JPH08168847A - 鋳型組成物および鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型組成物および鋳型の製造方法

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JPH08168847A
JPH08168847A JP31295594A JP31295594A JPH08168847A JP H08168847 A JPH08168847 A JP H08168847A JP 31295594 A JP31295594 A JP 31295594A JP 31295594 A JP31295594 A JP 31295594A JP H08168847 A JPH08168847 A JP H08168847A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 耐火性骨材 100重量部に対して、シランカッ
プリング剤及びフェノール・アルデヒド変性樹脂を必須
成分とする粘結剤組成物 0.1〜15重量部と炭素数1〜8
のアルキル基を有するアルキルシリケート、その低縮合
物、変性シリコンオイル及び未変性シリコンオイルの中
から選ばれる1種以上 0.001〜10重量部とからなる混合
物を混練して得られることを特徴とする鋳型組成物、お
よび鋳型の製造方法。 【効果】 従来の製造方法によって得られる鋳型に比べ
高強度の鋳型が得られ、その結果、粘結剤の使用量の低
減が可能となるため、鋳物砂の回収が容易となり、ま
た、鋳込時の鋳型から発生するガス発生量を減少し得る
ので、ガス欠陥の発生を抑制し健全な鋳物が製造でき、
実用上有益なものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋳型組成物及びその製造
方法に関し、更に詳しくは、鋳型強度の改善された鋳型
組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機粘結剤を用いて主型や中子のような
鋳型を製造する造型法として、自硬性鋳型法、コールド
ボックス鋳型法、クローニング法(シェル法)は公知で
ある。特に有機自硬性鋳型造型法は機械鋳物分野を中心
に生産性、鋳物品質、安全衛生上の観点から無機系に代
わって既に汎用的な造型法となっている。
【0003】一方、従来、中、高速で鋳型を製造するに
はフェノール樹脂を粒状耐火物に被覆した、いわゆるコ
ーテッドサンドを加熱硬化して鋳型を製造するクローニ
ング法が幅広く使用されている。
【0004】しかし、鋳型製造時の省エネルギー、鋳型
生産速度、更に鋳型、鋳物の品質を改善するために、ガ
ス状又はエロゾル状物質で常温硬化させるコールドボッ
クス鋳型法がクローニング法を代替する鋳型の製造法と
して鋳物業界で真剣に導入が試みられてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】有機自硬性鋳型造型法
及びガス硬化性鋳型造型法に用いられる粘結剤組成物と
して、水溶性フェノール樹脂を粘結剤とし、これを有機
エステルで硬化せしめる鋳物砂用粘結剤組成物が、特開
昭50−130627号公報、特開昭58−154433号公報、特開昭
58−154434号公報等により公知である。また、ビスフェ
ノールとホルムアルデヒドとを縮重合させたフェノール
系樹脂を粘結剤として使用すること (特開昭62-40948号
公報、特開昭63-40636号公報) や、カリウムアルカリ性
ビスフェノール・フェノール共重合型レゾール樹脂を粘
結剤として使用すること (特開平5-123818号公報) も公
知である。
【0006】また、最近ではガス硬化の鋳型造型法とし
て二酸化炭素を用いるプロセスが提案されている(特公
平1-224263号公報)。これは、有機エステルのガスに比
べ人体への悪影響が少ない二酸化炭素のガスを使用する
ため、安全衛生上の観点から特に注目されている。
【0007】これらの粘結剤を用いた鋳型造型法は粘結
剤中に硫黄原子を含まないため酸硬化性樹脂を用いた鋳
物造型法に比較して浸硫による影響が少ないという特徴
