本発明の実施形態を図1ないし図28を参照しつつ説明する。図1には、本発明の加熱調理機の一例であるビルトインコンロ1を示した。このビルトインコンロ1は、キッチンユニット(図示せず)に組み込んで収容されるものである。ビルトインコンロ1は、横長のコンロ本体2を備え、このコンロ本体2の天板3上に、調理鍋等の被加熱対象物を加熱する左コンロ5と、右コンロ6と、奥コンロ7とがそれぞれ設けられている。さらにグリル部8が、コンロ本体2の中央に設けられており、グリル部8で発生する煙の排出孔9を天板3の後方に開口させている。そしてグリル部8の内部には、被調理物が載置される焼網を備えており、前記内部には、焼網の上方に上バーナが設けられ、焼網の下方に下バーナが設けられている。なおコンロ本体2は本発明の本体の一例である。
さらに、コンロ本体2の前面でグリル部8の左右両側に、グリル部8の燃焼量調整体11と、左コンロ5の燃焼量調整体12と、右コンロ6の燃焼量調整体13と、奥コンロ7の燃焼量調整体14と、主電源スイッチ15とを備えている。主電源スイッチ15は、押し込み操作することで、オン状態とオフ状態とに切り替えられる。本実施形態では、主電源スイッチ15がオン状態になると、図示しないコントローラが、各燃焼量調整体11〜14の操作に応じた信号を受け付け可能な状態に設定される。また、各燃焼量調整体11〜14は、回動操作可能で周知のプッシュプッシュ機構を有しており、押し込み操作によりコンロ本体2の前面から突出あるいはコンロ本体2内に収容自在に設けられており、使用しないときにはコンロ本体2内に押し込んで収容されている。各燃焼量調整体11〜14を押し込み操作により前記前面から突出させると、コントローラによって、点火対象となるバーナへの点火処理を実行する。本実施形態では、各燃焼量調整体11〜14を回動操作すると、前記コントローラによって、回動操作量に応じたガス量になるように、対象となるバーナへのガス供給量が調整される。
ビルトインコンロ1の内部には、各コンロ5〜7毎に、各コンロ5〜7に設けられるバーナへのガスの供給量を調整する第1ガス量調整ユニット18,18,18と、グリル部8の上バーナ及び下バーナへのガスの供給量を調整する第2ガス量調整ユニット19とが配設されている。図2に示すように各第1ガス量調整ユニット18は、第1火力調整機構20と、開閉機構21と、本発明の進退機構及び作動制御機構の一例であるスピンドル駆動機構22とを備えている。なお説明の便宜上、図2の左側は第1ガス量調整ユニット18の前側とし、図2の右側は第1ガス量調整ユニット18の後側とする。この第1火力調整機構20は、前後方向(図2の左右方向)に延びる金属製で略円筒形のハウジング24の内部に、ガス供給路25が両端を閉塞させて該前後方向に形成されている。このガス供給路25の前端側(図2の右側)の内部には、ガス供給路25の内径を拡大させることで内周段部26が形成されている。そしてガス供給路25の前端側は、ハウジング24の内部に形成されて該ハウジング24の下面に開口するガス受入路27と連通する。このガス受入路27は、後述するように、開閉機構21のガス出口路60と接続されている。一方、ガス供給路25の後端側(図2の左側)は、ハウジング24の内部に形成されて該ハウジング24の上面に開口するガス出口路28と連通している。このガス出口路28は、各コンロ5〜7に設けられるバーナと接続されている。またハウジング24の内部では、第2のスピンドル29が前後方向へ移動可能に支持されて、ガス供給路25内には、第2のスピンドル29の前方側が挿入されており、第2のスピンドル29の後方側をハウジング24の後端(図2の左側)から突出させている。第2のスピンドル29の先端部には、ガス供給路25の開度を調整するニードル弁30が連結されている。このニードル弁30の後端部(図2の左側)にはテーパ面が形成されており、第2のスピンドル29の前後方向への移動により、該テーパ面とガス供給路25の内面との間の隙間が変化することで、ガス供給路25の開度を調整できる。ガス供給路25内では、該ガス供給路25の前側閉塞面とニードル弁30との間にコイルばね31が嵌められている。このニードル弁30は、常態ではコイルばね31によって、内周段部26と当接する方向に付勢されている。これにより、常態ではガス供給路25が閉鎖されている。なお、ニードル弁30は本発明の開度調整弁の一例である。
また図2に示すように開閉機構21は、第1火力調整機構20のハウジング24よりも前後方向に長く延びる略円筒形のハウジング34を備えている。このハウジング34は、上下方向でハウジング24の下方に該ハウジング24と並設配置されて、該ハウジング24にネジ止めされている。ハウジング34の内部には、ガス供給路35が該ハウジング34の前後方向に形成されている。このガス供給路35の前端側(図2の右側)には、弁室36が設けられている。この弁室36の内部には、マグネット電磁弁37と電磁石38とが配設されている。このマグネット電磁弁37の一端には弁体39が設けられて、マグネット電磁弁37の他端には、電磁石38との吸着部40が設けられている。常態では弁体39は、コイルばね41の付勢力によって弁室36を閉鎖し、吸着部40は電磁石38の吸着面と対向配置されている。そして弁室36は、ハウジング34の内部に形成されて該ハウジング34の下面に開口するガス入口路42と連通する。このガス入口路42はガス供給管と接続されている。
さらにハウジング34の内部では、第1のスピンドル45が前後方向へ移動可能に支持されて、ガス供給路35内に第1のスピンドル45が挿入されており、第1のスピンドル45の後方側をハウジング34の後端(図2の左側)から突出させている。加えてガス供給路35の内部であって、マグネット電磁弁37の下流側で第1のスピンドル45の先端側に、開放部材46(図2参照。)が配設されている。この開放部材46は、マグネット電磁弁37を押し込んで弁室36を開放するために用いられる。開放部材46は、ガス供給路35内に前後方向に沿って配設固定された外筒体47と、第1のスピンドル45の進退移動に伴って外筒体47内を前記前後方向へ移動する内筒体48と、内筒体48から前進力が伝達される回転体49と、該前進力によってマグネット電磁弁37を押し込む押込部材50とを備えている。内筒体48は、常態ではコイルばね51によって、ガス供給路35の下流側(後退方向)に付勢されている。さらに内筒体48には、第1のスピンドル45の先端側が連結されている。また回転体49は、常態ではコイルばね52によって、内筒体48と当接するように前記後退方向に付勢されている。回転体49の中心部には、ガス供給路35の前後方向で該回転体49を貫通する貫通孔53が設けられている。回転体49におけるガス供給路35の上流側には、貫通孔53と連通する筒状空間54が突設されている。この筒状空間54には押込部材50が挿入されている。筒状空間54内で、回転体49と押込部材50との間には、押込部材50がマグネット電磁弁37を全開したときに、圧縮させられて余分なストロークを吸収する吸収ばね55が設けられている。
