JP6135548B2 - エンジン - Google Patents
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Description
この発明は、エンジンに関し、より特定的には、ターボチャージャーを搭載したエンジンの制御に関する。
排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)制御用の吸気絞り弁および吸気スワール制御用の吸気絞り弁を搭載したディーゼルエンジンの制御が、たとえば、特開平9−88705号公報(特許文献1)および特開平7−49034号公報(特許文献2)に記載されている。
特開平9−88705(特許文献1)に記載されたディーゼルエンジンの制御装置では、エンジン減速時における、エンジン動作点に応じたEGR制御用の吸気絞り弁と吸気スワール制御用の吸気絞り弁の制御が記載されている。特に、低回転数および低トルクの領域において、EGR制御用吸気絞り弁および吸気スワール制御用吸気絞り弁の両方を閉状態とすることが記載されている。
また、特開平7−49034号公報(特許文献2)に記載されたディーゼルエンジンの制御装置では、エンジン運転状態に応じて、EGR制御用の吸気絞り弁と、吸気スワール制御用の吸気絞り弁を制御することが記載されている。
エンジン吸気系において、吸気脈動と呼ばれる、エンジン回転数に依存した周波数の圧力変動が発生することが知られている。この吸気脈動の周波数が、車体の固有振動周波数(共振周波数)と一致すると、圧力変動による振動が増幅されることによって、車室内のユーザに振動や音として違和感を与えることが懸念される。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、エンジンの吸気脈動が車室内に音または振動として感知されることによってユーザに違和感を与えることを防止するためのエンジン制御を実現することである。
この発明によれば、エンジンは、ターボチャージャーと、排気還流装置と、吸気通路に介装されたスロットルバルブと、制御装置とを備える。ターボチャージャーは、燃焼室からの排気通路に設けられるタービンと、燃焼室への吸気通路に設けられるコンプレッサとを含む。排気還流装置は、排気還流弁の開弁に応じて排気還流通路を経由して排気ガスの一部を吸気通路へ通流させるように構成される。制御装置は、エンジン動作点が所定領域内に含まれた状態からアクセル操作量の減少に伴ってエンジン回転数が低下するエンジン減速を検知したときに、排気還流通路に設けられた排気還流弁を閉状態とする第1の制御および燃焼室内への吸入空気量を減少させる第2の制御の少なくとも一方を実行するように構成される。所定領域は、車体の共振周波数に対応する所定のエンジン回転数領域に対応して予め設定される。
好ましくは、エンジンは、燃焼室内に発生させる吸気スワールを制御するための吸気絞り弁をさらに備える。第2の制御は、吸気絞り弁を閉状態に維持する制御と、アクセル操作量の減少に応じたスロットルバルブの閉速度を第2の制御の非実行時よりも上昇させる制御との少なくとも一方を含む。
あるいは好ましくは、第2の制御は、アクセル操作量の減少に応じたスロットルバルブの閉速度を第2の制御の非実行時よりも上昇させる制御を含む。
さらに好ましくは、制御装置は、第1および第2の制御の少なくとも一方の実行中にアクセル操作量の増加を検知すると、実行中の少なくとも一方の制御を終了する。
好ましくは、所定領域は、所定のエンジン回転数領域であって、かつ、エンジントルクが所定よりも高い領域に設定される。
この発明によれば、エンジンの吸気脈動が車室内のユーザに音または振動として感知されることを防止できる。
以下本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に従うディーゼルエンジンの概略構成を説明するブロック図である。
図1は、本発明の実施の形態1に従うディーゼルエンジンの概略構成を説明するブロック図である。
図1を参照して、ディーゼルエンジン100は、複数の気筒28を有する。図1では、ディーゼルエンジン100は、4つの気筒28を有するものとして示されるが、気筒28の数はこれに限定されるものではない。
ディーゼルエンジン100は、エアクリーナ12と、ターボチャージャー14と、インタークーラー20と、吸気マニホールド22と、スロットルバルブ24と、回転数センサ25と、温度センサ26と、水温センサ27と、EGR装置45とを備える。エアクリーナ12は、吸気通路に設けられ、吸気ダクト10から吸入される空気に含まれる不純物を吸着することによって吸入空気を清浄する。
