JP3330926B2 - 鋳型造型法および鋳物砂の再生方法 - Google Patents

鋳型造型法および鋳物砂の再生方法

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JP3330926B2 JP2000138993A JP2000138993A JP3330926B2 JP 3330926 B2 JP3330926 B2 JP 3330926B2 JP 2000138993 A JP2000138993 A JP 2000138993A JP 2000138993 A JP2000138993 A JP 2000138993A JP 3330926 B2 JP3330926 B2 JP 3330926B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋳型造型法およ
び鋳物砂の再生法に関し、水ガラスプロセス再生砂に付
着しているゲル状の半硬化水ガラスを固化せしめて、そ
の砂特性を改善し、再利用率を高めるようにしたもので
ある。
【0002】
【従来の技術】鋳型造型プロセスの1種に水ガラスプロ
セスがある。この水ガラスプロセスには種々のタイプの
ものが知られているが、代表的なものには硅砂などに水
ガラスを加えて混練し、これを模型に充填して造型し、
これに炭酸ガスを通気して水ガラスを硬化せしめ砂を粘
結して固化させて鋳型とするものがある。
【0003】このような水ガラスプロセスは、種々の利
点があり広く使用されているが、鋳造後の鋳型を解体し
て得られる回収砂を乾式再生して再生砂としてもその砂
特性が劣り、再利用しずらく、ほとんどが一度の使用で
廃棄処分せざるを得ないと言う欠点があった。これは、
回収砂の表面にゲル状の半硬化水ガラスが残留して多量
に付着しており、この半硬化水ガラスを乾式再生時に完
全に除去することができず乾式再生後の再生砂の表面に
も依然として残留して付着しており、この再生砂は吸湿
しやすく流動性に劣り、砂特性が悪いためである。ま
た、この再生砂は、砂特性が劣るため、これをエステル
硬化型フェノール樹脂プロセスに使用することができな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、水ガラスプロセス再生砂を有効に再利用でき
るようにすることにある。また、エステル硬化型フェノ
ール樹脂プロセスにも再使用できるようにすることにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の鋳物砂の再生方法においては、水ガラスプ
ロセス再生砂にエステル類を添加し、水ガラスプロセス
再生砂に付着している半硬化水ガラスをエステル類と反
応させて固化させ、ついで乾式再生して鋳物砂を得るこ
とを特徴とする。この場合、前記エステル類の添加量は
前記再生砂100重量部に対して0.1〜1.0重量部
であると好ましい。
【0006】本発明の他の鋳物砂の再生方法は、水ガラ
スプロセス回収砂にエステル類を添加し、水ガラスプロ
セス回収砂に付着している半硬化水ガラスをエステル類
と反応させて固化させ、ついで乾式再生して鋳物砂を得
ることを特徴とする。この場合、前記エステル類の添加
量は前記回収砂100重量部に対して1.0〜5.0重
量部であると好ましい。また、上記水ガラスプロセス再
生砂または回収砂にエステル類を添加する鋳物砂の再生
方法において、エステル類とともにエステル硬化型フェ
ノール樹脂を添加すると好ましい。
【0007】本発明の他の鋳物砂の再生方法は、水ガラ
スプロセス再生砂にエステル類とエステル硬化型フェノ
ール樹脂を添加し、水ガラスプロセス再生砂に付着して
いる半硬化水ガラスをエステル類と反応させて固化させ
るとともにこの砂を粘結し、鋳型を造型し、ついでこの
鋳型を解体して得られる回収砂を乾式再生して鋳物砂を
得ることを特徴とする。この場合、前記エステル類の添
加量が、前記再生砂100重量部に対して0.2〜1.
