JP6126793B2 - バイアス帯電ローラーのための保護コーティング - Google Patents

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Description

電子写真式印刷装置において、従来の帯電工程は、金属線に高電圧を印加してコロナを発生させ、次いで、これを使用して電子写真式感光体を帯電させることを含んでいてもよい。しかし、コロナとともに、オゾンやNOのような望ましくないコロナ放電生成物が生成する。このようなコロナ放電生成物は、感光体表面に悪影響を及ぼすことがあり、これにより、画像のぼやけまたは色あせのような画質の悪化、または、複写紙に黒い筋ができることがあり、例えば、比較的大量のオゾンが放出された場合、人に有害な場合もある。
コロナ帯電に代わるものとして、直接的な帯電があり、接触型帯電デバイスが用いられる。接触型帯電デバイスは、静電帯電体、例えば、バイアス帯電体を備えていてもよく、静電帯電体に電圧が供給され、感光体と接触したときに感光体を帯電させる。この場合、バイアス帯電体は、望ましい範囲内の表面抵抗率をもつ外側層が必要である。抵抗率が不十分な(低すぎる)材料だと、短絡を起こしたり、および/または感光体に対し受け入れられないほど高い電流が流れたりしてしまうことになる。抵抗率が過剰な(大きすぎる)材料だと、帯電させるのに異常に高い電圧が必要となることになる。抵抗率が望ましい範囲の外にある場合には、接触ニップでの不適合、トナー剥離性の悪化、感光体から漏れることによる帯電中の汚染物質発生を含む他の問題も生じることがある。これらの悪影響によって、接触体の長さ方向に不均一な抵抗率をもつ静電帯電体が得られるか、または、温度、相対湿度、作動時間および/または汚染物質のような変数に影響を受けやすい抵抗率をもつ静電帯電体が得られることがある。
感光体と直接接触するため、接触型帯電デバイスは、応力および機械的な変性が大きくなりやすく、典型的には、例えば、静電帯電体表面に引っかき傷、筋、摩耗、ピンホール状の変形のような表面の欠陥を生じる。静電帯電体表面の欠陥は、最終製品において、例えば、暗い筋発生および/または白/黒点のような望ましくない印刷欠陥に写し取られてしまうことがある。これらの欠陥によって静電帯電体の耐用寿命が短くなり、最終的には、電子写真式印刷装置の耐用寿命が短くなる。
種々の実施形態によれば、導電性基材と、導電性基材の上に配置され、エラストマー材料および半導体材料を含むベース層と、ベース層の上に配置され、ポリマー樹脂および複数の導電性粒子を含む保護外側層とを備え、外側保護層の表面抵抗率が約10Ω/sq〜約1013Ω/sqである静電帯電体が提供される。
種々の実施形態によれば、導電性基材を提供することと、導電性基材の上にベース層を作成することと、ベース層の上に、ポリマー樹脂および複数の導電性粒子を含む保護外側層を作成することとを含み、外側保護層の表面抵抗率が約10Ω/sq〜約1013Ω/sqである、静電帯電体を製造する方法が提供される。
図1は、本教示の種々の実施形態による例示的な印刷装置を概略的に示す図である。 図2は、本教示の種々の実施形態による例示的な帯電ステーションの断面を概略的に示す図である。 図3は、本教示の開示されている実施形態が存在しない静電帯電体からの印刷出力結果をスキャンした画像を示す図である。
図1は、例示的な印刷装置100を概略的に示す。例示的な印刷装置100は、ゼログラフィー式プリンタであってもよく、電子写真式光受容体172と、電子写真式光受容体172を均一に帯電させるための帯電ステーション174と、を備えていてもよい。帯電ステーション174は、図2に示されるようなロール(円筒)形状またはベルト形状(図示せず)またはシート形状(図示せず)の静電帯電体を備えていてもよい。電子写真式光受容体172は、図1に示されるようなドラム光受容体またはベルト光受容体(図示せず)であってもよい。例示的な印刷装置100は、画像形成ステーション176を備えていてもよく、この画像形成ステーションで、電子写真式光受容体172の上に潜像を作成するために、元々の書類(図示せず)に光源(図示せず)をあててもよい。例示的な印刷装置100は、そのほかに、電子写真式光受容体172の上にある潜像を可視化された画像に変換するための現像サブステーション178と、可視化された画像を媒体120の上に転写するための転写サブシステム179とを備えていてもよい。また、印刷装置100は、媒体120の上に可視化された画像を固定するためのフューザーサブシステム101を備えていてもよい。フューザーサブシステム101は、フューザー部材110、加圧部材112、給油サブシステム(図示せず)、クリーニングウェブ(図示せず)の1つ以上を備えていてもよい。
