JP6134905B2 - モータ駆動装置およびにこれを用いた電気機器 - Google Patents

モータ駆動装置およびにこれを用いた電気機器 Download PDF

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Description

本発明は、ブラシレスDCモータを駆動するモータ駆動装置およびこれを用いた電気機器に関する。
第一の従来のモータ駆動装置は、駆動速度を目標速度と一致させるように、パルス幅変調(以降PWM)制御による速度フィードバック制御の矩形波駆動を行っている。図7は矩形波駆動を行う第一の従来のモータ駆動装置のブロック図を示す。
図7において、交流電源201は整流平滑部202によって直流となり、インバータ203に直流電力を入力する。インバータ203は、6個のスイッチング素子を3相ブリッジ接続することにより構成される。インバータ203は、入力された直流電力を所定の周波数の交流電力に変換し、ブラシレスDCモータ204に入力する。
位置検出部205は、非通電巻線相のインバータ203の出力端子現れるブラシレスDCモータ204の回転により発生する誘起電圧の情報としてゼロクロス位置を取得する。この情報を基に位置検出部205は、ブラシレスDCモータ204の回転子204aの相対位置を検出する。速度推定部206は位置検出部205の信号を元にブラシレスDCモータ204の回転速度を計算する。波形生成部207では速度推定部206の速度に従ってPWMデューティオン幅を計算し、位置検出部205の信号を元にインバータ203に通電する相を決定する。ドライブ部208では波形生成部207の信号をもとにインバータ203のスイッチング素子203a〜203fの駆動を行う。
上記第一の従来の構成によって、ブラシレスDCモータの速度を任意に変更しながら駆動するモータ駆動装置を提供できる。
また、第二の従来のモータ駆動装置では、例えば特許文献1に開示されたように、平滑用コンデンサの容量を小さくし、母線電圧に大きなリプル成分を含みながら駆動するものがある。図8は小容量平滑コンデンサを用いた第二の従来のモータ駆動装置のブロック図を示す。
図8において交流電源301は整流平滑部302の302(a)〜302(d)によって整流される。その後302eによって平滑されるが、静電容量が小さいため大きなリプル成分を含んだ状態で、インバータ303に入力する。インバータ303は、6個のスイッチング素子を3相ブリッジ接続することにより構成される。インバータ303は、入力されたリプルを含んだ直流電圧を所定の周波数の交流に変換し、ブラシレスDCモータ304に入力する。
位置検出部305は、インバータ303の出力端子の電圧に基づき、ブラシレスDCモータ304の回転により発生する誘起電圧の情報を取得する。この情報を基に位置検出部305は、ブラシレスDCモータ304の回転子304aの相対位置を検出する。また、整流平滑部302が出力する大きなリプルを含んだ電圧において、電圧が低いときには位置検出部305が正確に位置を検出することが困難になるため、位置検出部305の位置情報を元に位置推定部306が位置を推定する。そして電圧検出部307によって検出された整流平滑部302の出力電圧が所定値以下の場合は切換部308によって位置推定部307の信号を位置検出信号として採用し、波形生成部309が通電相とPWMデューティ幅を決定する。波形生成部309によって生成された信号を元にドライブ部310がイ
ンバータ303のスイッチング素子303a〜303fを駆動する。
上記第二の従来の構成によって、大きなリプルを含んだ直流母線電圧であってもブラシレスDCモータの速度を任意に変更しながら駆動することができ、第一の従来のモータ駆動装置よりも安価で小型のモータ駆動装置を提供できる。
特開2005−198376号公報
しかしながら、上記第1および第2の従来の構成では、下記の課題を有する。
まず第1の従来構成による課題を説明する。
図4はインバータの出力端子電圧を示す。図4の実線で示す波形が出力端子電圧を示し、一点鎖線はインバータ入力電圧の1/2であり基準電圧を示している。尚、各スイッチング素子はアクティブハイとして、PWMがハイの時上側素子はオンする。また、本波形はU相の端子電圧として、V相およびW相の端子電圧波形はU相の端子電圧波形から±120度位相がずれたものとなっている。
図7においてインバータ203の出力端子電圧波形と基準電圧が位置検出部205に入力される。区間アはU相下アームスイッチング素子203bがオンしている区間であり、端子電圧はスイッチング素子を介して整流平滑出力のGNDに接続される。区間ウはU相上アームスイッチング素子203aがオンしている区間である。上側スイッチング素子はPWM制御により一定タイミングでオン/オフを繰り返し、スイッチング素子203aのオン時は整流平滑出力のプラス側に接続され、オフ時はダイオード203hの導通により整流平滑出力のGND側に接続される。従って区間ウでの端子電圧はPWM出力が重畳されたハイとローが変化する波形となる。
区間イおよび区間エはU相上下両アームのスイッチング素子はオフ状態にあり、この時ブラシレスDCモータの回転により発生する誘起電圧が現れる。また他の相のPWMスイッチングによりPWM出力が重畳された波形となるため誘起電圧が確認できるのはPWM出力がオン時のみとなる。