を有する反面、得られる鋳型の強度が低いため、造型に
必要となる樹脂の添加量が非常に多く、注湯時の発生ガ
ス量が多く、ガス欠陥が出やすい。更に経済性も良くな
いといった欠点や、砂の再利用性が劣る等の欠点を有し
ており、改良が望まれている。
【0008】通常この粘結剤を用いて得られる鋳型の強
度を向上させるために、粘結剤にシランカップリング剤
が併用されており、その効果も認められるものの、酸硬
化性樹脂に比べると未だ効果は低く、更にその改良が望
まれている。
【0009】特開平3-291,124 には、シランカップリン
グ剤、水溶性フェノール樹脂及びアルキルシリケート又
はシリコンオイルを必須成分とする鋳物用砂型の製造方
法が開示されているが、得られる鋳型の強度が低いとい
う問題点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決すべく鋭意研究の結果、シランカップリング剤と
フェノール・アルデヒド変性樹脂を粘結剤とし、これを
有機エステル及び/又は炭酸ガスで硬化せしめる鋳型組
成物において、更に炭素数1〜8のアルキル基を有する
アルキルシリケート、その低縮合物、変性シリコンオイ
ル及び未変性シリコンオイルの中から選ばれる1種以上
を使用することにより、鋳型強度が大幅に向上すること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、耐火性骨材 100重量部に
対して、シランカップリング剤及びフェノール・アルデ
ヒド変性樹脂を必須成分とする粘結剤組成物 0.1〜15重
量部と炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルシリ
ケート、その低縮合物、変性シリコンオイル及び未変性
シリコンオイルの中から選ばれる1種以上(以下シラン
化合物という。) 0.001〜10重量部とからなる混合物を
混練して得られることを特徴とする鋳型組成物に関す
る。
【0012】更に、本発明は、硬化剤として有機エステ
ル及び/又は炭酸ガスを用いることを特徴とする前記の
鋳型の製造方法に関する。
【0013】従来より、シランカップリング剤が鋳型強
度を向上させるために有効であるとして粘結剤の一成分
として広く使用されている。その代表的な化合物の構造
は下記一般式
【0014】
【化3】
【0015】(式中、n は2又は3、R はメチル基又は
エチル基、X は有機レジンと結合し得る有機反応基で、
代表的なものにビニル、メタクリル、エポキシ、アミ
ノ、メルカプト等がある。)で表される。
【0016】この化合物と本発明で添加するシラン化合
物とを比較すると、構造中にSiを含むという共通点はあ
るものの、両者の構造には大きな違いがあり、本発明に
用いられるシラン化合物をシランカップリング剤と併用
することが顕著な鋳型強度向上効果を有することは従来
全く知られていなかった。
【0017】本発明において、鋳型を自硬性鋳型造型法
によって製造するには、耐火性粒状材料 100重量部に、
粘結剤組成物をアルカリ水溶液の形態で固形分として
0.1〜15重量部、好ましくは 0.3〜5重量部、シラン化
合物を 0.001〜10重量部、好ましくは 0.002〜5重量
部、硬化剤である有機エステル0.05〜9重量部、好まし
くは 0.1〜5重量部を周知の方法で混練し、従来の自硬
性鋳型製造プロセスをそのまま利用して鋳型を製造する
ことができる。
【0018】本発明に用いられるシラン化合物は有機エ
ステル或いはフェノール・アルデヒド変性樹脂に予め混
合後、耐火性粒状材料に添加しても、或いはそれらと別
途に耐火性粒状材料に添加しても差し支えないが、有機
エステルに予め混合するか別途に添加することが好まし
い。
【0019】また、本発明において、鋳型をガス硬化性
鋳型造型法によって製造するには、まず耐火性粒状材料
100重量部に、粘結剤組成物をアルカリ水溶液の形態で
固形分として 0.1〜15重量部、シラン化合物を 0.001〜
10重量部、好ましくは 0.002〜5重量部を加えた混練砂
を手込めもしくは加圧空気でのブローイングにより模型
中に充填し、次いでガス状もしくはエロゾル状の有機エ
