JP6127074B2 - 光ファイバの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバの製造方法に関する。
光ファイバの被覆構造は、異なる2種類の被覆材からなる2層構造が一般的である。
一次被覆(プライマリ被覆)はガラスに対して直接塗布されて、主に外力に対する緩衝層として作用する。そのため一次被覆材としては、比較的に柔らかく弾性の高い樹脂が使用される。更に一次被覆材に要求される特性としては、ガラスとの密着性、紡糸での硬化処理のために十分な硬化速度なども挙げられる。
二次被覆(セカンダリ被覆)は一次被覆の上から塗布され、取扱い時や敷設環境における外乱による光ファイバの損傷を防ぐための保護層として作用する。そのため二次被覆材としては、比較的硬化後の硬度が高い樹脂が選定される。更に二次被覆材として要求される特性としては、ハンドリングに適当な可撓性・表面性(タック性)、一次被覆材への密着性などがある。
上述はごく一般的な要求の一部であり、実際はその用途に応じて一次被覆材、二次被覆材に対して数多の要求が想定される。このため、要求特性および組み合わせを総合的に判断して適当な被覆材が選定されるべきである。また、光ファイバの被覆構造は2層構造が一般的であると先述したが、必ずしも2層である必要性は無く、しばしば3層以上のコーティングが要求されることもある。例えば、特許文献1では良好なマイクロベンド特性を実現するために3層以上の被覆構造を有する光ファイバについて記載されている。
光ファイバの製造開始時の作業手順としては、例えば特許文献2や特許文献3に記載されている。一例としては、光ファイバ母材を加熱炉にセットし、光ファイバ母材の先端を加熱・溶融して光ファイバ母材の先端部を落とす工程(落とし工程)、加熱炉から引き出された光ファイバ(ガラスファイバ、ベアファイバ)をある程度まで細くし、樹脂塗布装置や樹脂硬化装置などを通過させる工程(線通し工程)、線通しした光ファイバを引き取り機にかける工程(線掛け工程)、樹脂塗布装置に樹脂を加圧吐出して光ファイバへの塗布を開始する工程(樹脂入れ工程)、光ファイバの外径及び張力の条件を調整しつつ線速を上げていく工程(増速工程)、最終的な条件に安定したところで製品となる光ファイバをボビンに巻き取る工程(製品巻き取り工程)が挙げられる。
米国特許第8406596号明細書 特開2004−231427号公報 特開2000−239039号公報
樹脂入れ工程においては、複数の樹脂被覆の塗布を一度に開始することは困難であることから、樹脂被覆の層数を1層ずつ段階的に増加させている。この場合、樹脂入れ中の光ファイバに施される樹脂被覆の層数が製品よりも少ない段階において、樹脂被覆の膜厚が大きくなり、安定しない現象があることを、本発明者らは見出した。膜厚が不安定になると、製造巻き取り工程に達するまでの時間や作業が増大したり、光ファイバの歩留まりが低下したりする。さらには、膜厚が変動した光ファイバが、装置との干渉や張力等の影響により断線して、製造準備をやり直す場合もある等の問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、樹脂入れ時の膜厚を安定させやすく、断線の頻度を低減することができる光ファイバの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、光ファイバ母材を加熱して光ファイバに紡糸すると共に前記光ファイバを垂直の下方向に搬送しながら前記光ファイバに複数の樹脂被覆を施す光ファイバの製造方法であって、前記光ファイバの製造工程に先立ち、前記光ファイバに前記複数の樹脂被覆のうち少なくとも一つの樹脂被覆を施すことなく、前記光ファイバを紡糸する製造準備工程を有し、前記製造準備工程において、前記製造工程よりもガラス径が太い光ファイバを紡糸して、前記ガラス径が太い光ファイバに少なくとも一つの樹脂被覆を施すことを特徴とする光ファイバの製造方法を提供する。