また、区間イおよび区間エに発生するスパイク電圧XおよびYは、それぞれスイッチング素子203b、203aのオフにより、巻線電流がダイオード203g、203hを介して流れるときに現れる。これらのダイオードが導通する期間は、端子電圧はハイおよびローとなり、誘起電圧の検出は出来ない。
位置検出部205は上下両方のスイッチング素子がオフの時現れる誘起電圧を基準電圧と比較してその大小関係が変化するタイミングを位置信号として検出する。即ち誘起電圧が現れる区間イおよび区間エにおいて、スパイク電圧XおよびYが収束した後のPWMオン区間に、位置検出部205は、インバータ出力端子電圧と基準電圧との大小関係が反転するポイントAおよびBを検出する。
尚、位置検出部205が端子電圧と比較する基準電圧には、インバータ入力電圧の1/2や、インバータの各出力端子電圧に抵抗を介して接続したモータ巻線の仮想中性点電位等が一般的に用いられる。
この様な上記の位置検出方式では、位置検出の精度はPWMキャリア周波数およびPWMオン期間に依存されることになる。つまり、起動時や低負荷時などのPWMデューティが低い駆動状態、またPWMキャリア周波数が低い場合、位置検出のサンプリングが出来ないPWMオフ区間が増えるので位置検出タイミングの遅れが大きくなる。そして、位置検出タイミングを基に、ブラシレスDCモータの駆動速度の演算や、通電する巻線の切り替えを行うため、この位置検出の遅れは、遅れ位相での駆動による電流歪の増加や損失の増加、速度変動による振動および騒音の増加などの課題が発生し、特に高速駆動時程、ブラシレスDCモータの回転角に対する位置誤差の割合が大きく影響も増大する。
従って、ブラシレスDCモータの安定駆動には、ある程度高いPWMキャリア周波数を用いてPWMオフ区間による位置検出遅れを抑制することが求められる。
次に第2の従来の構成における課題を説明する。
第2の従来の構成では、大きなリプルを含む直流電圧をインバータに入力する。このためブラシレスDCモータは安定駆動状態であっても、入力電圧による影響で若干の速度変動が生じている。インバータの直流入力電圧が平均電圧より高い区間では、負荷トルクに対して印加トルクが高くブラシレスDCモータは加速状態になる。このときブラシレスDCモータの印加電圧は、誘起電圧位相に対して遅れ位相で推移している。
さらに先述した低いキャリア周波数でのPWM制御では、PWMオフ区間による位置検出の遅れが加わると、第1の従来構成より大きな遅れ位相状態が発生する。
またインバータ入力電圧に大きなリプルが含まれる構成では、電圧が高い区間でのモータに供給する電力が大きく、ピーク電流が増大する。
従って第2の従来の構成では、平滑された直流電圧が入力された場合より大きなピーク電流が流れ、遅れ位相による電流増加が加わることになり、過電流停止の発生や過電流による減磁発生の可能性が高まる。さらに、遅れ位相による駆動は、損失増加や駆動トルク低下の原因にもなる。
従って、第2の従来の構成では高いキャリア周波数でのPWM制御が必要となる。
しかしながら、高いキャリア周波数によるPWM制御を行う場合も下記に示す課題を有している。
図5は図4における位置検出タイミングB付近の端子電圧状態を詳細に示した図である。
図5において実線はU相の端子電圧、破線はブラシレスDCモータの回転による誘起電圧、一点鎖線は基準電圧を示している。また図5における下段の矩形波形はPWM出力を示し、各スイッチング素子はアクティブハイとしているので、各スイッチング素子はPWMハイの区間でオンすることになる。
尚、本課題は第1および第2の従来構成共通の課題であるが、説明を簡単にするため、リプルの含まない安定した直流電圧を入力する第1の従来構成の波形で説明する。
図5に示す端子電圧波形から、PWMオン時に誘起電圧が端子電圧に現れるが、PWMオン直後に高周波のノイズ成分が重畳していることがわかる。
位置検出信号は図4における区間イおよび区間エで、PWMオン中においてインバータ出力端子電圧と基準電圧との大小関係が変化したタイミングを誘起電圧のゼロクロスとして検出する。従って理想的な位置検出ポイント(即ち誘起電圧のゼロクロスポイント)は、図5において誘起電圧と基準電圧との交点、即ちB点である。しかし端子電圧波形には高周波ノイズが重畳しており、そのノイズの影響により端子電圧と基準電圧との大小関係が最初に変化するタイミングはB1点である。従って、位置検出部305は位置検出ポイントをB1として検出し、正規位置との誤差を発生させる。
通電するブラシレスDCモータ巻線の切り替えは、位置検出タイミングに基づくため、この位置検出タイミングの誤差は転流タイミングのズレとなり、ブラシレスDCモータの安定運転性能や効率等への悪影響を及ぼすことになる。
このノイズ検出による位置検出誤差を抑制するために、PWMオン直後からノイズ成分の振幅が収束する一定期間が経過した時に位置検出サンプリングを開始する方法が用いられる(図5の区間Cが位置検出サンプリング禁止区間)。
このノイズ成分はモータの巻線インダクタンスや浮遊容量等による共振で発生するため、特に固定子巻線の巻き数を増やして高効率化を図ったモータでは共振周波数が低くなり、ノイズ周波数が低くなる。従って、固定子巻線を増やした高効率モータでは高周波ノイズの周期が長くなるため、ノイズによる位置誤検出を抑制するためにPWMオン後の位置検出のサンプリング禁止区間を長くする必要がある。
