JP6120822B2 - 電気接続箱 - Google Patents

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Description

本発明は、電気接続箱に関する。
従来、自動車等の車両に搭載されるジャンクションボックス等の電気接続箱において、内部に回路基板を収容すると共に、この回路基板の表面側に対向配置される筐体の外面上に電子部品を嵌合する電子部品収容部を備え、この電子部品収容部に嵌合された状態の電子部品と回路基板とをバスバーにより接続する構成が知られている(例えば特許文献1)。
特開2008−182797号公報
特許文献1に記載される構成の電気接続箱では、電子部品を筐体上の電子部品収容部に挿入嵌合する際に、当該電子部品と接続するバスバーに付加される押圧力(挿入力)によって、バスバーが撓んで大きく変形する場合がある。一般に、バスバーと回路基板との接続には半田接続が用いられるので、外力によるバスバーの変形を抑制でき、バスバーと回路基板との良好な接続状態を確保できることが望ましい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電子部品の嵌合時に当該電子部品と接続するバスバーの変形を好適に抑制できる電気接続箱を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る電気接続箱は、筐体と、前記筐体の内部に収容される回路基板と、前記回路基板の表面側に対向配置される前記筐体の外面に設けられ、電子部品を嵌合する電子部品収容部と、前記回路基板から垂直方向に立設され、前記電子部品収容部に嵌合された状態の前記電子部品と前記回路基板とを接続する第一バスバーと、前記回路基板から前記垂直方向へ立設される第一垂直部と、前記第一垂直部から屈曲して前記回路基板に対して平行方向へ延在する水平部と、前記水平部から屈曲して前記垂直方向へ延在する第二垂直部と、を有し、前記電子部品収容部に嵌合され、かつ前記第一バスバーと接続された状態の前記電子部品と前記回路基板とを接続する第二バスバーと、前記回路基板上に設けられ、前記第一バスバー及び前記第二バスバーを保持する保持部材と、を備えることを特徴とする。
また、上記の電気接続箱において、前記保持部材は、前記第一バスバーを圧入して保持し、前記電子部品を前記電子部品収容部に挿入する際に前記第二バスバーの前記水平部に付加される挿入力を前記回路基板側から受けて前記第二バスバーを保持することが好ましい。
また、上記の電気接続箱は、前記回路基板と直交配置される前記筐体の側面に設けられ、第二電子部品を嵌合する第二電子部品収容部と、前記第二電子部品収容部に嵌合された状態の前記第二電子部品と前記回路基板とを接続する第三バスバー及び第四バスバーと、を備え、前記保持部材は、前記第三バスバー及び前記第四バスバーを保持することが好ましい。
本発明に係る電気接続箱は、電子部品を電子部品収容部に嵌合する際に、この電子部品と接続する第一バスバー及び第二バスバーに伝達される押圧力を保持部材で受け止めることができるので、押圧力による第一バスバー及び第二バスバーの撓み変形を低減でき、この結果、電子部品の嵌合時に当該電子部品と接続するバスバーの変形を好適に抑制できるという効果を奏する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電気接続箱の概略構成を示す斜視図である。 図2は、図1に示す電気接続箱の分解斜視図である。 図3は、図2中のバスバーバスバーブロック及びヒューズホルダを拡大視した斜視図である。 図4は、図3中のバスバーブロックを奥行き方向の背面側から視た斜視図である。 図5は、図4に示すバスバーブロックの分解斜視図である。 図6は、図1に示す電気接続箱の奥行き方向に沿った断面図であり、入力側FLバスバー及び出力側FLバスバーと、ヒュージブルリンク及び回路基板との接続状態を示す図である。 図7は、電気接続箱の組み立て状態におけるインナカバーと出力側FLバスバーとの当接部分を拡大視した模式図である。 図8は、回路基板との接続部分における従来のバスバーの端子形状の一例として本実施形態の第一バスバーの回路接続部の端子形状を示す模式図である。 図9は、回路基板との接続部分における第二バスバーの回路接続部の端子形状を示す模式図である。
以下に、本発明に係る電気接続箱の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
[実施形態]