前記ガラス径が太い光ファイバに少なくとも一つの樹脂被覆を施した後に、前記樹脂被覆が施される光ファイバのガラス径を細くする工程が、段階的に行われることが好ましい。
前記ガラス径が太い光ファイバに少なくとも一つの樹脂被覆を施した後に、前記樹脂被覆が施される光ファイバのガラス径を細くする工程が、前記光ファイバに施される樹脂被覆の層数が増加するごとに設けられることが好ましい。
前記ガラス径が太い光ファイバは、前記樹脂被覆が安定した膜厚で塗布及び硬化できる膜厚になるように、予め確認されたガラス径を有することが好ましい。
前記光ファイバに塗布する樹脂が熱硬化型の樹脂であることが好ましい。
本発明によれば、樹脂入れ時に、製品よりもガラス径(外径)が太い光ファイバに樹脂被覆を施すので、膜厚が安定しやすく、断線の頻度を低減することができる。
光ファイバの製造装置の一例を示す模式的構成図である。 (a)〜(c)は光ファイバの樹脂入れを行う手順を例示する断面図である。 (a)〜(c)は光ファイバの樹脂入れ時に膜厚が安定しない場合を例示する断面図である。 本発明により光ファイバの樹脂入れを行う手順を例示する断面図である。 ファイバ径と安定径の関係の一例を示すグラフである。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1に、光ファイバの製造装置20の一例を示す。この製造装置20の主な構成要素としては、光ファイバ母材を加熱する加熱炉21、溶融延伸により紡糸された光ファイバ10の外径を計測する外径測定器22,25、光ファイバ10を冷却する冷却装置23,27、光ファイバ10に樹脂を塗布する樹脂塗布装置24,28、塗布された樹脂を硬化させる樹脂硬化装置26,29、樹脂被覆が施された光ファイバ13を一定速度で引き出す引き取り機31、線引きされた光ファイバ13をボビンに巻き取る巻き取り機33などがある。ターンプーリー30は、光ファイバ13の搬送方向を転換し、ダンサ32は光ファイバ13のボビンへの巻き張力を調整する。
図1により製造を行う例では、製品の光ファイバ13が、ガラスの光ファイバ10の周囲に複数の樹脂被覆として、一次被覆11と二次被覆12を有する。光ファイバ10は、光ファイバ母材を加熱炉21で加熱して先端部から光ファイバを紡糸することにより得られる。製品の光ファイバ13を製造する工程では、紡糸された光ファイバ10を垂直の下方向に搬送しながら、先に一次被覆11を形成し、次に二次被覆12を形成する。一次被覆11は、樹脂塗布装置24により塗布された樹脂を、樹脂硬化装置26により硬化させることで形成される。二次被覆12は、樹脂塗布装置28により塗布された樹脂を、樹脂硬化装置29により硬化させることで形成される。
従来、樹脂入れ工程において、樹脂の塗布を開始する際のガラス径は、通常、製品の光ファイバにおけるガラス径(例えば汎用通信用ファイバであれば125μm)程度に調整されている。その理由は、ガラス径が細すぎると断線の可能性が高くなり、一方でガラス径が太すぎると樹脂塗布装置において光ファイバの詰まりが懸念されたり、歩留まりが低下したりするためである。
また、樹脂入れ(樹脂被覆装置へ樹脂供給開始、樹脂被覆の塗布開始)の順序は、製造装置20の下方(光ファイバの搬送方向の下流)に位置する樹脂塗布装置から順次行われている。つまり2層コーティング構造であれば2層目樹脂、1層目樹脂の順に樹脂入れし、3層コーティング構造であれば3層目樹脂、2層目樹脂、1層目樹脂の順に樹脂入れする。その理由は、上流側の樹脂から先に樹脂入れし塗布すると、樹脂入れがされていない下方の樹脂塗布装置において、光ファイバの通過位置がダイス孔の中心から大きく偏り、樹脂が削られる懸念があるためである。下方に位置する樹脂塗布装置に樹脂入れがなされている状態であれば、樹脂の対流効果により光ファイバは樹脂塗布装置におけるダイス孔の中心を確実に通過するため、樹脂がダイス孔で削られる懸念が無くなる。