図2は、本教示の種々の実施形態にかかる例示的な帯電ステーション200の断面を概略的に示す。帯電ステーション200は、高電圧電源260に接続した例示的な静電帯電体210を備えていてもよい。バイアス帯電ローラー210は、光受容体172を均一に帯電させるように、光受容体172と接触させることができる。
静電帯電体210は、限定されないが、ロール、ドラム、ベルトなどを含む任意の適切な形態をなしていてもよい。ある態様では、静電帯電体210は、ロール、例えば、バイアス帯電ローラー(BCR)であってもよい。静電帯電体210は、導電性基材(コア)220を備えていてもよい。導電性基材220は、直径が、例えば、約1mm〜約50mmであってもよいが、所望な場合、これより大きな直径または小さな直径を用いてもよい。導電性基材220は、任意の適切な耐久性材料、例えば、金属(例えば、アルミニウム、鋼鉄など)または導電性ポリマー、または銅、ニッケルなどのような金属の表面コーティングを含む絶縁性ポリマーから作られていてもよい。
静電帯電体210は、導電性コア220の上に配置された保護外側層240を備えていてもよい。場合により、ベース層230は、図1に示されるように、導電性コア220と保護外側層240との間に配置されていてもよい。1つの層として示されているが、ベース層230がなくてもよく、または複数のベース層があってもよい。ベース層が備わっている場合、ベース層230は、以下に記載されるように、任意のエラストマー材料および半導体材料を含んでいてもよい。非限定的な実施形態では、エラストマー材料としては、イソプレン、クロロプレン、エピクロロヒドリン、ブチルエラストマー、ポリウレタン、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマー、スチレン−ブタジエンエラストマー、ブタジエンエラストマー、ニトリルエラストマー、エチレンプロピレンエラストマー、エピクロロヒドリン−エチレンオキシドコポリマー、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテルコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)エラストマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー(NBR)、天然ゴムなど、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。ある態様では、エラストマー材料は、ポリウレタン、シリコーンエラストマー、EPDM、NBR、エピクロロヒドリン−エチレンオキシドコポリマー、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテルコポリマーなど、およびこれらの組み合わせであってもよい。
エラストマー材料とともに、任意の半導体材料が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、半導体材料としては、カーボンブラック、熱分解炭素、グラファイト、金属酸化物、ドープされた金属酸化物、金属アロイ、導電性ポリマー、テトラエチルアンモニウムおよび/またはラウリルトリメチルアンモニウムの塩素酸塩または過塩素酸塩、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩など、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されない。
ベース層230は、当該技術分野で既知の任意の適切な様式にしたがって作られてもよい。例えば、タンブラー、V−ブレンダーなどにあらかじめ全ての成分をブレンドしておき、押出機を用いることによって、得られた混合物を均一に溶融ブレンドする一般的な混合方法を使用してもよい。当技術分野で既知の任意の適切な様式にしたがって、押出成型された溶融混合物で、導電性コア220をコーティングしてもよい。場合により、ベース層230を、接着剤を用いて導電性コア220に接着してもよい。
ベース層230中のエラストマー材料の量は、ベース層の合計重量に対し、約70〜約99重量%、例えば、約75〜約90重量%、または約80〜約85重量%の範囲であってもよい。ベース層230中の半導体材料の量は、ベース層の合計重量に対し、約1〜約30重量%、例えば、約10〜約25重量%、例えば、約15〜約20重量%の範囲であってもよい。ベース層230は、厚みが約10mm〜約20cm、例えば、約50mm〜約3cmであってもよい。
