JP6132681B2 - 自硬性鋳型造型用組成物とその製造方法、及び鋳型の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自硬性鋳型造型用組成物とその製造方法、及び鋳型の製造方法に関する。
鋳物を製造するには鋳型が必要である。鋳型には普通鋳型と特殊鋳型とがあり、普通鋳型には生型と乾燥型がある。一方、特殊鋳型には熱硬化鋳型、自硬性鋳型、ガス硬化鋳型がある。例えば、鋳物を大量生産する場合にはベントナイト系の生型が、中子用には熱硬化鋳型のシェルモールドが一般的に採用されている。また、多品種少量生産用には自硬性鋳型やガス硬化鋳型が主に適用されている。
また、鋳型には鋳物の形状に対応した大小様々な形状のものが求められる。熱硬化鋳型は小型の鋳型には好適であるが、大型の鋳型には不向きであった。一方、自硬性鋳型やガス硬化鋳型は、小型の鋳型にも大型の鋳型にも好適である。
鋳型の材料には珪砂などの耐火性粒状材料が用いられるが、耐火性粒状材料だけでは乾燥すると崩れやすいため粘結剤を加えて崩れにくくしている。
普通鋳型にはベントナイトなどの粘土が粘結剤として用いられる。一方、特殊鋳型にはフェノール樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂などの有機系粘結剤や、水ガラスなどの無機系粘結剤が用いられる。例えば、耐火性粒状材料と、無機系粘結剤として水ガラスと、硬化剤として非晶質シリカとを含む熱硬化鋳型用の成形材料混合物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
各種方法により製造した鋳型には、鉄、銅、アルミニウム等の金属を高温で溶かした液体が注湯され、鋳物が得られる。鋳物は、鋳型を解体して取り出される。また、解体した鋳型から耐火性粒状材料を再生し、鋳型の製造に再利用するのが一般的である。
有機系粘結剤を用いた鋳型は、解体時の崩壊性に優れる。しかし、注湯時に有機系粘結剤が熱分解してガス(熱分解ガス)が発生しやすく、作業環境が悪化しやすい。
一方、無機系粘結剤を用いた鋳型は、無機系粘結剤が熱分解しにくいため注湯時に熱分解ガスが発生しにくいものの、注湯時の熱でガラス化しやすかった。ガラス化すると粘結力が強くなりすぎるため、鋳造後に鋳型を解体しにくくなり(例えば、非特許文献1参照)、解体時に粉塵が発生しやすい。また、耐火性粒状材料を再生するには耐火性粒状材料に付着した粘結剤を剥がす必要があるが、ガラス化していると粘結剤が剥がれにくいため、表面を破砕して耐火性粒状材料を再生しなければならない。鋳型の解体時や耐火性粒状材料の表面を破砕する際に発生する粉塵は、作業環境の悪化の原因となる。また、粉塵はゴミとして廃棄されるため、廃棄量が増える。
無機系粘結剤を用いた鋳型の崩壊性を改善する方法として、無機系粘結剤(水ガラス)と有機系粘結剤とを併用したり(例えば、特許文献2参照)、糖類や木粉等を添加したりして、粘結力を弱める方法が提案されている。
特表2011−500330号公報 特開昭64−22446号公報
「鋳型造型法」、第4版、社団法人日本鋳造技術協会、平成8年11月18日、第184−188頁
しかしながら、特許文献2に記載のように水ガラスと有機系粘結剤とを併用したり、糖類や木粉等を添加したりして粘結力を弱める方法では、鋳型そのものの強度が低下してしまう。しかも、鋳造後の鋳型の崩壊性を充分に改善するには至っていない。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、鋳造時までは充分な強度を維持しつつ、かつ鋳造後の崩壊性に優れ、鋳造時や解体時における作業環境が良好な鋳型を得ることが可能な自硬性鋳型造型用組成物とその製造方法、及び鋳型の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]耐火性粒状材料と、硫酸、キシレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びメタンスルホン酸からなる群から選択される1種以上と、有機エステルと、水ガラスとを混合した、自硬性鋳型造型用組成物。
[2]耐火性粒状材料100質量部に対して、水ガラスを1〜8質量部配合した、[1]に記載の自硬性鋳型造型用組成物。
[3]水ガラス100質量部に対して、硫酸、キシレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びメタンスルホン酸からなる群から選択される1種以上を無水物換算で0.75〜15質量部配合した、[1]または[2]に記載の自硬性鋳型造型用組成物。
[4]水ガラス100質量部に対して、有機エステルを10〜20質量部配合した、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の自硬性鋳型造型用組成物。
