JP2012161219A - ブラシレスdcモータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の制御方法では、モータ逆起電圧の検出機能しか備えていないために高負荷時などのスパイク電圧発生時間が長い運転状態で動作不安定となってしまう、正常に運転しているときでも誤検出して停止してしまうという課題があった。
【解決手段】回転子状態検出回路5を備えることで、回転子4aの位置に応じた運転中に逆起電圧が現れなかった場合でも、モータ挙動の不安定な状態を検出することが可能となり、システムにおける安定性の改善、ひいては脱調停止の抑制といった効果を発揮できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレスDCモータの駆動方法及びその装置に関し、更に詳細に言えば、永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータを、三相巻線に電力を供給するインバータにより駆動するための方法及びその装置に関するものであり、特に冷蔵庫やエアコンなどの圧縮機を駆動するのに最適なブラシレスDCモータの駆動方法及びその装置に関するものである。
近年の冷蔵庫は350L以上の大型機種が主力となり、それらの冷蔵庫は、高効率な圧縮機の回転数を可変駆動させるインバータ制御冷蔵庫が大半を占めている。これらの冷蔵庫用圧縮機では高効率化のために、永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータを一般的には採用している。また、圧縮機の中という高温、高圧、冷媒雰囲気、オイル雰囲気という環境下にブラシレスDCモータを設置するため、ブラシレスDCモータで通常使われるようなホール素子などの位置検出センサは使用できない。そのために一般的にはモータの逆起電圧や直流電流から回転子の回転位置を検出する方法がよく用いられている。
従来の技術は、例えば、特許文献1に示されている。その従来の技術を図面に従って説明する。図3は従来のブラシレスDCモータ駆動に関する駆動装置のブロック図である。
図3において、商用電源101は、日本の場合周波数50Hzまたは60Hz、電圧100Vの交流電源である。
整流回路102は商用電源101の交流電圧を直流電圧に変換するものである。整流回路102はブリッジ接続された整流用ダイオード102a〜102dと平滑用の電解コンデンサ102e、102fとからなり、図3に示す回路では倍電圧整流回路であり、商用電源101のAC100V入力から直流電圧280Vを得ることができる。
インバータ回路103は、6個のスイッチ素子103a、103b、103c、103d、103e、103fを3相ブリッジ構成されている。また、各々のスイッチ素子には各スイッチ素子の逆方向に還流電流用のダイオードが入っているが本図では省略している。
ブラシレスDCモータ104は、永久磁石を有する回転子104aと3相巻線を有した固定子104bとからなる。インバータ103により作られた3相交流電流が固定子104bの3相巻線に流れることにより、回転子104aを回転させることができる。回転子104aの回転運動はクランクシャフト(図示せず)により、往復運動に変更され、ピストン(図示せず)がシリンダ(図示せず)内を往復運動することにより、冷媒を圧縮する圧縮機の駆動を行う。
逆起電圧検出回路105は、ブラシレスDCモータ104の永久磁石を有する回転子104aが回転することにより発生する逆起電圧から、回転子104aの回転相対位置を検出する。
転流回路106は、逆起電圧検出回路105の出力信号によりロジカルな信号変換を行い、インバータ103のスイッチ素子103a、103b、103c、103d、103e、103fを順次切り換えて駆動する信号を作り出す。
同期駆動回路107は、インバータ103から強制的に所定周波数の出力を出し、ブラシレスDCモータ104を駆動するものであり、転流回路106で生成されるロジカルな信号と同等形状の信号を強制的に所定周波数で発生させるものである。
負荷状態判定回路108は、圧縮機104が運転されている負荷状態を判定するものである。
切替回路109は、負荷状態判定回路108の出力により、圧縮機104のブラシレスDCモータを転流回路106で駆動するか、同期駆動回路107で駆動するかを切り替える。
ドライブ回路110は、切替回路109からの出力信号により、インバータ103のスイッチ素子103a、103b、103c、103d、103e、103fを駆動する。
以上の構成において、次に動作の説明を行う。
負荷状態判定回路108で検出された負荷が、通常負荷の場合、転流回路106による駆動を行う。
逆起電圧検出回路105でブラシレスDCモータ104の回転子104aの相対位置を検出する。次に転流回路106で回転子104aの相対位置に応じてインバータ103を駆動する転流パターンを作り出す。
この転流パターンは切替回路109を通して、ドライブ回路110に供給され、インバータ103のスイッチ素子103a、103b、103c、103d、103e、103fを駆動する。