保護外側層240は、導電性コア220またはベース層230の上に配置されていてもよい。保護外側層240は、ポリマー樹脂と導電性粒子とを含んでいてもよく、ポリマー樹脂は、熱可塑性であっても熱硬化性であってもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー樹脂としては、限定されないが、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノプラスト樹脂、共役ジエンモノマー、ビニル芳香族モノマーおよび/またはエチレン系不飽和ニトリルモノマーから誘導されるコポリマーなど、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
ある態様では、共役ジエンモノマー、ビニル芳香族モノマーおよび/またはエチレン系不飽和ニトリルモノマーから誘導されるコポリマーとしては、スチレン−ブタジエン(SB)コポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン(NBR)コポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ターポリマーなど、およびこれらの組み合わせが挙げられる。特定の態様では、ポリマー樹脂は、熱可塑性アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ターポリマーであってもよい。このABSターポリマーに、アクリロニトリルが約15〜約35重量%含まれていてもよい。ブタジエンは、ABSターポリマーの約5〜約30重量%含まれていてもよい。スチレンは、ABSターポリマーの約40〜約60重量%含まれていてもよい。市販のABSコポリマーの例としては、例えば、Chemtura Corp.(Middlebury,CT)Blendex(登録商標)200が挙げられる。
熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂として、種々のポリウレタンを適切に本発明に使用することができる。いくつかの実施形態では、適切なポリウレタンは、ポリアクリレートおよびポリイソシアネートから誘導されてもよい。例えば、適切なポリウレタンとしては、限定されないが、ポリアスパラギン酸エステルとイソシアネートの反応生成物(「2Kウレタン」)、ヒドロキシ官能性ポリアクリレートとイソシアネートの反応生成物など、およびこれらの組み合わせが挙げられる。市販のポリアクリレートの例としては、Desmophen(登録商標)NH 1120およびDesmophen(登録商標)A 450 BA(Bayer Material Science AG(Leverkusen,Germany))が挙げられる。市販のイソシアネートの例としては、Desmodur(登録商標)BL 3175A(Bayer Material Science AG(Leverkusen,Germany))が挙げられる。
種々のポリエステルを熱可塑性樹脂として本発明に適切に使用することができる。いくつかの実施形態では、適切なポリエステルとしては、熱可塑性ポリカプロラクトンが挙げられる。ある態様では、熱可塑性ポリカプロラクトンは、重量平均分子量が約10,000〜約80,000、例えば、約20,000〜約50,000、例えば、約25,000〜約45,000の範囲内であってもよい。市販の熱可塑性ポリカプロラクトンの例としては、Capa(登録商標)6250およびCapa(登録商標)6100(Perstorp AB(Perstorp、Sweden)、Perstorp USA(Toledo,Ohio)が販売)が挙げられる。
種々のフェノール樹脂を熱硬化性樹脂として本発明で使用することができる。本明細書で使用する場合、「フェノール樹脂」は、酸性触媒または塩基性触媒存在下、アルデヒドとフェノール源との縮合生成物を指す。
フェノール源は、例えば、フェノール、アルキル置換されたフェノール、例えば、クレゾールおよびキシレノール、ハロゲン置換されたフェノール、例えば、クロロフェノール、多価フェノール、例えば、レゾルシノールまたはピロカテコール、多環フェノール、例えば、ナフトールおよびビスフェノールA、アリール置換されたフェノール、シクロアルキル置換されたフェノール、アリールオキシ置換されたフェノールなど、およびこれらの組み合わせであってもよい。種々の態様では、フェノール源は、フェノール、2,6−キシレノール、o−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3,4−トリメチルフェノール、3−エチルフェノール、3,5−ジエチルフェノール、p−ブチルフェノール、3,5−ジブチルフェノール、p−アミルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−オクチルフェノール、3,5−ジシクロヘキシルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クロチルフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、p−エトキシフェノール、p−ブトキシフェノール、3−メチル−4−メトキシフェノール、p−フェノキシフェノール、複数環のフェノール、例えば、ビスフェノールA、およびこれらの組み合わせであってもよい。
