリコン膜、チタン膜の各厚みを、9.0μm、0.11μm、0.10μmとした。消光比は、2個のサブ・マッハツェンダー型導波路(子MZ1,2)の各々の出力について、消光比を測定した。その結果、薄板化したLN基板と電極の間にシリコン膜を挿入することで、消光比が10dB改善した。
高屈折率膜としてシリコンを用いる理由としては、迷光除去としての効果、製作容易性(パターン形成容易さ、膜厚制御性、屈折率変動等)、信頼性(膜付着力、物性安定性)等が高いことが挙げられる。また、高屈折率膜として酸化チタン(TiO2:n=2.71@1.55um)や酸化銅(CuO:n=2.56@1.55μm)等を用いてもよい。なお、酸化チタンのエッチャントはフッ酸や熱濃硫酸等と限定されおり、電極をマスクにして、電極間の高屈折率膜を除去する製法とは相性が悪い。また、酸化銅は膜厚を厚くする必要がある等の問題もある。
なお、酸化チタンのチタンをクロム(Cr:n=4.19,k=4.92@1.55μm)としても、複素屈折率がほとんど同じため、同様の結果が得られる。
上述した光導波路素子では、電極をマスクとして高屈折率層の不要部(導波路上等)を除去していたが、これに限られない。例えば、ケミカルエッチングが困難な場合は、上記高屈折率膜(酸化チタン等)をリフトオフ法を用いて形成した後に接着層(金属層)・電極形成を行うことも可能である。同様に、高屈折率膜を覆う金属は、電極と同じ材質である必要もない。図8に、高屈折率膜をパターニングした後に電極を形成し、光導波路素子を作成した場合の一例の断面形状を示す。このように、金属層の一部は、主導波路が形成されている領域の一部に、高屈折率層を介さずに配置するよう構成できる。
図3の接着層(金属層)をチタンからニッケル(Ni:n=3.38,k=6.82 @1.55μm)に変えて、高屈折率層をシリコンとし、LN基板の厚みを9.0μmと固定して、LN基板内を伝搬する光(1550nm,TEモード)の電界強度分布の山が1つのモードに対する伝搬損失を試算した。その結果を図9に示す。その結果、接着層がチタンの時と比較して、ピークが85dB/cmと2倍に改善した。また、ニッケル膜厚0.07μm以上の時のFWHMは、0.023μmと細くなったものの、伝搬損失30dB/cmでの幅は、シリコン厚0.10−0.13μmと広い膜厚許容度である。チタンよりも迷光除去が必要な場合に有効である。
図3の接着層をチタンからアルミに変えて、Al膜厚0.10μm、LN薄板厚9.0μmと固定して、高屈折率層の屈折率を3.0〜5.0まで変化させて、LN薄板内を伝搬する光(1550nm,TEモード)の電界強度分布の山が1つのモードに対する伝搬損失を試算した。図10に示す結果により、接着層がチタンの時と比較してピークが急峻になった。特に、以下のような特徴が見られた。
(1)光の吸収ピーク値がチタン・ニッケルよりも大きい。
(2)吸収ピークのFWHMがチタン・ニッケルと比較して狭い。
上記構成は、薄板LNにシリコン、チタン(ニッケル)、金と堆積した方法でも迷光除去が不十分な場合に対し、製作許容範囲が狭まるものの、効果が期待できる。
光ファイバから薄板構造の導波路へカップリングした光は、揺動してY分岐での分岐比を劣化させることが知られている(特許文献11参照)。この揺動成分を除去する目的で、光吸収膜を、長さ5.0mm、導波路中心からの距離を7μmとして、形成した。光吸収膜の高屈折率膜は0.07μmのシリコンであり、シリコンの上の金属膜は、厚さ0.1μmのアルミである(アルミの上には膜がない状態)。この構成にて、ファイバ位置を動かして分岐比変動を測定したが、ロスが増えるのみで分岐比劣化は無かった。その結果、光吸収膜が効果的に揺動成分を除去していることが理解される。
