JP5321200B2 - 排気還流装置の異常診断装置 - Google Patents

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Description

この発明は排気系の排気の一部を吸気系に還流させる排気還流装置について、その異常の有無を診断する異常診断装置に関する。
内燃機関の排気還流装置では、例えば特許文献1に記載されるように、排気還流通路に設けられた排気還流弁の開度を変更することにより、排気の還流量を機関運転状態に適した量に制御するようにしている。
ところで、上述のような排気還流装置においては、排気還流弁の作動不良や排気還流通路の閉塞等異常が発生することもあり、この場合には排気還流量を機関運転状態に見合う適切な量に制御することが困難になる。
そこで、こうした異常の有無を診断すべく、例えば上記特許文献1に記載のものでは、次のように異常診断を行っている。すなわち、この異常診断では、内燃機関がアイドル運転中であるときに、排気還流弁を強制的に開駆動させるとともに、この開駆動に伴って生じる排気還流量の変化量を算出し、同変化量が判定値以下であると判断されると排気還流装置に異常が生じている旨診断するようにしている。
特開平9‐158787号公報
しかしながら、このように排気還流弁の開度を機関運転状態に応じて設定された開度から強制的に開駆動させると、排気還流装置に異常が生じていなければ、排気還流量が増加する分だけ吸気量が減少するため、還流される排気を含む吸気の温度が上昇するようになる。そのため、排気系に設けられた排気浄化触媒に流入する排気の温度も上昇し、排気浄化触媒が過度に温度上昇するおそれがある。また、排気還流弁を強制的に開駆動させている間に加速要求があり機関負荷が増大した場合には、排気還流弁を閉駆動させて吸気量を増大させるがこれには応答遅れがあるため、一時的に吸気量が不足して燃焼が不安定となり、ドライバビリティが悪化したりスモークが発生したりするおそれがある。特に、こうした不都合は、高地等のように吸気の密度が低い環境下にて生じやすい。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気浄化触媒の過度な温度上昇や燃焼の不安定化を招くことなく異常診断を実行することのできる排気還流装置の異常診断装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、車載内燃機関の吸気系と排気浄化触媒が設けられる排気系とを接続する排気還流通路と同排気還流通路に設けられて前記排気系から前記吸気系に戻される排気の還流量を調整する排気還流弁とを備えた排気還流装置について、その異常の有無を診断する排気還流装置の異常診断装置において、異常診断の実行条件が成立しているときに前記排気還流弁一旦全閉開度まで閉駆動させてから開駆動させる駆動指令を与える強制駆動処理を実行する弁駆動手段と、前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の駆動に伴う排気還流量の変化量を検出する変化量検出手段と、前記強制駆動処理における前記排気還流弁の開駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断する診断手段とを備え、前記弁駆動手段は前記診断手段により異常無しとの診断がなされたときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づく開度となるように前記排気還流弁を駆動する。
上記構成では、排気還流弁を一旦閉駆動させてから開駆動させ、その開駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しとの診断をするとともに、異常無しとの診断がなされたときには強制駆動処理を中断して排気還流弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動するようにしている。このため、機関運転状態に基づく開度から排気還流弁を単に開駆動させて排気還流装置の異常診断を実行する場合と比較して、排気還流弁の開度が比較的小さい段階で異常診断を完了させることが可能となる。また、このように排気還流装置の異常診断が完了した時点で速やかに排気還流弁の開度を機関運転状態に基づいて設定される開度に変更するようにしている。そのため、異常診断の実行に際して排気還流弁を必要以上に開弁してしまうことがなく、過度な排気の還流が抑制されるようになる。したがって、排気浄化触媒の過度な温度上昇や燃焼の不安定化を招くことなく異常診断を実行することができる。
また、請求項1に記載の発明では、前記診断手段は前記排気還流弁の開駆動時における異常診断に先立ち、前記排気還流弁の閉駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断するものであり、前記弁駆動手段は前記診断手段の閉駆動時における異常診断にて異常無しと診断されたときには前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動する一方、異常無しと診断されないときには前記強制駆動処理を継続して前記診断手段による開駆動時の異常診断を実行することをその要旨とする。
上述したように異常診断に際し排気還流弁の開度を大きくすると排気を含む吸気の温度が上昇するため、排気浄化触媒に流入する排気の温度も上昇して同排気浄化触媒が過度に温度上昇するおそれがある。これに対して、排気還流弁の開度を小さくすると、排気の還流量が減少することにより排気浄化触媒に流入する排気の温度が低下するため、排気浄化触媒の温度が低下する懸念がある。
この点、上記構成によれば、開駆動時における異常診断に先立ち、排気還流弁の閉駆動時においても排気還流装置の異常診断を実行するようにしている。そして、こうした閉駆動時における異常診断の途中に排気還流装置が異常無しとの診断がなされると、強制駆動処理を中断して排気還流弁を更に閉駆動することなく、排気還流弁の開度を速やかに機関運転状態に基づいて設定される開度に変更するようにしている。このため、異常診断に要する時間の短縮を図ることができ、触媒の温度低下を抑制することができるようになる。
また、強制駆動処理を実行する前の排気還流弁の開度、すなわち機関運転状態に基づいて設定される排気還流弁の開度が小さいときには、排気還流弁の閉駆動に伴う排気還流量の変化量が小さくなる。このため、排気還流装置に異常が発生していない場合でも、閉駆動時の異常診断において異常無しとの診断がなされないことがある。しかしながら、こうした場合には、その後に実行される排気還流弁の開駆動時の異常診断において、異常無しとの診断を行うことができる。なお、閉駆動時の異常診断に際して用いられる判定値と開駆動時の異常診断に際して用いられる上記判定値とは同じ値に設定してもよいし、異なる値に設定してもよい。
請求項に記載の発明は、車載内燃機関の吸気系と排気浄化触媒が設けられる排気系とを接続する排気還流通路と同排気還流通路に設けられて前記排気系から前記吸気系に戻される排気の還流量を調整する排気還流弁とを備えた排気還流装置について、その異常の有無を診断する排気還流装置の異常診断装置において、異常診断の実行条件が成立しているときに前記排気還流弁を一旦閉駆動させてから開駆動させる強制駆動処理を実行する弁駆動手段と、前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の駆動に伴う排気還流量の変化量を検出する変化量検出手段と、前記強制駆動処理における前記排気還流弁の開駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断する診断手段とを備え、前記弁駆動手段は前記診断手段により異常無しとの診断がなされたときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づく開度となるように前記排気還流弁を駆動し、前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁を一旦閉駆動した後に所定の上限開度となるまで開駆動するものであり、前記上限開度及び前記判定値を車両の走行環境に応じてそれぞれ可変設定する設定手段を更に備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、機関運転状態に基づく開度から排気還流弁を単に開駆動させて排気還流装置の異常診断を実行する場合と比較して、排気還流弁の開度が比較的小さい段階で異常診断を完了させることが可能となる。また、このように排気還流装置の異常診断が完了した時点で速やかに排気還流弁の開度を機関運転状態に基づいて設定される開度に変更するようにしている。そのため、異常診断の実行に際して排気還流弁を必要以上に開弁してしまうことがなく、過度な排気の還流が抑制されるようになる。したがって、排気浄化触媒の過度な温度上昇や燃焼の不安定化を招くことなく異常診断を実行することができる。
例えば減速時フューエルカット時であることを実行条件として異常診断を行う場合、加速要求によりフューエルカットが停止されると異常診断が中断されるため、排気還流弁は機関運転状態に基づいて設定される開度となるように制御される。ここで、異常診断が中断されてから排気還流量が機関運転状態に適した量になるまでには応答遅れがあるため、この応答遅れ期間では機関運転状態に適した量を超える排気が吸気系に還流するおそれがある。特に、高地等、空気密度が低い環境下においては、平地と比較して気筒内に導入される吸気量が少なくなるため、上述のように過度な排気の還流が行われると失火が生じるおそれがある。
この点、上記構成によれば、排気還流弁を開駆動する際の上限開度が車両の走行環境に応じて設定されるため、例えば、空気密度が低い高地等を車両が走行中であっても、上限開度を小さく設定して排気還流量を制限した状態で異常診断を行うことにより、上述のような失火を抑制することが可能になる。
また、上記構成では、このように排気還流弁の上限開度を車両の走行環境に応じて可変設定するのに併せて、異常診断に際して用いられる上記判定値についても車両の走行環境に応じて可変設定するようにしている。このため、例えば車両が高地等を走行中であるときには、排気還流弁の上限開度を小さく設定するとともに、判定値を小さく設定することにより、排気還流装置の異常診断を適切に実行することが可能となる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記設定手段は車両の走行環境として大気圧を検出する大気圧検出手段を含み、同大気圧検出手段により検出される大気圧が低いときほど前記上限開度及び前記判定値がそれぞれ小さくなるようにこれらを可変設定することをその要旨とする。
上記構成によれば、車両が高地を走行中であることを大気圧が低いことに基づいて判断することができる。そして、大気圧が低いときほど、排気還流弁の上限開度及び判定値が小さくなるようにこれらを可変設定することで、車両が高地を走行する場合であっても、失火を抑制しつつ排気還流装置の異常診断を実行することができる。
請求項に記載の発明は、車載内燃機関の吸気系と排気浄化触媒が設けられる排気系とを接続する排気還流通路と同排気還流通路に設けられて前記排気系から前記吸気系に戻される排気の還流量を調整する排気還流弁とを備えた排気還流装置について、その異常の有無を診断する排気還流装置の異常診断装置において、異常診断の実行条件が成立しているときに前記排気還流弁を一旦閉駆動させてから開駆動させる強制駆動処理を実行する弁駆動手段と、前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の駆動に伴う排気還流量の変化量を検出する変化量検出手段と、前記強制駆動処理における前記排気還流弁の開駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断する診断手段とを備え、前記弁駆動手段は前記診断手段により異常無しとの診断がなされたときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づく開度となるように前記排気還流弁を駆動し、前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁を一旦閉駆動した後に所定の上限開度まで開駆動するものであり、前記上限開度及び前記判定値を前記車載内燃機関の運転状態に応じて可変設定する設定手段を更に備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、機関運転状態に基づく開度から排気還流弁を単に開駆動させて排気還流装置の異常診断を実行する場合と比較して、排気還流弁の開度が比較的小さい段階で異常診断を完了させることが可能となる。また、このように排気還流装置の異常診断が完了した時点で速やかに排気還流弁の開度を機関運転状態に基づいて設定される開度に変更するようにしている。そのため、異常診断の実行に際して排気還流弁を必要以上に開弁してしまうことがなく、過度な排気の還流が抑制されるようになる。したがって、排気浄化触媒の過度な温度上昇や燃焼の不安定化を招くことなく異常診断を実行することができる。
また、上記構成によれば、排気還流弁を開駆動する際の上限開度を車載内燃機関の運転状態に応じて設定するようにしているため、例えば、排気浄化触媒の浄化機能を回復させるためにこれを一時的に温度上昇させる触媒再生処理が異常診断の開始前に実行されていた場合であっても、その上限開度を小さく設定して排気還流量を制限した状態で異常診断をすることにより、排気浄化触媒が必要以上に温度上昇することを抑えつつ異常診断を実行することが可能となる。
また、上記構成では、このように排気還流弁の上限開度を車載内燃機関の運転状態に応じて可変設定するのに併せ、異常診断に際して用いられる上記判定値についても車載内燃機関の運転状態に応じて可変設定するようにしている。このため、例えば、触媒再生処理が異常診断の開始前に実行されていた場合であっても、排気還流弁の上限開度を小さく設定するとともに、上記判定値を小さく設定することにより、排気還流装置の異常診断を適切に実行することが可能となる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記設定手段は前記排気浄化触媒を温度上昇させて同排気浄化触媒の浄化機能を回復させるための触媒再生処理が異常診断に先立ち実行されていたときには、前記上限開度及び前記判定値がそれぞれ小さくなるようにこれらを可変設定することをその要旨とする。
上記構成によれば、触媒再生処理が異常診断の開始前に実行されていた場合であっても、排気還流弁の上限開度及び判定値が小さくなるようにこれらを可変設定することにより、失火を抑制しつつ排気還流装置の異常診断を適切に実行することが可能となる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項2〜5のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、に記載の前記診断手段は前記排気還流弁の開駆動時における異常診断に先立ち、前記排気還流弁の閉駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断するものであり、前記弁駆動手段は前記診断手段の閉駆動時における異常診断にて異常無しと診断されたときには前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動する一方、異常無しと診断されないときには前記強制駆動処理を継続して前記診断手段による開駆動時の異常診断を実行することをその要旨とする。