フェノール樹脂を作成するときに使用するアルデヒドは、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、パラアルデヒド、グリオキサール、フルフルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、およびこれらの組み合わせであってもよい。種々の態様では、アルデヒドは、ホルムアルデヒドであってもよい。
フェノール樹脂の非限定的な例としては、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、およびこれらの組み合わせが挙げられる。フェノール樹脂の他の非限定的な例としては、アルコール可溶性のレゾール型フェノール樹脂、例えば、PHENOLOTE(登録商標)J−325(DIC Corp.(東京、日本))、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、クレゾールを含むホルムアルデヒドポリマー、例えば、VARCUM(商標)29159および29101(OxyChem Co.)およびDURITE(登録商標)97(Borden Chemical)、またはアンモニア、クレゾール、フェノールを含むホルムアルデヒドポリマー、例えば、VARCUM(登録商標)29112(OxyChem Co.)、または、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノールを含むホルムアルデヒドポリマー、例えば、VARCUM(登録商標)29108および29116(OxyChem Co.)、または、クレゾールおよびフェノールを含むホルムアルデヒドポリマー、例えば、VARCUM(商標)29457(OxyChem Co.)、DURITE(登録商標)SD−423A、SD−422A(Borden Chemical)、または、フェノールおよびp−tert−ブチルフェノールを含むホルムアルデヒドポリマー、例えば、DURITE(登録商標)ESD 556C(Border Chemical)が挙げられる。
いくつかの態様では、フェノール樹脂をそのまま使用してもよく、改質して使用してもよい。例えば、フェノール樹脂を、例えば、限定されないが、ポリビニルブチラール、ナイロン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、ポリビニルホルマール、アルキド、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂(ビスフェノールA、エピクロロヒドリンポリマーなど)、ポリアミド、ポリアクリレート、油類など、およびこれらの組み合わせを含む適切な可塑剤を用いて改質してもよい。種々の改質剤は、限定されないが、DESMOPHEN(登録商標)、DESMODUR(登録商標)、BUTVAR(登録商標)、ELVAMIDE(登録商標)、DORESCO(登録商標)、SILCLEAN(登録商標)およびPARALOID(登録商標)を含む種々の商品名で知られている。
本明細書で使用する場合、「アミノプラスト樹脂」は、窒素を含有する基質とホルムアルデヒドから作られるアミノ樹脂を指し、窒素を含有する基質としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリルが挙げられる。アミノプラスト樹脂は、高度にアルキル化されていてもよく、部分的にアルキル化されていてもよい。いくつかの態様では、アミノプラスト樹脂をそのまま使用してもよく、改質して使用してもよい。例えば、アミノプラスト樹脂を、例えば、限定されないが、ポリビニルブチラール、ナイロン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、ポリビニルホルマール、アルキド、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂(ビスフェノールA、エピクロロヒドリンポリマーなど)、ポリアミド、ポリアクリレート、油類など、およびこれらの組み合わせを含む適切な可塑剤を用いて改質してもよい。種々の改質剤は、限定されないが、DESMOPHEN(登録商標)、DESMODUR(登録商標)、BUTVAR(登録商標)、ELVAMIDE(登録商標)、DORESCO(登録商標)、SILCLEAN(登録商標)およびPARALOID(登録商標)を含む種々の商品名で知られている。
