JP2006304444A - モータ駆動装置と冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型・低コスト・高信頼性を実現するモータ駆動装置を提供する
【解決手段】交流電源1を入力として全波整流をする小容量のコンデンサ4を持つ整流回路2と、整流回路2の出力を入力としてモータ6を駆動するインバータ3およびインバータ3を制御するインバータ制御部37と、モータ6が急停止した場合に発生する回生エネルギーを吸収する為の回生処理回路33および、回生処理回路33に蓄積されたエネルギーを電圧として検出する回生処理回路電圧検出手段38を備え、回生処理回路電圧検出手段38で検出した電圧が所定のレベルより高い場合、モータ6を停止することで、コンデンサ4容量の小容量化による小型化、低コスト化が図れると共に、モータ6の急停止時の回生による装置の故障を回避でき高い信頼性を確保できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷蔵庫やエアコンなどの冷凍空調システムの圧縮機などに搭載されるブラシレスDCモータの駆動装置と、それを用いた冷蔵庫に関するものである。
従来、この種の冷凍空調システムにおける圧縮機などに搭載されるブラシレスDCモータの駆動装置は、一般的には十分大きな平滑用コンデンサを有した整流回路と、インバータと、位置検出センサをなくし誘起電圧またはモータ電流から位置検出をすることより駆動されている。これは圧縮機などの高温雰囲気・冷媒雰囲気・オイル雰囲気などで位置センサを取り付けることが著しく困難であったためである。
また、近年この駆動装置を小型化するために、整流回路の平滑用コンデンサを大幅に小容量化する取組みもなされている(例えば特許文献1参照)。
図9は特許文献1に記載された、従来のブラシレスDCモータの駆動装置のブロック図を示すものである。
図9に示すように、単相交流電源101にダイオード全波整流回路102が接続されており、さらにそのダイオード全波整流回路102の出力側に平滑コンデンサ103が並列に接続されている。この平滑コンデンサ103は、十分に小さい容量のもので、従来の1/100程度の容量のコンデンサである。
PWM(パルス幅変調)インバータ104は、6個のスイッチング素子(逆向きのダイオードを含む)を3相ブリッジ接続している。PWMインバータ104の入力は平滑コンデンサ103の両端に接続されている。
3相巻線が施されたモータ105は、PWMインバータ104の出力に接続されており、このPWMインバータ104により駆動されるものである。
制御回路106は、単相交流電源101の電圧v、直流部電流idc、PWMインバータ104の出力電流ia、ib、ic、モータ105の位置検出センサ107からの位置情報θなどの情報を入力として、最適な駆動ができるようにPWMインバータ104のゲートを駆動している。
特開2002−51589号公報
しかしながら、上記従来の構成では、位置検出センサ107であるエンコーダやホール素子などがついているものでは直流電圧が低下しても位置検出は可能ではあるが、圧縮機のように位置検出センサ107を取り付けることができないような用途では使用できない。
一般的に、位置検出センサなしでブラシレスDCモータを駆動する方法として知られているのは、モータの誘起電圧を検出する方法と、モータ電流から回転位置を検出する方法などである。
しかし、この位置検出が可能な状態は、平滑コンデンサが十分に大きくリプル電圧が小さい場合である。この時には誘起電圧やモータ電流は安定するので十分安定した位置検出ができるが、この従来例のように平滑コンデンサを大幅に小容量化すると、インバータの入力電圧のリプルが大幅に増加するので、特に電圧の低いとき誘起電圧が検出できなくなったり、電圧が低いため位置検出に必要なモータ電流を流したりすることができない。
その結果、直流電圧が低いときの位置検出が不可能となり、タイミングが大幅にずれた転流を行い、効率ダウンを引き起こすとともに、最悪の場合大きな電流が流れてしまい、モータが停止や装置の故障の原因となるという課題を有していた。
さらに、上記従来の構成では、平滑コンデンサの容量が非常に小さいため、モータが脱調等により急停止した場合に発生する回生エネルギーを吸収する場がなく、回生の発生によりモータ駆動装置を破壊する危険性があるという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、モータの急停止時の回生エネルギーによる装置の故障を防止できるモータの駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のモータ駆動装置は、モータが急停止した場合に発生する回生エネルギーを吸収する回生処理回路と、前記回生処理回路に蓄積されたエネルギーを電圧として検出する回生処理回路電圧検出手段とを備え、前記回生処理回路電圧検出手段により検出した電圧が所定の電圧より高い場合に、インバータ制御部が、モータを停止状態にするのである。
上記構成において、モータが急停止した場合に発生する回生エネルギーを回生処理回路で吸収し、回生処理回路に蓄積されたエネルギーの量を回生処理回路電圧検出手段が電圧で検出し、その回生処理回路電圧検出手段の検出電圧に応じて、モータの駆動装置が故障しないようにインバータ制御部が保護動作を行う。したがって、回生処理回路に蓄積されているエネルギーを監視することで、平滑コンデンサ容量を大幅に小容量化したモータ駆動装置の信頼性を向上することで実用性を高めるものである。