[5]耐火性粒状材料と、硫酸、キシレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びメタンスルホン酸からなる群から選択される1種以上と、有機エステルとを混合して混合物を調製した後に、該混合物と水ガラスとを混合する、自硬性鋳型造型用組成物の製造方法。
[6][1]〜[4]のいずれか一項に記載の自硬性鋳型造型用組成物を鋳型製造用の型に充填し、前記自硬性鋳型造型用組成物を硬化させる、鋳型の製造方法。
[7][1]〜[4]のいずれか一項に記載の自硬性鋳型造型用組成物を鋳型製造用の型に充填し、炭酸ガスを通気させて前記自硬性鋳型造型用組成物を硬化させる、鋳型の製造方法。
本発明によれば、鋳造時までは充分な強度を維持しつつ、かつ鋳造後の崩壊性に優れ、鋳造時や解体時における作業環境が良好な鋳型を得ることが可能な自硬性鋳型造型用組成物とその製造方法、及び鋳型の製造方法を提供できる。
「自硬性鋳型造型用組成物」
本発明の自硬性鋳型造型用組成物(以下、「鋳型用組成物」ともいう。)は、耐火性粒状材料(以下、「(A)成分」ともいう。)と、硫酸及びスルホン酸類からなる群から選択される1種以上(以下、「(B)成分」ともいう。)と、有機エステル(以下、「(C)成分」ともいう。)と、水ガラス(以下、「(D)成分」ともいう。)とを混合したものである。
なお、以下の明細書において、「鋳型」とは、本発明の自硬性鋳型造型用組成物を用いて造型してなるものである。また、「鋳型の強度」とは、鋳型を造型してから鋳造までの鋳型の強度のことである。また、「自硬性鋳型造型用組成物」とは、外部からの加熱や炭酸ガスの通気などを行わなくても常温で硬化する性質を有する組成物のことである。
<(A)成分>
(A)成分は耐火性粒状材料である。
耐火性粒状材料としては、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用できる。また、耐火性粒状材料として、使用済みの耐火性粒状材料を回収したものや再生処理をしたものなども使用できる。
<(B)成分>
(B)成分は、硫酸及びスルホン酸類からなる群から選択される1種以上である。(B)成分は(D)成分の硬化剤の役割を果たす。
スルホン酸類としては、キシレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分としては、硬化剤としての性能に優れ、しかもコストが安い点で、硫酸が好ましい。
(D)成分100質量部に対して、無水物換算の(B)成分の配合量は0.75〜15質量部であることが好ましく、1.8〜9.4質量部であることがより好ましい。無水物換算の(B)成分の配合量が0.75質量部以上であれば、鋳造後の鋳型の崩壊性がより優れる。一方、無水物換算の(B)成分の配合量が15質量部以下であれば、鋳型の強度がより高まる。
<(C)成分>
(C)成分は有機エステルである。(C)成分は(D)成分の硬化剤の役割を果たす。
有機エステルとしては、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセテート、モノアセチン、ジアセチン、トリアセチンなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)成分100質量部に対して、(C)成分の配合量は10〜20質量部であることが好ましく、12〜17質量部であることがより好ましい。(C)成分の配合量が10質量部以上であれば、鋳型を造型する際に鋳型用組成物が充分に硬化する。ただし、(C)成分の配合量が多すぎると、鋳型の強度が低下する傾向にある。これは、過剰分の(C)成分が溶剤的に挙動するためであると考えられる。(C)成分の配合量が20質量部以下であれば、鋳型の強度を維持できる。
また、無水物換算の(B)成分と、(C)成分との配合比((B)成分:(C)成分)は0.75:20〜15:10であることが好ましく、0.75:16〜15:14であることがより好ましい。(B)成分の比率が充分であれば、鋳造後の鋳型の崩壊性が良好となる。一方、(C)成分の比率が充分であれば、鋳型用組成物の硬化性および鋳型の強度が良好となる。
<(D)成分>
(D)成分は水ガラスである。(D)成分は無機系粘結剤の役割を果たす。
水ガラスとしては特に限定されず、非特許文献1等に開示されている従来公知のものを使用できる。例えば珪酸ナトリウム(具体的にはJIS K 1408:1966に記載されている1号、2号、3号やメタ珪酸ナトリウム(1種、2種))、珪酸カリウムや、これらの混合物を用いることができる。
また、水ガラスとしては、SiOとM(M=KOまたはNaO)のモル比(SiO/M)が1.6〜4.0である水ガラスを用いることが好ましく、モル比が2.1〜2.6である水ガラスを用いることがより好ましく、モル比が2.15〜2.5である水ガラスを用いることがさらに好ましい。モル比が小さくなると、鋳型用組成物の硬化速度が遅くなり、接着強度が高くなる傾向にある。逆に、モル比が大きくなると、鋳型用組成物の硬化速度が速くなり、接着強度が低くなる傾向にある。
