JP6122350B2 - 封止材用フィラー及びそのフィラーを含有する封止材 - Google Patents

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本発明は、封止材及び封止材を構成する封止材用フィラーに関する。
従来より集積回路は外部からの影響を少なくするために封止材にて封止することが行われている。封止材にて封止することにより環境中などに存在する水分や酸素などからの影響を小さくすることができると共に、外部から加わる応力からも保護される。また内部より発生する熱を外部へ伝達する目的にも封止剤は重要である。
そのため、封止材は機械的な高い性能のみならず化学的にも安定していることが望まれる。そのため、シリカやアルミナなどの無機物を樹脂組成物中に分散したものが汎用されている。無機物は機械的強度に優れると共に化学的な安定性も高く封止材に含有させると高い性能が発現できる(特許文献1参照)。
近年、集積回路において微細化が進められており、従来とは比較にならないほど外部からの影響を受けやすくなっている。そのため、従来よりも高い性能を発現できる封止材の提供が求められている。
特開2012−206870号公報
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり従来よりも高い性能を発揮できる封止材、並びに、そのような封止材を実現できる封止材用フィラーを提供することを解決すべき課題とする。
(1)上記課題を解決する封止材用フィラーは、無機物から構成され正に帯電する粒子材料であり、異種金属が接合乃至接触する部位を封止する封止材に含有させて用いるものである。
異種金属が接合乃至接触すると、そのイオン化傾向の違いからイオン化傾向の高い一方の金属が溶け出し、異種金属全体として負に帯電することになる。そこで、封止材に含まれる粒子材料として正に帯電するものを採用すると、異種金属表面の負の電荷に引かれることになって、異種金属の表面近傍にも分布することが可能になる。反対に負に帯電した粒子材料を採用すると、異種金属表面の電荷と反発することになり異種金属表面における粒子材料の密度が小さくなることがあった。
上述の(1)の構成を採用する場合に、以下の(2)〜(4)、(7)、及び(8)の構成のうちの1つ以上を加えて採用することができる。そして、(4)の構成を採用する場合には(5)の構成が採用できる。また、(3)〜(5)の構成を採用する場合には(6)の構成を採用できる。
(2)前記粒子材料の表面電位は30mV以上である。(3)アミン、フォスフィン、アンモニウム、及びフォスフォニウムから選択される残基を表面にもつ。(4)前記無機物は金属酸化物であり、前記粒子材料は正に帯電する残基をもつ表面処理剤にて処理されている。(5)前記表面処理剤は、アミン、フォスフィン、アンモニウム、及びフォスフォニウムから選択される前記残基をもつシランカップリング剤である。(6)前記残基は三級アミン又は三級フォスフィンである。(7)前記粒子材料は粒径が3μm以下である。(8)前記封止材は前記粒子材料を分散するエポキシ樹脂を含有する。
(9)上記課題を解決する封止材は、上述の封止材用フィラーと、前記封止材用フィラーを分散する樹脂組成物とを有する。
本発明の封止材用フィラーは封止材に用いるとフィラーが、より均等に分散されるようになって高い性能をもつ封止材を提供できる。
試験例9a〜9hの試験試料の表面電位を示すグラフである。 試験例10a〜10gの試験試料の表面電位を示すグラフである。 試験例11a〜11gの試験試料の表面電位を示すグラフである。
本発明の封止材用フィラー及び封止材について以下の実施形態に基づいて詳細に説明を行う。本実施形態の封止材は封止材用フィラーとその封止材用フィラーを分散する樹脂組成物とその他の必要に応じて選択される材料からなる。封止材用フィラーと樹脂組成物との混合比は特に限定されず、必要な性能が発揮できるように混合比を設定できる。封止材用フィラーの量が多いほど、線膨張係数を下げることが可能になり、シリコンウエハの機械的特性へのあわせ込みが容易となる。またフィラー量が多いほど耐熱性などの物理的特性が向上する傾向になり、樹脂組成物の量が多いほど柔軟性が向上する傾向になる。例えば封止材用フィラーの含有量を全体の質量を基準として50%以上にすることができる。
