JP2014018429A - 把手付き不織布袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不織布シートを、二つ折りに畳み、その折り目部位を含むシート部分で袋底を形成するとともに、該二つ折りにされた互いに対向する不織布シートの左右両側について側縁部同士を結合することにより、袋状とし、その袋の開口部周縁のシート部分を内側に折り曲げ、結合して二層重ね部6を設けてなる袋本体2と、二重に重ね縫製された二本の帯状物を該二層重ね部6に取付けてなる左右一対の把手3とを備えた把手付き不織布袋1であって、前記側縁部同士はインパルス式ヒートシールにより結合してなり、更に、該ヒートシール部のうち、前記開口部周縁及びその近傍部位、並びに前記折り目部位に連なる部位を縫着してなり、該二層重ね部6は断続的な超音波シールにより結合してなり、そして、該二層重ね部6と該把手3との取付け部10は縫着してしてなる。
【選択図】図1
Description
把手付きの紙袋は軽いうえ、折り畳むと薄くなるので携帯に便利であるが、その反面、強度が弱く形が決まってしまうので、重い荷物や嵩張る荷物を運ぶには不向きであった。それに対し、把手付きの布袋は強度が高く、荷物の形にあわせて形が変化できるので、嵩張る荷物や重い荷物を運ぶのに適しているものの、袋自体が重く、さらに小さく折り畳めないため、持ち運びに不便であるという問題がある。さらに、布袋は紙袋などと比較して値段が高く、一時的な間に合わせの用途の為に使用したい場合に、気軽に購入しにくいという問題があった。
そこで、近年、一時的な用途に気軽に使用できる、壊れにくく、形状が変化しやすいうえ、軽量でコンパクトに折りたたんで持ち運べる把手付き袋がもとめらえれている。
一方、ポリオレフィンフィルム製の買物袋、具体的にはスーパー等のレジで用いられる所謂レジ袋の代わりとして、不織布製の買物袋が提案されている(特許文献1)。しかし、上記の把手付きの紙袋や布袋に代わって使用するのに、満足のいく把手付き不織布袋は提案されていない。
そして、特許文献1に記載の買物袋は、大きい又は重い商品を入れても繰り返し使用可能であり、軽量かつコンパクトで、さらにリサイクルが容易であるため、従来のレジ袋等のポリオレフィンフィルム製の買物袋に比して非常に有用性の高いものといえる。
しかしながら、外出時に持ち歩くことが多い把手付きの不織布袋は、上記買物袋より遥かに多くの使用回数が想定され、そのため、より高い耐久性や強度が要求される。
そのため、上記買物袋と同様に不織布をヒートシールにより結合したのみでは、望ましい把手付きの不織布袋を製造できない可能性がある。その理由として、ヒートシール結合は、不織布を溶かして圧力をかけて結合させるものであるため、結合部の厚みが薄くなり壊れ易くなるからである。例えば、袋口を開いた場合に、袋側面のヒートシール部を広げる力がかかり、それにより把手付き袋の開口部から裂ける様に破けてしまうおそれがある。また、重い荷物を入れた場合、把手が袋本体の接合部より剥がれるように壊れてしまい、袋本体から把手が外れてしまうおそれがある。また、重い荷物を入れた場合、袋底にかかる重さによって、袋底をヒートシール結合させた袋底部或いは袋底から連なる袋本体の側面部分に負荷がかかってしまい、その部分から破けてしまうというおそれもある。
そのため、袋全体が縫製により仕上げられた不織布袋よりも製造の手間と時間を減らしてコストを削減でき、且つヒートシールによって製造した不織布袋よりも嵩張る荷物や重い荷物を運ぶことのできる、一時的な用途に気軽に使用できる安価で強度のある不織布製袋が求められている。
(1)略線対称形状の不織布シートを、その対称線に沿って二つ折りに畳み、
その折り目部位を含むシート部分で袋底を形成するとともに、
該二つ折りにされた互いに対向する不織布シートの左右両側について側縁部同士を結合することにより、袋状とし、
その袋の開口部周縁のシート部分を内側に折り曲げ、結合して二層重ね部を設けてなる袋本体と、
二重に重ね縫製された二本の帯状物を該二層重ね部に取付けてなる左右一対の把手と
を備えた把手付き不織布袋であって、
前記側縁部同士はインパルス式ヒートシールにより結合してなり、
更に、該ヒートシール部のうち、前記開口部周縁及びその近傍部位、並びに前記折り目部位に連なる部位を縫着してなり、
該二層重ね部は断続的な超音波シールにより結合してなり、
