JP6130695B2 - Igbt及びigbtの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、IGBT及びIGBTの製造方法に関する。
型のドリフト層、n型のドリフト層の第1主面側に形成されたnチャネルMOS構造及びn型のドリフト層の第2主面側に形成されたp型の高濃度半導体層を備えるIGBTが知られている。このようなIGBTを従来第1のIGBTということとする。図19は、従来第1のIGBT700を説明するために示す図である。図19(a)はIGBT700の断面図であり、図19(b)はIGBT700の不純物濃度プロファイルを示す図である。図19(b)において、実線は図19(a)のA−A断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線であり、破線は図19(a)のB−B断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線である。
従来第1のIGBT700は、図19に示すように、n型のドリフト層712及びp型の高濃度半導体層714が積層された半導体基板710と、ドリフト層712の表面(第1主面側表面)に露出するように、かつ、ドリフト層712の内部に選択的に形成してなるp型のベース領域716と、ドリフト層712の表面に露出するように、かつ、ベース領域716の内部に選択的に形成してなるn型のエミッタ領域718と、ドリフト層712、ベース領域716及びエミッタ領域718の表面所定領域に形成してなるゲート絶縁層720と、ゲート絶縁層720上に積層させて形成してなるゲート電極層722と、ゲート絶縁層720及びゲート電極層722を覆うように形成してなる保護絶縁層724と、ベース領域716及びエミッタ領域718に接するように形成してなるエミッタ電極層728と、高濃度半導体層714の表面(第2主面側表面)に形成してなるコレクタ電極層730とを備える。なお、図19中、符号726はチャネルストッパ領域を示す。
従来第1のIGBT700においては、ドリフト層712及びnチャネルMOS構造が耐圧の保持を行い、nチャネルMOS構造が電子電流の制御を行い、ドリフト層712と高濃度半導体層714とからなるpn接合が第2主面側の電子電流に応じて少数キャリア(この場合正孔)を注入させる働きをしている。従来第1のIGBT700によれば、第2主面側から注入された少数キャリアがドリフト層712に蓄積されることでドリフト層712の伝導度が変調される結果、類似の構造を有するMOSFETよりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)を低くすることができる。
しかしながら、IGBTを高周波用途(例えば10kHz以上の周波数用途)において用いる場合には、蓄積された少数キャリアを排出する際に発生する損失(ターンオフ損失Eoff)も重要な要素となり、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)とターンオフ損失Eoffとのトレードオフの調整が必要となる。従って、使用回路に応じて少数キャリアの蓄積量を調整することが必要となるため、従来第1のIGBT700においては、少数キャリアの注入量で蓄積量を制御することが行われている。しかしながら、従来第1のIGBT700においては、高濃度半導体層714とコレクタ電極層730とのオーミック接合をとる必要性から高濃度半導体層714の不純物濃度を十分に低くすることができないため、少数キャリアの注入量及び蓄積量を十分に低くすることができず、ひいては、ターンオフ損失Eoffを十分に低くすることができないという問題がある。
そこで、pn接合よりも少数キャリアの注入量の低いショットキ接合から少数キャリアを注入するタイプのIGBTが開発されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなIGBTを従来第2のIGBTということとする。図20は、従来第2のIGBT800を説明するために示す図である。図20(a)はIGBT800の断面図であり、図20(b)はIGBT800の不純物濃度プロファイルを示す図である。図20(b)において、実線は図20(a)のA−A断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線であり、破線は図20(a)のB−B断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線である。
従来第2のIGBT800は、図20に示すように、n型のドリフト層812と、ドリフト層812の表面(第1主面側表面)に露出するように、かつ、ドリフト層812の内部に選択的に形成してなるp型のベース領域816と、ドリフト層812の表面に露出するように、かつ、ベース領域816の内部に選択的に形成してなるn型のエミッタ領域818と、ドリフト層812、ベース領域816及びエミッタ領域818の表面所定領域に形成してなるゲート絶縁層820と、ゲート絶縁層820上に積層させて形成してなるゲート電極層822と、ゲート絶縁層820及びゲート電極層822を覆うように形成してなる保護絶縁層824と、ベース領域816及びエミッタ領域818に接するように形成してなるエミッタ電極層828と、ドリフト層812の裏面(第2主面側表面)に形成してなるショットキバリア金属層を含むコレクタ電極層830とを備える。なお、図20中、符号826はチャネルストッパ領域を示す。
従来第2のIGBT800によれば、ドリフト層812とショットキバリア金属層との境界面に存在するショットキ接合からドリフト層812に少数キャリアを注入することとしていることから、従来第1のIGBT700よりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を低くすることが可能となり、ひいては、従来第1のIGBT700よりもターンオフ損失Eoffを低くすることが可能となる。
しかしながら、従来第2のIGBT800においては、バリアメタルの種類によってバリアハイトが一義的に定まってしまうため、少数キャリアの注入量及び蓄積量を細かく制御することができないという問題がある。
そこで、ドリフト層の裏面(第2主面側表面)にドリフト層よりも高濃度のn型不純物を含有するn型の高濃度半導体層を設けたIGBTが開発されている(例えば、特許文献2参照。)。このようなIGBTを従来第3のIGBTということとする。図21は、従来第3のIGBT900を説明するために示す図である。図21(a)はIGBT900の断面図であり、図21(b)はIGBT900の不純物濃度プロファイルを示す図である。図21(b)において、実線は図21(a)のA−A断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線であり、破線は図21(a)のB−B断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線である。
従来第3のIGBT900は、図21に示すように、n型のドリフト層912と、ドリフト層912の表面(第1主面側表面)に露出するように、かつ、ドリフト層912の内部に選択的に形成してなるp型のベース領域916と、ドリフト層912の表面に露出するように、かつ、ベース領域916の内部に選択的に形成してなるn型のエミッタ領域918と、ドリフト層912、ベース領域916及びエミッタ領域918の表面所定領域に形成してなるゲート絶縁層920と、ゲート絶縁層920上に積層させて形成してなるゲート電極層922と、ゲート絶縁層920及びゲート電極層922を覆うように形成してなる保護絶縁層924と、ベース領域916及びエミッタ領域918に接するように形成してなるエミッタ電極層928と、ドリフト層912の第2主面側に形成されたn型の高濃度半導体層914と、当該高濃度半導体層914上に形成してなるショットキバリア金属層を含むコレクタ電極層930とを備える。なお、図21中、符号926はチャネルストッパ領域を示す。
従来第3のIGBT900によれば、高濃度半導体層914とショットキバリア金属層との境界面に存在するショットキ接合から高濃度半導体層914及びドリフト層912に少数キャリアを注入することとしていることから、従来第2のIGBT800の場合と同様に、従来第1のIGBT700よりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を十分に低減することが可能となり、ひいては、従来第1のIGBT700よりもターンオフ損失Eoffを十分に低減することが可能となる。
また、従来第3のIGBT900によれば、高濃度半導体層914の不純物濃度を調整することが可能となるため、従来第2のIGBT800よりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を細かく制御することが可能となる。
特開昭61−150280号公報 特開2007−273647号公報
しかしながら、本発明者らの研究により、従来第3のIGBT900においては、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきが大きいという問題があることがわかった。なお、上記した事情は、p型とn型とを逆にしたIGBTにおいても同様に存在する。
そこで、本発明は、上記した問題を解決することを目的とするもので、従来第1のIGBTよりもターンオフ損失Eoffが小さく、かつ、従来第2のIGBTよりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を細かく制御することが可能で、かつ、従来第3のIGBTよりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきが小さいIGBTを提供することを目的とする。また、そのようなIGBTを製造可能なIGBTの製造方法を提供することを目的とする。