しかしながら、上述のサンプリング禁止区間は、センサレス駆動におけるPWM最低オン幅であるため、PWMキャリア周波数が高ければ、PWM最低デューティが大きくなる。従って、最低デューティが制限されることになり、最低速度や最低負荷が制約されることになる。さらに、ブラシレスDCモータの起動時は低い電圧(即ち小さいデューティ幅)から徐々に電圧を上昇(即ち徐々にデューティを上昇)させてスムーズな立ち上げを行うが、起動時から最低デューティ幅を確保した高いデューティを与えた場合、過度な電圧による起動不良や、過電流、過電流に伴うブラシレスDCモータ回転子永久磁石の減磁などの課題を有する。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、ブラシレスDCモータの確実な位置検出の実現で、インバータ入力電圧によらず安定した駆動性能を確保できるようにすることで、平滑コンデンサ容量を極端に小さくしたモータ駆動装置の実用化し、装置の小型・軽量・低コスト化を図ることを目的とする。
交流電源と前記交流電源から入力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の出力電圧を平滑する平滑部と、前記平滑部の直流出力を任意の三相交流に変換するインバータと、前記インバータにより駆動されるブラシレスDCモータと、前記ブラシレスDCモータの回転位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部による信号から前記ブラシレスDCモータの駆動速度を推定する速度推定部と、前記速度推定部で推定した前記ブラシレスDCモータの駆動速度と前記インバータの出力電圧をパルス幅変調で任意の電圧
、任意の周波数とするための波形を生成する波形生成部を有し、パルス幅変調によるオンデューティが所定値以下では、PWMオン時間を所定の幅を確保してキャリア周波数を変更するようにしたもので、前記整流回路は、コンデンサとリアクタで構成され、前記交流電源の周波数の40倍より高い共振周波数となるよう値を設定し、ブラシレスDCモータの起動から所定の期間までのパルス幅変調におけるオンデューティは、所定のパルス幅を確保しつつ、キャリア周波数を変えることで設定するモータ駆動装置である。
これにより起動直後や低速・低負荷時などでPWMデューティが小さい状態においても、必要最小限のPWMオン幅を確保することができるので、常に確実なブラシレスDCモ
ータの位置検出が可能となる。
また整流回路のコンデンサとリアクタによる共振周波数を、交流電源の周波数の40倍より高くなる様に値を設定することで、平滑コンデンサ静電容量を極端に小さくしてインバータ入力電圧に大きなリプルを含む場合でも、確実にブラシレスDCモータの回転位置を検出することができ、安定した駆動が可能となる。
本発明のモータ駆動装置は、入力電圧状態によらず、確実な位置検出による安定した駆動で、平滑コンデンサの静電容量が極端に小さくして小型・軽量・低コスト化図るモータ駆動装置を提供できる。
本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図 本発明の実施の形態1におけるモータ駆動シーケンスのフローチャート 本発明の実施の形態1におけるPWMキャリア周波数決定フローチャート インバータの出力端子電圧を示す状態図 インバータ出力端子電圧の位置検出タイミング付近での拡大波形を示す状態図 インバータ入力電圧波形を示す状態図 第一の従来のモータ駆動装置のブロック図 第二の従来のモータ駆動装置のブロック図
第1の発明は、交流電源と前記交流電源から入力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の出力電圧を平滑する平滑部と、前記平滑部の直流出力を任意の三相交流に変換するインバータと、前記インバータにより駆動されるブラシレスDCモータと、前記ブラシレスDCモータの回転位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部による信号から前記ブラシレスDCモータの駆動速度を推定する速度推定部と、前記速度推定部で推定した前記ブラシレスDCモータの駆動速度と前記インバータの出力電圧をパルス幅変調で任意の電圧、任意の周波数とするための波形を生成する波形生成部を有し、パルス幅変調によるオンデューティが所定値以下では、PWMオン時間を所定の幅を確保してキャリア周波数を変更するようにしたもので、前記整流回路は、コンデンサとリアクタで構成され、前記交流電源の周波数の40倍より高い共振周波数となるよう値を設定し、ブラシレスDCモータの起動から所定の期間までのパルス幅変調におけるオンデューティは、所定のパルス幅を確保しつつ、キャリア周波数を変えることで設定するモータ駆動装置である。これによりブラシレスDCモータの負荷状態が非常に低く、パルス幅変調のPWMオンデューティが非常に小さい状態でも、確実にブラシレスDCモータの回転位置を検出できる。また、平滑コンデンサ静電容量を極端に小さくしてインバータ入力電圧に大きなリプルを含む場合でも、確実にブラシレスDCモータ回転子磁極位置を検出することができ、安定した駆動が可能となる。また、PWMキャリア周波数と、平滑コンデンサとリアクタおよび電源インピーダンスのインダクタンス成分による共振周波数と常に一致することが回避できるので、インバータへの過電圧入力を防止することができる