また、ガス供給路35内であって開放部材46の下流側では、第1のスピンドル45に、ガス供給路35の開閉弁58が摺動可能に設けられている。この開閉弁58は、常態ではコイルばね59の付勢力によってガス供給路35を閉弁している。さらに第1のスピンドル45には、開閉弁58をガス供給路35の上流側に押動させるための押動部材61(図16ないし図23参照。)が固定されている。本実施形態では、マグネット電磁弁37の開弁が完了して回転体49が後退した後に、押動部材61が開閉弁58を押動することで、ガス供給路35を開弁するようにしている。さらに、ガス供給路35の下流側は、ハウジング34の内部に形成されて該ハウジング34の上面に開口するガス出口路60と連通する。
図2ないし図5に示すようにスピンドル駆動機構22は、収容部材63と、第1のギヤカム部材64と、第2のギヤカム部材65と、第1の移動部材66と、第2の移動部材67とを備えている。収容部材63は、上下方向に長く後面(図2の左側)を開放させた箱状とされている。この収容部材63の前面下部には、収容部材63の内部と外部とを連通させる第1連通孔69が設けられ、収容部材63の前面上部には、前記内部と前記外部とを連通させる第2連通孔70が設けられている。図2に示すように収容部材63の前面には、第1火力調整機構20のハウジング24と、開閉機構21のハウジング34とが上下方向で並設固定される。この状態では、第1のスピンドル45の後方側が第1連通孔69に挿通されて収容部材63の内部に位置するように配置され、第2のスピンドル29の後方側が第2連通孔70に挿入されている。
さらに図2ないし図5に示すように収容部材63の内部には、上下方向で下側に第1のギヤカム部材64を、上側に第2のギヤカム部材65を回転可能に配置して、第1のギヤカム部材64と第2のギヤカム部材65とを噛合させている。図4及び図5に示すように、第1のギヤカム部材64の前面(図4の斜め手前側)には、該前面から突出して前後方向で第1のスピンドル45に向けて下り傾斜した第1傾斜面71を有する突出部72が設けられている。加えて第1傾斜面71の終端に、第1のギヤカム部材64の回転方向に沿って平坦な乗り上げ面73が形成されている。また図3ないし図5に示すように突出部72の後側(図5の斜め奥側)には、該突出部72の側方へ張り出す突部74が設けられている。この突部74は、第1のギヤカム部材64が原点位置にあることを検出するために用いられる。加えて、第1のギヤカム部材64の前面には、該前面から突出する筒部62を挟んで、前記突出部72に対向させて該前面から突出する傾斜案内部75が設けられている。この傾斜案内部75は、該傾斜案内部75の前後方向で第1のスピンドル45に向けて上り傾斜した第1傾斜案内面76を有している。一方図4に示すように、第2のギヤカム部材65の前面(図4の斜め奥側)には、該前面から突出して前後方向で第2のスピンドル29に向けて傾斜する第2傾斜面77を有する突出部78が設けられている。この第2傾斜面77は、第1のギヤカム部材64と第2のギヤカム部材65とが噛合して回転したときに、上下方向で第1傾斜面71と向かい合う位置で該第2のギヤカム部材65の前面に形成されている。さらに、第2のギヤカム部材65の前面には、該第2のギヤカム部材65の中心に設けた貫通孔を挟んで、前記突出部78に対向させて該前面から突出する傾斜案内部56が設けられている。この傾斜案内部56は、前記第2傾斜面77とは反対方向へ前後方向で第2のスピンドル29に向けて傾斜する第2傾斜案内面57を有している。
また図2に示すように収容部材63内では、第1のギヤカム部材64の前方(図2の右側)に、第1のスピンドル45が圧入された第1の移動部材66が配置されている。第1の移動部材66は、直立する円板状の本体79(図3参照。)を備え、本体79の後面(図3の斜め手前側)に、該後面から突出する突出部80(図3参照。)が設けられている。この突出部80には、第1のギヤカム部材64の第1傾斜面71とは反対方向へ該第1傾斜面71に対応して傾斜する第3傾斜面81(図3参照。)が形成されている。第3傾斜面81の終端には、本体79の周方向に沿って平坦な平坦面85(図3参照。)が形成されている。さらに、本体79の後面には、該後面から突出して第1のギヤカム部材64の筒部62に挿入される軸部23を挟み、前記突出部80に対向させて該後面から突出する突出部43が設けられている。この突出部43には、第1のギヤカム部材64の第1傾斜案内面76とは反対方向へ該第1傾斜案内面76に対応して傾斜する第5傾斜面44が形成されている。加えて本体79には、第1のスピンドル45の圧入穴82(図2及び図4参照。)を挟んで左右位置に該本体79を貫通する貫通孔83,83(図3及び図4参照。)が設けられている。各貫通孔83には、収容部材63の前面裏側から収容部材63の後部に向けて突設させた棒状部材84(図3参照。)が挿通されている。これにより、第1の移動部材66は、各棒状部材84に回り止めされて支持される。
一方、図2に示すように収容部材63内では、第2のギヤカム部材65の前方(図2の右側)に、第2の移動部材67が配置されている。第2の移動部材67は、直立する平板状の本体86(図3参照。)を備え、本体86の後面(図3の斜め手前側)に、該後面から突出する突出部87が設けられている。この突出部87には、第2のギヤカム部材65の第2傾斜面77とは反対方向へ該第2傾斜面77に対応して傾斜する第4傾斜面88(図3参照。)が形成されている。さらに、本体86の後面には、該本体86の中心に設けた貫通孔10を挟んで、前記突出部87に対向させて該後面から突出する突出部16が設けられている。この突出部16には、第2のギヤカム部材65の第2傾斜案内面57とは反対方向へ該第2傾斜案内面57に対応して傾斜する第6傾斜面17が形成されている。加えて本体86の前面(図2の右側)には、上下2段に該前面から突出する棒状の挿入部材89,89(図2、図4及び図5参照。)が設けられている。図2に示すように、一方の挿入部材89は、収容部材63の第2連通孔70に挿入される。他方の挿入部材89は、第2連通孔70の下方で収容部材63の内部と外部とを連通させるように設けた第3連通孔90に挿通される。このようにすることで、第2の移動部材67は、収容部材63に回り止めされて支持される。
そして図2及び図3に示すように収容部材63内の下部にはマイクロスイッチ92が配設されて、マイクロスイッチ92の検出片93(図5参照。)が、第1のギヤカム部材64の突部74の移動軌跡上に位置するようにした。本実施形態では、検出片83が突部74の隅角部に押し下げられてマイクロスイッチ92がオン状態になると、第1のギヤカム部材64が原点位置にあることを検出する。