[1]本発明のIGBTは、第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層の第1主面側表面に露出するように、かつ、前記ドリフト層の内部に選択的に形成してなる第2導電型のベース領域と、前記ドリフト層の第1主面側表面に露出するように、かつ、前記ベース領域の内部に選択的に形成してなる第1導電型のエミッタ領域と、前記ドリフト層、前記ベース領域及び前記エミッタ領域の表面所定領域に形成してなるゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に積層させて形成してなるゲート電極層と、前記ゲート絶縁層及び前記ゲート電極層を覆うように形成してなる保護絶縁層と、前記ベース領域及び前記エミッタ領域に接するように形成してなるエミッタ電極層と、前記ドリフト層の第2主面側表面に形成してなり、前記ドリフト層よりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第1導電型の低濃度半導体層と、前記低濃度半導体層上に形成してなるショットキバリア金属層を含むコレクタ電極層とを備えるIGBTであって、前記ドリフト層の不純物濃度をNd1とし、前記ショットキバリア金属層のバリアハイトをΦBNとしたとき、以下の式(1)を満たすことを特徴とする。
Nd1 > 3326.7×exp(26.743×ΦBN) ・・・ (1)
なお、この明細書において、第1主面とは、エミッタ電極層が形成されている側の主面又はエミッタ電極層を形成する側の主面をいい、第2主面とは、コレクタ電極層が形成されている側の主面又はコレクタ電極層を形成する側の主面をいう。
[2]本発明のIGBTにおいては、以下の式(2)を満たすことがより一層好ましい。
Nd1 > 0.3593×exp(38.183×ΦBN) ・・・ (2)
[3]本発明のIGBTにおいては、前記低濃度半導体層の不純物濃度Nd2が、1.0×1014cm−3以下であることが好ましい。
[4]本発明のIGBTにおいては、前記低濃度半導体層の不純物濃度Nd2が、5.0×1013cm−3以下であることがより一層好ましい。
[5]本発明のIGBTにおいては、前記低濃度半導体層の不純物濃度Nd2が、1.0×1013cm−3以下であることがより一層好ましい。
[6]本発明のIGBTにおいては、前記IGBTのコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)が、25℃〜125℃の温度範囲において正であることが好ましい。
[7]本発明のIGBTの製造方法は、本発明のIGBTを製造するためのIGBTの製造方法であって、ドリフト層及び当該ドリフト層よりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第1導電型の低濃度半導体層が積層された半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、前記半導体基板の第1主面側に絶縁ゲートトランジスタを形成する絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、前記半導体基板を前記第2主面側から研削・研磨して、前記低濃度半導体層を残しつつ、前記半導体基板を薄くする研削・研磨工程と、前記半導体基板の第2主面側にショットキバリア金属層を含むコレクタ電極層を形成するコレクタ電極層形成工程とを含むことを特徴とする。
[8]本発明のIGBTの製造方法は、本発明のIGBTを製造するためのIGBTの製造方法であって、引き上げ法により製造された半導体基板であって、前記ドリフト層及び前記低濃度半導体層となる半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、前記半導体基板の第1主面側に絶縁ゲートトランジスタを形成する工程であって、不活性雰囲気下1100℃以上の温度で半導体基板の熱処理を行う高温熱処理工程を含む絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、前記半導体基板を第2主面側から研削・研磨して前記半導体基板を薄くする研削・研磨工程と、400〜550℃の温度範囲で前記半導体基板の熱処理を行うことで前記半導体基板の第1主面側の所定領域を除く領域で酸素由来のサーマルドナーを5×1013cm−3以上発生させる低温熱処理工程と、前記半導体基板の第2主面側から前記半導体基板にレーザ照射を行い、前記半導体基板における前記第2主面近傍に存在していた前記サーマルドナーを除去することにより、前記ドリフト領域及び前記低濃度半導体層を形成するレーザ照射工程と、前記半導体基板の第2主面側にショットキバリア金属層を含むコレクタ電極層を形成するコレクタ電極層を形成するコレクタ電極層形成工程とを含むことを特徴とする。
[9]本発明のIGBTの製造方法は、本発明のIGBTを製造するためのIGBTの製造方法であって、引き上げ法により製造された半導体基板であって、前記ドリフト層及び前記低濃度半導体層となる半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、前記半導体基板を第1主面側又は第2主面側から研削・研磨して前記半導体基板を薄くする研削・研磨工程と、前記半導体基板の第1主面側に絶縁ゲートトランジスタを形成する工程であって、不活性雰囲気下1100℃以上の温度で半導体基板の熱処理を行う高温熱処理工程を含む絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、400〜550℃の温度範囲で前記半導体基板の熱処理を行うことで前記半導体基板の第1主面側及び第2主面側の所定領域を除く領域で酸素由来のサーマルドナーを5×1013cm−3以上発生させて、前記ドリフト領域及び前記低濃度半導体層を形成する低温熱処理工程と、前記半導体基板の第2主面側にショットキバリア金属層を含むコレクタ電極層を形成するコレクタ電極層形成工程とを含むことを特徴とする。
本発明のIGBTによれば、低濃度半導体層とショットキバリア金属層との境界面に存在するショットキ接合から低濃度半導体層及びドリフト層に少数キャリアを注入することとしていることから、従来第1のIGBTよりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を低くすることが可能となり、ひいては、従来第1のIGBTよりもターンオフ損失Eoffを低減することが可能となる。
また、本発明のIGBTによれば、低濃度半導体層の不純物濃度を調整することで少数キャリアの注入量を細かく制御することが可能となるため、従来第2のIGBTよりも少数キャリアの蓄積量を細かく制御することが可能となる。本発明の技術思想をもう少し詳細に説明すると、本発明のIGBTにおいては、目標とするコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)を達成するために、「ドリフト層の不純物濃度から算出されるバリアハイトΦBNを有するショットキバリア金属層を選択する」代わりに、「(a)ドリフト層の不純物濃度から算出されるバリアハイトΦBNよりも低いバリアハイトΦBNを有するショットキバリア金属層を選択して少数キャリアの注入量を低くするとともに、(b)ドリフト層よりも低濃度の第1導電型不純物を含有する低濃度半導体層をドリフト層の第2主面側表面に設けてショットキバリア金属層と接触させて少数キャリアの蓄積効率を高くする」こととしているのである。これにより、低濃度半導体層の不純物濃度を調整することで少数キャリアの注入量を細かく制御して少数キャリアの蓄積量を所望の値に調整することが可能となるため、従来第2のIGBTよりも少数キャリアの蓄積量を細かく制御することが可能となる。
また、本発明のIGBTによれば、後述する試験例(試験例1)からも明らかなように、従来第3のIGBTよりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきを低くすることが可能となる。
その結果、本発明のIGBTは、従来第1のIGBTよりもターンオフ損失Eoffが小さく、かつ、従来第2のIGBTよりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を細かく制御することが可能で、かつ、従来第3のIGBTよりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきが小さいIGBTとなる。
また、本発明のIGBTによれば、後述する試験例(試験例2)からも明らかなように、従来第3のIGBTよりも高温環境下におけるターンオフ損失(Eoff)を低くすることが可能となる。
また、本発明のIGBTによれば、後述する試験例(試験例2)からも明らかなように、IGBTのコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)を正とすることが可能となり、IGBTを並列接続で使用する場合に、従来第3のIGBTの場合よりも熱暴走の可能性を低くすることが可能となる。
また、本発明のIGBTの製造方法によれば、本発明のIGBTを製造することができる。