上記構成によれば、開駆動時における異常診断に先立ち、排気還流弁の閉駆動時においても排気還流装置の異常診断を実行するようにしている。そして、こうした閉駆動時における異常診断の途中に排気還流装置が異常無しとの診断がなされると、強制駆動処理を中断して排気還流弁を更に閉駆動することなく、排気還流弁の開度を速やかに機関運転状態に基づいて設定される開度に変更するようにしている。このため、異常診断に要する時間の短縮を図ることができ、触媒の温度低下を抑制することができるようになる。
また、強制駆動処理を実行する前の排気還流弁の開度、すなわち機関運転状態に基づいて設定される排気還流弁の開度が小さいときには、排気還流弁の閉駆動に伴う排気還流量の変化量が小さくなる。このため、排気還流装置に異常が発生していない場合でも、閉駆動時の異常診断において異常無しとの診断がなされないことがある。しかしながら、こうした場合には、その後に実行される排気還流弁の開駆動時の異常診断において、異常無しとの診断を行うことができる。なお、閉駆動時の異常診断に際して用いられる判定値と開駆動時の異常診断に際して用いられる上記判定値とは同じ値に設定してもよいし、異なる値に設定してもよい。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記排気浄化触媒の温度を検出する温度検出手段を更に備え、前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気浄化触媒の温度が所定の温度範囲で変化するように前記排気還流弁の駆動態様を前記検出される排気浄化触媒の温度に基づいて設定することをその要旨とする。
上記構成によれば、強制駆動処理を実行する際の排気還流弁の駆動態様を排気浄化触媒の温度に基づいて設定することにより、排気浄化触媒の温度を所定の温度範囲で変化させるようにしている。したがって、排気浄化触媒の過度な温度上昇や温度低下を抑制することができるようになる。なお、排気浄化触媒の温度を推定する際には、同温度を直接検出するようにしてもよいし、機関運転状態に基づいて同温度を間接的に検出するようにしてもよい。
請求項8に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記排気浄化触媒の温度を検出する温度検出手段を更に備え、前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気浄化触媒の温度が所定の温度範囲で変化するように前記排気還流弁の駆動態様を前記検出される排気浄化触媒の温度に基づいて設定し、前記弁駆動手段は、前記排気還流弁を閉駆動する際の目標開度となる下限開度を前記検出される排気浄化触媒の温度が低いほど大きくなるように設定することをその要旨とする。
請求項9に記載の発明は、車載内燃機関の吸気系と排気浄化触媒が設けられる排気系とを接続する排気還流通路と同排気還流通路に設けられて前記排気系から前記吸気系に戻される排気の還流量を調整する排気還流弁とを備えた排気還流装置について、その異常の有無を診断する排気還流装置の異常診断装置において、異常診断の実行条件が成立しているときに前記排気還流弁を一旦閉駆動させてから開駆動させる強制駆動処理を実行する弁駆動手段と、前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の駆動に伴う排気還流量の変化量を検出する変化量検出手段と、前記強制駆動処理における前記排気還流弁の開駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断する診断手段とを備え、前記弁駆動手段は前記診断手段により異常無しとの診断がなされたときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づく開度となるように前記排気還流弁を駆動し、前記排気浄化触媒の温度を検出する温度検出手段を更に備え、前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気浄化触媒の温度が所定の温度範囲で変化するように前記排気還流弁の駆動態様を前記検出される排気浄化触媒の温度に基づいて設定し、前記弁駆動手段は、前記排気還流弁を閉駆動する際の目標開度となる下限開度を前記検出される排気浄化触媒の温度が低いほど大きくなるように設定することをその要旨とする。
請求項9に記載の発明によれば、機関運転状態に基づく開度から排気還流弁を単に開駆動させて排気還流装置の異常診断を実行する場合と比較して、排気還流弁の開度が比較的小さい段階で異常診断を完了させることが可能となる。また、このように排気還流装置の異常診断が完了した時点で速やかに排気還流弁の開度を機関運転状態に基づいて設定される開度に変更するようにしている。そのため、異常診断の実行に際して排気還流弁を必要以上に開弁してしまうことがなく、過度な排気の還流が抑制されるようになる。したがって、排気浄化触媒の過度な温度上昇や燃焼の不安定化を招くことなく異常診断を実行することができる。
また、請求項8及び9に記載の発明によれば、排気還流弁を目標開度となる下限開度まで閉駆動させる際、その下限開度を排気浄化触媒の温度が低いほど大きい開度とするようにしている。そのため、排気浄化触媒の温度が低いほどより多くの排気を触媒に流入させるようにして、適切に触媒の温度低下を抑制することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記診断手段は前記排気還流弁の開駆動時における異常診断に先立ち、前記排気還流弁の閉駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断するものであり、前記弁駆動手段は前記診断手段の閉駆動時における異常診断にて異常無しと診断されたときには前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動する一方、異常無しと診断されないときには前記強制駆動処理を継続して前記診断手段による開駆動時の異常診断を実行することをその要旨とする。
上記構成によれば、開駆動時における異常診断に先立ち、排気還流弁の閉駆動時においても排気還流装置の異常診断を実行するようにしている。そして、こうした閉駆動時における異常診断の途中に排気還流装置が異常無しとの診断がなされると、強制駆動処理を中断して排気還流弁を更に閉駆動することなく、排気還流弁の開度を速やかに機関運転状態に基づいて設定される開度に変更するようにしている。このため、異常診断に要する時間の短縮を図ることができ、触媒の温度低下を抑制することができるようになる。
また、強制駆動処理を実行する前の排気還流弁の開度、すなわち機関運転状態に基づいて設定される排気還流弁の開度が小さいときには、排気還流弁の閉駆動に伴う排気還流量の変化量が小さくなる。このため、排気還流装置に異常が発生していない場合でも、閉駆動時の異常診断において異常無しとの診断がなされないことがある。しかしながら、こうした場合には、その後に実行される排気還流弁の開駆動時の異常診断において、異常無しとの診断を行うことができる。
請求項11に記載の発明は、請求項7〜10のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の閉駆動を完了してから所定の開度保持期間が経過するまで開度を保持した後に開駆動を開始するものであって、前記検出される排気浄化触媒の温度が低いときほど前記開度保持期間が短くなるようにこれを変更することをその要旨とする。
請求項12に記載の発明は、車載内燃機関の吸気系と排気浄化触媒が設けられる排気系とを接続する排気還流通路と同排気還流通路に設けられて前記排気系から前記吸気系に戻される排気の還流量を調整する排気還流弁とを備えた排気還流装置について、その異常の有無を診断する排気還流装置の異常診断装置において、異常診断の実行条件が成立しているときに前記排気還流弁を一旦閉駆動させてから開駆動させる強制駆動処理を実行する弁駆動手段と、前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の駆動に伴う排気還流量の変化量を検出する変化量検出手段と、前記強制駆動処理における前記排気還流弁の開駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断する診断手段とを備え、前記弁駆動手段は前記診断手段により異常無しとの診断がなされたときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づく開度となるように前記排気還流弁を駆動し、前記排気浄化触媒の温度を検出する温度検出手段を更に備え、前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気浄化触媒の温度が所定の温度範囲で変化するように前記排気還流弁の駆動態様を前記検出される排気浄化触媒の温度に基づいて設定し、前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の閉駆動を完了してから所定の開度保持期間が経過するまで開度を保持した後に開駆動を開始するものであって、前記検出される排気浄化触媒の温度が低いときほど前記開度保持期間が短くなるようにこれを変更することをその要旨とする。
請求項12に記載の発明によれば、機関運転状態に基づく開度から排気還流弁を単に開駆動させて排気還流装置の異常診断を実行する場合と比較して、排気還流弁の開度が比較的小さい段階で異常診断を完了させることが可能となる。また、このように排気還流装置の異常診断が完了した時点で速やかに排気還流弁の開度を機関運転状態に基づいて設定される開度に変更するようにしている。そのため、異常診断の実行に際して排気還流弁を必要以上に開弁してしまうことがなく、過度な排気の還流が抑制されるようになる。したがって、排気浄化触媒の過度な温度上昇や燃焼の不安定化を招くことなく異常診断を実行することができる。
ここで、排気還流弁を一旦閉駆動させた後、直ぐに開駆動するようにした場合、排気還流量の変化には応答遅れがあるため、同排気還流量が閉駆動後の開度に対応した量にまで低下する前に排気還流弁が開駆動されてしまうことがある。このため、こうした排気還流量の応答遅れを考慮し、上記構成によるように、排気還流弁の閉駆動を完了した後は所定の開度保持期間が経過するまでその開度を保持することが望ましい。ただしこのように閉駆動後の開度を保持するようにすると、排気還流弁の開度を減少させた状態、すなわち排気の温度が低下した状態が継続するため、排気浄化触媒の温度状況によってはその温度が必要以上に低下することが懸念される。そのため、特に機関運転始動時や低負荷運転時といった排気浄化触媒の温度が低い状況下においては、排気浄化触媒の温度低下を抑制することが望ましい。
この点、請求項11及び12に記載の構成においては、排気還流弁の閉駆動を完了させてから開駆動を開始するまで開度を保持する開度保持期間について、排気浄化触媒の温度が低いほど短くなるようにこれを変更し、その変更後の開度保持期間に基づいて排気還流弁を駆動させるようにしている。そのため、排気浄化触媒の温度に応じて適切に排気浄化触媒の温度低下を抑制することができる。なお、開度保持期間を短くなるように変更すると、排気還流量の変化量が小さくなるおそれがあるため、これを考慮して、異常診断に際して用いられる判定値を小さい値に設定することが望ましい。
請求項13に記載の発明は、請求項7〜12のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記弁駆動手段は前記検出される排気浄化触媒の温度が所定温度以下であるときには前記強制駆動処理を禁止して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動することをその要旨とする。
上記構成によれば、排気還流弁の強制駆動処理の実行に起因する排気浄化触媒の過度な温度低下を抑制することができる
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の開度が所定の開度となるまで同排気還流弁を閉駆動するとともに前記検出される排気還流量の変化量を監視し、同排気還流量の変化量が安定するまで前記排気還流弁の開駆動を遅延させる一方、所定期間が経過しても前記排気還流量の変化量が安定しないときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動することをその要旨とする。
上記構成によれば、排気還流弁の閉駆動が完了した後、排気還流量が安定するまで排気還流弁の開駆動を遅延させるようにしているため、その開駆動に伴う排気還流量が安定した状況のもとで異常を診断することができ、その診断精度を高めることができる。また、所定期間が経過しても排気還流量が安定しないときには強制駆動処理を中断して排気還流弁の開度が機関運転状態に基づく開度となるように同排気還流弁を駆動するようにしているため、排気還流弁の開度が長期間にわたって小さいままの状態となって排気浄化触媒の温度が低下してしまうことを抑制することができるようになる。
請求項15に記載の発明は、請求項1〜14のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記変化量検出手段は吸気圧を検出する吸気圧センサを含み、同吸気圧センサの検出値に基づいて排気還流量の変化量を推定するものであり、前記診断手段は前記吸気圧センサの検出値が小さいほど前記判定値が小さくなるようにこれを変更するとともに変更後の判定値に基づいて異常診断を実行することをその要旨とする。
また、吸気圧センサの精度は吸気圧によって異なり、吸気圧が低いほどその精度が低下する。したがって、吸気圧センサの検出値に基づいて排気還流量の変化量を推定する場合、その推定に際して吸気圧センサの精度低下が影響を及ぼすこととなる。
この点、請求項15に記載の構成によれば、吸気圧センサの検出値が低いほど小さくなるように変更された判定値を用いて異常診断を実行するようにしている。そのため、吸気圧センサの精度低下が懸念されるとき、すなわち排気還流量の変化量とその真の値との間にずれが生じており、同変化量がその真の値よりも小さくなっていると想定される場合であっても、その精度低下に起因して異常である旨の誤診断がなされることを回避することができるようになる。
