JP3115518B2 - 鋳型用粘結剤組成物、鋳型組成物および鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型用粘結剤組成物、鋳型組成物および鋳型の製造方法

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JP3115518B2 JP07290094A JP29009495A JP3115518B2 JP 3115518 B2 JP3115518 B2 JP 3115518B2 JP 07290094 A JP07290094 A JP 07290094A JP 29009495 A JP29009495 A JP 29009495A JP 3115518 B2 JP3115518 B2 JP 3115518B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋳型を製造する際に
使用する粘結剤組成物に関するものである。又、この粘
結剤組成物を配合した鋳型組成物、およびこの粘結剤組
成物を使用して、鋳型を製造する方法に関するものであ
る。また、本発明は各種製造プロセスの造型ラインにお
いて生ずるアルカリ性再生砂を有効利用し、中子等の鋳
型を造型する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機粘結剤を用いて主型や中子のような
鋳型を製造する造型法として、自硬性鋳型法、コールド
ボックス鋳型法、クローニング法(シェル法)は公知で
ある。特に有機自硬性鋳型造型法は機械鋳物分野を中心
に生産性、鋳物品質、安全衛生上の観点から無機系に代
わって既に汎用的な造型法となっている。
【0003】一方、従来、中、高速で鋳型を製造するに
はフェノール樹脂を粒状耐火物に被覆した、いわゆるコ
ーテッドサンドを加熱硬化して鋳型を製造するクローニ
ング法が幅広く使用されている。
【0004】しかし、鋳型製造時の省エネルギー、鋳型
生産速度、更に鋳型、鋳物の品質を改善するために、ガ
ス状又はエロゾル状物質で常温硬化させるコールドボッ
クス鋳型法がクローニング法を代替する鋳型の製造法と
して鋳物業界で真剣に導入が試みられてきている。
【0005】最近、鋳物品質及び作業環境を改善するた
めに、有機自硬性鋳型造型法及びガス硬化性鋳型造型法
に用いられる粘結剤として、水溶性フェノール樹脂を粘
結剤とし、これを有機エステルで硬化せしめる鋳物砂用
粘結剤組成物が、特開昭50-130627 号公報、特開昭58-1
54433 号公報、及び特開昭58-154434 号公報等により公
知である。また、ビスフェノールとホルムアルデヒドと
を縮重合させたフェノール系樹脂を粘結剤として使用す
ること (特開昭62-40948号公報、特開昭63-40636号公
報) や、カリウムアルカリ性ビスフェノール・フェノー
ル共重合型レゾール樹脂を粘結剤として使用すること
(特開平5-123818号公報) も公知である。
【0006】また、最近ではガス硬化の鋳型造型法とし
て二酸化炭素を用いるプロセスが提案されている(特公
平1-224623号公報)。これは、有機エステルのガスに比
べ人体への悪影響が少ない二酸化炭素のガスを使用する
ため、安全衛生上の観点から特に注目されている。
【0007】これらの粘結剤を用いた鋳型造型法は、粘
結剤中に硫黄原子を含まないため、酸硬化性樹脂を用い
た鋳型造型法に比較して浸硫による影響が少ないと言う
特徴を有する反面、得られる鋳型の強度が低いため、造
型に必要となる樹脂の添加量が非常に多く、注湯時の発
生ガス量が多く、ガス欠陥が出やすいという問題点を有
している。更に、該粘結剤方式の鋳物砂の再生性が極端
に悪く、その使用には制限があることはよく知られてい
るところであり、その改善が強く要望されている。
【0008】加えて、耐火性骨材と粘結剤組成物を混合
し、模型に充填させ、さらに硬化させるまでの時間を一
般に可使時間というが、特に生型再生砂、水ガラス再生
砂、水溶性フェノール樹脂を用いて炭酸ガスまたは有機
エステルで硬化させた鋳型より得られる再生砂等から選
ばれる1種以上のアルカリ性再生砂を含む耐火性骨材と
該粘結剤との混合物は実用鋳型強度を示すためには、可
使時間が極端に短くなるという問題点があり、その改善
が要望されていた。
【0009】更に詳しく、これらのアルカリ性再生砂等
について述べると、一般に、再生砂がアルカリ性になる
鋳型製造プロセスの組み合わせとしては、主型造型に生
型やエステル硬化型水溶性フェノール、中子造型に水ガ
ラス,エステル硬化型水溶性フェノール,シェル,フェ
ノールウレタン,また最近の例として炭酸ガス硬化型水
溶性フェノールなどを粘結剤として使用したものが知ら
れている。これら造型された鋳型は注湯後に回収/再生
して再利用されるが、各再生砂はベースとなる粘結剤の
影響によりアルカリ性となる。こうしたアルカリ性再生
砂を炭酸ガス硬化型水溶性フェノール系樹脂で鋳型造型
する場合、存在するアルカリ源によって硬化阻害を起こ
したり、可使時間を短縮するといった現象を引き起こす
が、特に生型や水ガラス再生砂を使用した場合に顕著で
ある。その原因は、生型砂の場合には粘結剤であるベン
トナイト(粘土質)に由来し、注湯によって焼結したベ
ントナイトが「オーリティック層」と呼ばれるアルカリ
ガラス質(不活性粘土分)を形成した結果生ずる。水ガ
ラス砂の場合には、粘結剤である珪酸ソーダの残留に起
因する。生型や水ガラス以外に挙げた有機粘結剤の場合
残留する灼熱減量分が悪影響を及ぼす。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたものである。かかる粘結剤組成物は、得ら
れる鋳型の強度が低いため、造型に必要な鋳型強度を得
るために樹脂の添加量が多くならざるを得なかった。ま
たこの粘結剤の特に大きな欠点として、一旦鋳造した後
再使用を目的とする回収砂や複数回繰り返して使用した
再生砂を用いるほど鋳型強度の確保が難しくなり、ます
ます粘結剤の砂に対する使用量が多くなる等の悪循環に
陥りやすい欠点があった。またこのような鋳型中の粘結
剤量の増大は、注湯時の熱分解ガス量の増大につなが
り、鋳物のガス欠陥および、作業環境の悪化につながる
等の欠点も併せ持つことになる。かような欠点を少しで
も軽減するために、一般的には砂表面の残留有機物やア
ルカリ分の除去ため、強度の機械的研磨再生処理を行う
と同時に、新砂の補給割合を多くする、もしくは砂の使
い捨て等で対処しているのが現状であった。このため、
鋳物砂を再生で使用する場合には砂の再生率はせいぜい
85%程度が限界であった(FOUNDRY TRADE JOURNAL−8/22
DECEMBER 1989)。
【0011】この砂再生性について、一般的に普及して
いる酸硬化型のフラン樹脂の場合と比較すると尚一層違
いが明確になる。すなわち、酸硬化型フラン樹脂の場
合、一般的に新砂よりも再生砂を用いる方が鋳型の強度
が高くとれるため、粘結剤の添加量は再生砂系では若干
少なくする。且つ、強度の機械的研磨再生処理は必要と
しないため、再生砂の回収率も約95%以上である。硬化
可能な粘結剤によって結合した砂から鋳型と中子を製造
する場合に、砂の再生は重要な経済的問題である。
【0012】鋳型または中子から砂を再生するには、鋳
造物を取り出した後に、使用済み鋳型と中子を機械的な
振動または分解して砂をばらばらにし、塊または凝集体
を破壊し砂を回収する。回収した砂表面には粘結剤の焼
け残り成分が存在するため、普通は次に再生処理する。
再生砂の再生方法には一般的に認められた3方法(機械
的、湿式、熱的)がある。湿式再生方法は、洗浄水に関
連した廃棄問題と砂の乾燥に要するエネルギーコストの
ために、比較的好ましくない方法である。また熱的再生
方法は、この方法のエネルギーコストが高いために、比
較的好ましくない方法である。この反面、機械的再生方
法は最も経済的であるために、鋳物工業において最も一