本発明のモータ駆動装置は、モータが急停止した場合に発生する回生エネルギーを回生処理回路で吸収し、回生処理回路に蓄積されたエネルギーの量を回生処理回路電圧検出手段が電圧で検出し、その回生処理回路電圧検出手段の検出電圧に応じて、モータの駆動装置が故障しないようにインバータ制御部が保護動作を行う。したがって、平滑回路のコンデンサ容量を大幅に小容量化することで小型化・低コスト化を図るとともに、装置の高い信頼性を実現するものである。
また回生エネルギー消費回路により、回生処理回路に蓄積されたエネルギーの消費を促進することで、回生発生によりモータを停止した場合でも再起動までの時間を短縮することができる。
また回生エネルギー消費回路を、インバータ制御部の電源回路と兼ねることで、回生エネルギー消費回路を別途設ける必要が無く装置の簡素化と低コスト化が図れる。
また、モータの起動は、回生処理回路電圧検出手段で検出した電圧が所定の値よりより低いときとすることで、装置の信頼性を向上出来ると共に、回生発生により停止した場合の再起動のタイミングを最適に保つことができる。
また、回生処理回路は、第2整流回路のダイオードと、回生吸収部のコンデンサとで構成することで、回生処理回路を非常に安価に構成することができる。
また、モータ駆動装置が、冷凍空調システムを構成するレシプロ型圧縮機を駆動する場合、インバータに大きなリプルを含む電圧を入力した場合でも、振動・騒音の影響を受けにくく、低騒音・低振動の駆動システムを低価格で提供することができる。
また、冷凍空調システムの冷媒が比較的冷凍能力が低いR600aである場合は、圧縮機ピストンの大型化によるイナーシャ増大により、インバータ入力に大きなリプルを含むモータ駆動システムにおいて、さらに低騒音・低振動の冷凍空調システムを実現することができる。
また、圧縮機が冷蔵庫の冷却システムを構成する場合、回路の小型化に伴い庫内の容積を大きくすることが可能であるとともに、回生による回路故障で庫内温度上昇を防止することができる。
請求項1に記載のモータ駆動装置の発明は、交流電源と、前記交流電源を入力として全波整流をする小容量のコンデンサを持つ整流回路と、前記整流回路の出力を入力とするインバータと、前記インバータにより駆動されるモータと、前記インバータを制御するインバータ制御部と、前記モータが急停止した場合に発生する回生エネルギーを吸収する回生処理回路と、前記回生処理回路に蓄積されたエネルギーを電圧として検出する回生処理回路電圧検出手段とを備え、前記回生処理回路電圧検出手段により検出した電圧が所定の電圧より高い場合、前記インバータ制御部は、前記モータを停止状態にするものである。
上記構成において、モータが急停止した場合に発生する回生エネルギーを回生処理回路で吸収し、回生処理回路に蓄積されたエネルギーの量を回生処理回路電圧検出手段が電圧で検出し、その回生処理回路電圧検出手段の検出電圧に応じて、モータの駆動装置が故障しないようにインバータ制御部が保護動作を行う。
これにより、モータの運転中は回生が発生した場合でも、回生処理回路は確実に回生エネルギーを吸収できるため、平滑回路のコンデンサ容量を大幅に小容量化することで小型化・低コスト化を図ることができるとともに、装置の高い信頼性を実現する。
請求項2に記載のモータ駆動装置の発明は、請求項1に記載の発明に加えて、さらに、回生処理回路に蓄積されたエネルギーを消費する回生エネルギー消費回路を有するものであり、回生処理回路に蓄積されたエネルギー消費が促進され、回生処理回路電圧検出手段で検出される電圧が所定の電圧まで低下するまでの時間が短縮されるので、回生発生によりモータを停止した場合でも再起動までの時間を短縮することができる。
請求項3に記載のモータ駆動装置の発明は、請求項2に記載の発明における回生エネルギー消費回路が、インバータ制御部の電源回路を兼ねるものであり、回生エネルギー消費回路を別途設ける必要が無く装置の簡素化と低コスト化が図れる。
請求項4に記載のモータ駆動装置の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明におけるインバータ制御部が、回生処理回路電圧検出手段により検出した電圧が所定の電圧より高くなったことによりモータを停止させたときは、前記回生処理回路電圧検出手段で検出した電圧が所定の電圧より低くなった後に、前記モータの再起動を行うものであり、モータの起動時は回生処理回路電圧検出手段で検出した電圧が、所定の値より低い場合とすることで、モータの駆動時は常に回生処理回路に蓄積されているエネルギーは所定のレベル以下に保たれ、モータの急停止により回生が発生した場合、回生処理回路で確実に回生エネルギーを吸収出来る結果、装置の信頼性を向上することができる。さらに、回生発生により停止した場合、回生処理回路に蓄積されているエネルギーのレベルを監視し、所定のレベルまで低下したとき再起動を図るため、起動のタイミングを最適に保つことができる。
請求項5に記載のモータ駆動装置の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明における回生処理回路が、ダイオードからなる第2整流回路と、コンデンサからなる回生吸収部とで構成され、前記回生吸収部は、インバータ制御部の電源回路への供給電源として兼ね備えるものであり、回生処理回路は、シンプルな構成となり、非常に安価に実現することができる。
