JP6217457B2 - エンジンおよびエンジンの制御方法 - Google Patents

エンジンおよびエンジンの制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、エンジンおよびエンジンの制御方法に関し、特に、ターボチャージャーを備えるエンジンに関する。
燃焼室内にスワール流を生じさせるためのスワールコントロールバルブを備えるエンジンが知られている(たとえば、特許文献1,2参照)。このエンジンによれば、スワールコントロールバルブを閉じることによって気筒内に渦巻き状のスワール流を発生させ、燃焼状態を良好にすることができる。
そして、特許文献1には、燃料カット状態においてスワールコントロールバルブを強制的に開くことが開示されている。この技術によれば、燃料カット時、すなわちスワール流を発生させる必要がないときに、スワールコントロールバルブを開いて吸気通路を掃気することにより、燃費悪化を併発することなく吸気通路内へのデポジットの付着を防止することができるとされる(特許文献1参照)。
特開平7−42566号公報 特開昭61−126323号公報
ターボチャージャーを備えるエンジンにおいては、アクセルペダルを踏込状態からオフ方向に操作すると、ターボチャージャーのコンプレッサによって圧縮された空気が逆流してコンプレッサを通過する際に異音(吹き返し音)が発生する。そして、この異音が吸気口からフェンダー内などを伝って車室内に伝達し得る。
上記の異音が発生するか否かは、エンジンの運転状態によって決定され、吸入空気量と、コンプレッサ上流の吸気負圧に対するコンプレッサ下流の過給圧の比で示される圧力比(過給圧/吸気負圧)との関係において、サージングを発生し始める圧力比の限界を示すサージラインの手前に設定されたプレサージラインに基づいて決定される。つまり、同じ圧力比でコンプレッサを作動させた場合、吸入空気量がプレサージラインよりも少なくなると異音が発生する。なお、通常はターボチャージャーと車室の間に遮音材が設けられているため、コンプレッサ付近で発生した異音が車室内において感知されるか否かは、プレサージラインに対して車室の遮音効果を考慮して定められる異音発生ラインに基づいて決定される。プレサージラインおよび異音発生ラインは、実験的に定めることが可能である。
ここで、スワールコントロールバルブを備えるエンジンにおいては、スワールコントロールバルブが閉方向に作動すると、スワールコントロールバルブの非作動時(全開)に比べて、エンジンの体積効率が低下し、吸入空気量が減少する。これにより、ターボチャージャーの作動特性がプレサージラインまたは異音発生ライン寄りに変化し、上記の異音が発生するケースが増加する。
異音の発生原因となるコンプレッサでの逆流を抑制するために、コンプレッサの下流から上流へコンプレッサをバイパスして過給圧を逃がすための圧力逃がし弁を設けることもできるが、圧力逃がし弁を追加的に設けることはコストの増加となる。また、アクセルオフ時の燃料噴射量の減量速度を遅くすることによって燃焼状態を継続させ、ターボチャージャーの急激な回転数低下を抑制することで吸入空気量の減少を抑制することも考えられるが、この手法では車両の減速感が損なわれ得る。また、車室の遮音性能を向上させることも考えられるが、この手法もコストの増加となる。
この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ターボチャージャーを備えるエンジンにおいて、ターボチャージャーのコンプレッサにおいて異音が発生するのを低コストで抑制することである。
この発明によれば、エンジンは、ターボチャージャーと、スワールコントロールバルブと、制御装置とを備える。ターボチャージャーは、排気通路に設けられるタービンと、吸気通路に設けられるコンプレッサとを含む。スワールコントロールバルブは、燃焼室内にスワール流を生じさせるためのものである。制御装置は、所定のエンジン運転領域からエンジン回転数の低減が開始したとき、スワールコントロールバルブを開状態にする。所定のエンジン運転領域は、エンジン回転数の低減時にスワールコントロールバルブが閉方向に作動するとコンプレッサにおいて異音が生じるエンジン運転領域に基づいて設定される。
