JP4462408B2 - 加工物品の製造方法 - Google Patents

加工物品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4462408B2
JP4462408B2 JP2004019329A JP2004019329A JP4462408B2 JP 4462408 B2 JP4462408 B2 JP 4462408B2 JP 2004019329 A JP2004019329 A JP 2004019329A JP 2004019329 A JP2004019329 A JP 2004019329A JP 4462408 B2 JP4462408 B2 JP 4462408B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hardness
solid
substance
processing
cleaning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004019329A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005212002A (ja
Inventor
誠介 加納
尚志 井上
照夫 山下
吉弘 山越
裕 大神
友嗣 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Hoya Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2004019329A priority Critical patent/JP4462408B2/ja
Publication of JP2005212002A publication Critical patent/JP2005212002A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4462408B2 publication Critical patent/JP4462408B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)

Description

本発明は、固体、特に、高硬度材、硬脆材、超硬質材、およびそれらの複合材など、高精度かつ高効率な機械加工が容易でない材料から加工物品を製造する方法に関し、特に、固体表面の硬度を低減させる方法を用いるものである。本発明によれば、加工物品の製造において、加工精度や効率を向上させることができる。
従来、研削加工や切削加工、研磨加工などの機械加工分野では、一般的に、工具と被削材を冷却することを主な目的として、加工液を注液あるいは噴霧しながら加工することが広く行われている。また、加工液は、冷却効果に加えて、切削では、バイトと加工面の潤滑性の向上、研削・研磨では、目詰まり防止、ケミカルエッチング、表面酸化層や水和層の形成による被削性の向上、加工面の腐食防止などの効果を目的としても用いられている。
一方、加工雰囲気により、固体材料の機械的特性を変化させる現象の研究がなされている。また、レーザ照射により被削材の表面を局所加熱しながら切削加工する方法も試みられている。
非特許文献1[佐々木信也「ケモメカニカル効果は本当に存在するのか?」、トライポロジー会議予行集、P.542-543(1998)]には、固体材料の機械的性質が、雰囲気によって変化することが知られている旨記載されている。化学的要因によって、固体物質の機械的特性が影響を受ける現象に関しては、表面電子状態や表面エネルギー、表面転位、または、水和や溶解などの立場から研究されている。雰囲気を、純水、水酸化ナトリウム、塩酸、または大気として硬度を測定したことが記載されている。しかし、これらの雰囲気に固体物質が置かれたときに硬度低減効果が得られること、及びこれらの雰囲気に置かれた固体物質に対して加工を施すことについては言及されていない。
また、レーザ照射による方法としては、下記の文献に記載の方法が知られている。非特許文献2[西村憲次他「窒化ケイ素のレーザーアシスト加工」(九州工業技術研究所報告No.56,1996)]には、難加工材である窒化ケイ素表面(Si3N4)に連続励起のマルチモードYAGレーザを出力50〜150Wで照射して局所的に加熱し、それにより生成したSiO2や金属Si等の酸化分解層を切削加工によって削り取る方法が開示されている。
更に、メカノケミカルポリッシングについては、以下の文献に記載の方法が知られている。非特許文献3[超精密生産技術大系第2巻実用技術、小林 昭監修、フジ・テクノシステム、P.1088、1994]には、研磨加工におけるメカノケミカルポリッシングが有効であるとの記載がある。メカノケミカルポリッシングは、加工物と固相反応する粒子を砥粒として用い、加工物表面との加工接触点局部に生じるメカノケミカル現象(加えられた機械的エネルギーにより誘起される化学反応)を利用した表面研磨方法である。砥粒には、被削材よりも軟質な粒子を用いることができるため、表面粗さRmaxが数nm以下の平滑面が得られると記載されている。
佐々木信也「ケモメカニカル効果は本当に存在するのか?」、トライポロジー会議予行集、P.542-543(1998) 西村憲次他「窒化ケイ素のレーザーアシスト加工」(九州工業技術研究所報告No.56,1996) 超精密生産技術大系第2巻実用技術、小林 昭監修、フジ・テクノシステム、P.1088、1994