ステル0.05〜9重量部を吹き込んで硬化させ、鋳型を製
造する。
【0020】本発明に用いられる有機エステルとしては
ラクトン類或いは炭素数1〜10の一価又は多価アルコー
ルと炭素数1〜10の有機カルボン酸より導かれる有機エ
ステルの単独もしくは混合物が用いられるが、自硬性鋳
型造型法ではγ−ブチロラクトン、プロピオンラクト
ン、ε−カプロラクトン、ギ酸エチル、エチレングリコ
ールジアセテート、エチレングリコールモノアセテー
ト、トリアセチン等を用いるのが好ましく、ガス硬化性
鋳型造型法ではギ酸メチルを用いるのが好ましい。更
に、ガス状等の有機エステルに代えて、炭酸ガスを使用
して粘結剤組成物を硬化させる場合には、粘結剤組成物
中に適正量の硼酸、硼酸塩、アルミン酸塩等のオキシア
ニオンを有する化合物を添加し、このオキシアニオンを
有する化合物と炭酸ガスの共働作用によって、フェノー
ル・アルデヒド変性樹脂を硬化させることができる (特
開平1-224263号公報) 。本発明の鋳型用粘結剤組成物に
ついては自硬性鋳型造型法でもガス硬化性鋳型造型法で
も、特に制限されるものではない。
【0021】本発明で用いられるフェノール・アルデヒ
ド変性樹脂は、下記の一般式(1) で表されるビスフェノ
ール類から選ばれる1種以上の化合物と、アルデヒド化
合物とを共縮合して得られるもの、もしくは、フェノー
ル類から選ばれる1種以上の化合物及び上記の一般式
(1) で表されるビスフェノール類から選ばれる1種以上
の化合物と、アルデヒド化合物とを共縮合して得られる
ものである。
【0022】
【化4】
【0023】一般式(1) で表されるビスフェノール類の
具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノ
ールZ、ビスフェノールS、ビスフェノールAF、ビス
フェノールAP、ジ− sec−ブチル−ビスフェノール
A、ジ−イソプロピル−ビスフェノールA、 1,1−エチ
リデン−ビスフェノール、メチル−エチル−メチレン−
ビスフェノールA、メチルイソブチル−メチレン−ビス
フェノール、メチル−ヘキシル−メチレン−ビスフェノ
ール、メチル−フェニル−メチレン−ビスフェノール、
4,4'−チオジフェノール等が挙げられ、それらが単独で
又は混合して使用される。
【0024】フェノール類としては、下記の一般式 (2)
〜(4) で表される化合物の中から選ばれる1種以上が使
用される。
【0025】
【化5】
【0026】(式中、R5及びR6は、水素原子又は炭素数
2以下の炭化水素基を表わす。)
【0027】
【化6】
【0028】(式中、R7は、水素原子、水酸基又は炭素
数2以下の炭化水素基を表わす。)
【0029】
【化7】
【0030】(式中、R8は、炭素数3以上の脂肪族炭化
水素基又は芳香族炭化水素基を表わす。) 。
【0031】フェノール類のうち、一般式(2) で表され
る化合物の具体例としては、フェノール、クレゾール、
3,5−キシレノール等が挙げられる。一般式(3) で表さ
れる化合物は多価フェノールであって、具体例として
は、レゾルシノールやカテコール等が挙げられる。ま
た、一般式(4) で表される化合物は、主としてパラ位に
炭素数3以上のアルキル基やフェニル基が結合したもの
であり、具体例としては、ノニルフェノール、p−tert
−ブチルフェノール、イソプロペニルフェノール、フェ
ニルフェノール等が挙げられる。また、カシューナッツ
殻液のような各種のフェノール類の混合物等も使用でき
る。特に、フェノール類としては、フェノールとクレゾ
ールの混合物が好ましい。
【0032】また、アルデヒド化合物としては、ホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、グ
リオキザール等が、単独で又は混合して使用される。
【0033】ビスフェノール類、もしくはフェノール類
及びビスフェノール類と、アルデヒド化合物とを共縮合
する際、各化合物のモル比は、以下の通りであるのが好
ましい。即ち、ビスフェノール類のモル数、もしくはフ
ェノール類のモル数とビスフェノール類のモル数との合
計モル数に対する、アルデヒド化合物のモル数の比が1.
