JP6135043B2 - 光学レンズ、撮像ユニット、及び光学レンズの製造方法 - Google Patents

光学レンズ、撮像ユニット、及び光学レンズの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6135043B2
JP6135043B2 JP2012086761A JP2012086761A JP6135043B2 JP 6135043 B2 JP6135043 B2 JP 6135043B2 JP 2012086761 A JP2012086761 A JP 2012086761A JP 2012086761 A JP2012086761 A JP 2012086761A JP 6135043 B2 JP6135043 B2 JP 6135043B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
baf
optical lens
layer
lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012086761A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013218035A (ja
Inventor
亮二 松田
亮二 松田
宗矩 川路
宗矩 川路
正章 能勢
正章 能勢
健一郎 平田
健一郎 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2012086761A priority Critical patent/JP6135043B2/ja
Publication of JP2013218035A publication Critical patent/JP2013218035A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6135043B2 publication Critical patent/JP6135043B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、光学レンズ、それを用いた撮像ユニット、及び光学レンズの製造方法に関する。
光学レンズには、レンズ表面の光反射による光量損失を抑制するため、反射防止膜が形成される。一般に、反射防止膜は、SiOやCeO等の蒸着材料をレンズ表面に蒸着させることにより形成される。一般に、反射防止膜は、高屈折率材(n>1.9)と低屈折率材(n<1.6)の蒸着材料をレンズ表面に交互に積層させることにより形成される。
また、反射防止膜が形成された光学レンズを用いて撮像素子等を製造する場合、生産効率を向上させるためにリフロー処理を行うことがある。
ここで、光学レンズが樹脂製の場合、リフロー処理による熱で光学レンズが膨張する可能性がある。このとき、反射防止膜の熱膨張率が光学レンズの熱膨張率と異なると、光学レンズの膨張に反射防止膜が追従できず、コートクラック(反射防止膜のひび割れ)が発生することが知られている。また、熱で樹脂が溶けた場合に生じる反射防止膜の圧縮応力により、反射防止膜にしわが発生することが知られている。
更に、たとえば、低屈折材(波長510nmにおいて屈折率が1.6より低い)であるSubstance L5 Patinal(以下、「L5」という場合がある。MERCK CHEMICALS JAPAN製。「Patinal」は、登録商標)、及び高屈折材(波長510nmにおいて屈折率が1.9より高い)であるCeOを用いた多層の反射防止膜をコーティングした光学レンズは、リフロー処理で熱を加えることにより、コートクラックやしわだけでなく、光学レンズ自体に割れが生じる。この光学レンズの割れは、コートクラックの発生に付随して生じていると推測され、特に、反射防止膜の熱膨張率と光学レンズの熱膨張率の差が大きい場合に発生しやすい。
ところで、特許文献1には、熱硬化性樹脂で形成される光学部品(たとえば、単体レンズ2、3)にフッ素系高分子膜(たとえば、フッ素系アクリレート高分子膜)をコーティングする技術が開示されている。光学部品の熱膨張率とフッ素系高分子膜の熱膨張率とが近似しているため、高温環境下でもコーティングにひび割れなどが生じることがなく、長期間にわたって光学性能を維持することができる。
また、特許文献2には、柱状に延びる複数のナノ構造体(SiO、TiO等の蒸着材料)の集合層を基板上に形成することで、クラックの発生を防止する技術が開示されている。
特開2010−224315号公報 特開2011−150154号公報
しかし、特許文献1のフッ素系高分子膜は、光学部品に直接蒸着させるため、光学部品との密着性が悪い。また、一般に、高分子膜は柔らかいため、摩擦により傷つき易いという問題がある。すなわち、特許文献1の構成は、反射防止膜の耐久性の点で問題が生じる。
更に、特許文献2のナノ構造体(蒸着材料)は、柱状に形成されているため、構造体が剥がれ易い、或いは、ナノ構造体の一部が折れることにより反射率が変わる。つまり、特許文献2の構成についても耐久性の点で問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するために、リフロー処理により熱を加えた場合に生じるコートクラックやしわや割れを低減させ、且つ反射防止膜の耐久性を確保できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載の光学レンズは、屈折率が異なる膜が積層されてなる反射防止膜をレンズ表面に有する樹脂製の光学レンズであって、反射防止膜の少なくとも三つの層は、多孔質のBaF膜で形成され、BaF膜で形成される層は、少なくとも反射防止膜における、レンズ表面に接する最下層と、レンズ表面から最も遠い最上層と、最下層と最上層との間に位置する層に設けられている。