非特許文献1に記載のとおり、これまでに、機械的性質と雰囲気との関係について様々なモデルが提唱されてきた。しかし、実際に、両者にどのような関係があるかは未解明であり、その作用については真偽も含めて、不明な部分があった。即ち、少なくとも、機械的性質がどのような条件下でどのように変化するかについては知られていない。
非特許文献2に開示された技術では、酸化分解層が固体表面に残存するため、固体表面の物性が変化し、特に強度の低下が生じる。従って、加工後に、この酸化分解層を工具で削りとる必要があると記載されている。このように、この方法では、固体内への酸素原子拡散領域が広くかつ、酸素濃度がグラデュエントに変化する。そのため、酸化層を積極的に除去することが必要な加工では、加工形状や深さを高い精度で制御することは不可能であり、精密加工には適さない方法である。
非特許文献3の技術では、適用範囲がメカノケミカル現象の生じる系に限られる。また、加工対象としては、シリコンやサファイア、炭化ケイ素など、半導体基板の例はあるが、加工形状がウエハの平面研磨、特に、最終仕上げ研磨に限られている。また、加工原理上、適用範囲は、遊離砥粒を用いた研磨加工にのみである。したがって、この技術を、固定砥粒を用いる研削加工やバイトを用いる切削加工などによる、溝加工や球面・非球面形状加工などの総形加工に適用することは事実上不可能である。
ガラスやセラミックス、超硬合金等の硬脆材料に対し、最近、超精密機械加工を施すことによって高精度で形状を得る技術や高品位の加工面を得る技術が特に必要とされている。例えば、情報通信分野では、超精密ガラスモールド用金型の総形研削加工や高性能半導体用単結晶SiC基板やHDD用結晶化ガラス基板、フォトマスク用高精度・高品位ガラス基板などの超精密平面研削・研磨加工、光導波路基板やμ-TAS(Micro/Miniaturized Total Analisys System)用マイクロチャンネルガラス基板、ファイバ整列部品用セラミックス基板などの溝入れ加工、鋼板圧印加工用超硬ロール金型や高精度軸受け部品単結晶、焼結ダイヤモンド工具等の超精密加工など、その範囲は、従来の産業分野から次世代の情報通信分野やライフサイエンス分野まで広がっている。
しかし、これらの材料は高硬度材、硬脆材、超硬質材およびそれらの複合材であるため、高精度形状や高品位加工面を高効率に機械加工することは容易ではない。例えば、硬脆材を研削加工や切削加工しようとする場合、材料の硬度が高くかつ脆いため、加工工具となる砥石やバイト刃先の磨耗や目つぶれ、目づまりにより、所望の形状精度や表面粗さ等を得ることが難しい。その上、加工効率も低いためにコストアップの原因となり、実用的なプロセスとして確立することは難しい。特に、研削、切削の開始時に工具にかかる負荷は最も大きく、工具の寿命(工具摩耗や欠損による)にも課題があった。
また、超精密機械加工において、とくに、高硬度材の加工において、目的の形状精度や表面粗さを達成する場合、加工単位(例えば、研削加工や切削加工では切込み深さ、圧印加工では押込み深さ)はミクロンあるいはサブミクロン単位の微小量となる。
したがって、高精度で低表面粗さであって、加工ダメージ(加工変質層)の生成しない高品位な加工面を得る方法として、その加工単位に相当する微小深さの加工表面近傍のみの硬度を低減させ、その部分を加工することができれば、非常に有用である。
さらに、固体表面のうち所望の加工部分のみの硬度を低下させ、更に、加工時は硬度を低減する一方、加工後にはその固体固有の高い硬度を取り戻せるような処理方法があれば、加工深さが硬度低減層の厚さよりも小さい場合に、硬度低減させた部分を加工変質層として残すことがないのでより有望である。
しかるに、残念ながら、これまでは、上記のような方法は全く知られていなかった。
そこで、本発明の目的は、高硬度材、高脆材、超硬材であっても、母材が本来有している物性を実質的に変質させることなく維持しつつ、高効率で、高精度かつ高表面品位な加工を行うことができる技術を提供することにある。より具体的には、固体表面近傍の硬度を局所限定的に低減し、その後、またはその工程中に、硬度を低減した固体表面に機械加工を施して、高効率で、高精度かつ高表面品位に加工物品を製造することができる方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、固体表面に機械的加工を施して加工物品を製造する方法であって、
前記表面に存在する付着物質及び/又は吸着物質を除去するクリーニング工程、
クリーニングされた表面に硬度低減物質を担持させて、固体の表面硬度を低減する工程、及び
前記硬度低減工程の後、または硬度低減工程中に、前記硬度低減物質を担持させた表面に機械的加工を施す工程
を含み、前記固体がコバルトバインダー含有炭化タングステンであり、前記硬度低減物質がn−デカノールである、前記加工物品の製造方法である。
本発明によれば、高硬度材、硬脆材に対して加工を行うに際し、清浄な固体表面に適切な硬度低減物質を作用させることで、表面硬度のみを効果的に低減し、効率的かつ高精度の表面加工を実現させることができる。特に、加工時には加工に必要な部位のみの硬度を低減でき、更に加工後は、即ち加工された物品の使用時にはその材料固有の高い硬度を取り戻すことができる。
本発明の方法により、高硬度材、硬脆材の3次元の形状加工がナノオーダーの精度で、容易に行なうことができる。従って、この方法は、光学部品やその成形金型を始めとする、多くの分野の超精密加工に多大な寄与が可能である。