実施形態1に係るIGBT100を説明するために示す図である。 実施形態1に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態2に係るIGBT200を説明するために示す図である。 実施形態2に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態2に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態3に係るIGBT300を説明するために示す図である。 実施形態3に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態3に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。 試験例1及び2の条件及び結果を示す図表である。 試験例1の結果を示すグラフである。 試験例1における要因効果図である。 試験例2の結果を示すグラフである。 試験例3の結果を示すグラフである。 試験例4の条件及び結果を示す図表である。 試験例4の結果を示すグラフである。 試験例4の結果を示すグラフである。 試験例5の条件及び結果を示す図表である。 試験例5の結果を示すグラフである。 従来第1のIGBT700を説明するために示す図である。 従来第2のIGBT800を説明するために示す図である。 従来第3のIGBT900を説明するために示す図である。
以下、本発明のIGBT及びIGBTの製造方法について、図に示す実施形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
1.実施形態1に係るIGBT
図1は、実施形態1に係るIGBT100を説明するために示す図である。図1(a)はIGBT100の断面図であり、図1(b)はIGBT100の不純物濃度プロファイルを示す図である。図1(b)において、実線は図1(a)のA−A断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線であり、破線は図1(a)のB−B断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線である。
実施形態1に係るIGBT100は、n型のドリフト層112と、ドリフト層112の表面(第1主面側表面)に露出するように、かつ、ドリフト層112の内部に選択的に形成してなるp型のベース領域116と、ドリフト層112の表面(第1主面側表面)に露出するように、かつ、ベース領域116の内部に選択的に形成してなるn型のエミッタ領域118と、ドリフト層112、ベース領域116及びエミッタ領域118の表面所定領域に形成してなるゲート絶縁層120と、ゲート絶縁層120上に積層させて形成してなるゲート電極層122と、ゲート絶縁層120及びゲート電極層122を覆うように形成してなる保護絶縁層124と、ベース領域116及びエミッタ領域118に接するように形成してなるエミッタ電極層128とを備えるIGBTであって、ドリフト層112の第2主面側表面に形成してなり、ドリフト層112よりも低濃度のn型不純物を含有するn−−型の低濃度半導体層114と、低濃度半導体層114上に形成してなるショットキバリア金属層を含むコレクタ電極層130とをさらに備えるIGBTである。
ドリフト層112の厚さは50〜150μm(例えば100μm)であり、ドリフト層112の不純物濃度は1.0×1013cm−3〜1.0×1015cm−3(例えば2.0×1014cm−3)である。低濃度半導体層114の厚さは5〜30μm(例えば20μm)であり、低濃度半導体層114の不純物濃度は1.0×1012cm−3〜1.0×1014cm−3(例えば1.0×1013cm−3)である。
ベース領域116の深さは例えば5.0μmであり、ベース領域116の表面不純物濃度は例えば5.0×1018cm−3である。エミッタ領域118の深さは例えば0.5μmであり、エミッタ領域118の表面不純物濃度は例えば1.0×1020cm−3である。
ゲート絶縁層120は熱酸化法により形成された二酸化珪素からなり、ゲート絶縁層120の厚さは例えば100nmである。ゲート電極層122はCVD法により形成された低抵抗のポリシリコンからなり、ゲート電極層122の厚さは例えば0.5μmである。保護絶縁層124はCVD法により形成された二酸化珪素からなり、保護絶縁層124の厚さは例えば0.8μmである。
エミッタ電極層128は例えばTi及びAlの積層膜からなり、エミッタ電極層128の厚さは例えば6.0μmである。コレクタ電極層130は、ショットキバリア金属層を含む積層膜(例えばPt/Ti/Ni/Agからなる積層膜)からなり、コレクタ電極層130の厚さは例えば1.0μmである。
以上のような構成を有する実施形態1に係るIGBT100においては、ドリフト112の不純物濃度をNd1とし、ショットキバリア金属層のバリアハイトをΦBNとしたとき、以下の式(1)を満たすことが好ましい。

Nd1 > 3326.7×exp(26.743×ΦBN) ・・・ (1)
また、実施形態1に係るIGBT100においては、以下の式(2)を満たすことがより一層好ましい。

Nd1 > 0.3593×exp(38.183×ΦBN) ・・・ (2)
また、実施形態1に係るIGBT100においては、低濃度半導体層114の不純物濃度Nd2が、1.0×1014cm−3以下であることが好ましく、低濃度半導体層114の不純物濃度Nd2が、5.0×1013cm−3以下であることがより一層好ましく、低濃度半導体層114の不純物濃度Nd2が、1.0×1013cm−3以下であることがより一層好ましい。
実施形態1に係るIGBT100は、IGBTのコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)が、25℃〜125℃の温度範囲において正であることが好ましい。
2.実施形態1に係る半導体装置の効果
実施形態1に係るIGBT100によれば、低濃度半導体層114とショットキバリア金属層との境界面に存在するショットキ接合から低濃度半導体層114及びドリフト層112に少数キャリアが注入されることから、従来第1のIGBT700よりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を低くすることが可能となり、ひいては、従来第1のIGBT700よりもターンオフ損失Eoffを低減することが可能となる。
また、実施形態1に係るIGBT100によれば、低濃度半導体層114の不純物濃度を調整して少数キャリアの注入量を細かく制御することが可能となるため、従来第2のIGBT800よりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を細かく制御することが可能となる。
また、実施形態1に係るIGBT100によれば、後述する試験例(試験例1)からも明らかなように、従来第3のIGBTよりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきを低くすることが可能となる。
その結果、実施形態1に係るIGBT100は、従来第1のIGBTよりもターンオフ損失Eoffが小さく、かつ、従来第2のIGBTよりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を細かく制御することが可能で、かつ、従来第3のIGBTよりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきが小さいIGBTとなる。
また、実施形態1に係るIGBT100によれば、後述する試験例(試験例2)からも明らかなように、従来第3のIGBTよりも高温環境下におけるターンオフ損失(Eoff)を低くすることが可能となる。
また、実施形態1に係るIGBT100によれば、後述する試験例(試験例2)からも明らかなように、IGBTのコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)を正とすることが可能となり、IGBTを並列接続で使用する場合に、従来第3のIGBTの場合よりも熱暴走の可能性を低くすることが可能となる。
3.実施形態1に係るIGBTの製造方法
実施形態1に係るIGBT100は、以下に示す製造工程を有する製造方法(実施形態1に係るIGBTの製造方法)により製造することができる。図2は、実施形態1に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。図2(a)〜図2(d)は各工程である。実施形態1に係るIGBTの製造方法は、図2に示すように、「半導体基板準備工程」、「絶縁ゲートトランジスタ形成工程」、「研削・研磨工程」及び「コレクタ電極層形成工程」をこの順序で実施する。以下、実施形態1に係るIGBTの製造方法を工程順に説明する。
(1)半導体基板準備工程
まず、n型のドリフト層112及びn−−型の低濃度半導体層114が積層された半導体基板(シリコン製のエピ基板)110を準備する(図2(a)参照。)。ドリフト層112の厚さは50〜150μm(例えば100μm)であり、ドリフト層112の不純物濃度は1.0×1013cm−3〜1.0×1015cm−3(例えば2.0×1014cm−3)である。低濃度半導体層114の厚さは400〜600μm(例えば500μm)であり、低濃度半導体層114の不純物濃度は1.0×1012cm−3〜1.0×1014cm−3(例えば1.0×1013cm−3)である。
(2)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
その後、半導体基板110の第1主面側に絶縁ゲートトランジスタを形成する(図2(b)参照。)。
(3)研削・研磨工程
その後、半導体基板110を第2主面側から研削・研磨して、n−−型の低濃度半導体層114を残しつつ、半導体基板110を薄くする(図2(c)参照。)。研削・研磨工程後のn−−型の低濃度半導体層114の厚さは5〜30μm(例えば20μm)である。
(4)コレクタ電極層形成工程