般的に用いられており、普及している再生方法である。
かようにして得られた再生砂において、水溶性フェノー
ル樹脂を有機エステルで硬化させるバインダープロセス
では、十分な鋳型強度が得られないという前述したごと
き本プロセス特有の欠点が存在し、広く普及している酸
硬化性フラン樹脂の場合とは全く異なる現象であり、改
良が強く望まれている。
【0013】最近再生砂を用いた鋳型の強度向上を目的
として、粘結剤中の樹脂固形分濃度を低くすることによ
る方法が特開平1-262042号公報に、また再生砂を予めシ
ラン溶液で前処理する方法が特開平1-262043号公報に開
示されている。しかし、これらの方法は再生砂の強度を
若干向上させるものもあるが、満足な鋳型強度は得られ
ない。
【0014】また、特開平4-339537及び特開平5-23781
には、水溶性フェノール樹脂及び多価金属を必須成分と
する鋳型の製造方法が開示されているが、得られる鋳型
の強度が低いという問題点がある。
【0015】更に、前記以外のアルカリ性を示す再生砂
として、ベントナイトを粘結剤とする生型の再生砂、水
ガラスを炭酸ガス又はタイカル粉(ジカルシウムシリケ
ート粉)で硬化した水ガラス再生砂等を含む耐火性骨材
と該粘結剤組成物との混合物を得て鋳型を造型させる過
程において十分な可使時間が得られないという問題点も
共存しており、決して満足する鋳型強度が得られなかっ
た。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決すべく鋭意研究の結果、フェノール・アルデヒド
変性樹脂を粘結剤とし、これを有機エステル及び/又は
炭酸ガスで硬化せしめる鋳型用粘結剤組成物において、
フェノール・アルデヒド変性樹脂に特定割合の金属元素
を使用することにより、特に再生砂から造型された鋳型
の強度及び可使時間が大幅に向上することを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0017】即ち、本発明は、フェノール・アルデヒド
変性樹脂と、周期律表IB〜VIII族の中から選ばれる1
種以上の金属元素を含有する化合物とを必須成分とする
ことを特徴とする鋳型用粘結剤組成物に関する。
【0018】また、本発明は、耐火性骨材 100重量部に
対して、前記の鋳型用粘結剤組成物0.1〜15重量部から
なる混合物を混練して得られることを特徴とする鋳型組
成物に関する。
【0019】特に、本発明は、アルカリ性再生砂を含有
する耐火性骨材 100重量部に対して、前記の鋳型用粘結
剤組成物 0.1〜15重量部からなる混合物を炭酸ガス0.05
〜30重量部で硬化させて得られることを特徴とする鋳型
組成物に関する。
【0020】アルカリ性再生砂を含有する耐火性骨材 1
00重量部に対して、前記の鋳型用粘結更に、本発明は、
前記の鋳型用粘結剤組成物を用い、かつ硬化剤として有
機エステル及び/又は炭酸ガスを用いることを特徴とす
る鋳型の製造方法に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に使用される周期律表IB
〜VIII族の中から選ばれる1種以上の金属元素として
は、IB族ではCu, Ag、II族ではMg, Ca, Sr, Ba, Zn,
Cd、III 族ではSc, Y, Al, Ga, In, Tl 、IV族ではTi,
Zr, Hf, Sn, Pb, V族ではV, Nb, Ta, Bi, VI族ではC
r, Mo,W, Po、 VII族ではMn, Tc, Re、VIII族ではFe, C
o, Niが挙げられる。
【0022】本発明に供される該金属元素含有化合物の
形態としては、金属粉、酸化物、水酸化物、無機酸塩、
有機酸塩、錯化合物など種々の形態があるが、いずれの
形態でも使用可能である。該金属元素が最終的に鋳型組
成物中に含まれていればよいのであって、なんら金属元
素を含む化合物の形態にとらわれるものではない。以下
該金属元素および、それらを含有する化合物の具体例を
あげるが、これらに限定されるものではない。
【0023】金属粉としては、IB族ではCu, Ag、II族
ではMg, Ca, Sr, Ba, Zn, Cd等、III 族ではAl, Sc, Ga
等、IV族ではTi, Zr, Sn等、V族ではSb, Bi等、VI族で
はCr, Mo等、VII 族ではMn, Tc等、VIII族ではFe, Co,
Ni等が挙げられるが、通常半金属と呼ばれるB, Si, As,
Te 等は好ましくない。また合金粉としてはジュラルミ
ン,マグナリウム,フェロマンガン等が挙げられる。ま
た、周期律表IB〜VIII族の金属元素を含む化合物の代
表的なものとしては、塩類および複塩、水酸化物、酸化
物、アルキル基、アリール基などの炭化水素基と金属原
子との結合した有機金属化合物、窒化物、アルコキシ
ド、水素化物、炭化物、金属イミド、過酸化物、硫化
物、リン化物、ニトロ化物、アニリド、フェノラート、
六アンモニア化物、フェロセンおよびその類似化合物、
ジベンゼンクロム及びその類似化合物、無機ヘテロポリ
マー、金属カルボニル、金属含有酵素、包接化合物、金
属錯体、キレート化合物、配位高分子等が挙げられる。
【0024】周期律表IB〜VIII族の該金属元素を含む
化合物の中でも下記一般式で表わされる化合物を用いる
ことにより可使時間の延長と鋳型強度向上が図れて好ま
しい。
【0025】MaXb (式中、a,b;1以上の正数 M ;周期律表IB〜VIII族の金属元素 X ;水素原子、炭素原子、炭化水素基、硫黄原子、
窒素原子、燐原子、酸素原子、ハロゲン原子、水酸基、
アルコキシド、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、無機酸
の陰イオン原子団、有機酸の陰イオン原子団、金属イオ
ン封鎖性を示す原子団 を表す。) Mとしては、上記と同様に、IB族ではCu, Ag、2族で
はMg, Ca, Sr, Ba, Zn, Cd等、III 族ではAl, Sc, Ga
等、IV族ではTi, Zr, Sn等、V族ではSb, Bi等、VI族で
はCr, Mo等、VII 族ではMn, Tc等、VIII族ではFe, Co,
Ni等が挙げられるが、通常半金属と呼ばれるB, Si, As,
Te等は好ましくない。
【0026】Xが水素原子である具体例の化合物として
は、AlH3,CaH2,BaH2等が挙げられる。Xが炭素原子で
ある具体例の化合物としては、Al4C3,CaC2等が挙げら
れる。Xが炭化水素基である具体例の化合物としては、
アルキル基、アリール基などの炭化水素基と金属原子と
の結合した有機金属化合物としては、次の様なものが挙
げられる。Al(CH3)3,Al(C2H5)3,Al(C6H5)3,(C2H5)2A
lI,(C2H5)2AlH,(C2H5)2AlCN,Al(i-C4H9)3,(CH2=CH)3
Al,Zn(C6H5)2,(CH2=CH)2Zn,Ca(C2H5)2 や、R-Mg-X
(R;アルキル基またはアリール基、X;ハロゲン)等
のグリニャール試薬、フェロセン(Fe(C5H5)2),Zn(C
5H5)2,Ni(C5H5)2,Mn(C5H5)2,V(C5H5)2等のフェロセ
ンおよびその類似化合物、Cr(C6H6)2,Mo(C6H6)2,V(C6
H6)2等のジベンゼンクロムおよびその類似化合物、Al−
フェノラート,Zn−フェノラート,Ca−フェノラート等
のフェノラートが挙げられる。
【0027】Xが硫黄原子である具体例の化合物として
は、ZnS,Cu2S,CuS 等が挙げられる。Xが窒素原子で
ある具体例の化合物としては、Al-N結合を含む窒化アル
ミニウム等が挙げられる。Xが燐原子である具体例の化
合物としては、AlP 等が挙げられる。
【0028】Xが酸素原子である具体例の化合物として
は、酸化物として、酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化バリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等が挙