好ましくは、所定のエンジン運転領域は、スワールコントロールバルブの作動有無に拘わらず、エンジン回転数の低減時にコンプレッサにおいて異音が生じる第1のエンジン運転領域と、エンジン回転数の低減時にスワールコントロールバルブが閉方向に作動すると、コンプレッサにおいて異音が生じる第2のエンジン運転領域とを含む。
好ましくは、所定のエンジン運転領域は、エンジン回転数が相対的に低く、かつ、燃料噴射量が相対的に多い領域を含む。
また、好ましくは、所定のエンジン運転領域は、エンジン回転数が相対的に低く、かつ、エンジントルクが相対的に大きい領域を含む。
好ましくは、制御装置は、所定のエンジン運転領域においてアクセルペダルがオフ操作されたときに、スワールコントロールバルブを開状態にする。
好ましくは、エンジンは、ディーゼルエンジンである。
また、この発明によれば、制御方法は、エンジンの制御方法である。エンジンは、ターボチャージャーと、スワールコントロールバルブとを備える。ターボチャージャーは、排気通路に設けられるタービンと、吸気通路に設けられるコンプレッサとを含む。スワールコントロールバルブは、燃焼室内にスワール流を生じさせるためのものである。そして、制御方法は、エンジンの動作点が所定のエンジン運転領域に含まれているか否かを判定するステップと、エンジン回転数の低減が開始したか否かを判定するステップと、エンジンの動作点が所定のエンジン運転領域に含まれていると判定され、かつ、エンジン回転数の低減が開始したと判定されたとき、スワールコントロールバルブを開状態にするステップとを含む。所定のエンジン運転領域は、エンジン回転数の低減時にスワールコントロールバルブが閉方向に作動するとコンプレッサにおいて異音が生じるエンジン運転領域に基づいて設定される。
この発明においては、所定のエンジン運転領域からエンジン回転数の低減が開始したときは、スワールコントロールバルブが開状態となる。所定のエンジン運転領域は、エンジン回転数の低減時にスワールコントロールバルブが閉方向に作動するとターボチャージャーのコンプレッサにおいて異音が生じるエンジン運転領域に基づいて設定される。これにより、エンジン回転数の低減時にスワールコントロールバルブが閉方向に作動することによる体積効率の低下および吸入空気量の減少を無くし、スワールコントロールバルブが閉方向に作動することによりコンプレッサにおいて異音が生じるのを回避する。したがって、この発明によれば、圧力逃がし弁の設置や遮音性能の向上にコストをかけることなく、ターボチャージャーのコンプレッサにおいて異音が発生するのを低コストで抑制することができる。
この発明の実施の形態によるエンジンの一例として示されるディーゼルエンジンの概略構成図である。 各気筒におけるスワールコントロールバルブの配置例を示した図である。 図1に示すディーゼルエンジンの作動特性を示した図である。 吸入空気量と圧力比(過給圧/吸気負圧)との関係を示した図である。 異音が発生するエンジン運転領域を説明するための図である。 図1に示すECUにより実行される異音抑制制御を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
(エンジンの全体構成)
図1は、この発明の実施の形態によるエンジンの一例として示されるディーゼルエンジンの概略構成図である。図1を参照して、ディーゼルエンジン1は、複数の気筒28を有する。図1では、ディーゼルエンジン1は、4つの気筒28を有するものとして示されるが、気筒28の数はこれに限定されるものではない。
ディーゼルエンジン1は、エアクリーナ12と、ターボチャージャー14と、インタークーラー20と、吸気マニホールド22と、スロットルバルブ24と、回転数センサ25と、温度センサ26と、水温センサ27とを備える。エアクリーナ12は、吸気通路に設けられ、吸気口10から吸入される空気に含まれる不純物を吸着することによって吸入空気を清浄する。
ターボチャージャー14は、コンプレッサ16と、タービン18とを含む。コンプレッサ16は、吸気通路に設けられる。タービン18は、排気通路に設けられる。コンプレッサ16とタービン18とは、互いに機械的に連結されており、一体的に回転する。排気ガスを受けてタービン18が回転し、タービン18に連動して回転するコンプレッサ16によって吸入空気が加圧される。
インタークーラー20は、ターボチャージャー14(コンプレッサ16)と吸気マニホールド22との間に設けられる。インタークーラー20は、コンプレッサ16によって加圧された吸入空気を冷却する。インタークーラー20は、空冷式であってもよいし、水冷式であってもよい。
