JP6128366B2 - 二次電池の検査方法 - Google Patents
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前記電極体の正極側に金属不純物等が混入した場合には、電解液に接触した前記金属不純物等が溶解されて負極に達し、負極表面に析出して正負極間に微小短絡(マイクロショート)が生じることがある。
具体的には、特許文献1には、所定の温度下で第1エージングを行う工程と、前記第1エージングとは異なる温度下で第2エージングを行う工程とを備え、前記第2エージングを行う前の電池の端子電圧V1と、前記第2エージングを行った後の電池の端子電圧V2とを測定し、前記端子電圧V1と端子電圧V2との端子電圧差ΔVを算出し、算出した前記端子電圧差ΔV1と、検査ロット毎に設定される端子電圧差の平均値ΔVAとを比較することにより、電池の良否判定(微小短絡の有無の判定)を行う電池の検査方法が記載されている。
しかし、電池の良否判定(微小短絡の有無の判定)を行う際には、第1エージングを行う工程での温度ばらつきの状況が考慮されていないため、電池の良否判定を行う際に用いられる第2エージングを行う工程にて算出される端子電圧差ΔV1が、第1エージングを行う工程での温度ばらつきに左右され、高精度な判定を行うことが困難であった。
即ち、正極、負極、およびセパレータを、正極と負極との間にセパレータが介在するように積層して構成した電極体を備える二次電池に対して、所定の温度下で第1のエージングを行う第1エージング工程と、前記二次電池に対して、前記第1のエージングとは異なる温度下で第2のエージングを行う第2エージング工程とを備え、前記第2エージング工程における電圧降下量に基づいて、前記二次電池の微小短絡の有無を検査する、二次電池の検査方法であって、前記第2エージング工程を行う前記複数の二次電池の、前記第1エージング工程における電圧降下量を揃える工程をさらに備える。
蓋体22の長手方向一端部(図1における左端部)には正極端子4aが設けられ、蓋体22の長手方向他端部(図1における右端部)には負極端子4bが設けられている。
その後、電極体3および電解液をケース本体21内に収容するとともに、ケース本体21の開口部に蓋体22を嵌合して、蓋体22とケース本体21とを溶接により密封することにより、二次電池1を構成する。
同様に、負極32は、負極活物質や増粘剤や結着材等の電極材料を混練して得られた負極合材ペーストを、箔状に形成される集電体の表面(片面又は両面)に塗布するとともに乾燥・加圧して構成されている。
セパレータ33は、例えば多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されるシート状部材であり、正極31と負極32との間に配置される。
微小短絡が発生していない良品の二次電池1は、自己放電成分として、化学反応に起因する自己放電成分のみを有しており、微小短絡を有している二次電池1は、自己放電成分として、化学反応に起因する自己放電成分と、物理現象に起因する自己放電成分とを有している。
なお、前記微小短絡(マイクロショート)とは、電極体3の正極31側に金属不純物等が混入した場合に、電解液に接触した前記金属不純物等が溶解されて負極32に達し、負極32の表面に析出して正負極間に生じるものである。
図2に示すように、第1実施形態における二次電池1の検査方法は、二次電池1を任意の電圧値まで初期充電した後に、二次電池1に対して高温(例えば60℃)の環境下で第1のエージング(高温エージング)を行い、前記第1のエージングの末期における二次電池1の自己放電量を表す第1の電圧降下量dV1/dtを測定する、第1エージング工程S01と、第1エージング工程S01を終えた二次電池1を、第1の電圧降下量dV1/dtに基づいて層別し、第1の電圧降下量dV1/dtが所定の範囲内にある二次電池1毎にロットを形成するロット形成工程S02と、ロット形成工程S02にて形成したロット毎に、二次電池1に対して前記第1のエージング温度よりも低い室温(例えば20℃)の環境下で第2のエージング(室温エージング)を行い、前記第2のエージング時における二次電池1の自己放電量を表す第2の電圧降下量dV2/dtを測定する、第2エージング工程S03と、各二次電池1の電圧降下量dV2/dtと、当該二次電池1が属するロット毎に、各二次電池1の電圧降下量dV2/dtに基づいて設定された基準電圧降下量とを比較して、二次電池1の微小短絡の有無の判定を行う判定工程S04とを備えている。