また、上記課題を解決するために、請求項2記載の光学レンズは、請求項1記載の光学レンズであって、反射防止膜は、BaF膜と、BaFよりも屈折率が高い高屈折材による膜とがレンズ表面に交互に積層され、レンズ表面から最も遠い高屈折材による膜にBaF 膜が積層されてなる。
また、上記課題を解決するために、請求項3記載の光学レンズは、請求項2記載の光学レンズであって、反射防止膜において、BaF膜で形成される層は、高屈折材による膜で形成される層よりも多く設けられている。
また、上記課題を解決するために、請求項4記載の光学レンズは、請求項1、2又は3記載の光学レンズであって、BaF 膜で形成される各層の厚さ合計は、BaF 膜以外の膜で形成される各層の厚さ合計よりも大きい
また、上記課題を解決するために、請求項5記載の光学レンズは、請求項1〜4のいずれかに記載の光学レンズであって、反射防止膜は、〜11層で形成されている。
また、上記課題を解決するために、請求項6記載の光学レンズは、請求項1〜5のいずれかに記載の光学レンズであって、BaF膜の厚さは、10〜1000nmである。
また、上記課題を解決するために、請求項7記載の光学レンズは、請求項1〜6のいずれかに記載の光学レンズであって、BaF膜の充填密度は、0.5〜0.9である。
また、上記課題を解決するために、請求項8記載の撮像ユニットは、光学レンズと、撮像素子と、カバーガラスとを有する。光学レンズは、入射する光を透過する請求項1〜7のいずれかに記載のレンズである。撮像素子は、光学レンズを透過した光を受光する。カバーガラスは、光学レンズと撮像素子との間に光学レンズの最上層に接するように設けられている
また、上記課題を解決するために、請求項9記載の撮像ユニットは、光学レンズと、撮像素子とを有する。光学レンズは、入射する光を透過する請求項1〜のいずれかに記載のレンズである。撮像素子は、光学レンズを透過した光を受光する。
また、上記課題を解決するために、請求項10記載の光学レンズの製造方法は、樹脂製の光学レンズの製造方法である。光学レンズの製造方法は、第1膜形成工程と、第2膜形成工程と、第3膜形成工程とを有する。第1膜形成工程は、レンズ表面にBaFを蒸着させることで多孔質のBaF膜の層を形成する。第2膜形成工程は、BaF膜の層上にBaFよりも屈折率が高い高屈折材を蒸着させることで高屈折材による膜の層を形成する。第3膜形成工程は、高屈折材による膜の層上にBaFを蒸着させることで多孔質のBaF膜の層を形成する。光学レンズの製造方法は、第2膜形成工程及び第3膜形成工程を交互に行うことにより、レンズ表面に対して多層の反射防止膜を形成する。
本発明によれば、反射防止膜として多孔質のBaF膜を用いることにより、リフロー処理により熱を加えた場合に生じるコートクラックやしわや割れを低減させ、且つ反射防止膜の耐久性を確保できる。
実施形態に係る光学レンズの構成を示す図である。 実施形態に係る蒸着装置の構成を示す図である。 実施形態に係る反射防止膜の形成工程を示すフローチャートである。 実施形態に係る撮像ユニットの製造工程を示すフローチャートである。 図4のフローチャートの説明を補足する図である。 図4のフローチャートの説明を補足する図である。 図4のフローチャートの説明を補足する図である。 図4のフローチャートの説明を補足する図である。
<実施形態>
図1から図5Dを用いて、本実施形態に係る光学レンズ、撮像ユニット及び光学レンズの製造方法について説明する。
[光学レンズの構成]
はじめに、図1を参照して、反射防止膜Cを有する光学レンズ1の構成について説明する。図1は、光学レンズ1の一部(反射防止膜C付近)における断面図である。
光学レンズ1のレンズ部2は、樹脂材料で形成されている。樹脂材料としては、たとえば、ビスフェノールa型エポキシ樹脂(C18202124、エチレングリコールジメタクリレート樹脂(アクリル系樹脂)C1014、ジビニルベンゼン樹脂(ビニル系樹脂)C1010等の熱硬化性樹脂が用いられる。
反射防止膜Cを形成するレンズ部2のレンズ表面Sは平面でも良いし、曲面であっても良い。曲面上に反射防止膜Cを形成する場合、特にコートクラックが生じやすくなるため、本発明がより有用となる。たとえば、レンズ部2が、曲率半径が0.55〜1.50mmであり、最大面角度が40〜65°のように曲率の比較的大きなレンズである場合、反射防止膜を形成するとコートクラックが生じやすくなるため、本発明が特に効果を発揮する。
レンズ部2のレンズ表面Sには、屈折率の異なる膜が積層されてなる反射防止膜Cが形成されている。図1では、膜が5層の例を示している。
第1層c1、第3層c3、第5層c5は、BaFを材料とする膜(以下、「BaF膜」という場合がある)で形成されている。BaF膜の屈折率は、波長510nmにおいて1.47である。本実施形態において、BaF2膜は「低屈折材」に該当する。ここでは、低屈折材は、波長510nmにおいて屈折率が1.6より低い材料をいう。なお、一般的には、低屈折材は屈折率が1.6より低い材料をいう。また、中屈折材は、屈折率が1.6〜1.9の材料をいう。高屈折材は、屈折率が1.9より高い材料をいう。
