JP6122649B2 - 浅い接合を有する紫外線受光素子 - Google Patents

浅い接合を有する紫外線受光素子 Download PDF

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本発明は、浅いpn接合を有する受光素子に関するものであり、特に紫外線のような短波長の光に対する検出感度を向上させた受光素子に関する。
光照射により半導体基板中に発生した電子・正孔対がダイオードのpn接合部の空乏層に生じた電位ポテンシャルにより移動して光電流を生じる。光電流を利用したフォトダイオードは受光素子として、光検出センサ、撮像素子、フォトカプラーなど種々の用途に使用されている。また、デジタルビデオディスク(DVD)用の光ピックアップにも用いられ、光学記録媒体の需要増大に従い研究開発も活発に行なわれている。光学記録媒体の記録密度は、記録媒体に集光する光線のスポットサイズが小さくなるほど高くなるが、光線のスポットサイズは光の波長さの2乗に比例するので、より波長の短い光、特に紫外線に対する感度を高めることが要求されている。
しかし、シリコン基板に光が照射した場合、光はシリコン基板に吸収されるので、光のシリコン基板への侵入深さが深くなるに従い光の強度が指数関数的に小さくなる。特に波長の短い紫外線の場合、光の侵入深さが浅くなり、特にシリコン基板の表面およびその近傍で光が吸収される。紫外線照射によって半導体基板中に発生したキャリアは、逆バイアスされたpn接合部に移動していき光電流となるが、pn接合が深くなるとキャリアの拡散長が大きくなり途中で消滅してしまうので、pn接合を浅くした方が良く、0.4μm以下、好適には0.3μm以下が望ましい。また、シリコン基板表面およびその近傍において、表面準位が大きい場合や結晶欠陥等の欠陥が多い場合、その部分でキャリアが再結合してしまい、光電流が低下する。
フォトダイオードのpn接合を形成する方法として、固相拡散法とイオン注入法が用いられている。図5は固相拡散法の一例を示す図であり、N型基板111上に形成したシリコン酸化膜112に拡散層形成用の窓開け領域113を形成し、その上にP型不純物元素であるボロン(B)を高濃度に含むBSG(Boron Silicate Glass)膜114をCVD法やプリデポ法を用いて付着させる。その後で熱処理を行ないBSG膜からBを拡散してN型基板111中にP型拡散層115を形成する。BSG膜はその後除去し、窓開け領域113においてシリコン半導体表面が露出した部分に熱酸化法またはCVD法で絶縁膜(SiO2膜)を形成する。
図6は、従来のイオン注入により形成した不純物拡散層を形成する製造方法を示す図である。N型シリコン基板121の表面にN型エピタキシャル成長層122を形成した後、N型エピタキシャル成長層122上に第1の熱酸化膜123を成長させてp型拡散層形成用の窓開け領域124を形成し、露出したエピタキシャル層表面に第1の酸化膜123より薄い第2の酸化膜125を形成する。Bイオン注入において、厚い第1の酸化膜123はBイオンを通さないが、薄い第2の酸化膜125はBイオンを通すので、エピタキシャル層122の表面近傍にP型不純物であるBのイオン注入層126を形成する。次にイオン注入層の不純物活性化のために非酸化性雰囲気中で、950〜1000℃30分間の熱処理を行ない、p型拡散層127を形成する。(特許文献1)
特開平9−298308
図5に示す固相拡散法では、拡散や酸化等の熱処理を多用するため、1μm以下の浅いpn接合を形成することは困難である。また、比較的濃いP型層を露出した後に、再度酸化を行なう場合には、P型拡散層のシリコン表面において結晶欠陥等が発生する。あるいは、比較的濃いP型層を露出した後に、CVD法によりシリコン酸化膜(SiO2膜)を形成する場合は界面準位が大きくなる。これらの結晶欠陥等や界面準位は光照射により生じたキャリアの再結合サイトとなり、キャリアの消滅の原因となる。特に紫外線のような短波長領域の光線はシリコン半導体表面の影響を受けやすく、フォトダイオードの受光効率を低下させる。