第1エージング工程S01での、第1のエージングの末期における電圧降下量dV1/dtの測定は、第1のエージングを開始してから所定時間経過した時点での二次電池1の電圧V1、および第1のエージングが終了した時点での二次電池1の電圧V2を測定し、電圧V1から電圧V2を減じて第1の電圧降下量dV1/dtを算出することにより行う。
なお、第1のエージングは、二次電池1を、高温(例えば60℃)の環境下で予め設定された所定時間だけ放置することにより行う。
ロット形成工程S02におけるロットの形成は、例えば、第1エージング工程S01を終えた複数の二次電池1について、第1の電圧降下量dV1/dtが所定の範囲内にある二次電池1により第1ロットを形成し、第1の電圧降下量dV1/dtが第1ロットを形成する二次電池1の範囲よりも降下側の所定の範囲内にある二次電池1により第2ロットを形成することにより行う。
但し、形成するロット数は特に限定するものではなく、3以上のロットを形成してもよい。
第2エージング工程S03での、第2のエージング時における二次電池1の第2の電圧降下量dV2/dtの測定は、第2のエージングを開始した時点の二次電池1の電圧V3、および第2のエージングが終了した時点での二次電池1の電圧V4を測定し、電圧V3から電圧V4を減じて第2の電圧降下量dV2/dtを算出することにより行う。
なお、第2のエージングは、二次電池1を、室温(例えば20℃)の環境下で予め設定された所定時間だけ放置することにより行う。
判定工程S04においてロット毎に設定される基準電圧降下量としては、例えば、当該ロットを形成する二次電池1の第2の電圧降下量dV2/dtの平均値Vaおよび標準偏差σを算出し、電圧降下量dV2/dtの平均値Vaから降下側へ標準偏差σの4倍乖離した値を設定する。
そして、二次電池1の第2の電圧降下量dV2/dtが、当該二次電池1が属するロットの基準電圧降下量以上電圧降下するものであった場合に、当該二次電池1に微小短絡が有ると判定し(S05)、当該二次電池1が属するロットの基準電圧降下量以上電圧降下するものでなかった場合に、当該二次電池1には微小短絡は無いと判定する(S06)。
即ち、本実施形態における二次電池1の検査方法は、第2エージング工程S03を行う複数の二次電池1の、第1エージング工程S01における第1のエージング時の電圧降下量dV1/dtを揃える工程を備えている。
即ち、微小短絡が無い良品の二次電池1の範囲を、第2の電圧降下量dV2/dtの平均値Vaに対して±3σの範囲(平均値Vaから降下側へ標準偏差σの3倍乖離した値と、平均値Vaから上昇側へ標準偏差σの3倍乖離した値との間の範囲)とし、二次電池1の良否を判定する基準電圧降下量を、第2の電圧降下量dV2/dtの平均値Vaに対して−4σの値(平均値Vaから降下側へ標準偏差σの4倍乖離した値)とした場合に、平均値Vaから基準電圧降下量までの範囲が小さくなるため、微小短絡に起因する電圧降下量が小さい場合であっても、微小短絡を有する二次電池1を検出することが可能となる。
図5に示すように、第2実施形態における二次電池1の検査方法は、二次電池1を任意の電圧値まで初期充電した後に、二次電池1に対して高温(例えば60℃)の環境下で第1のエージング(高温エージング)を行い、前記第1のエージング時の所定期間における二次電池1の自己放電量を表す第1の電圧降下量dV1/dtを測定する、第1エージング工程S11と、測定した第1の電圧降下量dV1/dtを、第1のエージングを行うエージング装置にフィードバックして、各二次電池1の第1の電圧降下量dV1/dtが同等の値になるように、各二次電池1の第1のエージングの実施時間を調整する調整工程S12と、二次電池1に対して前記第1のエージング温度よりも低い室温(例えば20℃)の環境下で第2のエージング(室温エージング)を行い、前記第2のエージング時における二次電池1の自己放電量を表す第2の電圧降下量dV2/dtを測定する、第2エージング工程S13と、各二次電池1の電圧降下量dV2/dtと、各二次電池1の電圧降下量dV2/dtに基づいて設定された基準電圧降下量とを比較して、二次電池1の微小短絡の有無の判定を行う判定工程S14とを備えている。