6重量部であると好ましい。また、この際、水ガラスプ
ロセス再生砂にエステル硬化型フェノール樹脂プロセス
再生砂を混合した混合砂を用いることもできる。また、
水ガラスプロセス回収砂とエステル硬化型フェール樹脂
プロセス回収砂との混合砂を乾式再生して得られた再生
混合砂を用いることもできる。
【0008】これらの本発明の鋳物砂の再生方法は、
ステル硬化型フェノール樹脂プロセスに再使用するのに
好適な鋳物砂を再生することができるので、エステル硬
化型フェノール樹脂プロセスに再使用する鋳物砂を再生
するために適用することができる。そして、本発明の再
生方法で得られる鋳物砂に、エステル類、エステル硬化
型フェノール樹脂を添加して鋳型を製造すると好まし
い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の鋳型造型法もしくは鋳物砂の再生方法において
用いられる水ガラスプロセス再生砂とは、周知の水ガラ
スプロセスによって製造された鋳型を鋳造に使用した後
に使用後の鋳型を解体して得られた回収砂を乾式再生な
どの再生方法によって再生した再生砂を言う。また、エ
ステル硬化型フェノール樹脂プロセス再生砂とは、砂の
粘結剤としてエステル硬化型フェノール樹脂を用いて鋳
型を作製し、鋳造後鋳型を解体して得られた回収砂を再
生した再生砂を言い、砂特性の良好なものである。
【0010】また、本発明で用いられるエステル類とし
ては、γ−ブチロラクトン,ジアセチン,エチレングリ
コールジアセテート,トリアセチン,二塩基酸エステル
などの1種また2種以上の混合物が用いられるが、なか
でもγ−ブチロラクトン,ジアセチンが好ましい。さら
に、本発明で用いられるエステル硬化型フェノール樹脂
としては、特に限定されず、上述のエステル類によって
硬化する高アルカリ性のフェノール樹脂が使用される。
このエステル硬化型フェノール樹脂は、フェノール類と
ホルムアルデヒトとをアルカリ金属水酸化物の存在下で
F/P≧1で反応させたもので、フェノール性水酸基の
水素やメチロール基の一部がアルカリ金属により置換さ
れ、pH12〜13のアルカリ性を示し、アルミン酸カ
リウム,アルミン酸ナトリウムなどのアルミン酸塩を樹
脂100重量部に対して0.05〜3重量部添加した水
溶性のフェノール樹脂である。このエステル硬化型フェ
ノール樹脂は、固形分濃度20〜80重量%の水溶液の
形態で使用される。
【0011】参考例1の鋳型造型方法にあっては、ま
ず、水ガラスプロセス再生砂にエステル類とエステル硬
化型フェノール樹脂を添加し、混練する。エステル類の
添加量は、上記再生砂100部(重量部、以下同様)に
対して0.2〜1.6部とされる。また、エステル硬化
型フェノール樹脂の添加量は上記再生砂100部に対し
て0.5〜4部とされる。
【0012】この添加混合により、再生砂に付着してい
る半硬化水ガラスがエステル類の一部と反応して固化
し、その砂特性が改善される。ついで、エステル類の残
部とエステル硬化型フェノール樹脂とが反応し、さらに
反応物中のアルミン酸塩が固化した水ガラスと反応す
る。そして、この反応物が砂特性の改善された再生砂を
粘結しはじめる。この状態の砂を模型に充填し、反応を
進行させれば、機械的強度の高い良好な特性を有する鋳
型を造型できる。
【0013】この方法では、水ガラスプロセス再生砂を
用いてもエステル硬化型フェノール樹脂による鋳型を造
型できる。これは、水ガラス再生砂に付着している半硬
化水ガラスが予めエステル類によって硬化せしめられ、
半硬化水ガラスに起因する不具合が解消され、砂特性が
改善されているためである。また、エステル類として水
ガラスとの反応速度が早く、エステル硬化型フェノール
樹脂との反応速度が遅いものを選択使用することが望ま