ディーゼルエンジン100は、さらに、ECU(Electronic Control Unit)60を備える。ECU60は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、および、入出力バッファ等(いずれも図示せず)を含む。
ECU60には、回転数センサ25により検出されるエンジン回転数、温度センサ26により検出される吸気温度および、水温センサ27により検出されるエンジン冷却水温に加えて、アクセル開度ACC、大気圧P、外気温度T等の各信号が入力される。ECU60は、これらの各信号に基づいて、ディーゼルエンジン100の動作を制御する。たとえば、ECU60は、車両の走行状況に応じてディーゼルエンジン100が所望の運転ポイントで運転されるように、各種バルブの開度、燃料噴射時期、燃料噴射量等を制御する。
ターボチャージャー14は、コンプレッサ16と、タービン18とを含む。コンプレッサ16は、吸気通路に設けられる。タービン18は、排気通路に設けられる。コンプレッサ16とタービン18とは、機械的に連結されており、一体的に回転する。排気ガスによってタービン18が回転し、タービン18に連動して回転するコンプレッサ16によって吸入空気が加圧される。
インタークーラー20は、ターボチャージャー14(コンプレッサ16)と吸気マニホールド22との間に設けられる。インタークーラー20は、コンプレッサ16によって加圧された吸入空気を冷却する。インタークーラー20は、空冷式であってもよいし、水冷式であってもよい。
スロットルバルブ24は、吸気マニホールド22の上流に設けられ、吸入空気量を調節する。スロットルバルブ24は、図示されないスロットルモータにより駆動される。温度センサ26は、インタークーラー20により冷却されて各気筒28へ供給される吸入空気の温度を検出する。以下では、ディーゼルエンジン100に設けられたスロットルバルブ24を、ディーゼルスロットル(「Dスロットル」とも表記する)24とも称する。
各気筒28は、複数の吸気ポートを有する。図1では、各気筒28は、2つの吸気ポートを有するものとして示されるが、吸気ポートの数は必ずしもこれに限定されるものではない。また、各気筒28は、複数の排気ポートを有する。図1では、各気筒28は、2つの排気ポートを有するものとして示されるが、排気ポートの数もこれに限定されるものではない。そして、各気筒28において、2つの吸気ポートの一方に、気筒内に発生させる吸気スワールを制御するための吸気絞り弁である、スワールコントロールバルブ30が設けられる。
図2は、各気筒28におけるスワールコントロールバルブ30の配置例を示した図である。
図2を参照して、気筒28内にはピストン76が設けられ、気筒28の上部に吸気ポート72および排気ポート74が設けられる。図2では、2つの吸気ポートのうち、スワールコントロールバルブ30が設けられる吸気ポート72が示されている。排気ポートについても、2つの排気ポートのうちの一方の排気ポート74が示されている。
そして、吸気ポート72にスワールコントロールバルブ(以下、単に「SCV」とも称する)30が設けられる。吸気ポート72の空気流量を絞る方向にSCV30を作動させて、吸気ポート72から燃焼室78に供給される空気量と、もう1つの吸気ポートから燃焼室78に供給される空気量とに差を設けることによって、燃焼室78内に強いスワール流(渦巻き状の流れ)を発生させることができる。スワール流を発生させることにより燃焼状態を良好にすることができる。スワールコントロールバルブ30を設けることによって、EGR装置(後述)が設けられることにより緩慢になり得る燃焼を改善することができる。
再び図1を参照して、ディーゼルエンジン100は、さらに、排気マニホールド32と、排気浄化装置34と、排気通路36と、EGR装置45とを備える。EGR装置45は、EGR通路38と、EGRバルブ40と、EGRクーラー42とを含む。
ターボチャージャー14のタービン18は、排気マニホールド32の下流に設けられ、排気通路の断面積が絞られることによって流速を増した排気ガスをブレードに受けて回転する。排気浄化装置34には、ターボチャージャー14(タービン18)の下流に設けられ、排気ガス中の粒子状物質を捕捉するDPF(Diesel Particulate Filter)や、触媒を用いて排気ガスを浄化する排気浄化触媒装置等が用いられる。