本発明では、固体表面の硬度を、機械的加工に先だち、またはその途中で、低減させる。そして、硬度低減を有効とするため、またはその効率を高めるために、まず、固体表面のクリーニングを行う。
通常、大気中に存在する固体表面には、吸着水分子や酸素分子、酸化膜、油脂成分、金属イオン等など、さまざまな物質が安定に存在する。本発明者らの検討によれば、これらの物質が付着、又は吸着存在しているところに、後述する硬度低減物質を担持させて作用させようとして、硬度低減物質の塗布や硬度低減物質液中への浸漬を行っても、充分効果的に硬度低減効果を得ることはできなかった。そこで本発明では、まず、固体表面のクリーニングを行う。
本発明におけるクリーニング工程は、被加工部である固体表面の付着物質及び吸着物質を、実質的に固体表面から除去する工程であり、固体表面の付着物質及び吸着物質を実質的に除去することができる方法であれば、どのような方法であっても適用することができる。そして、そのようなクリーニングとしては、例えば、レーザ照射、真空加熱、オゾン洗浄、酸処理、アルカリ処理などが挙げられる。これらの方法は通常、単独で使用されるが、組み合わせて使用することもできる。
特に、本発明のクリーニング工程では、固体表面の付着物質及び吸着物質を除去するとともに、固体表面に化学変化層が形成されていた場合にはその少なくとも一部を除去することが好ましい。さらに、前記化学変化層が酸化物層であり、酸化物層の平均膜厚が10nm以下となるように酸化物層を除去することが好ましい。
ここで、固体表面の化学変化層とは、固体のバルク組成が大気中の酸素や水酸基と結合した酸化膜など、固体内部のバルク組成とは異なった組成の表面層をいう。例えば、固体が炭化タングステンの場合には、酸化タングステン層や酸化コバルト層(コバルトは、炭化タングステンを主成分とする超硬材料にバインダーとして数wt%〜30%wt程度含有されている)、炭化ケイ素の場合には二酸化ケイ素の薄層などである。
尚、「少なくとも一部を除去する」とは、クリーニングの結果、化学変化層が若干残存する場合であっても、後述する硬度低減作用が発現することを妨げないような厚みであればよいことを意味する。具体的には、化学変化層が残存する場合には、平均10nmを超えないことが好ましい。換言すれば、厚さ平均10nm以内とは、数nm〜20nm程度の厚さの部分が存在する場合を含み、また、一部ではバルク面が露出している場合も含む。化学変化層が残存しても平均10nmを超えなければ、固体表面に接触した硬度低減物質と固体のバルクとが平均10nm以内に接近することができ、その結果、硬度低減物質の作用が固体のバルク組成に実質的に及び、本発明の効果が得られると考えられるためである。
好ましくは、固体表面の化学変化層を実質的に全部除去することが好ましい。尚、化学変化層の一部又は全部除去する手段としても、上記のクリーニング手段が有効に用いられる。
クリーニング手段に用いられるレーザ照射は、吸着物、付着物又は酸化膜等の化学変化層(以下、表面不要物という)を除去できる(クリーニング効果の出る)のに十分な程度の照射条件(パルス幅、エネルギー密度、繰返し周波数、パルス数)で行う。さらに、その際、照射条件は、レーザ照射によるアブレーション等による著しい表面ダメージが発生しない条件とすることが適当である。このようなレーザ照射により、表面不要物を除去することができる。
クリーニング手段に用いられる真空加熱は、具体的には、例えば、10×10-3Torr以下の減圧下で、被加工部である固体の表面を加熱することにより、付着物質、吸着物質を脱離させる方法である。加熱は、例えば、150〜400℃の範囲の温度で数時間保持することが、付着物質、吸着物質等の表面不要物を効果的に脱離するという観点から適当である。
クリーニング手段に用いられる酸処理は、具体的には、例えば、フッ酸(HF)やバッファードフッ酸(HF、NH4F)溶液(HF0.1〜5%程度)に固体を接触、または、浸漬させる方法であることができる。酸の濃度や接触または浸漬時間は、表面不要物の除去の程度を勘案して、適宜決定できる。酸処理は、特に、固体表面の酸化膜の除去に有用である。
クリーニング手段に用いられるアルカリ処理は、具体的には、例えば、KOH、又はNaOH溶液に、固体表面を接触させる方法であることができる。アルカリの濃度や接触または浸漬時間は、表面不要物の除去の程度を勘案して、適宜決定できる。
特に、本発明では固体表面にパルス幅30ナノ秒以下の短パルスのレーザを照射することでクリーニングを行うことが好ましい。パルス幅は、1フェムト秒〜20ナノ秒の範囲がより好ましい。更に好ましくは、10フェムト秒〜5ナノ秒の範囲である。また、繰り返し周波数は、1Hz〜1KHzの範囲とすることが好ましい。
パルス幅が30ナノ秒以下の短パルスレーザによるクリーニングは、母材に対する熱的影響が少なく、この点で、パルス幅の長いパルスレーザやCWレーザに比べて優れている。特に、パルス幅が100フェムト秒より短い場合、物質表面にレーザ照射されたエネルギーがその物質内の電子から格子へ移動する時間よりも短くなるため、格子振動による熱輸送現象が起こるか起こらないかのうちに大部分の光エネルギーが伝導電子に吸収される。したがって、レーザエネルギーは照射領域に局在することになり、表面近傍にある表面不要物は固体プラズマ状態から高温プラズマ状態に遷移し、瞬時に膨張して表面から飛び出す。結果、その領域のみにある物質の状態を変化(溶融、蒸発)させるため、表面下の深さ方向の母材への熱影響は非常に少なく、また、照射外周部への熱影響部が極めて少ないクリーニングが可能となる。その結果、固体表面の付着、吸着物質に加え、酸化膜などが効率的に除去でき、しかも母材へのダメージは極力少なくできる。