請求項16に記載の発明は、請求項1〜15のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記変化量検出手段は吸気圧を検出する吸気圧センサを含み、同吸気圧センサの検出値に基づいて排気還流量の変化量を推定するものであり、前記弁駆動手段は前記吸気圧センサの検出値が所定圧力未満であるときに前記排気還流弁の強制駆動処理を禁止してその開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動することをその要旨とする。
上記構成によれば、吸気圧センサの検出値が所定圧力未満であるときには、同センサの精度が低く、異常診断を所定の精度をもって実行することができないため、排気還流弁の駆動を停止して異常診断を実行しないようにしている。したがって、吸気圧センサの精度低下に起因して誤診断がなされることを回避することができるようになる。
請求項17に記載の発明は、請求項1〜14のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記強制駆動処理に際して吸気圧が所定の圧力値となるようにこれを調整する調整手段を更に備え、前記変化量検出手段は吸気圧を検出する吸気圧センサを含み、同吸気圧センサの検出値に基づいて排気還流量の変化量を推定するものであり、前記診断手段は前記調整手段により所定の圧力値となるように調整された前記吸気系の吸気圧のもとで前記排気還流装置の異常診断を実行することをその要旨とする。
また、吸気系の吸気圧が低いほど、排気還流量の変化量は大きくなるため、異常診断の検出性は向上する。その一方、上述のように、吸気系の吸気圧が低いほど吸気圧センサの精度低下が懸念される。そのため、吸気系の吸気圧が、異常診断の検出性の向上が見込める程度に低く、かつ吸気圧センサの精度低下が懸念されない程度に高い所定の圧力値となった状況のもとで異常診断を実行することが望ましい。
この点、請求項17に記載の構成においては、調整手段により吸気系の吸気圧を所定の圧力値に調整し、その調整された吸気圧のもとで異常診断を実行する。そのため、異常診断の検出性の向上が見込めるとともに吸気圧センサの精度低下が懸念されない条件下にて異常診断を実行することができる。
具体的には、請求項18に記載の構成によるように、調整手段は吸気量を調量するスロットル弁、及び吸気を過給する過給圧可変式過給機の少なくとも一方を含むといった構成を採用することができる。
請求項19に記載の発明は、請求項1〜18のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気の還流量の変化が緩慢になるように前記排気還流弁の開度を徐々に変更することをその要旨とする。
上記構成によれば、排気の還流量の変化を緩慢にすべく排気還流弁の開度を徐々に変更するようにしているため、排気還流弁の開度変化に伴って吸気系圧力に急激な変化が生じることを抑制することができる。したがって、排気還流弁の着座音等の作動音の増大やドライバビリティの悪化を回避することが可能となる。
請求項20に記載の発明は、請求項1〜19のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、車両が減速中であってフューエルカットが実行されていることを前記異常診断の実行条件として含むことをその要旨とする。
上記構成によれば、異常診断は車両が減速中であってフューエルカットが実行されているときに実行されるため、機関運転への影響が少ない状況下で異常診断を実行することができる。
この発明の第1の実施形態についてその適用対象となるディーゼル機関の構成を示す模式図。 同実施形態にかかる異常診断制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる異常診断処理の処理手順を示すフローチャート。 EGR流量と吸気圧との関係を示す概念図。 同実施形態にかかる異常診断処理が行われる場合のEGR弁開度及びEGR流量の推移を示すタイミングチャート。 この発明の第2の実施形態にかかる異常診断処理についてその処理手順の一部を示すフローチャート。 同実施形態にかかる異常診断処理が行われる場合のEGR弁開度及びEGR流量の推移を示すタイミングチャート。 この発明の第3の実施形態にかかる異常診断処理についてその処理手順の一部を示すフローチャート。 同実施形態にかかる異常診断処理であって、車両が低地を走行中である場合及び高地を走行中である場合についてEGR装置に異常が生じていないと診断される場合のEGR弁開度及びEGR流量の推移を示すタイミングチャート。 同実施形態にかかる異常診断処理であって、車両が低地を走行中である場合及び高地を走行中である場合についてEGR装置に異常が生じていると診断される場合のEGR弁開度及びEGR流量の推移を示すタイミングチャート。 この発明の第4の実施形態にかかる異常診断処理についてその処理手順の一部を示すフローチャート。 同実施形態における開度保持期間及び判定値と触媒床温との関係を示す概念図。 この発明の第5の実施形態にかかる異常診断処理についてその処理手順の一部を示すフローチャート。 同実施形態における下限開度と触媒床温との関係を示す概念図。 この発明の第6の実施形態にかかる異常診断処理についてその処理手順の一部を示すフローチャート。 この発明の第7の実施形態にかかる異常診断処理についてその処理手順の一部を示すフローチャート。 同実施形態における判定値及び吸気圧センサ精度と吸気圧との関係を示す概念図。 この発明の第8の実施形態にかかる異常診断処理についてその処理手順の一部を示すフローチャート。 同実施形態における異常診断の検出性及び吸気圧センサ精度と吸気圧との関係を示す概念図。
(第1の実施形態)
以下、この発明にかかる排気還流装置の異常診断装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1に、本実施形態にかかる排気還流装置の異常診断装置が適用された車載内燃機関としてのディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」と称する)及びその周辺構成を示す概略構成図を示す。
エンジン1には複数の気筒#1〜#4が設けられており、シリンダヘッド2には複数の燃料噴射弁4a〜4dが取り付けられている。これら燃料噴射弁4a〜4dは、各気筒#1〜#4の燃焼室に燃料を噴射する。また、シリンダヘッド2には空気を燃焼室に導入するための吸気ポートと、排気を燃焼室から排出するための排気ポート6a〜6dとが各気筒#1〜#4に対応して設けられている。
燃料噴射弁4a〜4dは、高圧燃料を蓄圧するコモンレール9に接続されており、コモンレール9には、サプライポンプ10により加圧された燃料タンクの燃料が高圧燃料として供給される。
吸気ポートにはインテークマニホールド7が接続されている。また、インテークマニホールド7に接続されている吸気通路3内には、吸入空気量及び吸気圧を調整するためのスロットル弁16が設けられている。一方、排気ポート6a〜6dにはエキゾーストマニホールド8が接続され、エキゾーストマニホールド8に排気通路28が接続されている。
排気通路28の途中には、排気圧を利用して燃焼室に導入される吸入空気を過給する過給圧可変式の過給機11が設けられている。この過給機11では、そのタービンホイールに排気を吹き付ける際に排気流速を変更するための複数のノズル弁が同タービンホイールの周囲に設けられており、このノズル弁の開度の変更を通じて過給機11の目標過給圧を変更することができる。また、過給機11の吸気側コンプレッサホイールとスロットル弁16との間の吸気通路3にはインタークーラ18が設けられている。このインタークーラ18によって、過給機11の過給により温度上昇した吸入空気が冷却される。
また、排気通路28の途中にあって、過給機11の排気側タービンの下流側には、排気成分を浄化する排気浄化触媒30が設けられている。この排気浄化触媒30の内部には、排気の流れ方向において順に酸化触媒31及びフィルタ32が配設されている。
酸化触媒31には、排気中のHCを酸化処理する触媒が担持されている。また、フィルタ32は、排気中のPM(粒子状物質)を捕集する部材であって、多孔質のセラミック構造体で構成されており、排気中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。
また、シリンダヘッド2には、酸化触媒31やフィルタ32に添加剤として燃料を供給するための燃料添加弁5が設けられている。この燃料添加弁5は、燃料供給管27を介してサプライポンプ10に接続されており、同燃料添加弁5からは第4気筒#4の排気ポート6d内に向けて燃料が噴射される。この噴射された燃料は、排気とともに酸化触媒31やフィルタ32に供給される。
この他、エンジン1には排気還流装置22(以下、EGR装置と称する)が備えられている。このEGR装置22は、エンジン1の吸気系である吸気通路3と排気系であるエキゾーストマニホールド8とを接続する排気還流通路23(以下、EGR通路と称する)と、同EGR通路23に設けられて排気通路28から吸気通路3に戻される排気の還流量を調整する排気還流弁25(以下、EGR弁と称する)とを備えている。EGR弁25の開度が変更されることにより、吸気通路3に戻される排気の還流量が調整される。また、EGR通路23にあって、EGR弁25の排気上流側には排気を冷却するEGRクーラ24が設けられ、同EGRクーラ24によってEGR通路23内を流れる排気が冷却される。
エンジン1には、機関運転状態を検出するための各種センサが設けられている。例えば、吸気通路3内の吸入空気量を検出するエアフロメータ19や、吸気通路3内の吸気圧PIMを検出する吸気圧センサ21が設けられている。また、EGR弁25の開度を検出するための開度センサ26や、スロットル弁16の開度を検出するスロットル開度センサ20が設けられている。排気浄化触媒30には、その触媒の温度である触媒床温Tを直接検出する温度センサ33が設けられている。そして、車両の走行環境として車両の外部の大気圧Patmを検出する大気圧センサ41、同じく車両の走行環境として外気温を検出する外気温センサ42、そしてエンジン1の運転状態として車両の走行速度である車速SPを検出する車速センサ43がそれぞれ設けられている。
この他、エンジン1には、クランクシャフトの回転速度、すなわち機関回転速度NEを検出する機関回転速度センサや、アクセルペダルの踏み込み量、すなわちアクセル操作量ACCPを検出するアクセルセンサ、機関水温であるエンジン水温THWを検出する水温センサ等が設けられている。
これら各種センサの出力は制御装置40に入力される。この制御装置40は、中央処理制御装置(CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)を中心に構成されている。
そして、この制御装置40により、例えば燃料噴射弁4a〜4dや燃料添加弁5の燃料噴射量制御・燃料噴射時期制御、サプライポンプ10の吐出圧力制御、スロットル弁16を開閉するアクチュエータ17の駆動量制御、フィルタ32に捕集されたPMを燃焼させるフィルタ再生制御等、エンジン1の各種制御が行われる。また、EGR弁25の開度制御等も制御装置40によって行われる。EGR弁25の開度制御では、上記機関回転速度NEや上記アクセル操作量ACCP等から推定される機関運転状態に基づいてEGR弁25の開度を変更することにより、排気の還流量を機関運転状態に適した量に制御するようにしている。
ところで、本実施形態のようなEGR装置においては、EGR弁の作動不良やEGR通路の閉塞等の異常が発生することもあり、この場合には排気還流量(EGR流量)を機関運転状態に見合う適切な量に制御することが困難になる。
そこで、こうした異常の有無を診断すべく、例えば、次のように異常診断を行うことが考えられる。すなわち、エンジンがアイドル運転中であるときに、EGR弁を強制的に開駆動させるとともに、この開駆動に伴って生じるEGR流量の変化量を算出し、同変化量が判定値以下であると判断されるとEGR装置に異常が生じている旨診断する。
しかしながら、このようにEGR弁の開度を機関運転状態に応じて設定された開度から強制的に開駆動させると、EGR流量が増加する分だけ吸気量が減少するため、還流される排気を含む吸気の温度が上昇するようになる。そのため、排気系に設けられた排気浄化触媒に流入する排気の温度も上昇し、排気浄化触媒が過度に温度上昇するおそれがある。ちなみに、こうした排気浄化触媒の温度上昇は、機関燃焼中はもとより、フューエルカット中で機関燃焼が停止しているときに異常診断が行われる場合であっても生じ得る。すなわち、燃焼室に流入した吸気は、圧縮行程中のピストンによる圧縮及び燃焼室内壁やピストン頂面との熱交換によって温度上昇した後に排気として排出されるが、これが吸気通路3に還流されて再び温度上昇するとその温度が極めて高くなる。このため、機関燃焼停止中であっても、EGR流量が増大したときには排気浄化触媒が過度に温度上昇することがある。
また、EGR弁を強制的に開駆動させている間に加速要求があり機関負荷が増大した場合には、EGR弁を閉駆動させて吸気量を増大させるがこれには応答遅れがあるため、吸気量が不足して燃焼が不安定となり、ドライバビリティが悪化したりスモークが発生したりするおそれがある。特に、こうした不都合は、高地等のように吸気の密度が低い環境下にて生じやすい。
そこで、本実施形態の制御装置40においては、排気浄化触媒30の過度な温度上昇や燃焼の不安定化を招くことなく異常診断を実行するべくEGR装置22の異常診断制御を実行するようにしている。以下、この異常診断制御について図2〜図5を参照して説明する。
図2に、本実施形態に採用される異常診断制御の処理手順を示す。なお、本処理は、異常診断装置に相当する制御装置40によって機関運転中に繰り返し実行されるものとなっている。
本制御の処理が開始されると、まず車両が減速中であるか否かが判断される(ステップS110)。ここでは、アクセル操作量ACCPが「0」であり、かつ車速SPが所定速度以上であることをもって車両が減速中であると判定される。そして、車両が減速中であると判断されると(ステップS110:YES)、つぎにフューエルカット中であるか否かが判断される(ステップS120)。そして、フューエルカット中であると判断されると(ステップS120:YES)、本処理は次のステップへ移行される。このように、車両が減速中であり、かつフューエルカット中であるときには、機関燃焼が停止しているため、EGR弁25の開度変更を伴う異常診断制御を実行しても、その実行が機関運転に与える影響が極めて小さい。このため、車両が減速中でありかつフューエルカット中であることを異常診断制御の実行条件としている。一方、車両が減速中ではないと判断されるか(ステップS110:NO)、又はフューエルカット中ではないと判断されると(ステップS120:NO)、異常診断制御の実行条件は成立せず、上述したように異常診断制御の実行が機関運転に与える影響を無視することができないとして、本処理は一旦終了される。
つづいて、異常診断処理が開始される(ステップS130)。この異常診断処理は、これが開始された後、燃料噴射が再開されないうちは(ステップS140:NO)、継続して実行される。一方、燃料噴射が再開されると(ステップS140:YES)、異常診断処理が停止され(ステップS150)、本処理は一旦終了される。