図6に示すイオン注入法でも、シリコンエピタキシャル層の表面におけるP型不純物(B)濃度は1019/cm以上と高いため、その後の熱処理により拡散し0.5μm以下の浅いpn接合を形成することが難しく、実際に0.5μm以下のpn接合は実現していない。(特許文献1における図2)もっと浅いpn接合を形成するために、イオン注入後の熱処理温度を900℃以下に下げる方法があるが、イオン注入層内のイオン注入によるダメッジ等の欠陥が充分に回復しないので、この欠陥領域において光照射により発生したキャリアが再結合により消滅するという問題を新たに生じる。このように、シリコン酸化膜中にイオン注入されたBの拡散係数は小さく、シリコン基板中に打ち込まれたBの拡散係数は大きいため、シリコン酸化膜中のBはシリコン基板には余り入り込まないで、シリコン基板中のBがシリコン中へ拡散する。また、シリコン中にイオン注入されたBを活性化させると同時に、イオン注入によって生じるシリコン基板中のダメッジ等の欠陥を回復させるには、少なくとも900℃以上の熱処理が必要である。しかし、この熱処理を実施するとp型拡散層深さ(pn接合深さ)は0.5μm以上となる。pn接合深さが0.5μm以上となると紫外線以外の長い波長を持つ光を吸収する割合が多くなり紫外線受光素子としての感度が低下するので、pn接合深さは0.3μm以下にすることが望ましい。さらに、pn接合深さが大きいと、不純物拡散層にかかる電界強度が弱くなることと、拡散層中で発生したキャリアの移動距離が長くなることによって、拡散層中のキャリアの移動時間が長くなり再結合で消滅するという問題もある。
本発明は、MOSトランジスタと一緒に搭載可能なフォトダイオード(受光素子)に関するものであり、上記課題を解決するために、シリコン半導体表面に界面準位の低い薄いゲート酸化膜を兼ねたシリコン酸化膜を形成し、その上にCVDシリコン酸化膜を形成する。これらのシリコン酸化膜の内部にイオン注入のピーク(飛程)を持ち、かつシリコン半導体表面におけるイオン注入時のP型不純物濃度を1019/cm〜1017/cmの範囲内とするP型イオン注入を行ない、そのP型不純物イオン注入層の深さを0.2μm以下とする。また、拡散熱処理後のP型拡散層の深さ、すなわちpn接合深さは0.3μm以下とする。さらに、本発明のフォトダイオ−ドから構成される受光素子は、MOSトランジスタと一緒に形成され、フォトダイオード領域における半導体表面に形成されるシリコン酸化膜は、MOSトランジスタのゲート酸化膜であり、フォトダイオード領域におけるゲート酸化膜上に形成されるシリコン酸化膜は、MOSトランジスタのLDD用サイドウォール酸化膜として使われるシリコン酸化膜である。
フォトダイオード形成領域において、イオン注入時のシリコン半導体基板表面のP型不純物濃度を1019/cm〜1017/cmの範囲内で、P型不純物イオン注入層の深さを0.2μm以下とすることによって、その後の活性化用熱処理(たとえば、900℃30分)後のpn接合深さを0.3μm以下とすることができ、紫外線受光素子としての感度を高めることができる。また、この活性化用熱処理(たとえば、900℃30分)によって、イオン注入時のダメッジ等の欠陥を回復することができるので、紫外線入射によって発生したキャリアの再結合による消滅を最小限にできる。フォトダイオード形成領域におけるシリコン半導体表面の酸化膜はMOSトランジスタのゲート酸化膜であり、このゲート酸化膜は除去しないので、酸化膜とシリコン半導体との界面における界面準位は低い(1011/cm以下)状態を維持できる。従って、酸化膜とシリコン半導体との界面およびその近傍におけるキャリアの消滅も少なくすることができる。以上から、紫外線照射で発生したキャリアを有効に光電流として捕獲することができる。さらに、フォトダイオード形成領域におけるゲート酸化膜上のシリコン酸化膜はMOSトランジスタのLDD酸化膜を使用できるので、プロセスを簡略化でき、プロセスコストを低減できる。