さらに、上記パルス幅30ナノ秒以下の短パルスのレーザは、エネルギー密度が、0.7J/cm2以下であることが好ましい。具体的には、0.1〜0.7J/cm2が好ましい。上記エネルギー密度は、より好ましくは0.1〜0.5J/cm2、更に好ましくは0.1J/cm2以上0.3J/cm2未満である。エネルギー密度が、0.7J/cm2以下である短パルスレーザを、固体表面に照射することで、マイクロメーターオーダー以上の深さの部分にダメージを与えて固体表面の機械的強度や特性を損なうこと無く表面不要物のみを効果的に除去することができるという利点がある。その結果、後述するように、固体表面に対する硬度低減物質の作用を効果的に行うことができる。
レーザ照射に用いるレーザ波長は特に限定されないが、200〜1100nmのものが適用できる。
更に、上記短パルスレーザでのレーザクリーニングでは、短パルスレーザを真空中や不活性ガス雰囲気中で固体表面に照射するとより高い効果を得ることができる。ここで、真空とは、102Pa(1 Torr)以下の圧力であり、不活性ガスとは、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどの希ガス、窒素などの気体、もしくはそれらの混合気体であることができる。
尚、上記のクリーニング工程に先立ち、公知の湿式洗浄により被加工部を洗浄してもよい。公知の湿式洗浄とは、例えば、水又は有機溶媒に固体表面を曝す方法、又は洗浄効果を高める界面活性材などを用い、物理的に付着物を除去する方法であり、必要により超音波などを併用して洗浄効果を高めることもできる。但し、このような湿式洗浄により付着物はある程度除去できるが、吸着物質や、化学変化層の除去は、本発明におけるクリーニング工程で達成できる程度には行えない。
また、湿式洗浄では、洗浄後に乾燥工程が必要であるので、その際に、大気中の有機物質の吸着層や、酸素や水による酸化層が被加工部である固体の表面に形成されてしまう。一方、レーザクリーニングの場合は、乾燥工程は不要であるので、クリーニング後に表面を大気中にさらすことなく、硬度低減物質を効率よくクリーニングした固体表面に吸着させるような、連続プロセスを構築することができる。
上記クリーニング工程の効果は、固体表面の組成及びその分布を表面分析することによって確認することができる。表面分析は、例えば、ESCA(光電子分光、深さ方向の分析に適切)又は、EPMA(電子プローブマイクロアナライザー、横方向の分析に適切)によって行うことができる。
上記のようにクリーニングを行った、固体(被加工部)表面に本発明では硬度低減物質を担持させて作用させる。具体的には、固体(被加工部)表面に硬度低減物質を接触(例えば、塗布、浸漬・噴霧・液注を含む)させることにより、固体表面に硬度低減作用を与える。
但し、クリーニングされた固体表面は、クリーニング直後に、異物を含む雰囲気から隔離された雰囲気中で、硬度低減物質で覆うことが、再付着、吸着によるクリーニング効果の阻害を回避するという観点から好ましい。即ち、本発明では、クリーニングされた固体(被加工部)表面にクリーニング後、直ちに硬度低減物質を担持させることが好ましい。
硬度低減物質としては、常温で液体の有機物が好ましく、特に直鎖のものが好ましい。直鎖構造により、固体表面により規則的に配列し、被覆することができるからである。特に、末端に−OH、−COOH、−NH2、などの極性基をもつ有機物又はエステル結合を有するもの、もしくはこれらの少なくともひとつを含有する溶液が有用である。特に、アルコール又は、エステルが本発明に好適であることが見出された。
このうち、硬度低減物質としては、直鎖アルキルアルコールが特に好ましい。さらに、直鎖アルキルアルコールとしては、常温での揮発性が大きすぎないという観点から、沸点が100℃以上のものが好ましく、または、炭素数は4以上のものが好ましい。炭素数は、4以上11以下であることが更に好ましい。そのような直鎖アルキルアルコールとしては、例えば、n-ペンタノ−ル、n-ヘキサノール、n-へプタノ−ル、n-オクタノ−ル、n-ノナノ−ル、n-デカノール、等を挙げることができる。
硬度低減物質としての、直鎖アルキルアルコールは、直鎖アルキルアルコールそのものを使用できるほか、直鎖アルキルアルコールの水溶液を使用することもできる。但し、水溶液を用いる場合には、直鎖アルキルアルコール濃度が90%以上、より好ましくは95%以上のものとすることが好適である。
また硬度低減物質として、カルボン酸、アミン、エステルを用いる場合は、アルコールと同様に常温で液体であり沸点が室温より充分高いこと及び炭素原子の直鎖状の配列が4以上のものがよく、例えばカルボン酸としてはペラルゴン酸(C8H17COOH)、アミンとしてはウンデシルアミン(C11H23NH2)、エステルとしてはパルミチン酸メチル(C15H31COOCH3)又はパルシチミン酸ブチル(C15H31COOC4H9)などが挙げられる。
また、硬度低減物質は、固体表面で不要な反応を起こさない事が好ましいことから、中性、例えば、pHが6.0〜8.0の範囲のものが好適である。即ち高pHのアルカリ側又は低pHの酸側に特に調整する必要もなく、また好ましくない。