げられるが、更にこれらの酸化物の2種以上の組み合わ
せからなる複化合物および上記酸化物とその他の元素の
酸化物若しくは塩類との組み合わせからなる複化合物が
好ましく使用される。かかる複化合物として本発明に使
用される代表的なものとしては次の様なものが挙げられ
る。セメント類として、水硬性石灰、ローマンセメン
ト、天然セメント、ポルトランドセメント、アルミナセ
メント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシ
ュセメント、メーソンリーセメント、膨脹性セメント、
特殊セメント等や高炉スラグ類である高炉かす、マグネ
精錬かす、フェロクロムかす、ベントナイト、合成ムラ
イト等があり、その主たる代表的な化学構造はmCaO・
nSiO2,mCaO・nAl2O3,mBaO・nAl2O3,CaO・mAl2
O3・nSiO2,CaO・mMgO・nSiO2,mCaCO3・nMgCO3,
mCaO・nFe2O3・lCaO・mAl2O3・nFe2O3,mAl2O3
nSiO2(l、m、nは0又は1以上の正数からなる組合
わせで示される。)である。その他、ゼオライト,方フ
ッ石,曹フッ石のようなアルミノ・ケイ酸塩、雲母等の
層状ケイ酸塩等がある。過酸化物として、CaO2,BaO2
BaO4等が挙げられる。
【0029】Xがハロゲン原子である具体例の化合物と
しては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリ
ウム、塩化銅、塩化亜鉛、臭化カルシウム、フッ化アル
ミニウム、塩化バナジウム、塩化モリブデン、塩化マン
ガン、塩化鉄、塩化ニッケル等が挙げられる。
【0030】Xが水酸基である具体例の化合物として
は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化亜鉛等が挙げられる。
【0031】Xがアルコキシドである具体例の化合物と
しては、Al[OCH(CH3)23,Zn(OCH3)2等が挙げられ
る。Xがアミノ基である具体例の化合物としては、Ca(N
H2)2等が挙げられる。Xがイミノ基である具体例の化合
物としては、Al(NHPh )3等が挙げられる。Xがニトロ基
である具体例の化合物としては、CuNO2 等が挙げられ
る。
【0032】Xが無機酸の陰イオン原子団である具体例
の化合物としては、SO4、SO3、S2O3、S2O6、SiF6、Mo
O4、MnO4、NO3、NO2 、ClO3、ClO 、CO3、HCO3、CrO4
IO3 、PO3、PO4、HPO3、HPO4、H2PO4 、P2O7、H2PO2、S
iO3、BO2、BO3、B4O7、Fe(CN)6等が挙げられる。
【0033】Xが無機酸の具体例の化合物としては、ギ
酸、酢酸、しゅう酸、酒石酸、安息香酸等のカルボン酸
の陰イオン原子団等が挙げられ、スルファミン酸、キシ
レンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フェノールスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホ
ン酸等の有機スルホン酸の陰イオン原子団が挙げられ
る。更にメチルリン酸、エチルリン酸等の有機リン酸の
陰イオン原子団等が挙げられる。
【0034】Xが金属イオン封鎖性を示す原子団である
具体例の化合物としては、以下のものが挙げられる。酢
酸系アミノカルボン酸型の代表的なものは、エチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)又はその塩類、ニトリロ三酢
酸(NTA)又はその塩類、トランス−1,2−シクロヘ
キサンジアミン四酢酸(CyDTA)又はその塩類、ジ
エチレントリアミン五酢酸(DTPA)又はその塩類、
トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)又はその塩
類、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)
又はその塩類、イミノ二酢酸(IDA)又はその塩類、
ポリアルキレンジアミン四酢酸又はその塩類、およびN
−ヒドロキシアルキレンイミノ二酢酸又はその塩類が、
フェニル系アミノカルボン酸型の代表的なものは、2−
オキシフェニルイミノ二酢酸又はその塩類、フェニルイ
ミノ二酢酸又はその塩類、2−オキシベンジルイミノ二
酢酸又はその塩類、ベンジルイミノ二酢酸又はその塩
類、およびN,N'−エエチレンビス−〔2 −(O −ヒドロ
キシフェニル)〕グリシン又はその塩類が、メルカプタ
ン基を有するアミノカルボン酸型の代表的なものは、β
−メルカプトエチルイミノ二酢酸又はその塩類が、エー
テル結合を有するアミノカルボン酸型の代表的なもの
は、エチルエーテルジアミン四酢酸又はその塩類が、チ
オエーテル結合を有するアミノカルボン酸型の代表的な
ものは、エチルチオエーテルジアミン四酢酸又はその塩
類が、スルホン酸基を有するアミノカルボン酸型の代表
的なものは、β−アミノエチルスルホン酸−N,N−二
酢酸又はその塩類が、ホスホン酸基を有するアミノカル
ボン酸型の代表的なものは、ニトリロ二酢酸−メチレン
ホスホン酸又はその塩類が、ペプチド結合を有するアミ
ノカルボン酸型の代表的なものは、N,N'−ジグリシルエ
チレンジアミン−N',N'',N''',N'''' −四酢酸又はその
塩類等が、オキシカルボン酸型の代表的なものは、グル
コン酸又はその塩類、クエン酸又はその塩類、および酒
石酸又はその塩類等が、さらにリン酸型の代表的なもの
は、トリポリリン酸又はその塩類、ヒドロキシエタンジ
ホスホン酸(HEDP)又はその塩類、およびニトリロ
トリスチレンホスホン酸(NTP)又はその塩類、およ
びアセチルアセトン等が挙げられる。また、かかる金属
イオン封鎖能を有する配位高分子としては、分子内にア
ミン基、および/または窒素複素環、および/またはSc
hiff塩基、および/またはアルコール、カルボン酸、お
よび/またはケトン、エステル、アミド、および/また
はアミノカルボン酸、および/またはホスホン酸、およ
び/またはホスフィン、および/またはチオールを有す
る高分子等が挙げられる。包接化合物としては、環状ポ
リエーテル(クラウンエーテル),環状ポリアミン(ア
ザクラウン化合物),環状ポリチアエーテル(チアクラ
ウン化合物),複合ドナークラウン化合物,複環式クラ
ウン化合物(クリプタンド),高分子クラウン化合物,
環状フェノール(カクスアレーン),シクロデキストリ
ン誘導体等との錯体。例えばジベンゾ−18−クラウン−
6とCa2+との錯体,クリプタド[2・2・2]のCa2+との
錯体等である。その他、Ni(CO)4 ,Mn2(CO)10などの金
属カルボニルや、カルボキシペプチターゼA、サーモリ
シン等の金属含有酵素や、ジルコアルミニウム系化合物
等があげられる。
【0035】これら具体例で説明してきたIB〜VIII族
の該金属含有化合物のうち、好ましい金属元素はII〜VI
II族の該金属元素であり、更に好ましくはII、III 、IV
族の該金属元素であり、その中でも特にZn,Ca,Mg,A
l,Zrが好ましい。さらに、周期律表IB〜VIII族の金
属元素を含有する化合物としては、アルミン酸化合物、
スズ酸化合物、チタン酸化合物及びジルコン酸化合物の
中から選ばれる1種以上が挙げられる。アルミン酸化合
物としては、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸ナト
リウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸リチウム等
が、スズ酸化合物としては、スズ酸ナトリウム、スズ酸
カリウム、スズ酸リチウム等が、チタン酸化合物として
