JP7240422B2 - 水溶性フィルムおよび包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、各種薬剤の包装等に好適に使用される、水溶性ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶性フィルム、およびそれを用いた包装体に関する。
従来から、水溶性フィルムは、洗剤や農薬といった各種薬剤や種子等を内包する包装体などの用途に幅広く使用されており、その簡便性より需要は拡大している。
かかる用途に使用する水溶性フィルムとしては、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と称することがある)を主成分とするPVAフィルムが広く用いられている。この水溶性フィルムの各種物性を改善するため、様々な技術が提案されている。例えば可塑剤等の各種添加剤を配合したり、変性PVAを用いたりすることによって、水溶性を高めた水溶性フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-078166号公報
特許文献1に開示されている水溶性フィルムは、可塑剤等の添加量を調整することや、変性PVAを用いたりすることにより、その結晶化度を低下させ、水溶性を高めている。
一方、近年需要が拡大している液体洗剤等の包装用PVAフィルム用途において、液体洗剤等は親水性の界面活性剤等を含むため、PVAフィルムが膨潤して機械的強度が低下し、液体洗剤等を包装したパウチなどが保管・輸送中に変形したり、最悪の場合は破袋したりするおそれがある。この問題を解決するために、可塑剤量を減らしたり、PVAのけん化度を高くしたりすることによりフィルム中のPVAの結晶性を高め、機械的強度を確保することは可能であるが、その方法では水溶性が低下してしまうという問題がある。またPVAフィルムの膨潤を抑制するため、液体洗剤等が接触する表面のみに防護層をコートすることが解決策の一つとして考えられるが、フィルムの製造コストが大きく上昇してしまう。
本発明は、水溶性フィルムの優れた水溶性は維持しつつ、液体洗剤等を包装しても良好な機械的強度を維持し得る水溶性フィルム、およびそれを用いた包装体を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶性フィルムの両方の表面の結晶度指数をそれぞれ特定範囲に調整し、かつ液体洗剤等に接触する一方の表面の結晶度指数を適切に選択することにより、上記課題が達成し得ることを見出し、当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]から[]に関する。
[1] ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶性フィルムであって、
当該水溶性フィルムの2つの表面のそれぞれに対してダイアモンドプリズムを用いたATR法によるFT-IR測定を行った際に、第1の表面において算出される結晶度指数をFd1とし、前記第1の表面と対向する第2の表面において算出される結晶度指数をFd2としたとき、
前記Fd1およびFd2が、以下の式を満足し、
0.22 ≦ Fd1 ≦ 0.72、
0.2 ≦ Fd2 ≦ 0.65 (1)
1.6 ≧ Fd1/Fd2 ≧ 1.1 (2)
前記第1の表面に対してゲルマニウムプリズムを用いた前記ATR法によるFT-IR測定を行った際に算出される結晶度指数をFg1としたとき、
前記Fd1およびFg1が、以下の式を満足する、水溶性フィルム。
Fg1/Fd1 ≧ 1.05 (4)
[2] 前記第2の表面に対してゲルマニウムプリズムを用いた前記ATR法によるFT-IR測定を行った際に、算出される結晶度指数をFg2としたとき、
前記Fg1およびFg2が、以下の式を満足する、上記[1]に記載の水溶性フィルム。
Fg1/Fg2 ≧ 1.1 (3)
] 上記[1]または[2]に記載の水溶性フィルムで構成された包材と、該包材に内包された薬剤と、を含む、包装体。
] 前記包材が、前記水溶性フィルムの前記第1の表面が前記薬剤と接するように構成されている、上記[]に記載の包装体。
] 前記薬剤が、農薬、洗剤または殺菌剤である、上記[3]または[4]に記載の包装体。
[6] 前記薬剤が、液体状である、上記[3]~[5]のいずれか1つに記載の包装体。
本発明によれば、水溶性フィルムの優れた水溶性は維持しつつ、液体洗剤等を包装しても良好な機械的強度を維持し得る水溶性フィルム、およびそれを用いた包装体を提供することができる。
フィルムの赤外線吸収スペクトルの1例を示した図である。 赤外線吸収スペクトル測定におけるATR法を模式的に示した図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
<FT-IR>
本発明の水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA)を含有する。その水溶性フィルムの赤外線吸収スペクトルを測定すると、通常1140cm-1に吸収ピークが観察される。このピークは一般にPVAの結晶化バンドと言われており、炭素結合(C-C)の伸縮振動由来のピークの一つである。このピークはPVAフィルム中のポリマー分子鎖が結晶化するなどして、振動の位相がそろうと強調されて観測されることが知られている。PVAフィルムの結晶化度が高くなるほどこのピーク強度が相対的に高くなる。
本発明においては、この1140cm-1の吸収ピーク強度と、結晶化度に依存しないとされているPVA主鎖であるメチレン(-CH-)の変角振動に由来する1425cm-1 に観察される吸収ピーク強度との強度比を算出することで、フィルムの結晶度指数を得ることができる。
具体的には、1140cm-1および1425cm-1における赤外線吸収スペクトルのベースラインを図1に示すように引き、ベースラインから1140cm-1および1425cm-1のピークトップまでの高さをそれぞれの吸収ピーク強度として、1140cm-1の吸収ピーク強度を1425cm-1の吸収ピーク強度で除した値を、結晶度指数とする。