図2及び図3に示すように、収容部材63の内部には、絶縁性の電気回路基板取付部材94(以下「取付部材94」という。)が第1のギヤカム部材64の後方(図2の左側)に配置されており、この取付部材94は収容部材63の内部に固定されている。取付部材94の表面には、ポジションセンサ95を実装した電気回路基板96がネジ止めされている。このポジションセンサ95は、後述するモータMの回転軸97の回転角度を検出するために用いられる。図2に示す回転軸97は、ポジションセンサ95の回転型可変抵抗器と同軸で連結され、取付部材94の貫通孔に挿通されて第1のギヤカム部材64と連結されている。本実施形態ではコントローラが、回転軸97の回転によって変化する回転型可変抵抗器の出力電圧に基づいて回転軸97の回転角度を検出するようにした。また図2ないし図4に示すように収容部材63には、その後面の開口を閉鎖する金属製の閉鎖板98がネジ止めされている。そしてモータMは、該モータMのケーシングの透孔と閉鎖板98の透孔とに挿通させたネジ部材を、収容部材63のネジ穴に螺着することで収容部材63に固定されている。この状態では、モータMの回転軸97は、閉鎖板98の貫通孔99から収容部材63内に突出する。なお閉鎖板98は、コンロ本体2の内部にネジ止め固定される。
また図6及び図7に示すように第2ガス量調整ユニット19は、第2火力調整機構101と、開閉機構21と、スピンドル駆動機構22とを備えている。なお説明の便宜上、図6及び図7の左側は第2ガス量調整ユニット19の前側とし、図6及び図7の右側は第2ガス量調整ユニット19の後側とする。なお、第2ガス量調整ユニット19が備える開閉機構21及びスピンドル駆動機構22は、第1ガス量調整ユニット18の開閉機構21及びスピンドル駆動機構22と同一の構成を有するためそれらの説明を省略する。第2火力調整機構101は、第1ボディ部材102と、該第1ボディ部材102が連結される第2ボディ部材103とを備えている。第1ボディ部材102は、前後方向(図6及び図7の左右方向)に延びる金属製のハウジング104を備えている。図7に示すようにハウジング104の内部下側に、主ガス流路105が該前後方向に形成されている。図9に示すように主ガス流路105の流出口106は、ハウジング104の前面に開口している。また図7に示すようにハウジング104内の後方上部にはガス圧室107が形成されており、ガス圧室107にガスガバナ108が設けられている。このガスガバナ108は、ガス圧室107をガス入口側とガス出口側とに仕切るダイヤフラム109と、ダイヤフラム109に連結されてガス圧室107内のガス流路の開度を調整可能なガバナ弁体110とを備えている。ガスガバナ108は、ガバナ弁体110が受けるガス入口側からのガス圧と、ダイヤフラム109が受けるガス出口側からのガス圧とが釣り合う位置までガバナ弁体110及びダイヤフラム109を動かしてガス圧を安定させている。図7に示すように、ガス圧室107のガス出口側は、前記主ガス流路105の流入口111と連通する。一方、ガス圧室107のガス入口側は、ハウジング104の内部に形成されて該ハウジングの下面に開口するガス受入路112と連通する。図7に示すように、ハウジング104を開閉機構21のハウジング34に固定することで、ガス受入路112は、開閉機構21のガス出口路60と接続されている。なお、ガスガバナ108は本発明の圧力調整手段の一例である。
図9に示すようにハウジング104内で主ガス流路105の上方位置には、該主ガス流路105と互いに平行に延びる第1分岐流路113及び第2分岐流路114が形成されている。この第1分岐流路113と第2分岐流路114とは、ハウジング104の左右方向で所定間隔をおいて並設されており、第1分離流路113の流出口115及び第2分岐流路114の流出口116は、主ガス流路105の流出口106の上方位置でハウジング104の前面に開口する。そして第1分岐流路113の流入口は、ニードルオリフィス119(図9参照。)を介して主ガス流路105の下流側と連通し、第2分岐流路114の流入口は、ニードルオリフィス120(図8参照。)を介して主ガス流路105の下流側と連通する。これにより、第1及び第2分岐流路113,114を、主ガス流路105から分岐させている。
図6ないし図9に示すように第2ボディ部材103は、第1ボディ部材102との略直交方向に延びる金属製で略直方体形状のハウジング121を備えている。図10では、左側をハウジング121の右側とし、右側をハウジング121の左側とする。図10に示すようにハウジング121は、該ハウジング121の後面に開口する第1凹部122と、第2凹部123と、第3凹部124とを備えている。第1凹部122は、ハウジング121の内部右上隅部からハウジング121の左右方向の中間部まで延びる第1水平凹部126と共に、内部右上隅部からハウジング121の上下方向の中間部まで延びる第1垂直凹部127を有するように形成されている。第2凹部123は、ハウジング121内で仕切壁を挟んで第1水平凹部126の下側で前記左右方向の中間部を越えて該左右方向に延びる第2水平凹部128と、前記中間部を越えた水平凹部128の端部に繋げて、該端部からハウジング121内で上下方向の上側へ延びる起立凹部129とを有するように形成されている。第3凹部124は、ハウジング121内で左上隅部と左下隅部との間に延びるように形成されている。
図9及び図11に示すようにハウジング121には、該ハウジング121の前面で左右方向に長い長穴状に開口する第4凹部132と、円状に開口する第5凹部133とが、前記左右方向で並設されている。また図10に示すように、ハウジング121の内部下側で第2凹部123と第3凹部124との間に、ハウジング121の前後方向(図7の前後方向)に延びる連通路135が形成されている。この連通路135は、ハウジング121の後面から外側へ突設させた筒部136(図10参照。)を備えており、筒部136の先端に流入口137を設けている。図7に示すように第1ボディ部材102と第2ボディ部材103と連結した状態では、図8に示す筒部136(流入口137)は、図9に示す主ガス流路105に挿入される。これにより、流入口137は主ガス流路105の流出口106と連通する。そして図7及び図11に示すように連通路135の流出口138は、第4凹部132内と連通している。さらに第1ボディ部材102と第2ボディ部材103と連結した状態では、図9に示す第1分岐流路113の流出口115は、図8に示す第2凹部123の起立凹部129と連通し、図9に示す第3分岐流路114の流出口116は、図8に示す第3凹部124と連通する。なお、連通路135の流入口137は本発明の連通路の一端の一例である。