図1〜7を参照して本発明の一実施形態に係る電気接続箱1の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電気接続箱の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す電気接続箱の分解斜視図である。図3は、図2中のバスバーバスバーブロック及びヒューズホルダを拡大視した斜視図である。図4は、図3中のバスバーブロックを奥行き方向の背面側から視た斜視図である。図5は、図4に示すバスバーブロックの分解斜視図である。図6は、図1に示す電気接続箱の奥行き方向に沿った断面図であり、入力側FLバスバー及び出力側FLバスバーと、ヒュージブルリンク及び回路基板との接続状態を示す図である。図7は、電気接続箱の組み立て状態におけるインナカバーと出力側FLバスバーとの当接部分を拡大視した模式図である。
以下の説明では、図1,2の上下方向、すなわち図2に示すようにインナカバー3、回路基板5、及びアウタカバー4が積層される方向を「積層方向」と表記し、回路基板5を基準としてインナカバー3側を「上側」、アウタカバー4側を「下側」と表記する。なお、ここで用いる「上側」及び「下側」は、必ずしも鉛直方向の上側及び下側でなくてもよい。また、一対のコネクタブロック8が対向する方向、すなわち筐体2の側壁部2b,2cの対向方向を「幅方向」と表記する。また、積層方向及び幅方向と共に直交する方向、すなわち筐体2の側壁部2a,2dの対向方向を「奥行き方向」と表記し、筐体2の側壁部2a側を「前面側」、側壁部2d側を「背面側」と表記する。
図1に示す本実施形態に係る電気接続箱1は、自動車等の車両に搭載され、ワイヤーハーネス・電線等の接続処理用部品を構成するコネクタ、ヒューズ、リレー、分岐部、電子制御ユニット等の電装品を集約して収容するものである。電気接続箱1は、例えば、車両のエンジンルームや車体の下方部分に設置され、バッテリ等の電源と、車両内に搭載される各種電子機器との間に接続されている。電気接続箱1は、電源から供給された電力を車両内の各種電子機器に分配する。なお、電気接続箱1は、ジャンクションボックス、ヒューズボックス、リレーボックスなどとも呼ばれる場合があるが、本実施形態ではこれらを総称して電気接続箱と呼ぶ。
図1,2に示すように、電気接続箱1は、筐体2の内部に回路基板5が収容される。筐体2は、回路基板5を表面5a側から支持するインナカバー3と、インナカバー3とは反対側の裏面5b側から回路基板5を支持するアウタカバー4とを含んで構成される。インナカバー3及びアウタカバー4は絶縁性の合成樹脂により形成される。図2に示すように、インナカバー3は、回路基板5と同様の略矩形状であり、筐体2の内部に回路基板5を収容した状態において回路基板5と対向する主面壁部3a(外面)と、この主面壁部3aの外周に沿って垂直方向に立設される周壁部3bとを有する。アウタカバー4は、インナカバー3と同様に、回路基板5と同様の略矩形状であり、筐体2の内部に回路基板5を収容した状態において回路基板5と対向する主面壁部4aと、この主面壁部4aの外周に沿って垂直方向に立設される周壁部4bとを有する。インナカバー3及びアウタカバー4は、それぞれの周壁部3b,4bにおいて相互に嵌合することで、図1に示す略直方体形状の筐体2を形成する。本実施形態では、主面壁部3a,4aが共に略矩形状であるので、図1に示すように、筐体2は、互いに対向する主面壁部3a,4aと、これらの主面壁部3a,4aの間に形成される4つの側壁部2a〜2dと、を有し、これらの壁部によって6つの外表面を形成している。すなわち、筐体2は、積層方向上側に主面壁部3a、積層方向下側に主面壁部4a、奥行き方向前面側に側壁部2a、奥行き方向背面側に側壁部2d、幅方向の両側に側壁部2b,2cを有する。
また、図1に示すように、電気接続箱1は、筐体2の4つの側壁部2a〜2dのうちの1つの側壁部2a(側壁)の一部に開口が設けられ、筐体2の内部に収容される回路基板5上に設置されるヒューズホルダ6が外部に露出して設けられている。これにより、ヒューズホルダ6は、電気接続箱1を組み立てた状態において、当該ヒューズホルダ6のヒューズ収容部6a(第二電子部品収容部)に、筐体2の外部からヒューズ20(第二電子部品)を嵌合可能に構成されている。ヒューズホルダ6は、積層方向に二段、各段が幅方向に複数個(本実施形態では各段に18個)の複数のヒューズ収容部6aを有する。各ヒューズ収容部6aは、縦長の四角形状をなす貫通孔であって、奥行き方向前面側から奥行き方向に沿ってヒューズ20が押圧挿入されることにより、そのヒューズ20を支持する。ヒューズホルダ6は、図2,3に示すようにバスバーブロック11と連結されており、バスバーブロック11を介して回路基板5上に設置されている。ヒューズホルダ6は、蓋部7を外側から嵌合することで、ヒューズ収容部6aを閉塞可能に構成されている。