そして、該二層重ね部と該把手との取付け部は縫着してしてなる
ことを特徴とする把手付き不織布袋、
(2)前記袋本体及び前記左右一対の把手はポリプロピレン不織布からなり、かつ、前記重ね縫製箇所及び縫着箇所に用いた糸は、ポリエステルスパン又はポリプロピレン糸である、前記(1)記載の把手付き不織布袋、
に関するものである。
その上、本発明の把手付き不織布袋は、嵩張る又は重い荷物を入れることで裂けや破れ等によって壊れやすい、側縁部の開口部周縁及びその近傍、並びに袋底を形成している不織布シートの折り目部から連なる部位、把手の長手方向の両縁及び把手取付け部を縫着して補強しているので、壊れにくい。
そして、開口部周縁を内側に折り曲げて、断続的に超音波シールにより結合してなるので、荷物の出し入れを繰り返しても壊れにくいものになっている。
これにより、本発明の把手付き不織布袋は、優れた荷物の許容容量及び荷重限度を有することができる。
また、本発明の把手付き不織布袋を、ポリプロピレン不織布及びポリプロピレン糸のみを材料として製造する場合は、使用後に回収して容易にリサイクルできるため、環境保護及び省資源化が期待できる。
また、本発明の把手付き不織布袋は軽量であり、コンパクトに折り畳め、且つ容易に広げて買物袋として使用できるので、紙袋と同様に携帯性に優れる。
本発明の把手付き不織布袋は、略線対称形状の不織布シートを、その対称線に沿って二つ折りに畳み、その折り目部位を含むシート部分で袋底を形成するとともに、該二つ折りにされた互いに対向する不織布シートの左右両側について側縁部同士を結合することにより、袋状とし、その袋の開口部周縁のシート部分を内側に折り曲げ、結合して二層重ね部を設けてなる袋本体と、二重に重ね縫製された二本の帯状物を該二層重ね部に取付けてなる左右一対の把手とを備えてなる。
袋底を形成するように折り畳む方法は、従来知られている方法でよい。たとえば、折り目部位を含むシート部分を内側に谷折りする方法、又は不織布シートに切れ目を入れる、あるいは不織布シートの一部を切り落としてから、折り畳む方法でもよい。
ヒートシールの方法としては、インパルス式、熱風式、熱板式、コテ式等が知られているが、本発明では、インパルス式ヒートシールを採用する。インパルス式ヒートシールは、機構が簡単で、制御が容易であり、加工時のみ短時間加熱するだけで不織布を結合できるので、低コストで行えて好ましい。
上記インパルス式ヒートシール加工としては、例えば、図5に示すように、一対の円柱状のヒーターを用いて2枚の不織布を結合させるのが好ましい。
即ち、図5の(a)で示されるように不織布31を2枚重ね、その上下から一対の円柱状のヒーター32で2枚重ねの不織布31を挟む(図5の(b))と、熱溶着部33が形成されるが、該熱溶着部33は、ヒーター32で挟まれた際に、熱溶融した部分が2つのヒーター32が重なる部分の両側へ押しやられることになる。
そのため、結果として形成される熱溶着部33は、2枚の不織布31の結合部分で肉厚となり(図5の(c))、それにより破損に対する強度が向上し、ヒートシール部分から破損し難くなり、例えば、熱板式ヒートシールで形成したヒートシールよりも遥かに破損し難いヒートシールとなる。
尚、インパルス式ヒートシール加工に用いるための、好ましい、上記一対の円柱状のヒーターにおける各円柱の直径は、0.5ないし1.5mmであり、好ましい瞬間電流は、40ないし50Aであり、好ましい電圧は、180ないし260Vであり、好ましい加熱時間は、3ないし5秒である。
また、開口部周縁を単に連なってヒートシールを行った場合、ヒートシール部分のシートの厚さが薄くなるため、重い荷物を入れたときに破断しやすくなるおそれがある。しかし、本発明では、開口部周縁を断続的に超音波シールで結合しているので、超音波シールしていない部分、即ち2枚の不織布の厚みを持った部分が存在し、重い荷物を入れても破断しにくいものとなっている。この開口部周縁の二層重ね部は、不織布の間にプラスチック、紙、布等の補強片を挟み込むことができる。不織布及び糸と同一の素材を用いる場合、リサイクルする場合等に分離する手間を省ける。
尚、超音波シール加工に用いるための、好ましい電流は、0.8ないし1.5Aであり、好ましい電圧は、180ないし260Vであり、好ましい加工速度は、3ないし5m/分である。
部のうち、開口部周縁及びその近傍、並びに袋底を形成するシート部位の折り目部と連なった部分を縫着してなる。