また図10,図11及び図14に示すように、第2凹部123の第2水平凹部128の右端部と第4凹部132内とは、互いを貫通させる貫通孔139によって連通し、図11及び図13に示すように、第3凹部124と第4凹部132内とは、互いを貫通させる貫通孔140によって連通している。本実施形態では図11に示すように、両貫通孔139,140を、連通路135の流出口138を挟んでハウジング121の左右方向で所定間隔をおいて並設した。図6及び図9に示すようにハウジング121の前面には、パッキンを介して第4凹部132の開口を塞ぐように第1電磁弁141と第2電磁弁142とが並設してネジ止めされている。第1電磁弁141は、第4凹部132内で貫通孔139(図11参照。)を開閉するために用いられる。第1電磁弁141は、貫通孔139に対して進退自在な弁体を備えている。この弁体を貫通孔139の周囲に設けた弁座に当接又は離間させることで、貫通孔139が開閉される。第2電磁弁142は、第4凹部132内で貫通孔140を開閉するために用いられる。第2電磁弁142についても、第1電磁弁141と同様にして、貫通孔140を開閉する。
さらに図8及び図9に示すように、第2凹部123の第2水平凹部128(図8参照。)の左端部と、第5凹部133内(図9参照。)とは、互いを貫通させる貫通孔145(図9及び図10参照。)によって連通している。加えて図8、図10及び図11に示すように、第1凹部122の第1垂直凹部127(図8参照。)の下端部と、第5凹部133内(図11参照。)とは、互いを貫通させる貫通孔146(図10及び図11参照。)によって連通している。そして、図6及び図9に示すようにハウジング121の前面には、パッキンを介して第5凹部133の開口を塞ぐように第3電磁弁143がネジ止めされている。第3電磁弁143は、第5凹部133内で貫通孔146(図11参照。)を開閉するために用いられる。第3電磁弁143についても、第1及び第2電磁弁141,142と同様にして、貫通孔146を開閉する。
また図6に示すように、ハウジング121の左右方向(図6の上下方向、図6の下側がハウジング121の左側)の略中央部であって該ハウジング121の上面後側(図6の左側)に、第1ガス流出口150を開口させている。この第1ガス流出口150は、第1水平凹部126(図10参照。)におけるハウジング121の左右方向(図10の左右方向)中間部側の端部と連通している。これに加えて図6に示すように、ハウジング121の左右方向の左端部であって該ハウジング121の上面後側に、第2ガス流出口151を開口させている。これにより、第1ガス流出口150と第2ガス流出口151とが前記左右方向で並設されることになる。図10及び図13に示すように、第2ガス流出口151は第3凹部124内と連通している。本実施形態では、第1ガス流出口150は、グリル部8内の上バーナと接続され、第2ガス流出口151は、グリル部8内の下バーナと接続されている。
図7ないし図9に示すようにハウジング121には、パッキン153を介して第1ないし第3凹部122〜124を閉鎖する金属製の閉鎖板154がネジ止めされている。そして第1ボディ部材102のハウジング104は、ハウジング104のフランジ部に設けた透孔と、閉鎖板154及びパッキン153,155の透孔とに挿通させたネジ部材を、ハウジング121のネジ穴に螺着することでハウジング121に固定される。また閉塞板154及びパッキン153,155には、第1ボディ部材102の第1分岐流路113の流出口115や第2分岐流路114の流出口116と対応する位置に貫通孔が設けられている。これにより、流出口115を、ハウジング121の第2凹部123(図8参照。)に、流出口116を、ハウジング121の第3凹部124(図8参照。)に連通させることが可能になる。
上記のように構成された第2ボディ部材103には、以下に説明するように、グリル部8の上バーナへ供給する第1供給ガスのガス供給路(第1ガス供給路156、図15参照。)や下バーナへ供給する第2供給ガスのガス供給路(第2ガス供給路157、図15参照。)が形成される。後述するように第1供給ガスは、図7に示す第1ボディ部材102の主ガス流路105から連通路135の流入口137を通過し、連通路135内を流通して流出口138から第4凹部132内に流出する。第1供給ガス流路156は、第1流路R1と、第2流路R2と、第3流路R3と、第4流路R4と、第5流路R5と、第6流路R6と、第7流路R7とを備えている。第1流路R1(図14参照。)は、第4凹部132内に流出した第1供給ガスを、第1電磁弁141を介し、貫通孔139を通過させて連通路135の折り返し方向(ハウジング121の前側から後側に向かう方向)に導いて第2水平凹部128(第2凹部123、図10参照。)に流入させる流路である。本実施形態では図11に示すように、連通路135の流出口138を第4凹部132内と連通させたことで、この流出口138は、貫通孔139と連通することになる。なお、流出口138は本発明の連通路の他端の一例であり、貫通孔139は、第1ガス供給路の流入口の一例である。また第4凹部132は本発明の凹状空間の一例である。
第2流路R2(図10参照。図10の右側がハウジング121の左側)は、第2水平凹部128内の第1供給ガスを、該第2水平凹部128の左端部からハウジング121の左右方向で右側(第2水平凹部128の右端部)へ導く流路である。なお、第2水平凹部128の左端部は、本発明の第1流路の端部の一例であり、ハウジング121の左右方向の右側は、本発明の第1ガス供給路の流出口との離間方向の一例である。
続いて第3流路R3(図9参照。)は、第2水平凹部128(図10参照。)の右端部へ導いた第1供給ガスを、貫通孔145(図9及び図10参照。)を通過させて連通路135の折り返し方向とは逆方向(ハウジング121の後側から前側に向かう方向)に導いて第5凹部133内に流入させる流路である。
第4流路R4(図11参照。)は、第5凹部133内(図11参照。)の第1供給ガスを、第3電磁弁143を介し、貫通孔146(図11参照。)を通過させて連通路135の折り返し方向に導いて第1垂直凹部127(第1凹部122、図10参照。)内の下端部に流入させる流路である。第3電磁弁143を配置した第4流路R4は、第1電磁弁141を配置した第1流路R1よりも下流側であることから、第3電磁弁143は第1電磁弁141の下流側に配置されることになる。なお、第5凹部133内における貫通孔146の形成位置は本発明の第3流路の端部の一例である。
第5流路R5(図10参照。)は、第1垂直凹部127内の第1供給ガスを、第1垂直凹部127の形成方向に沿って該第1垂直凹部127の上端部へ導く流路である。なお、第1垂直凹部127内の下端部は、本発明の第4流路の端部の一例である。