EGR通路38は、吸気マニホールド22と排気マニホールド32とを接続し、排気マニホールド32から吸気マニホールド22へ排気ガスの一部を還流させる排気還流通路である。EGRバルブ40は、EGR通路38に設けられた排気還流弁である。EGRバルブ40を開にすることによって、EGR通路38を通じて排気ガスが吸気系に還流される。EGRクーラー42は、EGR通路38に設けられ、EGR通路38を通じて吸気マニホールド22へ還流される排気ガスを冷却する。EGR通路38と、EGRバルブ40と、EGRクーラー42とによって、排気還流装置としてのEGR装置45が構成される。
EGRバルブ40の弁開度は、ECU60によって制御される。たとえば、図3に示されるように、エンジン回転数およびエンジントルクの組み合わせで規定されるエンジン動作点に応じて、EGRバルブ40の開閉が制御される。
図3を参照して、ECU60は、エンジン動作点毎に予めEGRバルブ40の開度を定めたマップの参照により、EGRバルブ40の開度を制御する。EGRバルブ40の開度は、全開状態および全閉状態(単に「閉状態」とも称する)を含んで制御される。
一般的には、高回転数および高トルク領域においてEGRが停止されるように、境界線620よりも内側(低回転数、低トルク側)の領域(EGR作動領域)では、EGRバルブ40の開度が全開または中間開度に制御されてEGRがオンされる一方で、境界線620よりも外側(高回転数、高トルク側)では、EGRバルブ40が閉状態に制御されてEGRがオフされる。
ディーゼルエンジン100において、各気筒28に設けられた吸気バルブ(図示せず)がエンジン回転数に同期して開閉するため、その開閉動作に応じた圧力変動が吸気マニホールド22を経由して吸気系に発生する。
吸気ダクト10やインタークーラー20等の吸気系の構成機器が車体に固定されている構造では、特に、車体の固有振動周波数(共振周波数)と吸気脈動の周波数とが一致すると、吸気脈動による振動が大きくなって、車室内のユーザに音や振動として感知されることが懸念される。
一方、ターボチャージャー14の作動時には、ターボチャージャーの消音効果によって、吸気脈動による音や振動がユーザに感知される可能性は低下する。しかしながら、エンジン減速時には、ターボチャージャー14による消音効果が小さくなるとともに、気筒内での燃料噴射停止によるエンジン作動音(燃焼音)が小さくなるため、吸気脈動による音や振動が車室内で感知され易くなる。
さらに、EGRバルブ40の作動時(非閉弁時)には、排気系で同様に生じる圧力変動(排気脈動)がEGR通路38を経由して吸気側に伝達されることにより、吸気脈動がさらに増幅されることが懸念される。
吸気脈動に起因する音や振動を抑制するためのハードウェア上の対策としては、車両の共振周波数を問題となる周波数領域からずらすための設計変更が挙げられる。たとえば、レゾネータの配置、車体剛性の変更、ゴムブッシュ等の取り付け部品の振動低減等の対策を講じることが選択肢として挙げられるが、いずれもコストや配置スペース上の問題から導入には困難が伴う。
したがって、本実施の形態に従うディーゼルエンジンでは、ECU60は、エンジン減速時に、既存のエンジンアクチュエータの制御によって、ディーゼルエンジン100の吸気側に生じる圧力変動である吸気脈動が車室内に音または振動として感知されることを防止するための吸気脈動抑制制御を実行する。
図4には、ディーゼルエンジン100における吸入空気量動作と吸気脈動の大きさとの関係を説明するためのグラフが示される。
図4を参照して、発明者らは、ディーゼルエンジン100において、1気筒1吸気行程あたりの吸入空気量と、吸気系での吸気脈動の大きさ(圧力変動)との関係を解析することにより、特性線500および510に示される特性を見出した。
特性線510は、EGRバルブ40を閉状態に維持したときの吸入空気量に対する吸気脈動の変化をプロットしたものの集合で示される。
一方で、特性線500は、EGRバルブ40の開度が図3で説明したマップに従って通常に制御された際の、吸入空気量の変化に対する吸気脈動の変化をプロットしたものの集合である。すなわち、特性線500上の各点では、吸入空気量の変化に応じてEGRバルブ40の開度が通常制御された下における、吸気脈動の変化特性が示される。
特性線500および510から理解されるように、EGRのオンオフにかかわらず、吸入空気量が増加するのに応じて吸気脈動も増加する。また、EGRバルブ40を閉状態に維持、すなわち、EGRをオフした方が、同一の吸入空気量に対する吸気脈動は低下することが理解される。
図4中には、さらに、車室内で音や振動が感知される吸気脈動の限界ライン520が点線で示される。すなわち、特性線500上の領域530および特性線510上の領域540では、吸気脈動による圧力変動が小さく音や振動が問題とはならない。
図5には、図1に示したディーゼルエンジン100においての吸気脈動による音や振動が問題となるエンジン動作領域を説明するための概略図が示される。