しい。
【0014】参考例2の鋳型の造型方法は、参考例1
方法において、水ガラスプロセス再生砂とエステル硬化
型フェノール樹脂プロセス再生砂との混合砂を用いるも
のである。混合砂の混合割合は、水ガラスプロセス再生
砂が混合砂全量の1〜99重量%を占めるように定めら
れる。この場合、エステル硬化型フェノール樹脂プロセ
ス再生砂の混合比が高いものではエステル類の添加量は
少なくてよい。また、混合砂として、水ガラスプロセス
回収砂とエステル硬化型フェノール樹脂プロセス回収砂
とを同様の混合比率で混合し、これを乾式再生した再生
砂を用いることもできる。
【0015】本発明の鋳物砂の再生方法は、水ガラスプ
ロセス再生砂にエステル類を添加,混練し、ついでこの
ものを乾式再生するものである。この方法でも、水ガラ
スプロセス再生砂に付着している半硬化水ガラスがエス
テル類と反応して固化しているので、次工程の乾式再生
の際にほぼ完全に除去され、砂特性の良好な再生砂が得
られる。ここでのエステル類としては、上述のものが用
いられるが、その添加量は若干少な目でよく再生砂10
0部に対して0.1〜1.0部とされる。
【0016】本発明の他の鋳物砂の再生方法は、水ガラ
スプロセス回収砂にエステル類を添加、混練して、回収
砂に付着している比較的多量の半硬化水ガラスを固化
し、ついでこれを乾式再生して固化した水ガラスを除去
して、砂特性の良好な再生砂とするものである。この方
法では、回収砂100部に対してエステル類を1.0〜
5.0部添加するものが好ましい。
【0017】本発明の他の鋳物砂の再生方法は、参考例
1の鋳型造型方法で作製した鋳型を、例えば鋳造に使
い、その後の鋳型を解体して得られた回収砂を乾式再生
するものである。ここでは、再生された鋳型を必ずしも
鋳造に使用する必要はなく、鋳型を放置したのち、これ
を解体して回収砂を得たのち、これを乾式再生するもの
であってもよい。この再生方法では、水ガラス再生砂に
付着している半硬化水ガラスがエステル類との反応によ
って固化しているので、乾式再生の際にこれがほぼ完全
に除去され、したがってこの再生砂は砂特性が良好とな
る。
【0018】また、この再生方法において使用される砂
としては、水ガラスプロセス再生砂とエステル硬化型フ
ェノール樹脂プロセス再生砂との混合砂であってもよ
く、また水ガラスプロセス回収砂とエステル硬化型フェ
ノール樹脂プロセス回収砂との混合砂を乾式再生したも
のであってもよい。この混合砂の混合比率は、上述の通
りでよい。
【0019】このようにして得られた再生砂は、砂に付
着している半硬化水ガラスがほとんど除去されており、
吸湿しにくく、流動性が良く、酸消費量も低減し、砂特
性の良好なものとなる。このため、水ガラスプロセスと
エステル硬化型フェノール樹脂プロセスは、再生砂を共
有化することが可能となり、水ガラスプロセスによる鋳
型を主に肌面に、鋳型の大部分を占める部位にエステル
硬化型フェノール樹脂プロセスによる鋳型を形成させ、
その回収砂を分別することなく共有再生砂として使用す
ることもできる。したがって、従来産業廃棄物として排
出されていた水ガラスプロセス砂をリサイクルして再利
用することが可能となる。
【0020】なお、本発明における水ガラスプロセスに
用いられる水ガラスとしては、特に限定されず、ケイ酸
ナトリウム,ケイ酸カリウムが用いられ、2種の混合物
でもよい。固形分濃度20〜70重量%,モル比1.0
〜4.0(SiO2/M,M=K2O,Na2O)、ボー
メ度34〜58(20℃)のものが用いられる。
【0021】以下、具体例を示すが、本発明はこれら具
体例に限定されるものではない。また、これらの例にお
いて水ガラスプロセスは炭酸ガスを通気(ガッシング)
する炭酸ガス法である。