本封止材は異種金属が接触乃至接合する部位を封止する材料である。異種金属としてはイオン化傾向が異なる金属である。例えば銅とスズの組み合わせが挙げられる。銅や銅合金は配線やビアを構成する材料として汎用されており、スズ及びスズ合金はそれらの配線やビアの間を接合するハンダとして汎用されている。ここで、「異種金属が接触乃至接合している」とは異種金属が少なくとも隣接していれば充分であり、両金属の間がどのような状態にあるかは問わないことを意味する。異種金属が接触乃至接合(以下、「接合等」と適宜省略して記載する)することによりイオン化傾向の大きな方の金属が溶出し異種金属が接合等したものは負に帯電することになる。
・封止材用フィラー
封止材用フィラーは無機材料から構成され、正に帯電する粒子材料である。
無機材料としては特に限定されず、無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物などが例示される。無機材料としてはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化アンチモン、酸化インジウム、およびこれらの複合酸化物が例示できる。特にシリカ、アルミナが望ましい。粒子材料の形態は特に限定しないが、球形度が高いことが望ましい。球形度が高いと樹脂組成物中に分散さて封止材を調製した際に流動性が向上すると共に、封止材用フィラーの封止材中での充填率を向上できる。球形度としては0.8以上が望ましく、0.9以上が更に望ましく、0.95以上がより望ましい。球形度はSEMで写真を撮り、その観察される粒子の面積と周囲長から、(球形度)={4π×(面積)÷(周囲長)}で算出される値として算出する。1に近づくほど真球に近い。具体的には画像処理装置(スペクトリス株式会社:FPIA−3000)を用いて100個の粒子について測定した平均値を採用する。
粒子材料の製造方法は特に限定しない。例えば粒子材料を構成する無機材料を粉砕し、必要な粒径にする方法、更に得られた粒子材料をその粒子材料を構成する無機材料の融点以上の温度をもつ火炎中に投入して溶融させた後に冷却することにより球形度が高い粒子材料を得る方法、金属あるいは金属アルコキシド、金属ハロゲン化物等を原料とし加水分解等の化学反応を利用する方法が挙げられる。更に無機材料として無機酸化物を採用する場合にはその無機酸化物を構成する酸化前の材料(無機酸化物が金属酸化物である場合にはその金属単体、例えばシリカであれば金属ケイ素、アルミナであればアルミニウム、ジルコニアであれば金属ジルコニウム)を粒子状としその粒子を酸素含有雰囲気中に投入し着火させることにより酸化することで球形度が高い無機酸化物を得ることができる。
粒子材料の粒径としては特に限定しない。封止材を使用する対象物において侵入させる隙間の大きさよりも小さな粒径であることが望ましい。例えば粒径が5μm以下であることが望ましく、3μm以下であることがより望ましく、1μm以下であることが更に望ましい。また、一定以上の粒径をもつ粗粒の存在量が制限されていることが望ましい。例えば粗粒の粒径の下限としては20μmを採用することが望ましく、10μmを採用することがより望ましく、5μmを採用することが更に望ましい。粗粒の含有量としては粒子材料全体の質量基準で1000ppm以下であることが望ましく、100ppm以下であることがより望ましく、 10ppm以下であることが更に望ましい。
粒子材料を正に帯電する方法としては特に限定しない。なお、粒子材料が正に帯電するのは少なくとも封止材を構成する樹脂組成物に分散されている場合である。粒子材料の表面に正の電荷をもつ残基を導入したり、正に帯電する材料にて被覆したりすることにより、粒子材料の表面を正に帯電させることができる。
粒子材料の表面を正に荷電させるために導入される残基としては正の電荷をもつものであるか、あるいは封止剤を構成する成分(正電荷をもつもの、又は、正電荷を生じうるもの)と会合するなどして正電荷を導入できるもの、あるいは使用雰囲気に存在するイオンと会合することにより正電荷を導入できるものであれば充分である。例えば電荷を生じた状態である、アンモニウム、及びフォスフォニウムから選択される残基が例示できる。アミン及びフォスフィンは封止剤を構成する成分あるいは使用雰囲気に存在するイオン性分子と会合することにより使用雰囲気でアンモニウムまたはフォスフォニウム型の会合状態を取ることで正電荷をもつことができる。すなわち正電荷をもつ状態である1級、2級、3級アンモニウム(またはフォスフォニウム)は、対応する1級、2級、3級アミン(またはフォスフィン)を粒子材料表面に導入することで系中で発生しても良い。特に3級又は4級のアンモニウム(またはフォスフォニウム)が望ましく、更には3級のアンモニウム(またはフォスフォニウム)が望ましい。特に後述する樹脂組成物としてエポキシ樹脂を採用する場合には3級のものを採用することにより望まない硬化の進行を抑制できるため望ましい。