各BaF膜は、層内に微細孔を多数有するスポンジ状の膜である。すなわち、BaF膜は、多孔質に形成されている。微細孔は、層内に一様に分散しているため、屈折率は均一となっている。このような多孔質のBaF膜は、レンズ部2が膨張した場合であっても、レンズ部2の変形に追従し易くなる。よって、反射防止膜Cに生じるコートクラックを低減することができる。また、多孔質のBaF膜は、レンズ部2が溶けた場合に生じる圧縮応力の影響が軽微になる。よって、反射防止膜Cに生じるしわを低減することができる。
多孔質の度合いは、膜充填密度で表すことができる。BaF膜の膜充填密度(Packing Density)は0.5〜0.9の値が好ましい。膜充填密度とは、バルク材の密度と層内に微細孔を有する薄膜の密度との相対密度をいう。バルク材とは、一般的な大きさを持つ個体であって、比表面積(単位体積当たりの表面積)が十分小さい材料をいう。膜充填密度が0.9以下の場合、微細孔が緻密になりすぎることがないため、リフロー処理でレンズ部2が膨張した場合、その変形にBaF膜が追従し易くなる(変形による影響を受け難くなる)。よって、コートクラックが生じ難くなる。逆に、膜充填密度が0.5以上の場合、微細孔が散漫になりすぎることがなく、BaF膜は耐久性(摩擦により傷つき難くなる等)が強くなる。
なお、膜充填密度は、例えば以下の測定方法によって測定することができる。まず、反射防止膜を成膜したレンズの分光反射率をUSPM−RUIII(オリンパス株式会社製)で測定する。次に、光学薄膜設計ソフトEssential Macleod(シンフィルムセンタ社製。「Essential Macleod」は登録商標。)を使用して材料の屈折率データを元にした分光反射率を計算する。そして、Essential Macleodに測定した分光反射率のデータを挿入し、計算した分光反射率のデータと比較する。膜充填密度が変化すると膜の屈折率が変化するため(膜充填密度が小さいと膜内に空孔が生じていて屈折率が下がる)、それに応じて分光反射率が変化する。この時、任意に膜充填密度の値を変化させて、測定値と計算値の分光反射率を一致させる。この値が実際に成膜した反射防止膜の膜充填密度となる。
各BaF膜の膜厚は、10nm〜1000nmに形成されている。膜厚を10nm以上とすることにより、膜成長の際、島状構造につながりをもたせることができ、耐久性を確保し易くすることが可能となる。また、膜厚を1000nm以下とすることにより、コートクラックの発生をより確実に防止することが可能となる。特に、リフロー処理により光学レンズ1を200℃以上で加熱する場合には、BaF膜の膜厚を10nm〜250nmに形成することが望ましい。
一方、第2層c2及び第4層c4は、BaFよりも屈折率の高い材料(高屈折材)からなる膜で形成されている。本実施形態では、高屈折材として、Nbを使用している。Nbで形成される膜は、線膨張係数が高く、柔らかい膜であるため、熱膨張によるレンズ部2の変形に対する追従性が高い。よって、コートクラックをより低減させることができる。
高屈折材は、Nb以外であってもよい。高屈折材は、たとえば、CeO、TiO、OA600(主成分:Ta+TiO。キヤノンオプトロン株式会社製)等を用いることができる。本実施形態において、高屈折材とは、波長510nmにおいて屈折率が1.9より高い材料をいう。好ましくは、波長510nmにおいて屈折率が1.9〜2.4の材料である。屈折率が2.4より高い材料は、可視域で不透明となる。よって、反射防止膜として使用することが困難である。
このように、高屈折材による膜と低屈折材による膜とを交互に積層することにより、反射防止膜Cとしての機能を発揮することができる。そして、少なくとも一層に多孔質の膜(BaF)を設けることにより、リフロー処理で熱を加えた結果、レンズ部2が膨張した場合であっても、その変形に膜が追従し易くなる(変形による影響を微細孔が吸収する)。また、少なくとも一層に多孔質の膜(BaF)を設けることにより、レンズ部2が熱で溶けた場合に生じる圧縮応力の影響が軽微になる。よって、反射防止膜Cに生じるコートクラックやしわを低減することができる。特に、BaF膜をレンズ表面Sと接する層(最下層)に形成することにより、レンズ部2の変形及び圧縮応力による影響を直接吸収することができる。よって、反射防止膜Cに生じるコートクラックやしわを更に低減することができる。
また、本実施形態のように、レンズ表面Sに対し、低屈折材(BaF)、高屈折材(Nb)、低屈折材(BaF)・・・・の順で積層することにより、光学レンズ1の反射率を下げることができる。特に、本実施形態では、レンズ最表面(レンズ表面S)から最も遠い位置に低屈折率の材料を配置しているため、優れた反射防止機能を発揮することができる。更に、本実施形態では、低屈折材(BaF)の膜で形成される層は、高屈折材(Nb)の膜で形成される層よりも多く設けられている。つまり、レンズ部2の変形や圧縮応力による影響を吸収する層が多く設けられている。このような反射防止膜Cは、他の反射防止膜に比べ、レンズ部2の変形及び圧縮応力による影響をより吸収することができる。よって、反射防止膜Cに生じるコートクラックやしわを更に低減することができる。特に、本実施形態のように、高屈折材を多孔質の低屈折材で挟むように積層する場合、仮に高屈折材の線膨張係数が低く、硬い膜であっても、高屈折材に生じるレンズ部2の変形等による影響を低屈折材が吸収することができる。なお、反射防止膜Cは、レンズ部2の表面だけでなく、裏面(図示無し)にも形成されている。また、BaF膜の各膜厚の合計が、BaF膜以外の各膜の膜厚の合計よりも大きくしても良い。つまり、レンズ部2の変形や圧縮応力による影響を吸収する層が厚く設けられている。このような反射防止膜Cも、他の反射防止膜に比べ、レンズ部2の変形及び圧縮応力による影響をより吸収することができる。