メラミンを使用する場合、得られる樹脂は、「メラミン」樹脂としても知られている。メラミン樹脂は、限定されないが、CYMEL(登録商標)、BEETLE(登録商標)、DYNOMIN(登録商標)、BECKAMINE(登録商標)、UFR(登録商標)、BAKELITE(登録商標)、ISOMIN(登録商標)、MELAICAR(登録商標)、MELBRITE(登録商標)、MELMEX(登録商標)、MELOPAS(登録商標)、RESART(登録商標)およびULTRAPAS(登録商標)を含む種々の商品名で知られている。
いくつかの態様では、メラミン樹脂は、以下の一般式を有していてもよく、
式中、R、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子をあらわすか、または、炭素原子が1〜8個、または1〜4個のアルキル鎖をあらわす。
メラミン樹脂は、水溶性、分散性または非分散性であってもよい。種々の態様では、メラミン樹脂は、高度にアルキル化/アルコキシル化されていてもよく、部分的にアルキル化/アルコキシル化されていてもよく、または、複数のアルキル化/アルコキシル化状態が混ざっていてもよい。種々の態様では、メラミン樹脂は、メチル化、n−ブチル化、またはイソブチル化されていてもよい。他の態様では、メラミン樹脂は、メチロール含有量が低く、イミノ含有量が高くてもよい。いくつかの実施形態では、メラミン樹脂は、主な官能基としてメトキシメチルおよびイミノを含む性質をもつオリゴマーとして記述することができる。メラミン樹脂の非限定的な例として、メチル化されたイミノ量の多いメラミン樹脂(部分的にメチロール化されており、高度にアルキル化されているもの)、例えば、CYMEL(登録商標)323、325、327、328、385、高度にメチル化されたメラミン樹脂、例えば、CYMEL(登録商標)350、9370、部分的にメチル化されたメラミン樹脂(高度にメチロール化されており、部分的にメチル化されているもの)、例えば、CYMEL(登録商標)373、370、固形分が多い混合エーテルメラミン樹脂、例えば、CYMEL(登録商標)1130、324、n−ブチル化メラミン樹脂、例えば、CYMEL (商標)1151、615、n−ブチル化されたイミノ量の多いメラミン樹脂、例えば、CYMEL(登録商標)1158、イソブチル化メラミン樹脂、例えば、CYMEL(登録商標)255−10が挙げられる。CYMEL(登録商標)メラミン樹脂は、Cytec Industries Inc.(Woodland Park,NJ)から市販されている。
いくつかの態様では、メラミン樹脂は、メチル化ホルムアルデヒド−メラミン樹脂、メトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂、ブトキシメチル化メラミン樹脂、ヘキサメチロールメラミン樹脂、アルコキシアルキル化メラミン樹脂、例えば、メトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂、ブトキシメチル化メラミン樹脂、およびこれらの混合物から選択されてもよい。
尿素を使用する場合、得られる樹脂は、「尿素樹脂」としても知られる。尿素樹脂は、CYMEL(登録商標)、BEETLE(登録商標)、DYNOMIN(登録商標)、BECKAMINE(登録商標)およびAMIREME(登録商標)を含む種々の商品名で知られているが、これに限定されない。
いくつかの態様では、尿素樹脂は、以下の一般式を有していてもよく、
式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子をあらわすか、または、炭素原子が1〜8個、または1〜4個のアルキル鎖をあらわす。
いくつかの態様では、尿素樹脂は、水溶性、分散性または非分散性であってもよい。種々の態様では、尿素樹脂は、高度にアルキル化/アルコキシル化されていてもよく、部分的にアルキル化/アルコキシル化されていてもよく、または、複数のアルキル化/アルコキシル化状態が混ざっていてもよい。種々の態様では、尿素樹脂は、メチル化、n−ブチル化、またはイソブチル化されていてもよい。尿素樹脂の非限定的な例としては、メチル化尿素樹脂、例えば、CYMEL(登録商標)U−65、U−382、n−ブチル化尿素樹脂、例えば、CYMEL(登録商標)U−1054、UB−30−B、イソブチル化尿素樹脂、例えば、CYMEL(登録商標)U−662、UI−19−Iが挙げられる。CYMEL(登録商標)尿素樹脂は、Cytec Industries Inc.(Woodland Park,NJ)から市販されている。