硬度低減物質は、被加工部の表面に塗布することによって、または被加工部を含む物品を硬度低減物質に浸漬することによって固体表面に吸着させることができる。硬度低減物質の固体表面への吸着量は、数分子層、または、数十〜数百原子層以内程度の厚み(距離)であることができ、具体的には厚みが100nm以内であることが適当である。
本発明の方法を、図面を用いて以下に説明する。
図1に通常の固体表面の状態を模式的に示す。図1に示すように、固体表面には、一般に、表面側から、汚れの付着層(厚さ>数十nm)、吸着分子層(厚さ<5nm)、酸化膜(厚さ10〜20nm)がある。
このような固体表面を湿式洗浄すると、図2に示すように、汚れの付着層は、かなり除去できる(一部残る)が、吸着分子層及び酸化膜は除去できない。
そこで、上記クリーニング工程を施すことで、図3に示すように、吸着分子層は除去され、酸化膜もかなり除去できる。
そして、図4に示すように、クリーニング工程後の固体表面に硬度低減物質を吸着させる。硬度低減物質を吸着させた固体表面の拡大図を図5に示す。図5は、硬度低減物質としてn−デカノールを吸着させた状態である。固体表面近くの物質(WC)は、n−デカノールの吸着エネルギーにより、タングステンと炭素との間の結合エネルギーが弱められる。
発明者らは、上記硬度低減物質が、上記のクリーニングを施した固体表面に接触すると、固体の表面近傍に配列する固体を構成する分子の結合状態が変化して、固体表面エネルギーが低減し、その結果、表面硬度が低下することを見出した。
本発明では、固体表面で固体を構成する分子と硬度低減物質とが反応層を形成する必要はない。硬度低減物質が、固体表面に直接吸着すればよい。そうすることで、表面の硬度を低減する効果が得られる。これは、硬度低減物質が、直接、固体表面の電子状態に作用し、その結果、固体表面のバックボンドの結合力が弱まるためと考えられる。
硬度低減物質は、固体表面から除去することにより、固体表面の硬度は、固体が本来有する硬度に回復することができる。硬度低減物質の固体表面からの除去方法は、例えば、硬度低減物質を溶解する液体での湿式洗浄や真空加熱、レーザ照射、オゾン洗浄など、吸着物質を除去できる方法であればよい。
本発明において、被加工部である固体は、少なくとも表面近傍に共有結合を有する物質であることが好ましい。より好ましくは共有結合性物質である。
本発明で利用する、ある物質の吸着によって生じる硬度低減現象は、イオン結合性の物質では発現しにくく、それに対して、共有結合性の物質では生じ易い。従って、被加工部である固体材料は、共有結合性のもの、又は表面に共有結合を含むものが好適である。
共有結合性の物質としては、例えば、炭化物及び窒化物(例えば、WC:炭化タングステン、WC-Co:コバルトバインダー含有炭化タングステン、TaC:炭化タンタル、TiC:炭化チタン、SiC:炭化ケイ素、Si3N4:窒化ケイ素)等を挙げることができる。
特に、本発明の効果は炭化物において顕著であり、これは炭素と他の元素との結合が効果の発現に有効に作用するからである。
本発明では、上記本発明の硬度低減方法により、被加工部である固体表面の硬度を低減した後、または固体表面の硬度を低減しながら、固体表面に機械的加工を施すことによって、加工物品を作製する。機械的加工としては特に制限はなく、例えば、切削、研削、研磨、圧印加工、を含む。機械的加工は、研削、研磨及び切削加工の少なくとも1つを含むことが好ましい。
本発明の方法において、硬度低減物質を前記のように用いることで、母材としての硬度や性質を変化させず、表面近傍(深さ5nm〜2μm程度)の硬度のみを低減することができる。従って、本発明の加工物品の製造方法によれば、加工除去単位が5nm〜5μm程度の超精密機械加工を有利に行うことができる。本発明の方法によれば、具体的には、高形状精度や低表面粗さなど、高精度形状や高品位加工面を高効率に加工することが必要とされる、超精密研削加工や超精密切削加工、超精密研磨加工を行うことができる。
さらには、本発明は、これらの超精密機械加工の中でも、特に、工具の切り込み量を小さくし、加工除去単位を小さくする必要のある、延性モード研削加工や切削加工に適する。本発明の高度低減方法を適用することにより、被削材の加工表面硬度を低減することができるので、工具摩耗(研削砥石の砥粒の摩耗量、切削バイトの刃先の摩耗量)を低減することができ、形状精度の高い加工が可能となる。また、従来、加工開始直後は、延性モード加工であっても、ある程度加工が進むと、工具摩耗量が大きく、加工途中で工具の切れ味が低下し、脆性破壊モードとなり、所望の表面粗さや形状精度が得られず、実用的でなかった加工方法に対しても、本発明は、非常に有効である。
被削材の表面近傍の硬度を小さくすることにより、被加工部である固体の物性と加工条件で決まる、延性モード加工発現領域が広がるため、マイクロクラックの発生が起きない、または少ない加工条件を見出すことが容易となる。また、本発明によれば、従来の延性モード加工条件の範囲を格段に広げることが可能となる。
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
クリーニング工程
実験方法・条件
(試験材料)
超硬材料(主成分はWC:炭化タングステン、コバルトを含む)
ダイヤモンド砥粒(平均粒径1mm)を用いて表面研磨しシリカ粒子(平均粒径0.25mm)で仕上げた試験片を、アセトン及び石油ベンジンの混合液にて洗浄後、100℃以上で15分以上乾燥させた。