粒子材料の表面にこれらの残基を導入する方法を例示する。例えばシランカップリング剤などの表面処理剤にて粒子材料の表面を処理することにより残基を導入する方法である。表面処理剤としては粒子材料の表面に結合する化合物で上述した残基を分子中に有するものや、そのままでは上述の残基を分子中には有していないが粒子材料の表面に反応することにより上述の残基を生成する化合物が挙げられる。具体的には上述の残基をもつシランカップリング剤が例示できる。更に、粒子材料の表面を正に荷電する以外の処理を行うこともできる。例えば疎水性を向上したり、反対に親水性を向上したり、ビニル基やエポキシ基などの反応性が高い官能基を導入したり出来る。
好ましいシランカップリング剤としては一般式(1):(RN−R−)SiZ4−n、一般式(2):nX・(R−R−)SiZ4−n、一般式(3):(RP−R−)SiZ4−n、一般式(4):nX・(R−R−)SiZ4−nが例示できる(Rは同一分子内、異分子間のそれぞれにおいて、それぞれ独立して選択可能な水素、炭化水素基、及び炭化水素基の炭素及び/又は水素の一部を酸素及び/又は窒素にて置換したものであり、2つ又は3つ以上のRが合わさって環状構造を形成することもできる。Rとしては水素原子を採用する数は少ない方が望ましい。例えば2級又は3級のアミン(アンモニウム、フォスフィン、又は、フォスフォニウム)になるようにRを選択することが望ましく、3級のアミン(アンモニウム、フォスフィン、又は、フォスフォニウム)になるようにRを選択することが更に望ましい。Zは同一分子内、異分子間のそれぞれにおいて、それぞれ独立して選択可能な官能基であり、ハロゲン、アルコキシ基、アルキル基、水素から選択できる。XはN、Pのカウンターイオンである。nは1,2,3のうちのいずれかであり、特に1であることが望ましい。)。特にカウンターイオンを含まない一般式(1)、(3)のシランカップリング剤を採用することが望ましい。更に、他のシランカップリング剤を組み合わせて使用することができる。
望ましいシランカップリング剤を例示すると、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリアルコキシシラン、2−(ジフェニルフォスフィノ)エチルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、トリアルキル(3−トリアルコキシシリルプロピル)アンモニウムの塩、オクタデシルジメチル(3−トリアルコキシシリルプロピル)アンモニウムの塩が挙げられる。塩としてはハロゲンの塩が例示できる。
粒子材料の表面をシランカップリング剤にて処理する量としては処理後の粒子材料の表面の表面電位が0mV以上になるようにすることが望ましい。科学的に厳密な意味での表面電位の測定は不可能であるため、動的光散乱電気泳動法にて求まるゼータ電位をもって表面電位とした。具体的には大塚電子株式会社製のゼータ電位測定システムELSZ−1を用いて測定を行った。たとえばイソプロピルアルコール中での粒子材料の表面電位が-50mV程度である場合、処理後の粒子材料の表面の表面電位としては-20mV以上にすることがより望ましく、+30mV以上にすることが更に望ましい。表面電位を0mV付近にすることができれば、本件で問題とする偏析の逆の現象が起こったとしても偏析しないフィラーとなりうる。なお、表面に電荷が存在すると、粒子間の静電的反発が期待できるため、粒子材量の分散性が向上し、粒子材料の凝集性が低減できる。
シランカップリング剤により粒子材料を処理する方法としては特に限定しない。例えば乾燥した粒子材料の表面にシランカップリング剤を接触させる方法、何らかの液状の分散媒中にてシランカップリング剤を接触させる方法が挙げられる。分散媒としては特に限定しないが、水および/または有機溶媒が例示できる。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール(IPA)等などのアルコール類を含む親水性溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプルピルなどのエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール時エチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、トルエン等の疎水性溶媒が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