水ガラスの20℃におけるボーメ度は30〜60であることが好ましく、45〜55であることがより好ましい。水ガラスのボーメ度が小さくなると、粘性が下がり、鋳型用組成物の流動性が向上する一方で、接着強度が低下する傾向にある。逆に、水ガラスのボーメ度が大きくなると、粘性が上がり、鋳型用組成物の流動性が低下する一方で、接着強度が高まる傾向にある。
(A)成分100質量部に対して、(D)成分の配合量は1〜8質量部であることが好ましく、3〜5質量部であることがより好ましく、3〜4質量部であることがさらに好ましい。(D)成分の配合量が1質量部以上であれば、鋳型を造型する際に鋳型用組成物が充分に硬化する。一方、(D)成分の配合量が8質量部以下であれば、注湯時にガラス化するのをより抑制でき、鋳造後の鋳型の崩壊性を良好に維持できる。また、より経済的なコストで鋳型を造型できる。
また、無水物換算の(B)成分および(C)成分の配合量の合計と、(D)成分との配合比((B)成分+(C)成分:(D)成分)は10.75:8〜35:1であることが好ましく、10.75:4〜35:3であることがより好ましい。(B)成分+(C)成分の比率が充分であれば、充分に硬化した鋳型が得られる。ただし、(B)成分+(C)成分の比率が過剰であっても鋳型の強度は頭打ちとなるため、コストを高めるだけである。特に、(C)成分の比率が多いと、かえって鋳型の強度を低下させる傾向にある。
<自硬性鋳型造型用組成物の製造方法>
本発明の鋳型用組成物は、上述した(A)〜(D)成分を混合することで得られる。混合の順序は、(B)〜(D)成分のいずれかを最後に混合するのが好ましく、(D)成分を最後に混合する、すなわち(A)〜(C)成分を混合して混合物を調製した後に、該混合物と(D)成分とを混合するのが特に好ましい。
なお、(A)〜(D)成分のうち、(A)成分を最後に混合すると、すなわち(B)〜(D)成分を混合した後で(A)成分を混合すると、(A)成分を混合する前に硬化が開始してしまい、(A)成分が均一に混ざりにくくなる。
(D)成分を最後に混合する場合、混合物と(D)成分との混合のタイミングは、鋳型を造型する直前が好ましい。一方、(A)〜(C)成分の混合の順序は特に制限されず、例えば以下の順序が挙げられる。
・(A)成分に(B)成分を添加し均一に混練した後、(C)成分を添加し全体が均一になるように混練して混合物を調製する。
・(A)成分に(C)成分を添加し均一に混練した後、(B)成分を添加し全体が均一になるように混練して混合物を調製する。
・(A)成分に(B)成分と(C)成分とを同時に添加し、全体が均一になるように混練して混合物を調製する。
・(B)成分と(C)成分とを混合した後で(A)成分を添加し全体が均一になるように混練して混合物を調製する。
なお、(B)成分または(C)成分を最後に混合する場合、(B)成分が最後でもよいし、(C)成分が最後でもよい。その理由は以下のように考えられる。
(B)成分または(C)成分を最後に混合する場合は、(D)成分が(A)成分および2種類の硬化剤((B)成分、(C)成分)の一方と混合している状態で、残りの硬化剤を混合することになる。(B)成分の方が(C)成分よりも(D)成分を硬化させる速度が速いため、(B)成分と(C)成分の混合順序が異なる程度の時間差は、(D)成分の硬化に影響しにくい。
<作用効果>
本発明によれば、自硬性鋳型造型用組成物において、粘結剤として無機系粘結剤である(D)成分(水ガラス)を用い、かつその硬化剤として(B)成分(硫酸及びスルホン酸類からなる群から選択される1種以上)と(C)成分(有機エステル)とを併用する。よって、本発明の自硬性鋳型造型用組成物は、鋳造時までは充分な強度を維持しつつ、かつ鋳造後の崩壊性に優れ、鋳造時や解体時における作業環境が良好な鋳型を得ることが可能である。かかる理由は以下のように考えられる。
鋳型用組成物に配合される(B)成分(硫酸及びスルホン酸類からなる群から選択される1種以上)は、(D)成分(水ガラス)を硬化させる速度が速く、可使時間が短い。また、(D)成分の硬化剤として(B)成分のみを用いると、鋳造時までの鋳型の強度の点では不利になるが、鋳造後の鋳型がガラス化しにくい。
一方、(C)成分(有機エステル)は、(D)成分を硬化させる速度が遅く、可使時間が長い。また、(D)成分の硬化剤として(C)成分のみを用いると、鋳造後の鋳型がガラス化するが、鋳造時までの鋳型の強度が高い。
(C)成分のみで(D)成分を硬化させると、鋳造後の鋳型がガラス化するメカニズムは以下のように考えられる。
(D)成分が(C)成分と反応すると、(D)成分からNaやKが引き抜かれ、(C)成分との有機塩を形成する。この有機塩は注湯時の熱によって分解し、分解物であるNaやKが(A)成分(耐火性粒状材料)中のシリカと反応し、ガラス化する。
(B)成分のみで(D)成分を硬化させると、鋳造後の鋳型がガラス化しにくいメカニズムは以下のように考えられる。