第6流路R6(図10参照。)は、第1垂直凹部127内の上端部に到達した第1供給ガスを、第1水平凹部126(第1凹部122、図10参照。図10の左側がハウジング121の右側)の右端部からハウジング121の左右方向で左側に導いて、該第1水平凹部126と連通する第1ガス流出口150に向かわせる流路である。本実施形態では図10に示すように第6流路R6は、第2流路R2の上側で該第2流路R2と並設されている。
一方、後述するように第2供給ガスも第1供給ガスと同様に、図7に示す第1ボディ部材102の主ガス流路105から連通路135の流入口137を通過し、連通路135内を流通して流出口138から第4凹部132内に流出する。第2ガス供給路157は、第7流路R7と、第8流路R8とを備えている。第7流路R7(図11参照。)は、第4凹部132内に流出した第2供給ガスを、第2電磁弁142を介し、貫通孔140(図11参照。)を通過させて連通路135の折り返し方向に導いて第3凹部124(図10参照。)に流入させる流路である。本実施形態では図11に示すように、連通路135の流出口138を第4凹部132内と連通させたことで、この流出口138は、貫通孔140と連通することになる。なお、貫通孔140は本発明の第2ガス供給路の流入口の一例である。
第8流路R8(図10及び図13参照。)は、第3凹部124内の第2供給ガスを、該第3凹部124の上端部に導いて、該第3凹部124と連通する第2ガス流出口151に向かわせる流路である。本実施形態では図6に示すように、第2ガス供給路157の終端に当たる第2ガス流出口151と、第1ガス供給路156の終端に当たる第1ガス流出口150とを、ハウジング121の左右方向(図6の上下方向)に並設したことで、ハウジング121に、第1ガス供給路156の終端と第2ガス供給路157の終端とを並設した。なお、第4凹部132内における貫通孔140の形成位置は 本発明の第7流路の端部の一例である。また、第1ガス流出口150は本発明の第1ガス供給路の流出口の一例であり、第2ガス流出口151は本発明の第2ガス供給路の流出口の一例である。
さらに、ハウジング121(第2ボディ部材103)には、以下に説明するように、第1ボディ部材102の第1分岐流路113と連通する第1バイパス流路158(図15参照。)と、第1ボディ部材102の第2分岐流路114と連通する第2バイパス流路159(図15参照。)とが形成されている。第1バイパス流路158は、上述した第2ないし第6流路R2〜R6によって形成されている。よって、第1バイパス流路158を、第1電磁弁141が配置した第1流路R1を除く第2ないし第6流路R2〜R6で形成したことで、第1分岐流路113を流通する第1供給ガスを、第1電磁弁141をバイパスして第1ガス供給路156(第2ないし第6流路R2〜R6)に流通させることができる。一方、第2バイパス流路159は、上述した第8流路R8によって形成されている。よって、第2バイパス流路159を、第2電磁弁142を配置した第7流路R7を除く第8流路R8で形成したことで、第2分岐流路114を流通する第2供給ガスを、第2電磁弁142をバイパスして第2ガス供給路157(第8流路R8)に流通させることができる。
次に第1ガス量調整ユニット18及び第2ガス量調整ユニット19の動作を説明する。図16ないし図23には、第1ガス量調整ユニット18の動作を示した。図16ないし図23では、各ハウジング24,34及び収容部材63の断面を示す斜線の図示を省略した。ビルトインコンロ1の主電源スイッチ15(図1参照。)をオン状態にした後に、例えばコンロ本体2の前面から左コンロ5の燃焼量調整体12(図1参照。)を突出させると、コントローラが、第1ガス量調整ユニット18のモータMに通電させる。これにより、図16に示すモータMの回転軸97と連結された第1のギヤカム部材64を回転駆動させる。すると、図5に示す第1の移動部材66の第3傾斜面81が、回転する第1のギヤカム部材64の第1傾斜面71に当接して案内されると共に、第1の移動部材66の第5傾斜面44が、回転する第1のギヤカム部材64の第1傾斜案内面76に当接して案内される。これにより、第1の移動部材66が、第1のギヤカム部材64に均一に当接ししつつ、図16及び図17に示すように、第1の移動部材66と、これに圧入された第1のスピンドル45とが前進移動する。そして、ポジションセンサ95(図17参照。)によって検出されるモータMの回転軸97の回転角度が55°(図24参照。)になると、第1のスピンドル45に連結された内筒体48(図17参照。)が前進移動して、内筒体48の前進力が、回転体49と押込部材50とに伝達される。そして、押込部材50がマグネット電磁弁37の弁体39を押し込んで、弁室36を開放する。このとき図17に示すように、第1のスピンドル45は、弁体39を介してマグネット電磁弁37の吸着部40を電磁石38の吸着面まで前進させる。なお、図24中のMg弁はマグネット電磁弁37を意味する。
さらに、第1のギヤカム部材64が回転し、ポジションセンサ95によって検出される回転軸97の回転角度が85°(図24参照。)になると、図18に示すように、第1の移動部材66と共に前進した第1のスピンドル45は、コイルばね41の付勢力に抗し、弁体39を前進させる。このようにすることで、マグネット電磁弁37が全開になる。
図18に示すようにマグネット電磁弁37が全開した後に第1のギヤカム部材64が回転して、ポジションセンサ95によって検出される回転軸97の回転角度が105°(図24参照。)になると、図19に示すように、回転体49と押込部材50との間に設けた吸収ばね55が圧縮される。その後、第1の移動部材66と共に第1のスピンドル45が前進して、第1のスピンドル45に連結された内筒体48が、回転体49を前進させる。前進した回転体49は、内筒体48及び外筒体47に設けた傾斜面に案内されながら回転して後退する。これにより、押込部材50がマグネット電磁弁37の弁体39が離れたマグネット電磁弁37のロック解除状態になる。
さらに第1のギヤカム部材64が回転することで、図25に示すように、第1の移動部材66の第3傾斜面81が、回転する第1のギヤカム部材64の第1傾斜面71に当接して案内され、ポジションセンサ95によって検出される回転軸97の回転角度が145°(図24参照。)になると、図26に示すように、第1の移動部材66の第3傾斜面81が、第1のギヤカム部材64の第1傾斜面71から離れ、第3傾斜面81の終端に形成した平坦面85が、第1傾斜面71の終端に形成した乗り上げ面73に乗り上げる。このとき、図20に示す開閉弁58を開弁させる直前の状態から、第1のスピンドル45に設けた押動部材61(図20参照。)によって開閉弁58(図24中のMバルブ)を押動する結果、該開閉弁58を全開させて、ガス供給路35が開弁される。これにより、ガス供給管から開閉機構21のガス入口路42を通じて弁室36に供給されたガスが、ガス供給路35を通過して開閉機構21のガス出口部60に向けて流れる。なお、ガス供給路35は本発明の火力調整機構へのガスの供給路の一例である。
