JP6123824B2 - 液圧装置 - Google Patents

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Description

本発明は、片ロッド形の液圧シリンダを備えた液圧装置に関するものである。
従来より、片ロッド形の液圧シリンダを備えた液圧装置が知られている。特許文献1及び特許文献2には、この種の液圧装置を備えた射出成形機が開示されている。これらの射出成形機において、液圧装置は、射出ユニットを金型に押しつける駆動するために用いられる。
一般に、射出成形機では、射出ユニットが金型に押しつけられた状態に保持され、その状態で射出ユニットが金型へ樹脂を射出する。そして、射出された樹脂が冷えて固まると、金型に対する射出ユニットの押しつけが解除され、成形品を取り出すために金型が開かれる。射出ユニットを駆動する液圧装置は、射出ユニットを金型に押しつけるために液圧シリンダの液室の圧力を上昇させる昇圧動作と、射出ユニットを金型に押しつけた状態に保つために液圧シリンダの液室の圧力を高圧に保つ圧力保持動作と、金型に対する射出ユニットの押しつけを解除するために液圧シリンダの液室の圧力を開放する脱圧動作とを行う。
特許文献1に開示された射出成形機の液圧装置において、液圧シリンダには、液圧ポンプが電磁切換弁を介して接続される。そして、この液圧装置は、電磁切換弁を操作することによって、昇圧動作と圧力保持動作と脱圧動作とを行う。
特開平10−175240号公報 特許第4699383号公報
特許文献1に開示された射出成形機の液圧装置は、液圧シリンダの液室を作動流体のタンクと連通させることによって脱圧動作を行う。タンクの内圧は、大気圧と実質的に等しい。このため、脱圧動作を行うために液圧シリンダの液室をタンクと連通させると、作動流体がタンクへ一気に流れ込み、タンク内の作動流体が泡立つおそれがある。タンク内の作動流体が泡立つと、ポンプや液圧シリンダへ送られる作動流体に気泡が混入し、エロージョンや潤滑不良によるポンプ等の損傷、キャビテーションによる騒音の発生等の様々な問題が生じる。
このような脱圧動作に起因する作動流体の泡立ちは、タンクの容積を充分に大きくすることによって回避可能である。しかし、そうするとタンクが大型化し、液圧装置全体の大型化を招く。
また、射出成形機としては、液圧装置を用いない電動式の射出成形機が主流であるが、最近は、射出ユニットを金型に押しつける機構にだけ液圧装置を用い、液圧装置と電動機を併用する射出成形機も現れてきている。この併用型の射出成形機では、比較的小さな液圧シリンダで大きな押付け力が得られる小型の液圧装置が用いられる。このような小型の液圧装置では、タンクも小型にする必要があるため、タンクの小型化と作動流体の泡立ちの抑制との両立が強く求められていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、片ロッド形の液圧シリンダを備えた液圧装置おいて、液圧装置の大型化を回避しつつ、作動流体の泡立ちを抑えて液圧装置の信頼性を確保することにある。
第1の発明は、液圧装置を対象とする。そして、片ロッド複動形の液圧シリンダ(30)と、上記液圧シリンダ(30)のヘッド側の液室(35)に接続されるヘッド側ポート(42)と上記液圧シリンダ(30)のロッド側の液室(34)に接続されるロッド側ポート(41)とを有する第1ポンプ機構(40)と、上記液圧シリンダ(30)のヘッド側の液室(35)に接続されるヘッド側ポート(47)と作動流体のタンク(51)に接続されるタンク側ポート(46)とを有する第2ポンプ機構(45)と、上記液圧シリンダ(30)のロッド側の液室(34)と上記第1ポンプ機構(40)の間に設けられ、上記ロッド側の液室(34)への作動流体の流入を許容し且つ上記ロッド側の液室(34)からの作動流体の流出を阻止する一方向流通状態と、上記ロッド側の液室(34)からの作動流体の流出を許容する流出許容状態とに切り換わる弁機構(52)とを備え、上記第1ポンプ機構(40)の吐出流量をQ1とし、上記第2ポンプ機構(45)の吐出流量をQ2とし、上記液圧シリンダ(30)のピストン(32)のヘッド側の受圧面積をAHとし、該ピストン(32)のロッド側の受圧面積をALとした場合に、Q1/Q2=AL/(AH−AL)となっているものである。
第1の発明の液圧装置(20)には、片ロッド複動形の液圧シリンダ(30)が設けられる。この液圧シリンダ(30)においてロッド(33)を引き込む場合は、第1ポンプ機構(40)と第2ポンプ機構(45)によって作動流体がヘッド側の液室(35)から吸引され、第1ポンプ機構(40)によって作動流体がロッド側の液室(34)へ供給される。このとき、第2ポンプ機構(45)は、タンク(51)へ向けて作動流体を吐出する。一方、この液圧シリンダ(30)においてロッド(33)を押し出す場合は、第1ポンプ機構(40)によって作動流体がロッド側の液室(34)から吸引され、第1ポンプ機構(40)と第2ポンプ機構(45)によって作動流体がヘッド側の液室(35)へ供給される。このとき、第2ポンプ機構(45)は、タンク(51)から作動流体を吸引する。
