JPH07162025A - 半導体紫外線センサ - Google Patents

半導体紫外線センサ

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JPH07162025A
JPH07162025A JP5309368A JP30936893A JPH07162025A JP H07162025 A JPH07162025 A JP H07162025A JP 5309368 A JP5309368 A JP 5309368A JP 30936893 A JP30936893 A JP 30936893A JP H07162025 A JPH07162025 A JP H07162025A
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JP
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layer
type
oxide film
sensor
substrate
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JP5309368A
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Masaharu Muramatsu
雅治 村松
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 暗電流およびノイズが少なく、しかも、UV
透過フィルタを用いることなく、UV光だけに感度を持
つ半導体UVセンサを実現する。 【構成】 N型単結晶Si基板21内には酸化Si膜2
2が形成されており、SIMOXウエハになっている。
この酸化Si層22上のN型Si層23には、N+ 型の
高濃度不純物層24が形成されており、さらに、この上
にはP+ 層29が形成されている。また、N型Si層2
3にはN+ 領域26が形成されており、このN+ 領域2
6に接触してアルミ金属配線30aが形成されている。
また、基板表面のバッファ酸化膜25が一部除去され、
+ 層29に接触したアルミ金属配線30bが形成され
ている。PN接合に逆バイアスを加えると、P+ 層29
からは空乏層31が広がるが、Si酸化膜層22には届
かない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線に対しては高感
度,可視光から赤外線に対しては感度が無い半導体紫外
線センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の代表的な紫外線センサと
しては、断面構造が図5に示されるものがある。
【0003】このセンサはN型シリコン(Si)基板1
に形成されており、この基板1には、紫外(UV)域に
高感度を出すため、Si−Si酸化膜の界面にいわゆる
界面準位が少ない(100)ウエハが一般的に使用され
る。このSi基板1の所定領域にボロン(B)がイオン
注入され、P+ 型不純物層2が形成されている。UV高
感度とするためには、このP+ 型不純物層2は出来る限
り薄いことが望ましく、イオン注入技術によって約0.
3μmと浅く形成されている。Si基板1およびP+
不純物層2の表面にはSi酸化膜3が形成されており、
Si酸化膜3の一部を貫通してP+ 型不純物層2に電気
的に接触したアルミニウム(Al)電極4が形成されて
いる。また、Si酸化膜3の他の部分を貫通してAl電
極5が形成されており、電極5とSi基板1との接触部
には、オーミックコンタクトをとるためのN+ 型拡散層
6が形成されている。
【0004】図6はこのように形成された上記ホトダイ
オードの分光感度特性を示すグラフであり、同グラフの
横軸は入射光の波長[nm],縦軸は放射感度[A/
W]を示している。同グラフに示すように、上記ホトダ
イオードは近赤外域まで感度があり、感度のピークは9
00[nm]になっている。これはSiウエハの厚みが
500μm程度あるため、近赤外域までの入射光を吸収
するからである。従って、上記ホトダイオードをそのま
まUVセンサに用いると、紫外域以外の光に対しても反
応してしまう。よって、このホトダイオードをUVセン