(レーザ照射条件)
パルスYAGレーザの第二高調波(波長532nm、パルス幅5ナノ秒、繰り返し周波数10Hz、照射時間10秒)を、洗浄後の試験片表面に大気中で照射した。このときレーザ照射エネルギー密度(フルエンス)を、0.90、0.25J/cm2と換え、それぞれについて表面状態観察及び表面分析を行った。
(表面分析条件)
表面の分析にはESCA(XPS)分析法を用いた。真空中にてレーザ照射内の200x200mm2の領域をArイオンエッチングしながら最表面から65nmまでの深さ方向の組成分析と最表面の状態分析を行った。比較のため、レーザ照射を行わなかった材料の表面に対しても同様の測定を行った。表面分析結果は以下の通りである。
(最表面状態分析結果)
図6に各フルエンスでの表面観察結果を示す。0.90J/cm2では、表面損傷が発生し、表面形状の変化が若干認められる。これに対し0.25J/cm2では、レーザ照射による表面損傷がないことがわかる。
図7に上記表面観察結果に対応した、各フルエンスでの最表面元素結合状態分析の結果を示す。各元素の信号のうち*で記したピークを詳細に見ると、洗浄のみの試験片(母材)表面状態と比較して表面損傷の認められる0.90J/cm2においては、金属単体の状態を示す信号の強度が大きくなり、分離が発生していることが示唆された結果となった。これに対して表面損傷が認められない0.25J/cm2では、レーザ照射面とレーザ未照射面において、炭素、酸素、コバルトの結合状態に注目して比較すると、タングステンとの結合に寄与していない炭素(ハイドロカーボン等)がレーザ照射により減少、メタルに結合している酸素の減少が認められるほかは、コバルトなど金属元素に対してはほとんど差がなかった。
(組成分析結果)
図8にタングステン、炭素、コバルト、酸素に注目した深さ方向の組成分析の結果を示す。未処理試料では表面に炭素や酸素が多く存在し、30nm程度から深さ方向に安定した値を示すようになっている。これに対して、レーザフルエンスが0.90J/cm2では、未処理試料の組成変化から大きくずれ、表面で分離・分解が起こっていることがわかる(例えば、0.90J/cm2の矢印)。これに対して0.25J/cm2では、表面の炭素量と酸素量の比率が、レーザ照射によってやや減少した。状態分析の結果とあわせて考えると、タングステンとの結合に寄与しない不要な炭素と、酸化によると考えられる酸素が減少したと考えられ、充分なクリーニングが達成されたと結論できる。
表面硬度低減工程
実験方法・条件
(試験材料)
実施例1の前処理を行った試験材料で、表面形状損傷がなく、かつ、表面の汚染が排除されている条件、すなわちフルエンスを、0.25J/ cm2としたものに、以下のように硬度低減物質を作用させた。
(加工液滴下条件)
加工液(デカノール:C10H22O 95%水溶液)の滴下は、レーザ照射直後に20-30mlを試験片に直接滴下する方法で行った。その後、試験片表面から液が切れるのを防ぐため、加工液に浸漬させて硬さ測定器まで搬送した。
(硬さ測定条件)
硬さ測定の条件は、ヌープ圧子を用いたヌープ硬さ測定において、荷重10g保持時間10秒の条件で行った。クリーニング後、上記加工液を滴下した試験片を硬さ測定器に固定した。比較のため、湿式洗浄のみの試験片、湿式洗浄後レーザ照射(0.25J/ cm2)によるクリーニングのみの試験片、湿式洗浄後加工液(デカノール)を滴下したのみの試験片、及び湿式洗浄後レーザ照射によるクリーニングを行い直ちに加工液を滴下した試験片に対して測定を行った。
(硬さ測定結果)
表1に硬さ測定結果を示す。( )内にはサンプル15点以上を用いたときの各測定における標準偏差を示した。表面を加工液で覆うことにより硬さが低下し、その効果は表面の不要な炭素(ハイドロカーボン等)や酸素を取り除くことにより、明確になることがわかる。その効果は、湿式洗浄のみの試験片の表面硬さと比べ、湿式洗浄後レーザを照射してクリーニングし、直ちに加工液を滴下した試験片の表面硬さは、約15%低減した。更に、標準偏差の値から、硬さのばらつきも減少していることがわかる。これは、加工抗力が一定なスムーズな加工が可能であることを意味する。なお、このときの押し込み深さは250〜400nmであり、切削や研削における切込み深さにも有用に適用される範囲である。このことからもクリーニング処理及び加工液滴下した表面は、表面の変形が容易になり、加工も容易にできることがわかる。
尚、上記のように硬度が低減された試験片と同一のものにつき、デカノールを、アセトン及び石油ベンジンの混合液で洗浄し、乾燥させたものにつき、同様に硬さ測定を行った。その結果、低減した硬さが回復していることが認められた。
機械的加工工程(超硬材の切削加工)
表面硬度低減工程で作製した試験片(レーザ照射後、表面にデカノールを滴下した超硬材、主成分はWC、バインダー材Co含有量10〜20wt%)を被削材として、切削加工した。
X、Z、Bの3軸制御の超精密加工機を用い、軸対称非球面加工を行った。切削工具は、先端R0.2〜0.5mm、すくい角0°、逃げ角12〜15°のダイヤモンドバイトを用い、切削条件は、切削速度5〜20m/sec、切込み深さ0.05〜2μm/pass、工具送り速度0.1〜0.5mm/ sec(外周部から中心方向)とした。
加工形状は、例えば、小径レンズ型として用いることのできる、凹非球面形状で、面径φ1〜3mm、近軸曲率半径R1〜2mm、最大面角度50〜60°程度とした。また、加工前の形状は、目的形状に対し、非球面の形状誤差で10μmP-V以内のものを使用した。