上述したように、液圧シリンダ(30)を駆動する際には、ロッド側の液室(34)とヘッド側の液室(35)の一方へ作動流体が流入し、他方から作動流体が流出する。“ロッド側の液室(34)へ流入出する作動流体の体積流量VL”の“ヘッド側の液室(35)へ流入出する作動流体の体積流量VH”に対する比(VL/VH)は、“ピストン(32)のロッド側の受圧面積AL”の“ピストン(32)のヘッド側の受圧面積AH”に対する比(AL/AH)と等しい(VL/VH=AL/AH)。
一方、第1の発明では、第1ポンプ機構(40)の吐出流量をQ1とし、第2ポンプ機構(45)の吐出流量をQ2とした場合に、Q1/Q2=AL/(AH−AL)という関係が成立する。このため、体積流量VLは第1ポンプ機構(40)の吐出流量Q1と等しくなり(VL=Q1)、体積流量VHは第1ポンプ機構(40)の吐出流量Q1と第2ポンプ機構(45)の吐出流量Q2の和と等しくなる(VH=Q1+Q2)。従って、この発明の液圧装置(20)では、第1ポンプ機構(40)及び第2ポンプ機構(45)を用いて液圧シリンダ(30)を往復作動させることが可能である。
第1の発明の液圧装置(20)では、液圧シリンダ(30)のロッド側の液室(34)と第1ポンプ機構(40)の間に、弁機構(52)が設けられる。弁機構(52)が一方向流通状態になっている場合、作動流体は、ロッド側の液室(34)へは流入できるが、ロッド側の液室(34)から流出できない。従って、弁機構(52)を一方向流通状態に設定すれば、第1ポンプ機構(40)と第2ポンプ機構(45)を停止させても、ロッド側の液室(34)の圧力を保持することが可能となる。
第1の発明の液圧装置(20)において、ロッド側の液室(34)を高圧に保った状態で弁機構(52)を一方向流通状態から流出許容状態に切り換える脱圧動作が行われると、ロッド側の液室(34)から作動流体が流出すると同時に、ヘッド側の液室(35)へ作動流体が流入する。この時にヘッド側の液室(35)へ流入する作動流体の量は、この時にロッド側の液室(34)から流出する作動流体の量よりも多い。このため、液圧装置(20)の脱圧動作では、第1ポンプ機構(40)と第2ポンプ機構(45)の両方からヘッド側の液室(35)へ向かって作動流体が流れることとなる。従って、この脱圧動作では、タンク(51)から第2ポンプ機構(45)へ向かって作動流体が流れることとなり、タンク(51)へ高圧の作動流体が流入することは無い。
また、第1の発明は、上記の構成に加えて、上記第1ポンプ機構と上記第2ポンプ機構のそれぞれは、少なくとも1つのポンプ(40,45)によって構成され、上記第1ポンプ機構を構成するポンプ(40)と、上記第2ポンプ機構を構成するポンプ(45)とは、互いに連結されてそれぞれの回転速度が一致するものである。
第1の発明では、第1ポンプ機構を構成するポンプ(40)と、第2ポンプ機構を構成するポンプ(45)とが、互いに連結される。このため、第1ポンプ機構を構成するポンプ(40)と、第2ポンプ機構を構成するポンプ(45)とは、それぞれの回転速度が常に一致する。
また、第1の発明は、上記の構成に加えて、上記第1ポンプ機構(40)及び上記第2ポンプ機構(45)を駆動する電動機(50)と、上記弁機構(52)と上記電動機(50)を制御する制御器(60)とを備え、上記制御器(60)は、上記弁機構(52)を上記一方向流通状態にして上記液圧シリンダ(30)のロッド側の液室(34)の圧力が所定値になるまで上記電動機(50)を作動させる第1動作と、上記弁機構(52)を上記一方向流通状態に保ったまま上記電動機(50)を停止させる第2動作と、上記電動機(50)を停止させた状態で上記弁機構(52)を上記一方向流通状態から上記流出許容状態に切り換える第3動作とを順に行うように構成されるものである。
第1の発明では、第1ポンプ機構(40)と第2ポンプ機構(45)が電動機(50)によって駆動される。また、制御器(60)は、第1動作と第2動作と第3動作とを順に行う。制御器(60)が第1動作を行うと、第1ポンプ機構(40)によって作動流体が液圧シリンダ(30)のロッド側の液室(34)へ供給され、ロッド側の液室(34)の圧力が上昇する。制御器(60)が第2動作を行うと、電動機(50)が停止した状態で、液圧シリンダ(30)のロッド側の液室(34)が高圧状態に保たれる。制御器(60)が第3動作を行うと、液圧シリンダ(30)のロッド側の液室(34)から作動流体が流出し、ロッド側の液室(34)の圧力が低下する。つまり、制御器(60)が第3動作を行うことによって、液圧装置(20)が脱圧動作を行う。