スロットルバルブ24は、吸気マニホールド22の上流に設けられ、吸入空気量を調節する。スロットルバルブ24は、ECU60によって開度が調整される。温度センサ26は、吸気マニホールド22に供給される吸入空気の温度を検出し、その検出値をECU60へ出力する。
各気筒28は、複数の吸気ポートを有する。図1では、各気筒28は、2つの吸気ポートを有するものとして示されるが、吸気ポートの数はこれに限定されるものではない。また、各気筒28は、複数の排気ポートを有する。図1では、各気筒28は、2つの排気ポートを有するものとして示されるが、排気ポートの数もこれに限定されるものではない。そして、各気筒28において、2つの吸気ポートの一方に、スワールコントロールバルブ(SCV)30が設けられる。
図2は、各気筒28におけるスワールコントロールバルブ30の配置例を示した図である。図2を参照して、気筒28内にはピストン76が設けられ、気筒28の上部に吸気ポート72および排気ポート74が設けられる。図2では、2つの吸気ポートのうち、スワールコントロールバルブ30が設けられる吸気ポート72が示されている。排気ポートについても、2つの排気ポートのうちの一方の排気ポート74が示されている。
そして、吸気ポート72にスワールコントロールバルブ30が設けられる。吸気ポート72の空気流量を絞る方向にスワールコントロールバルブ30を作動させて、吸気ポート72から燃焼室78に供給される空気量と、もう1つの吸気ポートから燃焼室78に供給される空気量とに差を設けることによって、燃焼室78内にスワール流(渦巻き状の流れ)を発生させることができる。スワール流を発生させることにより燃焼状態を良好にすることができる。スワールコントロールバルブ30を設けることによって、EGR装置(後述)が設けられることにより緩慢になり得る燃焼を改善することができる。
再び図1を参照して、ディーゼルエンジン1は、さらに、排気マニホールド32と、排気フィルタ34と、EGR通路38と、EGRバルブ40と、EGRクーラー42と、低圧EGR装置44と、排気絞り弁52とを備える。
ターボチャージャー14のタービン18は、排気マニホールド32の下流に設けられ、排気通路の断面積が絞られることによって流速を増した排気ガスをブレードに受けて回転する。排気フィルタ34は、ターボチャージャー14(タービン18)の下流に設けられ、排気ガス中の粒子状物質を捕捉する。なお、触媒を用いて排気ガスを浄化する触媒装置を排気フィルタ34と組み合わせてもよい。
EGR通路38は、排気マニホールド32を吸気マニホールド22と接続し、排気マニホールド32から吸気マニホールド22へ排気ガスの一部を還流させる。EGRバルブ40は、EGR通路38に設けられ、ECU60によって開度が調整される。EGRクーラー42は、EGR通路38に設けられ、EGR通路38を通じて吸気マニホールド22へ還流される排気ガスを冷却する。
低圧EGR装置44は、低圧EGR通路46と、EGRクーラー48と、低圧EGRバルブ50とを含む。低圧EGR通路46は、排気フィルタ34よりも下流(すなわち、ターボチャージャー14のタービン18よりも下流)の排気通路を、ターボチャージャー14のコンプレッサ16よりも上流の吸気通路と接続し、排気フィルタ34の下流からコンプレッサ16の上流へ排気ガスの一部を還流させる。EGRクーラー48は、低圧EGR通路46に設けられ、低圧EGR通路46を通じて吸気通路へ還流される排気ガスを冷却する。低圧EGRバルブ50は、低圧EGR通路46に設けられ、ECU60によって開度が調整される。
この低圧EGR装置44は、EGR通路38と、EGRバルブ40と、EGRクーラー42とによって構成されるEGR装置(低圧EGR装置44に対して「高圧EGR装置」とも称される。)よりも低温かつ大量の排気循環を可能とする。低圧EGR装置44と高圧EGR装置とを併用することによって、効果的なNOx低減を実現することができる。
排気絞り弁52は、排気通路において低圧EGR装置44が接続される箇所よりも下流の排気通路36に設けられる。この排気絞り弁52は、必須のものではないが、低圧EGR装置44の作動時に排気絞り弁52を絞ることによって、低圧EGR通路46を通じて排気ガスを効率的に吸気通路へ還流させることができる。