光ファイバの被覆材に用いられる樹脂としては、例えばウレタンアクリレート系の合成樹脂やシリコーン系の樹脂が挙げられる。被覆材樹脂は、硬化反応の違いから、UV硬化型樹脂と熱硬化型樹脂に大別できるが、熱硬化型の樹脂においてはUV硬化型樹脂に比べ硬化速度が遅いために、硬化過程での変形が生じやすい。具体的には、光ファイバの製造工程において、樹脂塗布装置の直下では光ファイバに対して一定の膜厚で安定して塗布できている場合であっても、樹脂硬化装置を通過し硬化する過程において長手方向への変形が生じてしまい、安定した膜厚の被覆が形成されない場合がある。この問題は、膜厚が厚くなるほど顕著に生じる。
硬化時の変形が生じやすい樹脂の例としては、例えばヒドロシリル化反応による架橋によって硬化する、パーフルオロエーテルポリマーを含んだシリコーン樹脂などが挙げられる。このような樹脂は、熱伝導性と熱硬化速度のバランスから、非常に高温な環境下では加熱表面と内部とで瞬間的に硬化度合いの差が生じ、硬化収縮する作用と表面張力の作用により架橋時の変形が生じるものと考えられる。
まずは光ファイバの被覆構造が2層構造である場合を考える。図2および図3の(a)〜(c)は、ガラス径を変化させることなく、2層構造の被覆を有する光ファイバの製造を開始する際に、光ファイバの製造装置において引き取られる光ファイバが変化する過程を例示する断面図である。図2に示すように、光ファイバ10のガラス径を最終的な所望のガラス径付近において二次被覆12を形成すると、一次被覆11が形成されていない分、二次被覆12の樹脂は、製品の光ファイバ13の時に想定されるよりも膜厚が厚く塗布される。そのため図3に示すように、樹脂塗布装置において、二次被覆12に長手方向の変形が生じた状態(図3(b)参照)で硬化する可能性がある。
より具体的な例で説明すると、例えば光ファイバのガラス径が125μm、一次被覆径が200μm、二次被覆径が250μmとなるような条件で樹脂塗布装置を構成した場合を想定する。この場合、一次被覆径200μmに対して二次被覆径250μmなので、二次被覆の膜厚は25μmである。一方で、樹脂入れ時に一次被覆のない状態で、二次被覆材の樹脂を塗布する際は、125μmのガラス径に対して例えば225μmの二次被覆径で塗布される。この場合被覆膜厚は50μmとなり、最終的な二次被覆の膜厚よりもかなり厚く塗られることになる。樹脂が最終的な仕上がり膜厚より厚く塗られると、場合によっては硬化過程で樹脂が長手方向に変形してしまう可能性がある。長手方向に変形した被覆でコーティングされた光ファイバでは、内部のガラスに不均一な応力が加わることで強度が弱くなり、ターンプーリーや引き取り機(キャプスタン)等での断線の原因となる。
次に3層以上の被覆構造を想定した場合を考える。3層以上の被覆構造においても基本的には2層構造の場合と同様の問題が生じ得る。つまり、ガラス径を最終的な製品のガラス径にして3層目樹脂および2層目樹脂の樹脂入れを行うと、1層目樹脂がない状態で、3層目樹脂および2層目樹脂を塗布した瞬間は、想定よりも膜厚が厚くなるため、架橋時に変形が生じ得る。3層目樹脂においてそのような変形が生じると、光ファイバの強度が弱くなり、ターンプーリーや引き取り機での断線の懸念が生じる。また、2層目樹脂においてそのような長手方向の変形が生じると、膜厚の厚い部分と薄い部分が生じることで、場合によっては、2層目樹脂を施した光ファイバが、3層目の樹脂塗布装置のダイス孔径と同程度ないしそれ以上の径になる。たとえ対流効果により光ファイバがダイス孔の中心付近を通過している場合であっても、ダイス孔に接触し、2層目樹脂が削れる場合がある。そうすると3層目樹脂中に2層目樹脂の削りカスが混在し、品質上の重大な欠陥となる。また長手方向に変形が生じた光ファイバが樹脂塗布装置を通過すると、樹脂塗布装置で樹脂中に空気を捲き込みやすくなり、樹脂被覆に泡が混入する可能性がある。被覆泡も品質上の重大な欠陥となり得る。