の発明は、第のモータ駆動装置の冷凍空調サイクルが圧縮機を駆動するとしたものである。圧縮機の駆動制御では工業用サーボモータ制御とは異なり、高精度な回転数制御や加速制御などの必要は無い。また圧縮機は比較的イナーシャが大きい負荷であるため、短い時間での速度の変動は小さく、母線電圧のリプルにより入力電圧が低い状態にあるときも速度の変動は少なく安定した駆動が可能となる。従って圧縮機の駆動は、母線電圧
に大きなリプルが含まれる本発明のモータ駆動装置の最適な用途の一つである。
の発明は、第の発明のモータ駆動装置が駆動する圧縮機を搭載した冷蔵庫である。本発明によるモータ駆動装置により回路の小型、低コスト化が図れ、これまでインダクションモータを用いた圧縮機の一低速の冷凍サイクルに、インバータ制御による可変速冷凍サイクルを搭載できるようになり、低消費電力の冷蔵庫を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるわけでは無い。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置のブロック図である。
図1において、交流電源1は一般的な商用電源で、日本においては実効値100Vの50または60Hzの電源である。モータ駆動装置22は、交流電源1に接続され、ブラシレスDCモータ4を駆動する。以下、モータ駆動装置22について説明する。
整流平滑回路2は、交流電源1を入力として交流電力を直流電力に整流平滑するものであり、ブリッジ接続された4個の整流ダイオード2a〜2dと、平滑コンデンサ2eと、リアクタ2fとから構成される。整流平滑回路2からの出力はインバータ3に入力される。
また、平滑コンデンサ2eとリアクタ2fは、共振周波数が交流電源周波数の40倍より高い周波数になるように設定され平滑部2gを構成する。これによって、共振周波数による電流は電源高調波規制の範囲外となり、高調波電流を低減することができる。また、平滑コンデンサ2eをこのような値とすることで、母線電圧は、最大時の電圧が最小時の電圧の2倍以上となる様な大きな脈動(リプル成分)を含み、交流電源1から平滑コンデンサ2eに流れる電流も交流電源1の周波数成分に近い電流となるため高調波電流を低減することができる。
なお、リアクタ2fは、交流電源1とコンデンサ2eの間に挿入するため、整流ダイオード2a〜2dの前後どちらに挿入しても構わない。更にリアクタ2fは、高周波除去手段を構成するコモンモードフィルタを回路に設けた場合、高周波除去手段のリアクタンス成分との合成成分を考慮する。
インバータ3は、整流平滑回路2からの電圧に交流電源1の電源周期の2倍周期で大きなリプル成分を含んだ直流電力を交流電力に変換する。インバータ3は、6個のスイッチング素子3a〜3fを3相ブリッジ接続して構成される。また、6個の還流電流用ダイオード3g〜3lは、各スイッチング素子3a〜3fに、逆方向に接続される。
ブラシレスDCモータ4は、永久磁石を有する回転子4aと、3相巻線を有する固定子4bとから構成される。ブラシレスDCモータ4は、インバータ3により作られた3相交流電流が固定子4bの3相巻線に流れることにより、回転子4aを回転させる。
位置検出部5は、本実施の形態においてはブラシレスDCモータ4の端子電圧を取得す
る。つまり、ブラシレスDCモータ4の回転子4aの磁極相対位置を検出する。具体的には、位置検出部5は、固定子4bの3相巻線に発生する誘起電圧に基づいて、回転子4aの相対的な回転位置を検出している。なお、別な位置検出方法としては、モータ電流(相電流または母線電流)の検出結果に対してベクトル演算を行って磁極位置の推定を行う方法が挙げられる。
電圧検出部6は直流母線間の電圧である平滑コンデンサ2eの両端電圧を検出する。
速度推定部7は位置検出部5で検出した位置情報からブラシレスDCモータの駆動速度を推定する。ただし、電圧検出部6で検出した電圧が閾値以下のときは速度推定を停止し、母線電圧が再び閾値以上となったのちに位置検出部5が行う最初の位置検出後から速度推定を再開する。速度推定を停止する閾値とは、位置検出部5での位置検出が不安定となる母線電圧の値であり、システムによって予め決定しておく。
切換部8では位置検出部5の位置情報は母線電圧が所定電圧以下になると不安定となるため、電圧検出部6で検出した母線電圧の検出値が閾値以下となった場合、位置検出部5の位置情報ではなく、位置推定部9の位置情報を選択し出力する。電圧検出部6で検出した電圧値が閾値以上となった場合は再び位置検出部5の位置情報を選択し出力する。
位置推定部9では切換部8から出力される位置情報と速度推定部7で推定した速度からブラシレスDCモータ4の回転子4aの位置を推定し出力する。例えば、制御周期100μ秒であった場合、切換部8からの位置が電気角で60degで、速度推定部7で推定した速度が50r/sであった場合、ブラシレスDCモータ4は本実施の形態では4極としており、電流周波数は速度の2倍の100Hzとなるので、60degに100Hzが100μ秒の間に進む位相を加算したもの、すなわち63.6degという位置情報を出力する。
