JP4454122B2 - 油圧閉回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧閉回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ショベル、ローダー、ブルドーザ、堀削機等の建設機械、クレーン、フォークリフト、ダンプトラック等の運輸物流機械、マシニングセンタ、旋盤等の工作機械、プレス、樹脂成形機、ゴム成形機等の成形装置などの各種機械においては、機械の可動部材を駆動するための油圧アクチュエーターを作動させる油圧閉回路が提供されている。
【0003】
図2は従来の油圧閉回路の構成を示す図である。
【0004】
図において、51は機械の可動部材を駆動するための油圧アクチュエーターとしてのシングルロッド型の油圧シリンダ装置であり、ヘッド側油圧室51a、ロッド側油圧室51b、ピストン51c及びロッド51dとを有する。また、52は圧油を吐出する2方向形の可変容量ポンプであり、前記ヘッド側油圧室51a及びロッド側油圧室51bに、それぞれ、第1管路53及び第2管路54を介して、連結されている。なお、前記可変容量ポンプ52は、エンジン、電動モータ等から成る回生機能付ポンプ駆動源66によって駆動される。
【0005】
そして、55は、不足分の油を油タンク65から前記油圧閉回路に供給するために図示されない駆動源によって駆動されるチャージポンプであり、チャージ管路59と、第1チェック弁56及び第2チェック弁57を介して、第1管路53及び第2管路54に連結される。ここで、前記チャージポンプ55から吐出される圧油の圧力を一定に保つために、前記チャージ管路59の、第1チェック弁56及び第2チェック弁57と反対側の端部は、第1低圧リリーフ弁58を介して、前記油タンク65に連結される。
【0006】
また、60は前記油圧閉回路中の余剰の油を前記タンク65に排出するためのフラッシング弁であり、2つの入口ポートに接続された第1排出管路61及び第2排出管路62を介して、前記第1管路53及び第2管路54に連結される。さらに、前記フラッシング弁60は、出口ポートに接続された第3排出管路67及び第2低圧リリーフ弁64を介して、前記油タンク65に連結される。
【0007】
次に、前記構成の油圧閉回路の動作を説明する。
【0008】
まず、前記油圧シリンダ装置51を作動させてロッド51dを伸ばす方向(図2において右方向)に移動させる場合には、前記可変容量ポンプ52から前記第1管路53側に圧油を吐出させる。すると、前記ヘッド側油圧室51a内に圧油が供給され、前記ピストン51cが図2において右方向へ押されて、前記ロッド51dは図2において右方向に移動させられる。一方、前記ピストン51cが図2において右方向へ押されるので、前記ロッド側油圧室51b内の油が、第2管路54に排出され、該第2管路54を通って戻り油として前記可変容量ポンプ52の吸い込み側に戻る。
【0009】
ここで、前記油圧シリンダ装置51はシングルロッド型であって、前記ピストン51cの前記ロッド側油圧室51bの受圧面積A2 は、前記ヘッド側油圧室51aの受圧面積A1 よりも、前記ロッド51dの断面積αの分だけ小さい。すなわち、A1 =A2 +α、である。したがって、前記ロッド側油圧室51bから排出される油の量は、前記ヘッド側油圧室51a内に供給される油の量より少ない。すなわち、前記ロッド側油圧室51bから排出される油の量は、前記ヘッド側油圧室51a内に供給される油の量のA2 /A1 倍である。そのため、このままの状態であると、前記可変容量ポンプ52の吸い込み側に戻る油の量が、前記可変容量ポンプ52から吐出される油の量よりも少なくなり、前記可変容量ポンプ52内でキャビテーションが発生してしまう。
【0010】
この場合、前記可変容量ポンプ52内でのキャビテーションの発生を防止するために、前記チャージポンプ55を駆動させて、前記第2チェック弁57を介して前記第2管路54に、不足分の油を供給する。ここで、前記チャージポンプ55が供給すべき油の量は、前記可変容量ポンプ52から吐出される油の量のα/A1 倍である。
【0011】
次に、前記油圧シリンダ装置51を作動させてロッド51dを縮める方向(図2において左方向)に移動させる場合には、前記可変容量ポンプ52から前記第2管路54側に油を吐出させる。すると、前記ロッド側油圧室51b内に圧油が供給され、前記ピストン51cが図2における左方向へ押されて、前記ロッド51dは図2において左方向に移動させられる。
【0012】
なお、一般的に、機械の可動部材には常時一方向に対して外力、すなわち、荷重が加えられた状態になっている。例えば、前記可動部材がフォークリフトのリフトである場合、該リフトは常時下方向に荷重された状態になっている。このような場合、前記可動部材を駆動させる油圧アクチュエーターである前記油圧シリンダ装置51は、前記可動部材を荷重と逆向きに駆動させる時に、前記ロッド51dが伸びるように配設され、常時前記ロッド51dを縮める方向に荷重された状態になっている。したがって、前記ロッド51dを伸ばす方向(図2における右方向)に移動させる場合には、高圧の圧油を前記ヘッド側油圧室51a内に供給する必要があるが、逆に前記ロッド51dを縮める方向(図2における左方向)に移動させる場合には、圧力のかかっていない油を前記ロッド側油圧室51b内に供給すれば足りる。