開閉弁58の全開状態では、図26に示すように、第1のギヤカム部材64と噛合して回転していた第2のギヤカム部材65の第2傾斜面77が、第2の移動部材67の第4傾斜面88と当接し始める。これと共に、第1のギヤカム部材64の乗り上げ面73(図27参照。)が第1の移動部材66の平坦面85(図27参照。)と当接しつつ第1のギヤカム部材64が回転駆動される。そして、図27に示すように、第2の移動部材67の第4傾斜面88が、回転する第2のギヤカム部材65の第2傾斜面77に当接して案内されると共に、第2の移動部材67の第6傾斜面17が、回転する第2のギヤカム部材65の第2傾斜案内面57に当接して案内されることで、第2の移動部材67が前進移動する。これにより図21に示すように、第2の移動部材67の挿入部材89が、第2のスピンドル29を前方へ押動し、第2のスピンドル29に連結されたニードル弁30を、コイルばね31の付勢力に抗して中間開度位置に移動させる。その際には、ガス出口路60を通過したガスは、第1火力調整機構20のガス受入路27、ガス供給路25を通過して、ガス出口路28から左コンロ5に設けられたバーナに供給される。このようにして、ポジションセンサ95によって検出される回転軸97の回転角度が195°(図24参照。)になると、図示しないイグナイタの放電によって、バーナに供給されたガスが着火して燃焼が開始される。このようにすることで、バーナの火力を中火に調整できる。前記回転角度が195°になると、コントローラはモータMへの通電を停止させ、第1及び第2の移動部材66,67の前進移動が完了する。
また、燃焼量調整体12を正方向に回動させた場合には、第1のギヤカム部材64の乗り上げ面73(図27参照。)が第1の移動部材66の平坦面85(図27参照。)と当接しつつ第1のギヤカム部材64が回転駆動される。これと共に、図27及び図28に示すように第2の移動部材67の第4傾斜面88が、回転する第2のギヤカム部材65の第2傾斜面77に当接して案内されることで、第2の移動部材67が前進移動する。その結果図22に示すように、第2の移動部材67の挿入部材89が、第2のスピンドル29を介してニードル弁30を、コイルばね31の付勢力に抗して最大開度位置側に移動させる。これにより、ポジションセンサ95によって検出される回転軸97の回転角度が255°(195°+60°、図24参照。)になると、バーナの火力を強火に調整できる。また、燃焼量調整体12を逆方向に回動させて、第1の移動部材66の第3傾斜面81が、逆回転する第1のギヤカム部材64の第1傾斜面71に当接して案内されることで、第1の移動部材66が後退する。これと共に、第2の移動部材67の第4傾斜面88が、逆回転する第2のギヤカム部材65の第2傾斜面77に当接して案内されることで、第2の移動部材67が後退して、コイルばね31の付勢力により第2のスピンドル29も後退する。これに伴って、ニードル弁30が最小開度位置側(図20参照。)に移動する。その結果、ポジションセンサ95によって検出される回転軸97の回転角度が145°(図24参照。)になって、バーナの火力を弱火に調整できる。本実施形態では、第2のスピンドル29の進退移動によって、ニードル弁30の開度位置を変化させると、ガス供給路25を通過するガス量を段階的に調整できる。
図23には、第1ガス量調整ユニット18の異常時の停止状態を示した。仮に開閉弁58の全開状態から電池切れ等によって電源異常が発生した場合でも、前記全開状態では、押込部材50がマグネット電磁弁37の弁体39から離れた状態になっている。このため、電源異常により、電磁石38に電流が供給されなくなることで、マグネット電磁弁37の吸着部40と電磁石38との吸着が解除されると、図23に示すように、マグネット電磁弁37を閉弁状態にして弁室36を閉鎖できる。よってガスが、弁室36からガス供給路35に流入することを阻止できる。また本実施形態では、マグネット電磁弁37が全開した後に開閉弁58を開弁するようにしたため、マグネット電磁弁37が全開する前に開閉弁38が開弁されてガス供給路35が開弁されることを防止できる。
ビルトインコンロ1の主電源スイッチ15をオフ状態にするか、燃焼量調整体12をコンロ本体2内に押し込んで収容すると、コントローラが、モータMへの通電方向を反転させ、モータMは第1のギヤカム部材64を逆回転駆動させる。これに伴って、第1の移動部材66の第3傾斜面81が、回転する第1のギヤカム部材64の第1傾斜面71に当接して案内されて、第1の移動部材66と、これに圧入された第1のスピンドル45とが後退する。すると、開閉弁58がガス供給路35を閉弁する。このとき、第1のスピンドル45に連結された内筒体48、回転体50も後退し、図16に示す第1ガス量調整ユニット18の停止位置に戻る。このとき図5に示すように、第1のギヤカム部材64の突部74でマイクロスイッチ92の検出片93が押し下げられることで該マイクロスイッチ92がオン状態になる。コントローラは、このオン状態を検出することで、第1のギヤカム部材64が原点位置に復帰したと判断する。
第1のギヤカム部材64が逆回転駆動すると、第1のギヤカム部材64と噛合して第2のギヤカム部材65も逆回転する。すると、第2の移動部材67の第4傾斜面88が回転する第2のギヤカム部材65の第2傾斜面77に当接して案内されて、第2の移動部材67が後退する。これに伴って、第2のスピンドル29が後退することで、第2のスピンドル29に連結されたニードル弁30を、最小開度位置側に移動させる。
なお、ここでは左コンロ5の燃焼量調整体12を回動操作した際のバーナの火力調整の例を説明したが、右コンロ6の燃焼量調整体13の回動操作や、奥コンロ7の燃焼量調整体14の回動操作の際にも、燃焼量調整体12を回動操作した際と同様に、右コンロ6のバーナや、奥コンロ7のバーナの火力調整が可能である。
一方、図7に示す第2ガス量調整ユニット19では、例えば図21の第1ガス量調整ユニット18の動作例で示した場合と同様に、ガス供給路35が開弁されると、ガス供給管から供給されたガスが、第1供給ガス及び第2供給ガスとして、開閉機構21のガス出口路60、第2火力調整機構101のガス受入路112を通過して、ガス圧室107に向けて流れる。第1及び第2供給ガスは、ガス圧室107内のガスガバナ108によってガス圧を安定させた後に、主ガス流路105に向けて流れる。その後、第1及び第2供給ガスは、主ガス流路105を通過した後に連通路135内を流れ、第4凹部132内に流出する。これに加えて第1供給ガスは、ニードルオリフィス119(図9及び図15参照。)を介して主ガス流路105と連通する第1分岐流路113内(図9及び図15参照。)を流れる。さらに、第2供給ガスは、ニードルオリフィス120(図8及び図15参照。)を介して主ガス流路105と連通する第2分岐流路114内(図9及び図15参照。)を流れる。