サとして使用するためには、可視域から近赤外域までの
感度を何等かの方法でカットする必要がある。このた
め、従来においては、ホトダイオードの入射面前面にU
V透過フィルタ7を設け、このUV透過フィルタ7によ
って入射光の長波長光をカットしていた。この結果、紫
外光だけが上記ホトダイオードに照射され、ホトダイオ
ードの出力はUV光だけに感応するものとなり、半導体
UVセンサとして使用されていた。
【0005】しかしながら、このような半導体UVセン
サには幾つかの問題点があった。まず、UV透過フィル
タ7のコストがホトダイオードのチップ単価よりも高い
ことである。さらに、フィルタ7をホトダイオードに貼
るための組み立て工賃を考慮すると、UVセンサとして
の製品価格はどうしても高いものとなってしまった。さ
らに、UV透過フィルタ7は使用中にUV光によって劣
化を生じ、次第に透過率が低下してしまうといった問題
もあった。
【0006】このため、従来このような不都合を解消す
るため、UV透過フィルタを用いることなく、UV光だ
けに感度を持つ半導体UVセンサを実現させる技術が、
例えば特開平1−309387号公報に開示されてい
る。同公報においては、図7(a)に示すSIMOX
(サイモクス:Separation by Implanted Oxygen) ウエ
ハを用いてUVセンサが形成されている。つまり、N型
Si基板11に酸素イオンが150KeVの加速電圧、
1.2×1018cm-2のドーズ量でイオン注入されてS
i酸化膜12が形成されている。このSi酸化膜12上
には表面Si層13があり、SIMOXウエハにはSO
I(シリコン・オン・インシュレータ)構造が形成され
ている。
【0007】UVセンサはこのSIMOXウエハに同図
(b)に示すように形成されている。つまり、表面Si
層13上に厚さ1μmの単結晶Si層がエピタキシャル
成長され、N型Si層14が形成されている。さらに、
このN型Si層14の表層部の一部にアクセプタ不純物
が選択的にイオン注入され、P+ 層15が形成されてい
る。このP+ 層15とN型Si層14とはPN接合を形
成し、ホトダイオードを構成している。また、基板表面
にはSi酸化膜16が形成されている。N+ 型の高濃度
不純物領域17に接触した電極18、およびP+ 層15
に接触した電極19に電圧を印加し、PN接合に逆バイ
アスを加えると、図示される空乏層20が形成される。
同公報では、このようなホトダイオードの厚さは1μm
程度であるため、短波長の紫外線がここで吸収され、紫
外線にだけ感度を持つ半導体UVセンサが実現される旨
が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の半導体UV
センサ構造においては、酸化膜12上のN型Si層14
の厚さが1μm強、P+ 層15の厚さが0.2〜0.3
μmあり、P+ N接合面の下に空乏層20が広がってい
る。空乏層は不純物濃度が低い方へ広がるため、空乏層
20はほとんどがN型Si層14の方に向かって広が
る。従って、空乏層20は実際には空乏層下のSi酸化
膜12に到達しているものと考えられる。このため、従
来においては受光感度の低下を起こすといった問題があ
った。つまり、Si層−Si酸化膜の界面には結晶性の
不連続に伴う界面準位が多数存在しており、このため、
空乏層がこの界面に到達すると暗電流が急激に増える。
上記従来の半導体UVセンサ構造では正にこの現象が起
き、半導体UVセンサの暗電流が増大し、さらに、ノイ
ズの原因になっていた。
【0009】また、この空乏層によってP+ 層15の下
に位置するN型Si層14の全てが空乏化してしまうた
め、電極18,19間の直列抵抗が極端に高くなり、光
検出の応答速度は非常に低速な応答しか示さなくなる。
つまり、P+ 層15の中央付近で生じ、空乏層20内に
注入された信号電荷は、空乏層20内を弱いドリフト電
界に乗って基板の横方向に向かい、電極18,19にま
で移動しなくてはならないからである。また、このた
め、信号電荷が走行する距離は長くなり、長距離を走る
間に信号電荷が再結合して失われる率が高まる。よっ
て、一旦生じた信号電荷が検出信号として貢献できなく
なることがあり、UV光検出の感度低下を起こすといっ
た問題も生じた。