第1エージング工程S11での、第1のエージング時における電圧降下量dV1/dtの測定は、第1のエージングを開始してから所定時間経過した時点での二次電池1の電圧V1、および当初設定されていた第1のエージングの終了時点での二次電池1の電圧V2を測定し、電圧V1から電圧V2を減じて第1の電圧降下量dV1/dtを算出することにより行う。
なお、第1のエージングは、二次電池1を、高温(例えば60℃)の環境下で予め設定された所定時間だけ放置することにより行う。
調整工程S12においては、例えば、測定した各二次電池1の第1の電圧降下量dV1/dtを、第1のエージングを行う恒温槽等のエージング装置にフィードバックして、第1の電圧降下量dV1/dtの値が小さかった二次電池1に対して第1のエージングを所定時間だけ追加して行うことにより、当該二次電池1の第1の電圧降下量dV1/dtを増加させ、値が大きかった二次電池1の第1の電圧降下量dV1/dtと同等の値にすることが行われる。
この場合、前記所定の電圧降下量を、測定した各二次電池1の第1の電圧降下量dV1/dtのうち、最も降下側に位置する値に設定することができる。また、前記調整工程S12にて、さらに行われるエージングは、全ての二次電池1の電圧降下量が、前記所定の電圧降下量を含む所定の範囲内(例えば±0.01mV/hの範囲内)に収まるように行うことができる。
第2エージング工程S13での、第2のエージング時における二次電池1の第2の電圧降下量dV2/dtの測定は、第2のエージングを開始した時点の二次電池1の電圧V3、および第2のエージングが終了した時点での二次電池1の電圧V4を測定し、電圧V3から電圧V4を減じて第2の電圧降下量dV2/dtを算出することにより行う。
なお、第2のエージングは、二次電池1を、室温(例えば20℃)の環境下で予め設定された所定時間だけ放置することにより行う。
判定工程S14において設定される基準電圧降下量としては、例えば、第2エージング工程S13を経た二次電池1の第2の電圧降下量dV2/dtの平均値Vaおよび標準偏差σを算出し、電圧降下量dV2/dtの平均値Vaから降下側へ標準偏差σの4倍乖離した値を設定する。
そして、二次電池1の第2の電圧降下量dV2/dtが、前記基準電圧降下量以上電圧降下するものであった場合に、当該二次電池1に微小短絡が有ると判定し(S15)、前記基準電圧降下量以上電圧降下するものでなかった場合に、当該二次電池1には微小短絡は無いと判定する(S16)。
即ち、本実施形態における二次電池1の検査方法は、第2エージング工程S13を行う複数の二次電池1の、第1エージング工程S11における第1のエージング時の電圧降下量dV1/dtを揃える工程を備えている。
次に、二次電池1の検査方法の実施例について説明する。
本実施例においては、微小短絡を有しない二次電池1の良品サンプル、および微小短絡を有する二次電池1の微小短絡サンプルをそれぞれ複数個作成し、これらの各サンプルについて、本実施形態にかかる二次電池1の検査方法を実施した。
また、負極板として、負極活物質としての天然黒鉛系活物質を98wt%、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を1wt%、結着材としてのスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)を1wt%含んだ負極合材ペーストを、集電体としての10μm厚の銅箔に塗布して構成されたものを用いた。
また、電解液として、EC(エチレンカーボネート)、DMC(ジメチルカーボネート)、およびEMC(エチルメチルカーボネート)を、3:3:4(重量比)の割合にて混合した溶媒に、LiPF6を1.0Mの濃度で溶解させたものを用いた。
また、容量が20Ahの二次電池に構成した。
まず、上記の各良品サンプルおよび微小短絡サンプルに対して、25℃にて0Vから3.95Vまで、1Cにて初期充電を行った。
初期充電を行った各良品サンプルおよび微小短絡サンプルを、3.95V、60℃(高温)にて20時間放置することにより第1のエージングを行った。