ディーゼルエンジン1は、さらに、ECU(Electronic Control Unit)60を備える。ECU60は、CPU(Central Processing Unit)や、記憶装置、入出力バッファ等(いずれも図示せず)を含む。ECU60は、回転数センサ25により検出されるエンジン回転数、水温センサ27により検出されるエンジン冷却水温、アクセル開度ACC、大気圧P、外気温度T、温度センサ26により検出される吸気温度等の各信号を入力する。そして、ECU60は、それらの各信号に基づいて、ディーゼルエンジン1の各機器の制御を行なう。一例として、ECU60は、車両の走行状況に応じてディーゼルエンジン1が所望の動作点で運転されるように、各種バルブの開度、燃料噴射時期、燃料噴射量等を制御する。また、ECU60は、エンジン回転数の低減時にターボチャージャー14のコンプレッサ16において発生し得る異音を抑制するための制御を実行する。なお、ECU60によって実行される各種制御(処理)については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)によって処理することも可能である。
(異音発生の説明)
図3は、図1に示したディーゼルエンジン1の作動特性を示した図である。図3を参照して、まず、スワールコントロールバルブ30(図1,2)の非作動時(常時全開)について説明する(実線)。時刻t1において、アクセルペダルが踏込まれると、燃料噴射量が増加し、トルクが増加することによってエンジン回転数が上昇する。エンジン回転数の上昇とともに吸入空気量が増加し、少し遅れてターボチャージャー14による過給圧が上昇する。
時刻t4において、アクセルペダルが戻されると(オフ操作)、燃料噴射量が減少し、トルクが減少することによってエンジン回転数が低下する。エンジン回転数の低下とともに吸入空気量が減少し、少し遅れてターボチャージャー14による過給圧が低下する。
点線で示される吸入空気量は、スワールコントロールバルブ30が作動したときの吸入空気量の推移を示す。スワールコントロールバルブ30が作動(閉)すると、体積効率が低下し、吸入空気量は、スワールコントロールバルブ30の非作動時(実線)に比べて減少する。なお、1回のアクセルオン/オフ操作でスワールコントロールバルブ30が閉/開を2回するのは、スワールコントロールバルブ30が作動するエンジン運転領域が定められており、その作動領域をアクセルオン時とアクセルオフ時とに通過するからである。
図4は、吸入空気量と圧力比(過給圧/吸気負圧)との関係を示した図である。この図4は、図3に示したディーゼルエンジン1の作動特性について、吸入空気量と圧力比との関係を示したものである。図4を参照して、ここでもまず、スワールコントロールバルブ30の非作動時(常時全開)について説明する(実線W1)。点P1からアクセルペダルが踏込まれると(図3の時刻t1に対応)、動作点は、図中の「加速」の矢印に沿って実線W1上を右肩上がりに推移する。点P3において、アクセルペダルがオフ操作されると(図3の時刻t4に対応)、吸入空気量が減少し、動作点は、図中の「減速」の矢印に沿って実線W1上を推移する。
ここで、線L1は、圧力比の限界(上限)を示す「サージライン」である。線L2は、アクセルペダルのオフ操作に応じて、ターボチャージャー14のコンプレッサ16によって圧縮された空気が逆流してコンプレッサ16を通過する際に異音(吹き返し音)が発生する境界線であり、「プレサージライン」である。エンジン回転数の低減時に動作点がプレサージラインL2を超えると(プレサージラインL2の左側に達すると)、コンプレッサ16において上記の異音が発生する。
線L3は、コンプレッサ16において発生した異音が車室内で聞こえる境界線であり、「異音発生ライン」である。この異音発生ラインL3は、プレサージラインL2に車室の遮音効果を考慮したものであり、エンジン回転数の低減時に動作点が異音発生ラインL3を超えると(異音発生ラインL3の左側に達すると)、コンプレッサ16において発生した異音が車室内で感知される。
動作点が異音発生ラインL3を超えるか否かは、エンジン回転数の低減が開始する点、すなわちアクセルペダルがオフ操作された点(図の点P3)に依存する。具体的には、アクセルペダルの踏込が相対的に小さい状態(低負荷領域)でアクセルペダルがオフ操作される場合は、吸入空気量も過給圧(圧力比)も小さいので、動作点は異音発生ラインL3を超えない。