次に、図3に示すフローチャートを参照して上記異常診断処理(図2:S130)の処理手順について説明する。本処理では、EGR弁25を一旦閉駆動させてから開駆動させる強制駆動処理が実行される。すなわち、本処理が開始されると、まずEGR弁25の閉駆動が開始される(ステップS210)。EGR弁25の閉駆動は、EGR弁25が下限開度Aegrdまで閉弁するまで継続される(ステップS220:NO)。なお、本実施形態における下限開度Aegrdは、全閉開度(最小開度)に予め設定されている。また、後述する他の実施形態における下限開度Aegrdも、同様に全閉開度に予め設定されているものとする。
そして、EGR弁25が下限開度Aegrdまで閉弁したと判断されると(ステップS220:YES)、EGR弁25の開度が下限開度Aegrdのまま開度保持期間Tcの間維持された後(ステップS230)、EGR弁25の開駆動が開始される(ステップS240)。
ここで、EGR弁25を一旦閉駆動させた後、直ぐに開駆動するようにした場合、EGR弁25の駆動に伴うEGR流量の変化には応答遅れがあるため、同EGR流量が閉駆動後の開度に対応した量にまで低下する前にEGR弁25が開駆動されてしまうことがある。このため、本実施形態においては、こうしたEGR流量の応答遅れ期間を考慮し、EGR弁25の閉駆動を完了した後は所定の開度保持期間Tcが経過するまでその開度を保持するようにしている。なお、この開度保持期間Tcは、上述したEGR流量の応答遅れが解消される期間であり、予め設定されている。
そして、EGR弁25が上限開度Aegruまで開弁したか否かが判断される(ステップS250)。なお、本実施形態における上限開度Aegruは、全開開度(最大開度)に予め設定されている。また、後述する他の実施形態における上限開度Aegruも、同様に全開開度に予め設定されているものとする。
そして、EGR弁25が上限開度Aegruまで開弁していないと判断されると(ステップS250:NO)、EGR弁25の開駆動を開始してからのEGR流量の変化量ΔFegr(絶対値)が判定値ΔFegrp以上になったか否かが判断される(ステップS260)。
ここで、EGR流量の変化量ΔFegrは、吸気圧センサ21から検出される吸気通路3内の吸気圧PIMに基づいて推定される。具体的には、図4に示すマップを参照してEGR流量の変化量ΔFegrが推定される。この図4に示すマップは、EGR弁25を全閉状態と全開状態との間で変化させたときにおける吸気圧PIMとEGR流量との関係を示している。このマップにおいては、吸気圧PIMが高いときほど、EGR流量は大きくなるように設定される。なお、図4のマップについて、示される吸気圧PIMとEGR流量との関係は予め決定されており、このマップが制御装置40のメモリにおいて予め記憶されている。
また、上記判定値ΔFegrpは、EGR装置22に異常が生じていない場合に、EGR弁25の開度の変更に伴い検出されるEGR流量の変化量であり、実験等によって予め設定された値である。
こうして推定されたEGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp未満である場合は(ステップS260:NO)、EGR弁25が上限開度Aegruまで開弁していなければ、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になったか否かの判断が継続して行われる。
そして、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になったと判断されると(ステップS260:YES)、EGR装置22に異常は生じていないと診断される(ステップS290)。
一方、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上となるまでに、EGR弁25が上限開度Aegruまで開弁したと判断されると(ステップS250:YES)、EGR弁25の開度が上限開度Aegruのまま維持される(ステップS265)。そしてこのように、EGR弁25の開度を維持した状態で、再びEGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になったか否かが判断される(ステップS270)。ここでの判定値ΔFegrpは、上記ステップS260における判定値ΔFegrpと同じ値である。
そして、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp未満であると判断されると(ステップS270:NO)、EGR弁25の開度が上限開度Aegruに維持されてから所定時間Tdが経過したか否かが判断される(ステップS280)。ここで、所定時間Tdは、上述した開度保持期間Tcと同様に、EGR流量の応答遅れが解消される期間であり、予め設定されている。
そして、EGR弁25の開度が上限開度Aegruに維持されてから所定時間Tdが経過しない間は(ステップS280:NO)、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になったか否かの判断が継続して行われる。
EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になったと判断されると(ステップS270:YES)、EGR装置22に異常は生じていないと診断される(ステップS290)。
こうして、EGR弁25が上限開度Aegruまで開弁され、さらに同上限開度Aegruを所定時間Tdの間維持する期間に、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になった場合に(ステップS260、ステップS270:YES)、EGR装置22に異常が生じていないと診断されて、EGR弁25の強制駆動処理が中断される。
一方、EGR弁25の開度が上限開度Aegruに維持されてから所定時間Tdが経過したと判断されると(ステップS280:YES)、EGR装置22に異常が生じていると診断される(ステップS295)。
こうして、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上にならないまま、EGR弁25が上限開度Aegruまで開弁するとともに、その開度が上限開度Aegruに維持されてから所定時間Tdが経過すると、EGR装置22に異常が生じていると診断される。
そして、EGR装置22に異常が生じていないとの診断(ステップS290)又はEGR装置22に異常が生じているとの診断(ステップS295)がなされた後、EGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度に設定される(ステップS300)。具体的には、上述したEGR弁25の開度制御により、機関運転状態に基づいてEGR弁25の開度を変更する。そして、本処理は一旦終了される。
つづいて、本実施形態の異常診断制御が実行されるときの状態遷移について、図5を参照して説明する。
異常診断の実行条件が成立すると、図5に示すように、異常診断処理が開始され、EGR弁25の閉駆動が開始される(タイミングt1)。そして、EGR弁25が下限開度Aegrd(全閉)まで閉弁されると(タイミングt2)、EGR弁の開度が下限開度Aegrdのまま開度保持期間Tcの間維持される。ここで、EGR装置22に異常が生じていないと診断される場合は、図5に実線にて示すように、開度保持期間Tcの間にてEGR流量の応答遅れが解消され、EGR流量も下限開度Aegrdに相当する量(同図では「0」)となる。
そして、同開度保持期間Tcが経過すると、上限開度Aegru(全開)に向けてEGR弁25の開駆動が開始される(タイミングt3)。そして、EGR弁25の開弁に伴いEGR流量の変化量ΔFegrが大きくなる。ここで、同図5に示すように、EGR弁25が上限開度Aegruまで開弁されるまでに、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になると、EGR装置22に異常が生じていないと診断され(タイミングt4)、EGR弁25を強制的に開駆動させる強制駆動処理が中断される。そして、EGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度に設定される。
一方、EGR装置22に異常が生じていると診断される場合は、図5に一点鎖線にて示すように、EGR弁25が下限開度Aegrdのまま開度保持期間Tcの間維持された後、上限開度Aegruに向けてEGR弁25の開駆動が開始されても、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上にならない。そうしてEGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上にならないまま、EGR弁25が上限開度Aegruまで開弁され(タイミングt5)、同上限開度Aegruに所定時間Td維持されると(タイミングt6)、EGR装置22に異常が生じていると診断され、強制駆動処理が中断される。そして、EGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度に設定される。
この他、図示していないが、EGR弁25が上限開度Aegruまで開弁され、同上限開度Aegruのまま所定時間Td維持される間(タイミングt5〜タイミングt6に相当)にて、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になった場合にも、EGR装置22に異常が生じていないと診断される。そして、上記強制駆動処理が中断されるとともにEGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度に設定される。
なお、本実施形態において、EGR弁25をその開度が下限開度Aegrdとなるまで閉弁させる期間(タイミングt1〜タイミングt2)や上限開度Aegruとなるまで開弁させる期間(タイミングt3〜t4)等、EGR弁25を駆動させる際は、EGR流量の変化が緩慢になるようにEGR弁25の開度が徐々に変更される。こうしてEGR弁25の開度を変更させることによって、吸気通路3等、吸気系の圧力に急激な変化が生じることを抑制することができる。なお、こうしてEGR弁25の開度が徐々に変更されるといったEGR弁25の開度の変更態様は、後述する他の実施形態においても同様であるとする。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)EGR弁25を一旦閉駆動させてから開駆動させ、その開駆動に伴うEGR流量の変化量ΔFegrが所定の判定値ΔFegrp以上であるときに異常無しとの診断をするとともに、異常無しとの診断がなされたときには強制駆動処理を中断してEGR弁25の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同EGR弁25を駆動するようにしている。このため、機関運転状態に基づく開度からEGR弁25を単に開駆動させてEGR装置22の異常診断を実行する場合と比較して、EGR弁25の開度が比較的小さい段階で異常診断を完了させることが可能となる。また、このようにEGR装置22の異常診断が完了した時点で速やかにEGR弁25の開度を機関運転状態に基づいて設定される開度に変更するようにしている。そのため、異常診断の実行に際してEGR弁25を必要以上に開弁してしまうことがなく、過度な排気の還流が抑制されるようになる。したがって、排気浄化触媒30の過度な温度上昇や燃焼の不安定化を招くことなく異常診断を実行することができる。
(2)排気の還流量の変化を緩慢にすべくEGR弁25の開度を徐々に変更するようにしているため、EGR弁25の開度変化に伴って吸気系の圧力に急激な変化が生じることを抑制することができる。したがって、EGR弁25の着座音等の作動音の増大やドライバビリティの悪化を回避することが可能となる。
(3)異常診断は車両が減速中であってフューエルカットが実行されているときに実行されるため、機関運転への影響が少ない状況下で異常診断を実行することができる。
(第2の実施形態)
以下、この発明にかかる排気還流装置の異常診断装置を具体化した第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態とは、先の図3にて示した異常診断処理についてその一部が異なっている。以下では、そうした相違点を中心に、本実施形態について説明する。
ここで、上述したように異常診断に際しEGR弁25の開度を大きくすると排気を含む吸気の温度が上昇するため、排気浄化触媒30に流入する排気の温度も上昇して同排気浄化触媒30が過度に温度上昇するおそれがある。これに対して、EGR弁25の開度を小さくすると、排気の還流量が減少することにより排気浄化触媒30に流入する排気の温度が低下するため、排気浄化触媒30の温度が低下する懸念がある。特に、暖機完了前や低負荷運転が長期間にわたって継続されたときのように、異常診断を実行する前の排気浄化触媒30が極めて低い場合には、こうした異常診断実行中における排気浄化触媒30の温度低下が無視できない場合がある。
そこで、本実施形態においては、開駆動時における異常診断に先立ち、EGR弁25の閉駆動時においてもEGR装置22の異常診断を実行するようにし、EGR弁25の開度が下限開度Aegrdに達する前に異常無しとの診断がなされた場合には、EGR弁25をそれ以上閉駆動することなくその時点でEGR弁25の強制駆動処理を中断して異常診断を終了するようにしている。
図6に、本実施形態における異常診断処理の処理手順を示す。なお、本処理も、上述した異常診断の実行条件の成立に伴い異常診断処理が開始される(図2:ステップS130)。なお、後述する他の実施形態における異常診断処理についても、こうした異常診断の実行条件の成立に伴い異常診断処理が開始されることをもって実施されるものとする。
まず、図6に示されるように、異常診断処理は、先の図3に示した処理手順と同様に、EGR弁25の閉駆動が開始される(ステップS310)。そして、本実施形態においては、EGR弁25が下限開度Aegrdまで閉弁したか否かが判断される(ステップS320)。
そして、EGR弁25が下限開度Aegrdまで閉弁していないと判断されると(ステップS320:NO)、EGR弁25の閉駆動を開始してからのEGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になったか否かが判断される(ステップS325)。
ここで、EGR流量の変化量ΔFegrは、第1の実施形態と同様に、上記吸気圧センサ21から検出される吸気通路3内の吸気圧PIMに基づいて推定されるものとする。また、本実施形態の判定値ΔFegrpは、上記第1の実施形態の判定値ΔFegrpと同じく、EGR装置22に異常が生じていない場合に、EGR弁25の開度の変更に伴い検出されるEGR流量の値であり、実験等によって予め設定された値である。