被覆材の膜厚が薄い場合、上述したような硬化変形は生じない。その理由は、膜厚が薄い場合であれば加熱表面と内部との硬化度合いの差が生じにくいためと考えられる。従って、樹脂入れする段階のガラス径を、最終製品のガラス径(仕上がり径)よりも太くすれば、樹脂入れ時の被覆材の膜厚が過度に厚くなることを防ぐことができ、硬化過程での変形を抑制することができる。
本実施形態による光ファイバの製造方法は、樹脂入れ工程において、製造工程よりもガラス径が太い光ファイバに対して樹脂入れを行うことを特徴とする。このため、樹脂入れ工程においては、製造工程よりもガラス径が太い光ファイバを紡糸し、このガラス径が太い光ファイバに対して、少なくとも一つの樹脂塗布装置では樹脂被覆を施すことなく通過させ、他の少なくとも一つの樹脂塗布装置では樹脂の塗布を開始して、樹脂入れを行う。
図4の(a)〜(d)は、本実施形態により、2層構造の被覆を有する光ファイバの製造を開始する際に、光ファイバの製造装置において引き取られる光ファイバが変化する過程を例示する断面図である。最初は、図4(a)に示すように、線通し工程により、樹脂被覆を有しない光ファイバ10が引き取られる。次に、図4(b)に示すように、2層目の樹脂入れ工程により、光ファイバ10に一次被覆11を施すことなく、二次被覆12が施されて、引き取られる。このとき、光ファイバ10のガラス径は、製品の光ファイバ13のガラス径より太く設定される。
2層目の樹脂入れ後は、1層目の樹脂入れ工程により、光ファイバ10に一次被覆11の塗布を開始する。これにより、図4(c)に示すように、一次被覆11と二次被覆12が施された光ファイバ10が引き取られる。このとき、二次被覆12の塗布装置では、一次被覆11が施された光ファイバ10が導入されるので、二次被覆12の膜厚が薄くなる。その後、光ファイバ10のガラス径や各被覆の膜厚を調整して、図4(c)に示すように、製品の光ファイバ13が引き取られる。紡糸される光ファイバ10のガラス径を細くする工程は、1層目の樹脂入れ工程の後であれば、二次被覆12の膜厚が過度に厚くなることがないので、好ましい。
例えば、樹脂入れ時のガラス径を、製品の光ファイバ13における一次被覆11の外径(一次被覆径)程度に太くしておくと、樹脂入れ時の二次被覆12の膜厚が製品の二次被覆12の膜厚と同程度になるので、安定した塗布及び硬化が可能になる。樹脂入れ時のガラス径を適切に設定するためには、樹脂被覆が安定した膜厚で塗布及び硬化できる範囲を予め確認しておくことが好ましい。安定した塗布及び硬化が可能な光ファイバの外径は、製品において当該被覆が形成される下部の外径(例えば二次被覆に対する一次被覆径、一次被覆に対するガラス径)と等しい場合、それより大きい場合、もしくは小さい場合のいずれであるかは問わない。
図5は、ある熱硬化型のシリコーン樹脂において、ガラスに対して塗布・硬化させた時に長手変形が生じない外径を調査した結果である。ここで言う「長手変形」とは、長手方向に連続的に生じている外径変化の最大値・最小値の差が平均値に対して±2.5μm以上であることを示している。図5からファイバ径(ガラス径)が細いほど安定して塗布・硬化できる被覆径(安定径)が細く、よって被覆膜厚が薄いことが判る。