(B)成分が硫酸の場合、(D)成分からNaやKが引き抜かれ、硫酸との塩(NaSOやKSOなどの硫酸塩)を形成する。この硫酸塩は安定な物質であるため、注湯時の熱によって分解しにくい。よって、(A)成分中のシリカとの反応が抑制され、ガラス化が起こりにくい。
また、(B)成分がスルホン酸類の場合、(D)成分からNaやKが引き抜かれ、スルホン酸類との塩(例えば、キシレンスルホン酸ナトリウムやキシレンスルホン酸カリウムなどのスルホン酸塩)を形成する。このスルホン酸塩の−SONa以外の部分は注湯時の熱で分解するが、NaはSO によって補足されている。よって、(A)成分中のシリカとの反応が抑制され、ガラス化が起こりにくい。
本発明では、(C)成分だけでなく(B)成分でも(D)成分を硬化させるので、注湯時のガラス化が抑制され、解体時の崩壊性に優れる。また、(B)成分だけでなく(C)成分でも(D)成分を硬化させるので、充分な可使時間を確保できるとともに、鋳造時までの鋳型の強度を高くすることができる。
鋳造時までの鋳型の強度と解体時の鋳型の崩壊性とのバランスは、(B)成分と(C)成分の配合量に依存する。(B)成分の配合量が多くなれば崩壊性が高くなる一方で、鋳型の強度が低下する。逆に、(C)成分の配合量が多くなれば鋳型の強度が高くなる一方で、崩壊性が低下する。
(D)成分全体の5〜8割程度を(B)成分で硬化させ、残りを(C)成分で硬化させれば、強度と崩壊性のバランスがより良好となる。(B)成分および(C)成分の配合量がそれぞれ上述した範囲内であれば、(D)成分の硬化の割合を制御しやすく、強度と崩壊性のバランスがより良好となる。
また、本発明の鋳型用組成物は、粘結剤として(D)成分(無機系粘着剤)を用いている。よって、本発明の鋳型用組成物を用いて鋳造された鋳型は、(D)成分が熱分解しにくいため注湯時に熱分解ガスが発生しにくい。また、(D)成分の硬化剤として(B)成分と(C)成分とを併用するので鋳造後の崩壊性に優れ、解体時に粉塵が発生しにくい。しかも、注湯時にガラス化しにくいので、表面を破砕して(A)成分を再生する場合でも(D)成分が容易に剥がれ、粉塵の発生を軽減できる。
よって、本発明であれば、鋳造時や解体時における作業環境の悪化を軽減できる。加えて、粉塵の廃棄量も削減できる。
また、本発明の鋳型用組成物は自硬性鋳型造型用であるため、小型の鋳型にはもちろんのこと、大型の鋳型にも対応できる。
「鋳型の製造方法」
<第一の実施形態>
本発明の第一の実施形態の鋳型の製造方法では、本発明の鋳型用組成物を用い、該組成物を鋳型製造用の型に充填し、鋳型用組成物を硬化させて鋳型を製造する。
第一の実施形態は、自硬性鋳型造型法を採用する方法である。すなわち、鋳型用組成物を鋳型造型用の所定の型に充填すると、鋳型用組成物が硬化剤((B)成分および(C)成分)の作用により硬化する。その結果、鋳型を得ることができる。
(作用効果)
本発明の第一の実施形態の鋳型の製造方法によれば、本発明の鋳型用組成物を用いるので、鋳造時までは充分な強度を維持しつつ、かつ鋳造後の崩壊性に優れ、鋳造時や解体時における作業環境が良好な鋳型が得られる。
<第二の実施形態>
本発明の第二の実施形態の鋳型の製造方法では、本発明の鋳型用組成物を用い、該組成物を鋳型製造用の型に充填し、炭酸ガス(以下、「(E)成分」ともいう。)を通気させて鋳型用組成物を硬化させて鋳型を製造する。
第二の実施形態は、自硬性鋳型造型法とガス硬化鋳型造型法とを併用する方法である。すなわち、鋳型用組成物を鋳型造型用の所定の型に充填し、(E)成分を通気させると、鋳型用組成物が硬化剤((B)成分、(C)成分および(E)成分)の作用により硬化する。その結果、鋳型を得ることができる。
(E)成分の通気流量は1分間あたり5〜30Lであることが好ましく、10〜20Lであることがより好ましい。(E)成分の通気流量が5L/分以上であれば、鋳型を造型する際に鋳型用組成物が充分に硬化する。一方、(E)成分の通気流量が30L/分以下であれば、鋳型の強度を維持できる。
また、(E)成分を通気させる時間は、30〜180秒であることが好ましく、60〜180秒であることがより好ましい。通気時間が30秒以上であれば、鋳型用組成物が充分に硬化するが、180秒を超えても鋳型用組成物の硬化は頭打ちとなるため、コストを高めるだけである。
(作用効果)
本発明の第二の実施形態の鋳型の製造方法によれば、本発明の鋳型用組成物を用いるので、鋳造時までは充分な強度を維持しつつ、かつ鋳造後の崩壊性に優れ、鋳造時や解体時における作業環境が良好な鋳型が得られる。
ところで、自硬性鋳型造型法は、鋳型の抜型までに時間がかかる傾向にある。一方、ガス硬化鋳型造型法は、(E)成分を通気すると瞬時に硬化反応が進行するため、(E)成分の通気後、短時間で鋳型の抜型が可能である。
しかし、ガス硬化鋳型造型法では、鋳型造型用の型の大きさに応じたガス通気装置を用いるため、量産性を重視した場合には大型の鋳型を製造するには不向きであった。そのため、大型の鋳型をガス硬化鋳型造型法で製造する際には、手作業により(E)成分を通気させることが多く、鋳型全体に(E)成分を均一に通気させるのは困難であった。その結果、硬化にムラが生じやすかった。