図1は、本発明のフォトダイオードの製造方法を示す図である。 図2は、本発明のフォトダイオードの製造方法を示す図である。 図3は、イオン注入後のB不純物濃度プロファイルを示す図である。 図4は、熱処理後のB不純物濃度プロファイルを示す図である。 図5は、固相拡散法により形成した不純物拡散層を示す図である。 図6は、従来のイオン注入法により形成した不純物拡散層を形成する製造方法を示す図である。 図7は、シリコン(Si)における光の吸収量(表面における光の強度を1とした場合の、光強度の割合)の深さ依存性を示すグラフである。
本発明は、0.3μm以下の深さのP型拡散層を形成し、浅いpn接合を有するフォトダイオード(受光素子)およびその製造方法に関するものであり、波長の短い紫外線等の光(γ線、X線等の電磁波を含む)に対する感度を向上させたものである。紫外線は、可視光より波長の短い(波長約430nm以下の)光であり、シリコン半導体の場合、0.3μmの深さにおいて約50%強度が低下する。すなわち、紫外線の約50%は0.3μmまでの領域で吸収される。紫外線より長い波長である可視光はこれよりもかなり深い領域まで進入する。たとえば、640nmの可視光では2.5μmの深さにおいて約50%強度が低下する。(図7)(特許文献1)すなわち、可視光以上の光は0.3μm以下の浅い領域における吸収割合は小さいので、0.3μmの以下の浅いpn接合を有するフォトダイオードで発生する光電流は紫外線によるものと考えて良い。以上から、紫外線に対するフォトダイオードの感度を良くするには0.3μm以下の浅いpn接合を作製すれば良いことが分かる。
図1および図2は、本発明のフォトダイオードの製造方法を示す図である。本発明のフォトダイオードは単独でも作製可能であるが、図1および図2ではMOSトランジスタと一緒に搭載する製造方法で説明する。N型シリコン半導体基板11をLOCOSプロセスで素子分離酸化膜12を形成する。LOCOS素子分離の代わりにトレンチ分離を用いても良いし、素子分離領域に余裕があれば拡散分離を用いても良い。素子分離酸化膜12の下に反転防止用の不純物拡散層を形成することもできる。本発明のフォトダイオードはP型拡散層を用いたpn接合を利用するので、N型半導体基板11においてフォトダイオード形成領域(K)におけるn型(基板11側)の不純物濃度を調整して、nウエル(n型領域)を形成しても良い。あるいは、P型基板を用いてフォトダイオード形成領域Kをnウエル(n型領域)にすることもできる。
素子分離酸化膜12を形成後、素子分離領域以外の領域であるフォトダイオード形成領域KおよびMOSトランジスタ形成領域Mにおけるシリコン半導体基板表面を露出させて、ゲート酸化膜13を形成する。ゲート酸化膜13の形成前にシリコン半導体基板表面を清浄化するためにフッ酸、硫酸、塩酸、アンモニア水、過酸化水素水、あるいはこれらの混合溶液等を用いた洗浄を行なった後、850℃〜1000℃の温度でゲート酸化を行なう。ゲート酸化はドライ酸化(ドライO2を使用)、ウエット酸化(wetO2を使用)、パイロジェニック酸化(H2+O2を使用)等があり、これらに不活性ガス(N2、He、Ar等)や塩素系ガス(たとえば、HCl)等を混合しても良い。これらのゲート前洗浄やゲート酸化によって、シリコン半導体基板表面の欠陥発生を抑制・除去でき、また界面準位を1011/cm以下に低減でき、さらにゲート酸化膜中の固定電荷や欠陥を防止することができる。この結果、MOSトランジスタの特性を改善できるだけでなく、フォトダイオードの特性を良好にすることができる。尚、ゲート酸化膜の厚みは、たとえば10nm〜50nmである。