図5を参照して、横軸に示されたエンジン回転数と、縦軸に示されたエンジントルクの組合せによって、ディーゼルエンジン100の動作点および動作領域が規定される。
全負荷線600は、各エンジン回転数における最エンジントルクをプロットした動作線である。すなわち、ディーゼルエンジン100の動作可能領域は、全負荷線600よりも内側に制限される。
横軸上に示された共振回転数Nrは、車両の固有振動周波数(共振周波数)に対応したエンジン回転数である。低エンジントルク時には、ディーゼルエンジン100で燃焼される燃料量が少ないので、エンジン作動音が低減する。また、上述のように、エンジン減速時にはターボ消音効果が低減される。このため、共振回転数Nrを含むエンジン回転数領域での低トルク領域に相当する動作領域である振動領域610を、エンジン減速時の動作点が通過すると、圧力変動による振動の増幅と重なって、吸気脈動による音や振動が、車室内でユーザに感知され易くなる。
したがって、図4に示した限界ライン520よりも吸気脈動が大きいときに、エンジン動作点が振動領域610を通過する場合には、吸気脈動に起因した音や振動がユーザに感知されないための対策が必要である。
図6は、吸気脈動抑制制御が必要となるエンジン動作領域を説明するための第1の概念図である。
図6を参照して、低振動領域630は、EGR作動(オン)時、すなわち図3の境界線620よりも内側において、吸気脈動の影響が問題とならない動作領域である。すなわち低振動領域630は、図4中の領域530に対応する動作点の集合に対応する。
同様に、図6中の低振動領域640は、EGRオフ時において、吸気脈動の影響が問題とならない動作領域である。すなわち、低振動領域640は、図4における領域540に対応する動作点の集合に対応する。
図4から理解されるように、吸入空気量を絞ることによって吸気脈動は減少する。このため、エンジン減速時においても、振動領域610の通過時に吸入空気量が十分小さければ、吸気脈動による音や振動は問題とならない。
図1に示されたDスロットル24は、ECU60によりアクセル開度ACCに応じて制御される。
図7には、アクセルペダルのオフ時におけるDスロットル24の通常の開度制御を説明するための概念的な波形図が示される。
図7を参照して、時刻t0にドライバがアクセルペダルをオフしてACC=0になると、Dスロットル24は、全閉状態に向けて、開度が徐々に減少される。これに応じて、エンジン回転数が低下される。この際に、吸入空気量の急激な変化を避けるために、Dスロットル開度の変化は制限される。たとえば、通常の開度制御に従えば、ACC=0となってから、Dスロットル開度がD1からゼロ(全閉)まで変化するまでに、時間Tsを要する。
再び、図6を参照して、低振動領域630,640内の動作点からのエンジン減速時には、減速開始時における吸入空気量が小さいため、図4に示された限界ライン520よりも低いレベルの吸気脈動しか生じない。したがって、エンジン減速に伴って、エンジン動作点が振動領域610を通過しても、吸気脈動による音や振動の問題は生じない。
さらに、図6中の境界線700よりも低回転数側の領域からエンジン減速が開始された場合には、エンジン動作点は、振動領域610よりも低回転数の領域を通過する。したがって、エンジン減速に伴って、吸気脈動による音や振動の問題は生じない。
一方、図6中の境界線710よりも高回転数側の動作領域からのエンジン減速時には、アクセルペダルオフによる減速開始から振動領域610を通過するまでに、図7中のTsよりも長い時間を要する。このため、エンジン動作点が振動領域610を通過する時には、Dスロットル24の開度がゼロとなって吸入空気量が絞られるため、図4中の領域530での動作と等価となる。この結果、エンジン減速に伴って、吸気脈動による音や振動の問題は生じない。
したがって、図8に示されるように、ディーゼルエンジン100では、所定の動作領域750(以下、「所定領域」とも称する)内のエンジン動作点P1からエンジン減速が開始されると、吸入空気量が絞り切れていない状態で、エンジン動作点が振動領域610を通過する可能性がある。このような場合には、吸気脈動による音や振動が車室内で感知される虞がある。
したがって、実施の形態1に従うディーゼルエンジンでは、所定領域750からのエンジン減速開始時に、吸気脈動による音や振動を抑制するため吸気脈動抑制制御が実行される。
図8から理解されるように、所定領域750は、ディーゼルエンジン100の全負荷線600よりも内側の動作可能領域から、低振動領域630および640(図6)、境界線700よりも低回転数側の領域、ならびに、境界線710よりも高回転数側の領域を除去した動作領域に相当する。