【0022】(実施例1)AFS粒度指数60の水ガラ
ス再生珪砂(種類:フラタリー珪砂、炭酸ガス法)に、
砂100重量部に対してエステル硬化型フェノール樹脂
(固形分50%、水分50%)を1.5重量部、硬化剤
(ジアセチン)を0.45重量部添加混合し鋳物砂を作
製した。そして、鋳物砂が24時間経過した後、日本鋳
造(株)製ロータリーリクレーマーで8回繰返し再生研磨
を実施し、粒度,灼熱減量,酸消費量の各砂特性を測定
した。又、再生砂の性能確認の為、砂100重量部に対
してエステル硬化型フェノール樹脂(固形分50%、水
分50%)を1.5重量部、硬化剤(ジアセチン)を
0.30重量部添加混合し、50φ×50mmの圧縮強
さ測定用木型に充填し、鋳型試験片を作製し鋳型強度を
測定した。一方、砂100重量部に対して水ガラス(モ
ル比2.5、ボーメ度48)を3.0重量部添加混合
し、50φ×50mmの圧縮強さ測定用木型に充填し、
硬化剤(炭酸ガス)を混練砂1.0kgに対し一分間、
4リットルの割合でガッシングして鋳型試験片を作製し
鋳型強度を測定した。得られた結果を表2に示す。
【0023】(実施例2)実施例1の再生砂(種類:フ
ラタリー珪砂、フェノール樹脂により鋳型造型済)に、
砂100重量部に対してエステル硬化型フェノール樹脂
(固形分50%、水分50%)を1.5重量部、硬化剤
(ジアセチン)を0.45重量部添加混合し鋳物砂を作
製した。そして、鋳物砂が24時間経過した後、日本鋳
造(株)製ロータリーリクレーマーで8回繰返し再生研磨
を実施し、粒度,灼熱減量,酸消費量の各砂特性を測定
した。又、再生砂の性能確認の為、砂100重量部に対
してエステル硬化型フェノール樹脂(固形分50%、水
分50%)を1.5重量部、硬化剤(ジアセチン)を
0.30重量部添加混合し、50φ×50mmの圧縮強
さ測定用木型に充填し、鋳型試験片を作製し鋳型強度を
測定した。一方、砂100重量部に対して水ガラス(モ
ル比2.5、ボーメ度48)を3.0重量部添加混合
し、50φ×50mmの圧縮強さ測定用木型に充填し、
硬化剤(炭酸ガス)を混練砂1.0kgに対し一分間、
4リットルの割合でガッシングして鋳型試験片を作製し
鋳型強度を測定した。得られた結果を表2に示す。
【0024】(実施例3)AFS粒度指数60の水ガラ
ス回収珪砂(種類:フラタリー珪砂、炭酸ガス法)と、
AFS粒度指数50のエステル硬化型フェノール回収珪
砂(種類:日光珪砂)を50対50重量部の割合で混合
砂とし、日本鋳造(株)製ロータリーリクレーマーで8回
繰返し再生研磨を実施した。そして、その再生砂に、砂
100重量部に対してエステル硬化型フェノール樹脂
(固形分50%、水分50%)を1.5重量部、硬化剤
(ジアセチン)を0.45重量部添加混合し鋳物砂を作
製した。そして、鋳物砂が24時間経過した後、日本鋳
造(株)製ロータリーリクレーマーで8回繰返し再生研磨
を実施し、粒度,灼熱減量,酸消費量の各砂特性を測定
した。又、再生砂の性能確認の為、砂100重量部に対
してエステル硬化型フェノール樹脂(固形分50%、水
分50%)を1.5重量部、硬化剤(ジアセチン)を
0.30重量部添加混合し、50φ×50mmの圧縮強
さ測定用木型に充填し、鋳型試験片を作製し鋳型強度を
測定した。一方、砂100重量部に対して水ガラス(モ
ル比2.5、ボーメ度48)を3.0重量部添加混合
し、50φ×50mmの圧縮強さ測定用木型に充填し、
硬化剤(炭酸ガス)を混練砂1.0kgに対し一分間、
4リットルの割合でガッシングして鋳型試験片を作製し
鋳型強度を測定した。得られた結果を表3に示す。
【0025】(実施例4)AFS粒度指数60の水ガラ
ス再生珪砂(種類:フラタリー珪砂,炭酸ガス法)に、
砂100重量部に対して、硬化剤(ジアセチン)を0.