【0013】
そして、前記ピストン51cが図2における左方向へ押されるので、前記ヘッド側油圧室51a内の油が、第1管路53に排出され、該第1管路53を通って戻り油として前記可変容量ポンプ52の吸い込み側に戻る。
【0014】
ここで、前記ピストン51cの前記ロッド側油圧室51bの受圧面積A2 は、前記ヘッド側油圧室51aの受圧面積A1 よりも、前記ロッド51dの断面積αの分だけ小さいので、前記ヘッド側油圧室51aから排出される油の量は、前記ロッド側油圧室51b内に供給される油の量より多い。すなわち、前記ヘッド側油圧室51aから排出される油の量は、前記ロッド側油圧室51b内に供給される油の量のA1 /A2 倍である。
【0015】
そのため、このままの状態であると、前記可変容量ポンプ52の吸い込み側に戻る油の量が、前記可変容量ポンプ52から吐出される油の量よりも多くなる。したがって、前記可変容量ポンプ52に吸入されず、前記第1管路53及びヘッド側油圧室51a内の圧力が上昇して、前記ピストン51c及びロッド51dの動きが止められてしまう。
【0016】
この場合、前記フラッシング弁60が前記第2管路54内の圧力によって、図2において右位置に切り替えられ、前記第1管路53が前記第1排出管路61及び第3排出管路67に連通する。したがって、余分な油が第2低圧リリーフ弁64を介して、前記油タンク65に排出されるので、前記ピストン51c及びロッド51dの動きが止められてしまうことがない。ここで、前記油タンク65に排出される油の量は、前記ヘッド側油圧室51aから排出される油の量のα/A1 倍である。なお、以上の倍率の値は、すべて油を非圧縮性流体とした場合の理論値である。
【0017】
また、前記機械の可動部材にかかる荷重によって、前記ピストン51cが図2において左方向へ押され、これにより、前記ヘッド側油圧室51a内から排出された油が前記可変容量ポンプ52内に押し込まれる。したがって、該可変容量ポンプ52は、前記油によって作動させられ、前記回生機能付ポンプ駆動源66を逆方向に作動させ、回生エネルギーを発生させる。
【0018】
このように、前記構成の油圧閉回路により、機械の可動部材を駆動する油圧アクチュエーターである油圧シリンダ装置51を作動させることができ、また、前記油圧シリンダ装置51を作動させるためのエネルギーの一部を回生することができる。なお、前記構成の油圧閉回路に類似する油圧閉回路が、特開昭59−133804号公報に従来例として記載されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の油圧閉回路においては、フラッシング弁60がハンチング現象を起こしてしまい、油圧シリンダ装置51が円滑に作動しないことがある。
【0020】
前記油圧シリンダ装置51を作動させてロッド51dを縮める方向に移動させる時に、前記機械の可動部材にかかる荷重が小さくて、荷重によって前記ピストン51cが図2における左方向へ押される力が小さい場合、高圧の圧油を前記ロッド側油圧室51b内に供給するために、前記第2管路54内の圧力が急激に上昇する。
【0021】
したがって、前記フラッシング弁60が図2における右位置に切り替えられる。一方、前記第2管路54内の圧力が急激に上昇するので、前記ピストン51c及びロッド51dが急激に図2において左方向へ移動させられて、前記ヘッド側油圧室51a内の圧力が急激に上昇する。
【0022】
これにより、前記第1管路53内の圧力も急激に上昇して前記第2管路54内の圧力よりも高くなるので、今度は前記フラッシング弁60が、図2における左位置に切り替えられる。そして、前記フラッシング弁60が左右に振動するハンチング現象が発生してしまう。
【0023】
このようにハンチング現象が発生すると、前記フラッシング弁60は円滑に作動しないので、前記油圧シリンダ装置51が作動せず、前記ロッド51dを縮める方向に移動させることができなくなってしまう。
【0024】
さらに、前記油圧シリンダ装置51を作動させてロッド51dを縮める方向に移動させる場合、ハンチング現象が発生しなくても、回生エネルギーの発生効率が低くなってしまうという問題がある。
【0025】
すなわち、前記ピストン51cの前記ロッド側油圧室51bの受圧面積A2 が、前記ロッド51dの断面積αの分だけ前記ヘッド側油圧室51aの受圧面積A1 よりも小さいことによって生じる余分な油が、前記フラッシング弁60を介して、前記油タンク65に排出される。前述したように、前記油タンク65に排出される油の量は、前記ヘッド側油圧室51aから排出される油の量のα/A1 倍である。
【0026】