こうして得られた結晶度指数の値は、PVAフィルムの結晶化度に比例することは良く知られている(例えば、N.A. Peppas, Macromol. Chem., 178巻595(1977)、特開平6-138321号公報)。この結晶度指数の値はフィルムの吸湿量によって多少変動するため、本発明においては、温度:24.0℃、相対湿度:45.0%RHの環境下でフィルムを24時間保管後、この環境下でFT-IR(フーリエ変換赤外分光器)測定を行った。
本発明においてFT-IR測定は、ATR法(全反射吸収測定法)により行われる。図2に示すようにATR法とはATRプリズムと呼ばれる対物レンズにフィルムを密着させて、ATRプリズム内よりフィルムへ斜めに赤外光を照射して、その反射光のスペクトルを測定する反射型のIR分析法の一種である。通常の反射型のIR分析法よりもノイズの少ないシャープなスペクトルが得られるという特徴を有する。この測定法において、赤外光はフィルムの表面のみで反射されるのではなく、プリズム側から僅かにフィルム側へ潜り込んだ赤外光も反射されるため、フィルム表面および表層の情報を得る事が可能である。この赤外光の潜り込み深さをdとすると、その値は以下の式で示される。
d= λ/2Πn × 1/{sinθ-(n/n0.5 (5)
ここで、nはプリズムの屈折率、nはフィルムの屈折率、λは赤外線の波長、θは赤外光の入射角を表す。この式から明らかなように、屈折率が異なるプリズムを使用すれば潜り込み深さが異なる反射の赤外吸収スペクトルを得ることが可能である。
本発明においては図2に示すようにプリズムとして、nが2.4であるダイアモンドとn1が4.0であるゲルマニウムが使用される。これらのプリズムを用いた場合の、入射角45°、波数1140cm-1におけるフィルム表層への赤外光潜り込み深さを計算すると、PVAの屈折率が1.5であることから、ダイアモンドプリズムの場合は約2μm、ゲルマニウムプリズムの場合は約0.5μmとなる。すなわち、ダイアモンドプリズムを用いた場合の結晶度指数はフィルムの比較的深い内部までの結晶化度に対応するのに対し、ゲルマニウムプリズムを用いた場合の結晶度指数はフィルムの表面近く、極表層部の結晶化度に対応する。
本発明の水溶性フィルム(以下「PVAフィルム」と称することがある)は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する。PVAフィルムの両面をFT-IRにより分析して算出される結晶度指数が、特定の式を満足することが重要である。すなわち、PVAフィルムの2つの表面のそれぞれに対してダイアモンドプリズムを用いたATR法によるFT-IR測定を行った際に、一方の表面(「第1の表面」とも称する)において算出される結晶度指数をFd1とし、一方の表面と対向する他方の表面(「第2の表面」ともいう)において算出される結晶度指数をFd2としたとき、それらが以下の式を満足する。
0.22 ≦ Fd1 ≦ 0.72、
0.2 ≦ Fd2 ≦ 0.65 (1)
Fd1/Fd2 ≧ 1.1 (2)
Fd1が0.72を超える場合、あるいはFd2が0.65を超える場合、PVAフィルムの水溶性が十分ではない。Fd1は好適には0.65以下、より好適には0.58以下、さらに好適には0.52以下、特に好適には0.47以下である。Fd2は好適には0.6以下、より好適には0.55以下、さらに好適には0.5以下、特に好適には0.45以下である。
また、Fd1が0.22未満の場合、あるいはFd2が0.2未満の場合、フィルムの十分な機械的強度が得られない。Fd1は好ましくは0.27以上、より好ましくは0.31以上、さらに好ましくは0.36以上である。Fd2は好ましくは0.25以上、より好ましくは0.30以上、さらに好ましくは0.35以上である。
加えて、本発明において、Fd1はFd2より大きい。具体的には、Fd1とFd2の比、すなわちFd1/Fd2 が1.1以上であることが重要である。Fd1/Fd2が1.1未満である場合、優れた水溶性と、液体洗剤等を包装したときの良好な機械的強度の両立が困難になる。Fd1/Fd2は、好ましくは1.15以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.25以上、特に好ましくは1.3以上、最も好ましくは1.5以上である。
一方、Fd1/Fd2の上限は必ずしも限定されないが、この比が大きすぎる場合、すなわちPVAフィルム両面それぞれの結晶度指数の差が大きすぎる場合、フィルムが吸湿した際に生じるカールが大きくなりすぎて、フィルムのハンドリングが困難になるおそれがある。また、PVAフィルムの片面は溶解しているのに別の片面の面は溶解していない等、溶け残りを生じやすくなるため、1.60以下であることが好ましく、1.50以下であることがより好ましく、1.40以下であることが更に好ましく、1.35以下であることが特に好ましく、1.30以下であることが最も好ましい。
本発明において、PVAフィルムの2つの表面のそれぞれに対してゲルマニウムプリズムを用いたATR法によるFT-IR測定を行った際に、一方の表面において算出される結晶度指数をFg1とし、他方の表面において算出される結晶度指数をFg2としたとき、Fg1およびFg2が、優れた水溶性と、液体洗剤等を包装したときの良好な機械的強度の両立の観点で以下の式を満たすことが好ましい。
Fg1/Fg2 ≧ 1.1 (3)
Fg1/Fg2が1.1未満である場合、優れた水溶性と、液体洗剤等を包装したときの良好な機械的強度の両立が困難になることがある。Fg1/Fg2は、好ましくは1.15以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.25以上、特に好ましくは1.3以上、最も好ましくは1.5以上である。
本発明において、Fg1/Fd1の下限値は必ずしも限定されないが、良好な機械的強度の観点で下の式(4)を満たすことが好ましい。
Fg1/Fd1 ≧ 1.05 (4)
Fg1/Fd1が1.05より大きい、すなわちPVAフィルムの極表層の結晶度指数が高いことにより、液体洗剤等が直接接触するPVAフィルムの面はより膨潤しにくくなり、良好な機械的強度を維持しやすい。