したがって、所定領域750に対応するエンジン回転数領域NR1についても、車体の固有振動周波数(共振周波数)frに対応する共振回転数Nrに対応して定められることが理解される。
図9は、本発明の実施の形態1に従うディーゼルエンジンに適用される吸気脈動低減制御を説明するためのフローチャートである。図9に示す制御処理は、ディーゼルエンジン100の運転中に、ECU60によって繰返し実行される。
図9を参照して、ECU60は、ステップS100により、アクセル開度ACCの制御周期間での変化量ΔAccが判定値α以下であるかどうかを判定する。なお、アクセルペダルのオフ時には、ΔAcc<0となる。したがって、たとえばα=0に設定することにより、ドライバによるアクセルペダルのオフ操作によるエンジン減速の開始を、ステップS100によって検知できる。
ECU60は、ΔAcc<αのとき(S100のYES判定時)には、アクセルペダルのオフ操作に伴うエンジン減速の開始を検知して、処理をステップS110へ進める。
ECU60は、ステップS110では、エンジン減速開始の検知時におけるエンジン動作点が図8に示した所定領域750内であるか否かを判定する。
ECU60は、ステップS100またはS110のNO判定時には、ステップS120に処理を進めて、Dスロットル24、SCV30およびEGRバルブ40の動作を制御する。ステップS120による通常制御では、SCV30は、EGRバルブ40と同様にエンジン動作点を含むエンジン状態に応じて開度が制御される。エンジン状態は、ECU60に対して入力される、大気圧P、外気温度T、アクセル開度Accおよび、吸気温度等を含んでもよい。
EGRバルブ40の開度は、図3で説明したように制御される。さらに、Dスロットル24の開度もエンジン状態に応じて制御される。特に、アクセルオフ操作時におけるDスロットル開度は、図7に示した特性(所要時間Ts)に従って制御される。
したがって、ディーゼルエンジン100の減速開始が検知されない場合(S100のNO判定時)および、ディーゼルエンジン100の減速開始時のエンジン動作点が所定領域750外の場合(S110のNO判定時)には、吸気脈動抑制制御はオフされて、通常制御(S120)によって、Dスロットル24、SCV30およびEGRバルブ40が制御される。
これに対して、ECU60は、所定領域750内のエンジン動作点からのエンジン減速開始を検知した場合(S110のYES判定時)には、ステップS130に処理を進めて、吸気脈動抑制制御をオンする。吸気脈動抑制制御がオンされると、ECU60は、(i)EGRバルブ40を強制的に閉じるEGR強制オフ制御、(ii)Dスロットル24の早閉じ制御、および、(iii)SCV30を強制的に閉じるSCV閉制御のうちの少なくとも1つを実行する。
EGR強制オフ制御では、エンジン動作点にかかわらずEGRバルブ40が閉状態に維持される。したがって、図8中で所定領域750内のEGR作動領域(境界線620よりも低回転数および低トルク側の領域)においても、EGRバルブ40が閉状態に制御される。これにより、EGR装置を経由した排気側振動の吸気系への伝達を遮断することによって、吸気脈動を抑制することができる。
Dスロットル早閉じ制御では、アクセルペダルのオフ時におけるDスロットルの開度は、図10に示される波形図のように制御される。
図10を参照して、図7の場合と同様に、時刻t0にドライバがアクセルペダルをオフしてACC=0になると、Dスロットル24の開度は、全閉状態に向けて減少される。
スロットル早閉じ制御では、ACC=0となってから、Dスロットル開度がD1からゼロ(全閉)まで変化するまでの所要時間Ts*が、通常制御時の所要時間Tsよりも短い。これにより、エンジン減速時の吸入空気量を通常よりも早く絞ることができる。
これにより、所定領域750(図8)内からのエンジン減速開始時にも、エンジン動作点が振動領域610を通過するまでに、図4の領域530,540と同等レベルまで吸入空気量を減少させることができる。この結果、吸気脈動を抑制することができる。
再び図9を参照して、SCV閉制御では、エンジン動作点にかかわらずSCV30を閉状態に維持することにより、吸入空気量を減少することができる。
このようにすると、図4で示された特性に従って、所定領域750内のエンジン動作点からのエンジン減速時には、EGRオフおよび/または吸入空気量の減少によって、吸気脈動による圧力変動を減少することができる。これにより、エンジン動作点が車体の共振周波数に対応する振動領域610を通過する場合にも、吸気脈動に起因した音や振動がユーザに対して感知されないレベルまで、圧力変動を抑制することができる。