請求項6に記載のモータ駆動装置の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明におけるモータが、冷凍空調システムを構成するレシプロ型圧縮機を駆動するものであり、圧縮機が慣性モーメント(イナーシャ)が大きいレシプロ型の構成である場合、整流回路のコンデンサが小容量である故にインバータの入力電圧に大きなリプルを含む場合でも、モータの回転ムラによる振動増大や騒音増大等の影響を受けず、大容量の平滑コンデンサを整流回路に使用したモータ駆動装置と同等の振動・騒音で有りながら小型・低コストの圧縮機駆動システムを提供することが可能である。
請求項7に記載のモータ駆動装置の発明は、請求項6に記載の発明における圧縮機の冷媒が、R600aであるものであり、冷凍能力が低いR600aを冷媒に使う場合、所定の冷凍能力を確保するためには、圧縮機のピストンが大きくなることから、モータの慣性モーメント(イナーシャ)がR134a等の冷凍能力が高い冷媒を使用した圧縮機より大きくなり、入力リプル電圧の影響をさらに受けにくく、小容量コンデンサ駆動において非常に安定した駆動が実現できる。
請求項8に記載の冷蔵庫の発明は、請求項6または請求項7に記載のモータ駆動装置を有するものであり、モータ急停止による回生が発生した場合も、回路の故障を防止することが出来るため、回路故障による庫内の不冷等で食品の腐敗等のロスを省くことができる。また回路の小型化により同一外観で庫内の容量を大きくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。尚、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図であり、図2は本発明の実施の形態1における圧縮機の断面図を示している。
図1において、交流電源1は整流回路2に接続している。整流回路2は、4個のダイオード3a〜3dをブリッジ接続した整流ブリッジ3と小容量のコンデンサ4で構成され、ブリッジ接続されたダイオード3a〜3dで全波整流した電圧を小容量コンデンサ4に入力する。なお、小容量コンデンサ4は、1μFの積層セラミックコンデンサである。
積層セラミックコンデンサは、近年高耐圧で大容量のコンデンサがチップで実現できるようになってきている。従来、このコンデンサには、主に大容量(200W出力の場合には数百μF)の電解コンデンサが使われていたため、これにより非常に小型の駆動装置が実現できることになる。さらに電解コンデンサは、使用周囲温度や経年劣化等による容量抜け等による寿命を考慮する必要があるが、本実施の形態では、電解コンデンサを使用しないことで、装置の信頼性を向上することができる。
また、従来、このコンデンサは、一般的にはインバータ5の出力容量(WまたはVA)や駆動装置全体の入力容量(WまたはVA)から、直流電圧のリプル含有量やリプル電流による平滑用コンデンサの耐リプル電流の特性などからコンデンサの容量を決定する。
これらの条件を加味して、一般的には2〜4μF/W程度の容量を確保する。すなわち200Wの出力容量の場合は400〜800μF程度の電解コンデンサを使用していた。これに対し、本実施の形態1では、コンデンサ4には0.1μF/W以下の容量を持つコンデンサを使用する。すなわち200Wの出力容量の場合は20μF以下のコンデンサを使用することになる。
インバータ5は、スイッチング素子5a〜5fと、逆向きに接続されたダイオード5g〜5lとをセットにした回路を、6回路3相ブリッジ接続している。なお本実施の形態ではFET(電界効果トランジスタ)を使用している。
モータ6は、インバータ5の3相出力により駆動される。モータ6の固定子には3相スター結線された巻線が施され、この巻き方は集中巻であっても、分布巻であっても構わない。また回転子は希土類永久磁石を有しており、その配置方法は表面磁石型(SPM)でも磁石埋め込み型(IPM)であっても構わず、また永久磁石はフェライト系磁石でも希土類系磁石でも構わない。
なお、本実施の形態1のモータは、回転子に永久磁石を配置したブラシレスDCモータとしているが、モータ固定子の相対位置を電流検出により検出する場合、インダクションモータであっても、シンクロナスリラクタンスモータであっても構わない。尚、永久磁石には希土類系磁石を用いることで、マグネット使用重量をフェライト系磁石と同量使用する場合、モータ効率を向上することができ、またフェライト系磁石を用いたモータと同等性能のモータとする場合は、マグネット重量を低減することが出きるためモータ重量を軽量化することができる。
圧縮要素7は、モータ6の回転子の軸に接続され、冷媒ガスを吸入し、圧縮して吐出する。このモータ6と圧縮要素7とを同一の密閉容器8に収納し、圧縮機9を構成する。圧縮機9で圧縮された吐出ガスは、凝縮器10、減圧器11、蒸発器12を通って圧縮機9の吸い込みに戻るような冷凍空調システムを構成し、凝縮器10では放熱、蒸発器12では吸熱を行うので、冷却や加熱を行うことができる。
尚、必要に応じて、凝縮器10や蒸発器12に送風機などを使い、熱交換をさらに促進することもある。また本実施の形態では、冷凍空調システムは冷蔵庫の庫内13を蒸発器12により冷却する構成としている。
図2において、密封容器8内には、オイル14を貯溜すると共にR600aの冷媒15が封入され、固定子16と回転子17からなるブラシレスDCモータ6およびこれによって駆動される圧縮要素7がスプリング等により弾性的に支持されており、モータの回転による振動が圧縮機外部に漏れにくい構成となっている。