また、エンジン回転数が高回転になると、ターボチャージャー14による過給圧が上限にかかるので、図4に示される作動線は、右方向に引き伸ばしたような曲線となる(吸入空気量は増加するが圧力比が上昇しないため)。すなわち、エンジン回転数が高回転の状態(高回転領域)でアクセルペダルがオフ操作される場合は、作動線が異音発生ラインL3から離れるので、異音は発生しにくい。これらのことから、ディーゼルエンジン1の動作点が高負荷かつ低回転の領域に含まれる場合にエンジン回転数の低減が開始すると、ディーゼルエンジン1の動作点が異音発生ラインL3を超え得る。
さらに、このディーゼルエンジン1は、スワールコントロールバルブ30(図1,2)を備えている。スワールコントロールバルブ30が作動すると、ディーゼルエンジン1の動作点が異音発生ラインL3を超える可能性が高くなる。図4において、点線W2は、スワールコントロールバルブ30が作動した場合の、吸入空気量と圧力比との関係を示す。図3に示したように、スワールコントロールバルブ30が作動(閉)すると、吸入空気量は、スワールコントロールバルブ30の非作動時(実線)に比べて減少する。したがって、スワールコントロールバルブ30が作動する場合の作動線(点線W2)は、スワールコントロールバルブ30の非作動時の作動線(実線)に比べて左側にシフトした曲線となる。すなわち、スワールコントロールバルブ30が作動(閉)すると、作動線が異音発生ラインL3寄りにシフトするので、車室内で異音が感知される可能性が高くなる。
そこで、この実施の形態では、エンジン回転数の低減時に動作点が異音発生ラインL3を超え得るようなエンジン運転領域においてアクセルペダルのオフ操作が行なわれた場合には(点P4)、スワールコントロールバルブ30を開状態にすることとしたものである。これにより、スワールコントロールバルブ30が作動することによる吸入空気量の減少を無くし、エンジン回転数の低減時に動作点が異音発生ラインL3を超えるのを抑制することができる。
図5は、異音が発生するエンジン運転領域を説明するための図である。図5を参照して、横軸は、エンジン回転数を示し、縦軸は、燃料噴射量を示す。なお、燃料噴射量は、ディーゼルエンジン1のトルクと相関があり、縦軸は、ディーゼルエンジン1のトルクとしてもよい。曲線LDは、ディーゼルエンジン1の全負荷(エンジン回転数に対応する最大トルク点)を示す。
斜線で示される領域は、この領域内からエンジン回転数の低減が開始されると、ターボチャージャー14のコンプレッサ16において発生した異音が車室内で感知される運転領域である(異音発生領域)。点線よりも高負荷低回転域側の領域S1は、スワールコントロールバルブ30が非作動(常時全開)であっても異音が発生する運転領域である。
領域S3は、スワールコントロールバルブ30が作動する運転領域である。ディーゼルエンジン1の動作点が領域S3内にあるときにスワールコントロールバルブ30が作動(閉方向に作動)し、ディーゼルエンジン1の動作点が領域S3外のときは、スワールコントロールバルブ30は非作動(全開)となる。
斜線領域において領域S1外の領域S2は、エンジン回転数の低減時にスワールコントロールバルブ30が作動(閉)すると、異音が発生する運転領域である。すなわち、領域S2からエンジン回転数の低減が開始されると、エンジン回転数の低減時に動作点が領域S3を通過することによりスワールコントロールバルブ30が作動し、その際に異音が発生する。この斜線で示される異音発生領域は、実験により求めて設定することができる。
なお、異音発生領域が高負荷低回転領域(燃料噴射量が相対的に多く(トルクが相対的に大きく)エンジン回転数が相対的に低い領域)に限定されるのは、概略的には以下のように説明される。すなわち、上述のように、低負荷領域は、アクセルペダルの踏込が少ない領域であって、図4に示した作動線は、異音発生ラインL3に達しない。一方、高回転領域では、吸入空気量が増加してもターボチャージャー14の過給圧が上限にかかり、圧力比が上昇しないので、図4に示した作動線は、右側にシフトして異音発生ラインL3から離れた曲線になる。したがって、低負荷領域または高回転領域では、作動線が異音発生ラインL3を超えず、異音は発生しない。