【0010】また、図7に示される上記従来の半導体U
Vセンサにおいては、SIMOXウエハにおけるSi酸
化膜12上の表面Si層13の厚さは数千Åしかない。
このため、前述したように、Si酸化膜12上の表面S
i層13上にさらに約1μmのSi層をエピタキシャル
成長してSIMOXウエハ表面のSi厚の上乗せを行
い、P+ 層15の形成時にP+ 層がSi酸化膜12にま
で到達しないよう、P+層15とSi酸化膜12との間
の距離を確保する必要がある。よって、上記従来の半導
体UVセンサにおいては、Si酸化膜12上のSi層1
4の厚さは全体として1μm以上になってしまう。この
程度のSi膜厚があると、UVセンサはUV光から青
色、緑色の光までを有効に吸収するようになり、UV光
から青色、緑色の光までに感度を持つようになる。従っ
て、UV光だけに感度を有する半導体UVセンサにする
には、UV透過フィルタが必要になり、前述した問題が
再び生じてしまう。
【0011】また、SIMOXウエハ上にSi層を上乗
せするため、このウエハ上に良質なエピタキシャル成長
層を形成することが非常に困難な点も、従来の問題であ
った。つまり、SIMOXウエハにおけるSi酸化膜1
2上のSi層14には酸素イオン注入時の残留欠陥があ
る程度残されており、また、エピタキシャル成長は非常
に高温で行われ、この欠陥層を核としてさらに欠陥層が
増長されるからである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解消するためになされたもので、第1導電型のシリコ
ン基板内に形成された絶縁層と、この絶縁層上のシリコ
ン層に形成された第2導電型の高濃度不純物層とを備え
て形成された半導体紫外線センサにおいて、絶縁層と第
2導電型の高濃度不純物層との間に、第1導電型の高濃
度不純物層が存在しているものである。
【0013】
【作用】第2導電型の高濃度不純物層から絶縁層へ伸び
る空乏層の広がりは、絶縁層上にある第1導電型の高濃
度不純物層によって遮られ、空乏層の広がりは絶縁層に
まで届かない。
【0014】また、空乏層が広がっても、この空乏層と
絶縁層との間にある第1導電型の高濃度不純物層が全て
空乏化してしまうことはなく、空乏層の下には空乏化し
ていない低抵抗な第1導電型高濃度不純物層が存在す
る。
【0015】また、絶縁層上に第1導電型の高濃度不純
物層が存在するため、第2導電型の高濃度不純物層の形
成時にこの第2導電型の高濃度不純物層が絶縁層にまで
拡散することはなく、絶縁層上のSi層を上乗せして形
成する必要はない。
【0016】
【実施例】図2および図3は本発明の一実施例による半
導体UVセンサの製造方法を示す工程断面図であり、以
下これら各図を用いて本実施例による半導体UVセンサ
の製造方法について説明する。
【0017】まず、面方位が(100)方向、比抵抗が
1Ω−cm、厚さが500μmのN型の単結晶Si半導
体基板21に酸素原子がイオン注入される。このイオン
注入は、ドーズ量が0.4×1018cm-2、加速電圧が
180keVで行われる。このイオン打ち込み後、13
20℃の温度で基板21に熱処理が加えられることによ
り、打ち込まれた酸素原子と基板21とが反応し、Si
基板内部にSi酸化膜層22が形成される(図2(a)
参照)。この技術はSIMOXと言われる。上記した条
件で形成されたSi酸化膜層22の厚みは800Å、こ
のSi酸化膜層22上にあるN型Si層23の厚みは3
000Åであった。Si層23の表面の比抵抗は、元の
Si半導体基板21の比抵抗に等しい。
【0018】比抵抗については、デバイスによってはさ
らに低抵抗の方が好ましい場合があるが、実用的には、
1Ω−cmより低抵抗なウエハをSIMOXとすること
は、N型,P型に関わらず出来ない。つまり、上述した
ように、打ち込んだ酸素原子の活性化は1320℃とい
う非常に高い温度で行われるので、使用する熱処理炉は
通常の石英のものでは適当でなく、シリコン・カーバイ
ドで作られた管が用いられる。ところが、この管は洗浄
が非常に困難なので、一旦汚染されると、高価なのにも
関わらず使い捨てにせざるを得ない。また、熱処理する
基板の不純物濃度が高いと、熱処理中にそれがアウト・
ディフュージョンして管内壁を汚染し、管の寿命を縮め
てしまう。こういった理由により、比抵抗の低減には限