例えばコンロ本体2の正面からグリル部8の燃焼量調整体11(図1参照。)を突出させると、コントローラからの指令によって第1電磁弁141及び第3電磁弁143(図9及び図15参照。)が開弁する。これにより第1供給ガスは、第4凹部132内から第1ないし第6流路R1〜R6によって第1ガス流出口150(図9参照。)に導かれる。これに加えて、燃焼量調整体11を前記正面から突出させると、ニードルオリフィス119(図9及び図15参照。)を介し、第1分岐流路113内を流通した第1供給ガスは、第1電磁弁141をバイパスし、第1バイパス流路158(第2ないし第6流路R2〜R6、図15参照。)を流通して第1ガス流出口150に導かれる。第1ガス流出口150から上バーナに供給された各第1供給ガスに着火することで、上バーナの火力を強火に調整できる。
さらに、上記のように燃焼量調整体11をコンロ本体2の正面から突出させると、コントローラからの指令によって第2電磁弁142(図9及び図15参照。)を開弁する。これにより、第2供給ガスは、第4凹部132内から第7及び第8流路R7,R8(図10及び図11参照。)によって第2ガス流出口151(図11参照。)に導かれる。これに加えて、ニードルオリフィス120を介し、第2分岐流路114内を流通した第2供給ガスは、第2電磁弁142(図9及び図15参照。)をバイパスし、第2バイパス流路159(第8流路R8、図15参照。)を流通して第2ガス流出口151に導かれる。第2ガス流出口151から下バーナに供給された各第2供給ガスに着火することで、下バーナの火力を強火に調整できる。
一方、燃焼量調整体11を上バーナ及び下バーナの弱火位置まで回動操作すると、コントローラからの指令によって第1電磁弁141を閉弁し第3電磁弁143が開弁する。これにより、前記弱火位置では、燃焼量調整体11をコンロ本体2の正面から突出させた場合(上バーナの強火位置)よりも第1ガス流出口150に導く第1供給ガスのガス量を減少させることができる。この第1供給ガスを上バーナに供給し、該第1供給ガスに着火することで、上バーナの火力を弱火に調整できる。
さらに、上記のように燃焼量調整体11を前記弱火位置まで回動操作すると、コントローラからの指令によって第2電磁弁142を閉弁する。これにより、前記弱火位置では、燃焼量調整体11を前記前面から突出させた場合(下バーナの強火位置)よりも第2ガス流出口151に導く第2供給ガスのガス量を減少させることができる。この第2供給ガスを下バーナに供給し、該第2供給ガスに着火することで、下バーナの火力を弱火に調整できる。
続いて上バーナ及び下バーナの火力を弱火から強火に調整する場合には、燃焼量調整体11を強火位置まで回動操作する。すると、燃焼量調整体11をコンロ本体2の正面から突出させた場合と同様にして、上バーナ及び下バーナの火力が強火に調整される。
また、燃焼調整体11をダッチオーブン容器を使用した調理に適する調理モード設定位置まで回動操作すると、下バーナについては、燃焼量調整体11を前記弱火位置まで回動操作した場合と同様にして、下バーナの火力を弱火に調整する。一方、上バーナについては、焼量調整体11を前記弱火位置まで回動操作した場合と同様にして、上バーナの火力を弱火に調整した後に、所定の時間が経過するとコントローラからの指令によって第3電磁弁143(図9及び図15参照。)を閉弁する。これにより、第3電磁弁143が第1ガス供給路156(第4流路R4、図11及び図15参照。)を閉鎖する。その結果、上バーナへの第1供給ガスの供給を停止して、上バーナを瞬時に消火できる。
そして、上バーナ及び下バーナを消火する場合には、燃焼量調整体11をコンロ本体2内に押し込んで収容する。すると、コントローラからの指令によって、第1ないし第3電磁弁141〜143を閉弁する。これにより、第1ガス供給路156及び第2ガス供給路157を閉鎖して、上バーナへの第1供給ガスの供給を停止すると共に、下バーナへの第2供給ガスの供給を停止する。その結果、上バーナ及び下バーナを消火できる。
<本実施形態の効果>
本実施形態のビルトインコンロ1では、単一のモータMを用いてスピンドル駆動機構22を駆動させて、第1のスピンドル45と第2のスピンドル29とを進退移動させるだけで、図2に示す開閉機構21のガス供給路35の開閉と、第1火力調整機構20のガス供給路25の開度調整との双方を行うことができる。よって、ガス供給路35の開閉とガス供給路25の開度調整との双方を行うための機構が簡単になる。
また、第1のギヤカム部材64と第1の移動部材66とを用いると、第1のギヤカム部材64と連結されたモータMの回転力を、第1のスピンドル45を前進移動させる力に簡単に変換できる。また、第1及び第2のギヤカム部材64,65と第2の移動部材67とを用いると、モータMの回転力を、第2のスピンドル29を前進移動させる力に簡単に変換できる。
さらに、モータMの回転軸97の回転角度を検出するポジションセンサ95を備えたことで、ポジションセンサ95が有する回転型可変抵抗器の出力電圧に基づいて、回転軸97の回転角度を確実に把握できる。
加えて、第1のギヤカム部材64の突部74がマイクロスイッチ92の検出片93を押し下げるだけの簡単な構成で、第1のギヤカム部材64が原点位置にあることを確実に検出できる。
さらに加えて、収容部材63の周辺に、モータM、ポジションセンサ95及びマイクロスイッチ92を集約して配置できるため、モータM等の配置スペースを削減することが可能になる。
本実施形態のビルトインコンロ1では、スピンドル駆動機構22を設けたことで、モータMが、図3に示す開閉機構21のガス供給路35を開放した後に、第1火力調整機構20のガス供給路25の開度調整を行うことができる。よってモータMが、ガス供給路35の開放と、前記開度調整とを同時に行うことを回避できる。これにより、モータMの駆動負荷を軽減することが可能になる。
また、第1のスピンドル45を前進移動させて開閉機構21のガス供給路35を開放する際には、モータMは、第1火力調整機構20のガス供給路25の開度を調整するために第2のスピンドル29を前進移動させる力を負担する必要がない。これに伴って、モータMの駆動負荷を軽減できる。