0〜5.0 〔 (ビスフェノール類のモル数、もしくはフェ
ノール類のモル数+ビスフェノール類のモル数) :アル
デヒド化合物のモル数=1: 1.0〜5.0 〕であるのが好
ましい。特に、アルデヒド化合物のモル数の比が 1.5〜
3.0 であるのが、より好ましい。アルデヒド化合物のモ
ル数の比が 1.0未満になると、得られたフェノール・ア
ルデヒド変性樹脂を使用して造型しても、鋳型の強度が
充分に向上しない傾向が生じる。逆に、アルデヒド化合
物のモル数の比が 5.0を超えると、得られたフェノール
・アルデヒド変性樹脂のアルデヒド臭が強く、作業環境
が悪くなる恐れがある。また、フェノール類とビスフェ
ノール類を併用する場合、フェノール類のモル数に対す
る、ビスフェノール類のモル数の比は、 0.001〜1000
(フェノール類のモル数:ビスフェノール類のモル数=
1: 0.001〜1000) 程度が好ましい。特に、ビスフェノ
ール類のモル数の比が0.01〜90であるのがより好まし
い。ビスフェノール類のモル数が 0.001未満であった
り、或いは1000を超えると、得られる鋳型の強度が充分
に向上しない傾向が生じる。
【0034】ビスフェノール類、もしくはフェノール類
及びビスフェノール類と、アルデヒド化合物との共縮重
合は、一般的に水溶液中で行われ、フェノール・アルデ
ヒド変性樹脂が得られる。例えば、所定量のビスフェノ
ール類もしくはフェノール類及びビスフェノール類を溶
解させた水溶液中に、所定量のアルデヒド化合物を徐々
に添加しながら、共縮重合させて得るのが好ましい。こ
の際、反応触媒としては、水酸化カリウム(KOH) 、水酸
化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)等のアルカ
リ触媒が使用されるが、特に、水酸化カリウムを使用す
るのが好ましい。本発明におけるフェノール・アルデヒ
ド変性樹脂は、アルカリ性水溶液に調整されるため、共
縮重合の際に所定量の水酸化カリウムを使用しても良い
し、また反応触媒として最小限の水酸化カリウムを使用
し、共縮重合を終えた後、所定量の水酸化カリウムを添
加してもよい。また、共縮重合を終えた後において、水
酸化カリウムと共に水酸化ナトリウムや水酸化リチウム
を併用して、所定のアルカリ性になるようにしてもよ
い。更に、酸触媒を使用して共縮重合させた後、次いで
水酸化カリウム等のアルカリ触媒を使用して共縮重合を
進行させてもよい。フェノール・アルデヒド変性樹脂の
アルカリ水溶液において、ビスフェノール類の水酸基の
モル数、もしくはフェノール類の水酸基のモル数とビス
フェノール類の水酸基のモル数との合計モル数に対す
る、全アルカリのモル数の比は、 0.2〜1.2 であるのが
好ましい。また、アルカリ水溶液中における、フェノー
ル・アルデヒド変性樹脂の濃度は、30〜75重量%である
のが好ましい。
【0035】また、フェノール・アルデヒド変性樹脂
は、更にアルコール類を共縮合することにより、耐火性
粒状材料と混練した場合における、混練砂の流動性及び
模型への充填性に優れるものとなる。アルコール類とし
ては、炭素数2〜10の1価アルコールが好ましく、例え
ば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、 sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘ
キシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアル
コール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシ
ルアルコール等が挙げられる。特に、1価アルコールと
して、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
ブチルアルコール、イソブチルアルコール、 sec−ブチ
ルアルコール又はtert−ブチルアルコールを使用するの
が最も好ましい。配合割合としては、ビスフェノール類
のモル数、もしくはフェノール類のモル数とビスフェノ
ール類のモル数との合計モル数に対して0.0001〜0.5 倍
モルが好ましい。特に、アルコール類が0.01〜0.2 倍モ
ルであるのがより好ましい。アルコール類のモル数が0.