PWM設定部10は、PWMにおけるキャリア周波数およびハイ/ロー出力のデューティの設定をするものである。
具体的には、あらかじめ設定した最低デューティ以下では、PWMパルス幅を一定に保ち、必要とするデューティを確保する様にPWMキャリア周波数を調整し、最低デューティより大きい時は、あらかじめ設定した周波数でPWMオン幅を増減することによりデューティ調整を行う。
波形生成部11は切換部8からの位置情報と速度推定部7からの速度情報によりブラシレスDCモータの通電巻線と通電期間およびタイミングを決定し、PWM設定部により設定したPWMキャリアおよびデューティを重畳してインバータ3の駆動波形を生成する。
また、波形生成部11では電圧検部6が検出した母線電圧を利用し電圧の落ち込み時には進角が大きくなるタイミングとなるように波形制御を行っている。
ドライブ部12は、波形生成部11から出力された波形信号に基づき、インバータ3のスイッチング素子(3a〜3f)をオン/オフする駆動信号を出力する。これによりブラシレスDCモータには回転子位置に応じた適切な巻線を通電すべく当該のスイッチング素子がオンされ駆動される。
第2の整流平滑回路13は、第2の整流部13aと第2の平滑部13bにより構成される。第2の整流平滑回路13は、ブラシレスDCモータの回生発生時や、整流平滑回路2のLC共振等により、インバータ3の入力電圧、即ち整流平滑回路2の出力電圧の上昇時
、その電圧を吸収する。また、通常時は第2の平滑部は交流電源1のピーク電圧近辺に安定しているため、第2の平滑部13bの両端から、モータ駆動装置や周辺デバイス等への制御用電源を生成するためのスイッチング電源(図示せず)の入力として用いることも可能である。
以上の様に構成されたモータ駆動装置についてその動作を説明する。
図2は、本実施の形態のモータ駆動装置におけるモータ駆動シーケンスのフローチャートである。図2において、ブラシレスDCモータが停止状態にあり、駆動信号として目標速度が設定(即ちモータ駆動が指示)された時(step1)、PWM設定部は初期値として初期PWMキャリア周波数と初期PWMオンデューティを設定する(例えば、初期キャリア周波数1kHz、初期デューティ5%、step2)。初期値としてのPWMキャリア周波数は、機器の起動トルクで決まる起動デューティにおいて、PWMオン区間(即ちスイッチング素子をオンさせる区間)が所定の最低幅を確保できる値に設定する。例えばPWM最低オン幅が50μ秒で、起動時の初期デューティ幅が5%である場合、キャリア周波数は1kHz以下に設定する。
初期値が入力された時、波形生成部11は、位置決め波形として特定相の巻線に固定子位置が規定の位置で安定して制止できる比較的長い時間(例えば1秒間)インバータ3の通電するスイッチング素子を駆動する波形を生成する(step3)。そしてドライブ部12に出力し当該のスイッチング素子を通電(例えばW相巻線からU相巻線に通電するのであれば、スイッチング素子3eと3bを1秒間オン)する。
位置決め制御により回転子位置が所定の位置に定まった後、波形生成部11は同期引き込み制御として、所定の周波数で通電相を切換える強制同期運転を行い回転子を強制的に回転させる(step4)。この強制同期運転は、位置検出部5に位置信号として固定子巻線に発生する誘起電圧のゼロクロスポイントが入力されるまで続ける(step5)。
ここでPWMオン区間の最低幅について図5を用いて説明する。図5はインバータ3の任意の相の出力端子電圧で、ブラシレスDCモータの駆動により発生する誘起電圧のゼロクロスポイント(図4におけるB点)付近を示している。図5に示す波形の当該相の上下のスイッチング素子はオフ(具体的にはU相端子電圧を示している場合は、スイッチング素子3aおよび3bともオフ)している。PWM出力がハイの区間tはPWM制御により他相のスイッチング素子がオンしている区間である。
位置検出部5は先述したように、インバータの出力端子電圧と基準電圧(本実施の形態ではインバータ入力電圧の1/2)との大小関係が変化するポイントを検出することでブラシレスDCモータの回転に伴い発生する誘起電圧のゼロクロスポイント(図5におけるB点)を位置信号として認識する。しかしながら、PWMオン直後には、誘起電圧に高周波のノイズ成分が重畳、位置検出部は位置信号をB1点として誤検出する可能性がある。
従って、位置検出のサンプリング開始は、重畳されたノイズ成分がある程度まで収束するまで遅延(C区間)させることで、ノイズを位置信号として誤検出することを抑制する。このようにPWMのオン区間の最低幅は、PWM立ち上がりから位置検出サンプリング開始までのC区間を設定する。
上記の様に位置検出のサンプリング禁止期間を設定することで位置検出部5は正確な位置検出信号の取得が可能となる。
以降は位置信号をもとに速度推定部7はブラシレスDCモータ4の速度を検出し、PW
M設定部は駆動速度と目標速度の偏差に基づきPMWデューティを増減する。そして波形生成部11は、駆動速度に基づき各相の通電期間(即ち転流周期)と通電パターン(即ちどのスイッチング素子をオンさせるか)を設定し、PWM設定部10によるPWM波形を重畳した上でドライブ部12に出力しインバータ3でブラシレスDCモータ4を駆動する。このように駆動速度と目標速度の偏差によるPWMデューティ調整を行う速度フィードバック制御でブラシレスDCモータ4を目標速度で駆動する。
