JP6130672B2 - ホール素子及びその製造方法、並びに、磁気センサー - Google Patents
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Description
厚さ0.63mmの半絶縁性GaAs単結晶基板に、加速電圧250keVでSiイオン注入を行って導電層となる部分を形成した。このときのドーズ量は3.5E12ion/cm2であった。注入したイオンの活性化のためのアニールを行った。このときのシート抵抗は1600Ω/□であった。
ドーズ量を2E12ion/cm2とした以外は、実施例1と同一のプロセス及び同一のプロセス条件で磁電変換素子を作成した。活性化アニール後のシート抵抗は1200Ω/□であった。作成した4端子の磁電変換素子の抵抗は平均が2050Ωであり、そのばらつきは2σで5.8%と小さかった。また入力端子に6V印加した際のオフセット電圧のバラツキは2σで2.0mVと小さかった。温度特性を測定したところ、25℃から−50℃において6V印加した場合のオフセット電圧の変動は2σで0.2mVと非常に小さな値が得られた。
ドーズ量を1.35E12ion/cm2とした以外は、実施例1と同一のプロセス及び同一のプロセス条件で磁電変換素子を作成した。活性化アニール後のシート抵抗は750Ωとなった。作成した4端子の磁電変換素子の抵抗は1200Ωであり、そのばらつきは2σで4.2%と小さかった。また入力端子に6V印加した際のオフセット電圧のバラツキは2σで1.8mVと小さかった。温度特性を測定したところ、25℃から−50℃において6V印加した場合のオフセット電圧の変動は2σで0.6mVと非常に小さな値が得られた。
ドーズ量を1.15E12ion/cm2とした以外は、実施例1と同一のプロセス及び同一のプロセス条件で磁電変換素子を作成した。活性化アニール後のシート抵抗は400Ωとなった。作成した4端子の磁電変換素子の抵抗は620Ωであり、そのばらつきは2σで1.9%と小さかった。また入力端子に6V印加した際のオフセット電圧のバラツキは2σで1.7mVと小さかった。温度特性を測定したところ、25℃から−50℃において6V印加した場合のオフセット電圧の変動は2σで0.2mVと非常に小さな値が得られた。
実施例1で得られたモールド樹脂で封止された4端子の磁電変換素子を、保護膜上までモールド樹脂を溶かしてパッケージ開封し、顕微ラマン装置で測定したところ、GaAs基板のLOフォノンのストークスシフトラマンピークの位置は293.75cm−1という値となった。このときの測定条件は、入射角0°、波長532nmとし、光励起、後方散乱配置、入射偏光の電気ベクトルはGaAs[110]方向、散乱光は偏光子無しとした。このピーク位置から、膜応力は190MPaと求められた。膜応力は、膜応力が既知のGaAs基板上に形成したSiN膜のラマン散乱ピーク位置から求めた。
実施例2で得られたモールド樹脂で封止された4端子の磁電変換素子を、保護膜上までモールド樹脂を溶かしてパッケージ開封し、実施例5と同様の方法で顕微ラマン装置で測定したところ、GaAs基板のLOフォノンのストークスシフトラマンピークの位置は293.75cm-1、膜応力は190MPaと求められた。
実施例3で得られたモールド樹脂で封止された4端子の磁電変換素子を、保護膜上までモールド樹脂を溶かしてパッケージ開封し、実施例5と同様の方法で顕微ラマン装置で測定したところ、GaAs基板のLOフォノンのストークスシフトラマンピークの位置は293.75cm-1、膜応力は190MPaと求められた。
実施例4で得られたモールド樹脂で封止された4端子の磁電変換素子を、保護膜上までモールド樹脂を溶かしてパッケージ開封し、実施例5と同様の方法で顕微ラマン装置で測定したところ、GaAs基板のLOフォノンのストークスシフトラマンピークの位置は293.74cm-1、膜応力は166MPaと求められた。
プラズマCVD法により、400kHzを用い、原料ガスにおけるNH3に対するSiH4の流量比率を0.8の条件で、膜応力を圧縮応力とした窒化シリコンを形成したこと以外は、実施例1と同様の条件で磁電変換素子を作成した。このときの窒化シリコンの膜応力は、−750MPaであった。このときの屈折率は、1.9となった。また、このときのシリコンに対する窒素の組成比が1.5であった。作成した4端子の磁電変換素子の抵抗は2800Ωであり、そのばらつきは2σで10%と大きかった。また入力端子に6V印加した際のオフセット電圧のバラツキは2σで3.6mVと大きかった。温度特性を測定したところ、25℃から−50℃において6V印加した場合のオフセット電圧の変動は2σで2.2mVと大きな値であった。
比較例1で得られたモールド樹脂に封止された4端子の磁電変換素子を保護膜上までモールド樹脂を溶かしてパッケージ開封し、顕微ラマン装置で測定したところ、GaAs基板のLOフォノンのストークスシフトラマンピークの位置は293.36cm-1、膜応力は−760MPaであった。
2 電極
3 保護膜
4 基板
5 パッケージ
6 リードフレーム
7 金属線
Claims (12)
- 基板、
該基板上に形成された半導体層であって、InSb、InAs、GaAs、または、InaAlbGa(1−a−b)AsxSb(1−x)(0≦a+b≦1、0≦x≦1)からなり、感磁部を構成する半導体層、及び、
該半導体層上に形成された保護膜であって、膜応力が、面方向の引っ張り応力として作用している保護膜を備え、
前記膜応力の大きさが30MPa以上、450MPa以下であることを特徴とするホール素子。 - 前記半導体層のシート抵抗が600〜2000Ω/□であることを特徴とする請求項1に記載のホール素子。
- 前記保護膜の膜厚が100nm以上、400nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のホール素子。
- 前記半導体層に不純物がドープされており、該不純物は、Si、Sn、S、Se、Te、Ge、Cの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のホール素子。
- 前記半導体層がGaAsからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のホール素子。
- 前記保護膜が窒化シリコンからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のホール素子。
- 前記保護膜が窒化シリコンからなり、シリコンに対する窒素の組成比が0.7以上、1.1以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のホール素子。
- 前記保護膜が窒化シリコンからなり、2〜2.3の屈折率を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のホール素子。
- 前記保護膜の断面形状が、所定の曲率半径を持った凹形状であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のホール素子。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のホール素子を含んで構成される磁気センサーであって、
前記感磁部の形状がメサ形状であることを特徴とする磁気センサー。 - ホール素子の製造方法であって、
基板上に感磁部を構成する半導体層を形成するステップ、及び、該半導体層上に、高周波プラズマCVD法により保護膜を形成するステップを有し、
該保護膜を形成するステップにおいて、13.56MHz以上、2.45GHz以下の高周波を使用し、原料ガスにおける、NH3に対するSiH4の比率が1〜2.5であり、
前記保護膜の膜応力が、面方向の引っ張り応力であり、前記膜応力の大きさが30MPa以上、450MPa以下であることを特徴とするホール素子の製造方法。 - 前記半導体層を、InSb、InAs、GaAs、または、InaAlbGa(1−a−b)AsxSb(1−x)(0≦a+b≦1、0≦x≦1)から形成することを特徴とする請求項11に記載のホール素子の製造方法。
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