しかし、本発明の第二の実施形態の鋳型の製造方法であれば、本発明の鋳型組成物がもつ自硬性の性質に加えて、(E)成分の作用によっても鋳型組成物を硬化させることができる。そのため、まず(E)成分の作用によって鋳型の表面が瞬時に硬化するので、短時間で鋳型を抜型できる。また、手作業により(E)成分を通気させることによって通気にムラが生じても、鋳型組成物に含まれる硬化剤((B)成分および(C)成分)の作用によって均一に硬化できる。
このように、本発明の第二の実施形態の鋳型の製造方法であれば、自硬性鋳型造型法とガス硬化鋳型造型法とを併用して鋳型を製造する。よって、短時間で鋳型の抜型が可能でありながら、大型の鋳型を製造する場合でも、型の大きさに応じたガス通気装置を用いることなく均一に硬化できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例で得られた鋳型(テストピース)の物性の測定、および崩壊性の評価は以下の方法で行った。
<テストピースの物性>
(圧縮強度の測定)
各実施例及び比較例で得られたテストピースの圧縮強度(鋳型強度)は、JIS Z 2601の鋳物砂の試験方法に準じて、卓上抗圧力試験機(高千穂機械(株)製)を用いることで測定した。
(嵩密度の測定)
各実施例及び比較例で得られたテストピースの嵩密度は、下記一般式(I)により求めた。質量測定に用いた電子天秤には、METTLER PM 4000(日本シイベルヘグナー(株)製)を用いた。
なお、嵩密度は木型に略同質量の混練砂(鋳型用組成物)が充填されたことを確認するために測定している。
テストピースの嵩密度(g/cm)=テストピースの質量(g)/木型内容積(cm)・・・(I)
<崩壊性の評価>
各実施例及び比較例で得られたテストピースを800℃の雰囲気下で15分間および30分間それぞれ加熱処理した。その後、室温(15℃)まで冷却し、加熱処理後のテストピースの物性(圧縮強度および嵩密度)を先の測定方法と同様にして測定した。加熱処理後のテストピースの圧縮強度は鋳型の崩壊性の指標であり、該圧縮強度が低いほど崩壊性は良好である。
「実施例1」
<鋳型用組成物の製造>
(A)成分として珪砂(三菱商事建材(株)製、フリーマントル新砂)100質量部に、(B)成分として30質量%硫酸を0.025質量部添加し、品川式万能攪拌機((株)品川工業所製、MIXER)で1分間混練した。これに、(C)成分としてエチレングリコールジアセテートを0.15質量部添加し、品川式万能攪拌機で1分間混練した。これに、(D)成分として珪酸ナトリウム(モル比(SiO/NaO):2.50、ボーメ度:50(20℃))を1質量部添加し、品川式万能攪拌機で1分間混練して混練砂(鋳型用組成物)を得た。
<テストピース(鋳型)の製造>
内径50mm、高さ50mmの型が形成されたテストピース作製用木型を用意し、得られた混練砂を直ちに温度15℃、湿度40%の条件下で木型に充填した。(D)成分を混練開始してから30分経過後に木型からテストピース(鋳型)を取り出した。
得られたテストピースについて、(D)成分を混練開始してから30分経過後(木型から取り出した直後)、1時間経過後、3時間経過後、24時間経過後の物性(圧縮強度と嵩密度)をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
別途、(D)成分を混練開始してから24時間経過後のテストピースを加熱処理して崩壊性の評価を行った。結果を表1に示す。
「実施例2〜5」
(B)成分として、表1に示す種類のスルホン酸類の30質量%水溶液0.025質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
「実施例6」
実施例1と同様にして混練砂を製造した。
内径50mm、高さ50mmの型が形成されたテストピース作製用木型を用意し、得られた混練砂を直ちに温度15℃、湿度40%の条件下で木型に充填した。(D)成分を混練開始してから10分経過後に10L/分の通気流量で(E)成分(炭酸ガス)を1分間通気させた後、直ちに木型からテストピース(鋳型)を取り出した。
得られたテストピースについて、(D)成分を混練開始してから11分経過後(木型から取り出した直後)、30分経過後、1時間経過後、3時間経過後、24時間経過後の物性(圧縮強度と嵩密度)をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
別途、(D)成分を混練開始してから24時間経過後のテストピースを加熱処理して崩壊性の評価を行った。結果を表1に示す。
「比較例1」
(B)成分を用いなかった以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。