度がある。
【0019】次に、SIMOXウエハ全面にN型不純物
源である燐(P)または砒素(As)がイオン注入さ
れ、結晶内のSi酸化膜層22に沿った位置にN+ 型の
高濃度不純物層24が形成される(同図(b)参照)。
注入源として燐を使用するとすると、表面Si層23の
膜厚が3000Åなので、イオン注入の加速電圧は20
0keVが適当である。その後、注入原子の活性化と、
ダメージの回復のための熱処理が行われる。
【0020】次に、形成したSIMOXウエハ上にバッ
ファ酸化膜25が形成される(同図(c)参照)。酸化
を行うとSiと酸素とが反応し、表面のSi層23の厚
さも徐々に薄くなる。SIMOXウエハでは表面Si層
23の厚さが3000Åしかないので、バッファ酸化膜
25の膜厚は1000Åとし、表面Si層23は出来る
限り厚いままに残しておく。なお、酸化によって酸化膜
になるSi層の量は酸化膜厚のおよそ1/2である。
【0021】このバッファ酸化膜25は次の役割をす
る。つまり、後述する工程で受光面を構成するP+ 領域
をSi層23に形成するが、このP+ 領域の不純物プロ
ファイルがUV感度に大きく影響する。不純物プロファ
イルは、Si層23と基板表面のバッファ酸化膜25と
の界面が不純物濃度のピーク点になり、以降、深くなる
に従って徐々に不純物濃度が下がるのが望ましい。基板
表面に酸化膜のないベア−なSi基板にイオン注入を行
うと、加速電圧で決められる飛程のところが不純物濃度
のピーク点になり、いわゆるハイ・ロー・ジャンクショ
ンを形成する。このため、ピーク濃度より浅い基板表面
側の部分はデッド・レイヤーになり、光電変換に寄与で
きなくなる。ボロン(B)を30keVでイオン注入し
たときの飛程はおよそ1000Åであるから、これをベ
ア−なSi基板にイオン注入すると、基板表面から10
00Å入ったところに不純物濃度のピークができる。従
って、ベア−なSi基板にそのまま不純物をイオン注入
した場合には、不純物ピーク点より浅いところで生じた
光電荷はPN接合方面に移動できず、表面Si層−Si
酸化膜の界面方向に移動し、光電荷は界面準位を介して
再結合し、消滅する。例えば、波長200nm〜300
nmのUV光のシリコン中の吸収長は約100Åである
から、入射光のほとんどはデッド・レイヤーで吸収され
ることになる。従って、このような不純物プロファイル
のホトダイオードではUV光に対して感度を出すことが
不可能になる。すなわち、バッファ酸化膜24の役割
は、1000Åのこのバッファ酸化膜24を通してイオ
ン注入することにより、P+ 領域における不純物濃度の
ピークを入射面表面に一致させることにあり、受光感度
のないデッド・レイヤーを形成しないようにすることに
ある。
【0022】バッファ酸化膜25の形成後、次に、N+
領域26が形成される(同図(d)参照)。このN+
域26は単にSi基板21とのコンタクトをとるための
ものであり、次のように形成される。まず、バッファ酸
化膜25上にレジスト27が塗布され、このレジスト2
7が所定形状にパターニングされる。次に、レジスト2
7を残したまま燐または砒素がイオン注入され、N+
域26が形成される。この際、レジスト27がある部分
は注入原子がレジスト27内でストップするため、Si
層内にN+ 層は形成されない。このN+ 領域26の不純
物プロファイルは余り重要ではない。例えば、注入原子
が燐ならば、50keVから100keV程度の加速電
圧でイオン注入すればよい。イオン注入後、レジスト2
7が除去されて熱処理が行われ、イオン注入層のダメー
ジの回復と注入原子の活性化が行われる。このようにバ
ッファ酸化膜25を介さずにイオン注入するのは、N+
領域26の不純物プロファイルが重要ではないことと、
バッファ酸化膜25をエッチングすることによって基板
表面に段差を設け、N+ 領域26がどこに存在するのか
が目視出来るようにするためである。
【0023】次に、前述したP+ 領域を形成するための
レジスト28が基板表面に塗布され、このレジスト28
が所定形状にパターニングされる。引き続いて、このレ
ジスト28をマスクにし、バッファ酸化膜25を通して
ボロンがイオン注入される。このイオン注入によって前
述したP+ 領域29が形成される(図3(e)参照)。