このため、前記可変容量ポンプ52内に押し込まれて該可変容量ポンプ52を作動させ、それによって前記回生機能付ポンプ駆動源66を逆方向に作動させて、回生エネルギーを発生させる油の量が減少する。したがって、発生される回生エネルギーの量が減少してしまう。
【0027】
例えば、前記ロッド51dの断面積αが前記ヘッド側油圧室51aの受圧面積A1 の50%の場合、前記油タンク65に排出される油の量は、前記ヘッド側油圧室51aから排出される油の量の50%となる。この場合、回生エネルギーを発生させる油の量が50%も減少してしまう。
【0028】
また、前記油圧シリンダ装置51を作動させてロッド51dを伸ばす方向(図2において右方向)に移動させる場合、前記ピストン51cの前記ロッド側油圧室51bの受圧面積A2 が、前記ロッド51dの断面積αの分だけ前記ヘッド側油圧室51aの受圧面積A1 よりも小さいことによって生じる油の不足分を前記第2管路54に供給するために、前記チャージポンプ55を駆動させるようになっている。前述したように、前記チャージポンプ55が供給すべき油の量は、前記可変容量ポンプ52から吐出される油の量のα/A1 倍である。
【0029】
したがって、特に前記ロッド51dの径が大きい場合には、前記チャージポンプ55は大容量でなくてはならず、油圧閉回路の製造コスト及びランニングコストが高くなってしまう。
【0030】
例えば、前記ロッド51dの断面積αが前記ヘッド側油圧室51aの受圧面積A1 の50%の場合、前記チャージポンプ55が供給すべき油の量は、前記可変容量ポンプ52から吐出される油の量の50%となる。この場合、前記チャージポンプ55として、前記可変容量ポンプ52の最大吐出容量の50%という大容量のポンプが必要になってしまう。
【0031】
本発明は、前記従来の油圧閉回路の問題点を解決して、油圧シリンダ装置が円滑に作動し、回生エネルギーの発生効率が高く、大容量のチャージポンプを必要とすることなく、製造コスト及びランニングコストの低い油圧閉回路を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の油圧閉回路においては、ピストンと、該ピストンの両側の油圧室とを備える油圧シリンダ装置と、油タンクと、駆動軸と2つの吐出口とを備え、前記駆動軸が互いに接続された複数の2方向形のポンプと、前記駆動軸が接続された回生機能付ポンプ駆動源と、該回生機能付ポンプ駆動源と異なる駆動源によって駆動されるチャージポンプとを有する油圧閉回路であって、前記複数の2方向形のポンプの中のいずれかの2方向形のポンプにおいては、前記吐出口の両方が前記油圧室の両方にそれぞれ連結され、前記他の2方向形のポンプは、前記油圧閉回路内の油を前記油タンクに排出するとともに前記油圧閉回路内に前記油タンクの油を供給することにより、前記油圧閉回路内の油量を補償し、前記油圧シリンダ装置はシングルロッド型であり、ロッド側の油圧室と、ロッドと反対側の油圧室とを備え、前記他の2方向形のポンプにおける前記吐出口の一方が連結されている油圧室は、前記ロッドと反対側の油圧室であり、前記回生機能付ポンプ駆動源は回生機能付電動モータであり、前記チャージポンプは、油圧閉回路内の油圧が規定範囲以下となると作動して前記油タンク内の油を油圧閉回路に補給することにより、前記油圧閉回路内の油圧を補償する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0036】
図1は本発明の第1の実施の形態における油圧閉回路の構成を示す回路図である。
【0037】
図において、10は油圧閉回路であり、例えば、ショベル、ローダー、ブルドーザ、掘削機等の建設機械、クレーン、フォークリフト、ダンプトラック等の運輸物流機械、マシニングセンタ、旋盤等の工作機械、プレス、樹脂成形機、ゴム成形機等の成形装置などの各種機械におけるリフト、ショベル、アーム、ブーム、チャック、クランパ、プッシャー、ウィング、金型等の各種可動部材を駆動するための油圧アクチュエーターを作動させるために使用される。
【0038】
そして、11は油圧アクチュエーターとしての油圧シリンダ装置であり、ヘッド側油圧室11a、ロッド側油圧室11b、ピストン11c及びロッド11dとを有する。ここで、前記油圧シリンダ装置11は一方向にロッド11dが突出したシングルロッド型であり、前記ロッド11dのピストン11cと反対側の端部は、図示されない前記機械における可動部材に連結される。また、前記ヘッド側油圧室11a及びロッド側油圧室11bは、前記ピストン11cのロッド11dと反対側及びロッド11dの側にそれぞれ配設される。
【0039】
また、12は、前記油圧シリンダ装置11を作動させるための2方向形のポンプであり、吐出方向切替型の圧油を吐出する第1可変容量ポンプである。そして、該第1可変容量ポンプ12の2つの吐出口は、それぞれ、前記ヘッド側油圧室11a及びロッド側油圧室11bに、第1管路14及び第2管路15を介して、連結される。
【0040】
さらに、13は、前記油圧シリンダ装置11を作動させるための2方向形のポンプであって、吐出方向切替型の圧油を吐出する第2可変容量ポンプである。そして、該第2可変容量ポンプ13の2つの一方の吐出口は第1管路14を介して前記ヘッド側油圧室11aに連結され、他方の吐出口は油タンク23に連結される。