その後、半導体基板110の第2主面側表面にショットキバリア金属層(例えば白金(ΦBN:0.84eV)、Ir(ΦBN:0.93eV)など)を含む積層膜からなるコレクタ電極層130を形成する(図2(d)参照。)。
以上の工程を実施することにより、実施形態1に係るIGBT100を製造することができる。
[実施形態2]
図3は、実施形態2に係るIGBT200を説明するために示す図である。図3(a)はIGBT200の断面図であり、図3(b)はIGBT200の不純物濃度プロファイルを示す図である。図3(b)において、実線は図3(a)のA−A断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線であり、破線は図3(a)のB−B断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線である。図4及び図5は、実施形態2に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。図4(a)〜図4(c)及び図5(a)〜図5(c)は各工程図である。
実施形態2に係るIGBT200は、基本的には実施形態1に係るIGBT100と同様の構成を有するが、半導体基板の第1主面・第2主面間の不純物プロファイルが実施形態1に係るIGBT100の場合と異なる。すなわち、実施形態2に係るIGBT200は、図3に示すように、半導体基板の第1主面側にも低濃度半導体層215を有する。
このように、実施形態2に係るIGBT200は、半導体基板の第1主面・第2主面間の不純物プロファイルが実施形態1に係るIGBT100の場合と異なるが、低濃度半導体層214とショットキバリア金属層との境界面に存在するショットキ接合から低濃度半導体層214及びドリフト層212に少数キャリアが注入されることから、従来第1のIGBT700よりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を低くすることが可能となり、ひいては、従来第1のIGBT700よりもターンオフ損失Eoffを低減することが可能となる。また、実施形態2に係るIGBT200によれば、低濃度半導体層214の不純物濃度を調整して少数キャリアの注入量を細かく制御することが可能となるため、従来第2のIGBT800よりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を細かく制御することが可能となる。また、実施形態2に係るIGBT200によれば、従来第3のIGBT900よりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきを低くすることが可能となる。その結果、実施形態2に係るIGBT200は、実施形態1に係るIGBT100の場合と同様に、従来第1のIGBT700よりもターンオフ損失Eoffが小さく、かつ、従来第2のIGBT800よりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を細かく制御することが可能で、かつ、従来第3のIGBT900よりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきが小さいIGBTとなる。
実施形態2に係るIGBT200は、以下のような製造方法(実施形態2に係るIGBTの製造方法)によって製造することができる。実施形態2に係るIGBTの製造方法は、図4及び図5に示すように、「半導体基板準備工程」、「絶縁ゲートトランジスタ形成工程」、「研削・研磨工程」、「低温熱処理工程」、「レーザ照射工程」及び「コレクタ電極層形成工程」をこの順序で実施する。以下、実施形態2に係るIGBTの製造方法を工程順に説明する。
(1)半導体基板準備工程
引き上げ法(CZ法)により製造された半導体基板210を準備する(図4(a)参照。)。半導体基板210は、工程終了後に、ドリフト層212及び低濃度半導体層214,215を有する半導体基板となる。半導体基板210の厚さは400〜600μm(例えば500μm)であり、半導体基板210の不純物濃度は1.0×1012cm−3〜1.0×1014cm−3(例えば1.0×1013cm−3)である。
(2)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
その後、半導体基板210の第1主面側に絶縁ゲートトランジスタを形成する。この絶縁ゲートトランジスタ形成工程は、不活性雰囲気下1100℃以上の温度で半導体基板の熱処理を行う高温熱処理工程(チャネル拡散工程)を含む。その結果、半導体基板210の第1主面側及び第2主面側からは酸素が外方拡散され、半導体基板210の第1主面側表面近傍及び第2主面側表面近傍で低酸素濃度領域213が形成される(図4(b)参照。)。
(3)研削・研磨工程
その後、半導体基板210を第2主面側から研削・研磨して半導体基板を薄くする。その結果、半導体基板210の第2主面側の低酸素濃度領域213が除去され、半導体基板210の第2主面側表面近傍においても酸素濃度がバルクの酸素濃度と同じ濃度となる。研削・研磨工程後の半導体基板210の厚さは70〜170μm(例えば120μm)である。
(4)低温熱処理工程
その後、400〜550℃の温度範囲で半導体基板210の熱処理を行うことで半導体基板210の低酸素濃度領域213を除く領域において酸素由来のサーマルドナーを5.0×1013cm−3以上(例えば1.0×1014cm−3)生成させて、半導体基板210の低酸素濃度領域213を除く領域において半導体基板210の不純物濃度を高くする(図5(a)参照。)。なお、この工程で、半導体基板210の第1主面側近傍の低酸素濃度領域213がn−−型の低濃度半導体層215となり、中間領域がn型のドリフト層212となる。低温熱処理工程はこれを主目的とする工程として実施しても良いし、他の工程(例えばエミッタ電極層をシンターする工程)と兼ねて実施してもよい。
(6)レーザ照射工程
その後、半導体基板210の第2主面側から半導体基板210にレーザ照射を行い、半導体基板210における第2主面側表面近傍に存在するサーマルドナーを除去することにより、n−−型の低濃度半導体層214を形成する(図5(b)参照。)。なお、この工程で、半導体基板210の中間領域(第1主面側の低酸素濃度領域213と第2主面側の低酸素濃度領域213に挟まれていた領域)は、n型のドリフト層212となる。
(6)コレクタ電極層形成工程
その後、半導体基板210の第2主面側表面にショットキバリア金属層(例えば白金/ΦBN:0.84eV、Ir/ΦBN:0.93eV)を含む積層膜からなるコレクタ電極層230を形成する(図5(c)参照。)。
以上の工程を実施することにより、実施形態2に係るIGBT200を製造することができる。
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係るIGBT300を説明するために示す図である。図6(a)はIGBT300の断面図であり、図6(b)はIGBT300の不純物濃度プロファイルを示す図である。図6(b)において、実線は図6(a)のA−A断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線であり、破線は図6(a)のB−B断面に沿った不純物濃度プロファイルを示す線である。図7及び図8は、実施形態2に係るIGBTの製造方法を説明するために示す図である。図7(a)〜図7(c)及び図8(a)〜図8(b)は各工程図である。
実施形態3に係るIGBT300は、基本的には実施形態1に係るIGBT100と同様の構成を有するが、半導体基板の第1主面・第2主面間の不純物プロファイルが実施形態1に係るIGBT100の場合と異なる。すなわち、実施形態3に係るIGBT300は、図6に示すように、半導体基板の第1主面側にも低濃度半導体層315を有する。
このように、実施形態3に係るIGBT300は、半導体基板の第1主面・第2主面間の不純物プロファイルが実施形態1に係るIGBT100の場合と異なるが、低濃度半導体層314とショットキバリア金属層との境界面に存在するショットキ接合から低濃度半導体層314及びドリフト層312に少数キャリアが注入されることから、従来第1のIGBT700よりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を低くすることが可能となり、ひいては、従来第1のIGBT700よりもターンオフ損失Eoffを低減することが可能となる。また、実施形態3に係るIGBT300によれば、低濃度半導体層314の不純物濃度を調整して少数キャリアの注入量を細かく制御することが可能となるため、従来第2のIGBT800よりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を細かく制御することが可能となる。また、実施形態3に係るIGBT300によれば、従来第3のIGBT900よりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきを低くすることが可能となる。その結果、実施形態3に係るIGBT300は、実施形態1に係るIGBT100の場合と同様に、従来第1のIGBT700よりもターンオフ損失Eoffが小さく、かつ、従来第2のIGBT800よりも少数キャリアの注入量及び蓄積量を細かく制御することが可能で、かつ、従来第3のIGBT900よりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきが小さいIGBTとなる。