この動作により、ブラシレスDCモータ104はその回転位置に合致した駆動を行うこととなる。
次に、負荷が増加してきたときの動作について説明する。
ブラシレスDCモータの負荷が増加すると、ブラシレスDCモータの特性により回転数が低下してくる。この状態を負荷状態判定回路108で高負荷状態であると判定し、切替回路109の出力を同期駆動回路107からの信号に切り替える。このように駆動することにより高負荷時の回転数低下を抑えることが可能となる。
特開平9−88837号公報
しかしながら、従来の構成では、次のような課題があった。
逆起電圧検出回路105の出力信号から、ブラシレスDCモータ104が発生する逆起電圧が現れるような負荷状態であれば回転子104aの相対位置は検出できる。しかし、切替回路109が転流回路106にて高回転駆動している時などは、固定子104bを流れるモータ電流が大きいため、それに伴って還流電流用ダイオードにモータ電流
が帰還される時間が増加し、逆起電圧が現れるのを妨げる雑音(スパイク電圧ともいう)の発生時間が長くなる。その結果、回転子104aの相対位置が検出できず、制御不能となり回転数変動を発生したり、ひいては脱調停止や保護停止といった状態にまで陥ってしまっていた。
更に、ブラシレスDCモータ104がIPM構造の場合、SPM構造に比べてインダクタンスが大きい傾向にあり、固定子104bに蓄えられるエネルギが大きくなるため、還流電流用ダイオードにモータ電流が帰還する時間が更に長くなり、逆起電圧が現れるのをより妨げてしまう。加えて、固定子104bが比較的巻込量の多い鉄損低減型の固定子の場合も、インダクタンスが大きくスパイク電圧幅も大きくなり逆起電圧が現れるのをより妨げてしまう。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、モータ電流のゼロクロス点を検出することの出来る構成にすることでパワートランジスタON時に発生する雑音(ringing雑音)の影響で発生する誤検出を防止することができるモータの駆動装置を提供することを目的とする。
本発明のブラシレスDCモータの駆動装置は、永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータと、前記三相巻線に電力を供給するインバータと、三相巻線とつながる前記モータの回転子の位置を検出する回転子状態検出回路と、切替回路からの出力信号により、前記インバータのスイッチ素子を駆動するドライブ部とを有し、前記モータ電流のゼロクロスから前記回転子位置の推定を行なうものである。
本発明のブラシレスDCモータの駆動装置は、雑音の影響で発生する誤検出を防止することができる。
本発明の実施の形態1における波形発生部による駆動に関するブラシレスDCモータの駆動装置のブロック図 本発明の実施の形態1における波形発生部による駆動時の雑音判定部と信号判定部の動作を示した模式図 従来のブラシレスDCモータ駆動に関する駆動装置のブロック図
請求項1に記載の発明は、永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータと、前記三相巻線に電力を供給するインバータと、三相巻線とつながる前記モータの回転子の位置を検出する回転子状態検出回路と、切替回路からの出力信号により、前記インバータのスイッチ素子を駆動するドライブ部とを有し、前記モータ電流のゼロクロスから前記回転子位置の推定を行なうもので、前記回転子状態検出回路が出力する信号からその信号が雑音の影響で発生する誤検出を防止できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明にさらに、回転子状態検出回路の情報を基に時間情報を取得する位相差取得部と、デューティーが低くない運転中の位相差を利用し、低デューティー時の電流ゼロクロス点から誘起電圧ゼロクロス点を推定する低デューティー運転時位置推定部とを有したものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明に、デューティーや回転数から安定運転状態であることを検出し位相差取得部が取得を開始するものである。
以下、本発明による冷蔵庫の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における波形発生部による駆動に関するブラシレスDCモータの駆動装置のブロック図である。
図1において、商用電源1は、日本の場合周波数50Hzまたは60Hz、電圧100Vの交流電源である。
整流回路2は商用電源1の交流電圧を直流電圧に変換する。整流回路2はブリッジ接続された整流用ダイオード2a〜2dと平滑用の電解コンデンサ2e、2fと電圧調整回路2gからなり、図1に示すような倍電圧整流回路の場合、商用電源1のAC100V入力から280V程度の直流電圧を得ることができる。ここでは倍電圧整流としたが、電圧調整回路2gは直流電圧可変式のチョッパ回路や倍電圧整流/全波整流の切替方式回路に相当する。