また、第1のエージングを開始してから17時間経過した時点での二次電池1の電圧V1、および第1のエージングを開始してから20時間経過した時点(即ち、第1のエージングが終了した時点)での二次電池1の電圧V2を測定し、電圧V1から電圧V2を減じて第1の電圧降下量dV1/dtを算出した(S01)。
具体的には、本実施例では、第1の電圧降下量dV1/dtが−0.60〜−0.62(−0.61±0.01)mV/hの範囲内に入る第1ロットと、第1の電圧降下量dV1/dtが−0.62〜−0.64(−0.63±0.01)mV/hの範囲内に入る第2ロットとを形成した。
また、第2のエージングの開始時の二次電池1の電圧V3、および第2の終了時の電圧V4を測定し、電圧V3から電圧V4を減じて第2の電圧降下量dV2/dtを算出した(S03)。
各ロットにおいて、各良品サンプルおよび微小短絡サンプルの第2の電圧降下量dV2/dtと、当該サンプルが属するロットの基準電圧降下量とを比較し(S04)、各サンプルの第2の電圧降下量dV2/dtが、当該ロットの基準電圧降下量以上電圧降下するものであれば、当該サンプルに微小短絡が有ると判定し(S05)、当該ロットの基準電圧降下量以上電圧降下するものでなければ、当該サンプルには微小短絡は無いと判定した(S06)。
さらに、第2ロットにおいては、良品サンプルが示す第2の電圧降下量dV2/dtの値(−0.62〜−0.66mV/day)と、微小短絡サンプルが示す第2の電圧降下量dV2/dtの値(−0.71〜−0.80mV/day)との間に大きな差があるため、良品サンプルと微小短絡サンプルとの判別を精度良く行うことが容易となっている。
また、微小短絡サンプルの第2の電圧降下量dV2/dtの値は−0.71〜−0.80mV/dayの範囲にあり、微小短絡サンプルが示す第2の電圧降下量dV2/dtの値(−0.71〜−0.80mV/day)と、良品サンプルが示す第2の電圧降下量dV2/dtの値(−0.62〜−0.71mV/day)との間に差がなく、良品サンプルと微小短絡サンプルとの判別を精度良く行うことは困難である。
本実施例においては、微小短絡を有しない二次電池1の良品サンプル、および微小短絡を有する二次電池1の微小短絡サンプルをそれぞれ複数個作成し、これらの各サンプルについて、本実施形態にかかる二次電池1の検査方法を実施した。
各良品サンプルおよび微小短絡サンプルは、第1実施形態に係る実施例の場合と同様に作成した。
まず、上記の各良品サンプルおよび微小短絡サンプルに対して、25℃にて0Vから3.95Vまで、1Cにて初期充電を行った。
初期充電を行った各良品サンプルおよび微小短絡サンプルを、3.95V、60℃(高温)にて20時間放置することにより第1のエージングを行った。
また、第1のエージングを開始してから17時間経過した時点での二次電池1の電圧V1、および第1のエージングを開始してから20時間経過した時点(即ち、第1のエージングが終了した時点)での二次電池1の電圧V2を測定し、電圧V1から電圧V2を減じて第1の電圧降下量dV1/dtを算出した(S11)。
具体的には、例えば、測定した第1の電圧降下量dV1/dtのうち最も降下側に位置する値を含む、所定の範囲の第1の電圧降下量dV1/dtの値を目標範囲として設定し、電圧降下量dV1/dtが前記目標範囲から外れる値であったサンプルに対して、当該サンプルの電圧降下量dV1/dtが前記目標範囲となるように、第1のエージングを追加で行った(S12)。つまり、電圧降下量dV1/dtが前記目標範囲から外れる値であったサンプルを、追加で第1のエージングを行う対象とした。
このように、全てのサンプルに対して予め設定された時間だけ第1のエージングを行った後に、対象となるサンプルに対して追加で所定時間だけ第1のエージングを行うことで、各サンプルの電圧降下量dV1/dtの値を前記目標範囲に揃えることができた。
なお、前記目標範囲としては、例えば±0.01mV/hの範囲に設定することができる。
また、第2のエージングの開始時の二次電池1の電圧V3、および第2の終了時の電圧V4を測定し、電圧V3から電圧V4を減じて第2の電圧降下量dV2/dtを算出した(S13)。