実施形態3に係るIGBT300は、以下のような製造方法(実施形態3に係るIGBTの製造方法)によって製造することができる。実施形態3に係るIGBTの製造方法は、図7及び図8に示すように、「半導体基板準備工程」、「研削・研磨工程」、「絶縁ゲートトランジスタ形成工程」、「低温熱処理工程」及び「コレクタ電極層形成工程」をこの順序で実施する。以下、実施形態3に係るIGBTの製造方法を工程順に説明する。
(1)半導体基板準備工程
引き上げ法(CZ法)により製造された半導体基板310を準備する(図7(a)参照。)。半導体基板310は、工程終了後に、ドリフト層312及び低濃度半導体層314,315を有する半導体基板となる。半導体基板310の厚さは400〜600μm(例えば500μm)であり、半導体基板310の不純物濃度は1.0×1012cm−3〜1.0×1014cm−3(例えば1.0×1013cm−3)である。
(2)研削・研磨工程
その後、半導体基板310を第2主面側から研削・研磨して半導体基板を薄くする。研削・研磨工程後の半導体基板310の厚さは70〜170μm(例えば120μm)となる(図7(b)参照。)。
(3)絶縁ゲートトランジスタ形成工程
その後、半導体基板310の第1主面側に絶縁ゲートトランジスタを形成する。この絶縁ゲートトランジスタ形成工程は、不活性雰囲気下1100℃以上の温度で半導体基板の熱処理を行う高温熱処理工程(チャネル拡散工程)を含む。その結果、半導体基板310の第1主面側及び第2主面側からは酸素が外方拡散され、半導体基板310の第1主面側表面近傍及び第2主面側表面近傍で低酸素濃度領域313が形成される(図7(c)参照。)。
(4)低温熱処理工程
その後、400〜550℃の温度範囲で半導体基板310の熱処理を行うことで半導体基板310の第1主面側及び第2主面側の低酸素濃度領域313を除く中間領域で酸素由来のサーマルドナーを5.0×1013cm−3以上(例えば1.0×1014cm−3)発生させて、半導体基板310の第1主面側近傍の低酸素濃度領域313及び第2主面側近傍の低酸素濃度領域313を除く中間領域において半導体基板310の不純物濃度を高くする(図8(a)参照。)。なお、この工程で、半導体基板310の第1主面側近傍の低酸素濃度領域313及び第2主面側近傍の低酸素濃度領域313がn−−型の低濃度半導体層314,315となり、中間領域がn型のドリフト層312となる。低温熱処理工程はこれを主目的とする工程として実施しても良いし、他の工程(例えばエミッタ電極層をシンターする工程)と兼ねて実施してもよい。
(5)コレクタ電極層形成工程
その後、半導体基板310の第2主面側表面にショットキバリア金属層(例えば白金/ΦBN:0.84eV、Ir/ΦBN:0.93eV)を含む積層膜からなるコレクタ電極層330を形成する(図8(b)参照。)。
以上の工程を実施することにより、実施形態3に係るIGBT300を製造することができる。
なお、実施形態1〜3に係るIGBT100〜300を構成するにあたっては、以下の試験例1〜4の結果を参考にした。
[試験例1]
試験例1は、本発明のIGBTが従来第3のIGBTよりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきが小さいことを明らかにするための試験例である。図9は、試験例1及び2の条件及び結果を示す図表である。図10は、試験例1の結果を示す図である。図11は、試験例1における要因効果図である。図11(a)は条件2〜5(実施例)における要因効果図であり、図11(b)は条件7〜10(比較例)における要因効果図である。
1.IGBTの構成条件
(1)実施例に係るIGBT(5個)
本発明のIGBTから5個のIGBT(条件1〜5に係るIGBT/実施例)を構成した。これらのうち、低濃度半導体層の不純物濃度Nd2、低濃度半導体層の厚さD2及びショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNを図9の標準条件1のものとしたIGBTを条件1に係るIGBTとし、低濃度半導体層の不純物濃度Nd2、低濃度半導体層の厚さD2及びショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNをL4直交表に従って標準条件1のものから変化させたIGBT(Nd2:標準条件1±0.15×1013cm−3(±15%)D2:標準条件1±5μm、ΦBN:標準条件1±0.01eV)を条件2〜5に係るIGBTとした(図9参照。)。
(2)比較例に係るIGBT(5個)
また、従来第3のIGBTから5個のIGBT(条件6〜10に係るIGBT/比較例)を構成した。これらのうち、高濃度半導体領域の不純物濃度Nd2、高濃度半導体領域の厚さD2及びショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNを標準条件2のものとしたIGBTを条件6に係るIGBTとし、高濃度半導体領域の不純物濃度Nd2、高濃度半導体領域の厚さD2及びショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNをL4直交表に従って標準条件2のものから変化させたIGBT(Nd2:標準条件2±0.60×1014cm−3(±15%)、D2:標準条件2±5μm、ΦBN:標準条件2±0.01eV)を条件7〜10に係るIGBTとした(図9参照。)。
2.試験の方法
試験は、上記した条件1〜10のIGBTについて、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffを半導体デバイスシミュレータを用いてシミュレーションすることによって行った。
3.試験の結果
試験の結果を図9〜図11に示す。その結果、図9及び図10からも分かるように、本発明のIGBT(条件1〜5に係るIGBT(実施例))が従来第2のIGBT(条件6〜10に係るIGBT(比較例))よりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきが小さいことが明らかとなった。
また、図11からも分かるように、比較例においては高濃度不純物層の不純物濃度Nd2が変動するとコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)もターンオフ損失Eoffもともに大きく変動するのに対して、実施例においては低濃度不純物層の不純物濃度Nd2が変動してもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)もターンオフ損失Eoffもほとんど変動しないことが明らかとなった。また、図11からも分かるように、比較例においてはショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNが変動するとコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)もターンオフ損失Eoffもともに大きく変動するのに対して、実施例においてはショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNが変動してもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)もターンオフ損失Eoffも比較例ほど大きくは変動しないことが明らかとなった。また、図11からも分かるように、比較例においては高濃度不純物層の厚さD2が変動するとコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)が若干変動するのに対して、実施例においては低濃度不純物層の厚さD2が変動してもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)はほとんど変動しないことが明らかとなった。
なお、図11からは、比較例においては高濃度不純物層の厚さD2が変動してもターンオフ損失Eoffがほとんど変動しないのに対して、実施例においては低濃度不純物層の厚さD2が変動するとターンオフ損失Eoffが大きく変動することも明らかとなった。
しかしながら、これらのことから全体的に言えることは、やはり、本発明のIGBT(条件1〜5に係るIGBT(実施例))は、従来第2のIGBT(条件6〜10に係るIGBT(比較例))よりもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきが小さいことである。
この理由は、本発明のIGBTにおいては、ドリフト層の裏面(第2主面側表面)に低濃度半導体層を設けることにより、低濃度半導体層とドリフト層との間に不純物濃度差が生まれることから、低濃度半導体層とドリフト層との界面よりも低濃度不純物層側で多くの少数キャリアが蓄積されることとなり、その結果、これまで高濃度半導体層の不純物濃度Nd2やショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNの変動により大きく変動していた少数キャリアの蓄積量が安定し、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffの製造ばらつきが小さくなったことによるものと推測される。
[試験例2]
試験例2は、本発明のIGBTが従来第3のIGBTよりも高温環境下におけるターンオフ損失(Eoff)を低くすることが可能となることを明らかにするための試験例である。また、本発明のIGBTの「コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)」がIGBTの想定使用温度範囲(例えば25℃〜125℃)において正であることを明らかにするための試験例である。図12は、試験例2の結果を示す図である。
1.IGBTの構成条件
(1)実施例に係るIGBT(1個)