インバータ回路3は、6個のスイッチ素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを3相ブリッジ構成されている。また、各々のスイッチ素子には各スイッチ素子の逆方向に還流電流用のダイオードが入っているが本図では省略している。
ブラシレスDCモータ4は、永久磁石を有する回転子4aと3相巻線を有した固定子4bとからなる。インバータ3により作られた3相交流電流が固定子4bの3相巻線に流れることにより、回転子4aを回転させることができる。回転子4aの回転運動はクランクシャフト(図示せず)により、往復運動に変更され、ピストン(図示せず)がシリンダ(図示せず)内を往復運動することにより、冷媒を圧縮する圧縮機の駆動を行う。なお、スイッチ素子3a(3b)と接続された3相巻線部分をU相巻線、スイッチ素子3c(3d)と接続された3相巻線部分をV相巻線、スイッチ素子3e(3f)と接続された3相巻線部分をW相巻線と呼ぶことにする。
また、3相巻線とスイッチ素子と端子電圧検出回路との接続点である図中のU、V、WをU端子、V端子、W端子と呼ぶことにする。
回転子状態検出回路5は、U端子、V端子、W端子のそれぞれの電圧と予め設定された基準電圧との比較を行い、電圧変化の情報を出力することができる。なお、この出力情報から、ブラシレスDCモータ4の運転状態を検出することが可能となる。具体的には、ブラシレスDCモータ4の永久磁石を有する回転子4aが回転することにより発生する逆起電圧から、回転子4aの回転相対位置を検出することが可能となる。また、還流電流用ダイオードに電流が流れる時間の増減を検出することにより、モータ電流の乱れや負荷状態の変化を検出することも可能となる。
なお、U、V、Wの3つの端子に発生する電圧からブラシレスDCモータ4の運転状態を検出する構成としたが、回転子4aの位置検出やモータ電流の状態検出などが可能な手段であれば電流検出などの他の手段を用いた構成でも良い。
雑音判定部6は、回転子状態検出回路5から出力される信号をもとにして、回転子4aの相対位置に関する信号を阻害する雑音とその発生時間を検出し雑音の終了を判定する。例えば、回転子状態検出回路5が、前述のような3相巻線の各相の端子電圧と任意の基準電圧との比較から信号を出力する構成をとる場合、インバータ3のスイッチ素子3a〜3
fがoffした時に発生するスパイク電圧を検出し、その終了時点にスパイク電圧の発生時間とスパイク電圧が終了したという情報を信号判定部7に出力する。
信号判定部7は、雑音判定部6から雑音終了の情報をもとに、回転子状態検出回路5から出力される信号を区別して判定する。具体的には、雑音終了情報を受信した後に回転子状態検出回路5の出力信号が変化を検出して回転子4aの位置信号であると認識する。
波形発生部8は、信号判定部7が出力する雑音の終了情報と回転子4aの位置情報をもとに、ロジカルな信号変換を行い、インバータ3のスイッチ素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを駆動する信号を作り出す。ただし、一定時間経過しても雑音が終了しない場合には、位置情報に応じず、目標周波数やその時点の実周波数をもとに強制的に波形を出力する機能も波形発生部8は有している。また、位置情報に応じた運転中には、回転数を一定に保つためにPWM制御のデューティ制御や通電角の制御も行っている。回転位置に従って、ブラシレスDCモータ4の実回転数を検出し、目標回転数との比較を行いながら最適なデューティで運転させることができるため、最も効率的な運転が可能となる。この実回転数の検出は信号判定部7による位置信号の出力タイミングから一定時間カウントまたは周期測定などによって実現可能である。
ドライブ部9は、波形発生部8からの出力信号により、インバータ3のスイッチ素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを駆動する。この駆動によりインバータ3から最適な交流出力をブラシレスDCモータ4に印加することができるので回転子4aを回転させることができる。
マイクロコンピュータ10は前述の機能を実現する。これらの機能はマイクロコンピュータのプログラムによって実現可能である。
基準電位Gは本ブロック図中の電位の基準となる点で、整流ダイオード2dと電解コンデンサ2fの接続点にあたる。商用電源1が供給する電圧がAC100Vの場合、この基準電位Gと電解コンデンサ2e−整流ダイオード2cの接続点との間に280V程度の直流電圧を得ることができ、インバータ3に供給されることになる。
次に図1における動作について、図1、図2を用いて説明する。
図2は、本実施の形態1における波形発生部による駆動時の雑音判定部と信号判定部の動作を示した模式図である。