【0041】
なお、可変容量ポンプとしては、斜軸式、斜板式等の並列ピストン形式のポンプが一般的であるが、いかなる形態のものであってもよい。
【0042】
ここで、前記ピストン11cのヘッド側油圧室11aにおける受圧面積をA1 、前記ピストン11cのロッド側油圧室11bにおける受圧面積をA2 、ロッド11dの断面積をαとした場合、前記第2可変容量ポンプ13から吐出される油の量が、前記第1可変容量ポンプ12から吐出される油の量の(A1 −A2 )/A2 倍、すなわち、α/A2 倍となるように、前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13を制御する。なお、これを逆の面からいうと、前記第1可変容量ポンプ12から吐出される油の量が、前記第2可変容量ポンプ13から吐出される油の量のA2 /(A1 −A2 )倍、すなわち、A2 /α倍となるように制御することになる。更に別の面からいうと、前記第1可変容量ポンプ12から吐出される油の量が、吐出される油の合計量のA2 /A1 倍となり、前記第2可変容量ポンプ13から吐出される油の量が、吐出される油の合計量のα/A1 倍となるように制御することになる。
【0043】
したがって、例えば、前記ロッド11dの断面積αが前記ヘッド側油圧室11aの受圧面積A1 の50%の場合には、前記第2可変容量ポンプ13の吐出する油の量と、前記第1可変容量ポンプ12の吐出する油の量とが等しいので、前記第1可変容量ポンプ12及び前記第2可変容量ポンプ13として、同一のものを使用することができる。
【0044】
そして、前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13は、駆動軸が互いに接続され、更に、回生機能付ポンプ駆動源22の駆動軸に接続されて、該回生機能付ポンプ駆動源22によって駆動される。なお、図1において、前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13は駆動軸が互いに直列に接続されているが、前記駆動軸の接続の態様は直列に限らず、駆動軸を回転させる力が伝達可能なものであれば、並列その他いかなる態様であってもよい。
【0045】
ここで、該回生機能付ポンプ駆動源22は、駆動軸に外部から入力された駆動軸を回転させる力、すなわち、回生トルクを前記駆動軸を回転させてポンプを駆動するための力やエネルギーに変換する機能を有するポンプ駆動源である。このようなポンプ駆動源としては、例えば、複数の駆動軸を有し、1つの出力軸に外部から入力された回生トルクが他の駆動軸に出力トルクとして伝達される伝導機構を備えたエンジンや、駆動軸に外部から入力された回生トルクによって発電して回生電流を発生する機能を有する電動モータがあるが、他のいかなる形態のものであってもよい。
【0046】
また、21は、不足分の油を油タンク23から前記油圧閉回路10に供給するための図示されない駆動源によって駆動されるチャージポンプであり、チャージ管路19と、第1チェック弁16及び第2チェック弁17を介して、第1管路14及び第2管路15に連結される。ここで、前記チャージポンプ21から吐出される圧油の圧力を一定に保つために、前記チャージ管路19の、第1チェック弁16及び第2チェック弁17と反対側の端部は、第1低圧リリーフ弁18を介して、前記油タンク23に連結される。
【0047】
前記油圧閉回路10は、図示されない制御装置を有する。該制御装置は、前記油圧閉回路10における回生機能付ポンプ駆動源22、第1可変容量ポンプ12、第2可変容量ポンプ13、チャージポンプ21等の動作を制御するものであり、CPU(中央演算子)、記憶装置、表示装置、入出力装置等を有する。また、前記制御装置は、油圧、油量、油温等を計測する計測装置を備えていてもよい。なお、前記制御装置は独立したものでなく、他の制御装置に統合されていてもよい。
【0048】
次に、前記構成の油圧閉回路10の動作について説明する。
【0049】
まず、前記油圧シリンダ装置11を作動させてロッド11dを伸ばす方向(図1における右方向)に移動させる場合には、前記第1可変容量ポンプ12及び前記第2可変容量ポンプ13から前記第1管路14側に圧油を吐出させる。すると、前記ヘッド側油圧室11a内に圧油が供給され、前記ピストン11cが図1における右方向へ押されて、前記ロッド11dは右方向に移動させられる。
【0050】
一方、前記ピストン11cが右方向へ押されるので、前記ロッド側油圧室11b内の油が、第2管路15に排出され、該第2管路15を通って戻り油として前記第1可変容量ポンプ12の吸い込み側に戻る。
【0051】
ここで、前記ピストン11cの前記ロッド側油圧室11bにおける受圧面積A2 は、前記ヘッド側油圧室11aにおける受圧面積A1 よりも、前記ロッド11dの断面積αの分だけ小さいのであるから、前記ロッド側油圧室11bから排出される油の量は、前記ヘッド側油圧室11a内に供給される油の量のA2 /A1 倍である。
