JP2932469B2 - ホール素子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
や、非接触スイッチなどに適用されるホール素子に関す
る。
型ホール素子100の構造は、半絶縁性GaAs基板10
1の表面に素子パターンとしてメサ型に分離された能動
層102とオーミックコンタクトの電極103を形成
し、更に素子パターンの感磁部であって電極103を除
く十字状の能動層102が露出する面上にSiO2(酸化
シリコン)等の絶縁膜104を形成したものである。ま
た、電極103のワイヤーボンディング用のスルーホー
ル部分以外の上面全体は、SiO2やSiN(窒化シリコ
ン)等のケイ素化合物から成る保護膜105でカバーさ
れている。
9に示すように、先ず半絶縁性GaAs基板101にイオ
ン注入法や有機金属気相エピタキシャル成長法(MOC
VD法)等によって能動層102を形成し、気相成長法
により絶縁膜104を半絶縁性GaAs基板101の表面
全体に堆積させる(図9(a))。その後、フォトリソ
グラフィにより電極形状のパターニングを行い、絶縁膜
104のエッチングをフッ酸系エッチング液にて行い電
極の形状に窓明けを行う。続けて電極103の材料であ
るAuGe-Ni合金106を蒸着する(図9(b))。不
用部分のメタルの剥離には、リフトオフ法を用い、フォ
トレジスト107を除去する。その後、電極部分をオー
ミックコンタクトとするため熱処理を行う(図9
(c))。
パターニングを行い、メサエッチングにて所定の素子パ
ターンを形成する(図9(d))。最後に、ワイヤーボ
ンディングする電極103部分を除いた全体を覆うよう
に保護膜105を形成する(図9(e))。また、保護
膜105を形成するにあたっては、事前に水素或は窒素
プラズマを照射して、基板101表面の清浄化、不活性
化を行う方法も知られている(特開平4−309227
号公報参照)。
レジストマスクを用いてエッチングで絶縁膜104に窓
明けをし、続けて電極103の材料であるAuGe-Ni合
金106を蒸着した場合に、絶縁膜104のサイドエッ
チングされた部分とAuGe-Ni合金106が蒸着された
部分(電極103)との間に、基板101に形成した能
動層102表面が露出した微細な間隙108が生じるこ
とがある。
子100においては、図7に示すように、導電層分離に
よって素子パターンの端面110が露出するため、端面
110の損傷による不平衡電圧の増大等、製造工程上で
の素子特性バラツキ発生の原因となる。そのため、保護
膜105を形成するが、導電層分離の方法によっては、
エッチングされた素子パターンの端面110の角度が基
板101に対して垂直で段差が大きい場合や逆テーパ状
になると端面110に確実な保護膜105が形成されな
いという問題点を有していた。
微細な間隙108が生じる場合には、保護膜105を形
成する工程において、その微細な間隙108を完全に埋
めることは困難である。従って、保護膜105の応力に
不均衡が生じ、それによるクラックが保護膜105に発
生し進行する虞がある。クラックはホール素子100の
耐湿性を低下させることになるという問題点を有してい
た。
りSiNの方が耐湿性において優れているとされている
が、SiNはGaAsとの付着力が弱く、GaAsとの付着
力が強いSiO2等の酸化膜を介在させる必要があった。
の熱処理において導電層のアニールキャップ(熱処理に
よる基板材料元素の飛散防止)の役割をさせることもあ
る。また、保護膜の応力による不平衡電圧が移動する問
題もある。従って、これらの要求を満足させるために保
護膜を2層以上形成する。このため、やむを得ず工程数
が多くなるという問題点を有していた。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、基板に対する付着力が強く、応力の小さい保護
膜を素子パターンの全面に形成し、不平衡電圧や入出力
抵抗等の経時変化の小さいホール素子及びその製造方法
を提供しようとするものである。
発明は、導電層の入力端子間方向と出力端子間方向にお