粒子材料は全体の質量を基準として分散媒中に1〜80質量%、さらには10〜60質量%の範囲にあることが好ましい。粒子材料の量を上述の下限以上にすると、生産性が高くなり、粒子材料の量を上述の上限以下にすると、粒子間の凝集が抑制できる。
表面処理を行った粒子材料は、粒子表面にシランカップリング剤を接触させる方法で調製した場合固体(粉末)として得られるので、そのまま使用しても良いし、何がしかの分散媒に分散した後に使用してもよい。また処理を行う際に分散媒を使用した場合には、表面処理を行った粒子材料は、処理を行う際に使用した分散媒の全部または一部を残したまま使用しても良いし、別の分散媒を追加して使用してもよいし、適切な方法で分散媒を除き乾燥した固体(粉末)の状態として使用してもよく、さらには得られた固体を再度分散媒に分散した後に使用してもよい。
・樹脂組成物
樹脂組成物は前述の封止材用フィラーを分散する。樹脂組成物としては硬化前のものも含む。つまり、樹脂を含有する組成物以外にも樹脂を生成する組成物の意味をも含む。硬化前のものである場合には熱や光などにより重合反応が進行するものが挙げられる。樹脂組成物としては有機樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物が例示できる。特に熱硬化性樹脂が望ましいものとして例示できる。
前述の封止材用フィラーを樹脂組成物と混合する場合、フィラーは乾燥した固体(粉)の状態で樹脂組成物中に加えてもよく、分散媒に分散した状態で加えても良い。また、フィラーを加えられる樹脂組成物は溶媒乃至分散媒を含んでいても含んでいなくても良い。樹脂組成物中に溶媒乃至分散媒を含まないほうが望ましい場合には、適切な方法でそれらの成分を除き樹脂組成物中に溶媒乃至分散媒を含まないようにできる。
更に樹脂組成物中には樹脂組成物の粘度や反応性を調節する目的で含有される溶媒乃至分散媒を含有することもできる。混合時に溶媒乃至分散媒が使用される場合には、これらの全部または一部を残すことで同様の効果を得ても好いし、さらに溶媒乃至分散媒を追加しても良い。
有機樹脂組成物としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化型アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。特に熱硬化性樹脂が望ましく、その中でもエポキシ樹脂が望ましい。
以下に本発明の封止材及び封止材用フィラーについて実施例に基づき詳細に説明を行う。
(実験方法)
・湿式表面処理
1000質量部の粒子材料を1000質量部の分散媒としてのイソプロピルアルコール(IPA)に懸濁し、50%スラリーとした。これに所定量の表面処理剤を加え、良く混合した。その後、120℃で加熱して反応を完結させると共に分散媒を除去し、得られた固形物をミキサーにて粉砕することにより封止材用フィラーとした。
・乾式表面処理
1000質量部の粒子材料をミキサーに入れ、撹拌しながら所定量の表面処理剤を加え、良く混合した。その後、室温で24時間密封して反応を完結させることにより封止材用フィラーとした。
・表面電位の測定
0.5質量部の封止材用フィラーを1000質量部のIPAに懸濁させて0.05%スラリーとした。これを試験試料として動的光散乱電気泳動法(大塚電子株式会社製、ゼータ電位測定システム、ELSZ−1)にてゼータ電位を測定し、この値を封止材用フィラーの表面電位とした。
・封止材粘度の測定
6質量部の封止材用フィラーと4質量部のBisA/BisFエポキシ混合物(樹脂組成物に相当:新日鉄住金化学製、ZX−1059)とを良く混合し封止材用フィラーを60質量%含有する封止材を得た。回転レオメーター(TAインスツルメント、ARES−G2)を用いて粘度を測定した。
・その他の物性の測定
平均粒径は光散乱法にて測定した。比表面積は窒素を用いたBET法にて測定した。炭素量は酸素気流中燃焼法にて行った。電気伝導度及び水素イオン濃度は封止材を固化させた固化物1gを10mLの水中に1時間、25℃で浸漬した液について測定した。塩素量は原子吸光分析法にて測定した。
(試験例1)
N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン(ゲレスト(米国)製、SIB1140.0)を表面処理剤として用い、粒子材料としてのシリカ(平均粒径0.5μm、株式会社アドマテックス製)に対して、1質量%になるように湿式処理を行った。得られた試料を本試験例の封止材用フィラーとした。
(試験例2)
表面処理剤として3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン(ゲレスト(米国)製、SIT8187.5)を用いたこと、処理方法として乾式表面処理を採用したこと、以外は試験例1と同様の処理を行った。得られた試料を本試験例の封止材用フィラーとした。