【0052】
そして、前記第1可変容量ポンプ12から吐出される油の量が、吐出される油の合計量のA2 /A1 倍となるように調節されているので、前記ロッド側油圧室11bから排出される油は、すべて前記第1可変容量ポンプ12の吸い込み側に戻り吸い込まれる。したがって、前記第1可変容量ポンプ12内でキャビテーションが発生することもなく、前記第2管路15内の圧力が過度に上昇して、前記ピストン11c及びロッド11dの動きが止められてしまうこともない。
【0053】
一方、前記第2可変容量ポンプ13の吸い込み側には、油タンク23から油が供給される。したがって、油圧閉回路10の中に新鮮な油が供給されるので、前記油圧閉回路10の中の油が劣化してしまうことを防止することができる。
【0054】
なお、前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13が吐出する油の合計量は、前記油圧シリンダ装置11のロッド11dに加わる荷重の大きさ、該ロッド11dの移動速度等に応じて制御される。例えば、前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13が、斜軸式、斜板式等の並列ピストン形式のポンプである場合は、前記斜軸又は斜板の傾斜角度を調節して、吐出する油の量を制御する。
【0055】
次に、前記油圧シリンダ装置11を作動させてロッド11dを縮める方向(図1における左方向)に移動させる場合には、前記第1可変容量ポンプ12から前記第2管路15側に油を吐出させる。すると、前記ロッド側油圧室11b内に油が供給され、前記ピストン11cが図1における左方向へ押されて、前記ロッド11dは図1における左方向に移動させられる。
【0056】
ここで、一般的に、機械の可動部材には常時一方向に対して外力、すなわち、荷重が加えられた状態になっている。例えば、前記可動部材がフォークリフトのリフトである場合、該リフトは常時下方向に荷重された状態になっている。このような場合、前記可動部材を駆動させる油圧アクチュエーターである前記油圧シリンダ装置11は、前記可動部材を荷重と逆向きに駆動させる時に、前記ロッド11dが伸びるように配設され、常時前記ロッド11dを縮める方向に荷重された状態になっている。
【0057】
したがって、前述したように、前記ロッド11dを伸ばす方向に移動させる場合には、高圧の圧油を前記ヘッド側油圧室11a内に供給する必要があるが、逆に前記ロッド11dを縮める方向に移動させる場合には、圧力のかかっていない油を前記ロッド側油圧室11b内に供給すれば足りる。
【0058】
なお、前記機械の可動部材には常時一方向に対して荷重が加えられてなく、前記ロッド11dを縮める方向に荷重された状態になっていない場合には、前記ロッド側油圧室11b内に圧油を供給する。
【0059】
そして、前記ピストン11cが図1において左方向へ押されるので、前記ヘッド側油圧室11a内の油が、第1管路14に排出され、該第1管路14を通って戻り油として前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13の吸い込み側に戻る。
【0060】
なお、前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13は吐出方向が、前記油圧シリンダ装置11を作動させてロッド11dを伸ばす方向に移動させる場合と逆の方向に、切り替えられているので、油は前記第1可変容量ポンプ12からは前記第2管路15に吐出され、前記第2可変容量ポンプ13からは前記油タンク23に吐出される。
【0061】
ここで、前記ピストン11cの前記ロッド側油圧室11bにおける受圧面積A2 は、前記ヘッド側油圧室11aにおける受圧面積A1 よりも、前記ロッド11dの断面積αの分だけ小さいので、前記ヘッド側油圧室11aから排出される油の量は、前記ロッド側油圧室11b内に供給される油の量より多い。すなわち、前記ヘッド側油圧室11aから前記第1管路14に排出される油の量は、前記ロッド側油圧室11b内に供給される油の量のA1 /A2 倍である。
【0062】
そして、前記第1可変容量ポンプ12から前記第2管路15に吐出される油の量が、吐出される油の合計量のA2 /A1 倍となるように制御されているので、前記第1管路14から前記第1可変容量ポンプ12に吸い込まれる油の量は、吸い込まれる油の合計量のA2 /A1 倍である。
【0063】
一方、前記第2可変容量ポンプ13から前記油タンク23に吐出される油の量が、吐出される油の合計量のα/A1 倍となるように制御されているので、前記第1管路14から前記第2可変容量ポンプ13に吸い込まれる油の量は、吸い込まれる油の合計量のα/A1 倍である。
【0064】