加工開始直後の1パス目の切込み時は、すでに、レーザ照射しクリーニングされた表面にデカノールが十分吸着しているので、表面硬度が低減され、容易に延性モード切削加工が実現できた。
また、2パス目以降は、表面付近の硬度低減物質が被削材とともに除去されて被削材のバルク組成をもった表面となった。この創成された面についても、酸化層ができる前に、硬度低減物質であるデカノールを吸着させ、表面の硬度を低減させるため、加工点(バイトと被削材の接触点)付近にデカノールまたはデカノールを含む溶液を噴霧もしくは注液しながら加工した。
このような方法にて、加工を行うことで、加工中、常に、創成した表面の硬度を低減させながら、加工することができ、その結果、延性モード加工を連続的に行うことができた。さらに、加工中も、バイト刃先の顕著な欠けは発生することなく、また、工具寿命は硬度低減の効果の分に相応して伸びていた。
また、加工後の表面はバイト送り単位による切削痕は観察されるが、表面粗さRa20nmP-V以内の鏡面が得られた。また、非球面形状精度は0.1μmP-V以内となった。
通常の固体表面の状態を模式的に示す。 湿式洗浄後の固体表面の状態を模式的に示す。 クリーニング工程後の固体表面の状態を模式的に示す。 硬度低減物質を吸着させた固体表面の状態を模式的に示す。 硬度低減物質を吸着させた固体表面の拡大図。 実施例における各フルエンスでの表面観察結果。 図6での表面観察結果に対応した、各フルエンスでの最表面元素結合状態分析の結果。 タングステン、炭素、コバルト、酸素に注目した深さ方向の組成分析の結果。

Claims (6)

  1. 固体表面に機械的加工を施して加工物品を製造する方法であって、
    前記表面に存在する付着物質及び/又は吸着物質を除去するクリーニング工程、
    クリーニングされた表面に硬度低減物質を担持させ、固体の表面硬度を低減する工程、及び
    前記硬度低減工程の後、または硬度低減工程中に、前記硬度低減物質を担持させた表面に機械的加工を施す工程
    を含み、前記固体がコバルトバインダー含有炭化タングステンであり、前記硬度低減物質がn−デカノールである、前記加工物品の製造方法。
  2. 前記クリーニング工程は、表面の付着物質及び吸着物質を除去することに加え、表面に形成された化学変化層の少なくとも一部を除去する工程であることを特徴とする、請求項1の製造方法。
  3. 前記化学変化層が酸化物層であり、酸化物層の平均膜厚が10nm以下となるように酸化物層を除去することを特徴とする、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記クリーニング工程が、表面にパルス幅30ナノ秒以下のレーザを照射することを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記レーザは、エネルギー密度が0.7J/cm2以下のパルスレーザであることを特徴とする、請求項4の製造方法。
  6. 前記機械的加工が、研削、研磨及び切削加工の少なくとも1つである、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
JP2004019329A 2004-01-28 2004-01-28 加工物品の製造方法 Expired - Lifetime JP4462408B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004019329A JP4462408B2 (ja) 2004-01-28 2004-01-28 加工物品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004019329A JP4462408B2 (ja) 2004-01-28 2004-01-28 加工物品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005212002A JP2005212002A (ja) 2005-08-11
JP4462408B2 true JP4462408B2 (ja) 2010-05-12

Family

ID=34903574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004019329A Expired - Lifetime JP4462408B2 (ja) 2004-01-28 2004-01-28 加工物品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4462408B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008277134A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Yoshiaki Shiyafu 金属酸化状態還元装置及び金属酸化状態還元方法
JP4941987B2 (ja) * 2007-09-28 2012-05-30 独立行政法人産業技術総合研究所 微細加工用超硬材料工具
JP6135043B2 (ja) * 2012-04-05 2017-05-31 コニカミノルタ株式会社 光学レンズ、撮像ユニット、及び光学レンズの製造方法