圧縮要素7は、回転子17が固定された主軸部18および偏芯軸部19から構成されたクランクシャフト20の主軸部18を軸支するとともに、圧縮室21を有するシリンダ22と、圧縮室21内で往復運動するピストン23と、偏芯軸部19とピストン23を連結する連結手段24を備え、レシプロ型の圧縮機構を構成している。
従って、本実施の形態においては、インバータの入力電圧に大きなリプルを含む場合でも、イナーシャが大きいレシプロ型圧縮機の特徴と構造から、リプルによる振動および振動に伴う騒音が圧縮機外部に漏れにくくなっている。
尚、本実施の形態1では、R134a冷媒と比較して冷凍能力の低いR600aを用いているので、同等の冷却性能を確保するためには、R134a用圧縮機より圧縮室容積を大きくする必要があり、ピストンが大型化する。従って、モータイナーシャが増大するため、整流回路のコンデンサを非常に小さい容量としても、インバータ入力に大きなリプル電圧を含んだ場合も振動および騒音の影響をさらに受けにくくなる。
図1において、位置検出手段25は、モータ6の誘起電圧またはモータ電流からモータ6の回転子17の回転位置を検出する。本実施の形態1では、誘起電圧から回転子の回転位置を検出する方法であり、インバータ5は120度通電の矩形波PWMインバータとし、常時通電されていない相から誘起電圧のゼロクロス点を検出し、回転位置を検出する方法について説明するが、通電角120度以上、180度以下の任意の波形を生成し、モータ電流から回転子の相対位置を検出する方式であっても構わない。
位置推定手段26は、位置検出手段25が正常に位置検出しているときは、その検出タイミングの時間測定を行っている。このタイミング時間をベースに位置推定を行い駆動出力を出している。電圧検出手段27は、コンデンサ4の両端電圧を検出し、その電圧値があらかじめ設定された所定値より大きいか小さいか判断を行う。
切換手段28は、電圧検出手段27の出力を入力とし、位置検出手段25と位置推定手段26のいずれかを選択し出力する。転流手段29は、切換手段28の出力を入力とし、インバータ5の6個のスイッチング素子5a〜5fのON/OFFを制御するものである。回転数検出手段30は、切替手段28の出力(即ち、位置検出手段25または位置推定手段26の出力)からモータ6の現在の駆動速度を検出する。
回転数指令手段31は、外部からの入力情報等(例えば温度情報や、スイッチ入力等)からモータ6の駆動すべき回転数を決定する。速度制御手段32は回転数指令手段31で決定した指令回転数と、回転数検出手段30で検出した現在のモータの駆動回転数との差により、実際の駆動回転数を、指令回転数に近づけるようにPWMデューティ制御やモータ電流制御により速度制御を行う。
尚、速度制御手段32でのモータ駆動回転数制御において、ベクトル制御を実施することで、負荷状態や運転状態等により最小電流最大トルク制御、最高効率制御、弱め磁束制御等を行うことも可能である。
回生処理回路33は、ダイオードで形成された第2整流回路34と、回生吸収部35を直列接続された回路で形成され、モータ6が脱調等で急停止した場合に発生する回生エネルギーを急峻に吸収することで、回生による装置の故障を防止している。尚、第2整流回路34はダイオード、回生吸収部35はコンデンサで構成することで、回生処理回路33を非常に簡素な回路で、安価に構成できる。
インバータ制御電源回路36はインバータ制御部37に供給する電源回路であり、回生処理回路33の回生吸収部35のコンデンサ両端電圧を入力としている。回生吸収部35の両端電圧は、整流回路2の出力を回生処理回路33の第2整流回路34を介して電荷をチャージし平滑しており、通常約140Vの電圧を保ちインバータ制御電源36に供給する。この様に本発明の実施の形態1では、回生処理回路33と、インバータ制御電源の整流平滑回路とを兼用し、回路の小型化、簡素化、低コスト化を図っている。
回生処理回路電圧検出手段38は、回生処理回路33の回生吸収部35の電圧を監視するものであり、この出力を速度制御手段32に入力する。回生処理回路電圧検出手段38で検出した回生吸収部35の両端電圧が所定レベル以上のとき、速度制御手段32は回転数指令手段31からの指令回転数に関わらず、モータ6を停止する。
尚、インバータ制御部37は、位置検出手段25、位置推定手段26、電圧検出手段27、切換手段28、転流手段29、回転数検出手段30、速度制御手段32、回生処理回路電圧検出手段38により構成され、インバータ制御電源回路36から電源を供給され、モータ6をインバータ5で駆動する為の制御を行う。
また、回生吸収部35のコンデンサに蓄積された回生エネルギーを、インバータ制御電源回路36と、インバータ制御電源回路36を介してインバータ制御部37が消費することから、インバータ制御電源回路36とインバータ制御部37は、回生エネルギー消費回路39としての役割を果たしている。
以上のように構成されたモータの駆動装置についてその動作を説明する。
交流電源1の出力は整流回路2のブリッジ接続されたダイオード3a〜3dで全波整流されるが、コンデンサ4は従来に比べて非常に小容量であるため、その出力電圧(コンデンサ4の両端の電圧)は平滑されず、大きなリプルを持ったものとなる。
位置検出手段25は、誘起電圧またはモータ電流からモータ6の回転子の回転位置を検出するものであるから、整流ブリッジ3の出力電圧が低い時、所望の電圧または電流が十分に確保できないため、その位置検出は不可能となる。