45重量部添加混合し鋳物砂を作製した。そして、鋳物
砂が24時間経過した後、日本鋳造(株)製ロータリーリ
クレーマーで8回繰返し再生研磨を実施し、粒度,灼熱
減量,酸消費量の各砂特性を測定した。又、再生砂の性
能確認の為、砂100重量部に対してエステル硬化型フ
ェノール樹脂(固形分50%、水分50%)を1.5重
量部、硬化剤(ジアセチン)を0.30重量部添加混合
し、50φ×50mmの圧縮強さ測定用木型に充填し、
鋳型試験片を作製し鋳型強度を測定した。一方、砂10
0重量部に対して水ガラス(モル比2.5、ボーメ度4
8)を3.0重量部添加混合し、50φ×50mmの圧
縮強さ測定用木型に充填し、硬化剤(炭酸ガス)を混練
砂1.0kgに対し一分間、4リットルの割合でガッシ
ングして鋳型試験片を作製し鋳型強度を測定した。得ら
れた結果を表3に示す。
【0026】(比較例1)AFS粒度指数60の水ガラ
ス再生珪砂(種類:フラタリー珪砂、炭酸ガス法)に、
砂100重量部に対して水ガラス(モル比2.5、ボー
メ度48)を3.0重量部添加混合し、硬化剤(炭酸ガ
ス)を混練砂1.0kgに対し一分間、4リットルの割
合でガッシングして鋳型試験片を作製した。そして、鋳
物砂が24時間経過した後、日本鋳造(株)製ロータリー
リクレーマーで8回繰返し再生研磨を実施し、粒度,灼
熱減量,酸消費量の各砂特性を測定した。又、再生砂の
性能確認の為、砂100重量部に対してエステル硬化型
フェノール樹脂(固形分50%、水分50%)を1.5
重量部、硬化剤(ジアセチン)を0.30重量部添加混
合し、50φ×50mmの圧縮強さ測定用木型に充填
し、鋳型試験片を作製し鋳型強度を測定した。一方、砂
100重量部に対して水ガラス(モル比2.5、ボーメ
度48)を3.0重量部添加混合し、50φ×50mm
の圧縮強さ測定用木型に充填し、硬化剤(炭酸ガス)を
混練砂1.0kgに対し一分間、4リットルの割合でガ
ッシングして鋳型試験片を作製し鋳型強度を測定した。
得られた結果を表4に示す。
【0027】(比較例2)比較例1の水ガラス再生珪砂
(種類:フラタリー珪砂、炭酸ガス法)に、砂100重
量部に対して水ガラス(モル比2.5、ボーメ度48)
を3.0重量部添加混合し、硬化剤(炭酸ガス)を混練
砂1.0kgに対し一分間、4リットルの割合でガッシ
ングして鋳型試験片を作製した。そして、鋳物砂が24
時間経過した後、日本鋳造(株)製ロータリーリクレーマ
ーで8回繰返し再生研磨を実施し、粒度,灼熱減量,酸
消費量の各砂特性を測定した。又、再生砂の性能確認の
為、砂100重量部に対してエステル硬化型フェノール
樹脂(固形分50%、水分50%)を1.5重量部、硬
化剤(ジアセチン)を0.30重量部添加混合し、50
φ×50mmの圧縮強さ測定用木型に充填し、鋳型試験
片を作製し鋳型強度を測定した。一方、砂100重量部
に対して水ガラス(モル比2.5、ボーメ度48)を
3.0重量部添加混合し、50φ×50mmの圧縮強さ
測定用木型に充填し、硬化剤(炭酸ガス)を混練砂1.
0kgに対し一分間、4リットルの割合でガッシングし
て鋳型試験片を作製し鋳型強度を測定した。得られた結
果を表4に示す。
【0028】(比較例3)AFS粒度指数60の水ガラ
ス回収珪砂(種類:フラタリー珪砂、炭酸ガス法)と、
AFS粒度指数50のエステル硬化型フェノール回収珪
砂(種類:日光珪砂)を50対50重量部の割合で混合
砂とし、日本鋳造(株)製ロータリーリクレーマーで8回
繰返し再生研磨を実施した。そして、その再生砂に、砂
100重量部に対して水ガラス(モル比2.5、ボーメ
度48)を3.0重量部添加混合し、硬化剤(炭酸ガ
ス)を混練砂1.0kgに対し一分間、4リットルの割
合でガッシングして鋳物砂を作製した。そして、鋳物砂
が24時間経過した後、日本鋳造(株)製ロータリーリク
レーマーで8回繰返し再生研磨を実施し、粒度,灼熱減
量,酸消費量の各砂特性を測定した。又、再生砂の性能
確認の為、砂100重量部に対してエステル硬化型フェ
ノール樹脂(固形分50%、水分50%)を1.5重量
部、硬化剤(ジアセチン)を0.30重量部添加混合
し、50φ×50mmの圧縮強さ測定用木型に充填し、
鋳型試験片を作製し鋳型強度を測定した。一方、砂10
0重量部に対して水ガラス(モル比2.5、ボーメ度4
8)を3.0重量部添加混合し、50φ×50mmの圧
縮強さ測定用木型に充填し、硬化剤(炭酸ガス)を混練
砂1.0kgに対し一分間、4リットルの割合でガッシ
ングして鋳型試験片を作製し鋳型強度を測定した。得ら
れた結果を表3に示す。
【0029】上述の実施および比較例で使用した水ガラ
スプロセス再生砂,水ガラスプロセス回収砂,エステル
硬化型フェノール樹脂プロセス回収砂の特性を表1に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】表2ないし表4に示された結果から明らか