なお、インバータ直流入力電圧には大きなリプルが含まれている場合は、電圧検出部6によりインバータ入力電圧が所定電圧より低い区間を検出したときは、切換部8は位置情報として、位置検出部5によるものではなく、速度推定部7によるブラシレスDCモータの駆動速度を基に、位置推定部9で推定した磁極位置を位置情報として選択する。このように位置検出部5により位置信号を取得した後は、位置検出部5による位置情報、または位置推定部による推定磁極位置による位置情報を基にして、速度フィードバック制御によるセンサレス駆動を行う(step6)。
次にキャリア周波数の設定について説明する。先述したように位置検出サンプリングの遅延時間(図5における区間C)がPWM最低オン幅となる。PWM最低オン幅はインバータ出力端子電圧のPWM立上りタイミングで重畳しているノイズ成分の周波数により設定されるものであり、PWMキャリア周波数に依存するものではない。従って、キャリア周波数が高いほど、最低オン幅を確保する為のPWMオンデューティは大きくなる。具体的には、PWM最低オン幅に50μ秒確保するとき、キャリア周波数1kHzではデューティ5%相当であるが、8kHzでは40%相当となる。つまり、キャリア周波数8kHzでの最低デューティは40%となり、この最低デューティでブラシレスDCモータを起動すると、必要以上の電圧印加に伴う過電流停止や、大電流による回転子永久磁石の減磁等を発生させる懸念がある。
従って、起動時は起動デューティとPWM最低パルス幅に応じたPWMキャリア周波数を与える必要がある。本実施の形態ではノイズ成分除去に50μ秒必要(PWM最低オン幅)として、起動デューティを5%として、PWMキャリア周波数1kHzに設定する。これにより起動時のPWM最低パルス幅50μ秒を確保し、位置検出部での確実な位置検出と適切な起動デューティにより、脱調停止等なくブラシレスDCモータが安定して起動できる。
ここで、低デューティ時のPWMキャリア周波数を第1のキャリア周波数(たとえば1kHz)、通常のPWMキャリア周波数を第2のキャリア周波数(たとえば8kHz)を用いる場合を考える。
ブラシレスDCモータを第1のキャリア周波数で起動時し、加速に伴いPWMデューティが上昇し、第2のキャリア周波数でPWMパルス幅が確保できる(具体的には1kHzキャリアでPWMデューティが40%を超える)タイミング以降は第2のキャリア周波数で駆動する場合を考える。
整流平滑回路2は平滑コンデンサ2eとリアクタ2fを有し、これらによるLC共振を発生する周波数を有しており、インバータ3によるスイッチング周波数(即ちPWMキャリア周波数)がLC共振周波数に近い場合、LC共振によりインバータ入力電圧に大きな電圧振幅が発生する。
図6は交流電源1に50Hz、220Vを入力したときのインバータ入力電圧波形を示し、図6(a)は整流平滑回路2の共振周波数に近いPWMキャリア周波数を用いた場合の波形である。インバータ入力波形は、本来なら静電容量が非常に小さいコンデンサを使
用した場合、リプルの大きい交流電源の全波整流波形に近い波形が観測されるが、図6(a)の波形には、大きなLC共振による高周波成分が重畳されている。さらに、交流電源は220Vの場合、インバータ入力電圧(すなわち整流回路出力電圧)は最大値310V程度となるが、LC共振によりピーク値は50V以上も上昇していることがわかる。
このLC共振による電圧ピーク値の上昇は最悪の場合、部品定格超過により回路の破損等が危惧される。従って、PWMキャリア周波数はLC共振周波数から離れた周波数に設定する必要がある。しかしながら、インバータ入力電圧の共振は、平滑コンデンサ2eとリアクタ2fのみで決まるのではなく、交流電源1の電源インピーダンスによる影響を受ける。特に新興国等では、引き込み配線が長く電源インピーダンスのインダクタンス成分が非常に大きい電源環境等が考えられ、そのインダクタンス成分を考慮すると平滑コンデンサ2eとリアクタ2fによる共振周波数より低い周波数となる。従って、PWMキャリア周波数は平滑コンデンサ2eとリアクタ2fによる共振周波数より高い周波数を用いる。
図6(b)はLC共振周波数に対して2倍程度のPWMキャリア周波数を用いた場合のインバータ入力波形で、PWMスイッチングによる高周波成分の重畳は若干確認できるが、ピーク電圧の大幅な上昇もなく、交流電源の全波整流波形に近い波形を得ることが出来ている。
一方で前述した様に、PWM最低オン幅を設ける必要があることから、PWMデューティが低い起動時においては、比較的低いキャリア周波数を用いる必要がある。さらに電源インピーダンスの値は使用する交流電源により異なるため、電源インピーダンスを含めた共振周波数を避けて、キャリア周波数を設定することは非現実的である。
従って本発明の実施の形態においては、ブラシレスDCモータが起動して加速する際に、一定のデューティまで上昇する間は、PWM最低パルス幅を確保しつつ、PWMキャリア周波数を徐々に高くしていくことで、PWMデューティを上げるようにしている。
図3を用いてその動作を詳細に説明する。
図3は図2のstep6におけるセンサレス制御でのPWMキャリア周波数を設定するフローチャートである。