一方、位置推定手段26は、位置検出手段25の位置検出のタイミングを常に検出しており、位置検出信号が入力されなかった場合、前のタイミングと同一のタイミングで位置推定信号を出力する。
電圧検出手段27で検出したコンデンサ4の両端の電圧が、あらかじめ設定された所定値(本実施の形態1では50Vとする)より高ければ、切換手段28は位置検出手段26の信号を選択・切換し、転流手段29に出力する。逆に所定値より低ければ切換手段28は位置推定手段26の信号を選択・切換し、転流手段29に出力する。
ここで図は省略しているが、コンデンサ4の両端電圧が変化するのを電圧検出手段27で検出し、出力のPWM制御のデューティにフィードフォワード制御を行い、インバータ5の出力の電圧または電流を一定にするように制御を行う。すなわち、速度制御で得られた基底デューティに対しコンデンサ4の両端電圧が高い場合は、デューティを低くし、逆に低い場合は、デューティを高くすることによって出力の電圧または電流を調整することにより、モータ6を滑らかに駆動する。
次に、コンデンサ4の両端の電圧波形について、図3および図1を用いて説明する。図3は本発明の実施の形態1におけるコンデンサ4の電圧波形を示すタイミングチャートである。
図3において、縦軸には電圧を示し、横軸は時間を示す。また交流電源1は100V、50Hzの交流電源とした。
点線Aは非常に負荷電流が小さい(ほとんど電流は流れていない)時の状態で、コンデンサ4の充電電荷がほとんど使われず電圧の低下はほとんどない。ただし、ここでいう負荷電流は整流回路2の出力電流、すなわちインバータ5への入力電流であるものとする。平均電圧は141Vであり、リプル電圧は0V、リプル含有率は0%である。なお、リプル電圧およびリプル含有率は、次式の通り定義するものとする。
Figure 2006304444
Figure 2006304444
次に負荷電流を大きくしていくと、コンデンサ4の充電電荷が使われ、一点鎖線Bに示すように瞬時最低電圧が低下してくる。ただし、電源電圧から決まる瞬時最高電圧は141Vで変わらない。一点鎖線Bに示す場合、瞬時最低電圧は40Vであるので、平均電圧が約112Vであり、リプル電圧は101V、リプル含有率は90%となる。
更に負荷電流を大きくしていくと、コンデンサ4には、ほとんど充電電荷が蓄えられず、実線Cに示すように瞬時最低電圧が、ほとんど0Vまで低下してくる。ただし、電源電圧から決まる瞬時最高電圧は141Vで変わらない。実線Cに示す場合、瞬時最低電圧は0Vであるので、平均電圧が約100Vであり、リプル電圧は141V、リプル含有率は141%となる。
このようにコンデンサ4が小容量の場合、負荷電流を取り出すと、ほとんど平滑されず入力の交流電源1を全波整流した波形となる。
次に、負荷電流と瞬時最低電圧、リプル含有率との関係について、図4を用いてさらに詳しく説明する。図4は本実施の形態1における負荷電流と瞬時最低電圧・リプル含有率を示す特性図である。
図4において、横軸は負荷電流であり、縦軸は瞬時最低電圧とリプル含有率を示す。また、実線は瞬時最低電圧の特性を、点線はリプル含有率の特性をそれぞれ示す。
図3において説明を行った点線Aに示す電流波形の時は負荷電流0Aであり、瞬時最低電圧141V、リプル含有率0%である。また、一点鎖線Bに示す電流波形の時は負荷電流0.25Aであり、瞬時最低電圧40V、リプル含有率90%である。また実線Cに示す電流波形の時は負荷電流0.35Aであり、瞬時最低電圧0V、リプル含有率141%である。0.35A以上の電流においては瞬時最低電圧、リプル含有率ともに変化はしない。
本発明の実施の形態1におけるモータの駆動装置では、実使用範囲は負荷電流0.25A以上1.3A以下であるものとする。実使用範囲においては、リプル含有率は常に90%以上であるような小容量のコンデンサ4を選定している。
本実施の形態1においては、前述したように50V以下において位置検出ができない状態であり、その結果、実使用範囲のいずれにおいても位置検出が不可能な部分を含まれることとなる。
次に、図1における動作を更に詳しく図5と図1とを用いて説明する。図5は、本実施の形態1におけるインバータ制御部の動作を示すフローチャートである。
まずSTEP1において、電圧検出手段27で直流電圧Vdcを検出する。ここでいう直流電圧Vdcはコンデンサ4の両端電圧である。次にSTEP2において、位置検出ができなくなる電圧の所定値50Vと比較し、50V未満であれば、STEP3に進む。
STEP3において、切換手段28は位置推定手段26を選択し、切り換える。位置推定手段26では、STEP4に示すように、位置検出信号が前の変化から一定時間経過したかどうかを判断する。この一定時間は位置検出により予め決められた時間であり、回転数によりその時間は変化するものである。
一定時間が経過していなければ、そのまま通過・完了し、一定時間が通過していれば、STEP5に進み、転流すなわち位置検出を行ったものとしてインバータ5のスイッチング素子5a〜5fを転流手段29で切り換える動作を行う。
また、STEP2において、位置検出ができなくなる電圧の所定値50Vと比較し、50V以上であれば、STEP6に進む。STEP6において、切換手段28は位置検出手段25を選択し切り換える。位置検出手段25では、STEP7に示すように、位置検出信号が前の変化から状態が変化したかどうかを判断する。