(試験例3)
表面処理剤として2−(ジフェニルフォスフィノ)エチルトリエトキシシラン(ゲレスト(米国)製、SID4558.0)を用いたこと、処理方法として乾式表面処理を採用したこと、以外は試験例1と同様の処理を行った。得られた試料を本試験例の封止材用フィラーとした。
(試験例4)
表面処理剤として3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM−903)を用いたこと、処理方法として乾式表面処理を採用したこと、以外は試験例1と同様の処理を行った。得られた試料を本試験例の封止材用フィラーとした。
(試験例5)
表面処理剤としてトリメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(ゲレスト(米国)製、SIT8415.0)を用いたこと以外は試験例1と同様の処理を行った。得られた試料を本試験例の封止材用フィラーとした。
(試験例6)
表面処理剤としてオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(ゲレスト(米国)製、SIO6620.0)を用いたこと以外は試験例1と同様の処理を行った。得られた試料を本試験例の封止材用フィラーとした。
(試験例7)
試験例1で用いた表面処理剤にて処理する前の粒子材料をそのまま本試験例の封止材用フィラーとした。
(試験例8)
表面処理剤として3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM−403)を用いたこと、処理方法として乾式表面処理を採用したこと、以外は試験例1と同様の処理を行った。得られた試料を本試験例の封止材用フィラーとした。
(試験例9a〜9h)
N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン(ゲレスト(米国)製、SIB1140.0)を所定量だけ表面処理剤として用い、粒子材料としてのシリカ(平均粒径0.5μm、株式会社アドマテックス製)に対して湿式処理を行った。
その後、3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM−403)を所定量だけ用い乾式処理を行った。得られた試料を本試験例の封止材用フィラーとした。
以下に(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン)、(3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピルトリメトキシシラン)のそれぞれの処理量を各試験例毎に記載する。
試験例9a(0.0%、1.0%)、試験例9b(0.05%、0.95%)、試験例9c(0.10%、0.90%)、試験例9d(0.20%、0.80%)、試験例9e(0.30%、0.70%)、試験例9f(0.50%、0.50%)、試験例9g(0.70%、0.30%)、試験例9h(1.0%、0.0%)。ここで、試験例9aは試験例8と同じ試験試料であり、試験例9hは試験例1の試験試料と同じ物である。
(試験例10a〜10g)
3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン(ゲレスト(米国)製、SIT8187.5)を所定量だけ表面処理剤として用い、粒子材料としてのシリカ(平均粒径0.5μm、株式会社アドマテックス製)に対して湿式処理を行った。
その後、3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM−403)を所定量だけ用い乾式処理を行った。得られた試料を本試験例の封止材用フィラーとした。
以下に(3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン)、(3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピルトリメトキシシラン)のそれぞれの処理量を各試験例毎に記載する。
試験例10a(0.0%、1.0%)、試験例10b(0.10%、0.90%)、試験例10c(0.20%、0.80%)、試験例10d(0.30%、0.70%)、試験例10e(0.40%、0.60%)、試験例10f(0.60%、0.40%)、試験例10g(1.0%、0.0%)。ここで、試験例10aは試験例8と同じ試験試料であり、試験例10gは試験例2の試験試料と同じ物である。
(試験例11a〜11g)
オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(ゲレスト(米国)製、SIO6620.0)を所定量だけ表面処理剤として用い、粒子材料としてのシリカ(平均粒径0.5μm、株式会社アドマテックス製)に対して湿式処理を行った。
その後、3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM−403)を所定量だけ用い乾式処理を行った。得られた試料を本試験例の封止材用フィラーとした。
以下に(オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド)、(3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピルトリメトキシシラン)のそれぞれの処理量を各試験例毎に記載する。
試験例11a(0.0%、1.0%)、試験例11b(0.10%、0.90%)、試験例11c(0.20%、0.80%)、試験例11d(0.30%、0.70%)、試験例11e(0.40%、0.60%)、試験例11f(0.60%、0.40%)、試験例11g(1.0%、0.0%)。ここで、試験例11aは試験例8と同じ試験試料であり、試験例11gは試験例6の試験試料と同じ物である。
(結果)
・試験試料1〜8について表面電位、体積平均粒径、比表面積、炭素量、電気伝導度、塩素量、封止材粘度のそれぞれを測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006122350
表より明らかなように、シランカップリング剤として正に帯電可能な化合物を用いることにより封止材用フィラーについても正に帯電させることが可能になった。本試験例では樹脂組成物としてエポキシ樹脂を採用したため、試験例1,試験例6と塩素量が増加するにつれて粘度も大きくなること、塩素量が著しく大きい試験例5についてはエポキシ樹脂の硬化反応が進行すること、つまり、塩素量が少ない方がエポキシ樹脂との組み合わせでは粘度上昇が抑制できることが分かった。
・試験例9a〜9hについて得られた封止材用フィラーの表面電位を測定した。結果を図1に示す。
図1から明らかなように、特定処理剤(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン)の割合が大きくなるにつれて表面電位が大きくなることが明らかになった。
・試験例10a〜10gについて得られた封止材用フィラーの表面電位を測定した。結果を図2に示す。
図2から明らかなように、特定処理剤(3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン)の割合が大きくなるにつれて表面電位が大きくなることが明らかになった。
・試験例11a〜11gについて得られた封止材用フィラーの表面電位を測定した。結果を図3に示す。
図3から明らかなように、特定処理剤(オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド)の割合が大きくなるにつれて表面電位が大きくなることが明らかになった。
・以上の結果から、表面処理剤の種類・処理量を制御することにより、封止材用フィラーの表面電位を制御できることが明らかになった。

Claims (5)

  1. 無機物から構成され正に帯電する粒子材料であり、
    前記無機物は金属酸化物であり、
    前記粒子材料は正に帯電する残基をもつ表面処理剤にて処理されており、
    前記表面処理剤は、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリアルコキシシラン、トリアルキル(3−トリアルコキシシリルプロピル)アンモニウムの塩、及び、オクタデシルジメチル(3−トリアルコキシシリルプロピル)アンモニウムの塩からなる群から選択されるシランカップリング剤であり、
    異種金属が接合乃至接触する部位を封止する封止材に含有させて用いる、
    封止材用フィラー。
  2. 前記粒子材料の表面電位は30mV以上である請求項1に記載の封止材用フィラー。
  3. 前記粒子材料は粒径が3μm以下である請求項1又は2に記載の封止材用フィラー。
  4. 前記封止材は前記粒子材料を分散するエポキシ樹脂を含有する請求項1〜の何れか1項に記載の封止材用フィラー。
  5. 請求項1〜の何れか1項に記載の封止材用フィラーと、前記封止材用フィラーを分散する樹脂組成物とを有する封止材。
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