図11には、吸気脈動抑制制御による低減効果を比較するための概念的なグラフが示される。
図11を参照して、ステップS120による通常制御時における吸気脈動による振動レベル(通常)と比較して、ステップS130による(i)EGR強制オフ制御、(ii)Dスロットル早閉じ制御および(iii)SCV閉制御実行の少なくともいずれかを実行することによって、吸気脈動に起因する振動が減少されることが理解される。
上述のように、Dスロットル早閉じ制御と、SCV閉制御とは、気筒28への吸入空気量の減少によって吸気脈動を低減するものである。ここで、一般的にディーゼルエンジン100において、Dスロットル24の閉動作に比べて、SCV30による閉動作の方が、速やかに吸入空気量を低減することができる。このため、SCV閉制御の方が、吸気脈動の抑制効果が高くなっている。
これらの(i)、(ii)および(iii)の制御を適宜組合せることによって、振動の低減効果は異なってくる。(i)〜(iii)の制御のうちのいずれを実行するかについては、許容される振動レベルに応じて決めることができる。
たとえば、図11中に示されたSaよりも振動レベルを低くする必要がある場合には、(i)および(ii)、(i)および(iii)、あるいは、(i)、(ii)および(iii)を実行する吸気脈動抑制制御が必要となる。
また、振動レベルをSbよりも低減する必要がある場合には、(i)および(ii)の両方を実行する制御、あるいは、(i)〜(iii)のすべてを行なう吸気脈動抑制制御が必要となることが理解される。
再び図9を参照して、ECU60は、ステップS130による吸気脈動抑制制御の実行時は、ステップS140により、アクセル開度の変化量ΔACCが判定値βよりも大きくなったかどうかを判定する。判定値βは、ドライバによってアクセルペダルが踏み込まれたことを検知するように設定される。たとえば、βは、正の所定値に設定することができる(β>0)。
これにより、エンジン減速開始に応じて吸気脈動抑制が実行された後、再びアクセルペダルが操作されたことによって、エンジン回転数が上昇する場合には、ECU60は、ステップS140をYES判定として、ステップS120に処理を進める。これにより、吸気脈動抑制制御(S130)が終了されて、EGRバルブ40、SCV30およびDスロットル24は、通常制御(S120)に従って動作することになる。アクセルペダルの操作によるエンジン加速時には、燃焼室78内での燃焼音の発生等により、吸気脈動の影響を考慮する必要がなくなるからである。
一方で、エンジン減速開始からアクセルペダルが再び操作されるまでの間(ステップS140のNO判定時)には、ECU60は、ステップS130による吸気脈動抑制制御を継続的に実行する。なお、アクセルペダルが再び操作されるまでの間には、エンジン回転数が振動領域610よりも低下した場合にも、吸気脈動の影響を考慮する必要がなくなる。したがって、この場合にも、吸気脈動抑制制御を終了して処理をステップS120(通常制御)へ進めることが好ましい。
本実施の形態1によるディーゼルエンジンによれば、エンジン動作点が所定領域750(図8)内である状態からエンジン減速が開始されたときに、EGRオフによる排気脈動の吸気系への伝達の遮断、および、吸入空気量の減少の少なくとも一方を強制的に図る吸気脈動抑制制御が実行される。これにより、吸気脈動による圧力変動を低減することによって、車体の固有振動周波数(共振周波数)に対応するエンジン回転数領域に対応したエンジン動作領域において、吸気脈動に起因した音や振動がユーザに違和感を与えることを防止できる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、SCV30が搭載されたディーゼルエンジンについて説明したが、本発明は、SCV30が適用されないディーゼルエンジンに対しても適用することが可能である。
実施の形態1では、SCV30が搭載されたディーゼルエンジンについて説明したが、本発明は、SCV30が適用されないディーゼルエンジンに対しても適用することが可能である。
図12は、実施の形態2に従うディーゼルエンジンの概略構成を示すブロック図である。
図12を図11と比較して、実施の形態に従うディーゼルエンジンでは、SCV30が非配置とされる。ディーゼルエンジン100♯のその他の構成は、図1に示したディーゼルエンジン100と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