Fg1/Fd1は、1.1以上であることがより好ましく、1.15以上であることが更に好ましく、1.2以上であることが特に好ましく、1.25以上であることが最も好ましい。一方、Fg1/Fd1の上限は必ずしも限定されないが、大きすぎると溶け残りを生じやすくなるため、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.45以下であり、更に好ましくは1.4以下であり、特に好ましくは1.35以下である。
本発明では、水溶性PVAフィルムの一方の表面、および他方の表面の結晶度指数を上記範囲にコントロールすることが重要である。PVAフィルムの結晶構造は、フィルムの組成や製造工程における様々な要因により影響を受けることから、結晶度指数の制御方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂の種類(けん化度、変性量、未変性PVA/変性PVAのブレンド比等)を調整する方法、可塑剤の添加量を調整する方法、フィルム製造条件(ロール支持体の表面温度 、熱処理条件等)を調整する方法、またはこれらの組み合わせで調整する方法が挙げられ、特にフィルムの両面に異なる熱履歴を与えることが重要である。
<ポリビニルアルコール系樹脂>
本発明の水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA)を含有する。
PVAとしては、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるビニルエステル系重合体をけん化することにより製造された重合体を使用することができる。
ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等を挙げることができる。これらの中でも、ビニルエステル系モノマーとしては、酢酸ビニルが好ましい。
ビニルエステル系重合体は、単量体として1種または2種以上のビニルエステル系モノマーのみを用いて得られた重合体が好ましく、単量体として1種のビニルエステル系モノマーのみを用いて得られた重合体がより好ましい。なお、ビニルエステル系重合体は、1種または2種以上のビニルエステル系モノマーと、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。
この他のモノマーとしては、例えば、エチレン;プロピレン、1-ブテン、イソブテン等の炭素数3~30のオレフィン;アクリル酸またはその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸i-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸i-ブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸2-エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸またはその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸i-プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸i-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸2-エチルへキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N-メチロールアクリルアミドまたはその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N-メチロールメタクリルアミドまたはその誘導体等のメタクリルアミド誘導体;N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン等のN-ビニルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、i-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、i-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;イタコン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等が挙げられる。
なお、ビニルエステル系重合体は、ビニルエステル系重合体に占める他のモノマーのうちの1種または2種以上に由来する構造単位を有することができる。
一般にPVAの結晶化は、これらの他のモノマーに由来する構造単位の割合が高くなるほど進行しにくくなる傾向がある。よって、これらの他のモノマーを適度に共重合させることにより、PVAフィルムの結晶度指数の調整が可能である。
ビニルエステル系重合体に占める他のモノマーに由来する構造単位の割合は必ずしも限定されないが、 ビニルエステル系重合体を構成する全構造単位のモル数に基づいて、15モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい。
一般にPVAの結晶化は、重合度が高いほど進行しにくい傾向にある。よって、本発明においては、PVAの重合度は特に制限されないが、下記範囲が好ましい。すなわち、重合度の下限は、過度の結晶化の抑制、およびPVAフィルムの十分な機械的強度を確保する観点から、200以上が好ましく、300以上がより好ましく、500以上がさらに好ましい。一方、重合度の上限は、適度な結晶化の進行、およびPVAの生産性やPVAフィルムの生産性等を高める観点から、8,000以下が好ましく、5,000以下がより好ましく、3,000以下がさらに好ましい。
ここで、重合度とは、JIS K 6726-1994の記載に準じて測定される平均重合度を意味する。本明細書において、重合度は、PVAを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から、次の式(6)により求められる。
重合度Po = ([η]×10/8.29)(1/0.62) (6)