さらに第1の移動部材66の平坦面85(図27参照。)が、第1のギヤカム部材64の乗り上げ面73(図27参照。)に乗り上げた状態では、モータMは、第1の移動部材66で第1のスピンドル45を前進移動させる力を必要としない一方で、第2の移動部材67を、その第4傾斜面88を第2のギヤカム部材65の第2傾斜面77と当接させながら前進移動させて、第2の移動部材67の挿入部材89で第2のスピンドル29を前進移動させる力を発揮することが可能になる。
本実施形態のビルトインコンロ1では、第2ボディ部材103に、第1ガス供給路156の流入口に当たる貫通孔139(図11参照。)と、第2ガス供給路157の流入口に当たる貫通孔140(図11参照。)とを並設したことで、第1ガス供給路156を開閉する第1電磁弁141(図9参照。)と、第2ガス供給路157を開閉する第2電磁弁142(図9参照。)とを並設することが可能になる。これにより、第1及び第2ガス供給路156,157や第1及び第2電磁弁141,142を集約できるため、これらを備える第2火力調整機構101の小型化が可能になる。
また、ガスガバナ108によって圧力を安定させた第1及び第2供給ガスを、第1ボディ部材102の主ガス流路105を通過させた後に、第2ボディ部材103の連通路135の流出口138から第1ガス供給路156及び第2ガス供給路157に導くことが可能になる。
さらに、第1分岐流路113を流通した第1供給ガスも、第1電磁弁141をバイパスする第1バイパス流路158によって第1ガス供給路156に流通させることができるため、第1電磁弁141を開弁したときと閉弁したときとでは、第1ガス供給路156に流通するガス量を変化させることができる。これにより、上バーナへ供給するガス量も変化するため、上バーナの火力調整が可能になる。
加えて、第2分岐流路114を流通した第2供給ガスも、第2電磁弁142をバイパスする第2バイパス流路159によって第2ガス供給路157に流通させることができるため、第2電磁弁142を開弁したときと閉弁したときとでは、第2ガス供給路157に流通するガス量を変化させることができる。これにより、下バーナへ供給するガス量も変化するため、下バーナの火力調整が可能になる。
また、第3電磁弁143(図15参照。)の上流側で第1電磁弁141(図15参照。)により第1ガス供給路156が開放されていても、第3電磁弁143で第1ガス供給路156を閉鎖することで、グリル部8の上バーナへの第1供給ガスの流通を阻止できる。これにより第2火力調整機構101は、上バーナだけを消火して、下バーナを点火する操作が可能になる。
さらに、第2ボディ部材103に、第1ガス供給路156を、第1ないし第6流路R1〜R6に沿って立体的に形成できる。これに加えて、第2ボディ部材103に、第2ガス供給路157を、第7及び第8流路R7,R8に沿って立体的に形成できる。よって、第2ボディ部材103に第1ガス供給路156や第2ガス供給路157を平面的に形成する場合と比較して、第2ボディ部材103を小型化することが可能になる。
さらに加えて、第1ガス供給路156の流入口に当たる貫通孔139(図11参照。)と、第2ガス供給路157の流入口に当たる貫通孔140(図11参照。)とを、連通路135の流出口138を挟んで第2ボディ部材103の左右方向で集約して配置できるため、両貫通孔139,140を備える第2ボディ部材103の左右方向の寸法を抑えることが可能になる。
また図10に示すように、第2流路R2と第6流路R6とを、第2ボディ部材103の上下方向で集約して配置できるため、両流路R2,R6を備える第2ボディ部材103の上下方向の寸法を抑えることが可能になる。
さらに、第1分岐流路113を流通した第1供給ガスは、第1電磁弁141が配置した第1流路R1を除く第2ないし第6流路R2〜R6によって、第1ガス流出口150(図9参照。)に導かれる。よって、前記第1供給ガスを、第1電磁弁141をバイパスして第1ガス流出口150に導くことが可能になる。また、第2分岐流路114を流通した第2供給ガスは、第2電磁弁142を配置した第7流路R7を除く第8流路R8によって、第2ガス流出口151(図19参照。)に導かれる。よって、前記第2供給ガスを、第2電磁弁142をバイパスして第2ガス流出口151に導くことが可能になる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施できる。上述した実施形態では、第1のスピンドル45を第1の移動部材66に圧入することで、第1の移動部材66と共に第1のスピンドル45が前進移動するようにしたが、これに限らない。例えば第1の移動部材66に、第2の移動部材67と同様に挿入部材89を設けて、この挿入部材89で第1のスピンドル45を前方へ押動させてもよい。
また、上述した実施形態とは異なり押込部材50(図2参照。)の後端(図2の左側)を、回転体49の貫通孔53に挿通させて、この後端に周設した係止爪部を、常態では貫通孔53の周囲で回転体49に係止させた上で、回転体49と当該押込部材50との間に吸収ばね55を設けた構成を採用してもよい。この場合には、外筒体47に係止されて該外筒体47内を前後方向へ移動可能な金属製の板状部材を、該回転体49と係止爪部との間に配置してもよい。板状部材を配置せずに、マグネット電磁弁37のロック解除状態になるときに、回転体49が回転しながら係止爪部側へ後退することで、回転体49の回転力が係止爪部に作用することになる。このような場合には、該回転力で係止爪部が削られるという不都合が生じることが考えられる。これに対し、前記板状部材を用いることで、マグネット電磁弁37のロック解除状態になるときに、当該回転体49が回転しながら係止爪部側へ後退しても、当該回転体49の回転力が係止爪部に作用することがない。よって、当該回転力で係止爪部が削られることを防止できる。
さらに、上述した実施形態とは異なり、第1ガス供給路156(第1ないし第6流路R1〜R6)には、第3電磁弁143を配置せずに第1電磁弁141のみを配置して、この第1電磁弁141で第1ガス供給路156の開閉を行ってもよい。加えて、上述した実施形態とは異なり図14及び図29に示すように第1ガス供給路156を、第4凹部132内(図14参照。)に流出した第1供給ガスを、第1電磁弁141を介し、連通路135の折り返し方向(ハウジング121の前側から後側に向かう方向)に導く流路R1(本発明の折り返し流路、図14参照。)と、第2ボディ部材103内(図29参照。)で、この流路R1の端部から第1ガス流出口150へ向けて上方へ該第1供給ガスを導く誘導流路R9(図29参照。)とを備えるものとしてもよい。このようにすることで、第2ボディ部材103に、第1ガス供給路156を、2つの流路R1,R9に沿って立体的に形成できる。よって、第2ボディ部材103に第1ガス供給路156を平面的に形成する場合と比較して、第2ボディ部材103を小型化することが可能になる。さらに加えて本発明をビルトインコンロに限らずテーブルコンロに適用してもよい。