従来の縫製された袋体は、縫着箇所が多く、端部までしっかり縫着されていないと、その部分から壊れてしまうので、一枚ずつ人の手でミシン縫いをする必要があった。それに対し、本発明の袋体は、縫い合わせ部が多い開口部周縁及び袋側縁部をインパルス式ヒートシールによって結合し、そして袋側縁部のうち、上記4箇所を縫着するだけで足りるので、少人数で多くの袋本体を製造することができる。これにより、1つ当たりの製造コストを低減できる。
側縁部の縫着箇所は、1箇所当りの長さを1ないし2cm程度の直線状とするのが強度及び作業効率の観点から好ましく、縫着箇所の縫い方は、縫う方向に対する直線縫いと幅1ないし2mmのジグザグ縫いを併用するのが好ましい。
縫着には、ポリエステルスパン又はポリプロピレン糸を用いるのが好ましい。
その上、開口部周縁は断続的に結合されているため、より強い負荷がかかったとしても、未結合の部分が伸びて袋側縁部の開口部周縁の結合部分にかかる力を緩和できる。そのため、より壊れにくいものとなる。
上記断続的な結合は、例えば、長さ2ないし5mm程度の超音波シール部を平行に等間隔で設けたものであり、1cm当り3ないし5箇所程度設けるのが好ましい。
把手の形状は、不織布袋の用途及び大きさによって適宜調整できる。把手部分を手で掴む、又は腕あるいは肩にかけられるように長さを調節したり、持ちやすいように幅を調節したりすることができる。
把手付き不織布袋は、重い荷物を入れた場合、把手及び把手の袋本体への取付部に大きな力がかかり、把手が伸びる或いは取付部が破れたり裂けたりしやすいものである。それに対して、本発明の把手付き不織布袋の把手は不織布を二重に重ね縫製されているので、伸びにくい。また、把手の袋本体の取り付けも縫着によってなされるので、ヒートシールによる結合に比べてはるかに強度が高く壊れにくい。
また、把手は、開口部の内側、外側のどちらに取り付けてもよいが、内側の方が重ねた状態で収納や出荷しやすく、また折り畳んで携帯するときに袋の内側に入れられるので邪
魔にならない。
実施例1の把手付き不織布袋1は、ポリプロピレン不織布及びポリプリピレン糸からなる袋体2と、把手3とを備えてなり(図1参照)、袋底4は折り畳むことができる(図2参照)。
76cm×112cmの矩形の不織布シートを、短辺同士が重なるように二つ折に畳み、その折り目部7をふくむシート7.5cmを内側に谷折にして、袋側縁部8をインパルス式ヒートシール(基本条件:ヒーター(一対の円柱状:各円柱の直径0.9mm)、加熱(シール)時間4秒、電圧220V、瞬間電流45A)により結合した。
袋体2は、周囲76cm、高さ45cm、袋底4が短径15cm、長径30cmの略楕円状であり、開口部周縁のシートを内側に3.5cm折り曲げて、開口部周縁から0.5mm及び3.0mmの2箇所を、幅3mm、間隔2mmのローレット状に超音波シール(基本条件:電圧220V、電流1A、速度4m/分)5して二層重ね部6を形成した。
袋側縁部8のうち開口部周縁及びその近傍8a及び袋底6を形成するシートに含まれる折り目部7と連なる部分8bを、それぞれ1.5cmの長さで縫着した。
把手3は、幅5cm、長さ45cmの不織布シートを長辺同士が重なるように二つ折りに畳み、長手方向の両縁部9を縫着して、幅2.5cm、長さ45cmの帯を製造し、これを袋体2の二層重ね部6に2cm四方の略正方形状の縫い目10にて縫着した。
実施例2の不織布製把手付き不織布袋21は、ポリプロピレン不織布及びポリプリピレン糸からなる、袋体22と、把手23とを備えてなり(図3参照)、側面を折り畳むことができる(図4参照)。
76cm×112cmの矩形の不織布シートを、短辺同士が重なるように二つ折に畳み、その折り目部27をふくむシート7cmを内側に谷折にし、切断したのち、袋側縁部28をインパルス式ヒートシール(基本条件:ヒーター(一対の円柱状:各円柱の直径0.9mm)、加熱(シール)時間4秒、電圧220V、瞬間電流45A)により結合した。
袋体22は、正面及び背面が幅22cm、左右の側面が幅14cm、高さ45cm、袋底24が略長方形であり、開口部周縁のシートを内側に3.5cm折り曲げて、開口部周縁31から0.5mm及び3.0mmの2箇所を、幅3mm、間隔2mmのローレット状に超音波シール(基本条件:電圧220V、電流1A、速度4m/分)25して二層重ね部26を形成した。