そして、推定されたEGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp未満である場合は(ステップS325:NO)、EGR弁25の開度が下限開度Aegrdとなるまで閉弁されるまでは、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になったか否かの判断が継続して行われる。
そして、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になったと判断されると(ステップS325:YES)、先の図3に示すように、EGR装置22に異常は生じていないと診断される(図3:ステップS290)。したがってこの場合には、EGR弁25の強制駆動処理が中断され、同EGR弁25の開度がそれ以上低下することがないため、排気浄化触媒30の温度低下が抑制されるようになる。
また、EGR弁25が下限開度Aegrdまで閉弁したと判断されると(ステップS320:YES)、EGR弁25の開度が下限開度Aegrdのまま維持される(ステップS330)。そして、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になったか否かが判断される(ステップS332)。ここでの判定値ΔFegrpは、上記ステップS325における判定値ΔFegrpと同じ値である。
そして、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp未満であると判断されると(ステップS332:NO)、EGR弁25の開度が下限開度Aegrdに維持されてから開度保持期間Tcが経過したか否かが判断される(ステップS334)。ここで、開度保持期間Tcは、先の図3のステップS230にて採用される開度保持期間Tcと同様に、EGR流量の応答遅れが解消される期間であり、予め設定されている。
そして、EGR弁25の開度が下限開度Aegrdに維持されてから開度保持期間Tcが経過しない間は(ステップS334:NO)、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になったか否かの判断が継続して行われる。
EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になったと判断されると(ステップS332:YES)、先の図3に示すように、EGR装置22に異常は生じていないと診断される(図3:ステップS290)。したがってこの場合には、EGR弁25の強制駆動処理が中断され、EGR弁25の開度が下限開度Aegrdに維持される期間が短くなるため、排気浄化触媒30の温度低下が抑制されるようになる。
このように、EGR弁25が下限開度Aegrdまで閉弁され、さらに同下限開度Aegrdで開度保持期間Tcの間維持される強制駆動処理が実行される間にて、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になった場合に(ステップS325、ステップS332:YES)、EGR装置22に異常が生じていないと診断されて、EGR弁25の強制駆動処理が中断され、EGR弁25の開度は機関運転状態に基づく開度に設定される。すなわち、この場合は、EGR弁25を開駆動することなく異常診断が完了することとなる。
一方、EGR弁25の開度が下限開度Aegrdに維持されてから開度保持期間Tcが経過したと判断されると(ステップS334:YES)、本処理は先の図3のステップS240に移行され、EGR弁25の開駆動が開始される。そして、上記第1の実施形態と同様に、EGR弁25の開駆動に伴ってEGR装置22の異常診断が実行される。強制駆動処理を実行する前のEGR弁25の開度、すなわち機関運転状態に基づいて設定されるEGR弁25の開度が小さいときには、EGR弁25の閉駆動に伴うEGR流量の変化量ΔFegrが小さくなる。このため、EGR装置22に異常が発生していない場合でも、閉駆動時の異常診断において異常無しとの診断がなされないことがある。しかしながら、こうした場合には、その後に実行されるEGR弁25の開駆動時の異常診断において、異常無しとの診断を行うことができる。
なお、本実施形態において、上述した閉駆動時の異常診断に際して用いられる判定値ΔFegrp(ステップS325、ステップS332)と開駆動時の異常診断に際して用いられる上記判定値ΔFegrp(ステップS260、ステップS270)とは、同じ値に設定されている。
つづいて、本実施形態の異常診断制御が実行されるときの状態遷移について、図7を参照して説明する。なお、この図7では、車両減速中であり、かつフューエルカット中であるといった異常診断の実行条件が成立している場合について説明する。
上記実行条件が成立すると、図7に示すように、異常診断処理が開始され、EGR弁25の閉駆動が開始される(タイミングt1)。そして、EGR装置22に異常が生じていない場合は、同図7に実線にて示すように、EGR弁25が下限開度Aegrd(全閉)に向けて閉弁されるにしたがってEGR流量は減少する。ここで、同図7に示すように、EGR弁25が下限開度Aegrdまで閉弁されるまでに、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になると、EGR装置22に異常が生じていないと診断され(タイミングt7)、EGR弁25を強制的に閉駆動させる強制駆動処理が中断される。そして、EGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度に設定される(タイミングt8)。
なお、上記強制駆動処理が実行される前のEGR弁25の開度、すなわち機関運転状態に基づいて設定されるEGR弁25の開度が小さいときは、同図7に一点鎖線にて示すように、EGR弁25の閉駆動に伴うEGR流量の変化量ΔFegrが小さくなる。このため、EGR装置22に異常が発生していない場合でも、閉駆動時の異常診断において、異常無しとの診断がなされないことがある。
しかしながら、こうした場合には、EGR弁25の閉駆動後に実行されるEGR弁25の開駆動時の異常診断において、異常なしとの診断を行うことができる。
この他、図示していないが、EGR弁25が下限開度Aegrdまで閉弁され、同下限開度Aegrdのまま開度保持期間Tc維持される間にて、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になった場合にも、EGR装置22に異常が生じていないと診断される。そして、上記強制駆動処理が中断されるとともにEGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度に設定される。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態における(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果も得られるようになる。
(4)本実施形態によれば、開駆動時における異常診断に先立ち、EGR弁25の閉駆動時においてもEGR装置22の異常診断を実行するようにしている。そして、こうした閉駆動時における異常診断の途中にEGR装置22が異常無しとの診断がなされると、強制駆動処理を中断してEGR弁25を更に閉駆動することなく、EGR弁25の開度を速やかに機関運転状態に基づいて設定される開度に変更するようにしている。このため、異常診断に要する時間の短縮を図ることができ、排気浄化触媒30の温度低下を抑制することができるようになる。
(第3の実施形態)
以下、この発明にかかる排気還流装置の異常診断装置を具体化した第3の実施形態について、図8〜図10を参照して説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態とは、先の図3にて示した異常診断処理についてその一部が異なっている。以下では、そうした相違点を中心に本実施形態を説明する。
ここで、例えば減速時フューエルカット時であることを実行条件として異常診断を行う場合、加速要求によりフューエルカットが停止されると異常診断が中断されるため、EGR弁25は機関運転状態に基づいて設定される開度となるように制御される。ここで、異常診断が中断されてからEGR流量が機関運転状態に適した量になるまでには応答遅れがあるため、異常診断時におけるEGR弁25の強制駆動によりEGR弁25の開度が例えば全開開度となっている場合等には、この応答遅れ期間では機関運転状態に適した量を超える排気が吸気系に還流するおそれがある。特に、高地等、大気圧が低く空気密度が低い環境下においては、平地と比較して気筒内に導入される吸気量が少なくなるため、上述のように適度な排気の還流が行われると失火が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態においては、車両の走行環境としての大気圧が低いときほどEGR弁25を開駆動する際の上限開度AegruとEGR流量の変化量ΔFegrに関する判定値ΔFegrpとがそれぞれ小さくなるようにこれらが可変設定されるようにしている。
図8に、本実施形態における異常診断処理の処理手順を示す。本実施形態においては、異常診断処理が開始されると、まず大気圧センサ41から検出される大気圧Patmに応じて上限開度Aegru及び判定値ΔFegrpが設定される(ステップS405)。
すなわち、大気圧Patmが低いときほど、車両が高地を走行中であるとして、上限開度Aegru及び判定値ΔFegrpは小さくなるように設定される。
こうして上限開度Aegru及び判定値ΔFegrpが設定された後、本処理は先の図3に示すステップS210に移行され、EGR弁25の閉駆動が開始される。なお、本実施形態においては、上記第1の実施形態と同様に、EGR装置22の異常診断をEGR弁25の開駆動時においてのみ行う。そして、上述のように設定された上限開度Aegruに向けてEGR弁25の開駆動を行うとともに、判定値ΔFegrpをもってEGR装置22の異常診断を行う。
つづいて、本実施形態の異常診断制御が実行されるときの状態遷移について、図9及び図10を参照して説明する。なお、この図9及び図10では、車両減速中であり、かつフューエルカット中であるといった異常診断の実行条件が成立している場合について説明する。また、図9は、EGR装置22に異常が生じていないと診断される場合について、図10は、EGR装置22に異常が生じていると診断される場合について、それぞれ示している。
まず図9を参照して説明する。上記実行条件が成立すると、上記第1の実施形態と同様に、異常診断処理が開始された後(タイミングt1)、EGR弁25が下限開度Aegrd(全閉)まで閉弁され(タイミングt2)、同下限開度AegrdのままEGR弁25の開度が開度保持期間Tcの間維持される(タイミングt2〜タイミングt3)。
そして、EGR弁25の開駆動が開始される(タイミングt3)。ここで、車両が高地を走行中である場合は、大気圧Patmとして比較的低い値が検出されるため、判定値ΔFegrpが小さい値に設定される。そのため、車両が高地を走行中である場合(図9に実線にて図示)には、車両が低地を走行中である場合(図9に一点鎖線にて図示)と比較して、EGR弁25の開度が比較的小さいうちに判定値ΔFegrp以上のEGR流量の変化量ΔFegrが検出される(タイミングt9)。こうしてEGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上であると判断されると、EGR装置22に異常が生じていないと診断され、EGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度に設定される。
次に、図10を参照して説明する。上記実行条件が成立すると、上記図9に示した場合と同様に、EGR弁25の閉駆動が実行される。そして、EGR弁25の開駆動が開始される。
ここで、車両が高地を走行中である場合は、上記判定値ΔFegrpと同様に、上限開度Aegruも小さい開度に設定される。そのため、車両が高地を走行中である場合(図10に実線にて図示)には、車両が低地を走行中である場合(図10に一点鎖線にて図示)と比較して、EGR弁25の開度が大きく上昇する前にこれが上限開度Aegruに達する(タイミングt10)。こうしてEGR弁25が上限開度Aegruまで開弁され、さらに同上限開度Aegruに所定時間Td維持される間において、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp未満のままであるときは(タイミングt11)、EGR装置22に異常が生じていると診断され、EGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度に設定される。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態における(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果も得られるようになる。
(5)EGR弁25を開駆動する際の上限開度Aegruを大気圧が低いときほど小さい値に設定するようにしている。このため、大気圧が低く空気密度が低い高地等を車両が走行中であっても、EGR流量を制限した状態で異常診断を行うことにより、上述したような失火の発生を抑制することが可能になる。
また、本実施形態においては、EGR弁25の上限開度Aegruを大気圧に応じて可変設定するのに併せて、異常診断に際して用いられる判定値ΔFegrpについても大気圧に応じて可変設定するようにしている。このため、例えば車両が高地等を走行中であるときには、EGR弁25の上限開度を小さく設定するとともに、判定値ΔFegrpを小さく設定することにより、EGR装置22の異常診断を適切に実行することが可能となる。
(第4の実施形態)
以下、この発明にかかる排気還流装置の異常診断装置を具体化した第4の実施形態について、図11及び図12を参照して説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態とは、先の図3にて示した異常診断処理についてその一部が異なっている。以下では、そうした相違点を中心に本実施形態を説明する。
ここで、EGR弁25を一旦閉駆動させた後、直ぐに開駆動するようにした場合、EGR流量の変化には応答遅れがあるため、同EGR流量が閉駆動後の開度に対応した量にまで低下する前にEGR弁25が開駆動されてしまうことがある。このため、こうしたEGR流量の応答遅れを考慮し、上記第1の実施形態のように、EGR弁の閉駆動を完了した後は所定の開度保持期間Tcが経過するまでその開度を保持することが望ましい。ただしこのように閉駆動後の開度を保持するようにすると、EGR弁25の開度を減少させた状態、すなわち排気の温度が低下した状態が継続するため、排気浄化触媒30の温度状況によってはその温度が必要以上に低下することが懸念される。そのため、特に機関運転始動時や低負荷運転時といった排気浄化触媒30の温度が低い状況下においては、排気浄化触媒30の温度低下を抑制することが望ましい。
そこで、本実施形態においては、排気浄化触媒30の温度が低いときほど上記開度保持期間Tcが短くなるように変更されるようにしている。