本発明の液圧装置(20)では、液圧シリンダ(30)のロッド側の液室(34)を高圧に保持した状態において弁機構(52)を一方向流通状態から流出許容状態に切り換える脱圧動作を行った際に、第1ポンプ機構(40)と第2ポンプ機構(45)の両方からヘッド側の液室(35)へ向かって作動流体が流れるため、タンク(51)へは作動流体が流入しない。このため、脱圧動作を行った際にタンク(51)へ作動流体が一気に流入することはなく、作動流体の急激な流入に起因する作動流体の泡立ちを抑制できる。従って、本願発明によれば、タンク(51)を大型化させずにタンク(51)内における作動流体の泡立ちを抑えることができ、液圧装置(20)の大型化を回避しつつ、液圧装置(20)の信頼性を確保できる。
図1は、液圧装置を備えた射出成形機の概略構成図である。 図2は、液圧装置が昇圧動作を行っている状態を示す射出成形機の概略構成図である。 図3は、液圧装置が脱圧動作を行っている状態を示す射出成形機の概略構成図である。 図4は、液圧装置の動作を示すタイミングチャートである。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
−射出成形機−
図1に示すように、本実施形態の射出成形機(10)は、射出ユニット(11)と、型締ユニット(13)と、液圧装置(20)とを備えている。射出ユニット(11)は、溶融した樹脂をノズル部(12)から射出するように構成されている。また、射出ユニット(11)は、後述する液圧装置(20)の液圧シリンダ(30)によって駆動されて往復動する。型締ユニット(13)は、金型(14)と、射出ユニット(11)のノズル部(12)が押し当てられる固定プラテン(15)とを備えている。また、図示しないが、型締ユニット(13)は、金型(14)を開閉するための機構を備えている。
〈射出成形機の動作〉
射出成形機(10)の動作を、図2と図3を参照しながら説明する。
図2に示すように、射出成形機(10)では、液圧装置(20)によって射出ユニット(11)が型締ユニット(13)に押しつけられ、射出ユニット(11)のノズル部(12)が型締ユニット(13)の固定プラテン(15)に密着する。このとき、液圧装置(20)は、後述する昇圧動作を行う。この状態で、射出ユニット(11)は、溶融した樹脂をノズル部(12)から金型(14)へ向かって射出する。
次に、射出成形機(10)は、金型(14)を冷却してキャビティ内の樹脂を固める工程を行う。その間、射出ユニット(11)は、ノズル部(12)が固定プラテン(15)に押しつけられた状態に保持される。このとき、液圧装置(20)は、後述する圧力保持動作を行う。
金型(14)のキャビティに充填された樹脂が固まると、図3に示すように、射出成形機(10)は、射出ユニット(11)の固定プラテン(15)に対する押付けを解除する。このとき、液圧装置(20)は、後述する脱圧動作を行う。そして、固定プラテン(15)に射出ユニット(11)からの押しつけ力が作用しない状態になると、射出成形機(10)では、成形された製品を金型(14)から取り出すために、型締ユニット(13)が金型(14)を開く。型締ユニット(13)が金型(14)を開く前に液圧装置(20)が脱圧動作を行うのは、開いた金型(14)に射出ユニット(11)の押しつけ力が作用して金型(14)が歪むのを防ぐためである。
−液圧装置−
液圧装置(20)は、液圧シリンダ(30)と、第1液圧ポンプ(40)と、第2液圧ポンプ(45)と、電動機(50)と、電磁切換弁(52)と、作動流体である作動油のタンク(51)と、制御器(60)とを備えている。また、液圧装置(20)には、圧力スイッチ(53)と、チェック弁(55,56)と、リリーフ弁(57,58)とが設けられている。
〈液圧シリンダ〉
液圧シリンダ(30)は、片ロッド複動形のシリンダである。この液圧シリンダ(30)は、シリンダ本体(31)と、ピストン(32)と、ロッド(33)とを備えている。シリンダ本体(31)は、両端が閉塞された円筒状に形成されている。棒状のロッド(33)は、シリンダ本体(31)と同軸に配置され、シリンダ本体(31)の一方の端部を貫通している。ピストン(32)は、ロッド(33)に連結されると共にシリンダ本体(31)に収容されている。このピストン(32)は、シリンダ本体(31)の内部空間を、ロッド(33)側に位置するロッド側液室(34)(ロッド側の液室)と、ピストン(32)を挟んでロッド(33)とは逆側に位置するヘッド側液室(35)(ヘッド側の液室)に仕切っている。
片ロッドシリンダである本実施形態の液圧シリンダ(30)では、ピストン(32)の片側だけにロッド(33)が設けられる。従って、この液圧シリンダ(30)では、“ピストン(32)のロッド側の受圧面積AL”が“ピストン(32)のヘッド側の受圧面積AH”よりも小さい(AL<AH)。ピストン(32)のロッド側の受圧面積ALは下記の式1で表され、ピストン(32)のヘッド側の受圧面積AHは下記の式2で表される。なお、DTはシリンダ本体(31)を構成するシリンダチューブの内径(直径)であり、DLはロッド(33)の外径(直径)である。
AL=π(DT/2)−π(DL/2) (式1)
AH=π(DT/2) (式2)