したがって、前記ヘッド側油圧室11aから排出される油は、すべて前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13の吸い込み側に戻って吸い込まれ、前記第1可変容量ポンプ12から前記第2管路15に吐出される油は、すべて前記ロッド側油圧室11b内に供給される。このため、前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13内でキャビテーションが発生することもなく、前記第1管路14及び前記第2管路15内の圧力が上昇し、前記ピストン11c及びロッド11dの動きが止められてしまうこともない。
【0065】
ここで、機械の可動部材には常時一方向に対して荷重が加えられて、前記ロッド11dを縮める方向に荷重された状態になっている場合、前記ピストン11cが図1において左方向へ押され、これにより、前記ヘッド側油圧室11a内から排出された油が前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13内に押し込まれる。
【0066】
したがって、該第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13は、前記油によって作動させられて、前記回生機能付ポンプ駆動源22を逆方向に作動させ、回生エネルギーを発生させる。
【0067】
この場合、前記ヘッド側油圧室11aから排出される油は、すべて前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13の吸い込み側に戻って、該第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13を作動させて、回生エネルギーを発生させるために利用されるのであるから、回生エネルギーの発生効率が高くなる。
【0068】
なお、本実施の形態において、前記油圧閉回路10は、前記油圧シリンダ装置11を作動させるためのポンプとして、2つの2方向形のポンプ、すなわち、第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13を有するが、前記2方向形のポンプは複数であればよく、3つ以上であってもよい。この場合、すべての前記2方向形のポンプの駆動軸は互いに接続され、回生機能付ポンプ駆動源22の駆動軸に接続されて、該回生機能付ポンプ駆動源22によって駆動される。 また、前記油圧閉回路10において、管路の接続部、ポンプやシリンダのシール部等からの不可避的な油のリーク(漏れ)及び回路圧による油の圧縮によって、油圧が規定範囲以下になった場合には、前記チャージポンプ21を作動させて、前記第1チェック弁16又は第2チェック弁17を介して、前記第1管路14又は及び第2管路15に油を補給する。
【0069】
なお、前記油圧閉回路10内の油圧に関係なく、前記チャージポンプ21は所定の周期で作動するように設定されてもよい。この場合、前記油圧閉回路10内の油圧が前記規定範囲以下であれば油が補給される。一方、前記油圧閉回路10内の油圧が前記規定範囲以上であれば、前記チャージポンプ21から吐出される圧油の圧力が高くなるので、前記第1低圧リリーフ弁18が開いて、前記チャージポンプ21から吐出される圧油は前記油タンク13に排出される。したがって、前記チャージポンプ21が作動しても、前記油圧閉回路10内の油圧が前記規定範囲以上となることはない。
【0070】
このように本実施の形態の油圧閉回路10においては、従来の油圧閉回路におて余分な油を前記油圧閉回路から排出するために使用されたフラッシング弁を使用しなくても、油圧シリンダ装置11が円滑に作動する。したがって、フラッシング弁のハンチング現象により、油圧シリンダ装置11が作動しなくなるという問題が発生しない。
【0071】
また、前記油圧シリンダ装置11を作動させてロッド11dを縮める方向に移動させる場合、ヘッド側油圧室11aから排出される油は、従来のようにフラッシング弁を介して排出されることなく、すべて前記第1可変容量ポンプ12及び第2可変容量ポンプ13に吸い込まれて、回生エネルギーを発生させるために利用される。したがって、回生エネルギーの発生効率が高い。
【0072】
さらに、前記油圧シリンダ装置11を作動させてロッド11dを縮める方向に移動させる場合、前記第2可変容量ポンプ13に吸い込まれた油は油タンク23に排出され、一方、ロッド11dを伸ばす方向に移動させる場合、前記第2可変容量ポンプ13の吸い込み側に、油タンク23から新鮮な油が供給される。したがって、前記油圧閉回路10の中の油は、前記第2可変容量ポンプ13を介して新鮮な油と入れ替えられるので、油の劣化を防止することができる。
【0073】
さらに、前記チャージポンプ21は、前記油圧閉回路10から自然にリークした分の油及び回路圧により圧縮された分の油を補給するためのものであるので、極めて小容量でよい。したがって、前記チャージポンプ21として大容量のポンプを必要としないので、前記油圧閉回路10の製造コスト及びランニングコストを低くすることができる。
【0074】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0075】