図11に、本実施形態における異常診断処理の処理手順を示す。本実施形態においては、異常診断処理が開始されると、まず排気浄化触媒30の温度である触媒床温Tが所定温度Tm以下か否かが判断される(ステップS502)。ここで、触媒床温Tは、上述の通り、温度センサ33から直接検出される。また、所定温度Tmについては後述することとする。
そして、触媒床温Tが所定温度Tmより高温であると判断されると(ステップS502:NO)、触媒床温Tに応じて開度保持期間Tc及び判定値ΔFegrpが変更される(ステップS504)。
ここで、開度保持期間Tc及び判定値ΔFegrpは、触媒床温Tと開度保持期間Tc及び判定値ΔFegrpとの関係を示すマップ(図12)に基づいて設定するようにしている。このマップにおいて、触媒床温Tが所定温度Tmより高温である場合は、触媒床温Tが低いときほど開度保持期間Tcが短くなるように設定されている。なお、このように開度保持期間Tcが短くなるように変更すると、EGR流量の変化量ΔFegrが小さくなるおそれがあるため、これを考慮して、異常診断に際して用いられる判定値ΔFegrpを小さい値に設定している。そのため、本実施形態においては、図12に示すマップにおいて、同じく触媒床温Tが所定温度Tmより高温である場合は、触媒床温Tが低いときほど判定値ΔFegrpも小さい値に設定される。
こうして開度保持期間Tc及び判定値ΔFegrpが触媒床温Tに応じて変更された後、本処理は先の図3に示すステップS210に移行され、EGR弁25の閉駆動が開始される。そして、異常診断処理において、EGR弁25の閉駆動が完了してから開駆動を開始するまでは、上述のように変更された開度保持期間Tcの間、EGR弁25の開度が維持される。また、EGR装置22の異常診断は、EGR流量の変化量ΔFegrが上述のように変更された判定値ΔFegrp以上になったか否かを判断することによって実行される。
一方、触媒床温Tが所定温度Tm以下であると判断されると(ステップS502:YES)、強制駆動処理に相当するEGR弁25の閉駆動が禁止される(ステップS506)。そして、本処理は先の図3に示すステップS300に移行され、EGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度に設定される。そして、本処理は一旦終了される。なお、上記所定温度Tmは、例えば触媒床温Tが所定温度Tm以下である場合に、上述の排気浄化触媒30の温度低下を抑制するべく開度保持期間Tcを短く設定すると、EGR装置22の異常診断の実行に支障がない程度まで上述のEGR流量の応答遅れを解消することが困難となると考えられる温度に設定されている。また、この所定温度Tmは実験等によって予め設定された値である。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態における(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果も得られるようになる。
(6)強制駆動処理を実行する際のEGR弁25の駆動態様を触媒床温Tに基づいて設定することにより、排気浄化触媒30の温度を所定の温度範囲で変化させるようにしている。すなわち、EGR弁25の閉駆動を完了させてから開駆動を開始するまで開度を保持する開度保持期間Tcについて、触媒床温Tが低いほど短くなるようにこれを変更し、その変更後の開度保持期間Tcに基づいてEGR弁25を駆動させるようにしている。そのため、触媒床温Tに応じて適切に排気浄化触媒30の温度低下を抑制することができる。
(7)触媒床温Tが所定温度Tm以下であるときに強制駆動処理を禁止してEGR弁25の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同EGR弁25を駆動するようにしている。そのため、EGR弁25の強制駆動処理の実行に起因する排気浄化触媒30の過度な温度低下を抑制することができる。
(第5の実施形態)
以下、この発明にかかる排気還流装置の異常診断装置を具体化した第5の実施形態について、図13及び図14を参照して説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態とは、先の図3にて示した異常診断処理についてその一部が異なっている。以下では、そうした相違点を中心に本実施形態を説明する。
ここで、EGR弁25の強制駆動処理において、下限開度Aegrdを小さく設定すると、排気の温度が低下した状態が継続するため、排気浄化触媒30の温度状況によってはその温度が必要以上に低下することが懸念される。
そこで、本実施形態においては、排気浄化触媒30の温度に応じてEGR弁25の下限開度Aegrdを設定するようにしている。
図13に、本実施形態における異常診断処理の処理手順を示す。本実施形態においては、異常診断処理が開始されると、まず排気浄化触媒30の温度である触媒床温Tに応じて下限開度Aegrdが設定される(ステップS602)。
ここで、下限開度Aegrdは、触媒床温Tと下限開度Aegrdとの関係を示すマップ(図14)に基づいて設定するようにしている。このマップにおいて、触媒床温Tが低いときほど下限開度Aegrdが大きくなるように設定されている。
こうして下限開度Aegrdが触媒床温Tに応じて設定された後、本処理は先の図3に示すステップS210に移行され、EGR弁25の閉駆動が開始される。そして、異常診断処理において、EGR弁25を閉駆動させる際の目標開度として、上述のように設定された下限開度Aegrdが用いられる。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態における(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果も得られるようになる。
(8)EGR弁25を目標開度となる下限開度Aegrdまで閉駆動させる際、その下限開度Aegrdを触媒床温Tが低いほど大きい開度とするようにしている。そのため、排気浄化触媒30の温度が低いほどより多くの排気を触媒に流入させるようにして、適切に触媒の温度低下を抑制することができる。
(第6の実施形態)
以下、この発明にかかる排気還流装置の異常診断装置を具体化した第6の実施形態について、図15を参照して説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態とは、先の図3にて示した異常診断処理についてその一部が異なっている。以下では、そうした相違点を中心に本実施形態を説明する。
ここで、EGR弁25の開度を下限開度まで減少させた後、その開度を所定期間(開度保持期間Tc)維持すると、通常であればEGR流量が下限開度に対応する一定の値に収束するようになる。しかしながら、例えば車両が石畳路を走行する場合のように不安定な走行状態にあるときには、EGR流量が一定の値に収束することなく変動することがある。そして、このようにEGR流量が変動している状況のもとで異常診断を実行するようにすると、その診断精度が低下してしまう懸念がある。
そこで、本実施形態では、EGR弁25の開度を下限開度まで減少させた後にEGR流量が収束して安定状態に達するまで、EGR弁25の開駆動開始を遅延させるようにしている。
図15に、本実施形態における異常診断処理の処理手順を示す。本実施形態においては、異常診断処理が開始されると、先の図3に示す上記第1の実施形態における異常診断処理と同様に、まずEGR弁25の閉駆動が開始される(ステップS710)。そして、EGR弁25の閉駆動はEGR弁25が所定の開度である下限開度Aegrdまで閉弁するまで継続され(ステップS720:NO)、EGR弁25が下限開度Aegrdまで閉弁すると(ステップS720:YES)、EGR弁25の開度が下限開度Aegrdのまま維持される(ステップS730)。EGR弁25の開度が下限開度Aegrdに維持されてから開度保持期間Tcが経過するまでEGR弁25の開度維持は継続され(ステップS732:NO)、開度保持期間Tcが経過すると(ステップS732:YES)、EGR流量の変化量ΔFegrが安定しているか否かが判断される(ステップS734)。そして、EGR弁25の開度が下限開度Aegrdに維持されてから所定期間Teが経過するまで(ステップS736:NO)、EGR流量の変化量ΔFegrが安定しているか否かの判断は継続して行われる。こうして、EGR流量の変化量ΔFegrが安定するまでEGR弁25の開駆動が遅延される。なお、所定期間Teは、EGR弁25が所定期間Te以上にわたって小さいままの状態となると排気浄化触媒30の温度低下が懸念される時間に設定されており、上記開度保持期間Tcよりも長い時間にあらかじめ設定されているものとする。
検出されるEGR流量の変化量ΔFegrの値が略一定になった場合は、EGR流量の変化量ΔFegrが安定していると判断され(ステップS734:YES)、本処理は先の図3のステップS240に移行され、EGR弁25の開駆動が開始される。
一方、EGR流量の変化量ΔFegrが安定しないまま、EGR弁25の開度が下限開度Aegrdに維持されてから所定期間Teが経過すると(ステップS736:YES)、上述の排気浄化触媒30の温度低下が懸念されるとして、EGR弁25の閉駆動が中断される(ステップS738)。そして、本処理が先の図3のステップS300へと移行され、EGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度に設定された後、本処理は一旦終了される。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態における(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果も得られるようになる。
(9)EGR弁25の閉駆動が完了した後、EGR流量が安定するまでEGR弁25の開駆動を遅延させるようにしているため、その開駆動に伴うEGR流量が安定した状況のもとで異常を診断することができ、その診断精度を高めることができる。また、所定期間Teが経過してもEGR流量が安定しないときには強制駆動処理を中断してEGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度となるように同EGR弁25を駆動するようにしているため、EGR弁25の開度が長期間にわたって小さいままの状態となって排気浄化触媒30の温度が低下してしまうことを抑制することができるようになる。
(第7の実施形態)
以下、この発明にかかる排気還流装置の異常診断装置を具体化した第7の実施形態について、図16及び図17を参照して説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態とは、先の図3にて示した異常診断処理の一部が異なっている。以下では、そうした相違点を中心に本実施形態を説明する。
ここで一般に、吸気圧センサの精度は吸気圧によって異なり、吸気圧が低いほどその精度が低下する。したがって、吸気圧センサの検出値に基づいてEGR流量の変化量を推定する場合、その推定に際して吸気圧センサの精度低下が影響を及ぼすこととなる。
そのため、本実施形態においては、吸気圧センサ21の検出値に応じてEGR装置22の異常診断のために用いられる判定値ΔFegrpを変更するようにしている。
図16に、本実施形態における異常診断処理の処理手順を示す。本実施形態においては、異常診断処理が開始されると、まず吸気圧センサ21から検出される吸気圧PIMが所定圧力Pm未満であるか否かが判断される(ステップS902)。なお、所定圧力Pmについては後述することとする。
そして、吸気圧センサ21から検出される吸気圧PIMが所定圧力Pm以上であると判断されると(ステップS902:NO)、吸気圧PIMに応じて判定値ΔFegrpが変更される(ステップS904)。
ここで、判定値ΔFegrpは、吸気圧PIMと判定値ΔFegrpとの関係を示すマップ(図17)に基づいて設定するようにしている。このマップにおいて、吸気圧PIMが所定圧力Pm以上である場合は、吸気圧PIMが小さいほど、すなわち吸気圧センサ21の精度(図17に一点鎖線にて図示)が低いほど判定値ΔFegrpが小さくなるように変更される。例えば吸気圧センサ21の精度低下によってEGR流量の変化量ΔFegrがその真の値よりも小さくなっていると想定される場合であっても、こうして吸気圧センサ21の精度低下に応じて判定値ΔFegrpを変更することによって、その精度低下に起因して異常である旨の誤診断がなされることが回避される。
こうして、判定値ΔFegrpが吸気圧PIMに応じて変更された後、本処理は先の図3に示すステップS210に移行され、EGR弁25の閉駆動が開始される。そして、異常診断処理において、EGR装置22の異常診断は、EGR流量の変化量ΔFegrが上述のように変更された判定値ΔFegrp以上になったか否かを判断することによって実行される。
一方、吸気圧PIMが所定圧力Pm未満であると判断されると(ステップS902:YES)、EGR弁25の閉駆動が禁止される(ステップS906)。そして、本処理は先の図3に示すステップS300に移行され、EGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度に設定される。そして、本処理は一旦終了される。なお、所定圧力Pmは、吸気圧センサ21の検出値が所定圧力Pm未満であるときには、吸気圧センサ21の精度が低く異常診断を所定の精度をもって実行することができないと想定される圧力に設定されており、実験等によって予め設定された値である。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態における(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果も得られるようになる。
(10)吸気圧センサ21の検出値である吸気圧PIMが低いほど小さくなるように変更された判定値ΔFegrpを用いて異常診断を実行するようにしている。そのため、吸気圧センサ21の精度低下が懸念されるとき、すなわちEGR流量の変化量ΔFegrとその真の値との間にずれが生じており、変化量ΔFegrがその真の値よりも小さくなっていると想定される場合であっても、その精度低下に起因して異常である旨の誤診断がなされることを回避することができるようになる。
(11)吸気圧PIMが所定圧力Pm未満であるときには、吸気圧センサ21の精度が低く、異常診断を所定の精度をもって実行することができないため、EGR弁25の駆動を停止して異常診断を実行しないようにしている。したがって、吸気圧センサ21の精度低下に起因して誤診断がなされることを回避することができるようになる。
(第8の実施形態)
以下、この発明にかかる排気還流装置の異常診断装置を具体化した第8の実施形態について、図18及び図19を参照して説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態とは、先の図3にて示した異常診断処理の一部が異なっている。以下では、そうした相違点を中心に本実施形態を説明する。