このP+ 領域29の不純物プロファイルは前述したよう
にUV感度を高める上で非常に重要である。今、バッフ
ァ酸化膜25の膜厚が1000Åで、P型不純物として
ボロンを用いるならば、30keVの加速電圧でイオン
注入すれば、デッド・レイヤーなしでP+ 領域29を形
成することができ、高いUV感度を得ることが可能とな
る。注入量は1×1014cm-2が適当である。イオン注
入後レジスト28が除去され、イオン注入層のダメージ
の回復と注入原子の活性化のための熱処理が行われる。
【0024】最後に、露出したN+ 領域26に電気的に
接してアルミ金属配線30aが形成される。また、バッ
ファ酸化膜25が選択的に除去され、露出したP+ 領域
29に電気的に接してアルミ金属配線30bが形成され
る(同図(f)参照)。
【0025】図1は、このようにして製造された半導体
UVセンサの断面図を示している。なお、同図におい
て、図3と同一部分には同一符号を付してその説明は省
略する。また、図4のグラフは、図1のA−B線に沿っ
た断面における、ボロン(B)と燐(P)との各不純物
プロファイルを示している。同グラフの横軸は基板表面
からの深さ[μm]、縦軸は不純物濃度[cm-3]を示
している。同グラフに示すように、受光部を形成するP
+ 領域29の不純物濃度は1×1019cm-3、Si酸化
膜層22に沿って形成された埋め込みN+ 不純物層24
の濃度は1×1018cm-3であった。また、PN接合は
+ 領域29の表面から0.1μmのところにできてい
る。
【0026】このような構造の半導体UVセンサにおい
て、金属配線30aに正極性の電圧、金属配線30bに
負極性の電圧が印加される。この電圧印加によってPN
接合には逆バイアスが加わり、P+ 領域29からは図1
に示す空乏層31が広がる。この空乏層31の広がりは
印加電圧に応じて変化する。つまり、PN接合にバイア
スが加わっていないときには、空乏層31の広がりは図
4のグラフの範囲aに示される広がりであるが、−3
[V]の逆バイアス時には同グラフの範囲bまで広が
る。さらに、逆バイアスが−5[V]まで高じると、空
乏層31は同グラフの範囲cまで広がる。空乏層31は
どちらかと言うと不純物が低濃度の側のN+高濃度不純
物層24の側、つまり、同グラフの右側へ広がってい
く。しかし、不純物にPを含むN+ 型高濃度不純物層2
4の全てが空乏化することはなく、空乏層31とSi酸
化膜層22との間にはN+ 層が残されていることが同グ
ラフから理解される。
【0027】すなわち、本実施例による半導体UVセン
サにおいては、P+ 領域29からSi酸化膜層22へ伸
びる空乏層31の広がりは、Si酸化膜層22上にある
+型高濃度不純物層24によって遮られる。従って、
従来のように空乏層が結晶内のSi酸化膜まで到達しな
くなり、界面準位の多数存在するSi層−Si酸化膜の
界面に空乏層が接触しなくなる。このため、暗電流の増
大が抑制され、さらに、ノイズの発生が低減される。ま
た、空乏層31が広がっても、N+ 型高濃度不純物層2
4の全てが空乏化せず、空乏層31の下には空乏化して
いない低抵抗なN+ 型高濃度不純物層24が存在する。
従って、空乏層31内に注入された信号電荷は、従来の
ように空乏層内を弱いドリフト電界に乗って基板横方向
に移動することはなく、空乏層31の直下にあるN+
高濃度不純物層24に直ちに到達する。このため、UV
光の入射によって生じた信号電荷は直ちにセンサ外部に
検出され、UV光検出の応答速度は高まる。さらに、生
じた信号電荷の走行距離は短くなるため、信号電荷が長
距離を走行する途中に再結合して失われる率は低減す
る。このため、UV光入射によって生じた信号電荷のほ
とんどが信号検出に寄与し、UV光検出の感度は高ま
る。
【0028】また、Si酸化膜層22上にN+ 型高濃度
不純物層24が存在するため、P+層29の形成時に、
このP+ 層29がSi酸化膜層22にまで拡散すること
はない。つまり、本実施例による半導体UVセンサ構造
によれば、Si酸化膜層22上にSi層を従来のように
上乗せして形成する必要はない。従って、Si酸化膜層
22上のSi層23の膜厚は薄くなり、UV光だけに感
度を有する膜厚にすることができる。このため、本実施
例によれば、従来問題となったUV透過フィルタを用い