そして、各良品サンプルおよび微小短絡サンプルの第2の電圧降下量dV2/dtと、設定した基準電圧降下量とを比較し(S14)、各サンプルの第2の電圧降下量dV2/dtが、前記基準電圧降下量以上電圧降下するものであれば、当該サンプルに微小短絡が有ると判定し(S15)、前記基準電圧降下量以上電圧降下するものでなければ、当該サンプルには微小短絡は無いと判定した(S16)。
2 電池ケース2
3 電極体3
31 正極
32 負極
33 セパレータ
Claims (4)
- 正極、負極、およびセパレータを、正極と負極との間にセパレータが介在するように積層して構成した電極体を備える複数の二次電池を所定の電圧値まで充電した初期充電後に、所定の温度下で所定の時間だけ放置する第1のエージングを行い、前記第1のエージングを開始してから所定の時間が経過した時点での二次電池の電圧V1と、前記第1のエージングが終了した時点での二次電池の電圧V2とを測定し、電圧V1から電圧V2を減じてdV1を得て、当該第1のエージングの末期における第1の電圧降下量dV1/dtを、前記複数の二次電池についてそれぞれ測定する、第1エージング工程と、
前記複数の二次電池を、測定された前記第1の電圧降下量dV1/dtに基づいて、層別し、前記第1の電圧降下量dV1/dtが所定の範囲内にある二次電池毎にロットを形成するロット形成工程と、
前記ロット形成工程にて形成されたロット毎に、二次電池に対して前記第1のエージング温度よりも低い温度環境下で所定の時間だけ放置する第2のエージングを行い、前記第2のエージング時における二次電池の自己放電量を表す第2の電圧降下量dV2/dtを測定する、第2エージング工程と、
前記ロット形成工程にて形成されたロット毎に、前記第2エージング工程において測定された、前記第2の電圧降下量dV2/dtの平均値Vaを算出し、前記平均値Vaよりも降下側に、前記第2の電圧降下量dV2/dtの基準電圧降下量を設定し、当該基準電圧降下量と、各二次電池の電圧降下量dV2/dtとを比較して、各二次電池の微小短絡の有無の判定を行う判定工程と
を備えた、二次電池の検査方法。 - 前記基準電圧降下量は、前記第2の電圧降下量dV2/dtの平均値Vaおよび標準偏差σを算出し、前記電圧降下量dV2/dtの平均値Vaから降下側へ標準偏差σの4倍乖離した値を設定する、請求項1に記載された二次電池の検査方法。
- 正極、負極、およびセパレータを、正極と負極との間にセパレータが介在するように積層して構成した電極体を備える複数の二次電池を所定の電圧値まで充電した初期充電後に、所定の温度下で所定の時間だけ放置する第1のエージングを行い、前記第1のエージングを開始してから所定の時間が経過した時点での二次電池の電圧V1と、前記第1のエージングが終了した時点での二次電池の電圧V2とを測定し、電圧V1から電圧V2を減じてdVを得て、当該第1のエージングの末期における第1の電圧降下量dV1/dtを、前記複数の二次電池についてそれぞれ測定する、第1エージング工程と、
前記複数の二次電池のうち、前記第1のエージング後の前記第1の電圧降下量dV1/dtの値が小さかった二次電池に対してエージングを追加し、前記第1のエージングと当該追加されたエージングを含むエージングの末期における予め定められた期間の電圧降下量が、前記複数の二次電池の電圧降下量が所定の範囲内に収める、調整工程と、
前記調整工程後に、前記複数の二次電池に対して前記第1のエージング温度よりも低い温度環境下で所定の時間だけ放置する第2のエージングを行い、前記第2のエージング時における二次電池の自己放電量を表す第2の電圧降下量dV2/dtを測定する、第2エージング工程と、
前記第2エージング工程において測定された、前記第2の電圧降下量dV2/dtの平均値Vaを算出し、前記平均値Vaよりも降下側に、前記第2の電圧降下量dV2/dtの基準電圧降下量を設定し、当該基準電圧降下量と、各二次電池の電圧降下量dV2/dtとを比較して、各二次電池の微小短絡の有無の判定を行う判定工程と
を備えた、二次電池の検査方法。 - 前記基準電圧降下量は、前記第2の電圧降下量dV2/dtの平均値Vaおよび標準偏差σを算出し、前記電圧降下量dV2/dtの平均値Vaから降下側へ標準偏差σの4倍乖離した値を設定する、請求項1または2に記載された二次電池の検査方法。
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