いて夫々メサ型構造を形成し、このメサ型構造が有する
両側面が対称で且つ90〜160度の傾斜角度を有し、
導電層分離後に電極を前記両側面もカバーするように形
成し、SiNの一層のみで保護膜を形成したものであ
る。
ル応力以下で、膜厚が2000〜3000Åであるとよ
い。
程、電極形成工程、保護膜形成工程から成るホール素子
の製造方法において、GaAsから成る基板へSiNから
成る保護膜を直接形成するための前処理として、Heガ
スのプラズマ照射をGaAs表面に行う工程を備えたもの
である。
のエッチング端面が順テーパ形状に形成されることによ
り、膜応力の均一なSiN単層膜から成る保護膜が形成
される。また、電極材料もエッチング端面をカバーする
ので、保護膜としての役割を果たす。請求項3に係る本
発明によれば、Heガスのプラズマ照射処理によって素
子全面に所望の付着力をもって確実に保護膜が形成され
る。
説明する。ここで、図1は本発明に係るホール素子の平
面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は電極部分の
拡大斜視図、図4は本発明に係るホール素子の製造工程
説明図、図5は電極パッドのオーバラップ形状の説明
図、図6はウェットエッチング(リン酸:過酸化水素
水:純水=5:1:10)を行った時のメサ型断面図で
ある。
は、III-V族化合物半導体としてGaAsを用いてメ
サ型構造を形成している。ホール素子1は、半絶縁性G
aAs基板2にイオン注入、活性化アニールを行って能動
層3を形成し、メサエッチングによって素子パターンを
形成して所定の電極4を設け、全体を覆うようにSiN
単層膜から成る保護膜5を形成して構成されている。ま
た、保護膜5の端部5aは、電極4の上面に臨むように
形成されている。
GaAs基板上にMOCVD法、MBE法等を用いて形成
したGaAs、GaAlAs等のエピタキシャル膜を能動層
とするもの、半絶縁性Si基板にイオン注入法により形
成し能動層とするもの、半絶縁性InP基板上にMOC
VD法、MBE法等を用いて形成したGaInAsエピタ
キシャル膜を能動層とするもの、フェライトやセラミッ
ク等の基板に絶縁膜を介して蒸着法やMBE法等で形成
したInSbやInAsエピタキシャル膜を能動層とするも
のなど、ホール素子として機能する半導体材料であれ
ば、その範囲で選択すればよい。また、これに用いる電
極材料も能動層とオーミックコンタクトが取れる材料な
らば限定されない。
ターン表面の能動層3とオーミックコンタクトをとる部
分だけでなく、能動層3の端面3a及び蝕刻された半絶
縁性GaAs基板2の端面2aから成るメサ型形状の端面
6をもカバーするように付着している。
バーや保護膜5を形成する際のクラックや不連続面の無
い確実性を考慮してメサ型端面角度が130〜90度で
ある順テーパ形状となる。
細な間隙をなくし、メサ型端面角度を130〜90度に
制御することによって、密着性のよい確実な保護膜5を
形成することが可能となる。ここで、保護膜5は、膜応
力が108dyn/cm2テンシル応力以下で、膜厚が2000
〜3000Åになるように形成される。
うな工程順で行われる。先ず、半絶縁性GaAs基板2に
イオン注入法やMOCVD法等によって能動層3を形成
し、フォトレジスト7をマスクとして導電層パターニン
グを行う(図4(a))。その後、フォトリソグラフィ
を用いて導電層分離を行う(図4(b))。
リン酸(H3PO4):過酸化水素水(H2O2):純水
(H2O)=5:1:10の混合溶液を用いる。そし
て、図6(a)に示すように、半絶縁性GaAs基板2の
上面をミラー指数(1 0 0)とした場合に、第1のミ
ラー指数で表される素子パターンの断面が、90度部分
を最小限におさえ、順テーパ状になるように制御する。
また、図6(b)は第2のミラー指数で表される素子パ
ターンの断面である。
ットエッチングの混合比5:1:10に限らず、例えば
混合比を10:1:1のように拡散律速領域での等方性
エッチング液を用いることにより、適切なメサ型端面形
状とエッチング速度を選択することが出来る。硫酸系ウ