本図2は、波形発生部8による運転における、3相巻線のうちのU相に関わる2つのスイッチ素子3a、3bにドライブ部9が出力する信号波形と、U端子と基準電位G間の電位差を観測した電圧波形“U相電圧”と、その電圧と基準電圧との比較結果から回転子状態検出回路5が出力する信号波形“U5”とをa)からc)の運転状態に区別して示している。電圧波形“U相電圧”の左端に記されているPはインバータ3に供給される電圧(ポジティブ側の電位)を示しており商用電源1がAC100Vの場合280V程度の直流電圧に相当する。また、Nはインバータ3に供給される電圧の基準電位G(ネガティブ側の電位)を示しており0Vに相当する。本図において上から、a)は回転子状態検出回路5が位置信号を出力しているときの波形、b)は回転子状態検出回路5が位置信号を出力していないときの波形、c)は回転子4aがロック状態であるときの波形をそれぞれ示している。但しここでは、進角7.5°で運転しているときの波形をもとに説明するが、本実施例が進角を限定するわけではないことを補足しておく。また、進角とは、回転子4aの回転によって発生する逆起電圧に対する固定子4bに流れる電流の進み度合いを電気角で表したものである。なお、ここでは説明を簡易にするため代表してU相の説明だけに留
めるが、他の2相V相、W相についても全く同じ動作をする。また、ここでは、通電角150°の場合についてのみ説明し、150°以下の他の通電角についても同様なので省略する。
まず、これら3つの波形について説明する。第一に、ドライブ部10が出力する信号波形について説明する。スイッチ素子3a、3bともに電気角にして150°の間ON、210°の間offといった動作を繰り返す。本図では、スイッチ素子3aが150°導通、スイッチ素子3bが210°非導通となるタイミングを中心に信号波形が記されている。本図の中央付近で縦に描かれている二点鎖線は、スイッチ素子3aの導通期間の中央位置を示している。なお、この図はデューティ100%運転時の信号波形である。第二に、U相の電圧波形“U相電圧”について説明する。ここでは、便宜上図a)を用いて説明する。左の方には凸状、右の方には凹状の網掛部分があるが、これをスパイク電圧と呼ぶことにする。スパイク電圧は、スイッチ素子3a、3bがoffした直後に、固定子4b(U相巻線)に蓄えられたエネルギが還流用ダイオードを通して放出される間発生し、offする直前におけるU相巻線に流れていた電流とU相巻線のインダクタンス等によって発生時間が変化する。そのため、蓄えられていたエネルギによってはこのスパイク電圧の幅は大きくなったり小さくなったりして、場合によっては発生しない場合もある。スイッチ素子3b(ネガティブ側)がoffした時は還流ダイオードを通して電解コンデンサ2e側(ポジティブ側)に電流を回生させるため凸状になり、スイッチ素子3a(ポジティブ側)がoffした時は電解コンデンサ2f側(ネガティブ側)に電流を回生させるため凹状になる。また、左の方には右上がり状、右の方には右下がり状の太線破線部分があるが、これは回転子4aが回転することにより発生する逆起電圧がU相の電圧波形上に現れている部分である。逆起電圧は、3相巻線のU相、V相、W相のそれぞれについて現れるが、各相に接続されている2つのスイッチ素子がともにoff中であるときのみ現れる。つまりU相の場合、スイッチ素子3a、3bのどちらかがONすると電圧波形がP側、N側に張り付いてしまうため、両スイッチ素子がともにoffの時だけ現れる。そして、中央付近に横に描かれている点線は回転子状態検出回路5が3相巻線の電圧波形から信号を出力するために必要となる基準電圧である。この基準電圧を示す点線上にある丸印はスパイク電圧との交点を表し、同点線上にある米印は逆起電圧との交点を表している。第三に、回転子状態検出回路5が出力する信号“U5”について説明する。回転子状態検出回路5は、基準電圧とU相電圧波形とを比較して、U相電圧波形の方が小さい場合にはロウレベル信号(以降、L信号という)を出力し、逆に大きい場合はハイレベル信号(以降、H信号という)を出力する。波形上の丸印は、スパイク電圧終了時に出力された信号のエッジ部を示している。米印は、逆起電圧と基準電圧が同レベルになったときに出力された信号のエッジ部を示し、この米印部分のエッジが回転子4aの相対位置を表すことになる。
次に、各運転状態毎に描かれた図a)、b)を用いて雑音判定部6、信号判定部7、波形発生部8の動作について詳しく説明する。なお、図c)のロック状態については他の図を用いて後に説明するのでここでは割愛する。
図中a)は通常運転状態にあるときの波形を表した図である。図からも分かるようにスパイク電圧の幅が7.5°(22.5°未満)の場合、逆起電圧波形はスイッチ素子3a、3bのON動作前に現れ、なおかつ基準電圧と交差するので、相対位置(○印)も、スパイク電圧(雑音)の終了時点(*印)も共に検出可能となる。
波形発生部8による駆動中に、電流が十分低く安定した運転を行っている場合、通常状態a)の様な波形となっている。まず、雑音判定部6が、スイッチ素子3a、3bの両方offの期間(スイッチ素子3bがoffしてから3aがONするまでの間、もしくは、スイッチ素子3aがoffしてから3bがONするまでの間)回転子状態検出回路5からの信号を観測し、その信号レベルの変化点を検出することでスパイク電圧(雑音)終了時