は、チタン酸リチウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸
カリウム、チタン酸バリウム等が、ジルコン酸化合物と
しては、ジルコン酸リチウム、ジルコン酸ナトリウム、
ジルコン酸カリウム等が挙げられる。これらの化合物と
ホウ酸化合物と併用することにより、可使時間を改善す
ることができる。
【0036】なお、砂中、及び粘結剤中の該金属元素の
定量については、一般に以下のように行う。
【0037】〔砂中の該金属元素の定量〕砂を 150メッ
シュ以下に粉砕し、 100ml用白金皿に 0.2〜0.3g秤量す
る。これに、濃塩酸5ml、濃フッ化水素酸3ml、濃過塩
素酸10ml加えSiを揮散させた後、HCl(1+1)10ml+H2O 10m
l を加え、加熱し、残渣塩を溶解する。これを、濾過(N
o5C 濾紙)、希塩酸+温水にて洗浄する。濾紙上に残っ
た残渣は、30mlの白金るつぼ中、 900〜1000℃にて灰化
後放冷し、ピロ硫酸カリウム2gを加え800 ℃にて酸融
解する。融解物を抽出したものを、先の濾液と合わせ、
メスフラスコにて100 mlの溶液とした後、ICP(誘導
結合プラズマ発光分析)法により該金属元素を定量す
る。尚、HCl(1+1)とは塩酸(36%品)と水とを体積比で
同量混合したものである。
【0038】〔粘結剤中の該金属元素の定量〕粘結剤
を、充分混合攪拌し、 100ml用白金皿に 0.5〜0.8g秤量
する。これに、濃硝酸10mlを添加し酸分解後、弱熱分解
する。濃過塩素酸を10ml添加し、白煙処理し濃過塩素酸
3mlとする。放冷後、HCl(1+1)10ml+H2O 10ml を加え、
加熱溶解する。これを、ろ過(No5C濾紙)し、希塩酸+
温水にて洗浄する。濾紙上に残った残渣は、30mlの白金
るつぼ中、 900〜1000℃にて灰化後放冷し、ピロ硫酸カ
リウム2gを加え800 ℃にて融解する。融解物を抽出し
たものを、先の濾液と合わせ、メスフラスコにて100 ml
の溶液とした後、ICP(誘導結合プラズマ発光分析)
法により該金属元素を定量する。
【0039】本発明の鋳型用粘結剤組成物を製造するに
は、フェノール・アルデヒド変性樹脂に対し、本発明に
係る上記の金属元素含有化合物をフェノール・アルデヒ
ド変性樹脂の固形分に対し金属元素に換算して0.0005〜
5重量%、好ましくは 0.001〜3重量%使用する。該化
合物が0.0005重量%未満では本発明の効果として充分で
なく、逆に5重量%を超えると効果は飽和領域にある。
【0040】フェノール・アルデヒド変性樹脂と上記の
如き金属元素含有化合物とを併用する形態としては、予
めフェノール類に該金属元素含有化合物を溶解もしくは
混合させたのちにアルデヒド類との重縮合反応を行って
もよいし、フェノール類とアルデヒド類の重縮合反応が
進んだ段階で該金属元素含有化合物を溶解もしくは混合
させてもよいし、フェノール・アルデヒド変性樹脂又は
水溶液中に含有させてもよいし、有機エステル中に攪拌
混合せしめてもよいし、或いはそれらと別途に耐火性骨
材に添加してもよい。また、この際、周知の溶媒に希釈
して混練性を高めて添加することもできる。
【0041】本発明の鋳型用粘結剤組成物については自
硬性鋳型造型法でもガス硬化性鋳型造型法でも、特に制
限されるものではない。
【0042】本発明の鋳型用粘結剤組成物を用いて鋳型
を自硬性鋳型造型法によって製造するには、耐火性骨材
100重量部に、鋳型用粘結剤組成物を水溶液の形態で固
形分として 0.1〜15重量部、好ましくは 0.3〜5重量部
及び硬化剤である有機エステル0.05〜9重量部、好まし
くは 0.1〜5重量部を周知の方法で混練し、従来の自硬
性鋳型製造プロセスをそのまま利用して鋳型を製造する
ことができる。
【0043】また、本発明において、鋳型をガス硬化性
鋳型造型法によって製造するには、まず耐火性骨材 100
重量部に、鋳型用粘結剤組成物を水溶液の形態で固形分
として 0.1〜15重量部、好ましくは 0.3〜5重量部を加
えた混練砂を手込め、もしくは加圧空気でのブローイン
グにより模型中に充填し、次いでガス状もしくはエロゾ
ル状の有機エステル0.05〜9重量部を吹き込んでフェノ
ール・アルデヒド変性樹脂混合物を硬化させることによ
り、鋳型を製造する。
【0044】本発明に用いられる有機エステルとして
は、ラクトン類或いは炭素数1〜10の一価又は多価アル
コールと炭素数1〜10の有機カルボン酸より誘導される
有機エステルの単独もしくは混合物が用いられるが、自
硬性鋳型造型法ではγ−ブチロラクトン、プロピオンラ
クトン、ε−カプロラクトン、ギ酸エチル、エチレング
リコールジアセテート、エチレングリコールモノアセテ
ート、トリアセチン等を用いるのが好ましく、ガス硬化
性鋳型造型法ではギ酸メチルを用いるのが好ましい。更
に、ガス状等の有機エステルに代えて、炭酸ガスを使用
して鋳型用粘結剤組成物を硬化させる場合には、粘結剤
組成物中に適正量のホウ酸、ホウ酸塩等のホウ酸化合物
を添加し、このホウ酸化合物と炭酸ガスの共働作用によ
って、フェノール・アルデヒド変性樹脂を硬化させるこ
とができる。この場合、耐火性骨材100重量部に対し
て、ホウ酸化合物を含有する鋳型用粘結剤組成物 0.1〜
15重量部、好ましくは1〜5重量部を加えた混練砂を手
込め、もしくは加圧空気でのブローイングにより模型中
に充填し、次いで炭酸ガス0.05〜30重量部、好ましくは
0.1〜20重量部を吹き込んで、フェノール・アルデヒド
変性樹脂混合物を炭酸ガス硬化させることにより鋳型を
製造する。
【0045】用いるホウ酸化合物としては、ホウ酸(ア
ルカリ性水溶性フェノール系樹脂中でホウ酸塩とな
る)、四ホウ酸ナトリウム10水和物(ホウ砂)、ホウ酸
カリウム10水和物、メタホウ酸ナトリウム、五ホウ酸カ
リウム、五ホウ酸ナトリウム等が挙げられる。かかるホ
ウ酸化合物はフェノール・アルデヒド変性樹脂水溶液に
対して 0.1〜30重量部の範囲が良く、好ましくは3〜15
重量部が良好である。ホウ酸化合物がフェノール・アル
デヒド変性樹脂水溶液に対して 0.1重量部未満では鋳型
の硬化速度及び鋳型強度が不十分であり、30重量部を超
えるとフェノール・アルデヒド変性樹脂の性状及び水分
含量にも関係するが、一般的に樹脂粘度やホウ酸化合物
との相溶性が悪化し、沈殿物が発生する傾向が見受けら
れる。
【0046】更に、前述した問題点として挙げた耐火性
骨材のアルカリ性を示す再生砂(再生砂 100重量部に蒸
留水 100重量部を充分混合した上澄液のpHが 8.0以上の
再生砂をアルカリ性を示す再生砂という)と本発明の粘
結剤組成物を用いて混練砂として得る場合、可使時間が
充分に得られ、混練待機時間が長くても充分鋳型強度の
高い鋳型を製造することができる。この効果は特に炭酸
ガスを用いるガス硬化性鋳型造型法で有効であるが、本
発明の鋳型用粘結剤組成物については、自硬性鋳型造型
法でもガス硬化性鋳型造型法でも、特に制限されるもの
ではない。
【0047】アルカリ性を示す再生砂とはアルカリ性を
示す粘結剤を使用した再生砂であり、本発明の粘結剤組
成物を用いたユニットサンドの他、ベントナイトを使用
する生型再生砂、水ガラスを炭酸ガスやタイカル粉で硬
化させる水ガラス再生砂、水溶性フェノール樹脂粘結剤
を有機エステルあるいは炭酸ガスで硬化させた再生砂で
ある。
【0048】特に水溶性フェノール樹脂粘結剤を有機エ
ステルあるいは炭酸ガスで硬化させた再生砂の灼熱減量
%(LOI%)は 0.1〜15重量%の範囲が好ましく、ベ
ントナイト等を使用した生型再生砂の全粘土分は1〜15
重量%の範囲が好ましく、水ガラス再生砂では同砂中に
含まれるNa2Oが0.01〜5重量%の範囲が好ましく、それ
ぞれ、鋳型強度及び可使時間の面から改善できる再生砂
の性状である。
【0049】その他フェノールノボラック樹脂をヘキサ
ミンで硬化させたシェル再生砂やフェノールレゾールと
イソシアネートオリゴマーをアミンで硬化させたフェノ
ール、ウレタン樹脂を硬化させた再生砂等も使用でき