一般にPVAの結晶化は、ケン化度が高いほど進行しやすい傾向にある。よって、本発明においてPVAのけん化度は必ずしも限定されないが、64~95モル%が好ましい。かかる範囲にPVAのけん化度を調整することにより、PVAフィルムの結晶化を適度に進行させ、良好な水溶性とフィルム間の膠着の抑制とを両立し易い。 けん化度の下限は、70モル%以上がより好ましく、75モル%以上がさらに好ましい。一方、けん化度の上限は、94モル%以下がより好ましく、93モル%以下がさらに好ましい。
ここで、PVAのけん化度は、けん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位(典型的にはビニルエステル系モノマー単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して、ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)をいう。
PVAのけん化度は、JIS K 6726-1994の記載に準じて測定することができる。
PVAフィルムは、1種類のPVAを単独で含有してもよいし、重合度、けん化度および変性度等が互いに異なる2種以上のPVAを含有してもよい。
PVAフィルムにおけるPVAの含有量の上限は、100質量%以下が好ましい。一方、PVAの含有量の下限は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。
<可塑剤>
可塑剤を含まないPVAフィルムは一般的に硬いフィルムであることから、フィルムの製膜や二次加工において破断などの問題を生じ易い。またフィルムの手触り等にも劣るため、PVAフィルムは可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤を含むことにより、PVAフィルムに、他のプラスチックフィルムと同等の柔軟性を付与することができる。
可塑剤としては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ソルビトール等の多価アルコール等が挙げられる。これらの可塑剤は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、PVAフィルムの表面へブリードアウトし難い等の理由から、可塑剤としては、エチレングリコールまたはグリセリンが好ましく、グリセリンがより好ましい。
一般に、PVAへの適度な量の可塑剤の添加は、結晶化を促進させる。これは、可塑剤の添加によりPVAの分子が動き易くなり、エネルギー的により安定な結晶あるいは拘束非晶の構造をとり易くなるためであると推定される。一方、過剰の可塑剤を含有するPVAフィルムでは、結晶化の進行が阻害される傾向を示す。これは、PVAの分子が有する水酸基と相互作用する可塑剤の量が多くなり、PVAの分子同士の間における相互作用が弱まるためであると推定される。
PVAフィルムにおける可塑剤の含有量の下限は、PVA100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。一方、可塑剤の含有量の上限は、PVA100質量部に対して、70質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましい。可塑剤の含有量が上記範囲であると、PVAフィルムの結晶度指数の制御が容易になり、加えて衝撃強度等の機械的特性の改善効果を十分に得ることができる。また、PVAフィルムが柔軟になり過ぎて取り扱い性が低下したり、表面へのブリードアウト等の問題を生じたりするのを好適に防止または抑制することができる。
<澱粉/水溶性高分子>
PVAフィルムは、澱粉および/またはPVA以外の水溶性高分子を含有してもよい。澱粉および/またはPVA以外の水溶性高分子を含むことにより、PVAフィルムに機械的強度を付与したり、取り扱い時におけるPVAフィルムの耐湿性を向上させたり、あるいは溶解時における水の吸収によるPVAフィルムの柔軟化の速度を調節したりすること等ができる。
澱粉としては、例えば、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、コメ澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉等の天然澱粉類;エーテル化加工、エステル化加工、酸化加工等が施された加工澱粉類等が挙げられるが、特に加工澱粉類が好ましい。
PVAフィルム中の澱粉の含有量は、PVA100質量部に対して、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。澱粉の含有量が上記範囲であると、PVAフィルムの工程通過性が悪化するのを防止または抑制することができる。
PVA以外の水溶性高分子としては、例えば、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、シェラック、アラビアゴム、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸の共重合体、ポリビニルピロリドン、セルロース、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
PVAフィルム中のPVA以外の水溶性高分子の含有量は、PVA100質量部に対して、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。PVA以外の水溶性高分子の含有量が上記範囲であると、PVAフィルムの水溶性を十分に高めることができる。
<界面活性剤>
PVAフィルムは、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を含むことにより、PVAフィルムの取り扱い性や、製造時におけるPVAフィルムの製膜装置からの剥離性を向上させることができる。