図18に、本実施形態における異常診断処理の処理手順を示す。本実施形態においては、異常診断処理が開始されると、まず吸気圧センサ21から検出される吸気圧PIMを所定の圧力値Puにすべくスロットル弁16及び過給機11を駆動させる(ステップS1002)。すなわち、吸気圧PIMが所定の圧力値Puとなるようにスロットル弁16の開度及び過給機11の目標過給圧を変化させる。ここで、スロットル弁16の開度を小さくするほど、また過給機11の目標過給圧を低下させるほど、吸気圧PIMは小さくなる一方、スロットル弁16の開度を大きくするほど、また過給機11の目標過給圧を上昇させるほど、吸気圧PIMは大きくなる。
図19は、吸気圧PIMと吸気圧センサ精度及び異常診断の検出性との関係を示す概念図である。上記所定の圧力値Puは、この概念図に示される関係に基づいて設定される。
ここで、図19に実線で示すように、吸気圧PIMが低いほど、EGR流量の変化量ΔFegrは大きくなり、異常が有るときと無いときとでEGR流量の変化量ΔFegrが大きく異なるようになるため、異常診断の検出性は向上する。その一方、上述のように、吸気圧PIMが低いほど吸気圧センサ21の精度低下が懸念される(図19の一点鎖線)。そのため、吸気圧PIMが、異常診断の検出性の向上が見込める程度に低く、かつ吸気圧センサ21の精度低下が懸念されない程度に高い圧力である所定の圧力値Puとなった状況のもとで異常診断を実行することが望ましい。
そこで、本実施形態においては、上述した異常診断の検出性の向上が見込め、かつ吸気圧センサ21の精度低下が懸念されない程度の吸気系の圧力である所定の圧力値Puに調整すべく、スロットル弁16及び過給機11を駆動させる。
より詳しくは、吸気圧PIMが上記圧力値Puよりも高い場合には、例えば、スロットル弁16を閉じ側に駆動する一方、過給機11の目標過給圧を低下させることにより吸気圧PIMを低下させる。これに対して、吸気圧PIMが上記圧力値Puよりも低い場合は、例えば、スロットル弁16を開き側に駆動する一方、過給機11の目標過給圧を増大することにより吸気圧PIMを上昇させる。
そして、吸気圧PIMが所定の圧力値Puに調整された後、本処理は先の図3に示すステップS210に移行され、EGR弁25の閉駆動が開始される。そして、異常診断処理は、吸気系の吸気圧が圧力値Puである状態にて実行される。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態における(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果も得られるようになる。
(12)スロットル弁16及び過給機11により吸気系の吸気圧を所定の圧力値Puに調整し、その調整された吸気圧のもとで異常診断を実行する。そのため、異常診断の検出性の向上が見込めるとともに吸気圧センサ21の精度低下が懸念されない条件下にて異常診断を実行することができる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第3の実施形態においては、車両の走行環境である大気圧Patmに応じて上限開度Aegru及び判定値ΔFegrpを可変設定するようにしていた。この他、エンジンの運転状態に応じて上記上限開度Aegru及び判定値ΔFegrpを可変設定するようにしてもよい。例えば、排気浄化触媒の浄化機能を回復するための触媒再生処理が異常診断に先立って実行されていた場合には、上記上限開度Aegru及び上記判定値ΔFegrpがそれぞれ小さくなるようにこれらを可変設定するようにする。こうした形態においては、以下の効果を得ることができる。
(13)EGR弁を開駆動する際の上限開度Aegruをエンジンの運転状態に応じて設定するようにしているため、排気浄化触媒の浄化機能を回復させるためにこれを一時的に温度上昇させる触媒再生処理が異常診断の開始前に実行されていた場合であっても、その上限開度Aegruを小さく設定してEGR流量を制限した状態で異常診断をすることにより、排気浄化触媒が必要以上に温度上昇することを抑えつつ異常診断を実行することが可能となる。
また、本形態では、このようにEGR弁の上限開度をエンジンの運転状態に応じて可変設定するのに併せ、異常診断に際して用いられる上記判定値ΔFegrpについてもエンジンの運転状態に応じて可変設定するようにしている。このため、触媒再生処理が異常診断の開始前に実行されていた場合であっても、EGR弁の上限開度を小さく設定するとともに、上記判定値ΔFegrpを小さく設定することにより、EGR装置の異常診断を適切に実行することが可能となる。
(14)触媒再生処理が異常診断の開始前に実行されていた場合であっても、EGR弁の上限開度Aegru及び判定値ΔFegrpが小さくなるようにこれらを可変設定することにより、失火を抑制しつつEGR装置の異常診断を適切に実行することが可能となる。
・上記第7及び第8の実施形態においては、EGR弁25の開駆動時にEGR装置22の異常診断を実施するようにしていたが、開駆動時に代わってEGR弁25の閉駆動時にのみEGR装置22の異常診断を実施するようにしてもよい。詳しくは、先の図6に示した異常診断処理において、EGR流量の変化量ΔFegrが判定値ΔFegrp以上になった場合は(ステップ325:YES)、EGR装置に異常が生じていないと診断するようにする。一方、EGR弁の開度が下限開度Aegrdに維持されてから開度保持期間Tcが経過した場合は(ステップS334:YES)、EGR装置に異常が生じていると診断するようにする。こうしてEGR装置に異常が生じているか否かが診断された後、EGR弁の開度が機関運転状態に基づく開度に設定され、本形態における異常診断処理は終了される。こうした形態においては、上記第1の実施形態における(1)の効果に準ずる効果を得ることができる。
・上記第2の実施形態において、閉駆動時の異常診断に際して用いられる判定値ΔFegrpと開駆動時の異常診断に際して用いられる判定値ΔFegrpとは同じ値に設定されていたが、それぞれ違う値に設定してもよい。
・上記第3の実施形態においては、大気圧Patmに応じて上限開度Aegru及び判定値ΔFegrpを可変設定するようにしていた。この他、上記上限開度Aegru及び判定値ΔFegrpは、例えば外気温等、大気圧Patm以外の車両の走行環境と上記大気圧Patmとに応じて可変設定してもよいし、外気温等、大気圧Patm以外の車両の走行環境に応じて可変設定してもよい。なお、外気温に応じて上記上限開度Aegru及び上記判定値ΔFegrpを可変設定する場合は、例えば、外気温が低いときほど上記上限開度Aegru及び上記判定値ΔFegrpがそれぞれ小さくなるようにこれらを可変設定する。
・上記第3の実施形態において、大気圧は大気圧センサ41により直接検出するようにしていたが、スロットル弁の開度及び吸気圧等に基づいて大気圧を推定するようにしてもよい。
・上記第3の実施形態では、大気圧が低いときほどEGR弁25の上限開度Aegru及び判定値ΔFegrpがそれぞれ小さくなるようにこれらを可変設定するようにしたが、こうした構成を上記第1又は第2の実施形態においても採用することができる。
・上記第4の実施形態においては、触媒床温Tが所定温度Tmより高温である場合に、触媒床温Tが低いほど開度保持期間Tcが短く変更されるとともに、判定値ΔFegrpも小さい値に設定されるようにしていた。この他、触媒床温Tが所定温度Tmより高温である場合に、判定値ΔFegrpは予め設定された値のまま変更せず、開度保持期間Tcのみが触媒床温Tが低いほど短く変更されるようにしてもよい。
・上記第4の実施形態においては、触媒床温Tが所定温度Tmより高温である場合に開度保持期間Tcを変更する一方、触媒床温Tが所定温度Tm以下である場合にEGR弁25の開駆動を禁止するようにしていた。この他、触媒床温Tに基づく開度保持期間Tcの変更のみを行うようにして、EGR弁25の開駆動の禁止は行わないようにしてもよい。こうした形態においては、上記第4の実施形態における(6)の効果に準ずる効果を得ることができる。また、触媒床温Tが所定温度Tm以下であるときにEGR弁25の開駆動の禁止のみを行うようにして、開度保持期間Tcの変更は行わないようにしてもよい。こうした形態においては、上記第4の実施形態における(7)の効果に準ずる効果を得ることができる。
・上記第4の実施形態においては、排気浄化触媒30の温度である触媒床温Tを、温度センサ33から直接検出するようにしていた。この他、例えば排気通路中に排気温センサを設け、この排気温センサによって検出される排気温に基づいて触媒床温Tを推定する、というように、触媒床温Tを推定するようにしてもよい。
・上記第4の実施形態では、排気浄化触媒30の温度が低いときほど開度保持期間Tcが短くなるようにこれを変更するようにしたが、こうした構成を上記第1〜第3の実施形態においても採用することができる。
・上記第5の実施形態では、下限開度Aegrdを触媒床温Tが低いほど大きくなるように設定したが、こうした構成を上記第1〜第4の実施形態においても採用することができる。
・上記第6の実施形態では、EGR弁25の閉駆動が完了した後、EGR流量が安定するまでEGR弁25の開駆動を遅延させるとともに、所定期間Teが経過してもEGR流量が安定しないときには強制駆動処理を中断してEGR弁25の開度が機関運転状態に基づく開度となるように同EGR弁25を駆動するようにした。こうした構成を上記第1〜第5の実施形態においても採用してもよい。
・上記第7の実施形態においては、吸気圧PIMが所定圧力Pm以上であるときには、吸気圧PIMが小さいほど判定値ΔFegrpが小さくなるようにこれを変更し、吸気圧PIMが所定圧力Pm未満であるときには、EGR弁25の強制駆動処理を禁止するようにしていた。この他、吸気圧PIMが所定圧力Pm以上である場合に限らず判定値ΔFegrpの変更のみを行うようにして、EGR弁の強制駆動処理の禁止は行わないようにしてもよい。こうした形態においては、上記第7の実施形態における(10)の効果に準ずる効果を得ることができる。また、吸気圧PIMが所定圧力Pm未満であるときにEGR弁の強制駆動処理の禁止のみを行うようにして、判定値ΔFegrpの変更は行わないようにしてもよい。こうした形態においては、上記第7の実施形態における(11)の効果に準ずる効果を得ることができる。
・上記第7の実施形態では、吸気圧PIMが低いほど判定値ΔFegrpを小さくなるように変更するとともに、吸気圧PIMが所定圧力Pm未満であるときには、EGR弁25の駆動を停止して異常診断を実行しないようにした。こうした構成を上記第1〜第6の実施形態においても採用することができる。
・上記第8の実施形態においては、吸気系の圧力を所定の圧力値Puに調整する調整手段として、スロットル弁16及び過給機11を採用していた。調整手段として、スロットル弁のみや過給機のみを採用してもよい。
・上記第8の実施形態では、スロットル弁16及び過給機11により吸気系の吸気圧を所定の圧力値Puに調整し、その調整された吸気圧のもとで異常診断を実行するようにしたが、こうした構成を上記第1〜第6の実施形態においても採用可能である。
・吸気圧センサ21からの検出値である吸気圧PIMに基づいてEGR流量の変化量ΔFegrを算出するようにしていた。この他、吸気通路に設けられる吸気温センサから検出される吸気温等、上記吸気圧PIM以外の検出値と同吸気圧PIMとに基づいてEGR流量の変化量ΔFegrを算出するようにしてもよい。
・上記第1〜第6の実施形態において、吸気圧センサ21により検出される吸気圧PIMの変化に基づいてEGR流量の変化量ΔFegrを検出するようにしたが、エアフロメータ19により検出される吸入空気量の変化に基づいてEGR流量の変化量ΔFegrを検出することもできる。吸気圧PIM及び吸入空気量の双方の変化に基づいてEGR流量の変化量ΔFegrを検出するようにしてもよい。
・上記第1〜第8の実施形態においては、EGR弁25の強制駆動処理に際してEGR流量の変化が緩慢になるようにEGR弁25の開度を徐々に変更するようにしていたが、EGR弁の開度を速やかに変更するようにしてもよい。こうした形態においては、上記第1〜第8の実施形態において、(2)の効果以外の効果を得ることができる。
・上記第1〜第8の実施形態においては、EGR装置22の異常診断の実行条件として、車両が減速中であり、かつフューエルカットが実行されていることといった条件を採用していた。こういった条件に加えて、エンジンが定常運転状態にあることや、エンジン水温からエンジンが完全暖機されたと推定されること等といった、新たな条件が上記実行条件にさらに含まれるようにしてもよい。
・また、上記第1〜第8の実施形態においては、車両が減速中であり、かつフューエルカットが実行されていることを異常診断の実行条件としていたが、これに代えて、エンジンが定常運転状態であることを異常診断の実行条件としてもよい。こうした形態においては、上記第1〜第8の実施形態において、(3)の効果に準ずる効果を得ることができる。
・本発明をディーゼル機関に具体化したが、これに限らず例えばガソリン機関に適用することもできる。また、そうした場合にあっても上記実施形態の効果に準じた効果を得ることができる。
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…吸気通路、4a〜4d…燃料噴射弁、5…燃料添加弁、6a〜6d…排気ポート、7…インテークマニホールド、8…エキゾーストマニホールド、9…コモンレール、10…サプライポンプ、11…過給機(調整手段)、16…スロットル弁(調整手段)、17…アクチュエータ、18…インタークーラ、19…エアフロメータ、20…スロットル開度センサ、21…吸気圧センサ(変化量検出手段)、22…排気還流装置(EGR装置)、23…排気還流通路(EGR通路)、24…EGRクーラ、25…排気還流弁(EGR弁)、26…開度センサ、27…燃料供給管、28…排気通路、30…排気浄化触媒、31…酸化触媒、32…フィルタ、33…温度センサ(温度検出手段)、40…制御装置(弁駆動手段、変化量検出手段、診断手段、設定手段)、41…大気圧センサ(大気圧検出手段)、42…外気温センサ、43…車速センサ。

Claims (20)

  1. 車載内燃機関の吸気系と排気浄化触媒が設けられる排気系とを接続する排気還流通路と同排気還流通路に設けられて前記排気系から前記吸気系に戻される排気の還流量を調整する排気還流弁とを備えた排気還流装置について、その異常の有無を診断する排気還流装置の異常診断装置において、
    異常診断の実行条件が成立しているときに前記排気還流弁一旦全閉開度まで閉駆動させてから開駆動させる駆動指令を与える強制駆動処理を実行する弁駆動手段と、
    前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の駆動に伴う排気還流量の変化量を検出する変化量検出手段と、
    前記強制駆動処理における前記排気還流弁の開駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断する診断手段とを備え、
    前記弁駆動手段は前記診断手段により異常無しとの診断がなされたときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づく開度となるように前記排気還流弁を駆動し、