従って、ガラス径が細径であるほど、樹脂入れ時に生じる過度な膜厚の影響による硬化時の変形が生じやすいことが判る。ダイス孔径が一意に決定されたとき、ファイバ径を太くすることでファイバ径とダイス孔径とのクリアランスは狭くなるので、その他条件が同一であれば必然的に塗布される膜厚が薄くなる。従って図5の安定する膜厚の範囲を満たすようなファイバ径に調整し樹脂入れすることで、樹脂入れ時の変形を抑制することができる。この時、すでに塗布されている樹脂およびこれから塗布する樹脂それぞれにおいて長手変動が生じないようなファイバ径となるように、樹脂入れ毎に段階的に細くしていくことが望ましい。それによりファイバの歩留まりを抑えることができる。なお、図5は、例示に過ぎず、樹脂の種類等の製造条件により、安定径は相違し得る。このため、所定のガラス径に対する安定な被覆膜厚は、製造条件ごとに予備的に確認することが好ましい。
光ファイバ10のガラス径を細くする工程は、段階的に実施する方法は特に限定されない。各層の樹脂入れ後、ガラス径を製品の仕上がり径に調整する過程では、ガラス径を樹脂入れ時の太いガラス径から仕上がり径まで細くするが、このとき、ガラス径を2段階以上かけて徐々に細くすることが好ましい。
3層以上の被覆構造を有する光ファイバを製造する場合も、上述の技術的思想に基づき、樹脂入れを行うことができる。例えば3層構造の場合、樹脂入れは、最初に3層目樹脂、次に2層目樹脂、最後に1層目樹脂と、製品において外側に設けられる被覆の樹脂入れを先に行うことが好ましい。樹脂塗布装置のダイス孔は、製品における各層の被覆径に合わせて(被覆径より若干大きく)形成されているので、樹脂入れ時のガラス径は、紡糸された光ファイバが各ダイス孔を通過できる範囲で設定することができる。
例えば、3層構造の光ファイバの製造準備に際して、3層目樹脂の樹脂入れを実施した後、2層目樹脂の樹脂入れを実施した段階で、3層目樹脂の下に2層目樹脂が介在するようになるので、そこでガラス径を細くすることができる。さらに、1層目樹脂の樹脂入れを実施した段階で、2層目樹脂の下に1層目樹脂が介在するようになるので、そこでさらにガラス径を細くすることができる。このように、ガラス径を細くする工程は、樹脂入れにより樹脂被覆の層数が増加するごとに設けることができる。例えば、3層以上の被覆構造を設ける場合、2回目以降の樹脂入れ後にガラス径を細くしてもよい。
本実施形態において、製造工程より前に引き取られる光ファイバは、各層の径が仕上がり径とは異なり、製品としては使用されない。このため、製品とならない部分は、巻き取り機において製造工程とは異なるボビンに巻き取る等して、製品から分別することが好ましい。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
加熱炉から紡糸で引き出された光ファイバの搬送方向は、少なくとも樹脂を塗布する段階で(光ファイバがダイスに入線する際)、垂直の下方向であることが好ましい。光ファイバを冷却する段階、樹脂を硬化させる段階など、上記以外の段階では、水平方向など、光ファイバの搬送方向が、下方向以外の方向であってもよい。
光ファイバを構成するガラス材料は特に限定されず、石英系ガラス、多成分ガラス等が挙げられる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
ガラス径が125μm、一次被覆径が200μm、二次被覆径が250μmとなるように、樹脂塗布装置のダイス類を選定し、本発明の手法を適用して樹脂入れした。上記した被覆径を実現しようとした際のダイス孔径は、例えば一次被覆用ダイス孔径が230μm、二次被覆用ダイス孔径が280μmである。紡糸条件は表1に記載の条件とする。もちろん被覆径は、ファイバがダイスに入線する温度、各樹脂の特性、ダイス形状など、表に纏めた条件以外にも複数の要因が複合的に影響するものであることを補足して言及しておく。
[表1]紡糸条件
光ファイバ線速:10m/min
一次被覆樹脂名称:樹脂A(信越石英製 熱硬化シリコーン樹脂)
二次被覆樹脂名称:樹脂B(信越石英製 熱硬化シリコーン樹脂)
一次被覆樹脂圧力:4.9N/cm{0.5kgf/cm