積層の態様は、上記例に限られない。たとえば、反射防止膜Cとしては、4〜11層が好ましい。4層以上とすることにより、反射防止膜として高い反射防止効果を得ることができる。また、11層以下にすることにより、総膜厚が厚くなりすぎてコートクラックが生じてしまうのを防止することができる。また、BaF膜は、少なくとも一層あればよい。すなわち、5層のうち、一層のみBaF膜の層で、他が全て高屈折材の膜の層という構成も可能である。或いは、複数の低屈折材の膜の層のうち、ある層はBaFで形成され、他の層は、BaFと異なる低屈折材(たとえば、L5)で形成されていてもよい。また、反射防止膜Cは、多層構造に限らず、BaF膜単層であってもよい。このようにBaF膜単層の反射防止膜Cであっても、リフロー処理によるレンズ部2の変形及び圧縮応力による影響を吸収することができる。
[反射防止膜の形成]
次に、図2及び図3を参照して、反射防止膜Cの形成工程について説明を行う。図2は、蒸着装置10の一例を示す概念図である。図3は、反射防止膜Cの形成工程を示すフローチャートである。
反射防止膜Cの形成には、真空蒸着及びイオンアシスト蒸着が可能な蒸着装置10を用いる。図2に示すように、蒸着装置10は、真空チャンバ10aと、基板10bと、蒸着源10cと、電子銃10dと、イオン銃10eと、膜厚計10fと、ヒータ10gとを有する。
真空チャンバ10aは、基板10b等を内包する容器である。真空チャンバ10aには、排気口Eと、ガス注入口Iとが形成されている。
排気口Eは、真空ポンプ(図示無し)に接続され、真空チャンバ10a内の空気を排気する通路である。真空ポンプが、排気口Eを介して真空チャンバ10a内の空気を排気することにより、真空チャンバ10a内は真空に保たれる。
ガス注入口Iは、ガス供給装置(図示無し)に接続され、真空チャンバ10a内にガスを注入する通路である。ガスは、たとえば、酸素(O)ガスやアルゴン(Ar)ガスである。ガスの充填は、反射防止膜Cを形成する材料(蒸着材料。上述のBaFやNbは蒸着材料の一例である)により任意に行うことができる。たとえば、電子銃10dからの電子eにより酸素が乖離し易い材料(たとえば、CeO)を蒸着材料として用いる場合には、ガス注入口Iを介して真空チャンバ10a内に酸素ガスを注入することが望ましい。
基板10bは、蒸着材料を蒸着する対象物を載置する。本実施形態では、複数のレンズ部2(対象物)が形成されたウエハ100を載置する例を示す。なお、蒸着を行う際、真空チャンバ10a内の回転機構(図示無し)が基板10bを回転させることにより、膜の膜厚を均一に形成することができる。
蒸着源10cは、反射防止膜Cの種類に応じた蒸着材料を充填する。図2では、蒸着材料としてBaFを充填した例を示している。本実施形態のように多層膜の場合には、複数の蒸着源10cを配置し、それぞれに異なる蒸着材料を充填することも可能である。
電子銃10dは、蒸着源10cに充填された蒸着材料に対して電子eを放出する。電子eが衝突した蒸着材料は、蒸発温度まで加熱され、蒸発する。蒸発した蒸着材料が、対象物に付着することで、当該蒸着材料による膜が形成される。
イオン銃10eは、蒸発した蒸着材料や対象物に対してイオンを照射する。イオンの照射を行うことで、蒸着材料と対象物との密着性を向上することができる。イオン銃10eの照射口には、シャッタFが設けられている。シャッタFを開閉することにより、イオンを照射するモード(イオンアシスト蒸着)とイオンを照射しないモード(通常の真空蒸着)とを切り換えることができる。図2では、シャッタが開放された状態(イオンアシスト蒸着)を示している。
膜厚計10fは、対象物に蒸着された膜の膜厚を測定する。測定結果に基づいて、制御部(図示無し)は、電子銃10dによる電子の放出等を制御し、成膜の速度等を調整する。
ヒータ10gは、基板10b(レンズ部2)が所定温度になるよう加熱を行う。基板10bの温度は、温度計(図示無し)等により計測される。基板10b(レンズ部2)の温度は、蒸着材料及びレンズ部2の材質等により所定の値が決定される。たとえば、蒸着材料としてBaF及びNb、レンズ部2の材料としてビスフェノールa型エポキシ樹脂を用いる場合、ヒータ10gは、基板10bが180℃になるよう加熱を行う。基板10bの温度を高くすると成膜時に膜が熱エネルギーを持って膜の耐久性が良くなる。しかし、180℃を越えるとビスフェノールa型エポキシ樹脂が熱変形を起こす。
ここで、図3を参照して、5層の反射防止膜C(図1の構成)を形成する工程について述べる。
まず、操作者は、複数のレンズ部2が形成されたウエハ100を基板10bに載置する(S10)。また、操作者は、蒸着材料としてBaFを蒸着源10cに充填する(S11)。
その後、蒸着装置10に対して蒸着を開始する旨の指示入力を行うと、真空ポンプは、排気口Eから真空チャンバ10a内の空気を吸引し、真空チャンバ10a内を真空状態にする。また、ヒータ10gは、基板10bを加熱し、所定の温度(たとえば、180℃)にする。すなわち、蒸着装置10は、蒸着を開始できるよう真空チャンバ10a内の状態を調整する(S12)。
次いで、電子銃10dは、蒸着源10cに充填されたBaFに対して電子eを放出する。電子eにより蒸発温度まで昇温されたBaFは、蒸発する(S13)。