本発明のIGBTのうち、低濃度半導体層の不純物濃度Nd2、低濃度半導体層の厚さD2及びショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNを標準条件1のものとしたIGBT、すなわち条件1に係るIGBTを実施例として試験例2の試験に供した。
(2)比較例に係るIGBT(1個)
また、従来第3のIGBTのうち、高濃度半導体領域の不純物濃度Nd2、高濃度半導体領域の厚さD2及びショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNを標準条件2のものとしたIGBT、すなわち条件6に係るIGBTを比較例として試験例2の試験に供した。
2.試験の方法
試験は、条件1に係るIGBT(実施例)及び条件6に係るIGBT(比較例)について、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffを半導体デバイスシミュレータを用いてシミュレーションすることによって行った。
3.試験の結果
試験の結果を図9及び図12に示す。その結果、図9及び図12からも分かるように、本発明のIGBT(条件1に係るIGBT)が従来第3のIGBT(条件6に係るIGBT)よりも高温環境下(125℃)におけるターンオフ損失(Eoff)を低くすることが可能となる(154.3μJ vs 261.3μJ)ことが明らかとなった。
また、図9及び図12からも分かるように、条件6に係るIGBT(比較例)においては、「コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)が、25℃〜125℃の温度範囲において負(−0.0013V/deg)であるのに対して、条件1に係るIGBT(実施例)においては、「コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)が、25℃〜125℃の温度範囲において正(+0.0071V/deg)であった。このことから、本発明のIGBTの「コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)」がIGBTの想定使用温度範囲(例えば25℃〜125℃)において正であることが明らかとなった。
[試験例3]
試験例3は、本発明のIGBTにおいては、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)が、25℃〜125℃の温度範囲において正である理由を明らかにするための試験例である。図13は、試験例3の結果を示すグラフである。図13(a)は条件1に係るIGBT(実施例)における深さ方向に沿った導通時のキャリア濃度分布を示す図であり、図13(b)は条件6に係るIGBT(比較例)における深さ方向に沿った導通時のキャリア濃度分布を示す図である。
1.IGBTの構成条件
(1)実施例に係るIGBT(1個)
低濃度半導体層の不純物濃度Nd2、低濃度半導体層の厚さD2及びショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNを標準条件1のものとしたIGBT、すなわち条件1に係るIGBTを実施例として試験例3の試験に供した。
(2)比較例に係るIGBT(1個)
また、高濃度半導体領域の不純物濃度Nd2、高濃度半導体領域の厚さD2及びショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNを標準条件2のものとしたIGBT、すなわち条件6に係るIGBTを比較例として試験例3の試験に供した。
2.試験の方法
試験は、条件1に係るIGBT(実施例)及び条件6に係るIGBT(比較例)について、導通時(スイッチオン時)における深さ方向に沿ったキャリア濃度分布を、半導体デバイスシミュレータを用いて、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)評価時の条件(コレクタ電流IC:10A、ゲートエミッタ電圧VGE:15V)の下でシミュレーションすることによって行った。
3.試験の結果
試験の結果を図13に示す。その結果、図13からも分かるように、実施例においては、ショットキバリア金属のバリアハイトΦBN(0.84eV)が比較例におけるショットキバリア金属のバリアハイトΦBN(0.93eV)よりも0.09eV低いことに起因して少数キャリアの注入量自体は少なくなっているが、「ショットキ接合」から「ドリフト層と低濃度半導体層との界面」に向けて正孔の蓄積量が増大し、その結果、ドリフト層におけるキャリア濃度は比較例の場合とほぼ同等の値になっている。これにより、25℃のときのコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)及びターンオフ損失Eoffが、実施例と比較例とでほぼ同等の値を示すことが理解できる(図12参照。)。
これに対して、温度を25℃〜125℃に上昇させた場合のキャリア濃度分布の変化を見ると、実施例の場合にはキャリア濃度が約2倍に増加しているのに対して、比較例の場合にはキャリア濃度が約3倍に増加している。この場合、ターンオフ損失Eoffは、導通時におけるキャリア濃度が高くなるほど大きくなるため、実施例においては比較例においてよりも高温環境下(125℃)でのターンオフ損失Effが低いことが理解できる(図12参照。)。
一方、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)は、主に、第1主面側に形成された「nチャネルMOS構造における電圧降下」と「半導体基板における電圧降下」の和で構成される。「半導体基板における電圧降下」は、キャリアの移動度が高くなるほど小さくなり、キャリア濃度が高くなるほど小さくなるところ、実施例においては、高温(25℃→125℃)になると、キャリアの移動度が約2分の1になり、キャリア濃度が約2倍になることから、高温(25℃→125℃)になっても「半導体基板における電圧降下」はほとんど変化しない。その一方において、「nチャネルMOS構造における電圧降下」は通常、高温(25℃→125℃)になると大きくなる。その結果、実施例においては、「nチャネルMOS構造における電圧降下」と「半導体基板における電圧降下」を足した「合計電圧降下」が、高温(25℃→125℃)になると大きくなるのである。言い換えると、実施例においては、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)が、25℃〜125℃の温度範囲において正になるのである(図12参照。)。
これに対して、比較例においては、高温(25℃→125℃)になると、キャリアの移動度が約2分の1になり、キャリア濃度が約3倍になることから、高温(25℃→125℃)になったとき「半導体基板における電圧降下」は小さくなる。その一方において、「nチャネルMOS構造における電圧降下」は通常、高温(25℃→125℃)になると大きくなる。その結果、比較例においては、「nチャネルMOS構造における電圧降下」と「半導体基板における電圧降下」とを足した「合計電圧降下」は、「半導体基板における電圧降下」の減少量と「nチャネルMOS構造における電圧降下」の増加量の大小により、小さくなったり、変化しなかったり、大きくなったりする。そして、条件6に係るIGBTにおいては、高温(25℃→125℃)になっても、上記した「合計電圧降下」がほとんど変化しないことから、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)が、25℃〜125℃の温度範囲においてほぼ零になったものと考えられる(図12参照。)。
[試験例4]
試験例4は、「ドリフト層の不純物濃度Nd1」及び「ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN」をどのような範囲にすれば、「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の低減効果」が生ずるのかを明らかにするための試験例である。図14は、試験例4の条件を示す図表である。図15及び図16は、試験例4の結果を示す図である。
1.IGBTの構成条件
(1)条件11に係るIGBT(6個)
低濃度半導体層を配設したIGBT(低濃度半導体層の不純物濃度Nd2:1.00×1013cm−3、低濃度半導体層の厚さD2:20μm、ドリフト層の厚さD1:100μm)を配設したIGBTを条件11〜15に係るIGBTとした。これらのうち、「ドリフト層の不純物濃度Nd1」を5.00×1013cm−3にするとともに「ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN」を0.80eV、0.84eV、0.88eV、0.92eV、0.96eV、1.00eVにしたIGBTを条件11に係るIGBTとした(図14参照。)。
(2)条件12に係るIGBT(6個)
上記のIGBTのうち、「ドリフト層の不純物濃度Nd1」を2.00×1014cm−3にするとともに「ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN」を0.80eV、0.84eV、0.88eV、0.92eV、0.96eV、1.00eVにしたIGBTを条件12に係るIGBTとした(図14参照。)。
(3)条件13に係るIGBT(6個)
上記のIGBTのうち、「ドリフト層の不純物濃度Nd1」を8.00×1014cm−3にするとともに「ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN」を0.80eV、0.84eV、0.88eV、0.92eV、0.96eV、1.00eVにしたIGBTを条件13に係るIGBTとした(図14参照。)。
(4)条件14に係るIGBT(6個)