実施の形態2に従うディーゼルエンジン100♯においても、Dスロットル24の早閉じ制御によって、吸気脈動抑制のための吸入空気量低減を図ることができる。したがって、実施の形態2に従うディーゼルエンジン100♯に対しても、実施の形態1と同様に、吸気脈動抑制制御を適用することができる。
図13は、実施の形態2に従うディーゼルエンジンに適用される吸気脈動抑制制御の制御処理を説明するフローチャートである。
図13を図10と比較して、実施の形態2に従うディーゼルエンジンにおける吸気脈動抑制制御では、ECU60は、図8でのステップS130に代えて、ステップS130♯を実行する。ECU60は、ステップ130♯では、吸気脈動抑制制御として、実施の形態1と同様の(i)EGR強制オフ制御および(ii)Dスロットル早閉じ制御のうちの少なくとも1つを実行する。図13中のその他のステップの制御処理は、図8と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
実施の形態2に従うディーゼルエンジン100♯においても、Dスロットル早閉じ制御によって、吸気脈動抑制制御のための吸入空気量低減を図ることができる。このため、SCV30が搭載されていないディーゼルエンジン100♯においても、所定領域750(図8)からのエンジン減速時における吸気脈動を抑制することによって、吸気脈動に起因した振動や音がユーザに感知することを防止できる。
なお、実施の形態1,2では本発明のエンジンの一例としてディーゼルエンジンを用いて説明したが、エンジンは必ずしもディーゼルエンジンに限定されるものでなく、たとえばガソリンエンジンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 吸気ダクト、12 エアクリーナ、14 ターボチャージャー、16 コンプレッサ、18 タービン、20 インタークーラー、22 吸気マニホールド、24 スロットルバルブ(Dスロットル)、25 回転数センサ、26 温度センサ、27 水温センサ、28 気筒、30 スワールコントロールバルブ(SCV)、32 排気マニホールド、34 排気浄化装置、36 排気通路、38 EGR通路、40 EGRバルブ、42 EGRクーラー、45 EGR装置、72 吸気ポート、74 排気ポート、76 ピストン、78 燃焼室、100,100♯ ディーゼルエンジン、500,510 特性線、520 限界ライン、600 全負荷線、610 振動領域、620 境界線(EGR作動)、630,640 低振動領域、700,710 境界線、750 所定の動作領域(所定領域)、Acc アクセル開度、NR1 エンジン回転数領域、Nr 共振回転数、P 大気圧、T 外気温度、Ts,Ts♯ 所要時間(Dスロットル閉動作)。
Claims (5)
- 燃焼室からの排気通路に設けられるタービンと前記燃焼室への吸気通路に設けられるコンプレッサとを含むターボチャージャーと、
排気還流弁の開弁に応じて排気還流通路を経由して排気ガスの一部を前記吸気通路へ通流させるための排気還流装置と、
前記吸気通路に介装されたスロットルバルブと、
エンジン動作点が所定領域内に含まれた状態からアクセル操作量の減少に伴ってエンジン回転数が低下するエンジン減速を検知したときに、前記排気還流弁を閉状態とする第1の制御および前記燃焼室内への吸入空気量を減少させる第2の制御の少なくとも一方を実行するための制御装置とを備え、
前記所定領域は、車体の共振周波数に対応する所定のエンジン回転数領域に対応して予め設定される、エンジン。 - 前記燃焼室内に発生させる吸気スワールを制御するための吸気絞り弁をさらに備え、
前記第2の制御は、前記吸気絞り弁を閉状態に維持する制御と、前記アクセル操作量の減少に応じた前記スロットルバルブの閉速度を前記第2の制御の非実行時よりも上昇させる制御との少なくとも一方を含む、請求項1記載のエンジン。 - 前記第2の制御は、前記アクセル操作量の減少に応じた前記スロットルバルブの閉速度を前記第2の制御の非実行時よりも上昇させる制御を含む、請求項1記載のエンジン。
- 前記制御装置は、前記第1および第2の制御の少なくとも一方の実行中に前記アクセル操作量の増加を検知すると、実行中の前記少なくとも一方の制御を終了する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジン。
- 前記所定領域は、前記所定のエンジン回転数領域であって、かつ、エンジントルクが所定よりも高い領域に設定される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジン。
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