0001倍モル未満になると、アルコール類を添加する効果
がなく、逆に、 0.5倍モルを超えると鋳型の強度が充分
に向上しない傾向が生じる。
【0036】また、本発明に用いられるシランカップリ
ング剤としてはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン
やγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン等が挙げられる。
【0037】シランカップリング剤とフェノール・アル
デヒド変性樹脂との配合比は、シランカップリング剤:
フェノール・アルデヒド変性樹脂=0.0001〜0.05:1、
好ましくは0.0005〜0.02:1である。
【0038】耐火性粒状材料としては石英質を主成分と
する珪砂の他、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン
砂、アルミナサンド等の無機耐火性粒状材料が使用され
るが、特に限定されるものではない。
【0039】本発明に用いられる炭素数1〜8のアルキ
ル基を有するアルキルシリケートとしてはメチルシリケ
ート、エチルシリケート等及びその低級縮合物が挙げら
れる。また、シリコンオイルとしてはジメチルシロキサ
ン、フッ素化シリコン、エポキシ変性シリコン、フェニ
ル化変性シリコン、アルキルフェニル変性シリコン、ポ
リエーテル変性シリコン等が用いられる。
【0040】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0041】〔鋳型用粘結剤組成物水溶液1の調整〕50
%水酸化カリウム水溶液に、表1に示したモル比で定め
られる量のフェノール類とビスフェノール類とアルコー
ル類とを加え、攪拌し溶解させた。この溶液を80℃に保
持しながら、表1に示したモル比で定められる量のアル
デヒド化合物を徐々に加えた。そして、反応溶液中にお
けるフェノール・アルデヒド変性樹脂の重量平均分子量
が2500に達する時点まで80℃で反応を続けた。重量平均
分子量が2500に達する時点の判定は、反応溶液の粘度を
測定することによって行った。反応終了後、室温まで冷
却した後、フェノール類の水酸基のモル数とビスフェノ
ール類の水酸基のモル数の合計モル数に対する、水酸化
カリウムのモル数の比が0.85となるように、50%水酸化
カリウム水溶液を加えた。以上のようにして、フェノー
ル・アルデヒド変性樹脂のアルカリ水溶液を得た。さら
に、γ−アミノプロピルトリエポキシシランを、水溶液
100重量部に対して、 0.5重量部水溶液中に添加した。
以上のようにして、鋳型用粘結剤組成物水溶液を調整し
た。なお、粘結剤組成物水溶液中の粘結剤組成物 (フェ
ノール・アルデヒド変性樹脂及びシランカップリング
剤) の含有量は50重量%であった。
【0042】本発明におけるフェノール・アルデヒド変
性樹脂水溶液の固形分量は、空気循環式炉内で秤量した
試料(2.0±0.1g) を3時間 100℃に加熱することによっ
て測定した。
【0043】なお、表1中のAなる項目は、フェノール
類のモル数、ビスフェノール類のモル数、もしくはフェ
ノール類のモル数とビスフェノール類のモル数との合計
モル数に対する、アルデヒド化合物のモル数の比であ
る。即ち、〔アルデヒド化合物のモル数/ (フェノール
類のモル数+ビスフェノール類のモル数) 〕である。ま
た、Bなる項目は、フェノール類とビスフェノール類を
併用した場合、フェノール類のモル数に対する、ビスフ
ェノール類のモル数の比である。即ち、〔ビスフェノー
ル類のモル数/フェノール類のモル数〕である。さら
に、Cなる項目は、フェノール類のモル数、ビスフェノ
ール類のモル数、もしくはフェノール類のモル数とビス
フェノール類のモル数との合計のモル数に対する、アル
コール類のモル数の比である。即ち、〔アルコール類の
モル数/(フェノール類のモル数+ビスフェノール類の
モル数)〕である。以下、表中のA〜Cはこれと同様で
ある。
【0044】〔鋳型用粘結剤組成物水溶液2の調整〕反
応溶液中におけるフェノール・アルデヒド変性樹脂の重
量平均分子量が1800に達する時点まで反応を続けた以外
は、鋳型用粘結剤組成物水溶液1と同一の方法で、鋳型
用粘結剤組成物水溶液2を調整した。表2に反応のモル
比を示す。
【0045】〔鋳型用粘結剤組成物水溶液3の調整〕鋳
型用粘結剤組成物水溶液2の調整の際に、反応終了後に
得られたフェノール・アルデヒド変性樹脂の水溶液90重
量部と、四硼酸ナトリウム・10水和物5重量部と、50%
水酸化カリウム5重量部とを混合して、鋳型用粘結剤組
成物水溶液3を調整した。表3に反応のモル比を示す。
【0046】実施例1〜7及び比較例1〜4 自硬性鋳型造型法における鋳型強度のを評価した。即
ち、クロマイト砂 100重量部に対し、表1に示すシラン
化合物を20重量%含有させたトリアセチンを0.20重量
部、鋳型用粘結剤組成物水溶液1を 1.0重量部添加混練
した混合物を50mmφ×50mmh のテストピース用模型に充
填し、24時間経過後の圧縮強度(kg/cm2)を測定した。結
果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】実施例8〜16及び比較例5〜8 ガス硬化性鋳型造型法における鋳型強度を評価した。即
ち、珪砂 100重量部に対し、シラン化合物を表2に示す
重量部、鋳型用粘結剤組成物水溶液2を 2.0重量部添加
混練した混合物を50mmφ×50mmh のガス硬化用テストピ