上記のIGBTのうち、「ドリフト層の不純物濃度Nd1」を3.20×1015cm−3にするとともに「ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN」を0.80eV、0.84eV、0.88eV、0.92eV、0.96eV、1.00eVにしたIGBTを条件14に係るIGBTとした(図14参照。)。
(5)条件15に係るIGBT(6個)
上記のIGBTのうち、「ドリフト層の不純物濃度Nd1」を1.30×1016cm−3にするとともに「ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN」を0.80eV、0.84eV、0.88eV、0.92eV、0.96eV、1.00eVにしたIGBTを条件15に係るIGBTとした(図14参照。)。
(6)条件16に係るIGBT(6個)
低濃度半導体層を配設しないIGBTとして、「ドリフト層の不純物濃度Nd1」を2.00×1014cm−3にし、「ドリフト層の厚さD1」を100μmにするとともに、「ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN」を0.80eV、0.84eV、0.88eV、0.92eV、0.96eV、1.00eVにしたIGBTを条件16に係るIGBTとした(図14参照。)。
2.試験の方法
試験は、上記した条件11〜16に係るIGBT36個について、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)を半導体デバイスシミュレータを用いてシミュレーションし、条件11〜15に係るIGBT30個について得られたコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)のそれぞれを条件16に係るIGBT6個について得られたコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)で除することによって得られた値を算出し、その値を「『ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN』を横軸とし『低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の低減効果』を縦軸とした」グラフにプロットすることにより行った。なお、このグラフにおいては、『低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の低減効果』が100%未満の場合に『低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の低減効果』があると判断できる。また、『低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の低減効果』が95%未満、90%未満、85%未満、・・・の場合には、100%未満の場合よりもより一層大きな『低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の低減効果』があると判断できる。
3.試験の結果
試験の結果を図15及び図16に示す。その結果、図15に示すように、条件11に係るIGBTにおいては、ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNが0.875eV未満である場合に「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)低減効果」が得られることが分かった。また、条件12に係るIGBTにおいては、ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNが0.929eV未満である場合に「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)低減効果」が得られることが分かった。また、条件13に係るIGBTにおいては、ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNが0.982eV未満である場合に「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)低減効果」が得られることが分かった。また、条件14及び条件15に係るIGBTにおいては、ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNが0.80eV〜1.00eVの範囲内においてはどの範囲であっても「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)低減効果」が得られることが分かった。なお、条件14に係るIGBTにおいては、得られた曲線を1.05eVまで外挿することにより、ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBNが0.875eV未満である場合に「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)低減効果」が100%未満となり、「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)低減効果」が得られることが推測できた。
そこで、図16に示すように、上記結果(条件11〜14に係るIGBT)を「『ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN』を横軸とし『ドリフト層の不純物濃度Nd1』を縦軸とした」グラフにプロットすることにより、「ドリフト層の不純物濃度Nd1」と「ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN」とをどのような範囲にすれば、「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)低減効果」が生ずるのかを定量化した。
その結果、図16に示すように、「ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN」を「ΦBN」とし「ドリフト層の不純物濃度Nd1」を「Nd1」としたとき、以下の式(1)を満たすとき、「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)低減効果」が生ずることが分かった。

Nd1 > 3326.7×exp(26.743×ΦBN) ・・・ (1)
また、同様に、以下の式(2)を満たすとき、より一層大きな「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)低減効果」(90%未満の場合)が生ずることが分かった。

Nd1 > 0.3593×exp(38.183×ΦBN) ・・・ (2)
このことは、ショットキバリア金属層のバリアハイトΦBN」を高くした場合には少数キャリアの注入量自体が多くなるため、それに応じて「ドリフト層の不純物濃度Nd1」を高くしないと、キャリア量に対する不純物量が少なすぎて、少数キャリアの蓄積量が不十分になり、結果として、伝導度変調が起こり難くなることを意味する。
[試験例5]
試験例5は、ショットキ接合からの少数キャリアの注入量が同じとなる条件下(すなわち、ショットキバリア金属層と接触する半導体層(低濃度半導体層又はドリフト層)の不純物濃度が同じとなる条件下)で比較したとき、低濃度半導体層の不純物濃度をどのような範囲にしたときに、「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の低減効果」が得られるのかを明らかにするための試験例である。図17は、試験例5の条件及び結果を示す図表である。図18は、試験例5の結果を示す図である。
1.IGBTの構成条件
(1)条件17〜22に係るIGBT
低濃度半導体層を配設したIGBT(低濃度半導体層の不純物濃度Nd2:1.0×1012cm−3〜2.0×1014cm−3、低濃度半導体層の厚さD2:20μm)を配設したIGBTを条件17〜22に係るIGBTとした。これらのIGBTのうち、「低濃度半導体層の不純物濃度Nd2」が1.0×1012cm−3であるIGBTを条件17に係るIGBTとし、「低濃度半導体層の不純物濃度Nd2」が1.0×1013cm−3であるIGBTを条件18に係るIGBTとし、「低濃度半導体層の不純物濃度Nd2」が5.0×1013cm−3であるIGBTを条件19に係るIGBTとし、「低濃度半導体層の不純物濃度Nd2」が1.0×1014cm−3であるIGBTを条件20に係るIGBTとし、「低濃度半導体層の不純物濃度Nd2」が1.5×1014cm−3であるIGBTを条件21に係るIGBTとし、「低濃度半導体層の不純物濃度Nd2」が2.0×1014cm−3であるIGBTを条件22に係るIGBTとした(図17参照。)。なお、これらのIGBTにおいて、ドリフト層の不純物濃度Nd1はこれを2.0×1014cm−3とし、ドリフト層の厚さD1はこれを100μmとした。従って、条件22に係るIGBTは、低濃度半導体層とドリフト層が同じ不純物濃度を有しこれらの層が連続しているIGBT(ドリフト層の厚さD1が120μmのIGBT)とも言える。
(2)条件23〜28に係るIGBT