ェットエッチングについても同様なことがいえる。その
他、反応性イオンエッチング(RIE)を用いても順テ
ーパ状のメサ型を得ることが出来る。
してフォトリソグラフィを用いて電極パターニングを行
う(図4(c))。この場合、電極のマスク形状は、図
5に示すように、半絶縁性GaAs基板2の端面2aをも
覆うように形成されている。
金を用いて真空蒸着法により形成されるが、メサ型端面
2aが順テーパ状に形成されているので、蒸着の更なる
段差被覆性の向上が図れる(図4(c))。
ォトレジストをマスクとしたリフトオフ法を用いる。フ
ォトレジスト8を除去し、電極金属をオーミックコンタ
クトにするためアニールを行う(図9(d))。更に、
電極4のうちワイヤーボンディングする部分4aを除い
て、素子パターン全体を覆うように保護膜5としてSi
Nによる単層膜を形成し、アニールを行う(図9
(e))。
CVD法により行い、その形成に際してGaAsとの付着
力を上げるためにHeプラズマで半絶縁性GaAs基板2
に表面処理を施す。そして、引続き同一のプラズマCV
D装置のチャンバー内でSiNの成膜を行う。SiN膜5
の形成では、広く一般的に化学気相成長法(CVD法)
が用いられる。半絶縁性GaAs基板2表面の成膜前処理
としては、基板2表面への残留分による悪影響がなく、
能動層3へのダメージが小さい軽元素であるHeガスを
用いて基板2表面へ電力密度が0.2W/cm2で照射
する。また、膜応力が108dyn/cm2テンシル応力以下
で、膜厚が2000〜3000ÅになるようにSiN膜
5は形成されている。
サ型端面を順テーパ形状に形成することによって、エッ
チング端面に保護膜を確実に形成することが出来る。ま
た、端面の順テーパ形状及び保護膜の単層化により、素
子パターンに対する膜応力の影響を均一に且つ低減する
ことが出来る。膜応力の低減は、素子パターンの歪等へ
の影響を低減し、素子特性の変化、特に歪から生じるパ
ターンの幾何学的ずれによる不平衡電圧の発生を抑える
ことが出来る。更に、保護膜の単層化により、工程の削
減とコスト低減が図れる。また、素子パターンの外側周
辺に位置する入出力端子の電極構造が、メサ型端面のエ
ッチング端面も電極材料で被覆するので保護膜としての
役割を果たすことが出来る。
応力を108dyn/cm2テンシル応力以下にし、膜厚を20
00〜3000Åにすると、不平衡電圧が低くてバラツ
キが小さく、且つ不平衡電圧や入出力抵抗等の経時変化
も小さいホール素子を作製することが出来る。
膜を直接形成するための前処理として、Heガスのプラ
ズマ照射を行うことにより、GaAs基板に対するSiN
保護膜の付着力が向上した。
純水=5:1:10)を行った時のメサ型断面図で、半
絶縁性GaAs基板の上面をミラー指数(1 0 0)とし
た場合に、(a)は第1のミラー指数で表される断面
図、(b)は第2のミラー指数で表される断面図
縁性GaAs基板の端面、3…能動層、3a…能動層の端
面、4…電極、4a…電極のうちワイヤーボンディング
する部分、5…保護膜、6…メサ型形状の端面、7,8
…フォトレジスト、9…電極材料。
Claims (3)
- 【請求項1】 導電層の入力端子間方向と出力端子間方
向において夫々メサ型構造を形成し、このメサ型構造が
有する両側面が対称で且つ90乃至160度の傾斜角度
を有し、導電層分離後に電極を前記両側面もカバーする
ように形成し、SiNの一層のみで保護膜を形成したこ
とを特徴とするホール素子。 - 【請求項2】 前記保護膜の膜応力は108dyn/cm2テン
シル応力以下で、膜厚が2000乃至3000Åである
請求項1記載のホール素子。 - 【請求項3】 導電層パターニング工程、エッチング工
程、電極形成工程、保護膜形成工程から成るホール素子
の製造方法において、GaAsから成る基板へSiNから
成る保護膜を直接形成するための前処理として、Heガ
スのプラズマを照射する工程を備えたことを特徴とする
ホール素子の製造方法。
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