二次被覆樹脂圧力:9.8N/cm{1.0kgf/cm
一次被覆架橋条件:350℃
二次被覆架橋条件:400℃
ガラス素線をある程度まで細くし、樹脂塗布装置(ポット)や樹脂硬化装置(架橋筒)などを通過させる線通し工程の後、光ファイバ製造装置(紡糸機)の下方側に位置するポットから順次樹脂を塗布していく。つまり二次被覆樹脂、一次被覆樹脂の順にポットに樹脂を供給する。二次被覆樹脂の樹脂入れの前に、光ファイバのガラス径を最終的な径(ここでは125μm)よりも太くしておく。例えばガラス径190μmである。
ガラス径190μmの光ファイバに対して二次被覆樹脂を塗布すると、二次被覆径240μm程度で塗布される。このときの膜厚は25μmである。予備的に確認しておいた図5の実験結果より、二次被覆樹脂Bは、ガラス径190μmに対して膜厚25μmでは顕著な長手変動なく塗布・硬化することができることが判っている。このことから、強度不良の無い状態で光ファイバ素線を引き取ることができる。
次いでガラス径をそのままで一次被覆樹脂Aを塗布する。各樹脂の被覆径は、それぞれ一次被覆径220μm、二次被覆径260μmと推定される。一次被覆樹脂は最終的な外径(125μm)でも安定して塗布・硬化されるべき樹脂なので、ガラス径190μmに対しても安定して塗布・硬化される。この時の二次被覆径は260μmであり、一次被覆樹脂が塗布された分、二次被覆樹脂の樹脂入れ時よりも膜厚は薄くなる。
最後に、ガラス径を125μmに調整することで、一次被覆径は200μm、二次被覆径は250μmとなる。以上の手順から最終的な仕上がり径(125/200/250)の光ファイバ素線を、樹脂入れ途中の樹脂の長手変形が生じることなく塗布・硬化することができる。
10…光ファイバ、11…一次被覆、12…二次被覆、13…製品の光ファイバ、20…光ファイバの製造装置、21…加熱炉、22…外径測定器、23…冷却装置、24…樹脂塗布装置、25…外径測定器、26…樹脂硬化装置、27…冷却装置、28…樹脂塗布装置、29…樹脂硬化装置、30…ターンプーリー、31…引き取り機、32…ダンサ、33…巻き取り機。

Claims (4)

  1. 光ファイバ母材を加熱して光ファイバに紡糸すると共に前記光ファイバを垂直の下方向に搬送しながら前記光ファイバに複数の樹脂被覆を施す光ファイバの製造方法であって、
    前記光ファイバの製造工程に先立ち、前記光ファイバに前記複数の樹脂被覆のうち少なくとも一つの樹脂被覆を施すことなく、前記光ファイバを紡糸する製造準備工程を有し、
    前記製造準備工程において、前記製造工程よりもガラス径が太い光ファイバを紡糸して、前記ガラス径が太い光ファイバに少なくとも一つの樹脂被覆を施し、
    前記ガラス径が太い光ファイバに少なくとも一つの樹脂被覆を施した後に、前記樹脂被覆が施される光ファイバのガラス径を細くする工程が、段階的に行われる
    ことを特徴とするファイバの製造方法。
  2. 前記ガラス径が太い光ファイバに少なくとも一つの樹脂被覆を施した後に、前記樹脂被覆が施される光ファイバのガラス径を細くする工程が、前記光ファイバに施される樹脂被覆の層数が増加するごとに設けられることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 前記ガラス径が太い光ファイバは、前記樹脂被覆が安定した膜厚で塗布及び硬化できる膜厚になるように、予め確認されたガラス径を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバの製造方法。
  4. 前記光ファイバに塗布する樹脂が熱硬化型の樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
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