界面活性剤としては、特に制限されず、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等を用いることができる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸カリウム等のカルボン酸型界面活性剤;オクチルサルフェート等の硫酸エステル型界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホネート等のスルホン酸型界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル型界面活性剤;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル型界面活性剤;ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等のアルキルアミン型界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド等のアルキルアミド型界面活性剤;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル等のポリプロピレングリコールエーテル型界面活性剤;ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型界面活性剤;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル等のアリルフェニルエーテル型界面活性剤等が挙げられる。
このような界面活性剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。界面活性剤としては、PVAフィルムの製膜時における表面異常の低減効果に優れること等から、ノニオン系界面活性剤が好ましく、アルカノールアミド型界面活性剤がより好ましく、脂肪族カルボン酸(例えば、炭素数8~30の飽和または不飽和脂肪族カルボン酸等)のジアルカノールアミド(例えば、ジエタノールアミド等)がさらに好ましい。
PVAフィルムにおける界面活性剤の含有量の下限は、PVA100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.02質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上がさらに好ましい。一方、界面活性剤の含有量の上限は、PVA100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下がさらに好ましく、0.3質量部以下が特に好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲であると、製造時におけるPVAフィルムの製膜装置からの剥離性が良好になるとともに、PVAフィルム間での膠着(以下「ブロッキング」と称することもある)の発生等の問題が生じ難くなる。また、PVAフィルムの表面への界面活性剤のブリードアウトや、界面活性剤の凝集によるPVAフィルムの外観の悪化等の問題も生じ難い。
<その他の成分>
PVAフィルムは、可塑剤、澱粉、PVA以外の水溶性高分子、界面活性剤以外に、水分、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、架橋剤、着色剤、充填剤、防腐剤、防黴剤、他の高分子化合物等の成分を、本発明の効果を妨げない範囲で含有してもよい。
PVA、可塑剤、澱粉、PVA以外の水溶性高分子および界面活性剤の質量の合計値がPVAフィルムの全質量に占める割合は、60~100質量%が好ましく、80~100質量%がより好ましく、90~100質量%がさらに好ましい。
<水溶性フィルム>
PVAフィルムは、10℃の脱イオン水に浸漬した浸漬したときの完溶時間が、特に制限されないが、下記範囲が好ましい。すなわち、完溶時間の上限は、150秒以内が好ましく、90秒以内がより好ましく、60秒以内がさらに好ましく、45秒以内が特に好ましい。完溶時間の上限が上記範囲のPVAフィルムは、比較的早期に溶解が完了するため、薬剤等の包装用(包材用)フィルムとして好適に使用することができる。一方、完溶時間の下限は、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、15秒以上がさらに好ましく、20秒以上が特に好ましい。完溶時間の下限が上記範囲のPVAフィルムは、雰囲気中の水分の吸収によるPVAフィルム同士の間でのブロッキングの発生や、機械的強度の低下等の問題が生じ難くなる。
PVAフィルムを10℃の脱イオン水に浸漬したときの完溶時間は、以下のようにして測定することができる。
<1> PVAフィルムを20℃-65%RHに調整した恒温恒湿器内に、16時間以上置いて調湿する。
<2> 調湿したPVAフィルムから、長さ40mm×幅35mm の長方形のサンプルを切り出した後、長さ35mm×幅23mmの長方形の窓(穴)が開口した50mm×50mmのプラスチック板2枚の間に、サンプルの長さ方向が窓の長さ方向に平行でかつサンプルが窓の幅方向のほぼ中央に位置するように挟み込んで固定する。
<3> 500mLのビーカーに300mLの脱イオン水を入れ、回転数280rpmで3cm長のバーを備えたマグネティックスターラーで攪拌しつつ、水温を10℃に調整する。
<4> 上記<2>においてプラスチック板に固定したサンプルを、回転するマグネティックスターラーのバーに接触させないように注意しながら、ビーカー内の脱イオン水に浸漬する。
<5> 脱イオン水に浸漬してから、脱イオン水中に分散したサンプル片が完全に消失するまでの時間(秒)を測定する。
PVAフィルムの厚みは、特に制限されないが、下記範囲が好ましい。すなわち、厚みの上限は、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましく、50μm以下が特に好ましい。一方、厚みの下限は、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、15μm以上がさらに好ましく、20μm以上が特に好ましい。上記範囲の厚みは大き過ぎないため、PVAフィルムの二次加工性が悪化するのを好適に防止することができる一方、小さ過ぎもしないため、PVAフィルムに十分な機械的強度を確保することができる。
なお、PVAフィルムの厚みは、任意の10箇所(例えば、PVAフィルムの長さ方向に引いた直線上にある任意の10箇所)の厚みを測定し、それらの平均値として求めることができる。
<水溶性フィルムの製造方法>
本発明の水溶性フィルム(PVAフィルム)の製造方法は、特に制限されず、例えば、次のような任意の方法を使用することができる。