US10086577B2 (en) * 2015-12-01 2018-10-02 The Goodyear Tire & Rubber Company Method of making a self-sealing tire, and a tire
WO2023032582A1 (ja) * 2021-08-31 2023-03-09 京セラ株式会社 被覆工具および切削工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005212002A (ja) 2005-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Menapace et al. Combined advanced finishing and UV-laser conditioning for producing UV-damage-resistant fused silica optics
TWI321337B (en) Methods of making silicon carbide articles capable of reducing wafer contamination
KR102658526B1 (ko) 산화물 단결정 박막을 구비한 복합 웨이퍼의 제조 방법
JP2015533654A (ja) ワークピースを加工するための方法及び装置
JP5953645B2 (ja) 半導体基板の切断方法及び半導体基板の切断装置
JP2011516392A (ja) ガラスの製造及び製品への処理のための保護コーティング
JP7183182B2 (ja) セラミック含有物品の不活性ガス支援型のレーザー加工
Chen et al. Surface modulation to enhance chemical mechanical polishing performance of sliced silicon carbide Si-face
JP2003211400A (ja) 超短パルスレーザーを用いた微細加工方法及びその加工物
JP2006008426A (ja) ガラス基板の研磨方法
JP4462408B2 (ja) 加工物品の製造方法
JP2005093869A (ja) シリコンウエーハの再生方法及び再生ウエーハ
Long et al. Fused silica contamination layer removal using magnetic field‐assisted finishing
CN1203965C (zh) 掺钛蓝宝石晶体激光棒的表面加工方法
Gao et al. Research progress on ultra-precision machining technologies for soft-brittle crystal materials
Kirino et al. Ultra-flat and ultra-smooth Cu surfaces produced by abrasive-free chemical–mechanical planarization/polishing using vacuum ultraviolet light
Pawar et al. Machining processes of sapphire: An overview
CN109551312A (zh) 一种钛宝石的表面冷加工方法
US20210371327A1 (en) Method for treatment of a glass substrate with improved edge strength
Tonnellier et al. Wheel wear and surface/subsurface qualities when precision grinding optical materials
WO2015052556A1 (en) Method for increasing laser induced damage threshold by etching of optical substrates
JP2010238298A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
US5447466A (en) Chemically assisted process for the machining of ceramics
US20210001429A1 (en) Methods of using laser energy to remove particles from a surface
Zhou et al. Preliminary investigation of the effect of environmental humidity on the nanoscale mechanical removal of KDP crystal

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100209

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4462408

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140226

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term