STEP7で状態が変化していなければ、そのまま通過・完了し、状態が変化していれば、STEP8に進み、転流すなわち位置検出を行ったものとしてインバータ5のスイッチング素子5a〜5fを転流手段29で切り換える動作を行う。
これらの動作を一定時間内に繰り返すことにより、常に電圧検出手段27で直流電圧の状態を検出し、その状態によって位置検出手段25と位置推定手段26との信号を切換手段28で切り換えることができ、直流電圧の低い位置検出ができない状態においても転流動作を行うことができ、運転を継続することができる。
以上説明した動作を行った場合の波形について、さらに図6と図1を用いて説明する。図6は、本実施の形態1の各部の波形を示すタイミングチャートである。
図6において、(A)は直流電圧であり、コンデンサ4の両端の電圧である。(B)は電圧検出であり、電圧検出手段27の出力である。電圧検出手段27では、(A)の直流電圧を所定電圧(本実施の形態1では50V)と比較した結果を出力し、50V以上であればHighレベルを、50V未満であればLowレベルの信号を出力する。図6においては時間T6,T7において直流電圧が50V以下である場合を示す。
(C)は位置検出であり、位置検出手段25の出力を示す。また、(D)は位置推定であり、位置推定手段26の出力を示す。直流電圧が50V以上の時は位置検出が可能で、図6の時間T1〜T5,T8〜T12の区間では位置検出を正常な状態で行うことができる。
一方、図6の時間T6,T7では、直流電圧が50V未満であるので、位置検出手段25からの位置検出信号が出てこない。または、出てきたとしてもタイミングの全く合っていない誤動作を引き起こす信号が発生する可能性が高い。
そこで、時間T6,T7においては、転流に位置推定手段26の信号を使用する。位置推定手段26では、前の転流のタイミングT5からの時間を計測しており、あらかじめ決められた所定時間が経過すると時間T6のタイミングで転流を行う。
また同様に、時間T7でも時間T6から所定時間経過後に転流を行う。ここでいう所定時間は、正常に位置検出ができている時間、例えば、時間T4〜T5間の時間を測定し、所定時間としている。
以上のように、時間T1〜T5および時間T8〜T12においては、切換手段28は位置検出手段25の出力を選択し出力する。また、時間T6,T7においては、切換手段28は位置推定手段26の出力を選択し出力する。切換手段28の出力は、転流手段29に入力され、転流手段29ではインバータ5の6個のスイッチング素子5a〜5fを、図6の(E)〜(J)に示すようにON/OFFさせる。尚、図6においてはHighレベルがON、LowレベルがOFFとする。
インバータ5の出力電圧波形の一例として、図6(K)にU相電圧を示す。出力の最大電圧は直流電圧により規制され、U相電圧の包絡線(破線で示す)は(A)の直流電圧に一致する。前述した通り、直流電圧の電圧レベルによりPWM制御のデューティを変更しているので、図6(K)に示すとおり、電圧の低いところ(例えば時間T5〜T6間)ではデューティを高くし、電圧の高いところ(例えば時間T11〜T12間)ではデューティを低くしている。これにより電圧変動による電流の不安定を未然に防止する。
図7は、本実施の形態1におけるの小容量コンデンサ4と、回生吸収部35の両端電圧値を示すタイミングチャートである。
今ここで、使用している小容量コンデンサ4とインバータ5の耐電圧を450Vとする。ここでモータ6が脱調等で急停止したことで、回生が発生したとすると、小容量コンデンサ4のみであれば、図7の実線の電圧波形aに示すように、小容量コンデンサ4の両端電圧が急激に上昇して、耐電圧450Vを超え過電圧となり、装置が故障してしまう可能性がある。
一方、本実施の形態1では、インバータ5と並列に、第2整流回路34と回生吸収部35を直列接続した回生処理回路33を接続することで、回生により発生したエネルギーを回生吸収部35が吸収する。
従って、図7の点線の電圧波形bに示す様に、回生電力による電圧上昇を小容量コンデンサ4とインバータ5の耐電圧以下に抑えることができ、回生による機器の故障を回避できる。しかし吸収し蓄積した回生エネルギーを消費せず、再度モータ6を駆動する場合、数度の回生エネルギーを吸収できるだけの大型で大容量の回生処理コンデンサを使用することで対応できるが、回生の発生頻度やエネルギーにより回生処理用コンデンサ両端電圧が上昇し、回生を吸収出来ない状態に陥る可能性がある。
従って、本発明の実施の形態1では、回生処理回路33の回生吸収部35の両端には、回生エネルギー消費回路39として、インバータ制御部37とこれに電源を供給するインバータ制御電源回路36が接続されているため、回生によるエネルギーでチャージされた電荷は、インバータ制御電源回路36とインバータ制御部37にて消費され、回生処理回路33の回生吸収部35の両端電圧は図7の破線の電圧波形cに示すように、通常時(本実施の形態1では140V程度)のレベルまで回復していく。
このように、回生エネルギー消費回路39をインバータ制御電源回路36とインバータ制御部37とすることで、回生エネルギー消費回路39を特別に設ける必要がなく、回路の小型化、簡素化および低コスト化が可能となる。
図8は、回生吸収部35の両端電圧と、モータ6の目標回転数を示すタイミングチャートである。
図8において、回生吸収部35の両端は、整流回路2の出力を第2整流回路を介して電荷が充電され、通常約140Vの電圧を保っており、速度制御手段32は、回転数指令手段31に指示された回転数で、モータ6を駆動するように速度制御を行う(0からT0の区間)。