例えば、「JIS B 8367」に規定された「チューブ内径及びロッド径の基準寸法」のA系列(いわゆるAロッド)の場合は、AL≒0.5AHとなる。また、そのB系列(いわゆるBロッド)の場合は、AL≒0.7AHとなる。
〈液圧ポンプ〉
第1液圧ポンプ(40)と第2液圧ポンプ(45)は、共に可逆回転形のギヤポンプである。ただし、ギヤポンプ以外の容積形ポンプを、第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)として用いてもよい。
第1液圧ポンプ(40)は、ロッド側ポート(41)とヘッド側ポート(42)とを備え、第1ポンプ機構を構成している。第2液圧ポンプ(45)は、タンク側ポート(46)とヘッド側ポート(47)とを備え、第2ポンプ機構を構成している。第1液圧ポンプ(40)のロッド側ポート(41)は、ロッド側配管(25)とロッド側ホース(26)とを介して、液圧シリンダ(30)のロッド側液室(34)に接続されている。第1液圧ポンプ(40)のヘッド側ポート(42)と第2液圧ポンプ(45)のヘッド側ポート(47)とは、ヘッド側配管(27)とヘッド側ホース(28)とを介して、液圧シリンダ(30)のヘッド側液室(35)に接続されている。第2液圧ポンプ(45)のタンク側ポート(46)は、配管を介してタンク(51)に接続されている。
第1液圧ポンプ(40)と第2液圧ポンプ(45)は、それぞれの駆動軸が互いに連結されている。つまり、第1液圧ポンプ(40)と第2液圧ポンプ(45)は、いわゆる二連ギヤポンプを構成している。第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)の駆動軸には、電動機(50)が連結されている。第1液圧ポンプ(40)と第2液圧ポンプ(45)は、電動機(50)によって駆動され、同じ方向へ同じ回転速度で回転する。
第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)を順方向へ回転させると、第1液圧ポンプ(40)は作動油をヘッド側ポート(42)から吸入してロッド側ポート(41)へ吐出し、第2液圧ポンプ(45)は作動油をヘッド側ポート(47)から吸入してタンク側ポート(46)へ吐出する。一方、第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)を逆方向へ回転させると、第1液圧ポンプ(40)は作動油をロッド側ポート(41)から吸入してヘッド側ポート(42)へ吐出し、第2液圧ポンプ(45)は作動油をタンク側ポート(46)から吸入してヘッド側ポート(47)へ吐出する。
ここで、第1液圧ポンプ(40)の押しのけ容積(cm/rev)をV1とし、第2液圧ポンプ(45)の押しのけ容積(cm/rev)をV2とする。本実施形態の液圧装置(20)では、下記の式3に示す関係が成立するように、第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)が選定されている。
V1/V2=AL/(AH−AL) (式3)
一般に、ポンプの吐出流量(即ち、単位時間あたりにポンプから吐出される流体の体積流量:L/min)は、ポンプの押しのけ容積(cm/rev)に比例する。このため、“第1液圧ポンプ(40)の吐出流量Q1”の“第2液圧ポンプ(45)の吐出流量Q2”に対する比(Q1/Q2)は、“第1液圧ポンプ(40)の押しのけ容積V1”の “第2液圧ポンプ(45)の押しのけ容積V2”に対する比(V1/V2)と等しい(Q1/Q2=V1/V2)。従って、本実施形態の液圧装置(20)では、下記の式4に示す関係が成立している。
Q1/Q2=AL/(AH−AL) (式4)
上述したように、シリンダチューブ内径とロッド径がA系列の場合は、AL≒0.5AHとなる。従って、この場合は、Q1/Q2≒1.0となるため、Q1=Q2となるように第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)を選定すればよい。また、シリンダチューブ内径とロッド径がB系列の場合は、AL≒0.7AHとなる。従って、この場合は、Q1/Q2=7/3となるため、Q1=(7/3)×Q2となるように第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)を選定すればよい。
ここで、液圧シリンダ(30)を駆動する際には、ロッド側液室(34)とヘッド側液室(35)の一方へ作動油が流入し、他方から作動油が流出する。“ロッド側液室(34)へ流入出する作動油の体積流量VL”の“ヘッド側液室(35)へ流入出する作動油の体積流量VH”に対する比(VL/VH)は、“ピストン(32)のロッド側の受圧面積AL”の“ピストン(32)のヘッド側の受圧面積AH”に対する比(AL/AH)と等しい(VL/VH=AL/AH)。そして、この関係と式4から、下記の式5が得られる。
Q1/Q2=VL/(VH−VL) (式5)