図3は本発明の第2の実施の形態における油圧閉回路の構成を示す回路図である。
【0076】
図において、27は2方向形のポンプであり、吐出方向切替型の圧油を吐出する第1固定容量ポンプである。そして、2つの吐出口は、それぞれ、前記ヘッド側油圧室11a及びロッド側油圧室11bに、第1管路14及び第2管路15を介して連結される。
【0077】
また、28は2方向形のポンプであり、吐出方向切替型の圧油を吐出する第2固定容量ポンプである。そして、一方の吐出口は第1管路14を介して前記ヘッド側油圧室11aに連結され、他方の吐出口は油タンク23に連結される。
【0078】
ここで、前記第2固定容量ポンプ28から吐出される油の量が、前記第1固定容量ポンプ27から吐出される油の量のα/A2 倍となるように、前記第1固定容量ポンプ27及び第2固定容量ポンプ28が選択される。なお、これを逆の面からいうと、前記第1固定容量ポンプ27から吐出される油の量が、前記第2固定容量ポンプ28から吐出される油の量のA2 /α倍となるように選択されることになる。更に他の面からいうと、前記第1固定容量ポンプ27から吐出される油の量が、吐出される油の合計量のA2 /A1 倍となり、前記第2固定容量ポンプ28から吐出される油の量が、吐出される油の合計量のα/A1 倍となるように選択されることになる。
【0079】
したがって、例えば、前記ロッド11dの断面積αが前記ヘッド側油圧室11aの受圧面積A1 の50%の場合には、前記第2固定容量ポンプ28の吐出する油の量と、前記第1固定容量ポンプ27の吐出する油の量とが等しいので、前記第1固定容量ポンプ27及び前記第2固定容量ポンプ28として、同一のものを選択して使用することができる。
【0080】
そして、前記第1固定容量ポンプ27及び第2固定容量ポンプ28は、駆動軸が互いに接続され、さらに、回生機能付電動モータ29の駆動軸に接続されて、該回生機能付電動モータ29により駆動される。
【0081】
ここで、該回生機能付電動モータ29は、直流モータ又は交流モータのいずれであってもよいが、発電機能を有する電動モータである。つまり、該電動モータは、外部から入力された力、すなわち、回生トルクによって駆動軸を回転させると、回生電流を発生して、該回生電流を外部に供給する。なお、この場合、前記電流を受け入れて蓄電するために、図示されない二次電池(バッテリ)を配設することが望ましい。
【0082】
なお、前記第1固定容量ポンプ27及び第2固定容量ポンプ28は、容量が固定のポンプであるため吐出する油の量をポンプ自体で制御することができない。このため、前記油圧シリンダ装置11のロッド11dに加わる荷重の大きさ、該ロッド11dの移動速度等に応じて、前記ヘッド側油圧室11a又はロッド側油圧室11bに供給される油量を制御する必要がある場合には、前記回生機能付電動モータ29の回転速度を制御して、前記第1固定容量ポンプ27及び第2固定容量ポンプ28が吐出する油の量を制御する。
【0083】
なお、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様に、前記油圧閉回路10は、前記油圧シリンダ装置11を作動させるためのポンプとして、2つの2方向形ポンプ、すなわち、前記第1固定容量ポンプ27及び第2固定容量ポンプ28を有しているが、前記2方向形ポンプの数は複数であればよく、3つ以上であってもよい。
【0084】
このように本実施の形態の油圧閉回路10においては、回生機能付電動モータ29を使用して、回生エネルギーとして回生電流を発生させる。そして、回生電流は、二次電池に蓄電することによって、後で利用することが可能であり、電線を介して離れた場所にも供給することが可能であるなど非常に利用しやすいエネルギーである。したがって、回生エネルギーの利用効率が高い。
【0085】
さらに、圧油を吐出するポンプとして、固定容量ポンプである第1固定容量ポンプ27及び第2固定容量ポンプ28を使用している。したがって、固定容量ポンプは可変容量ポンプよりも構造が単純であるので、コストが低く、故障が少なく、維持が容易である。
【0086】
なお、電動モータである前記回生機能付電動モータ29によって駆動されるので、固定容量ポンプであっても、回転数を制御することによって、吐出する油の量を制御することができる。