蒸発したBaFは、真空チャンバ10a内を飛散し、レンズ部2上に堆積することでBaF膜を形成する(S14。S11〜S14は「第1膜形成工程」の一例である)。BaFの粒子は、レンズ部2に徐々に堆積していくため、粒子間に隙間ができる。この隙間が上述の微細孔になる。なお、電子eの放出条件や基板10bの温度条件を変えることにより、膜全体に対する微細孔の割合(膜充填密度)を調整することができる。膜充填密度を下げるためには、成膜時にガス(例えばO、Ar、N)を注入する、或いは、成膜速度を落とす。膜充填密度を上げるためには成膜速度を上げる。ガスを注入すると膜がガスを取りこんで密度が下がる。成膜速度を変化するとそれに伴い運動エネルギーが変化し、膜の密度が変わる。また、BaFを蒸着する場合は、イオンアシスト蒸着ではなく、真空蒸着であることが好ましい。イオンアシスト蒸着に比べ真空蒸着の方が、膜の密度を低くすることが可能となり、コートクラックの発生を低減できる。
次に、S14で形成されたBaF膜の上に高屈折材であるNbを蒸着する。具体的には、S11と同様に、操作者は、蒸着材料としてNbを蒸着源10cに充填する(S15)。その後、蒸着装置10は、蒸着を開始できるよう真空チャンバ10a内の状態を調整する(S16)。
次いで、電子銃10dは、蒸着源10cに充填されたNbに対して電子eを放出する。電子eにより蒸発温度まで昇温されたNbは、蒸発する(S17)。
また、イオン銃10eは、蒸発したNb及びレンズ部2に対してイオンを照射する(S18)。イオンを照射することで、レンズ部2と蒸発したNbとの密着性を向上させる。
蒸発したNbは、真空チャンバ10a内を飛散し、S15で形成されたBaF膜上に堆積することでNb膜を形成する(S19。S15〜S19は、「第2膜形成工程」の一例である)。
更に、操作者は、蒸着材料としてBaFを蒸着源10cに充填する(S20)。蒸着装置10は、蒸着を開始できるよう真空チャンバ10a内の状態を調整する(S21)。
次いで、電子銃10dは、蒸着源10cに充填されたBaFに対して電子eを放出する。電子eにより蒸発温度まで昇温されたBaFは、蒸発する(S22)。
蒸発したBaFは、真空チャンバ10a内を飛散し、S19で形成されたNb膜上に堆積することでBaF膜を形成する(S23。S20〜S23は「第3膜形成工程」の一例である)。
更に、第2膜形成工程を1回、第3膜形成工程を1回、実施することにより(S24)、5層の反射防止膜Cが形成される(S25)。本実施形態における反射防止膜Cの形成工程は、「光学レンズの製造工程」の一例である。
なお、上記の反射防止膜の形成工程は、一例であって、要求される反射防止膜の構造により任意の組み合わせが可能である。たとえば、反射防止膜CがBaF膜単層からなる場合、S10〜S14までの工程(第1膜形成工程のみ)を行うことでよい。また、始めにレンズ部2上に高屈折材による膜を形成し、その後、第3膜形成工程と第2膜形成工程とを繰り返し行うことも可能である。或いは、特定の膜形成工程を連続で繰り返すことで、同じ蒸着材料からなる層を連続で形成することも可能である。
[撮像ユニットの製造]
次に、図4〜図5Dを参照して、撮像ユニット20の製造工程について説明を行う。図4は、撮像ユニット20の製造工程を示すフローチャートである。図5A〜図5Cは、反射防止膜Cが形成されたレンズ部2(光学レンズ1)が複数設けられたウエハ100(ウエハ100´)の斜視図である。図5Dは、撮像ユニット20を側面から見た場合の断面図である。本実施形態では、ウエハ100のレンズ部2とウエハ100´のレンズ部2とは異なる形状となっている(図5D参照)。
まず、図5Aに示すように、ウエハ100の平坦部100a(光学レンズ1が形成されていない部分)に対し、ディスペンス装置40により、接着剤Bを塗布する(S30)。接着剤Bとしては、たとえば、紫外線硬化特性を有するものを用いる。
製造装置(図示無し)は、接着剤Bが塗布された平坦部100aに対して別のウエハ100´の平坦部100´a(ウエハ100´の裏面)を突き当て(図5B参照)、その状態で紫外線を照射する(S31)。接着剤4aは、紫外線により硬化する。よって、ウエハ100及びウエハ100´は、接着剤Bを介して接合され、ウエハユニットU(図5C参照)が成形される。
図5Cに示すように、ダイシングブレード(図示無し)により、ウエハユニットUを光学レンズ単位(図5Cの実線)で切断する(S32)。その結果、レンズユニットLがレンズ部2の数だけ完成する。レンズユニットLは、入射する光を透過する。
次に、製造装置(図示無し)は、カバーガラス21を介して各レンズユニットLを撮像素子22(CCD、CMOS等)と接着する(S33)。撮像素子22は、レンズユニットL(光学レンズ1)を透過した光を受光する。
その後、S33で作成されたユニットを、はんだペースト23が予め塗布された回路基板24に載置し、リフロー処理を行う(S34。リフロー工程)。リフロー処理により、撮像ユニット20が完成する(S35)。S34のリフロー処理による熱で、光学レンズ1のレンズ部2は膨張するが、反射防止膜CにおけるBaF膜の微細孔がレンズ部2の変形及び圧縮応力による影響を吸収する。従って、反射防止膜Cに生じるコートクラックやしわを低減することができる。
<実施例>
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例について説明する。
[実験内容]
レンズ部に反射防止膜が形成された光学レンズに対して、リフロー試験、及びその後に耐久性試験、反射率測定試験を行った。
