JP6122687B2 - ポリビニルアルコール溶液、ポリビニルアルコール溶液の製造方法、ポリビニルアルコールフィルムの製造方法及び積層フィルムの製造方法 - Google Patents
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本発明に係るポリビニルアルコール(以下、PVAと記載することがある)溶液は、PVAフィルムを得るために用いられる。該PVAフィルムは、光学フィルムを形成するために好適に用いられる。
上記PVAは、従来公知の方法に従って、ビニルエステルを重合してポリマーを得た後、ポリマーをけん化、すなわち加水分解することにより得られる。けん化には、一般に、アルカリ又は酸が用いられる。けん化には、アルカリを用いることが好ましい。上記PVAは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記PVA溶液は、溶剤である水を含む。上記PVAは、主として、上記水中に溶解されている。
上記PVA溶液は、防腐剤を含むことが好ましい。上記防腐剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記PVA溶液は、界面活性剤を含んでいてもよい。該界面活性剤は、PVA溶液に消泡効果を付与する。このため、界面活性剤の使用により、気泡痕がより一層抑えられた良好なPVAフィルムが得られる。上記界面活性剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明に係るPVAフィルムは、上述したPVA溶液を、溶存酸素量が6mg/L以下である状態で、フィルム化することで得られる。すなわち、上記PVAフィルムを得る際には、上記PVA溶液の溶存酸素量が6mg/L以下であり、上記PVA溶液が気泡を含まないか、又は気泡を含みかつ気泡径の最大値が20μm未満である状態で、フィルム化が開始される。本発明に係るPVAフィルムは、包装用フィルム又は延伸加工用フィルムを得るために好適に用いられる。
PVA(重合度2500、けん化度98.5モル%、セキスイスペシャリティケミカルズ社製「CELVOL C350」)100重量部と、水1150重量部、防腐剤であるイソチアゾロン化合物(三愛石油社製「サンアイバック IT−20P」)1.25重量部とを配合して、95℃で90分加熱して、PVAを8重量%で含むPVA溶液(溶存酸素及び気泡の除去前)を得た。
実施例1で得られたPVA溶液(溶存酸素及び気泡の除去前)を用いて、溶存酸素量が下記の表1に示す値となるように、膜脱気法により溶存酸素を除去したこと以外は実施例1と同様にして、PVA溶液(溶存酸素及び気泡の除去後)を得た。得られたPVA溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
実施例1で得られたPVA溶液(溶存酸素及び気泡の除去前)200gが入ったボトルをアクリル小型真空容器(アズワン社製)に入れて、減圧法により、PVA溶液の溶存酸素量が1.5mg/Lになるまで溶存酸素を除去したこと以外は実施例1と同様にして、PVA溶液(溶存酸素及び気泡の除去後)を得た。得られたPVA溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
実施例1で得られたPVA溶液(溶存酸素及び気泡の除去前)を用いて、溶存酸素量が7.4mg/Lになるまで、膜脱気法により溶存酸素を除去したこと以外は実施例1と同様にして、PVA溶液(溶存酸素及び気泡の除去後)を得た。得られたPVA溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
実施例1で得られたPVA溶液(溶存酸素及び気泡の除去前)を用いて、窒素ガスにてガス吹き込み法により、溶存酸素量が2.3mg/Lになるまで溶存酸素を除去したこと以外は実施例1と同様にして、PVA溶液(溶存酸素及び気泡の除去後)を得た。得られたPVA溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(1)PVA溶液における残存している気泡の数及び気泡径の最大値の評価
得られたPVA溶液約1ccをプレパラートに載せ、レーザー顕微鏡(キーエンス社製「VK−8710」)にて約1ccのPVA溶液中の気泡数及び気泡径を観察した。気泡径が20μm未満である気泡の個数と、気泡径が20μm以上である気泡の数とを数えた。また、PVA溶液中に含まれる気泡における気泡径の最大値を評価した。
得られたPVAフィルム(厚さ12μm)を、縦0.2m×横0.4mの大きさに裁断した。裁断されたPVAフィルム10枚を、レーザー顕微鏡(キーエンス社製「VK−8710」)にて観察した。直径が1〜100μmの気泡痕の個数を数え、個数の平均値を平米換算した。気泡痕の数を下記の基準で判定した。
○○:気泡痕の数が150個/m2以下
○:気泡痕の数が150個/m2を超え、300個/m2未満
×:気泡痕の数が300個/m2以上
Claims (7)
- 包装用フィルム又は延伸加工用フィルムを形成するためのポリビニルアルコールフィルムを得るために用いられるポリビニルアルコール溶液であって、
ポリビニルアルコールと水とを含み、
前記ポリビニルアルコール溶液100重量%中、前記ポリビニルアルコールを13重量%以下で含み、
溶存酸素量が6mg/L以下であり、
気泡を含まないか、又は気泡を含みかつ気泡径の最大値が20μm未満である、ポリビニルアルコール溶液。 - 防腐剤をさらに含む、請求項1に記載のポリビニルアルコール溶液。
- 包装用フィルム又は延伸加工用フィルムを形成するためのポリビニルアルコールフィルムを得るために用いられるポリビニルアルコール溶液の製造方法であって、
ポリビニルアルコールと水とを配合した後、脱気法により溶存酸素及び気泡を除去することにより、ポリビニルアルコールと水とを含み、前記ポリビニルアルコール溶液100重量%中、前記ポリビニルアルコールを13重量%以下で含み、溶存酸素量が6mg/L以下であり、気泡を含まないか、又は気泡を含みかつ気泡径の最大値が20μm未満であるポリビニルアルコール溶液を得る、ポリビニルアルコール溶液の製造方法。 - 膜脱気法又は減圧法により溶存酸素を除去する、請求項3に記載のポリビニルアルコール溶液の製造方法。
- 防腐剤をさらに配合して、防腐剤をさらに含むポリビニルアルコール溶液を得る、請求項3又は4に記載のポリビニルアルコール溶液の製造方法。
- 請求項1又は2に記載のポリビニルアルコール溶液を、流延し、乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムを得る、ポリビニルアルコールフィルムの製造方法。
- 支持部材上に、請求項1又は2に記載のポリビニルアルコール溶液を、流延し、乾燥して、前記支持部材上に積層されたポリビニルアルコールフィルムを得る、積層フィルムの製造方法。
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