得られた混練砂を用い、(D)成分を混練開始してから3時間経過後に木型からテストピースを取り出した以外は、実施例1と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表1〜3に示す。
「比較例2」
(B)成分の代わりに、濃度30質量%に調整したクエン酸水溶液0.025質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006132681
表1および下記表2〜14中の配合比([B]/[D])は、(D)成分(珪酸ナトリウム)100質量部に対する無水物換算の(B)成分の配合量(質量部)である。また、配合比([C]/[D])は、(D)成分(珪酸ナトリウム)100質量部に対する(C)成分の配合量(質量部)である。
「実施例7〜11」
(B)成分として、表2に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液0.25質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表2に示す。
「実施例12」
30質量%硫酸の添加量を0.25質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表2に示す。
「比較例3」
(B)成分の代わりに、濃度30質量%に調整したクエン酸水溶液0.25質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006132681
「実施例13〜17」
(B)成分として、表3に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表3に示す。
「実施例18」
30質量%硫酸の添加量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表3に示す。
「比較例4」
(B)成分の代わりに、濃度30質量%に調整したクエン酸水溶液0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006132681
「実施例19〜23」
(B)成分として、表4に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液0.6質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表4に示す。
「実施例24」
30質量%硫酸の添加量を0.6質量部に変更した以外、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0006132681
「実施例25〜29」
(B)成分として、表5に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液0.1質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表5に示す。
「実施例30」
30質量%硫酸の添加量を0.1質量部に変更し、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表5に示す。
「比較例5」
(B)成分を用いず、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。
得られた混練砂を用い、(D)成分を混練開始してから3時間経過後に木型からテストピースを取り出した以外は、実施例1と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表5〜7に示す。
「比較例6」
(B)成分の代わりに、濃度30質量%に調整したクエン酸水溶液0.1質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 0006132681
「実施例31〜35」
(B)成分として、表6に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液1.0質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表6に示す。
「実施例36」
30質量%硫酸の添加量を1.0質量部に変更し、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表6に示す。
「比較例7」
(B)成分の代わりに、濃度30質量%に調整したクエン酸水溶液1.0質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 0006132681
「実施例37〜41」
(B)成分として、表7に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液2.0質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表7に示す。