【0087】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0088】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、油圧閉回路においては、ピストンと、該ピストンの両側の油圧室とを備える油圧シリンダ装置と、油タンクと、駆動軸と2つの吐出口とを備え、前記駆動軸が互いに接続された複数の2方向形のポンプと、前記駆動軸が接続された回生機能付ポンプ駆動源と、該回生機能付ポンプ駆動源と異なる駆動源によって駆動されるチャージポンプとを有する油圧閉回路であって、前記複数の2方向形のポンプの中のいずれかの2方向形のポンプにおいては、前記吐出口の両方が前記油圧室の両方にそれぞれ連結され、前記複数の2方向形のポンプの中の他の2方向形のポンプにおいては、前記吐出口の一方が前記油圧室の一方に連結され、前記吐出口の他方が前記油タンクに連結され、前記他の2方向形のポンプは、前記油圧閉回路内の油を前記油タンクに排出するとともに前記油圧閉回路内に前記油タンクの油を供給することにより、前記油圧閉回路内の油量を補償し、前記油圧シリンダ装置はシングルロッド型であり、ロッド側の油圧室と、ロッドと反対側の油圧室とを備え、前記他の2方向形のポンプにおける前記吐出口の一方が連結されている油圧室は、前記ロッドと反対側の油圧室であり、前記回生機能付ポンプ駆動源は回生機能付電動モータであり、前記チャージポンプは、油圧閉回路内の油圧が規定範囲以下となると作動して前記油タンク内の油を油圧閉回路に補給することにより、前記油圧閉回路内の油圧を補償する。
【0089】
この場合、従来の油圧閉回路において余分な油を該油圧閉回路から排出するために使用されたフラッシング弁を使用しなくても、油圧シリンダ装置が円滑に作動する。したがって、フラッシング弁のハンチング現象によって、油圧シリンダ装置が作動しなくなるという問題が発生しない。
【0090】
また、前記油圧シリンダ装置を作動させてロッドを縮める方向に移動させる場合、前記油圧室から排出される油は、従来のようにフラッシング弁を介して排出されることなく、すべて前記複数の2方向形のポンプに吸い込まれて、回生エネルギーを発生させるために利用される。したがって、回生エネルギーの発生効率が高い。
【0092】
この場合、前記油圧シリンダ装置を作動させてロッドを縮める方向に移動させると、前記ポンプの中の他のポンプに吸い込まれた油は油タンクに排出される。
【0093】
一方、ロッドを伸ばす方向に移動させる場合、前記ポンプの中の他のポンプの吸い込み側に、油タンクから新鮮な油が供給される。したがって、前記油圧閉回路の中の油は、前記ポンプの中の他のポンプを介して新鮮な油と入れ替えられるので、油の劣化を防止することができる。
【0095】
この場合、回生エネルギーとして回生電流を発生させる。そして、回生電流は、二次電池に蓄電することによって、後で利用することが可能であり、電線を介して離れた場所にも供給することが可能である等非常に利用しやすいエネルギーである。したがって、回生エネルギーの利用効率が高い。
【0096】
また、電動モータである前記回生機能付電動モータは回転数を制御できるので、前記ポンプが固定容量ポンプであっても、回転数を制御することによって、吐出する油の量を制御することができる。
【0097】
さらに、前記ポンプが、固定容量ポンプであると、固定容量ポンプは可変容量ポンプよりも構造が単純であるので、コストが低く、故障が少なく、維持が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における油圧閉回路の構成を示す回路図である。
【図2】従来の油圧閉回路の構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における油圧閉回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
10 油圧閉回路
11 油圧シリンダ装置
11c ピストン
11d ロッド
22 回生機能付ポンプ駆動源
23 油タンク
29 回生機能付電動モータ
Claims (1)
- (a)ピストンと、該ピストンの両側の油圧室とを備える油圧シリンダ装置と、
(b)油タンクと、
(c)駆動軸と2つの吐出口とを備え、前記駆動軸が互いに接続された複数の2方向形のポンプと、
(d)前記駆動軸が接続された回生機能付ポンプ駆動源と、
(e)該回生機能付ポンプ駆動源と異なる駆動源によって駆動されるチャージポンプとを有する油圧閉回路であって、
(f)前記複数の2方向形のポンプの中のいずれかの2方向形のポンプにおいては、前記吐出口の両方が前記油圧室の両方にそれぞれ連結され、
(g)前記複数の2方向形のポンプの中の他の2方向形のポンプにおいては、前記吐出口の一方が前記油圧室の一方に連結され、前記吐出口の他方が前記油タンクに連結され、前記他の2方向形のポンプは、前記油圧閉回路内の油を前記油タンクに排出するとともに前記油圧閉回路内に前記油タンクの油を供給することにより、前記油圧閉回路内の油量を補償し、
(h)前記油圧シリンダ装置はシングルロッド型であり、ロッド側の油圧室と、ロッドと反対側の油圧室とを備え、
(i)前記他の2方向形のポンプにおける前記吐出口の一方が連結されている油圧室は、前記ロッドと反対側の油圧室であり、
(j)前記回生機能付ポンプ駆動源は回生機能付電動モータであり、
(k)前記チャージポンプは、油圧閉回路内の油圧が規定範囲以下となると作動して前記油タンク内の油を油圧閉回路に補給することにより、前記油圧閉回路内の油圧を補償することを特徴とする油圧閉回路。
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