かかる方法としては、PVAに溶媒、添加剤等を加えて均一化させた製膜原液を、流延製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中への吐出)、乾湿式製膜法、ゲル製膜法(製膜原液を一旦冷却ゲル化した後、溶媒を抽出除去する方法)、あるいはこれらの組み合わせにより製膜する方法や、押出機等を使用して得られた製膜原液をTダイ等から押出すことにより製膜する溶融押出製膜法やインフレーション成形法等が挙げられる。これらの中でも、PVAフィルムの製造方法としては、流延製膜法および溶融押出製膜法が好ましい。これらの方法を用いれば、均質なPVAフィルムを生産性よく得ることができる。
以下、PVAフィルムを流延製膜法または溶融押出製膜法を用いて製造する場合について説明する。
PVAフィルムを流延製膜法または溶融押出製膜法を用いて製造する場合、まず、PVAと、溶媒と、必要に応じて可塑剤等の添加剤とを含有する製膜原液を用意する。なお、製膜原液が添加剤を含有する場合、製膜原液における添加剤のPVAに対する比率は、前述したPVAフィルムにおける添加剤のPVAに対する比率と実質的に等しい。
次に、製膜原液を、金属ロールや金属ベルト等の回転する支持体上へ膜状に流涎(供給)する。これにより、支持体上に製膜原液の液状被膜を形成する。液状被膜は、支持体上で加熱されて溶媒が除去されることにより、固化してフィルム化する。液状被膜を加熱する方法は、支持体そのものを熱媒等で高温化する方法や、液状被膜の支持体に接触している面の反対面に熱風を吹き付ける方法などが例示される。
固化した長尺のフィルム(PVAフィルム)は、支持体より剥離されて、必要に応じて乾燥ロール、乾燥炉等により乾燥されて、さらに必要に応じて熱処理されて、ロール状に巻き取られる。
支持体上に流涎された液状被膜の乾燥工程(溶媒除去工程)、その後のPVAフィルムの乾燥工程で、PVAは加熱される間に結晶化が進む。この時の結晶化の速度は、前記の他のモノマーに由来する構造単位の割合、重合度、けん化度、および可塑剤の含有量以外に、PVA中の水分率、温度、およびドロー(流れ方向の引張伸度)の影響を受ける。ドローについては、PVA分子鎖の引張による配向結晶化の影響と推定される。
通常、PVAフィルムの乾燥は、支持体や乾燥ロール等に接触していない、解放されたフィルム表面から揮発分が揮発していくことにより進行する。従って、乾燥途中の工程では、フィルムの厚み方向に水分などの揮発分の濃度分布が生じるため、その時々の温度、ドローの条件により、厚み方向に結晶度指数の分布が生じる。この結晶度指数の分布は、支持体温度、支持体との接触時間、熱風温度および量、乾燥ロールおよび乾燥炉温度等により調整することができる。
よって、上記の各要因を適切に調整することにより、本発明の水溶性PVAフィルムを得ることができる。
上記製膜原液の揮発分率(製膜時等に揮発や蒸発によって除去される溶媒等の揮発性成分の濃度)は、50~90質量%が好ましく、55~80質量%がより好ましい。揮発分率が上記範囲であると、製膜原液の粘度を好適な範囲に調整することができるので、PVAフィルム(液状被膜)の製膜性が向上するとともに、均一な厚みを有するPVAフィルムを得易くなる。また、製膜原液の揮発分率が適切であるため、支持体上でのPVAの結晶化が適度に進行するため、結晶度指数とその分布を調整し易くなる。
ここで、本明細書における「製膜原液の揮発分率」とは、下記の式により求めた値をいう。
製膜原液の揮発分率(質量%)
={(Wa-Wb)/Wa}×100 (7)
式中、Waは、製膜原液の質量(g)を表し、Wbは、Wa(g)の製膜原液を105℃の電熱乾燥機中で16時間乾燥した後の質量(g)を表す。
製膜原液の調整方法としては、特に制限されず、例えば、PVAと、可塑剤、界面活性剤等の添加剤とを溶解タンク等で溶解させる方法や、一軸または二軸押出機を使用して含水状態のPVAを、可塑剤、界面活性剤等の添加剤と共に溶融混錬する方法等が挙げられる。
製膜原液は、一般にTダイなどのダイのダイリップを通過して、金属ロールや金属ベルトなどの支持体の上へ膜状に流涎される。前記のように、支持体の上では、流涎されたフィルム状の原液の支持体に接触していない面(以下、フリー面と称することがある。)から溶媒が揮発していき、一方、支持体に接触している面(以下、タッチ面と称することがある。)からは実質的に揮発しないため、フィルムの厚み方向に対し、フリー面側の溶媒濃度が低く、タッチ面側が高い、溶媒濃度の分布を生じる。よって、PVAの固化もフリー面側から先に進行する。
PVAの固化と並行してPVAの結晶化も進行する。PVAの結晶化は、溶媒濃度が高すぎても低すぎても進行しにくく、PVA分子の一次構造にもよるが、流涎されたPVAフィルム中の揮発分が20~60質量%の範囲にあるときに進行しやすい。また、結晶化の速度は温度が高いほど早くなるが、温度が高いほど溶媒の揮発速度も速くなるため、PVAフィルムのフリー面とタッチ面との間の結晶度指数の差を制御するには、支持体の温度、支持体との接触時間等に加え、フリー面近傍の雰囲気の温度、溶媒の蒸気圧などを制御することも重要である。
本発明のPVAフィルムは、フリー面とタッチ面との間に結晶度指数の差があるフィルムであることから、一例として、フリー面の揮発分率が低下する乾燥初期では乾燥温度を上げるなど急速に乾燥させる条件を採用することにより、結晶化が進行する前に表層部の水分率を下げると共に、タッチ面の結晶化を進行させるために支持体との接触時間を長くするなどして得ることができる。
こうすることで水溶性フィルムのタッチ面の結晶度指数を高く、フリー面の結晶度指数を低くというように制御することができる。
具体的には、製膜原液を流涎する支持体の表面温度は、70~130℃が好ましく、80~120℃がより好ましく、85~115℃がさらに好ましい。また、支持体との接触時間は、15~300秒が好ましく、20~240秒がより好ましく、25~180秒が更に好ましく、40~150秒が特に好ましい。
支持体の表面温度および支持体との接触時間が上記範囲であると、タッチ面およびフリー面の結晶化が適度な速度で進むことにより、本発明のPVAフィルムを得やすくなる。