本実施形態の液圧装置(20)では、第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)の吐出流量について、式5に示す関係が成立している。また、ロッド側液室(34)へ流入出する作動油の体積流量VLは、第1ポンプ機構(40)の吐出流量Q1と等しい(VL=Q1)。このため、ヘッド側液室(35)へ流入出する作動油の体積流量VHは、第1液圧ポンプ(40)の吐出流量Q1と第2液圧ポンプ(45)の吐出流量Q2の和と等しくなる(VH=Q1+Q2)。従って、本実施形態の液圧装置(20)では、第1液圧ポンプ(40)と第2液圧ポンプ(45)を用いて、液圧シリンダ(30)へ適切な流量の作動油を供給することが可能である。
〈電磁切換弁〉
電磁切換弁(52)は、弁機構を構成しており、ロッド側配管(25)に設けられる。この電磁切換弁(52)は、ロッド側液室(34)への作動油の流入を許容し且つロッド側液室(34)からの作動油の流出を阻止する一方向流通状態と、ロッド側液室(34)からの作動油の流出を許容する流出許容状態とに切り換わる弁機構(52)を構成している。
具体的に、電磁切換弁(52)は、第1液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)へ向かう作動油の流通を許容し且つ液圧シリンダ(30)から第1液圧ポンプ(40)へ向かう作動油の流通を阻止する一方向流通状態(図2に示す状態)と、液圧シリンダ(30)から第1液圧ポンプ(40)へ向かう作動油の流通を許容する流出許容状態(図3に示す状態)とに切り換わる。この電磁切換弁(52)は、ソレノイドに通電されないOFF状態では一方向流通状態となり、ソレノイドに通電されるON状態では流出許容状態となる。
〈圧力スイッチ〉
圧力スイッチ(53)は、ロッド側配管(25)のうち電磁切換弁(52)よりも液圧シリンダ(30)側の部分に配置されている。この圧力スイッチ(53)は、液圧シリンダ(30)のロッド側液室(34)の圧力が所定の設定圧力P3に達すると、制御器(60)に対して信号を出力する。
〈チェック弁〉
液圧装置(20)には、二つのチェック弁(55,56)が設けられている。第1チェック弁(55)は、一端がタンク(51)に接続され、他端がロッド側配管(25)における電磁切換弁(52)と第1液圧ポンプ(40)の間に接続されている。第1チェック弁(55)は、タンク(51)からロッド側配管(25)へ向かう作動油の流通を許容し、逆向きの作動油の流通を阻止する。第2チェック弁(56)は、一端がタンク(51)に接続され、他端がヘッド側配管(27)に接続されている。第2チェック弁(56)は、タンク(51)からヘッド側配管(27)へ向かう作動油の流通を許容し、逆向きの作動油の流通を阻止する。なお、これら二つのチェック弁(55,56)が接続されるタンク(51)は、第2液圧ポンプ(45)のタンク側ポート(46)が接続されるタンク(51)と同じものである。
〈リリーフ弁〉
液圧装置(20)には、二つのリリーフ弁(57,58)が設けられている。第1リリーフ弁(57)は、一端がタンク(51)に接続され、他端がロッド側配管(25)における電磁切換弁(52)と圧力スイッチ(53)の間に接続されている。第1リリーフ弁(57)は、ロッド側配管(25)の圧力が所定の上限値を超えると開く。第2リリーフ弁(58)は、一端がタンク(51)に接続され、他端がヘッド側配管(27)に接続されている。第2リリーフ弁(58)は、ヘッド側配管(27)の圧力が所定の上限値を超えると開く。なお、これらリリーフ弁(57,58)が開く圧力は、圧力スイッチ(53)が作動する設定圧力P3よりも高い。また、これら二つのリリーフ弁(57,58)が接続されるタンク(51)は、第2液圧ポンプ(45)のタンク側ポート(46)が接続されるタンク(51)と同じものである。
〈制御器〉
制御器(60)は、電動機(50)と電磁切換弁(52)の制御を行うように構成されている。この制御器(60)には、圧力スイッチ(53)の出力信号が入力される。制御器(60)は、この圧力スイッチ(53)の出力信号を用いて、電動機(50)と電磁切換弁(52)の制御を行う。
制御器(60)は、第1動作と第2動作と第3動作とを行うように構成されている。これら三つの動作を制御器(60)が行うことによって、液圧装置(20)が昇圧動作と圧力保持動作と脱圧動作とを行う。制御器(60)が行う第1動作、第2動作、及び第3動作については、後述する。
−液圧装置の運転動作−
液圧装置(20)は、昇圧動作と、圧力保持動作と、脱圧動作とを、順に繰り返し行う。ここでは、液圧装置(20)の動作について、図2〜図4を適宜参照しながら説明する。
〈昇圧動作〉
液圧装置(20)の昇圧動作は、射出ユニット(11)のノズル部(12)を固定プラテン(15)に押しつけるための動作である。図4において、液圧装置(20)は、時刻t1から時刻t2に亘って昇圧動作を行う。