レンズ部は、熱硬化性樹脂であるビスフェノールa型エポキシ樹脂(株式会社ADEKA製、アデカレジンEP−4100シリーズ。「アデカレジン」は登録商標)により形成した。レンズ部の性能は、実施例及び比較例で共通である。反射防止膜を形成するレンズ部の曲率半径は0.62mm、最大面角度は60°としている。一方、反射防止膜は、実施例及び比較例により材料、膜厚等が異なっている。
リフロー試験は、反射防止膜が形成された光学レンズを、150℃〜200℃で180秒、217℃以上で150秒、255℃〜260℃で30秒の間、加熱する工程を3回繰り返した。その後、40倍の光学顕微鏡(SZX10。オリンパス株式会社製)及び300倍のデジタルマイクロスコープ(VHX−100。株式会社キーエンス製)で光学レンズを観察し、コートクラック及びしわを確認した。なお、40倍の光学顕微鏡(SZX10。オリンパス株式会社製)で光学レンズを観察する際は、光源にハロゲン光源(LA−150TX。林香港有限公司製)を使用した。また、レンズ割れの有無は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)で確認した。
耐久性試験は、拭き試験及び密着性試験の2種類を行った。拭き試験は、IPA(Isopropyl Alcohol)を浸み込ませたダスパーで反射防止膜が形成された光学レンズを200回拭くことにより行った。その後、40倍の顕微鏡で膜剥がれ、及び傷の有無を観察した。密着性試験は、反射防止膜にセロハンテープを張り付けて剥がすことにより行った。その後、40倍の顕微鏡で膜剥がれがないかを観察した。
反射率測定試験は、顕微分光測定機(USPM−RUIII。オリンパス株式会社製)でリフロー処理後の光学レンズを測定することにより行った。
[反射防止膜の蒸着について]
反射防止膜の成膜は、光学薄膜形成装置(Gener−1300。株式会社オプトラン製)を用いて行った。BaF、CeO、L5の蒸着材料を用いる場合は、真空蒸着により成膜を行った。なお、CeOは、電子銃からの電子により酸素が乖離し易いため酸素ガスを注入した状態で成膜した。Nbの蒸着材料を用いる場合は、イオンアシスト蒸着により成膜を行った。基板温度は、いずれも180℃で行った。
以下に示す表1の左端欄は、反射膜を形成する材料を示している。多層の反射膜については、最下段に記載された材料が第1層(レンズ部と接する層)に該当する。なお、表1において、「nm」で示す数値は膜厚である。また、表1において、BaF膜の膜充填密度の記載が無いものは、膜充填密度が0.80である。
[評価基準]
表1において、「コートクラック」については、マイクロスコープ(300倍)でクラック無しを「◎」、光学顕微鏡(40倍)でクラック無しを「○」、光学顕微鏡(40倍)でクラックあり(3本以内)を「△」、光学顕微鏡(40倍)でクラックあり(3本以上)を「×」で示す。
コートの「しわ」については、マイクロスコープ(300倍)でしわ無しを「◎」、光学顕微鏡(40倍)でしわ無しを「○」、方向が並んでいるしわが生じている場合を「△」、迷路状のしわが生じている場合(多方向にしわが錯綜している状態)を「×」で示す。
レンズの「割れ」については、割れ無しを「○」、割れが3本以内を「△」、割れが3本以上を「×」で示す。
「耐拭き性」については、200回で膜剥がれ無しを「◎」、100回まで膜剥がれ無しを「○」、50回まで膜剥がれ無しを「△」、50回未満で膜剥がれを「×」で示す。
「密着性」については、200回で膜剥がれ無しを「◎」、100回まで膜剥がれ無しを「○」、50回まで膜剥がれ無しを「△」、50回未満で膜剥がれを「×」で示す。
「耐摩擦性」については、200回でキズ無しを「◎」、100回までキズ無しを「○」、50回までキズ無しを「△」、50回未満でキズを「×」で示す。
「反射率」については、波長が420〜700nmで1.5%以下を「○」、1.5〜2.5%を「△」、2.5%以上を「×」で示す。
なお、比較例3、4では、レンズの割れが生じるため、耐久性試験は行っていない。
〔表1〕
Figure 0006135043
Figure 0006135043
[実施例及び比較例の分析]
実施例1〜11と比較例1〜4を比較して分かるように、反射防止膜としてBaF膜(BaF膜を含む多層膜)を用いた場合、コートクラックやしわや割れを低減させ、且つ摩擦等に耐久性のある光学レンズを得ることができた。これは、多孔質に形成されたBaF膜が熱膨張によるレンズの変形及び圧縮応力による影響を吸収しているためと考えられる。
一方、比較例1及び2の構成によれば、コートクラックやしわや割れをある程度、低減できるが、反射防止膜の耐久性が下がる。また、比較例3及び4では、コートクラックやしわや割れを低減することができず、レンズの割れまで生じる結果となった。
また、実施例1〜実施例4を比較して分かるように、BaF膜の膜厚が薄い場合(5nm)、実施例1や実施例2の構成に比べ、反射防止膜の耐久性が下がる。これは、反射防止膜が薄くなったことにより、耐拭き性や耐摩擦性が弱くなっていることが原因と考えられる。一方、実施例1及び実施例2と実施例4とを比較して分かるように、BaF膜の膜厚が厚い場合(1500nm)、実施例1の構成に比べ、コートクラックやしわや割れが生じ易くなる。これは、反射防止膜が厚くなったことにより、レンズの熱膨張による変形に反射防止膜が追従し難くなることが原因と考えられる。