低濃度半導体層を配設しないIGBTを条件23〜28に係るIGBTとした。これらのIGBTのうち、「ドリフト層の不純物濃度Nd1」が1.0×1012cm−3であるIGBTを条件23に係るIGBTとし、「ドリフト層の不純物濃度Nd2」が1.0×1013cm−3であるIGBTを条件24に係るIGBTとし、「ドリフト層の不純物濃度Nd2」が5.0×1013cm−3であるIGBTを条件25に係るIGBTとし、「ドリフト層の不純物濃度Nd2」が1.0×1014cm−3であるIGBTを条件26に係るIGBTとし、「ドリフト層の不純物濃度Nd2」が1.5×1014cm−3であるIGBTを条件27に係るIGBTとし、「ドリフト層の不純物濃度Nd2」が2.0×1014cm−3であるIGBTを条件28に係るIGBTとした。なお、これらのIGBTにおいて、ドリフト層の厚さD1はこれを100μmとした(図17参照。)。
2.試験の方法
試験は、上記した条件17〜28のIGBTについて、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)を半導体デバイスシミュレータを用いてシミュレーションすることによって行った。
3.試験の結果
試験の結果を図17及び図18に示す。その結果、図17及び図18からも分かるように、低濃度半導体層の不純物濃度が1.0×1014cm−3以下のときに、「低濃度半導体層を配設したことによるコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の低減効果」が得られることが明らかとなった。
なお、図18からは、低濃度半導体層の不純物濃度が5.0×1013cm−3以下のときに、「Δコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)/Δ低濃度半導体層の不純物濃度」の傾きが小さく、低濃度半導体層の不純物濃度Nd2の製造ばらつきがあったとしてもコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)のばらつきが小さくなることが分かった。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態においては、n型を第1導電型としp型を第2導電型として本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、p型を第1導電型としn型を第2導電型としても本発明を適用可能である。
(2)本発明のIGBTを製造する方法を上記各実施形態に係るIGBTの製造方法を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。これら以外の製造方法によって本発明のIGBTを製造することもできる。
100,200,300,700,800,900…IGBT、110,210,310,710,810,910…半導体基板、112,212,312,712,812,912…ドリフト層、114,214,215,314,315…低濃度半導体層、116,216,316,716,816,916…ボディ層、118,218,318,718,818,918…エミッタ領域、120,220,320,720,820,920…ゲート絶縁層、122,222,322,722,822,922…ゲート電極層、124,224,324,724,824,924…保護絶縁層、126,226,326,726,826,926…チャネルストッパ領域、128,228,328,728,828,928…エミッタ電極層、130,230,330,730,830,930…コレクタ電極層、213,313…低酸素濃度領域、714…高濃度半導体層(p型)、914…高濃度半導体層(n型)

Claims (7)

  1. 第1導電型のドリフト層と、
    前記ドリフト層の第1主面側表面に露出するように、かつ、前記ドリフト層の内部に選択的に形成してなる第2導電型のベース領域と、
    前記ドリフト層の第1主面側表面に露出するように、かつ、前記ベース領域の内部に選択的に形成してなる第1導電型のエミッタ領域と、
    前記ドリフト層、前記ベース領域及び前記エミッタ領域の表面所定領域に形成してなるゲート絶縁層と、
    前記ゲート絶縁層上に積層させて形成してなるゲート電極層と、
    前記ゲート絶縁層及び前記ゲート電極層を覆うように形成してなる保護絶縁層と、
    前記ベース領域及び前記エミッタ領域に接するように形成してなるエミッタ電極層と、
    前記ドリフト層の第2主面側表面に形成してなり、前記ドリフト層よりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第1導電型の低濃度半導体層と、
    前記低濃度半導体層上に形成してなるショットキバリア金属層を含むコレクタ電極層とを備えるIGBTであって、
    前記ドリフト層の不純物濃度をNd1とし、前記ショットキバリア金属層のバリアハイトをΦBNとしたとき、以下の式(1)
    Nd1 > 3326.7×exp(26.743×ΦBN)・・・(1)
    を満たすIGBTを製造するためのIGBTの製造方法であって、
    引き上げ法により製造された半導体基板であって、前記ドリフト層及び前記低濃度半導体層となる半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
    前記半導体基板の第1主面側に絶縁ゲートトランジスタを形成する工程であって、不活性雰囲気下1100℃以上の温度で前記半導体基板の熱処理を行う高温熱処理工程を含む絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、
    前記半導体基板を第2主面側から研削・研磨して前記半導体基板を薄くする研削・研磨工程と、
    400〜550℃の温度範囲で前記半導体基板の熱処理を行うことで前記半導体基板の第1主面側の所定領域を除く領域で酸素由来のサーマルドナーを5×1013cm−3以上発生させる低温熱処理工程と、
    前記半導体基板の第2主面側から前記半導体基板にレーザ照射を行い、前記半導体基板における前記第2主面近傍に存在していた前記サーマルドナーを除去することにより、前記ドリフト及び前記低濃度半導体層を形成するレーザ照射工程と、
    前記半導体基板の第2主面側に前記ショットキバリア金属層を含むコレクタ電極層を形成するコレクタ電極層形成工程とを含むことを特徴とするIGBTの製造方法。
  2. 第1導電型のドリフト層と、
    前記ドリフト層の第1主面側表面に露出するように、かつ、前記ドリフト層の内部に選択的に形成してなる第2導電型のベース領域と、
    前記ドリフト層の第1主面側表面に露出するように、かつ、前記ベース領域の内部に選択的に形成してなる第1導電型のエミッタ領域と、
    前記ドリフト層、前記ベース領域及び前記エミッタ領域の表面所定領域に形成してなるゲート絶縁層と、
    前記ゲート絶縁層上に積層させて形成してなるゲート電極層と、
    前記ゲート絶縁層及び前記ゲート電極層を覆うように形成してなる保護絶縁層と、
    前記ベース領域及び前記エミッタ領域に接するように形成してなるエミッタ電極層と、
    前記ドリフト層の第2主面側表面に形成してなり、前記ドリフト層よりも低濃度の第1導電型不純物を含有する第1導電型の低濃度半導体層と、
    前記低濃度半導体層上に形成してなるショットキバリア金属層を含むコレクタ電極層とを備えるIGBTであって、
    前記ドリフト層の不純物濃度をNd1とし、前記ショットキバリア金属層のバリアハイトをΦBNとしたとき、以下の式(1)
    Nd1 > 3326.7×exp(26.743×ΦBN)・・・(1)
    を満たすIGBTを製造するためのIGBTの製造方法であって、
    引き上げ法により製造された半導体基板であって、前記ドリフト層及び前記低濃度半導体層となる半導体基板を準備する半導体基板準備工程と、
    前記半導体基板を第1主面側又は第2主面側から研削・研磨して前記半導体基板を薄くする研削・研磨工程と、
    前記半導体基板の第1主面側に絶縁ゲートトランジスタを形成する工程であって、不活性雰囲気下1100℃以上の温度で前記半導体基板の熱処理を行う高温熱処理工程を含む絶縁ゲートトランジスタ形成工程と、
    400〜550℃の温度範囲で前記半導体基板の熱処理を行うことで前記半導体基板の第1主面側及び第2主面側の所定領域を除く領域で酸素由来のサーマルドナーを5×1013cm−3以上発生させて、前記ドリフト及び前記低濃度半導体層を形成する低温熱処理工程と、
    前記半導体基板の第2主面側に前記ショットキバリア金属層を含むコレクタ電極層を形成するコレクタ電極層形成工程とを含むことを特徴とするIGBTの製造方法。
  3. 以下の式(2)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のIGBTの製造方法。
    Nd1 > 0.3593×exp(38.183×ΦBN) ・・・ (2)
  4. 前記低濃度半導体層の不純物濃度Nd2が、1.0×10 14 cm −3 以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のIGBTの製造方法。
  5. 前記低濃度半導体層の不純物濃度Nd2が、5.0×10 13 cm −3 以下であることを特徴とする請求項4に記載のIGBTの製造方法。
  6. 前記低濃度半導体層の不純物濃度Nd2が、1.0×10 13 cm −3 以下であることを特徴とする請求項5に記載のIGBTの製造方法。
  7. 前記IGBTのコレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(sat)の温度依存性(dVCE(sat)/dT)が、25℃〜125℃の温度範囲において正であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のIGBTの製造方法。
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