ゲート酸化膜13を形成後、多結晶シリコン膜、各種シリサイド膜(WSix膜、TiSix膜等)あるいは各種金属膜(Mo、W等)等の導電体膜をCVD法やPVD法で積層し、必要な場合はリン(P)等をドープして(多結晶シリコン膜は導電性が向上する)、パターニングしてゲート電極膜14や中間配線層を形成する。導電体膜の厚みは、たとえば100nm〜500nmである。このとき、フォトダイオード形成領域Kに積層している多結晶シリコン膜等も除去しておく。多結晶シリコン膜等のエッチングはウエットエッチングまたはドライエッチングで行なうが、下地のゲート酸化膜13と多結晶シリコン膜等とのエッチング選択比を上げてゲート酸化膜13を全部エッチングしないようにする。たとえば、5nm〜30nmは残すようにする。ゲート酸化膜13を全部エッチングしてしまうとその下地のシリコン半導体基板表面が露出して、シリコン半導体基板表面およびその近傍に欠陥が生じる。また、この後のプロセスにおいてCVD等でシリコン酸化膜等の絶縁膜を積層するので、ゲート酸化膜が全部エッチング除去された所は界面準位が高くなる。これらは、特にフォトダイオードの特性を劣化させるので好ましくない。{図1(a)}尚、MOSトランジスタ等を形成しない場合は、多結晶シリコン膜等を形成する必要はなく、ゲート酸化膜(この場合は、ゲート酸化膜とは呼ばないが)13をエッチングしないで、直接ゲート酸化膜上にCVD等でシリコン酸化膜等の絶縁膜を積層するので上記の問題は発生しない。
次にMOSトランジスタ領域Mにソース・ドレインのLDD(Lightly Doped Drain)形成用のイオン注入を行なう。このイオン注入時には、フォトダイオード領域Kにはフォトレジスト等でマスクしてイオン注入しないようにする。PMOSトランジスタの場合は、ボロンイオン(B+)等をイオン注入し、NMOSトランジスタの場合はヒ素イオン(As+)やリンイオン(P+)等をイオン注入する。{図1(b)}このイオン注入の後で不純物イオン活性化または拡散のための熱処理を行なっても良い。これらの処理によって、LDD用のソース・ドレイン15が形成される。
次に、CVD法やPVD法により絶縁膜16を積層する。この絶縁膜16はゲート電極14の側壁絶縁膜(サイドウォール絶縁膜とも言う){図2(d)の17}となるので、絶縁膜16の厚みは側壁絶縁膜17の幅によって決定されるが、概ね200nm〜500nmの厚みである。絶縁膜16は、たとえばシリコン酸化膜(SiOx膜)、シリコン酸窒化膜(SiOxNy膜)、あるいはシリコン窒化膜(SiNy膜)である。{図1(c)}絶縁膜16の積層後、緻密化用に熱処理を行なうこともできる。シリコン酸化膜(SiOx膜)の場合は、たとえばSiH4およびOの化学気相反応により形成することができる。
絶縁膜16を形成後、フォトダイオード領域Kおよび絶縁膜16を残したい領域にフォトレジスト膜でマスキングして、MOSトランジスタ領域Mにおける絶縁膜16を異方性エッチングでエッチングする。この結果ゲート電極14の側壁に側壁絶縁膜(サイドウォール絶縁膜)17が形成される。(尚、酸化膜の場合は、側壁酸化膜(サイドウォール酸化膜)という。)マスキングしたフォトレジスト膜を除去した後、MOS領域および所望の場所にソース・ドレイン形成用の高濃度の不純物イオン(P型またはN型)をイオン注入する。このとき、フォトダイオード領域Kおよびイオン注入したくない領域はフォトレジスト膜でマスキングすることが望ましい。特にフォトダイオード領域K(この領域をカバーしている絶縁膜16も含む)にはN型不純物イオンをイオン注入しないようにする。また、P型不純物イオンについてもフォトダイオード領域Kにおいてゲート酸化膜13の下のシリコン半導体にはイオン注入しないようにすることが望ましい。これらのイオン注入およびその後の熱処理により、P型またはN型のソース・ドレイン18が形成される。イオン注入後熱処理前にフォトダイオード領域K等をマスキングしていたフォトレジスト膜は除去する。{図2(d)}
次にフォトダイオード領域Kにおいて、絶縁膜16およびゲート酸化膜13を通して半導体基板表面およびその近傍にP型不純物イオンであるボロン(B+)をイオン注入する。このイオン注入によって、シリコン半導体基板内の表面付近にイオン注入層19が形成される。このとき、MOSトランジスタ領域Mやイオン注入をしたくない領域はフォトレジスト膜等でマスキングしておく。このイオン注入において、イオン注入の濃度ピーク(いわゆる、イオン注入の飛程)は絶縁膜16およびゲート酸化膜13内に存在し、かつシリコン半導体基板11内にもイオン注入されるようにする。