まず、step1では現在のブラシレスDCモータの駆動速度が目標速度と一致したかどうか、即ち速度フィードバック制御によりPWMデューティの調整が必要かどうかを判断し、駆動速度と目標速度が一致しているのであれば、本フローチャートを抜ける。目標速度と一致していないのであれば、step12に進みPWMデューティの増減を行う。
この時のPWM波形は、その時設定されている値であり、例えば起動直後では、図2において初期設定されたPWMキャリア周波数、PWMオンデューティであり、本実施の形態では1kHz、5%としている。
次にstep13に進み、増減したPWMデューティが規定のデューティ幅に到達したか否かを判断する。
ここで規定デューティの設定方法について説明する。規定デューティとは起動時以外での通常駆動におけるキャリア周波数において、PWM最低パルス幅を確保できるデューティとして設定する。本実施の形態では通常駆動時のキャリア周波数に8kHzを用いるとして、ノイズによる位置誤検出抑制のために設定するPWM立ち上がりから位置検出サン
プリング開始までの遅延時間、即ちPWM最低パルス幅を50μ秒とすると、規定デューティは、
(規定デューティ)=(PWM最低パルス幅)×(通常時のキャリア周波数)
で求められ、本実施の形態では40%と設定し、PWMオンデューティが40%以上か否かを確認する。step13で規定のデューティに(即ち本実施の形態では40%)に達している場合は、step14に進み、使用するキャリア周波数を、規定値として設定した通常駆動におけるキャリア周波数(即ち本実施の形態では8kHz)として設定する。
またstep13において、PWMオンデューティが規定のデューティに達していない場合は、step15でキャリア周波数を演算する。
キャリア周波数の設定は、PWMパルス幅をPWM最低パルス幅一定として、キャリア周波数を増減することで、デューティを変更するように演算する。例えば本実施の形態では、初期PWMはデューティ5%PWMキャリア周波数1kHzで起動し、速度フィードバックによるデューティを増加して目標速度まで加速していく。step12において、デューティを2%増加して7%となったとき、パルス幅を変更するのではなく、下式に基づき計算したキャリア周波数を適用する。
(キャリア周波数)=(新たに設定したデューティ)÷(PWM最低パルス幅)
即ちデューティ7%ではキャリア周波数1.4kHz、パルス幅50μsecで駆動する。
このようにPWMオンデューティが規定のデューティ幅に到達するまでは、デューティ調整はキャリア周波数を調整する。これにより共振周波数がどのような値であっても、PWMキャリア周波数と常に一致することを避けることが出来、LC共振によるインバータ入力電圧の異常な発信と電圧上昇を抑制できる。尚、場合よってはキャリア周波数の変化段階で電源インピーダンスと一致するタイミングがあるが、可変PWM周期により一致する期間が短いこと、さらに第2の平滑部によるピーク電圧の吸収によってインバータ入力電圧が上昇することはない。
そしてstep16では、step14またはstep15で設定したPWMキャリア周波数とデューティ幅によるPWM波形をPWM設定部10で生成し図3のフローチャートを抜ける。そして、速度推定部7で検出したブラシレスDCモータの駆動速度から生成した各相巻線の通電期間(即ち転流周期)と通電パターン(即ちどのスイッチング素子をオンさせるか)とPWM設定部10によるPWM波形を重畳し、ドライブ部12に出力することで、インバータ3は当該のスイッチング素子を通電し、ブラシレスDCモータ4を速度フィードバック制御によるセンサレス駆動で駆動する。
以上の様に本実施の形態では、交流電源と前記交流電源から入力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路を平滑する平滑部と、前記平滑部の直流出力を任意の三相交流に変換するインバータと、前記インバータにより駆動されるブラシレスDCモータと、前記ブラシレスDCモータの回転位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部による信号から前記ブラシレスDCモータの駆動速度を推定する速度推定部と、前記速度推定部で推定した前記ブラシレスDCモータの駆動速度と前記インバータの出力電圧をパルス幅変調で任意の電圧、任意の周波数とするための波形を生成する波形生成部を有し、パルス幅変調によるオンデューティが所定値以下では、PWMオン時間を所定の幅に確保してキャリア周波数を変更するようにしたモータ駆動装置である。これによりブラシレスDCモータの起動時や負荷状態が非常に低い時など、パルス幅変調のPWMオンデューティが非常に小さい状態でも、確実にブラシレスDCモータの回転位置を検出でき、起動時や低速低負荷時も非常に安定した駆動性能を確保することができる。
また整流回路のコンデンサとリアクタによる共振周波数を、交流電源の周波数の40倍より高くなる様に値を設定することで、平滑コンデンサの静電容量を極端に小さくしてインバータ入力電圧に大きなリプルを含む場合でも、確実にブラシレスDCモータの回転位置を検出することができ、安定した駆動が可能となる。従って平滑コンデンサおよびリアクタの小型化を図ることが出来、小型・軽量・低コストのモータ駆動装置を提供することができる。