袋側縁部28のうち開口部周縁及びその近傍28a及び袋底26を形成するシートに含まれる折り目部27と連なる部分28bを、それぞれ1.5cmの長さで縫着した。
把手23は、幅5cm、長さ45cmの不織布シートを長辺同士が重なるように二つ折りに畳み、長手方向の両縁部29を縫着して、幅2.5cm、長さ45cmの帯を製造し、これを袋体22の二層重ね部26に2cm四方の対角線を有する略正方形状の縫い目30にて縫着した。
把手付き不織布袋1及び2の把手を持ち、袋底4、24を袋本体の内側から押してみた。その結果、把手付き不織布袋1および2の把手は袋本体としっかりくっついたままだっ
た。
次いで、把手付き不織布袋1及び2の袋本体の開口部周縁の中央及び袋底の側縁部寄りの隅(折れ目部とのつなぎ目部)をつかみ、引っ張ってみた。その結果、把手付き不織布袋1及び2は破けなかった。
これらの結果から、本発明の把手つき不織布袋は、破けたり、剥がれたりし易い箇所を縫着して補強しているので、嵩張る又は重い荷物を入れた場合であっても破けたり剥がれたりしなかった。
本発明の把手付き不織布袋は、リサイクル可能なポリオレフィン不織布及びポリオレフィン糸等のみを材料とした場合、回収して、ポリオレフィン不織布或いはポリオレフィン糸に再生し、例えば本発明の把手付き不織布袋を再生産できる。これにより、廃棄された把手付き不織布袋の焼却による炭酸ガスの発生や、資源の浪費を減らすことができ、環境保全、資源節約の点から非常に好ましい。
また、本発明の把手付き不織布袋1及び2は軽量なポリプロピレン不織布からできており、かつ把手及び開口部周縁以外は1枚の軽い生地からできているのでコンパクトに折り畳んで容易に持運べ、かつ、折り畳んだものを広げて把手付き不織布袋として使用できるので、携帯するのに大いに適している。
上述のように、実施例1及び2においては、ポリプロピレン不織布を結合するに際して、特定の条件を採用するインパルス式ヒートシール及び超音波シールを使用したが、これらのシール方法が、一般的に使用されるヒートシール条件(熱板式ヒートシール、基本条件:温度設定200℃、時間1秒)を使用して結合されたポリプロピレン不織布に比してどの程度のシール強度(引張強度)を示すかに付いて試験した。
試験方法:
長さ100mm、幅25mmのポリプロピレン不織布を2枚用意し、該不織布2枚を重ね合わせ、25mmの1辺を、熱板式ヒートシール、超音波シール(実施例1,2と同じ条件)及びインパルス式ヒートシール(実施例1,2と同じ条件)により結合し、各々においてシール強度(引張強度)(N/15mm)を測定した。
上記の操作を20回繰り返して平均値を算出した。
結果を表1に示した。
2,22 袋本体
3、23 把手
4、24 袋底
5、25 断続的な超音波シールによる結合
6、26 二層重ね部
7、27 袋底を形成する不織布シートに含まれる折り目部
8、28 袋側縁部(インパルス式ヒートシール結合箇所)
8a、28a 袋即縁部の開口部周縁及びその近傍(縫着箇所)
8b、28b 袋側縁部のと折り目部から連なった部分(縫着箇所)
9、29 把手の長手方向の両縁部(縫着箇所)
10、30 把手取付部(縫着箇所)
31 不織布
32 ヒーター(円柱状)
33 熱溶着部
Claims (2)
- 略線対称形状の不織布シートを、その対称線に沿って二つ折りに畳み、
その折り目部位を含むシート部分で袋底を形成するとともに、
該二つ折りにされた互いに対向する不織布シートの左右両側について側縁部同士を結合することにより、袋状とし、
その袋の開口部周縁のシート部分を内側に折り曲げ、結合して二層重ね部を設けてなる袋本体と、
二重に重ね縫製された二本の帯状物を該二層重ね部に取付けてなる左右一対の把手と
を備えた把手付き不織布袋であって、
前記側縁部同士はインパルス式ヒートシールにより結合してなり、
更に、該ヒートシール部のうち、前記開口部周縁及びその近傍部位、並びに前記折り目部位に連なる部位を縫着してなり、
該二層重ね部は断続的な超音波シールにより結合してなり、
そして、該二層重ね部と該把手との取付け部は縫着してしてなる
ことを特徴とする把手付き不織布袋。 - 前記袋本体及び前記左右一対の把手はポリプロピレン不織布からなり、かつ、前記重ね縫製箇所及び縫着箇所に用いた糸は、ポリエステルスパン又はポリプロピレン糸である、請求項1記載の把手付き不織布袋。
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