また、実施例1と実施例5とを比較して分かるように、BaF膜の膜充填率が高い場合、実施例1の構成に比べ、コートクラックやしわや割れが生じ易くなる。これは、微細孔が緻密になりすぎるため、レンズが熱膨張した場合、その変形にBaF膜が追従し難くなることが原因と考えられる。また、実施例1と実施例8とを比較して分かるように、BaF膜の膜充填率が低い場合、実施例1の構成に比べ、反射防止膜の耐久性が下がる。これは、微細孔が散漫になり、反射防止膜が摩擦により傷つき易くなること等が原因と考えられる。一方、実施例6及び実施例7にしめすように、BaF膜の膜充填率が0.5〜0.9の場合には、ある程度、コートクラックやしわや割れを低減させ、且つ摩擦等に耐久性のある光学レンズを得ることができた。
また、実施例1と実施例9〜13とを比較して分かるように、反射防止膜を多層に形成した場合、実施例1の構成に比べ、コートクラックやしわや割れをより低減することができる。これは、レンズの熱膨張による変形及び圧縮応力による影響を吸収する層が増加していることが原因と考えられる。
また、実施例9と実施例10とを比較して分かるように、BaF膜の膜厚の合計をBaF以外の膜の膜厚の合計よりも厚くした場合(実施例10)、しわをより低減できる。
更に、実施例11のように、高屈折材としてNbを用いる場合には、コートクラックをより低減することができる。
また、実施例12と実施例13とを比較して分かるように、コートクラックやしわや割れを低減するための層構造は、単層或いは5層に限られない。
また、実施例14と実施例15とを比較して分かるように、最下層(第1層)にBaF膜を形成した場合(実施例15)、コートクラックやしわや割れをより低減することができる。これは、熱膨張するレンズ部とその影響を吸収する微細孔を有するBaF膜とが直接、接していることが原因と考えられる。
1 光学レンズ
2 レンズ部
10 蒸着装置
10a 真空チャンバ
10b 基板
10c 蒸着源
10d 電子銃
10e イオン銃
10f 膜厚計
10g ヒータ
20 撮像ユニット
21 カバーガラス
22 撮像素子
23 はんだペースト
24 回路基板
40 ディスペンス装置
100(100´) ウエハ
100a(100´a) 平坦部
B 接着剤
C 反射防止膜
c1 第1層
c2 第2層
c3 第3層
c4 第4層
c5 第5層
E 排気口
F シャッタ
I ガス注入口
L レンズユニット
S レンズ表面
U ウエハユニット

Claims (10)

  1. 屈折率が異なる膜が積層されてなる反射防止膜をレンズ表面に有する樹脂製の光学レンズであって、
    前記反射防止膜の少なくとも三つの層は、多孔質のBaF膜で形成され、
    前記BaF膜で形成される層は、少なくとも前記反射防止膜における、前記レンズ表面に接する最下層と、前記レンズ表面から最も遠い最上層と、前記最下層と前記最上層との間に位置する層に設けられていることを特徴とする光学レンズ。
  2. 前記反射防止膜は、前記BaF膜と、BaFよりも屈折率が高い高屈折材による膜とが前記レンズ表面に交互に積層され、前記レンズ表面から最も遠い前記高屈折材による膜に前記BaF 膜が積層されてなることを特徴とする請求項1記載の光学レンズ。
  3. 前記反射防止膜において、前記BaF膜で形成される層は、前記高屈折材による膜で形成される層よりも多く設けられていることを特徴とする請求項2記載の光学レンズ。
  4. 前記BaF 膜で形成される各層の厚さ合計は、前記BaF 膜以外の膜で形成される各層の厚さ合計よりも大きいことを特徴とする請求項1、2又は3記載の光学レンズ。
  5. 前記反射防止膜は、〜11層で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学レンズ。
  6. 前記BaF膜の厚さは、10〜1000nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学レンズ。
  7. 前記BaF膜の充填密度は、0.5〜0.9であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学レンズ。
  8. 入射する光を透過する請求項1〜7のいずれかに記載の光学レンズと、
    前記光学レンズを透過した光を受光する撮像素子と、
    前記光学レンズと前記撮像素子との間に前記光学レンズの最上層に接するように設けられたカバーガラスと、
    を有することを特徴とする撮像ユニット。
  9. 入射する光を透過する請求項1〜のいずれかに記載の光学レンズと、
    前記光学レンズを透過した光を受光する撮像素子と、
    を有することを特徴とする撮像ユニット。
  10. 樹脂製の光学レンズの製造方法であって、
    レンズ表面にBaFを蒸着させることで多孔質のBaF膜の層を形成する第1膜形成工程と、
    前記BaF膜の層上に前記BaFよりも屈折率が高い高屈折材を蒸着させることで高屈折材による膜の層を形成する第2膜形成工程と、
    前記高屈折材による膜の層上にBaFを蒸着させることで多孔質のBaF膜の層を形成する第3膜形成工程と、
    を有し、
    前記第2膜形成工程及び前記第3膜形成工程を交互に行うことにより、前記レンズ表面に対して多層の反射防止膜を形成することを特徴とする光学レンズの製造方法。
JP2012086761A 2012-04-05 2012-04-05 光学レンズ、撮像ユニット、及び光学レンズの製造方法 Active JP6135043B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012086761A JP6135043B2 (ja) 2012-04-05 2012-04-05 光学レンズ、撮像ユニット、及び光学レンズの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012086761A JP6135043B2 (ja) 2012-04-05 2012-04-05 光学レンズ、撮像ユニット、及び光学レンズの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013218035A JP2013218035A (ja) 2013-10-24