「実施例42」
30質量%硫酸の添加量を2.0質量部に変更し、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表7に示す。
「比較例8」
(B)成分の代わりに、濃度30質量%に調整したクエン酸水溶液2.0質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表7に示す。
Figure 0006132681
「実施例43〜47」
(B)成分として、表8に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液2.4質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表8に示す。
「実施例48」
30質量%硫酸の添加量を2.4質量部に変更し、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.6質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表8に示す。
Figure 0006132681
「実施例49〜53」
(B)成分として、表9に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液0.2質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表9に示す。
「実施例54」
30質量%硫酸の添加量を0.2質量部に変更し、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表9に示す。
「比較例9」
(B)成分を用いず、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。
得られた混練砂を用い、(D)成分を混練開始してから3時間経過後に木型からテストピースを取り出した以外は、実施例1と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表9〜11に示す。
「比較例10」
(B)成分の代わりに、濃度30質量%に調整したクエン酸水溶液0.2質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表9に示す。
Figure 0006132681
「実施例55〜59」
(B)成分として、表10に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液2.0質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表10に示す。
「実施例60」
30質量%硫酸の添加量を2.0質量部に変更し、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表10に示す。
「比較例11」
(B)成分の代わりに、濃度30質量%に調整したクエン酸水溶液2.0質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表10に示す。
Figure 0006132681
「実施例61〜65」
(B)成分として、表11に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液4.0質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表11に示す。
「実施例66」
30質量%硫酸の添加量を4.0質量部に変更し、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表11に示す。
「比較例12」
(B)成分の代わりに、濃度30質量%に調整したクエン酸水溶液4.0質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表11に示す。
Figure 0006132681
「実施例67〜71」
(B)成分として、表12に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液4.8質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表12に示す。
「実施例72」
30質量%硫酸の添加量を4.8質量部に変更し、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表12に示す。
Figure 0006132681
「実施例73〜77」
(B)成分として、表13に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液1.0質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表13に示す。
「実施例78」