光変調器の駆動バイアス(Bias)点を調整する必要があるMZ構造を含んだEO変換デバイスでは、Bias制御のため、出力光の一部を受光素子(PD)でモニタすることが行われている。この受光方法として、特許文献12に記載されているように、基板に形成した光導波路上にPDを乗せ、エバネッセント波を受光する方法がある。薄板構造の光変調器にこの方法を適用した場合、薄板がスラブ導波路として機能しているため、導波路以外の光(迷光)も同時に受光してしまう(図12(a)参照)。PDの前面の光導波路以外の場所に実施例1の光吸収膜として、シリコン・ニッケル・金を積層した(図12(b)参照)。その結果、導波路を伝搬している光とPDで受光した光の位相差(入射光に強度変調を加えている)が8%から0.5%に改善した(図13参照)。なお、図13では、強度変調を加えた光を導波路に入射している。規格化電圧とは、強度変調器に印加した電圧をVπで除した値を意味している。この吸収膜があることで、迷光の混入が無くなり、信号光とモニタ光との位相差が少なくなった。
QPSK変調器は、3つのMZ構造から形成され、メイン・マッハツェンダー型導波路(親MZ)の2つの分岐導波路に、サブ・マッハツェンダー型導波路(子MZ)を組み込んだ、所謂、入れ子型の光導波路となっている。基板が薄板である場合には、迷光が薄板から逃げないため、消光比が劣化し易い。特許文献8に記載しているように、広角Y分岐の場合、股部分から光が漏れ、消光比が劣化していた。近年、DP−QPSK変調器等のMZ構造を集積した変調器の小型化が求められている。特許文献8では、Y分岐股部分に、漏れた光を電極下部までガイドし、金属にて吸収させる構造をとっている。上記構成は、親MZの分岐導波路の間隔が大きい場合に実施可能である。
このため、分岐導波路の間隔が数10μmの子MZに対しては、Y分岐股部分に漏光を電極下部までガイドする構造を採用することが難しい。これは、子MZのY分岐股部にガイド用導波路を挿入した場合、各分岐導波路とガイド用導波路との間隔が、光結合が生じる距離になるためである。
また、集積型変調器の小型化の為には、子MZのY分岐部も短くする必要がある。つまり、広角Y分岐にする必要がある。このため、子MZのY分岐股部分から光が漏れ出す可能性がより大きくなる。これに対し、本発明の光吸収層を用いることで、Y分岐股部分から漏れた光を光結合させずに効率的に吸収することができる。
以下に、QPSK構造を例に取って、具体的に説明する。薄板化したLN基板に入れ子型の光導波路を形成したものを用意する。次に、シリコン膜を0.11μmの厚さでスパッタ法を用いて堆積させる。次に、フォトレジストとエッチング液(KOH、HF等)を用いて、図14(a)に示すようなパターン形状の高屈折率層(シリコン)を形成する。この時、子MZの分岐導波路の中心とシリコン端部との距離は、15μmである。次に、ニッケル0.1μm、金0.04μmを順次蒸着にて堆積させる。その後、セミアディテブ法にて金電極を形成する。電極間の金・ニッケルはヨウ素ヨウ化カリウムで除去する。形成した構造を図14(b)に示す。
シリコンのパターンは、光導波路、特に、信号光を伝搬している光導波路(主導波路)と交差していない。また、子MZの分岐導波路の中心と電極端部との距離は10μmである。このため光変調器のロスが悪化しない。この光変調器のロスを評価した結果、5.0dB以下(光波の波長が1520〜1620nmの場合)であり、従来の高屈折率膜が無い場合と同程度だった。さらに、消光比を測定した結果、40dB以上(従来25dB以上)と非常に改善されていた。
図14では図示していないが、各MZのY合波部は、出力導波路を挟むように不要光用導波路を配置した3分岐カプラになっている。このため、薄板化した基板を用いた場合には、子MZの3分岐部の不要光用導波路が親MZの内側で終端(電極吸収)する構造になっているが、従来は終端の電極による光吸収が不十分であった。
なお、本発明では、「主導波路」とは、信号光が伝播する光導波路のように、光を入力する入射導波路と光を取りだす出射導波路間が光学的につながっている導波路を意味する。また、不要光用導波路とは、入射導波路と出射導波路が光学的につながっていない導波路を意味する。例えば、3分岐導波路の両脇の導波路は、出射導波路に光学的につながっていないため、不要光用導波路である。