る。
【0050】更に、本発明に用いる粘結剤にグリコール
エーテル類を用いてもよい。通常、フェノール・アルデ
ヒド変性樹脂水溶液 100重量部に対して、1〜20重量部
配合添加する。そのグリコールエーテル類の種類として
は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルグリコール、エチレングリコールモノ
プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル等が挙げられる。
【0051】本発明で用いられるフェノール・アルデヒ
ド変性樹脂は、下記の一般式(1) で表されるビスフェノ
ール類から選ばれる1種以上の化合物と、アルデヒド化
合物とを共縮合して得られるもの、もしくは、フェノー
ル類から選ばれる1種以上の化合物及び上記の一般式
(1) で表されるビスフェノール類から選ばれる1種以上
の化合物と、アルデヒド化合物とを共縮合して得られる
ものである。
【0052】
【化5】
【0053】一般式(1) で表されるビスフェノール類の
具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノ
ールZ、ビスフェノールS、ビスフェノールAF、ビス
フェノールAP、ジ− sec−ブチル−ビスフェノール
A、ジ−イソプロピル−ビスフェノールA、 1,1−エチ
リデン−ビスフェノール、メチル−エチル−メチレン−
ビスフェノールA、メチルイソブチル−メチレン−ビス
フェノール、メチル−ヘキシル−メチレン−ビスフェノ
ール、メチル−フェニル−メチレン−ビスフェノール、
4,4'−チオジフェノール等が挙げられ、それらが単独で
又は混合して使用される。
【0054】フェノール類としては、下記の一般式 (2)
〜(4) で表される化合物の中から選ばれる1種以上が使
用される。
【0055】
【化6】
【0056】(式中、R5及びR6は、水素原子又は炭素数
2以下の炭化水素基を表わす。)
【0057】
【化7】
【0058】(式中、R7は、水素原子、水酸基又は炭素
数2以下の炭化水素基を表わす。)
【0059】
【化8】
【0060】(式中、R8は、炭素数3以上の脂肪族炭化
水素基又は芳香族炭化水素基を表わす。) 。
【0061】フェノール類のうち、一般式(2) で表され
る化合物の具体例としては、フェノール、クレゾール、
3,5−キシレノール等が挙げられる。一般式(3) で表さ
れる化合物は多価フェノールであって、具体例として
は、レゾルシノールやカテコール等が挙げられる。ま
た、一般式(4) で表される化合物は、主としてパラ位に
炭素数3以上のアルキル基やフェニル基が結合したもの
であり、具体例としては、ノニルフェノール、p−tert
−ブチルフェノール、イソプロペニルフェノール、フェ
ニルフェノール等が挙げられる。また、カシューナッツ
殻液のような各種のフェノール類の混合物等も使用でき
る。特に、フェノール類としては、フェノールとクレゾ
ールの混合物が好ましい。
【0062】また、アルデヒド化合物としては、ホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、グ
リオキザール等が、単独で又は混合して使用される。
【0063】ビスフェノール類、もしくはフェノール類
及びビスフェノール類と、アルデヒド化合物とを共縮合
する際、各化合物のモル比は、以下の通りであるのが好
ましい。即ち、ビスフェノール類のモル数、もしくはフ
ェノール類のモル数とビスフェノール類のモル数との合
計モル数に対する、アルデヒド化合物のモル数の比が1.
0〜5.0 〔 (ビスフェノール類のモル数、もしくはフェ
ノール類のモル数+ビスフェノール類のモル数) :アル
デヒド化合物のモル数=1: 1.0〜5.0 〕であるのが好
ましい。特に、アルデヒド化合物のモル数の比が 1.5〜
3.0 であるのが、より好ましい。アルデヒド化合物のモ
ル数の比が 1.0未満になると、得られたフェノール・ア
ルデヒド変性樹脂を使用して造型しても、鋳型の強度が
充分に向上しない傾向が生じる。逆に、アルデヒド化合
物のモル数の比が 5.0を超えると、得られたフェノール
・アルデヒド変性樹脂のアルデヒド臭が強く、作業環境
が悪くなる恐れがある。また、フェノール類とビスフェ
ノール類を併用する場合、フェノール類のモル数に対す
る、ビスフェノール類のモル数の比は、 0.001〜1000程
度 (フェノール類のモル数:ビスフェノール類のモル数
=1: 0.001〜1000) が好ましい。特に、ビスフェノー
ル類のモル数の比が0.01〜90であるのがより好ましい。
ビスフェノール類のモル数が 0.001未満であったり、或
いは1000を超えると、得られる鋳型の強度が充分に向上
しない傾向が生じる。
【0064】ビスフェノール類、もしくはフェノール類
及びビスフェノール類と、アルデヒド化合物との共縮重
合は、一般的に水溶液中で行われ、フェノール・アルデ
ヒド変性樹脂が得られる。例えば、所定量のビスフェノ
ール類もしくはフェノール類及びビスフェノール類を溶
解させた水溶液中に、所定量のアルデヒド化合物を徐々
に添加しながら、共縮重合させて得るのが好ましい。こ
の際、反応触媒としては、水酸化カリウム(KOH) 、水酸
化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)等のアルカ
リ触媒が使用されるが、特に、水酸化カリウムを使用す
るのが好ましい。本発明におけるフェノール・アルデヒ
ド変性樹脂は、アルカリ性水溶液に調整されるため、共
縮重合の際に所定量の水酸化カリウムを使用しても良い
し、また反応触媒として最小限の水酸化カリウムを使用
し、共縮重合を終えた後、所定量の水酸化カリウムを添
加してもよい。また、共縮重合を終えた後において、水
酸化カリウムと共に水酸化ナトリウムや水酸化リチウム
を併用して、所定のアルカリ性になるようにしてもよ
い。更に、酸触媒を使用して共縮重合させた後、次いで
水酸化カリウム等のアルカリ触媒を使用して共縮重合を
進行させてもよい。フェノール・アルデヒド変性樹脂の
アルカリ水溶液において、ビスフェノール類の水酸基の
モル数、もしくはフェノール類の水酸基のモル数とビス
フェノール類の水酸基のモル数との合計モル数に対す
る、全アルカリのモル数の比は、 0.2〜1.2 であるのが
好ましい。また、アルカリ水溶液中における、フェノー
ル・アルデヒド変性樹脂の濃度は、30〜75重量%である
のが好ましい。
【0065】また、フェノール・アルデヒド変性樹脂
は、更にアルコール類を共縮合することにより、耐火性
骨材と混練した場合における、混練砂の流動性及び模型
への充填性に優れるものとなる。アルコール類として
は、炭素数2〜10の1価アルコールが好ましく、例え
ば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、 sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘ
キシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアル
コール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシ
ルアルコール等が挙げられる。特に、1価アルコールと
して、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
ブチルアルコール、イソブチルアルコール、 sec−ブチ
ルアルコール又はtert−ブチルアルコールを使用するの
が最も好ましい。配合割合としては、ビスフェノール類
のモル数、もしくはフェノール類のモル数とビスフェノ
ール類のモル数との合計モル数に対して0.0001〜0.5 倍
モルが好ましい。特に、アルコール類が0.01〜0.2 倍モ
ルであるのがより好ましい。アルコール類のモル数が0.