この結果、シリコン半導体基板11におけるP型不純物(B)濃度は、シリコン半導体基板11の表面(ゲート酸化膜13とシリコン半導体基板11との界面)で最も高くなり、そのP型不純物濃度を1019/cm〜1017/cmとし、かつイオン注入時のP型不純物イオンの深さを0.2μm以下とする。イオン注入したBの活性化用熱処理は900℃以上の温度で30分間行なえば良く、また1019/cm以下の不純物濃度にすれば900℃以上の温度で30分間の熱処理によりイオン注入時に生じるダメッジや結晶欠陥も充分回復することができる。(尚、イオン注入量が多いと活性化用およびダメッジ回復用熱処理温度を高く(または長く)する必要がある。)従って、上記の条件を満足すればpn接合深さが0.3μm以下で、キャリアの消滅サイトとなる欠陥等の殆どないp型拡散領域を実現できる。1019/cmを越える不純物濃度の場合にはイオン注入時の結晶欠陥を回復するには900℃以上の温度で30分間以上の熱処理が必要となり、またpn接合の深さも0.3μm以上となるので望ましくない。また、1017/cm未満の表面濃度の場合は、活性化熱処理後の不純物表面濃度は5×1016/cm未満となるので、拡散後のp型不純物領域の抵抗が大きくなりすぎるので望ましくない。尚、MOSトランジスタ領域Mにはフォトダイオード形成用のイオン注入は行なわない。MOSトランジスタ領域Mには、側壁絶縁膜17以外の絶縁膜16は既に除去されているので、フォトレジスト膜等でマスキングして、イオン注入時にMOSトランジスタ領域Mにイオン注入しないようにする。{図2(e)}
図3はゲート酸化膜13を20nm、絶縁膜16にCVD(化学的気相成長)法によるシリコン酸化膜を300nm形成し、900℃30分間窒素雰囲気下で緻密化処理をした後、ボロンイオン(B+)を加速エネルギー60keVでドーズ量1.5×1016/cmイオン注入した直後のB不純物濃度プロファイルを示す。シリコン基板表面(シリコン基板11とゲート酸化膜13との界面)のB濃度は約1019/cmであり、イオン注入深さは0.20μmである。これを900℃30分間窒素雰囲気下で熱処理した後のB不純物濃度プロファイルが図4である。シリコン酸化膜(ゲート酸化膜13+絶縁膜16)内のB不純物濃度は余り変化がないが、シリコン基板内ではBが拡散し、シリコン基板表面のB濃度は2×1018/cmで、B拡散層の深さ(pn接合深さ)は0.29μmとなる。
同様に、ボロンイオン(B+)を加速エネルギー60keVでドーズ量2.0×1016/cmイオン注入した場合は、シリコン基板表面(シリコン基板11とゲート酸化膜13との界面)のB濃度は2×1019/cmであり、イオン注入深さは0.22μmである。これを同様の熱処理後、シリコン基板表面のB濃度は5×1018/cmで、B拡散層の深さ(pn接合深さ)は0.32μmとなる。これらの結果を元にすると、イオン注入後の不純物イオンの活性化およびダメッジ等の欠陥回復用の熱処理として、900℃30分間程度の熱処理が必要であるから、この熱処理を行なった後にpn接合深さを0.3μm以下にすることが必要となる。そのためには、イオン注入時のP型(B)イオンの飛程をシリコン酸化膜中として、シリコン半導体基板表面の不純物濃度を1019/cm以下とすれば良いことが分かる。
上記と同様にボロンイオン(B+)を加速エネルギー55keVでドーズ量1.5×1016/cmイオン注入した場合、シリコン基板表面(シリコン基板11とゲート酸化膜13との界面)のB濃度は1×1017/cmであり、イオン注入深さは0.05μmである。これを同様の熱処理後は、シリコン基板表面のB濃度は5×1016/cmで、B拡散層の深さ(pn接合深さ)は0.15μmとなる。pn接合深さは浅く0.3μm以下を満足するが、拡散層の濃度が薄くなり拡散層の抵抗が増大する。従って、1×1017/cm未満のシリコン基板表面のB濃度は望ましくない。尚、イオン注入による条件を上記のようにするには、ゲート酸化膜13およびCVD絶縁膜16の両方の厚みを考慮して、イオン注入の加速エネルギーおよびイオン注入量(ドーズ量)を適宜選択すれば良い。CVD絶縁膜は上述したように、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜等種々採用できるが、これらの絶縁膜に合わせた加速エネルギーを選択すれば良い。さらに、ゲート酸化膜もシリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜、あるいはハフニウム酸化膜等の高誘電率膜である場合も、同様にそれらの絶縁膜に合わせて加速エネルギーを選択すれば良い。