不要光用導波路の終端による光吸収が不十分であったため、子MZの3分岐部の一部を親MZ外部にガイドする方法も提案されている(特許文献13参照)。しかしながら、この方法は、光を除去(消光)できていないため、不要光が主導波路に乗り移る可能性がある。特に、電極材料が金で、接着層(金属層)材料がチタンの場合は4.0dB/cm、ニッケルの場合は1.0dB/cm、アルミの場合は0.2dB/cmと光吸収が非常に弱い。
しかし、本発明を用いて、図15に示すように、電極(接着層)の下側に高屈折率層を配置することで、不要光用導波路の終端における吸収効率を従来の10倍以上にすることができる。そのため、親MZ内にある子MZの3分岐導波路の不要光用導波路を親MZ内で終端することができるようになった。
LN変調器の電極間にバッファ(BF)層や電荷分散膜等がない場合、LN基板の表面が露出している状態になる。このため、光導波路上に異物が付着した際には、光の散乱源となり、光変調器の特性変動が生じる場合がある。さらに、電極間の不純物は、ドリフトの劣化要因になりうる。
これを考慮し、LN基板上に低屈折率膜となる窒化シリコン(Si:n=1.98938,k=0 @1.55μm)を形成後、高屈折率膜(Si),Ni,Auを順次堆積させる形状を検討した(図16参照)。この時の各膜厚は、LN基板9.0μm,接着層(Ni)厚0.1μm,電極(Au)厚1.0μm以上とし、低屈折率膜と高屈折率層の厚さを変えることで、低屈折率膜挿入による効果を確認した(図17参照)。
図17は、低屈折率膜(SiN膜)の膜厚0(SiN膜なし),0.1μm,0.3μm,0.5μmの場合における、高屈折率層(Si)の厚み変化に対する伝搬損失の変化を示したものである。使用する光波は、波長1.55μm、TEモードである。
その結果、低屈折率膜がない状態を基準として、伝搬損失が1/eになる時の低屈折率膜の厚みは約0.35μmであることが分かった。ただし、接着層(金属層)がチタンの時と同程度の損失を基準とする。このため、伝搬損失が1/eよりも大きい値を持つ時の低屈折率膜厚と屈折率の関係は、以下のようになる。
(nlow・tlow)/λ≦0.45
ただし、nlowは低屈折率層の屈折率、tlowは低屈折率層の膜厚(単位μm)、λは主導波路を伝搬する光波の主な波長(単位μm)である。
以上では、効果が一番大きい薄板構造を中心に説明したが、バルク構造の光変調器に対しても効果がある。以下にその実施例を示す。
バルク構造の光変調器のY合波部からの放射光は、バイアス(Bias)制御用として用いることができる。一方、光ファイバー(対称光分布)とLNチップ(非対称光分布)の光結合損失は、1.0dB/port程度あり、結合しなかった光は、LNチップを導波管(高次モード導波路)として伝搬する。
このため、放射光を受光しようとすると、入射側のファイバ・チップ間の未結合光も混入してしまい、特性劣化が避けられなかった。しかしながら、図18に示すように、本発明の光吸収膜(高屈折率層+金属層)をLNチップの裏面や側面に形成することで、ファイバ・チップ間の未結合光を効率的に吸収することができ、放射光のみを受光することができる。特に、光変調器の広帯域化のために、基板の厚みを0.2mm以下にした時に効果が顕著である。当然ではあるが、LNチップ裏面の金属は、電気接続がないと浮遊電極になってしまうため、側面に導電膜を形成する等の方法により接地電極と接続する必要がある。
基板表面に形成された方向性結合器やカプラ等に、図19に示すように導波路間に高屈折率膜と金属膜で構成される光吸収膜を形成する。プロセス変動によって、従来の方向性結合器やカプラの分配比は、変動してしまうが、光吸収膜を配置することで、結合長を制御することができる。つまり、従来の実効屈折率調整ではなく、光結合している成分を吸収することで結合長を調整している。また、分配比が所望の値と異なっていた場合、YAG等のレーザで高屈折率膜や金属膜の一部を除去(トリミング)することで、所望の分配比にシフトさせることができる。