ここで、T0において、モータ6が脱調等により急停止し、回生が発生した場合、回生吸収部35の両端電圧は急峻に上昇するが、回生処理回路電圧検出手段37によって検出された回生吸収部35の両端電圧がV1以上となったとき、速度制御手段32は回転数指令手段31の指示する回転数に関わらず、モータ6を停止状態にするため、転流手段29にモータ6を停止するための出力をインバータ5に送る。
回生吸収部35の両端電圧は回生エネルギーを吸収しVpに達したのち、蓄積されたエネルギーは、インバータ制御電源36およびインバータ制御電源36を介して、インバータ制御部38により消費され、時間経過と共に低下してくる(T1からT2の区間)。
そして回生吸収部35の両端電圧がV2まで低下したとき、速度制御手段32は、回転数指令手段31による指令回転数でモータ6を駆動する(T2以降の区間)。
なお、冷凍空調システムを構成する圧縮機9の場合は、モータ6停止後、冷凍システムの圧力バランスがある程度安定するまでの時間が必要であり、圧力バランスが不平衡な状態でモータの起動を試みた場合、始動トルク不足で脱調等が発生し起動が出来ない場合があるため、回生吸収部35の両端電圧がV2まで低下しても、モータ停止タイミング(T1)から一定時間経過するまでは、モータの起動を遅らせることで、安定した再起動性能を確保することができる。
次に、整流回路2に小容量のコンデンサ4を用いたモータ駆動装置により冷蔵庫の圧縮機9を駆動する場合について説明する。
瞬時停電等により圧縮機9が脱調した時発生する回生エネルギーが原因で、モータ駆動装置が故障し、冷蔵庫内の温度上昇で庫内収納食品の腐敗等が懸念される。
しかし、本実施の形態のモータ駆動装置は、整流回路2に小容量のコンデンサ4を用いながらも、回生が発生した場合も、その発生したエネルギーを回生処理回路33により瞬時に吸収し、さらに再起動時は、回生処理回路33に蓄えられているエネルギーが、再度回生が発生した場合でも十分吸収できるレベルとなっているため、回生によるモータ駆動装置の故障を回避でき冷蔵庫の信頼性を向上することができる。
また、回生処理回路33に蓄えられた回生エネルギーは、回生エネルギー消費回路39で消費されるため、回生処理回路33に蓄積されたエネルギーは所定のレベルまで早く低下させることが可能であり、脱調による停止の時間を短縮出来ることで、圧縮機9停止による庫内温度の上昇を最低限に抑えることができる。
以上の様に本実施の形態においては、交流電源1を全波整流する整流回路2の平滑コンデンサ4容量が非常に小さく、大きなリプルを含む電圧波形をインバータ5に入力してモータ6を駆動するモータ駆動装置において、モータ6が脱調等により急停止した場合に発生する回生エネルギーを急峻に吸収する回生処理回路33と、回生処理回路33の電圧を検出する回生処理回路電圧検出手段38を備え、回生処理回路電圧検出手段38で検出した電圧が所定の電圧より低下しない場合、インバータ制御部37は、モータ6を停止状態にすることで、モータ6の運転中は回生が発生した場合でも、回生処理回路33は確実に回生エネルギーを吸収できるため、平滑回路のコンデンサ4容量を大幅に小容量化することで小型化・低コスト化を図ることができるとともに、装置の高い信頼性を実現できる。
さらに本構成では、整流回路2のコンデンサ4の容量が非常に小さいことから、交流電源に含まれる高調波電流成分を低減できることとなり、高調波対応のためのリアクタ等高調波対応回路が不要または小型化することが可能であり、さらなる装置の小型化と低コスト化が実現できる。
また、回生エネルギー消費回路39により、回生処理回路33に蓄積されたエネルギーを消費することで、回生処理回路33に蓄積されたエネルギー消費が促進され、回生処理回路電圧検出手段38で検出される電圧が所定の電圧まで低下する時間が短縮されるので、回生発生によりモータ6を停止した場合でも、再起動までの時間を短縮することができる。
また、回生エネルギー消費回路39は、インバータ制御部37の電源回路を兼用することで、回生エネルギー消費回路39を別途設ける必要が無く、装置の簡素化と低コスト化、小型化が図れる。
また、モータ6の起動時は、回生処理回路電圧検出手段38で検出した電圧が、所定の値より低い場合とすることで、モータ6の駆動時は常に回生処理回路33に蓄積されているエネルギーは所定のレベル以下に保たれ、モータ6が急停止し回生が発生したとしても回生処理回路33で確実に回生エネルギーを吸収出来る結果、装置の信頼性を向上出来ることができる。
さらに、回生発生により停止した場合、回生処理回路33に蓄積されているエネルギーのレベルを監視し、所定のレベルまで低下したとき再起動を図るため、起動のタイミングを最適に保つことができる。
また、回生処理回路33は第2の整流回路34と、回生吸収部35とで構成し、第2の整流回路34はダイオード、回生吸収部35はコンデンサとすることで、回生処理回路33は非常にシンプルな構成となり、回生処理回路33を非常に安価に構成することができる。
また、モータ6は冷凍空調システムを構成する圧縮機9を駆動するもので、特に慣性モーメント(イナーシャ)が大きいレシプロ型の構成であれば、整流回路2のコンデンサ4が小容量である故にインバータ3の入力電圧に大きなリプルを含む場合でも、モータ6の回転ムラによる振動増大や騒音増大等の影響を受けず、大容量の平滑コンデンサを整流回路に使用したモータ駆動装置と同等の振動・騒音で有りながら、モータ駆動装置の小型・低コストの圧縮機駆動システムを提供することが可能である。