支持体上で液状被膜を加熱すると同時に、液状被膜のフリー面側の全領域に、風速1~10m/秒の熱風を均一に吹き付けてもよい。フリー面側に吹き付ける熱風の温度は、60~160℃が好ましく、70~140℃がより好ましい。また、熱風の湿度は20~90%RHの範囲にあることが好ましく、30~80%RHの範囲にあることがより好ましく、40~80%RHの範囲にあることが更に好ましい。非接触面側に吹き付ける熱風の温度および湿度が上記範囲であると、本発明のPVAフィルムを得やすくなる。
PVAフィルムは、支持体上で好ましくは揮発分率5~50質量%にまで乾燥(溶媒除去)された後、支持体から剥離され、必要に応じてさらに乾燥される。
乾燥の方法としては、特に制限されず、乾燥炉に通過させる方法や、乾燥ロールに接触させる方法が挙げられる。
複数の乾燥ロールを用いてPVAフィルムを乾燥させる場合は、PVAフィルムの一方の表面と他方の表面とを交互に乾燥ロールに接触させることが好ましい。これにより、PVAフィルムの両面におけるPVAの結晶度指数の差を制御することができる。この場合、乾燥ロールの数は、3個以上が好ましく、4個以上がより好ましく、5~30個がさらに好ましい。
乾燥炉または乾燥ロールの温度は、30~100℃が好ましい。乾燥炉または乾燥ロールの温度の上限は、110℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましく、95℃以下が特に好ましい。一方、乾燥炉または乾燥ロールの温度の下限は、45℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。乾燥炉または乾燥ロールの温度が上記上限と下限の範囲内にすることにより、本発明の効果を有するPVAフィルムを得やすくなる。
乾燥後のPVAフィルムには、必要に応じてさらに熱処理を行うことができる。熱処理を行うことにより、PVAフィルムの機械的強度、水溶性等の特性を調整することができる。
熱処理の温度は、60~125℃が好ましい。熱処理温度の上限は、120℃以下がより好ましい。熱処理の温度が上記範囲を超えると、PVAの結晶化が施行しすぎて、本発明のPVAフィルムが得にくくなるおそれがある。
また一般に、PVAフィルムのフリー面側に加える熱量をタッチ面側に加える熱量より少なくすると、両者の結晶度指数の差が拡大する傾向にあり、それぞれの面に対する熱処理条件を適切に調整することも、本発明のフィルムを得るための方法の一つである。
このようにして製造されたPVAフィルムは、必要に応じて、さらに、調湿処理、フィルム両端部(耳部)のカット等を施した後、円筒状のコアの上にロール状に巻き取られ、防湿包装されて製品となる。
一連の処理によって最終的に得られるPVAフィルムの揮発分率は必ずしも限定されないが、1~5質量%が好ましく、2~4質量%がより好ましい。
<用途>
本発明の水溶性PVAフィルムは、機械的強度と水溶性のバランスに優れ、一般の水溶性フィルムが適用される各種のフィルム用途において、好適に使用することができるが、それらの中でも液体洗剤等の親水性の物質を含む薬剤の包装用フィルムに適用することが好ましい。
本発明の水溶性フィルムを親水性の物質を含む薬剤包装用フィルムに適用する場合、薬剤の種類としては、例えば、農薬、洗剤(漂白剤を含む)、殺菌剤等が挙げられる。薬剤の物性は、特に制限されず、酸性であっても、中性であっても、アルカリ性であってもよい。また、薬剤は、ホウ素含有化合物やハロゲン含有化合物を含有してもよい。
包装形態も特に制限はされないが、薬剤を単位量ずつ包装(好ましくは密封包装)するユニット包装の形態が好ましい。
本発明の水溶性フィルムを薬剤包装用フィルムに適用して薬剤を包装することにより、本発明の包装体が得られる。換言すれば、本発明の包装体は、本発明の水溶性フィルムで構成された包材(カプセル)と、この包材に内包された薬剤とを含む。
以下に本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、水溶性PVAフィルムの評価項目とその方法は、下記の通りである。
<PVAフィルムの完溶時間>
前記方法にて、PVAフィルムを10℃の脱イオン水に浸漬したときの完溶時間(秒)を測定した。
<FT-IR測定による結晶化指数の算出>
上述したように、結晶度指数の値はフィルムの吸湿量によって多少変動するため、本発明においては、温度:24.0℃、相対湿度:45.0%RHの環境下でフィルムを24時間保管し、同環境の部屋内に設置したFT-IRにて測定した。測定は、フィルム両面に対して、下記条件にて測定した。
測定装置:NICOLET is 10(Thermo Fisher社製)
測定条件:1回反射ATR法 入射角45°
分解能:4.0cm-1
積算回数:32回
測定温度:24.0℃(環境温度)
測定湿度:45.0%RH(環境相対湿度)
プリズム:ダイアモンドまたはゲルマニウム
PVAフィルム両面のIRスペクトラムをFT-IRにて測定し、前記の方法にて結晶化指数を算出した。
<輸送試験>
PVAフィルムから50×70mmのサンプルを2枚切り出し、フィルムの一方の表面同士、すなわち結晶度指数が高い面同士(Fd1およびFg1が測定された面)が内側になるようにそれらを重ねて、3辺を水シールしてパウチを作成した。得られたパウチに洗剤約35gを入れ、パウチの上部分(口部)を水シールして密閉し、包装体を作製した。なお、洗剤の組成は、モノエタノールアミン8質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸24質量%、オレイン酸20質量%、ラウリルアルコールエトキシレート24質量%、プロピレングリコール9質量%、ジエチレングリコール9質量%、水6質量%であった。
次に、得られた包装体100個を45Lのポリエチレン製袋に詰め、それをダンボール箱(320×335×325cm)に入れた。ポリエチレン製袋と段ボール箱との隙間には、緩衝材を詰めた。そして、包装体が入ったダンボール箱をトラックに積み、岡山県と東京都との間を30往復させる輸送試験を実施した。
輸送後の包装体を目視で観察し、破れた包装体および明瞭な変形が認められる包装体の合計数を調べた。
<実施例1>