なように、水ガラスプロセス再生砂は、砂特性に示され
ているように、半硬化水ガラスの影響で酸消費量の値が
非常に高い。更に、繰り返し使用する毎に半硬化水ガラ
スが蓄積される為、鋳型強度発現が悪く、吸湿し易い砂
となって行く。しかし、本発明の再生方法に基づき、水
ガラスプロセス再生砂をエステル硬化型フェノール樹脂
で適切に鋳型造型し、その後、乾式再生すると、半硬化
水ガラスが効率良く除去されて、酸消費量の値が大幅に
減少し、良好な再生砂となり、鋳型強度発現も良好とな
って行く。一方、比較例で明確なように、水ガラスプロ
セス再生砂を水ガラスプロセスで繰り返し使用して行く
と、砂中に残留水ガラス硬化物及び半硬化物が蓄積され
て行き、砂特性として酸消費量が増加し、鋳型強度発現
も悪化して行くことがわかる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば従
来再利用が困難であった水ガラスプロセス再生砂をエス
テル類とエステル硬化型フェノール樹脂を用いることに
より、良好な鋳型を製造することができ、かつ砂特性の
良好な再生砂とすることができる。このため、廃砂によ
る環境破壊の低減,生産コストの低減が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−22446(JP,A) 特開 平2−169146(JP,A) 特開 平7−185736(JP,A) 特開 平6−142823(JP,A) 特開 昭51−65017(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 1/00 - 25/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水ガラスプロセス再生砂にエステル類を
    添加し、水ガラスプロセス再生砂に付着している半硬化
    水ガラスをエステル類と反応させて固化させ、ついで乾
    式再生して鋳物砂を得ることを特徴とする鋳物砂の再生
    方法。
  2. 【請求項2】 前記エステル類の添加量は前記再生砂1
    00重量部に対して0.1〜1.0重量部であることを
    特徴とする請求項1に記載の鋳物砂の再生方法。
  3. 【請求項3】 水ガラスプロセス回収砂にエステル類を
    添加し、水ガラスプロセス回収砂に付着している半硬化
    水ガラスをエステル類と反応させて固化させ、ついで乾
    式再生して鋳物砂を得ることを特徴とする鋳物砂の再生
    方法。
  4. 【請求項4】 前記エステル類の添加量は前記回収砂1
    00重量部に対して1.0〜5.0重量部であることを
    特徴とする請求項3に記載の鋳物砂の再生方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋳
    物砂の再生方法において、エステル類とともにエステル
    硬化型フェノール樹脂を添加することを特徴とする鋳物
    砂の再生方法。
  6. 【請求項6】 水ガラスプロセス再生砂にエステル類と
    エステル硬化型フェノール樹脂を添加し、水ガラスプロ
    セス再生砂に付着している半硬化水ガラスをエステル類
    と反応させて固化させるとともにこの砂を粘結し、鋳型
    を造型し、ついでこの鋳型を解体して得られる回収砂を
    乾式再生して鋳物砂を得ることを特徴とする鋳物砂の再
    生方法。
  7. 【請求項7】 前記エステル類の添加量が、前記再生砂
    100重量部に対して0.2〜1.6重量部であること
    を特徴とする請求項6に記載の鋳物砂の再生方法。
  8. 【請求項8】 水ガラスプロセス再生砂にエステル硬化
    型フェノール樹脂プロセス再生砂を混合した混合砂を用
    いることを特徴とする請求項6又は7に記載の鋳物砂の
    再生方法。
  9. 【請求項9】 水ガラスプロセス回収砂とエステル硬化
    型フェール樹脂プロセス回収砂との混合砂を乾式再生し
    て得られた再生混合砂を用いることを特徴とする請求項
    8に記載の鋳物砂の再生方法。
  10. 【請求項10】 前記鋳物砂がエステル硬化型フェノー
    ル樹脂プロセスに再使用するためのものである請求項1
    〜9のいずれか一項に記載の鋳物砂の再生方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10に記載の方法で得られ
    る鋳物砂に、エステル類、エステル硬化型フェノール樹
    脂を添加して鋳型を製造することを特徴とする鋳型の製
    造方法。
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