    前記診断手段は前記排気還流弁の開駆動時における異常診断に先立ち、前記排気還流弁の閉駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断するものであり、
    前記弁駆動手段は前記診断手段の閉駆動時における異常診断にて異常無しと診断されたときには前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動する一方、異常無しと診断されないときには前記強制駆動処理を継続して前記診断手段による開駆動時の異常診断を実行する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  2. 車載内燃機関の吸気系と排気浄化触媒が設けられる排気系とを接続する排気還流通路と同排気還流通路に設けられて前記排気系から前記吸気系に戻される排気の還流量を調整する排気還流弁とを備えた排気還流装置について、その異常の有無を診断する排気還流装置の異常診断装置において、
    異常診断の実行条件が成立しているときに前記排気還流弁を一旦閉駆動させてから開駆動させる強制駆動処理を実行する弁駆動手段と、
    前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の駆動に伴う排気還流量の変化量を検出する変化量検出手段と、
    前記強制駆動処理における前記排気還流弁の開駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断する診断手段とを備え、
    前記弁駆動手段は前記診断手段により異常無しとの診断がなされたときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づく開度となるように前記排気還流弁を駆動し、
    前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁を一旦閉駆動した後に所定の上限開度となるまで開駆動するものであり、
    前記上限開度及び前記判定値を車両の走行環境に応じてそれぞれ可変設定する設定手段を更に備える
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  3. 請求項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記設定手段は車両の走行環境として大気圧を検出する大気圧検出手段を含み、同大気圧検出手段により検出される大気圧が低いときほど前記上限開度及び前記判定値がそれぞれ小さくなるようにこれらを可変設定する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  4. 車載内燃機関の吸気系と排気浄化触媒が設けられる排気系とを接続する排気還流通路と同排気還流通路に設けられて前記排気系から前記吸気系に戻される排気の還流量を調整する排気還流弁とを備えた排気還流装置について、その異常の有無を診断する排気還流装置の異常診断装置において、
    異常診断の実行条件が成立しているときに前記排気還流弁を一旦閉駆動させてから開駆動させる強制駆動処理を実行する弁駆動手段と、
    前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の駆動に伴う排気還流量の変化量を検出する変化量検出手段と、
    前記強制駆動処理における前記排気還流弁の開駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断する診断手段とを備え、
    前記弁駆動手段は前記診断手段により異常無しとの診断がなされたときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づく開度となるように前記排気還流弁を駆動し、
    前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁を一旦閉駆動した後に所定の上限開度まで開駆動するものであり、
    前記上限開度及び前記判定値を前記車載内燃機関の運転状態に応じて可変設定する設定手段を更に備える
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  5. 請求項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記設定手段は前記排気浄化触媒を温度上昇させて同排気浄化触媒の浄化機能を回復させるための触媒再生処理が異常診断に先立ち実行されていたときには、前記上限開度及び前記判定値がそれぞれ小さくなるようにこれらを可変設定する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記診断手段は前記排気還流弁の開駆動時における異常診断に先立ち、前記排気還流弁の閉駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断するものであり、
    前記弁駆動手段は前記診断手段の閉駆動時における異常診断にて異常無しと診断されたときには前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動する一方、異常無しと診断されないときには前記強制駆動処理を継続して前記診断手段による開駆動時の異常診断を実行する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記排気浄化触媒の温度を検出する温度検出手段を更に備え、
    前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気浄化触媒の温度が所定の温度範囲で変化するように前記排気還流弁の駆動態様を前記検出される排気浄化触媒の温度に基づいて設定する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  8. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記排気浄化触媒の温度を検出する温度検出手段を更に備え、
    前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気浄化触媒の温度が所定の温度範囲で変化するように前記排気還流弁の駆動態様を前記検出される排気浄化触媒の温度に基づいて設定し、
    前記弁駆動手段は、前記排気還流弁を閉駆動する際の目標開度となる下限開度を前記検出される排気浄化触媒の温度が低いほど大きくなるように設定する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  9. 車載内燃機関の吸気系と排気浄化触媒が設けられる排気系とを接続する排気還流通路と同排気還流通路に設けられて前記排気系から前記吸気系に戻される排気の還流量を調整する排気還流弁とを備えた排気還流装置について、その異常の有無を診断する排気還流装置の異常診断装置において、
    異常診断の実行条件が成立しているときに前記排気還流弁を一旦閉駆動させてから開駆動させる強制駆動処理を実行する弁駆動手段と、
    前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の駆動に伴う排気還流量の変化量を検出する変化量検出手段と、
    前記強制駆動処理における前記排気還流弁の開駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断する診断手段とを備え、
    前記弁駆動手段は前記診断手段により異常無しとの診断がなされたときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づく開度となるように前記排気還流弁を駆動し、
    前記排気浄化触媒の温度を検出する温度検出手段を更に備え、
    前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気浄化触媒の温度が所定の温度範囲で変化するように前記排気還流弁の駆動態様を前記検出される排気浄化触媒の温度に基づいて設定し、
    前記弁駆動手段は、前記排気還流弁を閉駆動する際の目標開度となる下限開度を前記検出される排気浄化触媒の温度が低いほど大きくなるように設定する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  10. 請求項8又は9に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記診断手段は前記排気還流弁の開駆動時における異常診断に先立ち、前記排気還流弁の閉駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断するものであり、
    前記弁駆動手段は前記診断手段の閉駆動時における異常診断にて異常無しと診断されたときには前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動する一方、異常無しと診断されないときには前記強制駆動処理を継続して前記診断手段による開駆動時の異常診断を実行する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の閉駆動を完了してから所定の開度保持期間が経過するまで開度を保持した後に開駆動を開始するものであって、前記検出される排気浄化触媒の温度が低いときほど前記開度保持期間が短くなるようにこれを変更する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  12. 車載内燃機関の吸気系と排気浄化触媒が設けられる排気系とを接続する排気還流通路と同排気還流通路に設けられて前記排気系から前記吸気系に戻される排気の還流量を調整する排気還流弁とを備えた排気還流装置について、その異常の有無を診断する排気還流装置の異常診断装置において、
    異常診断の実行条件が成立しているときに前記排気還流弁を一旦閉駆動させてから開駆動させる強制駆動処理を実行する弁駆動手段と、
    前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の駆動に伴う排気還流量の変化量を検出する変化量検出手段と、
    前記強制駆動処理における前記排気還流弁の開駆動に伴う排気還流量の変化量が所定の判定値以上であるときに異常無しと診断する診断手段とを備え、
    前記弁駆動手段は前記診断手段により異常無しとの診断がなされたときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づく開度となるように前記排気還流弁を駆動し、
    前記排気浄化触媒の温度を検出する温度検出手段を更に備え、
    前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気浄化触媒の温度が所定の温度範囲で変化するように前記排気還流弁の駆動態様を前記検出される排気浄化触媒の温度に基づいて設定し、
    前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の閉駆動を完了してから所定の開度保持期間が経過するまで開度を保持した後に開駆動を開始するものであって、前記検出される排気浄化触媒の温度が低いときほど前記開度保持期間が短くなるようにこれを変更する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  13. 請求項7〜12のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記弁駆動手段は前記検出される排気浄化触媒の温度が所定温度以下であるときには前記強制駆動処理を禁止して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気還流弁の開度が所定の開度となるまで同排気還流弁を閉駆動するとともに前記検出される排気還流量の変化量を監視し、同排気還流量の変化量が安定するまで前記排気還流弁の開駆動を遅延させる一方、所定期間が経過しても前記排気還流量の変化量が安定しないときに前記強制駆動処理を中断して前記排気還流弁の開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記変化量検出手段は吸気圧を検出する吸気圧センサを含み、同吸気圧センサの検出値に基づいて排気還流量の変化量を推定するものであり、
    前記診断手段は前記吸気圧センサの検出値が小さいほど前記判定値が小さくなるようにこれを変更するとともに変更後の判定値に基づいて異常診断を実行する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記変化量検出手段は吸気圧を検出する吸気圧センサを含み、同吸気圧センサの検出値に基づいて排気還流量の変化量を推定するものであり、
    前記弁駆動手段は前記吸気圧センサの検出値が所定圧力未満であるときに前記排気還流弁の強制駆動処理を禁止してその開度が機関運転状態に基づいて設定される開度となるように同排気還流弁を駆動する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  17. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記強制駆動処理に際して吸気圧が所定の圧力値となるようにこれを調整する調整手段を更に備え、
    前記変化量検出手段は吸気圧を検出する吸気圧センサを含み、同吸気圧センサの検出値に基づいて排気還流量の変化量を推定するものであり、
    前記診断手段は前記調整手段により所定の圧力値となるように調整された前記吸気系の吸気圧のもとで前記排気還流装置の異常診断を実行する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  18. 請求項17に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記調整手段は吸気量を調量するスロットル弁、及び吸気を過給する過給圧可変式過給機の少なくとも一方を含む
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    前記弁駆動手段は前記強制駆動処理に際して前記排気の還流量の変化が緩慢になるように前記排気還流弁の開度を徐々に変更する
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の排気還流装置の異常診断装置において、
    車両が減速中であってフューエルカットが実行されていることを前記異常診断の実行条件として含む
    ことを特徴とする排気還流装置の異常診断装置。
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