まず、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られたPVA(けん化度88モル%、粘度平均重合度1700)100質量部、可塑剤としてグリセリン10質量部、界面活性剤としてラウリン酸ジエタノールアミド0.1質量部および水を配合して、製膜原液を調製した。なお、製膜原液の揮発分率は、68質量%であった。
次に、製膜原液をTダイから第1乾燥ロール(表面温度98℃)上に膜状に吐出して、第1乾燥ロール上に液状被膜を形成した。第1乾燥ロール上で、液状被膜の第1乾燥ロールとの非接触面の全体に、95℃の熱風を5m/秒の速度で吹き付けて乾燥した。これにより、PVAフィルムを得た。第1乾燥ロール上とPVAフィルムの接触時間は42秒であった。
次いで、乾燥したPVAフィルム(水分率が21質量%まで乾燥)を第1乾燥ロールから剥離して、PVAフィルムの一方の面と他方の面とを各乾燥ロールに交互に接触させて乾燥を行った後、表面温度が120℃の金属ロールにPVAフィルムのタッチ面のみを30秒接触させて熱処理した。得られたPVAフィルムを円筒状のコア上にロール状に巻き取った。なお、第2乾燥ロール以降のロールの表面温度は約65℃に設定した。また、得られたPVAフィルムは、厚み35μm、幅1200mmであった。
前記の方法により、得られたPVAフィルムの10℃での完溶時間を測定した。次いで、得られたPVAフィルムのIRスペクトラムをFT-IRにて測定し、結晶度指数を算出した。更に、得られたフィルムを用いて輸送試験を実施した。結果を表1に示す。
<実施例2>
製膜原液の調製に用いるPVAを、マレイン酸モノメチルエステル(MMM)変性PVA(けん化度90モル%、重合度1700、MMM変性量5モル%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムの10℃での完溶時間、結晶度指数を評価した。更に、得られたPVAフィルムを用いて輸送試験を実施した。結果を表1に示す。
<実施例3>
第1乾燥ロールの表面温度を80℃に、更に第2乾燥ロール以降のロールの表面温度を75℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムの10℃での完溶時間、結晶度指数を評価した。更に、得られたフィルムを用いて輸送試験を実施した。結果を表1に示す。
<実施例4>
製膜原液の調製に用いるPVAを、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(AMPS)変性PVA(けん化度88モル%、重合度1700、AMPS変性量2モル%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。 得られたPVAフィルムの10℃での完溶時間、結晶度指数を評価した。更に、得られたフィルムを用いて輸送試験を実施した。結果を表1に示す。
<比較例1>
第1乾燥ロールの表面温度を80℃に、第2乾燥ロール以降のロールの表面温度を75℃に変更し、更に乾燥後の熱処理を行わなかった以外は、実施例2と同様にして、PVAフィルムを得た。第1乾燥ロール上とPVAフィルムの接触時間は77秒であった。
得られたPVAフィルムの10℃での完溶時間、結晶度指数を評価した。更に、得られたフィルムを用いて輸送試験を実施した。結果を表1に示す。
<比較例2>
乾燥後の熱処理をタッチ面のみではなく、タッチ面とフリー面の両方に行い、かつ120℃の金属ロールへの接触時間を各60秒に変更した以外は、実施例2と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムの10℃での完溶時間、結晶度指数を評価した。得られたフィルムの溶解性が不良だったので、輸送試験は実施しなかった。結果を表1に示す。
<比較例3>
第1乾燥ロールおよび第2乾燥ロール以降のロールの表面温度を75℃に変更し、更に乾燥後の熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムの10℃での完溶時間、結晶度指数を評価した。更に、得られたフィルムを用いて輸送試験を実施した。結果を表1に示す。
得られた水溶性フィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 0007240422000001

Claims (6)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶性フィルムであって、
    当該水溶性フィルムの2つの表面のそれぞれに対してダイアモンドプリズムを用いたATR法によるFT-IR測定を行った際に、第1の表面において算出される結晶度指数をFd1とし、前記第1の表面と対向する第2の表面において算出される結晶度指数をFd2としたとき、
    前記Fd1およびFd2が、以下の式を満足し、
    0.22 ≦ Fd1 ≦ 0.72、
    0.2 ≦ Fd2 ≦ 0.65 (1)
    1.6 ≧ Fd1/Fd2 ≧ 1.1 (2)
    前記第1の表面に対してゲルマニウムプリズムを用いた前記ATR法によるFT-IR測定を行った際に算出される結晶度指数をFg1としたとき、
    前記Fd1およびFg1が、以下の式を満足する、水溶性フィルム。
    Fg1/Fd1 ≧ 1.05 (4)
  2. 前記第2の表面に対してゲルマニウムプリズムを用いた前記ATR法によるFT-IR測定を行った際に、算出される結晶度指数をFg2としたとき、
    前記Fg1およびFg2が、以下の式を満足する、請求項1に記載の水溶性フィルム。
    Fg1/Fg2 ≧ 1.1 (3)
  3. 請求項1または2に記載の水溶性フィルムで構成された包材と、該包材に内包された薬剤と、を含む、包装体。
  4. 前記包材が、前記水溶性フィルムの前記第1の表面が前記薬剤と接するように構成されている、請求項に記載の包装体。
  5. 前記薬剤が、農薬、洗剤または殺菌剤である、請求項3または4に記載の包装体。
  6. 前記薬剤が、液体状である、請求項3~5のいずれか1項に記載の包装体。
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