液圧装置(20)の昇圧動作では、制御器(60)が第1動作を行う。制御器(60)の第1動作は、電磁切換弁(52)を一方向流通状態に設定し、液圧シリンダ(30)のロッド側液室(34)の圧力が設定圧力P3になるまで電動機(50)を順方向へ回転させる動作である。
制御器(60)は、図4の時刻t1において、電磁切換弁(52)のソレノイドに対する通電を遮断し、電磁切換弁(52)を流通許容状態から一方向流通状態に切り換える。また、この時刻t1において、制御器(60)は、電動機(50)への通電を開始して電動機(50)を順方向へ回転させる。電動機(50)が順方向へ回転すると、第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)が順方向へ回転する。
図2に示すように、順方向へ回転中の第1液圧ポンプ(40)は、作動油をヘッド側ポート(42)から吸入してロッド側ポート(41)へ吐出する。また、順方向へ回転中の第2液圧ポンプ(45)は、作動油をヘッド側ポート(47)から吸入してタンク側ポート(46)へ吐出する。その結果、液圧シリンダ(30)ではロッド側液室(34)の圧力PLが上昇し、射出ユニット(11)のノズル部(12)を固定プラテン(15)に押しつけるための押しつけ力が増大する(図4を参照)。また、液圧シリンダ(30)では、ヘッド側液室(35)の圧力PHが低下する。
図4の時刻t2において、ロッド側液室(34)の圧力PLが設定圧力P3に達すると、圧力スイッチ(53)が信号を出力する。制御器(60)は、圧力スイッチ(53)の出力信号を受信すると、第1動作を終了して第2動作を開始する。
〈圧力保持動作〉
液圧装置(20)の圧力保持動作は、射出ユニット(11)のノズル部(12)を固定プラテン(15)に押しつけた状態に保つための動作である。図4において、液圧装置(20)は、時刻t2から時刻t3に亘って圧力保持動作を行う。
液圧装置(20)の圧力保持動作では、制御器(60)が第2動作を行う。制御器(60)の第2動作は、電磁切換弁(52)を一方向流通状態に保ったまま、電動機(50)を停止させる(即ち、電動機(50)への通電を遮断した状態に保つ)動作である。
制御器(60)は、図4の時刻t2において、電動機(50)への通電を遮断する。電動機(50)への通電を遮断すると、電動機(50)が停止し、第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)も停止する。
図2に示すように、電磁切換弁(52)が一方向流通状態に設定された状態では、電動機(50)への通電を停止した状態においても、液圧シリンダ(30)のロッド側液室(34)から作動油は排出されない。このため、ロッド側液室(34)の圧力PLは、時刻t2から時刻t3に亘って、設定圧力P3に保たれる。一方、液圧シリンダ(30)のヘッド側液室(35)は、休止状態の第2液圧ポンプ(45)を介してタンク(51)と連通している。このため、ヘッド側液室(35)の圧力PHは、図4の時刻t2から時刻t3に亘って、タンク(51)内の作動油の圧力(即ち、大気圧)と実質的に等しくなる。
図4の時刻t2から時刻t3の間において、射出成形機(10)は、溶融した樹脂をノズル部(12)から金型(14)へ向かって射出し、金型(14)を冷却してキャビティ内の樹脂を固める工程を行う。時刻t3においてキャビティ内の樹脂の冷却が完了すると、制御器(60)は、第2動作を終了して第3動作を開始する。
〈脱圧動作〉
液圧装置(20)の脱圧動作は、射出ユニット(11)のノズル部(12)の固定プラテン(15)に対する押しつけ力の付与を解除する動作である。図4において、液圧装置(20)は、時刻t3から時刻t4までの間に脱圧動作を行う。
液圧装置(20)の脱圧動作では、制御器(60)が第3動作を行う。制御器(60)の第3動作は、電動機(50)への通電を遮断した状態で電磁切換弁(52)を一方向流通状態から流出許容状態に切り換える動作である。
制御器(60)は、図4の時刻t3において、電磁切換弁(52)のソレノイドに対する通電を開始し、電磁切換弁(52)を一方向流通状態から流通許容状態に切り換える。その後、制御器(60)は、図4の時刻t5までの間、電磁切換弁(52)のソレノイドに対する通電を継続し、電磁切換弁(52)を流通許容状態に保持する。また、制御器(60)は、図4の時刻t3から時刻t5に亘って、電動機(50)への通電を遮断状態に保持し続ける。
図3に示すように、電磁切換弁(52)が流通許容状態に設定された状態において、液圧シリンダ(30)のロッド側液室(34)は、電磁切換弁(52)及び第1液圧ポンプ(40)を介して、液圧シリンダ(30)のヘッド側液室(35)と連通する。このため、ロッド側液室(34)の圧力PLが低下し、射出ユニット(11)のノズル部(12)を固定プラテン(15)に押しつける力(押しつけ力F)が低下する。