LN変調器は、一般的にバイアス(Bias)点制御用の受光素子(PD)を実装している。光損失に影響が出ないように、主信号に対し反転信号をPDで受光している。特許文献14に記載されているような交差導波路型カプラを用い、出力導波路の他端をPDにて受光する。PDに光波を案内する導波路が基板に形成されており、該導波路の一部に本発明の光吸収膜を光出力強度調整機構(減衰部)として配置する。これにより、最適なPD受光量に調整をしている。光出力強度調整機構に本発明の光吸収膜を用いることで、図20に示すように、TE/TM偏波どちらでも使用することができる。つまり、図20を見ると、高屈折率層であるシリコンの膜厚を調整することで、TEモード又はTMモードの光を選択的に吸収することが分かる。PDを安価な部材に変更した時や、PD感度が変わった時などは、光出力強度調整機構の膜体をYAGレーザ等で一部除去するだけで、LNチップ側の設計を変更する必要が無い。
以上の本発明の説明では、光吸収膜の高屈折率膜をシリコンを中心に説明してきた。シリコンや金属同士は、熱履歴によってシリサイド・合金を形成する。例えば、シリコンとアルミではアルミ-シリコン系合金が、アルミと金では100℃程度で合金が形成される。この合金形成によって、光吸収膜の光吸収量が変化することとなる。
光吸収を比較的安定にさせるためには、図21に示すように、合金抑制層を配置したり、合金化しにくい材料を選択する必要がある。具体例として、上述したように、高屈折率膜をシリコン、接着層(金属膜)をチタン、電極を金にすることで、約300℃まで合金反応を抑制可能である。
また、「光吸収膜による迷光除去」と「光導波路の接着層による吸収抑制(ロス増加抑制)」を両立させるために、高屈折率膜をシリコン、接着層(金属膜)をアルミ、電極を金にすることも可能である。光導波路の接着層による吸収は、図14の制御電極と光導波路の交差点や光導波路に接着層が近接することによって発生している(チタンによる伝搬損失4.0dB/cm,アルミによる伝搬損失0.2dB/cm)。この場合には、図21に示すように、合金抑制層を挿入することで、光吸収膜の合金形成による光吸収量の変化を抑制することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、基板中を伝搬する漏光を効率的に吸収・除去可能な光導波路素子を提供することが可能となる。

Claims (6)

  1. Xカットの基板に光導波路が形成された光導波路素子において、
    該光導波路は信号光が伝播する主導波路を含み、
    該基板の表面であり、該主導波路が形成されていない領域の少なくとも一部に、該基板の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層を介して金属層が形成されていると共に、
    主導波路が形成されている領域においては、該高屈折率層を介さずに該金属層が配置されていることを特徴とする光導波路素子。
  2. 請求項1に記載の光導波路素子において、該金属層の上には、該主導波路を伝搬する光波を制御するための制御電極が形成されていることを特徴とする光導波路素子。
  3. 請求項1又は2に記載の光導波路素子において、該基板の厚みは200μm以下であることを特徴とする光導波路素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の光導波路素子において、該基板は電気光学効果を有する材料で構成されていることを特徴とする光導波路素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の光導波路素子において、該基板と該高屈折率層との間には、該基板の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が配置されていることを特徴とする光導波路素子。
  6. 請求項5に記載の光導波路素子において、該低屈折率層は次の条件を満足することを特徴とする光導波路素子。
    (nlow・tlow)/λ≦0.45
    ただし、nlowは低屈折率層の屈折率、tlowは低屈折率層の膜厚(単位μm)、λは主導波路を伝搬する光波の主な波長(単位μm)である。
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