30質量%硫酸の添加量を1.0質量部に変更し、エチレングリコールジアセテートの添加量を0.2質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表13に示す。
Figure 0006132681
「実施例79〜83」
(B)成分として、表14に示す種類の酸(硫酸またはスルホン酸類)の30質量%水溶液1.0質量部を用い、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.0質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造し、該混練砂を用いてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表14に示す。
「実施例84」
30質量%硫酸の添加量を1.0質量部に変更し、エチレングリコールジアセテートの添加量を1.0質量部に変更し、珪酸ナトリウムの添加量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして混練砂を製造した。該混練砂を用いた以外は、実施例6と同様にしてテストピースを製造し、各種測定および評価を行った。結果を表14に示す。
Figure 0006132681
表1〜14から明らかなように、各実施例の混練砂(鋳型用組成物)から得られたテストピースは、鋳型として充分な強度の圧縮強度を示した。また、加熱処理後のテストピースの圧縮強度が低く、優れた崩壊性を有していた。
特に、表1〜4、5〜8、9〜12をそれぞれ比較すると、(B)成分の配合量が増えるにしたがって崩壊性が向上することが分かった。また、(D)成分100質量部に対して(B)成分の配合量が18質量部であると、鋳型の圧縮強度がやや低下することが分かった。
また、表6、13、14を比較すると、(D)成分100質量部に対して(C)成分の配合量が5質量部、および25質量部であると、鋳型の圧縮強度がやや低下することが分かった。なお、実施例1〜84の場合、(D)成分100質量部に対して(C)成分の配合量が5質量部、15質量部、25質量部のいずれかであるが、(C)成分の配合量が10質量部および20質量部の場合も、15質量部の場合とほぼ同様の結果が得られたことを確認した。すなわち、(C)成分の配合量が10〜20質量部の間では、鋳型の圧縮強度、嵩密度、崩壊性にほとんど変化がないことが分かった。
これらの特徴は、硬化剤として炭酸ガスを併用した場合も影響はなかった。しかも、炭酸ガスを併用することで、炭酸ガスを併用しない場合に比べて短時間でテストピースを木型から取り出すことができた。
対して、(B)成分を用いずに混練砂(鋳型用組成物)を製造した比較例1、5、9、および(B)成分の代わりにクエン酸を用いて混練砂(鋳型用組成物)を製造した比較例2〜4、6〜8、10〜12では、加熱処理後のテストピースの圧縮強度が高く、崩壊性に劣っていた。

Claims (7)

  1. 耐火性粒状材料と、硫酸、キシレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びメタンスルホン酸からなる群から選択される1種以上と、有機エステルと、水ガラスとを混合した、自硬性鋳型造型用組成物。
  2. 耐火性粒状材料100質量部に対して、水ガラスを1〜8質量部配合した、請求項1に記載の自硬性鋳型造型用組成物。
  3. 水ガラス100質量部に対して、硫酸、キシレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びメタンスルホン酸からなる群から選択される1種以上を無水物換算で0.75〜15質量部配合した、請求項1または2に記載の自硬性鋳型造型用組成物。
  4. 水ガラス100質量部に対して、有機エステルを10〜20質量部配合した、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自硬性鋳型造型用組成物。
  5. 耐火性粒状材料と、硫酸、キシレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びメタンスルホン酸からなる群から選択される1種以上と、有機エステルとを混合して混合物を調製した後に、該混合物と水ガラスとを混合する、自硬性鋳型造型用組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の自硬性鋳型造型用組成物を鋳型製造用の型に充填し、前記自硬性鋳型造型用組成物を硬化させる、鋳型の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の自硬性鋳型造型用組成物を鋳型製造用の型に充填し、炭酸ガスを通気させて前記自硬性鋳型造型用組成物を硬化させる、鋳型の製造方法。
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