また、図1に示すように、電気接続箱1は、筐体2の4つの側壁部2a〜2dのうち、共に側壁部2aと隣接し、かつ、相互に対向配置される一対の側壁部2b,2cの一部にも開口が設けられ、筐体2の内部に収容される回路基板5上に設置される一対のコネクタブロック8がそれぞれの側壁部2b,2cから外部に露出して設けられている。これにより、一対のコネクタブロック8は、電気接続箱1を組み立てた状態において、筐体2の外部から各種コネクタ(図示せず)を嵌合可能に構成されている。
また、図1に示すように、電気接続箱1は、筐体2の主面壁部3aの上面にECU(電子制御ユニット)を設置するECU設置面2eと、ECU接続用のECUコネクタ部9とを有する。ECUコネクタ部9は、図2に示すように、回路基板5の奥行き方向背面側の端部に接続されると共に、電気接続箱1を組み立てた状態において、筐体2のECU設置面2eから外部に露出するよう設けられている。ECU設置面2eに設置されたECUは、ECUコネクタ部9と接続されて、ECUコネクタ部9を介して回路基板5と電気的に接続される。
また、図1,2に示すように、電気接続箱1は、筐体2の主面壁部3aの上面、すなわち、回路基板5の表面5a側に対向配置される筐体2の外面にFL(ヒュージブルリンク)ホルダ10が形成されている。FLホルダ10は、複数(図1,2の例では4個)のFL収容部10a(電子部品収容部)を有し、積層方向の上側から積層方向に沿って、すなわち回路基板5と直交する方向に沿って、ヒュージブルリンク21(電子部品)を押圧挿入することで、ヒュージブルリンク21を個々のFL収容部10aに嵌合可能に構成されている。
図2に示すように、筐体2の内部に収容される回路基板5は、その表面5a上に、奥行き方向の前面側の端部に配置されるバスバーブロック11と、幅方向の両側の端部に配置される一対のコネクタブロック8と、奥行き方向の背面側の端部に配置されるECUコネクタ部9と、バスバーブロック11、一対のコネクタブロック8、及びECUコネクタ部9に包囲される略中央部に配置される複数のリレー12と、をそれぞれ接続している。バスバーブロック11、一対のコネクタブロック8、ECUコネクタ部9、及びリレー12のそれぞれは、回路基板5の裏面5b(図6参照)に形成されるプリント回路によって適宜電気的な接続がなされている。
バスバーブロック11は、図3,6に示すように、ヒューズ20と回路基板5とを接続するヒューズバスバー14と、ヒュージブルリンク21と回路基板5とを接続するFLバスバー15と、を一体的に組み合わせて形成される複数のバスバーの集合体である。バスバーブロック11は、図3,4に示すように、ブロック本体(保持部材)13と、上記のヒューズバスバー14と、FLバスバー15とを備える。
ブロック本体13は、絶縁性の合成樹脂により形成される。ブロック本体13は、ヒューズバスバー14及びFLバスバー15を組付け可能に構成される。ヒューズバスバー14及びFLバスバー15をブロック本体13に組み付けることで、ヒューズバスバー14及びFLバスバー15を一体的に組み合わせたバスバーブロック11が構成される。ブロック本体13は、図4に示すように、奥行き方向に沿って2つの部分に区分されており、奥行き方向の前面側にヒューズバスバー14を設置するヒューズバスバー設置部13aを有し、奥行き方向の背面側にFLバスバー15を設置するためのFLバスバー設置部13bを有している。ブロック本体13の積層方向下側の下端部が回路基板5の表面5aと接触し、このブロック本体13に組み付けられる各バスバーが回路基板5に接合されることで、バスバーブロック11が回路基板5に接続される。
なお、バスバーブロック11は回路基板5に直接接触するので、半田の熱影響を受けて変形しやすいことから、ブロック本体13は耐熱性の高い合成樹脂で形成するのが好ましい。例えば、ブロック本体13の材料としては、エンプラ(エンジニアリング・プラスチック)として一般的に利用されているシンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)等を使用可能である。