また、ブラシレスDCモータの起動から所定の期間でのパルス幅変調のオンデューティは、所定のパルス幅を確保しつつ、キャリア周波数を変えることで設定する様にすることで、特にパルス幅変調のオンデューティが低い起動時においても、PWMの広いオン幅を確保し、ブラシレスDCモータ回転子磁極位置を確実に検出できるので、安定した起動性能を確保することができる。
さらにパルス幅変調のキャリア周波数が一定に固定されないので、コンデンサとリアクタおよび電源インピーダンス成分による共振周波数とパルス幅変調のキャリア周波数とが常に一致することを防ぐことができるため、LC共振に伴うインバータ入力の異常発振や過電圧を防止できるため、モータ駆動装置の信頼性を向上することができる。
(実施の形態2)
図1は本発明のモータ駆動装置を用いた冷蔵庫のブロック図を示すものである。
ブラシレスDCモータ4の回転子による回転運動は、クランクシャフト(図示せず)により往復運動に変換され、クランクシャフトに接続されたピストン(図示せず)は、シリンダ(図示せず)内を往復運動により冷媒を吸入、圧縮し、そして循環させるレシプロ型圧縮機17を構成する。
圧縮機の圧縮方式(機構方式)には、ロータリー型やスクロール型など、任意の方式が用いられるが、本実施の形態ではレシプロ型圧縮機としている。レシプロ型の圧縮機17はイナーシャが大きく、母線電圧が変動するインバータ入力電圧であっても、駆動速度変動が小さいため、平滑コンデンサの静電容量が極めて小さく母線電圧に大きなリプルを含むモータ駆動装置にとって非常に適した用途の一つといえる。
さらに圧縮機17は、凝縮器18、減圧器19、蒸発器20を順に通って、再び圧縮機17に戻るような冷凍サイクルを構成する。この時、凝縮器18では放熱を、蒸発器20では吸熱を行うので、冷却や加熱を行うことができる。さらに本実施の形態では、この冷凍サイクルを冷蔵庫21に用い、凝縮器15は冷蔵庫21の庫内を冷却するようにしている。
従来のモータ駆動装置では平滑コンデンサやリアクタが大きくなりシステムに組み込むには大きなスペースが必要であった。しかしながら、本実施の形態では平滑コンデンサを400μF程度必要であったものを数μFに低減することが可能となり、体積にして1/3以下に低減できる。また、冷蔵庫21のように比較的低負荷で駆動する用途であれば、数ミリH程度のリアクタをフィルタのインダクタンス成分で賄うことが可能となり、大幅なサイズダウンと低コスト化が可能となる。
またこれまでは、インダクションモータ等を使用して、一定速で駆動するコンプレッサ制御の冷蔵庫に、可変速度駆動が可能なモータ駆動装置を適用するには、モータ駆動装置の設置スペースが狭く容易に組み込むことができなかった。しかしながら、本実施の形態のモータ駆動装置は非常に小型化できるため、設置スペースの制約が緩和され、可変速度駆動が可能なモータ駆動装置に置き換えることが容易になる。これにより冷蔵庫の負荷状態に応じた最適な駆動速度で庫内を冷却できるので、冷却システム効率を向上させること
ができ、低消費電力の冷蔵庫を提供することができる。
本発明のモータ駆動装置は、平滑コンデンサを小容量化し小型かつ安定して滑らかな駆動を可能にするものである。これにより、冷蔵庫や送風機のみならず、自動販売機やショーケース、ヒートポンプ給湯器、ヒートポンプ洗濯乾燥機における圧縮機の駆動に適用できる。さらに洗濯機や掃除機、ポンプなどブラシレスDCモータを用いる電気機器への提供も可能であり、機器の小型化にも貢献できる。
1 交流電源
2 整流平滑回路
2g 平滑部
3 インバータ
4 ブラシレスDCモータ
5 位置検出部
7 速度推定部
11 波形生成部
17 圧縮機
21 冷蔵庫
22 モータ駆動装置

Claims (3)

  1. 交流電源と前記交流電源から入力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の出力電圧を平滑する平滑部と、前記平滑部の直流出力を任意の三相交流に変換するインバータと、前記インバータにより駆動されるブラシレスDCモータと、前記ブラシレスDCモータの回転位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部による信号から前記ブラシレスDCモータの駆動速度を推定する速度推定部と、前記速度推定部で推定した前記ブラシレスDCモータの駆動速度と前記インバータの出力電圧をパルス幅変調で任意の電圧、任意の周波数とするための波形を生成する波形生成部を有し、パルス幅変調によるオンデューティが所定値以下では、PWMオン時間を所定の幅を確保してキャリア周波数を変更するようにしたもので、前記整流回路は、コンデンサとリアクタで構成され、前記交流電源の周波数の40倍より高い共振周波数となるよう値を設定し、ブラシレスDCモータの起動から所定の期間までのパルス幅変調におけるオンデューティは、所定のパルス幅を確保しつつ、キャリア周波数を変えることで設定するモータ駆動装置。
  2. 前記ブラシレスDCモータは、冷凍空調サイクルの圧縮機を駆動する請求項に記載のモータ駆動装置。
  3. 請求項に記載のモータ駆動装置を有した電気機器。
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