図6は、図1に示したECU60により実行される異音抑制制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、ECU60に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図6を参照して、ECU60は、ディーゼルエンジン1の動作点が、図5の斜線で示される異音発生領域内にあるか否かを判定する(ステップS10)。動作点が異音発生領域内にあると判定されると(ステップS10においてYES)、ECU60は、減速判定が成立したか否かを判定する(ステップS20)。すなわち、このステップS20では、エンジン回転数が低減していると判断できるか否かが判定される。一例として、アクセルペダルの踏込量に対応するアクセル開度ACCが0%(アクセルオフ)のとき、あるいは、アクセル開度ACCの変化率(アクセル開度増加時を正値とする。)が所定値(負値)よりも小さいときに、減速判定が成立したものと判定される。
減速判定が成立すると(ステップS20においてYES)、ECU60は、スワールコントロールバルブ30を開状態に制御する(ステップS30)。なお、開状態とは、全開または最大開度の状態を示す。次いで、ECU60は、減速が終了したか否かを判定する(ステップS40)。すなわち、このステップS40では、エンジン回転数の低減が終了したか否かが判定される。減速が継続しているときは(ステップS40においてNO)、ステップS30へ処理が戻され、スワールコントロールバルブ30の開状態が維持される。そして、ステップS40において減速が終了したものと判定されると(ステップS40においてYES)、ステップS70へ処理が移行される。
なお、ステップS10においてディーゼルエンジン1の動作点が異音発生領域外であると判定されたとき(ステップS10においてNO)、または、ステップS20において減速判定が非成立であると判定されると(ステップS20においてNO)、ECU60は、スワールコントロールバルブ30の作動条件が成立しているか否かを判定する(ステップS50)。一例として、エンジン回転数および燃料噴射量が図5に示した領域S3に含まれ、かつ、エンジン水温、吸気温度および外気温度Tの各々が所定範囲に含まれ、かつ、高圧EGR装置および/または低圧EGR装置44が作動している場合に、スワールコントロールバルブ30の作動条件が成立する。
そして、ステップS50において、スワールコントロールバルブ30の作動条件が成立しているものと判定されると(ステップS50においてYES)、ECU60は、スワールコントロールバルブ30を所定の制御ロジックに従って制御する(ステップS60)。
以上のように、この実施の形態においては、所定の異音発生領域(図5の斜線領域)からエンジン回転数の低減が開始したときは、スワールコントロールバルブ30が開状態となる。異音発生領域は、エンジン回転数の低減時にスワールコントロールバルブ30が閉方向に作動すると、ターボチャージャー14のコンプレッサ16において発生する異音が車室内で感知されるエンジン運転領域である。この異音発生領域は、エンジン回転数の低減時にスワールコントロールバルブ30が閉方向に作動するとコンプレッサ16において異音が生じるエンジン運転領域に基づいて設定される。これにより、エンジン回転数の低減時にスワールコントロールバルブ30が閉方向に作動することによる体積効率の低下および吸入空気量の減少を無くし、スワールコントロールバルブ30が閉方向に作動することによりコンプレッサ16において異音が生じるのを回避する。したがって、この実施の形態によれば、圧力逃がし弁の設置や遮音性能の向上にコストをかけることなく、ターボチャージャー14のコンプレッサ16において異音が発生するのを低コストで抑制することができる。
なお、上記の実施の形態においては、エンジンは、ディーゼルエンジンであるものとしたが、エンジンは、必ずしもディーゼルエンジンに限定されるものではなく、ガソリンエンジンも含み得る。なお、ガソリンエンジンでは、スロットルバルブの閉動作時に過剰となる過給圧を逃がすための圧力逃がし弁が一般的に設けられており、この発明は、そのような圧力逃がし弁が一般的に設けられていないディーゼルエンジンにおいて好適である。