フォトダイオード形成のイオン注入後の熱処理によってp型拡散層20が形成される。その後、CVD法を用いて層間絶縁膜21を積層する。{図2(f)}その後、コンタクト孔、配線用導電膜、保護膜等を形成する。尚、p型拡散層20およびシリコン半導体基板11との電気的接続を行なう場合、MOSトランジスタを形成した際のP型およびN型の高濃度不純物拡散層とp型拡散層20およびシリコン半導体基板11を接続するパターニングを行なっておけば良い。以上のように、本発明の0.3μm以下の浅いpn接合を有するフォトダイオード(受光素子)は、MOSトランジスタやICと一緒に搭載でき、その際MOSトランジスタのLDD構造を構成する側壁絶縁膜として使用されるCVD絶縁膜を、フォトダオードのP型拡散層形成用にイオン注入におけるカバー膜として利用でき、新たなプロセスの追加は最小限に抑えることができる。すなわち、MOSトランジスタ形成プロセスにp型拡散層20形成用のフォトレジストパターニングプロセス、(B+)イオン注入および活性化熱処理を付加するだけである。この活性化熱処理も層間絶縁膜21形成後の緻密化用の熱処理と兼用することもでき、プロセスコストを低減できる。
尚、図3および図4の濃度プロファイルやそれらについて説明した様に、本発明の数値範囲の上限(不純物濃度1019/cmおよびイオン注入深さ0.2μm)の場合に、活性化用のイオン注入温度の上限は900℃(30分)となるが、それ以外の数値範囲の場合には、活性化用のイオン注入温度をこれより高い温度で、長時間の熱処理を採用しても最終的なpn接合深さ0.3μm以下を達成できる。あるいは、上記の熱処理炉を用いた熱処理以外にもランプアニールを用いて高温短時間の熱処理を行なっても最終的なpn接合深さ0.3μm以下を達成できる。
以上説明した様に、本発明は、0.3μm以下の浅い接合を有し紫外線に対して受光感度を高めた受光素子に関するもので、LDDゲート構造を持つMOSトランジスタプロセスを利用して作製することができる。フォトダイオード領域において、シリコン半導体基板上にゲート酸化膜およびLDD用ゲート電極膜のサイドウォール絶縁膜形成用絶縁膜を形成し、これらの絶縁膜を通して、絶縁膜内に不純物ピークを持つとともに半導体基板内に達するようにP型イオン注入を行なう。半導体基板表面の不純物濃度は1019/cm〜1017/cmであり、かつイオン注入深さは0.2μm以下とする。これによって、イオン注入活性化用の熱処理後に0.3μm以下の浅い接合を有するフォトダイオードを作製できる。
尚、明細書の各部分に記載し説明した内容を記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。さらに、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
本発明は、フォトダイオードだけでなく、浅いpn接合を有する各種デバイスにも適用することができる。
11・・・シリコン半導体基板、12・・・素子分離酸化膜、13・・・ゲート酸化膜、
14・・・ゲート電極膜、15・・・LDD用ソース・ドレイン、16・・・絶縁膜、
17・・・側壁絶縁膜、18・・・ソース・ドレイン、19・・・イオン注入層、
20・・・p型拡散層

Claims (7)

  1. シリコン半導体基板上にCMOSトランジスタまたはMOSトランジスタとともに搭載された、シリコン半導体表面に形成されたpn接合を用いた紫外線受光素子(以下、受光素子をフォトダイオードと記載)の形成方法であって、
    CMOSトランジスタまたはMOSトランジスタで使用するゲート酸化膜をフォトダイオード形成領域のシリコン基板上に形成する工程、