この脱圧動作において電磁切換弁(52)が一方向流通状態から流通許容状態に切り換わった直後には、ロッド側液室(34)から高圧の作動油が流出すると同時に、ロッド側配管(25)を流れる作動油によって第1液圧ポンプ(40)が回転させられ、ヘッド側液室(35)へ作動油が流入する。片ロッド形の本実施形態の液圧シリンダ(30)では、ロッド側液室(34)からの作動油の流出量は、ヘッド側液室(35)への作動油の流入量よりも多い。このため、液圧装置(20)の脱圧動作では、第1液圧ポンプ(40)と第2液圧ポンプ(45)の両方から同時にヘッド側液室(35)へ向かって作動油が流れることとなる。従って、この脱圧動作では、タンク(51)から第2液圧ポンプ(45)へ向かって作動油が流れることとなり、タンク(51)へ作動油が排出されることは無い。
また、脱圧動作では、ロッド側液室(34)から作動油が流出することによってロッド側液室(34)の圧力PLが低下する一方、ヘッド側液室(35)へ第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)から作動油が供給されることによってヘッド側液室(35)の圧力PHが上昇する。この間、電動機(50)には通電されていないため、第1液圧ポンプ(40)及び第2液圧ポンプ(45)は、ポート(41,42,46,47)に作用する油圧によって自由に回転できる状態となっている。
“ロッド側液室(34)及びヘッド側液室(35)の圧力の変化は、“ピストン(32)のロッド側の受圧面に作用する力FL”と“ピストン(32)のヘッド側の受圧面に作用する力FH”が均衡するまで続く。“ピストン(32)のロッド側の受圧面に作用する力FL”は、“ロッド側液室(34)の圧力PL”に“ピストン(32)のロッド側の受圧面積AL”を乗じることによって算出される(FL=PL×AL)。一方、“ピストン(32)のヘッド側の受圧面に作用する力FH”は、“ヘッド側液室(35)の圧力PH”に“ピストン(32)のヘッド側の受圧面積AH”を乗じることによって算出される(FH=PH×AH)。
図4では、時刻t4において、“ロッド側液室(34)の圧力PLの低下”と、“ヘッド側液室(35)の圧力PHの上昇”が終了する。この時刻t4では、ロッド側液室(34)の圧力PLが圧力P2となり、ヘッド側液室(35)の圧力PHが圧力P1となる。従って、本実施形態では、下記の式6に示す関係が成立する。
P2/P1=AH/AL (式6)
式6が成立している状態において、液圧シリンダ(30)では、“ピストン(32)のロッド側の受圧面に作用する力FL=P2×AL”と“ピストン(32)のヘッド側の受圧面に作用する力FH=P1×AH”が打ち消し合う。このため、射出成形機(10)では、金型(14)に作用する射出ユニット(11)の押しつけ力がゼロになる。
液圧シリンダ(30)では、図4の時刻t4から時刻t5に亘って、ロッド側液室(34)の圧力PLが圧力P2に保持され、ヘッド側液室(35)の圧力PHが圧力P1に保持される。そして、液圧装置(20)は、時刻t5において、次の昇圧動作を開始する。
時刻t4から時刻t5の間は、金型(14)に作用する射出ユニット(11)の押しつけ力がゼロに保たれる。この間において、射出成形機(10)では、金型(14)が開かれて成形品が金型(14)から取り出され、その後に金型(14)が閉じられる。
なお、液圧装置(20)の脱圧動作において、制御器(60)は、電動機(50)を逆方向へ回転させる動作を更に行うように構成されていてもよい。この場合、制御器(60)は、電磁切換弁(52)を一方向流通状態から流通許容状態に切り換えた時点から所定時間が経過すると、電動機(50)を一時的に逆方向へ回転させる。
電動機(50)が逆方向へ回転すると、第1液圧ポンプ(40)と第2液圧ポンプ(45)が逆方向へ回転する。逆方向へ回転中の第1液圧ポンプ(40)は、作動油をロッド側ポート(41)から吸入してヘッド側ポート(42)へ吐出する。また、逆方向へ回転中の第2液圧ポンプ(45)は、作動油をタンク側ポート(46)から吸入してヘッド側ポート(47)へ吐出する。このように、電動機(50)を逆方向へ回転させると、液圧シリンダ(30)では、ロッド側液室(34)から作動油が排出され、ヘッド側液室(35)へ作動油が供給される。このため、電動機(50)を逆方向へ回転させると、ロッド(33)がシリンダ本体(31)から押し出され、射出ユニット(11)が型締ユニット(13)から離れる方向へ移動する。
−実施形態の効果−
本実施形態の液圧装置(20)では、液圧シリンダ(30)のロッド側液室(34)を高圧に保持した状態において電磁切換弁(52)を一方向流通状態から流出許容状態に切り換える脱圧動作を行った際に、第1液圧ポンプ(40)と第2液圧ポンプ(45)の両方からヘッド側液室(35)へ向かって作動油が流れるため、タンク(51)へは作動油が流入しない。このため、脱圧動作を行った際にタンク(51)へ作動油が一気に流入することはなく、作動油の急激な流入に起因する作動油の泡立ちを抑制できる。従って、本願実施形態によれば、タンク(51)を大型化させずにタンク(51)内における作動油の泡立ちを抑えることができ、液圧装置(20)の大型化を回避しつつ、液圧装置(20)の信頼性を確保できる。