0001倍モル未満になると、アルコール類を添加する効果
がなく、逆に、 0.5倍モルを超えると鋳型の強度が充分
に向上しない傾向が生じる。
【0066】耐火性骨材としては石英質を主成分とする
珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミ
ナサンド、人工合成ムライトサンド等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。本発明においてはこれら
の耐火性骨材は新砂、再生砂のいずれを用いることもで
きるが、特に再生砂を用いた場合の鋳型強度向上効果が
顕著である。再生砂を使用する場合、再生砂は通常の磨
耗式或いは焙焼式で得られるものが使用されるが、再生
砂を得る方法は特に限定されるものではない。
【0067】また、耐火性骨材に前述したアルカリ性を
示す再生砂を混合させて使用してもよく、これらの再生
砂を1種以上、新砂を含めた任意の混合比で使用しても
よいが、耐火性骨材中に10重量%以上のアルカリ性を示
す再生砂を用いる場合において、本発明の鋳型用粘結剤
組成物を用いることが好ましい。
【0068】本発明の粘結剤組成物中には、その他添加
剤として従来より公知であるシランカップリング剤を使
用することができる。その具体例としては、好ましいも
のとしてγ−アミノプロピルトリエトキシシランやγ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が
挙げられる。本発明においてはこのシランカップリング
剤を粘結剤組成物と併用するのが好ましい。添加量とし
ては、耐火性骨材 100重量部に対して 0.001〜1重量
部、好ましくは 0.002〜0.5 重量部である。
【0069】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0070】〔鋳型用粘結剤組成物水溶液1の調整〕50
%水酸化カリウム水溶液に、表1に示したモル比で定め
られる量のフェノール類とビスフェノール類とアルコー
ル類とを加え、攪拌し溶解させた。この溶液を80℃に保
持しながら、表1に示したモル比で定められる量のアル
デヒド化合物を徐々に加えた。そして、反応溶液中にお
けるフェノール・アルデヒド変性樹脂の重量平均分子量
が2500に達する時点まで80℃で反応を続けた。重量平均
分子量が2500に達する時点の判定は、反応溶液の粘度を
測定することによって行った。反応終了後、室温まで冷
却した後、フェノール類の水酸基のモル数とビスフェノ
ール類の水酸基のモル数の合計モル数に対する、水酸化
カリウムのモル数の比が0.85となるように、50%水酸化
カリウム水溶液を加えた。以上のようにして、フェノー
ル・アルデヒド変性樹脂のアルカリ水溶液を得た。そし
て、表1に示した各種の金属元素含有化合物を水溶液中
に添加した。(但し、実施例8、9は除く)更に、γ−
アミノプロピルトリエトキシシランを、フェノール・ア
ルデヒド変性樹脂 100重量部に対して、 0.5重量部水溶
液中に添加した。以上のようにして、鋳型用粘結剤組成
物水溶液1を調整した。なお、粘結剤組成物水溶液中の
粘結剤組成物 (フェノール・アルデヒド変性樹脂、金属
元素含有化合物) の含有量は50重量%であった。
【0071】本発明におけるフェノール・アルデヒド変
性樹脂水溶液の固形分量は、空気循環式炉内で秤量した
試料(2.0±0.1g) を3時間 100℃に加熱することによっ
て測定した。
【0072】なお、表1中のAなる項目は、フェノール
類のモル数、ビスフェノール類のモル数、もしくはフェ
ノール類のモル数とビスフェノール類のモル数との合計
モル数に対する、アルデヒド化合物のモル数の比であ
る。即ち、〔アルデヒド化合物のモル数/ (フェノール
類のモル数+ビスフェノール類のモル数) 〕である。ま
た、Bなる項目は、フェノール類とビスフェノール類を
併用した場合、フェノール類のモル数に対する、ビスフ
ェノール類のモル数の比である。即ち、〔ビスフェノー
ル類のモル数/フェノール類のモル数〕である。更に、
Cなる項目は、フェノール類のモル数、ビスフェノール
類のモル数、もしくはフェノール類のモル数とビスフェ
ノール類のモル数との合計モル数に対する、アルコール
類のモル数の比である。即ち、〔アルコール類のモル数
/ (フェノール類のモル数+ビスフェノール類のモル
数) 〕である。以下、表中のA〜Cは、これと同様であ
る。
【0073】〔鋳型用粘結剤組成物水溶液2の調整〕反
応溶液中におけるフェノール・アルデヒド変性樹脂の重
量平均分子量が1800に達する時点まで反応を続けた以外
は、鋳型用粘結剤組成物水溶液1と同一の方法で、鋳型
用粘結剤組成物水溶液2を調整した。表3に反応のモル
比及び添加した金属元素含有化合物の種類・量を示す。
【0074】〔鋳型用粘結剤組成物水溶液3の調整〕鋳
型用粘結剤組成物水溶液2の調整の際に、反応終了後に
得られたフェノール・アルデヒド変性樹脂の水溶液25重
量部と、四ホウ酸ナトリウム・10水和物5重量部と、50
%水酸化カリウム5重量部とを混合して、鋳型用粘結剤
組成物水溶液3を調整した。表5に反応のモル比及び添
加した金属元素含有化合物の種類・量を示す。
【0075】〔再生砂Aの調製方法〕フリーマントル珪
砂の新砂 100重量部に対し、硬化剤であるトリアセチン
0.3重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
0.5重量%(対フェノール・アルデヒド変性樹脂)を含
有するフェノール・アルデヒド変性樹脂(固形分49重量
%、重量平均分子量2300)を 1.5重量部添加混練した混
合物より造型した鋳型を用い、FC−250(S/M =3.5)を
鋳造し、回収した砂をクラッシャーにかけ、日本鋳造製
M型ロータリークレーマーを用いて再生(A再生、2パ
ス)した。以上の工程を5回繰り返して得られた再生砂
を以下の鋳型強度試験用の調製に用いた。得られた再生
砂Aの灼熱減量%(LOI%)は 0.8重量%であった。
【0076】〔再生砂Bの調製方法〕国産珪砂5号の新
砂 100重量部に対し、前記の鋳型用粘結剤組成物水溶液
3を3重量部添加混練した混合物をガス用鋳型模型に充
填し、炭酸ガス 1.5重量部を吹き込み、鋳型を得た。そ
の鋳型を用い、FC−250(S/M =3.5)を鋳造し、回収し
た砂をクラッシャーにかけ、日本鋳造製M型ロータリー
クレーマーを用いて再生(A再生、2パス)した。以上
の工程を5回繰り返して得られた再生砂を以下の鋳型強
度試験用の調製に用いた。得られた再生砂BのLOI%
は 0.9重量%であった。
【0077】〔再生砂Cの調製方法〕国産珪砂6号の新
砂 100重量部に対し、水ガラス(SiO2/Na2O モル比 2.