また、冷凍空調システムの冷媒がR600aである場合、冷凍能力が低く所定の冷凍能力を確保するためには、圧縮機9のピストンが大きくなることからモータ6の慣性モーメント(イナーシャ)がR134a等の冷凍能力が高い冷媒を使用した圧縮機より大きくなり、入力リプル電圧の影響をさらに受けにくく、小容量コンデンサ駆動において非常に安定した駆動が実現できる。
また、冷蔵庫の圧縮機9を駆動する場合、整流回路2に小容量のコンデンサ4を用いながらも、回生が発生した場合も、その発生したエネルギーを回生処理回路33により瞬時に吸収し、さらに再起動時は、回生処理回路33に蓄えられているエネルギーが、再度回生が発生した場合でも十分吸収できるレベルとなっているため、回生によるモータ駆動装置の故障を回避でき、冷蔵庫の信頼性を向上することができる。
さらに、回生処理回路33に蓄えられたエネルギーは、回生エネルギー消費回路で消費され、蓄積されたエネルギーは所定のレベルまで早く低下するので、脱調による停止の時間を短縮出来ることで、圧縮機9停止による庫内温度の上昇を最低限に抑えることができる。さらに本発明のモータ駆動装置は小型化が可能なことから、モータ駆動装置の設置スペースを低減できるため、従来のモータ駆動装置を用いた従来の冷蔵庫と同一外観サイズで有りながら、冷蔵庫内の容積を大きくすることが可能である。
以上のように本発明のモータ駆動装置は、平滑コンデンサを大幅に小容量化したことで大きなリプルを含む電圧をインバータに入力した場合でも、位置検出センサなしでモータは停止することなく安定駆動出来る上に、モータの急停止による回生を素早く吸収することで、装置の故障を防止することから、小型、低コスト化が図れ、且つ高い信頼性を確保できることから、AV機器(特に小型機器)などのモータが非常に小さくてセンサをつけることが困難な場合や回路を非常に小型化したい場合などの用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図 本発明の実施の形態1における圧縮機の断面図 本発明の実施の形態1におけるコンデンサ4の電圧波形を示すタイミングチャート 本発明の実施の形態1における負荷電流と瞬時最低電圧・リプル含有率を示す特性図 本発明の実施の形態1におけるインバータ制御部の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態1における各部の波形を示すタイミングチャート 本実施の形態1におけるの小容量コンデンサ4と、回生吸収部35の両端電圧値を示すタイミングチャート 回生吸収部の両端電圧と、モータの目標回転数を示すタイミングチャート 特許文献1における従来のモータ駆動装置のブロック図
符号の説明
1 交流電源
2 整流回路
4 コンデンサ
5 インバータ
6 モータ
9 圧縮機
15 冷媒
33 回生処理回路
34 第2整流回路
35 回生吸収部
36 インバータ制御電源回路
37 インバータ制御部
38 回生処理回路電圧検出手段
39 回生エネルギー消費回路

Claims (8)

  1. 交流電源と、前記交流電源を入力として全波整流をする小容量のコンデンサを持つ整流回路と、前記整流回路の出力を入力とするインバータと、前記インバータにより駆動されるモータと、前記インバータを制御するインバータ制御部と、前記モータが急停止した場合に発生する回生エネルギーを吸収する回生処理回路と、前記回生処理回路に蓄積されたエネルギーを電圧として検出する回生処理回路電圧検出手段とを備え、前記回生処理回路電圧検出手段により検出した電圧が所定の電圧より高い場合、前記インバータ制御部は、前記モータを停止状態にすることを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 回生処理回路に蓄積されたエネルギーを消費する回生エネルギー消費回路を有する請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 回生エネルギー消費回路は、インバータ制御部の電源回路を兼ねることを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. インバータ制御部は、回生処理回路電圧検出手段により検出した電圧が所定の電圧より高くなったことによりモータを停止させたときは、前記回生処理回路電圧検出手段で検出した電圧が所定の電圧より低くなった後に、前記モータの再起動を行う請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  5. 回生処理回路は、ダイオードからなる第2整流回路と、コンデンサからなる回生吸収部とで構成され、前記回生吸収部は、インバータ制御部の電源回路への供給電源として兼ね備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  6. モータは、冷凍空調システムを構成するレシプロ型圧縮機を駆動するものである請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  7. 圧縮機の冷媒は、R600aであることを特徴する請求項6に記載のモータ駆動装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載のモータ駆動装置を有する冷蔵庫。
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