ここで、従来の一般的な液圧装置では、特許文献1に記載されているように、脱圧動作を行うと液圧シリンダのロッド側液室の圧力がタンクに開放されてしまう。このため、従来の一般的な液圧装置では、昇圧動作を行う毎にロッド側液室の圧力を大気圧から所定の設定圧力にまで(即ち、図4におけるゼロからP3にまで)上昇させる必要があり、ポンプを駆動する電動機の消費電力が嵩むという問題がある。
一方、本実施形態の液圧装置(20)では、脱圧動作中に液圧シリンダ(30)のロッド側液室(34)の圧力PLが圧力P2にまでしか低下しない。このため、本実施形態の液圧装置(20)では、昇圧動作を行う毎にロッド側液室(34)の圧力PLを圧力P2から設定圧力P3にまで上昇させればよく、昇圧動作によるロッド側液室(34)の圧力PLの昇圧幅が従来に比べて小さくなる。従って、本実施形態によれば、液圧ポンプ(40,45)を駆動する電動機(50)の消費電力を、従来に比べて削減できる。
また、図4に示すように、本実施形態の液圧装置(20)では、昇圧動作中に液圧シリンダ(30)のヘッド側液室(35)の圧力PHが、圧力P1からゼロ(即ち、大気圧)にまで低下する。このため、昇圧動作中には、第2液圧ポンプ(45)を作動油が通過することによって回転動力が発生する。第2液圧ポンプ(45)で生じた回転動力は、第2液圧ポンプ(45)に連結された第1液圧ポンプ(40)に伝達され、第1液圧ポンプ(40)を駆動するために利用される。従って、本実施形態の液圧装置(20)では、昇圧動作中に作動油が第2液圧ポンプ(45)を通過する際に生じた回転動力を第1液圧ポンプ(40)の駆動に利用することができ、これによっても電動機(50)の消費電力を削減できる。
−その他の実施形態−
本実施形態の液圧装置(20)では、第1ポンプ機構を一つのポンプ(40)によって構成しているが、第1ポンプ機構を互いに並列接続された複数のポンプによって構成してもよい。また、この液圧装置(20)では、第2ポンプ機構を一つのポンプ(45)によって構成しているが、第2ポンプ機構を互いに並列接続された複数のポンプによって構成してもよい。
以上説明したように、本発明は、片ロッド形の液圧シリンダを備えた液圧装置について有用である。
20 液圧装置
30 液圧シリンダ
34 ロッド側液室
35 ヘッド側液室
40 第1液圧ポンプ(第1ポンプ機構)
41 ロッド側ポート
42 ヘッド側ポート
45 第2液圧ポンプ(第2ポンプ機構)
46 タンク側ポート
47 ヘッド側ポート
50 電動機
51 タンク
52 電磁切換弁(弁機構)
53 圧力スイッチ
60 制御器

Claims (1)

  1. 片ロッド複動形の液圧シリンダ(30)と、
    上記液圧シリンダ(30)のヘッド側の液室(35)に接続されるヘッド側ポート(42)と上記液圧シリンダ(30)のロッド側の液室(34)に接続されるロッド側ポート(41)とを有する第1ポンプ機構(40)と、
    上記液圧シリンダ(30)のヘッド側の液室(35)に接続されるヘッド側ポート(47)と作動流体のタンク(51)に接続されるタンク側ポート(46)とを有する第2ポンプ機構(45)と、
    上記液圧シリンダ(30)のロッド側の液室(34)と上記第1ポンプ機構(40)の間に設けられ、上記ロッド側の液室(34)への作動流体の流入を許容し且つ上記ロッド側の液室(34)からの作動流体の流出を阻止する一方向流通状態と、上記ロッド側の液室(34)からの作動流体の流出を許容する流出許容状態とに切り換わる弁機構(52)とを備え、
    上記第1ポンプ機構(40)の吐出流量をQ1とし、上記第2ポンプ機構(45)の吐出流量をQ2とし、上記液圧シリンダ(30)のピストン(32)のヘッド側の受圧面積をAHとし、該ピストン(32)のロッド側の受圧面積をALとした場合に、Q1/Q2=AL/(AH−AL)となり、
    上記第1ポンプ機構と上記第2ポンプ機構のそれぞれは、少なくとも1つのポンプ(40,45)によって構成され、
    上記第1ポンプ機構を構成するポンプ(40)と、上記第2ポンプ機構を構成するポンプ(45)とは、互いに連結されてそれぞれの回転速度が一致する一方、
    上記第1ポンプ機構(40)及び上記第2ポンプ機構(45)を駆動する電動機(50)と、
    上記弁機構(52)と上記電動機(50)を制御する制御器(60)とを備え、
    上記制御器(60)は、上記弁機構(52)を上記一方向流通状態にして上記液圧シリンダ(30)のロッド側の液室(34)の圧力が所定値になるまで上記電動機(50)を作動させる第1動作と、上記弁機構(52)を上記一方向流通状態に保ったまま上記電動機(50)を停止させる第2動作と、上記電動機(50)を停止させた状態で上記弁機構(52)を上記一方向流通状態から上記流出許容状態に切り換える第3動作とを順に行うように構成されている
    ことを特徴とする液圧装置。
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