    前記ゲート酸化膜上にゲート電極膜を形成する工程、
    フォトダイオード形成領域上に形成されたゲート電極膜をすべてエッチング除去するとともに、フォトダイオード形成領域上に形成されたゲート酸化膜の一部を残してゲート酸化膜下のシリコン基板をエッチングしない工程、
    MOSトランジスタ領域にソース・ドレインのLDD(Lightly Doped Drain)形成用のイオン注入を行なう工程であって、フォトダイオード形成領域上にフォトレジストでマスキングしてLDD形成用のイオン注入をしないようにする工程、
    フォトダイオード形成領域上にLDD(Lightly Doped Drain)形成用の絶縁膜を形成する工程、
    前記LDD形成用の絶縁膜をエッチングしてゲート電極側壁にLDD形成用の絶縁膜を形成する工程であって、フォトダイオード形成領域は前記LDD形成用の絶縁膜上をフォトレジスト膜でマスキングして、フォトダイオード形成領域上の前記LDD形成用の絶縁膜はエッチングしないで残す工程、
    MOSトランジスタのソースおよびドレイン形成用のイオン注入を行なう工程であって、フォトダイオード形成領域は前記LDD形成用の絶縁膜上にフォトレジスト膜を形成して、フォトダイオード形成領域上には前記ソースおよびドレイン形成用のイオン注入を行なわない工程、
    フォトダイオード形成領域において受光素子形成用のP型イオン注入を行なう工程であって、P型イオンのイオン注入のピーク濃度(飛程)は前記ゲート酸化膜およびLDD形成用絶縁膜内に存在し、前記P型イオン注入の一部は半導体基板側に注入されるようにイオン注入を行なう工程、
    前記フォトダイオード形成用のイオン注入された不純物イオンの活性化熱処理を行なう工程
    を上記の順に含むことを特徴とする、紫外線受光素子の形成方法。
  2. 前記フォトダイオード形成用のイオン注入を行なう工程において、前記半導体基板側に注入されたP型イオンの半導体表面における表面濃度は、1019/cm〜1017/cmであることを特徴とする、請求項1に記載の紫外線受光素子の形成方法。
  3. 前記半導体基板側に注入されたP型イオンのイオン注入深さは0.2μm以下であることを特徴とする、請求項2に記載の紫外線受光素子の形成方法。
  4. 前記フォトダイオード形成用のイオン注入された不純物イオンの活性化熱処理は、900℃以上の温度で30分以上の時間であり、このときの熱処理後の半導体基板のP型拡散層の深さは0.3μm以下であることを特徴とする、請求項2または3に記載の紫外線受光素子の形成方法。
  5. 前記フォトダイオード形成用のイオン注入された不純物イオンの活性化熱処理は、ランプアニールであり、このときの熱処理後の半導体基板のP型拡散層の深さは0.3μm以下であることを特徴とする、請求項2または3に記載の紫外線受光素子の形成方法。
  6. ゲート電極膜はリン(P)をドープした多結晶シリコン膜であり、前記ゲート電極膜の厚みは100nm〜500nmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかの項に記載の紫外線受光素子の形成方法。
  7. CMOSトランジスタまたはMOSトランジスタで使用するゲート酸化膜をフォトダイオード形成領域のシリコン基板上に形成する工程において、形成した前記ゲート酸化膜の厚みは10nm〜50nmであり、
    前記フォトダイオード形成領域上に形成されたゲート電極膜をすべてエッチング除去するとともに、フォトダイオード形成領域上に形成されたゲート酸化膜の一部を残してゲート酸化膜下のシリコン基板をエッチングしない工程において、ゲート電極膜のエッチング除去後のフォトダイオード形成領域上のゲート酸化膜の厚みは5nm〜30nmであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの項に記載の紫外線受光素子の形成方法。

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