ることなく、UV光だけに感度を有する半導体UVセン
サを実現することが可能になる。また、SIMOXウエ
ハ上にSi層を上乗せする必要がないため、従来のよう
に、SIMOXウエハ上に良質なエピタキシャル成長層
を形成するといった困難なプロセスが不要になる。
【0029】なお、上記実施例の説明においては、Si
基板にN型単結晶Si基板21を用いた場合について説
明したが、逆の導電タイプであっても上記実施例は有効
である。つまり、N型単結晶Si基板21の代わりにP
型単結晶Si基板、N型Si層23の代わりにP型Si
層、N+ 型高濃度不純物層24の代わりにP+ 型高濃度
不純物層、P+ 層29の代わりにN+ 層を用いて半導体
UVセンサを形成しても良く、この場合においても上記
実施例と同様な効果が奏される。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
2導電型の高濃度不純物層から絶縁層へ伸びる空乏層の
広がりは、絶縁層上にある第1導電型の高濃度不純物層
によって遮られ、空乏層の広がりは絶縁層にまで届かな
い。このため、空乏層が界面準位の多いSi層−絶縁層
の界面に接触しなくなり、半導体UVセンサにおける暗
電流の増大が抑制され、ノイズの発生も低減される。
【0031】また、空乏層が広がっても、この空乏層と
絶縁層との間にある第1導電型の高濃度不純物層が全て
空乏化してしまうことはなく、空乏層の下には空乏化し
ていない低抵抗な第1導電型高濃度不純物層が存在す
る。このため、電極間の直列抵抗が大きくなることはな
く、信号電荷は直ちにかつ漏れなくセンサ外部に検出さ
れ、半導体UVセンサの応答速度は高まり、しかも、検
出感度が高まる。
【0032】また、絶縁層上に第1導電型の高濃度不純
物層が存在するため、第2導電型の高濃度不純物層の形
成時にこの第2導電型の高濃度不純物層が絶縁層にまで
拡散することはなく、絶縁層上のSi層を上乗せして形
成する必要はない。このため、絶縁層上のSi層の膜厚
は薄くなり、UV透過フィルタを用いることなく、UV
光だけに感度を有する半導体UVセンサが実現されるよ
うになる。また、従来のように、SIMOXウエハ上に
良質なエピタキシャル成長層を形成するといった困難な
プロセスが不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による半導体UVセンサの構
造を示す断面図である。
【図2】本実施例による半導体UVセンサの製造工程の
前半を示す工程断面図である。
【図3】本実施例による半導体UVセンサの製造工程の
後半を示す工程断面図である。
【図4】本実施例による半導体UVセンサの不純物プロ
ファイルを示すグラフである。
【図5】従来の第1の半導体UVセンサを示す断面図で
ある。
【図6】従来の第1の半導体UVセンサを構成するホト
ダイオードの分光感度特性を示すグラフである。
【図7】従来の第2の半導体UVセンサを示す断面図で
ある。
【符号の説明】
21…単結晶Si半導体基板、22…Si酸化膜層、2
3…N型Si層、24…N+ 型高濃度不純物層、25…
バッファSi酸化膜、26…N+ 領域、29…P+ 層、
30a,b…アルミ配線金属、31…空乏層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型のシリコン基板内に形成され
    た絶縁層と、この絶縁層上のシリコン層に形成された第
    2導電型の高濃度不純物層とを備えて形成された半導体
    紫外線センサにおいて、前記絶縁層と第2導電型の前記
    高濃度不純物層との間に、第1導電型の高濃度不純物層
    が存在することを特徴とする半導体紫外線センサ。
  2. 【請求項2】 前記絶縁層はN型の単結晶シリコン基板
    内に形成された酸化シリコン層であり、第2導電型の前
    記高濃度不純物層はP型の高濃度不純物層であり、第1
    導電型の前記高濃度不純物層はN型の高濃度不純物層で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体紫外線セン
    サ。
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