0、60ボーメ度)を6重量部添加混練した混合物をガス
用鋳型模型に充填し、炭酸ガス3重量部を吹き込み、鋳
型を得た。その鋳型を用い、FC−250(S/M =3.5)を鋳
造し、回収した砂をクラッシャーにかけ、日本鋳造製M
型ロータリークレーマーを用いて再生(A再生、4パ
ス)した。以上の工程を5回繰り返して得られた再生砂
を以下の鋳型強度試験用の調製に用いた。得られた再生
砂CのNa2O%は 0.5重量%であった。
【0078】〔再生砂Dの調製方法〕国産珪砂6号の新
砂 100重量部に対し、ベントナイト 6.0重量部、石炭粉
3重量部、コーンスターチ1重量部、水 3.5重量部添加
混練した混合物を生型模型に充填し、ジョルト方式で鋳
型を得た。その鋳型を用い、FC−250(S/M =10) を鋳
造し、回収した砂をクラッシャーにかけ、日本鋳造製M
型ロータリークレーマーを用いて再生(B再生、1パ
ス)した。以上の工程を5回繰り返して得られた再生砂
を再び再生(B再生、5パス)して得られた再生砂を以
下の鋳型強度試験用の調製に用いた。得られた再生砂D
の全粘土分は 1.8重量%であった。
【0079】〔灼熱減量%の測定方法〕JIS Z-2605(鋳
物砂の水分試験方法)により遊離水分を除去した試料10
gを正確にはかりとり、あらかじめ約1000℃に保った電
気炉中に入れる。1時間強熱後、るつぼを取り出しシリ
カゲルを乾燥剤としたデシケータ中で室温まで放冷後、
正確に重量をはかる。灼熱減量%は次式によって算出す
る。
【0080】
【数1】
【0081】(式中、W1 は強熱前の試料重量(g)で
あり、W2 :強熱後の試料重量(g)である。) 〔Na2O重量%の測定方法〕水ガラス再生砂中のNa2O成分
の測定法については日本工業規格(JIS) の定義する「粘
土質耐火れんが及び粘土質耐火モルタルの分析法(JIS
R-2212)」に従った。
【0082】〔全粘土分の測定方法〕生型砂中の全粘土
分の測定法については日本工業規格(JIS) の定義する
「鋳物砂の試験方法(JIS Z-2601-1993) 」の試験法に従
った。
【0083】〔圧縮強度の測定方法〕以下の実施例にて
造型される50mmφ×50mmhのテストピースの圧縮強度の
測定は、日本工業規格(JIS) の定義する「鋳物砂の試験
方法(JIS Z-2601-1993) 」に依拠し、W/A〔kgf/c
m2〕で求める(W;試験片が破壊した時の加重(kgf) ,
A;試験片の断面積(cm2))。
【0084】実施例1〜9及び比較例1〜4 自硬性鋳型造型法において鋳型強度を評価した。即ち、
再生砂A 100重量部に対し、トリアセチンを0.26重量
部、表1に示す濃度(樹脂固形分に対する金属元素に換
算した濃度)の金属元素含有化合物を含有する鋳型用粘
結剤組成物水溶液1を 1.3重量部添加混練してなる混合
物を、50mmφ×50mmhのテストピース用模型に充填し、
24時間後の圧縮強度を測定した。但し、実施例8及び9
で用いた金属元素含有化合物は別添加して使用した。ま
た、内径50mm、内部有効長 100mmの試験筒の底部に受台
を取り付け、3mm目の篩を通して、試験筒に混練混合物
を粗充填する。次に、上部の余分な混練混合物をかき落
として、「ジョージ・フィッシャー社製のコンパクタビ
リティー・テスター」にかけ、10kg/cm2のスクイズ圧で
加圧した。この後における混練混合物の高さの減少を測
定し、この減少高さXmm〔=C.B. (コンパクタビリティ
ー) 〕を混練混合物の流動性・充填性の指標とした。
尚、Xが小さい程、混練混合物の流動性及び充填性が良
いことを示している。結果を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】実施例10〜16及び比較例5〜7 自硬性鋳型造型法において表2に示すアルカリ再生砂の
鋳型強度を評価した。評価方法は鋳型強度測定のみ行
い、耐火性骨材の種類を表2に示すように変更した以外
は、実施例1〜9及び比較例1〜4と同様に行った。但
し、実施例12で用いた金属元素含有化合物は別添加して
使用した。結果を表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】実施例17〜23及び比較例8〜11 ギ酸メチルガス硬化性鋳型造型法における鋳型強度を評
価した。即ち、再生砂A 100重量部に対し、表3に示す
濃度(樹脂固形分に対する金属元素に換算した濃度)の
金属元素含有化合物を含有する鋳型用粘結剤組成物水溶
液2を 2.0重量部、50mmφ×50mmhのガス硬化用テスト
ピース用模型に充填した。この模型中に1.5重量部のガ
ス状のギ酸メチルを注入し、24時間後の圧縮強度を測定
した。結果を表3に示す。
【0089】
【表3】
【0090】実施例24〜30及び比較例12〜14 ギ酸メチルガス硬化性鋳型造型法において表4に示すア
ルカリ再生砂の鋳型強度を評価した。評価方法は鋳型強
度測定のみ行い、耐火性骨材の種類を表4に示すように
変更した以外は、実施例17〜23及び比較例8〜11と同様
に行った。結果を表4に示す。
【0091】
【表4】
【0092】実施例31〜36及び比較例15〜17 炭酸ガス硬化性鋳型造型法における鋳型強度を評価し
た。即ち、再生砂A 100重量部に対し、表5に示す濃度
(樹脂固形分に対する金属元素に換算した濃度)の金属
元素含有化合物を含有する鋳型用粘結剤組成物水溶液3
を 3.5重量部添加混練した混合物を50mmφ×50mmhのガ
ス用テストピース枠に充填し、炭酸ガスを10リットル/
分の流速で2分間通気させ鋳型を造型した。24時間後の
圧縮強度を測定した。結果を表5に示す。
【0093】
【表5】
【0094】実施例37〜42及び比較例18〜20 炭酸ガス硬化性鋳型造型法における鋳型強度を評価し
た。即ち、再生砂B 100重量部に対し、表6に示す濃度
(樹脂固形分に対する金属元素に換算した濃度)の金属
元素含有化合物を含有する鋳型用粘結剤組成物水溶液3
を 3.5重量部添加混練した混合物を50mmφ×50mmhのガ
ス用テストピース枠に充填し、炭酸ガスを10リットル/
分の流速で2分間通気させ鋳型を造型した。24時間後の
圧縮強度を測定した。また、可使時間の影響を調べるた
め、混練直後より上記の粘結剤を混練した混合物をポリ
袋で密封し、4時間後、同様に50mmφ×50mmhのガス硬
化用テストピース用模型に充填した。この模型中に炭酸
ガスを10リットル/分の流速で2分間通気させ鋳型を造
型した。この鋳型の24時間後の圧縮強度を測定した。結
果を表6に示す。
【0095】
【表6】
【0096】実施例43〜49及び比較例21〜24 炭酸ガス硬化性鋳型造型法における鋳型強度を評価し
た。即ち、耐火性骨材として国産珪砂新砂、再生砂A〜
Dを用い、表7に示す耐火性骨材の混合割合(重量%)
に調製したものを 100重量部に対し、表7に示す鋳型用
粘結剤組成物を 3.0重量部添加混練した混合物を50mmφ
×50mmhのガス用テストピース枠に充填した。この模型
中に 1.5重量部の炭酸ガスを注入し、24時間後の圧縮強
度を測定した。また、可使時間の影響を調べるため、混
練直後より上記の粘結剤を混練した混合物をポリ袋で密
封し、4時間後、その混合物を取り出し、上記と同様の
造型法でテストピースを得、24時間後の圧縮強度を測定
した。結果を表7に示す。
【0097】
【表7】
【0098】実施例50〜56及び比較例25〜29 炭酸ガス硬化性鋳型造型法における鋳型強度を評価し
た。即ち、耐火性骨材として国産珪砂新砂、再生砂A〜
Dを用い、表8に示す耐火性骨材の混合割合(重量%)
に調製したものを 100重量部に対し、鋳型用粘結剤組成