ベンゾグアナミンを使用する場合、得られる樹脂は、「ベンゾグアナミン樹脂」としても知られる。ベンゾグアナミン樹脂は、CYMEL(登録商標)、BEETLE(登録商標)、UFORMITE(登録商標)を含む種々の商品名で知られているが、これに限定されない。
いくつかの態様では、ベンゾグアナミン樹脂は、以下の一般式を有していてもよく、
式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子をあらわすか、または、炭素原子が1〜8個、または1〜4個のアルキル鎖をあらわす。
ベンゾグアナミン樹脂は、水溶性、分散性または非分散性であってもよい。種々の態様では、ベンゾグアナミン樹脂は、高度にアルキル化/アルコキシル化されていてもよく、部分的にアルキル化/アルコキシル化されていてもよく、または、複数のアルキル化/アルコキシル化状態が混ざっていてもよい。種々の態様では、ベンゾグアナミン樹脂は、メチル化、n−ブチル化、またはイソブチル化されていてもよい。ベンゾグアナミン樹脂の非限定的な例としては、CYMEL(商標)659、5010、5011が挙げられる。CYMEL(登録商標)ベンゾグアナミン樹脂は、Cytec Industries Inc.(Woodland Park,NJ)から市販されている。
グリコウラシルを使用する場合、得られる樹脂は、「グリコールウリル樹脂」としても知られる。グリコールウリル樹脂は、CYMEL(登録商標)およびPOWDERLINK(登録商標)を含む商品名で知られているが、これに限定されない。
いくつかの態様では、グリコールウリル樹脂は、以下の一般式を有していてもよく、
式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子をあらわすか、または、炭素原子が1〜8個、または1〜4個のアルキル鎖をあらわす。
グリコールウリル樹脂は、水溶性、分散性または非分散性であってもよい。種々の態様では、グリコールウリル樹脂は、高度にアルキル化/アルコキシル化されていてもよく、部分的にアルキル化/アルコキシル化されていてもよく、または、複数のアルキル化/アルコキシル化状態が混ざっていてもよい。種々の態様では、グリコールウリル樹脂は、メチル化、n−ブチル化、またはイソブチル化されていてもよい。グリコールウリル樹脂の非限定的な例としては、CYMEL(登録商標)1170、1171が挙げられる。CYMEL(登録商標)グリコールウリル樹脂は、Cytec Industries Inc.(Woodland Park,NJ)から市販されている。
保護外側層240は、ポリマー樹脂とともに導電性粒子をさらに含んでいてもよい。導電性粒子は、ベース層230の半導体材料と同じであってもよく、異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、導電性粒子としては、カーボンブラック、熱分解炭素、グラファイト、金属酸化物、ドープされた金属酸化物、金属アロイ、導電性ポリマー、テトラエチルアンモニウムおよび/またはラウリルトリメチルアンモニウムの塩素酸塩または過塩素酸塩、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩など、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されない。ある態様では、導電性粒子は、カーボンブラック、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、金属酸化物、例えば、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタンなど、ドープされた金属酸化物、例えば、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、アンチモンがドープされた酸化チタン、鉄がドープされた酸化チタンなど、ポリアニリン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリエチレングリコール(PEDOT−PEG)ブロックコポリマー、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT−PSS)ポリマーなど、およびこれらの組み合わせであってもよい。本発明で使用するのに適した市販の半導体材料の例としては、限定されないが、VULCAN(登録商標)XC72カーボンブラック、EVONIK(登録商標)FW−1カーボンブラックおよびPANIPOL(登録商標)Fポリアニリンが挙げられる。