ース模型に充填した。この模型中に 1.5重量部のガス状
のギ酸メチルを注入し、注入後24時間経過後の圧縮強度
(kg/cm2)を測定した。また、同時に混練砂の流動性・充
填性を測定した。即ち、内径50mm、内部有効長 100mmの
試験筒の底部に受台を取り付け、3mm目の篩を通して、
試験筒に混練混合物を粗充填する。次に、上部の余分な
混練混合物をかき落として、「ジョージ・フィッシャー
社製のコンパクタビリティー・テスター」にかけ、10kg
/cm2のスクイズ圧で加圧した。この後における混練砂の
高さの減少を測定し、この減少高さXmm〔=C.B. (コン
パクタビリティー) 〕を混練混合物の流動性・充填性の
指標とした。尚、Xが小さい程、混練混合物の流動性及
び充填性が良いことを示している。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】実施例17〜20及び比較例9〜12 耐火性粒状材料である珪砂 100重量部に対し、表3に示
すシラン化合物を 0.1重量部、鋳型用粘結剤組成物水溶
液3を 3.5重量部添加混練した混合物を50mmφ×50mmh
のガス用テストピース枠に充填し、炭酸ガスを10リット
ル/分の流速で2分間通気させ、鋳型を造型した。この
鋳型の24時間経過後の圧縮強度(kg/cm2)を測定した。そ
の結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】上記の実施例で明白なように、本発明の
製造方法によれば、従来の製造方法よって得られる鋳型
に比べ高強度の鋳型が得られる。
【0053】その結果、粘結剤の使用量の低減が可能と
なるため、鋳物砂の回収が容易となり、また、鋳込時の
鋳型から発生するガス発生量を減少し得るので、ガス欠
陥の発生を抑制し健全な鋳物が製造でき、実用上有益な
ものとなる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火性骨材 100重量部に対して、シラン
    カップリング剤(A)及び下記の一般式(1) で表されるビ
    スフェノール類から選ばれる1種以上の化合物と、アル
    デヒド化合物とを共縮合して得られたフェノール・アル
    デヒド変性樹脂(B) を必須成分とする粘結剤組成物 0.1
    〜15重量部と炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキ
    ルシリケート、その低縮合物、変性シリコンオイル及び
    未変性シリコンオイルの中から選ばれる1種以上 0.001
    〜10重量部とからなる混合物を混練して得られることを
    特徴とする鋳型組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 耐火性骨材 100重量部に対して、シラン
    カップリング剤(a)及びフェノール類から選ばれる1種
    以上の化合物及び下記の一般式(1) で表されるビスフェ
    ノール類から選ばれる1種以上の化合物と、アルデヒド
    化合物とを共縮合して得られたフェノール・アルデヒド
    変性樹脂(b) を必須成分とする粘結剤組成物 0.1〜15重
    量部と炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルシリ
    ケート、その低縮合物、変性シリコンオイル及び未変性
    シリコンオイルの中から選ばれる1種以上 0.001〜10重
    量部とからなる混合物を混練して得られることを特徴と
    する鋳型組成物。 【化2】
  3. 【請求項3】 ビスフェノール類としてビスフェノール
    A又はビスフェノールFを使用することを特徴とする請
    求項1又は2記載の鋳型組成物。
  4. 【請求項4】 フェノール類としてフェノールとクレゾ
    ールとの混合物を使用することを特徴とする請求項2又
    は3記載の鋳型組成物。
  5. 【請求項5】 フェノール・アルデヒド変性樹脂が、さ
    らにアルコール類を共縮合して得られたものである請求
    項1〜4の何れか1項に記載の鋳型組成物。
  6. 【請求項6】 さらに、耐火性骨材 100重量部に対し
    て、有機エステル硬化剤0.05〜9重量部を混練して得ら
    れることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載
    の鋳型組成物。
  7. 【請求項7】 硬化剤として有機エステル及び/又は炭
    酸ガスを用いることを特徴とする請求項1〜5の何れか
    1項に記載の鋳型の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010142833A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Kao Corp 硬化剤組成物
JP2015123500A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 花王株式会社 鋳型用組成物の製造方法、及び鋳型の製造方法
CN108772534A (zh) * 2018-06-26 2018-11-09 重庆长江造型材料(集团)股份有限公司 一种覆膜砂及其制备方法

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