JP6135043B2 true JP6135043B2 (ja) 2017-05-31

Family

ID=49590212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012086761A Active JP6135043B2 (ja) 2012-04-05 2012-04-05 光学レンズ、撮像ユニット、及び光学レンズの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6135043B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220196970A1 (en) * 2020-12-23 2022-06-23 Largan Precision Co., Ltd. Optical lens assembly, imaging apparatus and electronic device

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4462408B2 (ja) * 2004-01-28 2010-05-12 独立行政法人産業技術総合研究所 加工物品の製造方法
JP2005345489A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Canon Inc 反射防止膜及び光学素子
JP2008039878A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Lasertec Corp 照明装置、及びその照明装置を用いたマスク検査装置
JP5072395B2 (ja) * 2007-03-19 2012-11-14 ペンタックスリコーイメージング株式会社 反射防止膜及びこれを有する光学部品
JP2009008901A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Nikon Corp 反射防止膜、光学素子及び光学系
JP2009265562A (ja) * 2008-04-30 2009-11-12 Konica Minolta Opto Inc 光学素子、及びそれを実装した電子機器の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013218035A (ja) 2013-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5489824B2 (ja) 反射防止膜及び赤外線用光学素子
CN109313285B (zh) 防反射薄膜及其制造方法、以及带有防反射层的偏光板
US9745662B2 (en) Layered coatings for sapphire substrate
US9459379B2 (en) Optical member and method for producing same
JP7304129B2 (ja) 反射防止フィルムおよびその製造方法、ならびに反射防止層付き偏光板
JP6705830B2 (ja) 光学的に向上された固体状態の光変換器
JP5825685B2 (ja) 反射防止膜の製造方法
US20090297787A1 (en) Method/Apparatus for Forming a Coated Optical Lens
JP6999370B2 (ja) 反射防止層付偏光板およびその製造方法
JP2005157119A (ja) 反射防止光学素子及びこれを用いた光学系
JP2007233333A (ja) 光学物品およびその製造方法
JP7005584B2 (ja) レンズ及びその製造方法とレンズモジュール
JP4988282B2 (ja) 光学フィルタ
WO2017217526A1 (ja) 反射防止フィルムおよびその製造方法、ならびに反射防止層付き偏光板
JP4895902B2 (ja) 反射膜の形成方法
JP6135043B2 (ja) 光学レンズ、撮像ユニット、及び光学レンズの製造方法
JP6155400B2 (ja) 反射防止膜及びカルコゲナイドガラスレンズ並びに撮像装置
TWI594297B (zh) 自複合結構分離出一層之方法
JP4118008B2 (ja) 多層膜反射ミラー
JP2012141474A (ja) プラスチック製光学素子の反射防止膜及びプラスチック製光学素子
JP6982951B2 (ja) 赤外線用機能性膜付シリコン基板
JP2007212948A (ja) 反射防止膜形成方法及び、反射防止膜付き基板
JP6493225B2 (ja) 透明導電性フィルム
JP2004184703A (ja) 反射鏡
TWI354707B (en) Optical element with films thereon

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6135043

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150