保護外側層240中のポリマー樹脂の量は、保護外側層の合計重量に対し、約40〜約99重量%、例えば、約50〜約90重量%、または約60〜約85重量%の範囲であってもよい。保護外側層240中の導電性粒子の量は、ベース層の合計重量に対し、約1〜約60重量%、例えば、約10〜約50重量%、例えば、約15〜約40重量%の範囲であってもよい。保護外側層240は、厚みが約1μm〜約100μm、例えば、約3μm〜約40μm、または約4μm〜約20μmであってもよい。
導電性コア220またはベース層230の上に配置されている保護外側層240を備える開示されている例示的な静電帯電体200は、保護外側層240を含まない従来のBCR部材と比較して、適切な帯電抵抗率での機械特性が優れていると考えられる。いくつかの実施形態では、保護外側層240は、表面導電率が約10Ω/sq〜約1013Ω/sq、例えば、約10Ω/sq〜約1010Ω/sq、例えば、約10Ω/sq〜約10Ω/sqであってもよい。理論によって束縛されないが、保護外側層は、最適なBCR性能に必要な抵抗率および電荷の均一性を保持しつつ、機械強度が優れていると考えられる。抵抗率が不十分な(低すぎる)静電帯電体だと、短絡を起こしたり、および/または感光体に対し受け入れられないほど高い電流が流れたりしてしまうことになる。抵抗率が過剰な(大きすぎる)静電帯電体だと、帯電させるのに異常に高い電圧が必要となることになる。さらに、抵抗率が望ましい範囲の外にある場合には、接触ニップ(すなわち、BCRが感光体と出会う接触領域)での不適合、トナー剥離性の悪化、感光体から漏れることによる帯電中の汚染物質発生を含む他の問題も生じることがある。これらの悪影響によって、接触体の長さ方向に不均一な抵抗率をもつ静電帯電体が得られるか、または、温度、相対湿度、作動時間および/または汚染物質のような変数に影響を受けやすい抵抗率をもつ静電帯電体が得られることがあり、すべて問題となる。開示されている保護外側層240を備えるBCRは、これらの悪影響の多くまたは全てを避けることができる。
保護外側層240は、エラストマー材料および導電性粒子を含む分散物から調製することができる。この分散物は、当該技術分野で既知の任意の方法によって、例えば、適切な時間(例えば、数日間)にわたって粉砕(例えば、ボールミルによる粉砕)によって作成することができる。この分散物を濾過し、例えば、浸漬コーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、リングコーティング、ダイキャスト成型、回転噴霧などの当該技術分野で既知の任意の適切な様式にしたがって、導電性コア220またはベース層230をコーティングし、約25℃〜約200℃、または約100℃〜約160℃の温度で約20〜約120分間、または約30〜約60分間硬化させ、保護外側層240を作成してもよい。保護外側層は、厚みが約1μm〜約100μm、または約2μm〜約50μm、例えば、約3μm〜約20μmであってもよい。
種々の実施形態によれば、静電帯電体210を製造する例示的な方法が存在する。この方法は、導電性基材を提供する工程と、導電性基材の上にベース層を作成する工程と、ベース層の上に保護外側層を作成する工程とを含んでいてもよい。種々の実施形態では、静電帯電体は、例えば、ロール(円筒)、ベルトまたはシートのような任意の適切な形状の基材を含んでいてもよい。ベース層は、エラストマー材料と半導体材料とを含んでいてもよい。保護外側層は、ポリマー樹脂と導電性粒子とを含んでいてもよい。種々の実施形態では、保護外側層を作成する工程は、ポリマー樹脂および導電性粒子を溶融ブレンドして混合物を作成することと、導電性コア220またはベース層230の上に混合物を溶融押出成形することとを含んでいてもよい。しかし、任意の適切な他の溶融ブレンド法および溶融押出成型法を用いてもよい。
溶媒または溶媒混合物に溶解したポリマー樹脂と、導電性粒子とを数時間かけてボールミルで粉砕することによって分散物を調製した。ポリマー樹脂および導電性粒子の種類および量は、表1に示すとおりである。粉砕した後、分散物を20μmフィルタで濾過し、ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに対し、薄くコーティングした。コーティングされたPETシートの表面抵抗率は、表1に示されるように、Hiresta UP Resistivity Meterを用いて決定された。次いで、この分散物を、Tsukiageコーターを用いてImari(商標)BCRに対してコーティングし、表1に示されるような厚みを得て、150℃で40分間硬化させた。