点を認識する(図中○印)。次に、雑音判定部6から雑音終了の信号を入力した信号判定部7は、回転子状態検出回路5から出力される信号を観測しながら波形発生部8に雑音発生が終了したという情報を出力する。そして、回転子状態検出回路5が、逆起電圧と基準電圧が交差するポイントで信号のレベルを変化させた時点で、その変化を入力した信号判定部7は位置信号と判定して波形発生部8にその情報を出力する。その後、波形発生部8は、その位置信号をもとに進角が7.5°となるように波形を出力する。すなわち、信号判定部7が出力する位置信号を受け取った時点から電気角にして7.5°経過した時点で波形発生部8がドライブ部9に波形を出力する。さらに、波形発生部8は、信号判定部7から位置信号が出力される周期も観測し、目標の周期に合致するようにデューティや通電角を調整した上で波形を出力して、回転数が一定になるよう制御している。
図中b)は過負荷運転状態にあるときの波形を表した図である。図からも分かるようにスパイク電圧幅が22.5°(22.5°以上)の場合、逆起電圧波形はスイッチ素子3a、3bのON動作前に現れるものの、基準電圧とは交差しないので、相対位置の検出も、スパイク電圧の終了時点の検出もともにできない状態となる。
波形発生部8による駆動中に、負荷トルクが上昇してくると、モータ電流が増加し、スパイク電圧(雑音)の発生時間が拡大された過負荷状態b)の様な波形となっている。まず、雑音判定部6が、スイッチ素子3a、3bの両方offの期間(スイッチ素子3bがoffしてから3aがONするまでの間、もしくは、スイッチ素子3aがoffしてから3bがONするまでの間)回転子状態検出回路5からの信号を観測する。しかし、雑音が終了すると同時に逆起電圧が基準電圧のレベルに達しているため、回転子状態検出回路5が出力する信号レベルが変化せず、雑音判定部6は一向に雑音終了時点を検出することができない。また、雑音判定部6から雑音終了の信号を入力できないため、信号判定部7は回転子状態検出回路5から出力される信号の観測を開始できず、位置信号を検出できない。そして、信号判定部7から位置情報はおろか雑音終了情報も入力できない波形発生部8は、任意の時間以上情報が入力されないために、予め決定されている時間経過後に強制的に波形を出力する。この様にして、位置情報が無くても運転を継続し、トルクが低くなってくるとb)の右側波形のように位置検出可能な通常状態に変化する。例えば、ブラシレスDCモータ4が圧縮機を駆動するモータの場合、圧縮機の吸入行程から吐出行程に向かう間は負荷トルクが段々高くなっているが、逆に吐出行程から吸入行程に向かう間は負荷トルクが段々低くなっている。この様に負荷変動の有るシステムにおいては、b)左側のように雑音幅が大きくなる高負荷時だけ強制的に波形を発生させて運転を継続すれば、次第にb)右側の様な雑音幅の小さい波形に変化していく。言いかえると、圧縮機のようなシステムを運転する場合の波形がb)の様な波形となる。
以上の様に本発明にかかるブラシレスDCモータの駆動装置は、騒音・振動の低減の効果を発揮することが可能となるので、家庭用・産業用を問わずブラシレスDCモータを搭載したさまざまな用途にも適用できる。
3 インバータ
4 ブラシレスDCモータ
4a 回転子
4b 固定子
5 回転子状態検出回路

Claims (3)

  1. 永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータと、前記三相巻線に電力を供給するインバータと、三相巻線とつながる前記モータの回転子の位置を検出する回転子状態検出回路と、切替回路からの出力信号により、前記インバータのスイッチ素子を駆動するドライブ部とを有し、前記モータ電流のゼロクロスから前記回転子位置の推定を行なうブラシレスDCモータの制御装置。
  2. 回転子状態検出回路の情報を基に時間情報を取得する位相差取得部と、デューティーが低くない運転中の位相差を利用し、低デューティー時の電流ゼロクロス点から誘起電圧ゼロクロス点を推定する低デューティー運転時位置推定部とを有した請求項1に記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  3. デューティーや回転数から安定運転状態であることを検出し位相差取得部が取得を開始する請求項2に記載のブラシレスDCモータの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017108580A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 アイシン精機株式会社 モータ制御装置
CN112146253A (zh) * 2020-09-23 2020-12-29 海信(山东)空调有限公司 一种空调器及其压缩机控制方法

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