物水溶液3(但し、金属元素含有化合物は含まない)を
3.0重量部、及び表8に示す濃度(樹脂固形分に対する
金属元素に換算した濃度)の金属元素含有化合物を粘結
剤組成物と別添加し、混練した混合物を50mmφ×50mmh
のガス用テストピース枠に充填した。この模型中に 1.5
重量部の炭酸ガスを注入し、24時間後の圧縮強度を測定
した。また、可使時間の影響を調べるため、混練直後よ
り上記の粘結剤を混練した混合物をポリ袋で密封し、4
時間後、その混合物を取り出し、上記と同様の造型法で
テストピースを得、24時間後の圧縮強度を測定した。結
果を表8に示す。
【0099】
【表8】
【0100】
【発明の効果】耐火性骨材を造型する鋳物用砂型の製造
方法において、本発明の硬化性鋳型用粘結剤組成物を用
いることにより、再生砂から造型された鋳型の強度及び
可使時間を大幅に向上させることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−123818(JP,A) 特開 昭63−142016(JP,A) 特開 昭53−58430(JP,A) 特開 平2−261815(JP,A) 特開 昭62−279048(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 1/00 - 1/26

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1) で表されるビスフェノ
    ール類から選ばれる1種以上の化合物とアルデヒド化合
    物とを共縮合して得られたフェノール・アルデヒド変性
    樹脂(A) と、周期律表IB〜VIII族の中から選ばれる1
    種以上の金属元素を含有する化合物(B) とを必須成分と
    することを特徴とする鋳型用粘結剤組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 フェノール類から選ばれる1種以上の化
    合物及び下記の一般式(1) で表されるビスフェノール類
    から選ばれる1種以上の化合物とアルデヒド化合物とを
    共縮合して得られたフェノール・アルデヒド変性樹脂
    (a) と、周期律表IB〜VIII族の中から選ばれる1種以
    上の金属元素を含有する化合物(b) とを必須成分とする
    ことを特徴とする鋳型用粘結剤組成物。 【化2】
  3. 【請求項3】 ビスフェノール類としてビスフェノール
    A又はビスフェノールFを使用する請求項1又は2記載
    の鋳型用粘結剤組成物。
  4. 【請求項4】 フェノール類としてフェノールとクレゾ
    ールとの混合物を使用する請求項2又は3記載の鋳型用
    粘結剤組成物。
  5. 【請求項5】 フェノール・アルデヒド変性樹脂が、さ
    らにアルコール類を共縮合して得られたものである請求
    項1〜4の何れか1項に記載の鋳型用粘結剤組成物。
  6. 【請求項6】 周期律表IB〜VIII族の中から選ばれる
    1種以上の金属元素が周期律表II〜VIII族の中から選ば
    れる1種以上の金属元素である請求項1〜5の何れか1
    項に記載の鋳型用粘結剤組成物。
  7. 【請求項7】 耐火性骨材 100重量部に対して、請求項
    1〜6の何れか1項に記載の鋳型用粘結剤組成物 0.1〜
    15重量部からなる混合物を混練して得られることを特徴
    とする鋳型組成物。
  8. 【請求項8】 耐火性骨材 100重量部に対して、有機エ
    ステル硬化剤0.05〜9重量部、請求項1〜6の何れか1
    項に記載の鋳型用粘結剤組成物 0.1〜15重量部からなる
    混合物を混練して得られることを特徴とする鋳型組成
    物。
  9. 【請求項9】 耐火性骨材が再生後及び/又は回収後の
    骨材が主成分である請求項7又は8記載の鋳型組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6の何れか1項に記載の鋳
    型用粘結剤組成物を用い、かつ硬化剤として有機エステ
    ル及び/又は炭酸ガスを用いることを特徴とする鋳型の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 アルカリ性再生砂を含有する耐火性骨
    材 100重量部に対して、有機エステル硬化剤0.05〜9重
    量部、請求項1〜6の何れか1項に記載の鋳型用粘結剤
    組成物 0.1〜15重量部からなる混合物を混練して得られ
    ることを特徴とする鋳型組成物。
  12. 【請求項12】 アルカリ性再生砂を含有する耐火性骨
    材 100重量部に対して、請求項1〜6の何れか1項に記
    載の鋳型用粘結剤組成物 0.1〜15重量部からなる混合物
    を炭酸ガス0.05〜30重量部で硬化させて得られることを
    特徴とする鋳型組成物。
  13. 【請求項13】 混合物が、さらにホウ酸化合物を含有
    してなる請求項11又は12記載の鋳型組成物。
  14. 【請求項14】 鋳型用粘結剤組成物中の周期律表IB
    〜VIII族の中から選ばれる1種以上の金属元素がアルミ
    ン酸化合物、スズ酸化合物、チタン酸化合物及びジルコ
    ン酸化合物の中から選ばれる1種以上である請求項11〜
    13の何れか1項に記載の鋳型組成物。
  15. 【請求項15】 アルカリ性再生砂が生型再生砂、水ガ
    ラス再生砂、及び水溶性フェノール樹脂を用いて炭酸ガ
    スまたは有機エステルで硬化させた鋳型より得られる再
    生砂の中から選ばれる1種以上である請求項11〜14の何
    れか1項に記載の鋳型組成物。
  16. 【請求項16】 アルカリ性再生砂を含有する耐火性骨
    材 100重量部に対して、下記の一般式(1) で表されるビ
    スフェノール類から選ばれる1種以上の化合物とアルデ
    ヒド化合物とを共縮合して得られたフェノール・アルデ
    ヒド変性樹脂(A) と、周期律表IB〜VIII族の中から選
    ばれる1種以上の金属元素を含有する化合物(B) とを
    (A)と(B) との合計量が 0.1〜15重量部となるように別
    途に添加して炭酸ガス0.05〜30重量部で硬化させて得ら
    れることを特徴とする鋳型組成物。 【化3】
  17. 【請求項17】 アルカリ性再生砂を含有する耐火性骨
    材 100重量部に対して、フェノール類から選ばれる1種
    以上の化合物及び下記の一般式(1) で表されるビスフェ
    ノール類から選ばれる1種以上の化合物とアルデヒド化
    合物とを共縮合して得られたフェノール・アルデヒド変
    性樹脂(a) と、周期律表IB〜VIII族の中から選ばれる
    1種以上の金属元素を含有する化合物(b) とを (a)と
    (b) との合計量が 0.1〜15重量部となるように別途に添
    加して炭酸ガス0.05〜30重量部で硬化させて得られるこ
    とを特徴とする鋳型組成物。 【化4】
  18. 【請求項18】 混合物が、さらにホウ酸化合物を含有
    してなる請求項16又は17記載の鋳型組成物。
  19. 【請求項19】 アルカリ性再生砂が生型再生砂、水ガ
    ラス再生砂、及び水溶性フェノール樹脂を用いて炭酸ガ
    ス及び/又は有機エステルで硬化させた鋳型より得られ
    る再生砂の中から選ばれる1種以上である請求項16〜18
    の何れか1項に記載の鋳型組成物。
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