表2に示されるように、コーティングされたBCRは、それぞれ優れた帯電均一性を示した。コーティングされていないBCR(コントロール)から観察された平均帯電に対し、本発明の実施例は、それぞれ、匹敵する帯電能を示した。本発明の実施例を用いた場合、いずれも顕著な変動は観察されず、トルクに関連する問題もなんら観察されなかった。
応力試験について、本発明のそれぞれのBCRを、Hodaka固定具を用い、5000サイクルで摩耗させた。次いで、Pinehurst機またはImperia機のいずれかに応力試験するBCRを取り付けることによって印刷物を得た。本発明のBCRは、すべて、暗い筋形成が起こらないようにすることができ、暗い筋の形成は、応力試験後のコーティングされていないBCRを用いた印刷の場合のみ観察された。

Claims (6)

  1. 導電性基材と、
    前記導電性基材の上に配置され、エラストマー材料および半導体材料を含むベース層と、
    前記ベース層の上に配置され、ポリマー樹脂および複数の導電性粒子を含む保護外側層と、
    を備え、
    前記保護外側層の表面抵抗率が約105Ω/sq〜約1013Ω/sqであり、
    前記ポリマー樹脂が、ポリ尿素、熱可塑性ポリカプロラクトン、フェノール樹脂、アミノプラスト樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、
    前記導電性粒子には、少なくとも導電性ポリマーが含まれ、
    前記導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、PEDOT/PSSポリマー、PEDOT/PEGブロックコポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、静電帯電体。
  2. 前記複数の導電性粒子が、前記保護外側層の合計固形物含有量に対し、約10重量%〜約50重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の静電帯電体。
  3. 前記保護外側層は、約4μm〜約20μmの厚みを有する、請求項1又は2に記載の静電帯電体。
  4. 前記エラストマ―材料は、イソプレン、クロロプレン、エピクロロヒドリン、ブチルエラストマー、ポリウレタン、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマー、スチレン−ブタジエンエラストマー、ブタジエンエラストマー、ニトリルエラストマー、エチレンプロピレンエラストマー、エピクロロヒドリン−エチレンオキシドコポリマー、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテルコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンエラストマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、天然ゴム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電帯電体。
  5. 導電性基材を提供することと、
    前記導電性基材の上にベース層を作成することと、
    前記ベース層の上に、ポリマー樹脂および複数の導電性粒子を含む保護外側層を作成することと、
    を含み、
    前記保護外側層の表面抵抗率が約105Ω/sq〜約1013Ω/sqであり、
    前記ポリマー樹脂が、ポリ尿素、熱可塑性ポリカプロラクトン、フェノール樹脂、アミノプラスト樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、
    前記導電性粒子には、少なくとも導電性ポリマーが含まれ、
    前記導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、PEDOT/PSSポリマー、PEDOT/PEGブロックコポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、静電帯電体を製造する方法。
  6. 前記導電性基材の上に保護外側層を作成する工程が、
    前記ポリマー樹脂および前記複数の導電性粒子を含む分散物を提供することと、
    浸漬コーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、リングコーティング、ダイキャスト成型、回転噴霧によって、前記分散物で前記導電性基材をコーティングすることと、
    を含む、請求項5に記載の方法。
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