また、上記においては、図5に示した異音発生領域は、ターボチャージャー14のコンプレッサ16において発生した異音が車室内で感知される運転領域としたが、コンプレッサ16において異音そのものが発生する運転領域として定義してもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ディーゼルエンジン、10 吸気口、12 エアクリーナ、14 ターボチャージャー、16 コンプレッサ、18 タービン、20 インタークーラー、22 吸気マニホールド、24 スロットルバルブ、25 回転数センサ、26 温度センサ、27 水温センサ、28 気筒、30 スワールコントロールバルブ、32 排気マニホールド、34 排気フィルタ、36 排気通路、38 EGR通路、40 EGRバルブ、42,48 EGRクーラー、44 低圧EGR装置、46 低圧EGR通路、50 低圧EGRバルブ、52 排気絞り弁、60 ECU、72 吸気ポート、74 排気ポート、76 ピストン、78 燃焼室。

Claims (7)

  1. 排気通路に設けられるタービンと吸気通路に設けられるコンプレッサとを含むターボチャージャーと、
    燃焼室内にスワール流を生じさせるためのスワールコントロールバルブと、
    記スワールコントロールバルブを制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    エンジン運転領域に設定された、前記スワールコントロールバルブを作動させる作動領域にエンジン動作点が含まれる場合には、前記スワールコントロールバルブが非作動時の全開状態に対して閉方向に作動するように前記スワールコントロールバルブを制御し、
    エンジン動作点が高負荷低回転領域の所定のエンジン運転領域にある状態からエンジン回転数の低減が開始した場合には、エンジン回転数の低減中にエンジン動作点が前記作動領域に含まれても、前記スワールコントロールバルブを非作動として全開状態にし、
    前記所定のエンジン運転領域は、エンジン回転数の低減時に前記スワールコントロールバルブが閉方向に作動すると前記コンプレッサにおいて異音が生じるエンジン運転領域に基づいて設定される、エンジン。
  2. 前記所定のエンジン運転領域は、
    前記スワールコントロールバルブの作動有無に拘わらず、エンジン回転数の低減時に前記コンプレッサにおいて異音が生じる第1のエンジン運転領域と、
    エンジン回転数の低減時に前記スワールコントロールバルブが閉方向に作動すると、前記コンプレッサにおいて異音が生じる第2のエンジン運転領域とを含む、請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記所定のエンジン運転領域は、エンジン回転数が相対的に低く、かつ、燃料噴射量が相対的に多い領域を含む、請求項1または2に記載のエンジン。
  4. 前記所定のエンジン運転領域は、エンジン回転数が相対的に低く、かつ、エンジントルクが相対的に大きい領域を含む、請求項1または2に記載のエンジン。
  5. 前記制御装置は、前記所定のエンジン運転領域においてアクセルペダルがオフ操作されたときに、前記スワールコントロールバルブを開状態にする、請求項1から4のいずれか1項に記載のエンジン。
  6. 前記エンジンは、ディーゼルエンジンである、請求項1から5のいずれか1項に記載のエンジン。
  7. エンジンの制御方法であって、
    前記エンジンは、
    排気通路に設けられるタービンと吸気通路に設けられるコンプレッサとを含むターボチャージャーと、
    燃焼室内にスワール流を生じさせるためのスワールコントロールバルブとを備え、
    前記制御方法は、
    高負荷低回転領域の所定のエンジン運転領域にエンジンの動作点が含まれているか否かを判定するステップと、
    エンジン回転数の低減が開始したか否かを判定するステップと、
    エンジン運転領域に設定された、前記スワールコントロールバルブを作動させる作動領域にエンジン動作点が含まれる場合に、前記スワールコントロールバルブが非作動時の全開状態に対して閉方向に作動するように前記スワールコントロールバルブを制御するステップと、
    エンジンの動作点が前記所定のエンジン運転領域に含まれていると判定され、かつ、エンジン回転数の低減が開始したと判定されたとき、エンジン回転数の低減中にエンジン動作点が前記作動領域に含まれても、前記スワールコントロールバルブを非作動として全開状態にするステップとを含み、
    前記所定のエンジン運転領域は、エンジン回転数の低減時に前記スワールコントロールバルブが閉方向に作動すると前記コンプレッサにおいて異音が生じるエンジン運転領域に基づいて設定される、エンジンの制御方法。
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