同様に、バスバーブロック11に嵌合することで回路基板5に接続されるヒューズホルダ6も、耐熱性の高い材料で形成されるのが好ましく、例えばザイロン材を用いて形成することができる。ここで、ヒューズホルダ6は、バスバーブロック11と嵌合することによって、ブロック本体13に組み込まれているヒューズバスバー14のガタつきを規制することができるよう構成されている。これにより、ヒューズバスバー14のガタつきを規制するための専用の部材をヒューズホルダ6とバスバーブロック11との間に設置することが不要となるので、部品点数を削減でき、組付け工数の削減と軽量化が可能となる。また、高価な耐熱樹脂の使用量を削減でき、環境負荷の軽減やコストダウンが可能となる。
ヒューズバスバー14は、積層方向に複数層のバスバーを積層配置して構成されている。本実施形態では、ヒューズバスバー14は、図3に示すように、積層方向の下側から順に第一層バスバー14a(第三バスバー)、第二層バスバー14b(第四バスバー)、第三層バスバー14c(第三バスバー)、及び第四層バスバー14d(第四バスバー)の4層のバスバーを有する。第一層バスバー14a、第二層バスバー14b、第三層バスバー14c、及び第四層バスバー14dは、それぞれブロック本体13のヒューズバスバー設置部13aに組み込まれることで、相互に絶縁状態となって保持される。
第一層バスバー14a、第二層バスバー14b、第三層バスバー14c、及び第四層バスバー14dは、図6に示すように、幅方向から視たときに略L字状に屈曲されて形成されており、屈曲部から一方側部分が奥行き方向の前面側に延在し、他方側部分が積層方向の下側に延在している。各バスバー14a〜14dの一方側部分は、ブロック本体13からヒューズホルダ6側に突出している。各バスバー14a〜14dの他方側部分は、ブロック本体13のヒューズバスバー設置部13aに積層方向の上側から挿通して、回路基板5側に突出している。
第一層バスバー14a、第二層バスバー14b、第三層バスバー14c、及び第四層バスバー14dのそれぞれは、図3,4に示すように、上記の一方側部分の端部に幅方向に沿って複数(本実施形態では18個)の音叉状のヒューズ接続部14eを有すると共に、上記の他方側部分の端部に幅方向に沿って複数のピン状の回路接続部14fを有する。ヒューズ接続部14eのそれぞれは、ヒューズホルダ6のヒューズ収容部6aに挿通され、ヒューズ収容部6aに嵌合されるヒューズ20と接続可能となっている。また、回路接続部14fは、回路基板5のスルーホールに挿通されて、回路基板5の裏面5bのプリント回路にはんだ接合などによって接続される。
また、ヒューズバスバー14の各バスバー14a〜14dは、積層方向の上側に配置されるものほど、奥行き方向及び積層方向の全長が長くなるよう形成されると共に、ブロック本体13への組付け時に、回路基板5に接続される回路接続部14fの位置が奥行き方向の背面側になるように構成されている。つまり、図6に示すように、積層方向の最も下側に配置される第一層バスバー14aが、奥行き方向及び積層方向の全長が最短であり、また、回路基板5に接続される回路接続部14fの位置が奥行き方向の最も前面側になっており、一方、積層方向の最も上側に配置される第四層バスバー14dが、奥行き方向及び積層方向の全長が最長であり、また、回路基板5に接続される回路接続部14fの位置が奥行き方向の最も背面側になっている。これにより、図3〜6に示すように、各層のバスバー14a〜14dのヒューズ接続部14eの奥行き方向のブロック本体13からの突出量が揃えられている。
積層方向下側の第一層バスバー14a及び第二層バスバー14bは、幅方向の位置が同一となる第一層バスバー14aのヒューズ接続部14eと、第二層バスバー14bのヒューズ接続部14eとが、ヒューズホルダ6の積層方向下側の段のヒューズ収容部6aの1つに併せて挿通されるよう構成されている。また、積層方向上側の第三層バスバー14c及び第四層バスバー14dは、幅方向の位置が同一となる第三層バスバー14cのヒューズ接続部14eと、第四層バスバー14dのヒューズ接続部14eとが、ヒューズホルダ6の積層方向上側の段のヒューズ収容部6aの1つに併せて挿通されるよう構成されている。そして、同一のヒューズ収容部6aに挿通される一対のヒューズ接続部14eの一方が、このヒューズ収容部6aに嵌合された状態のヒューズ20の入力端子及び出力端子の一方と接続し、一対のヒューズ接続部14eの他方が、ヒューズ20の入力端子及び出力端子の他方と接続するよう構成されている。
FLバスバー15は、図3に示すように、第一バスバー16と第二バスバー17とを備え、図6に示すように、第一バスバー16が、FLホルダ10のFL収容部10aに嵌合されたヒュージブルリンク21の入力端子及び出力端子の一方と接続し、第二バスバー17が、ヒュージブルリンク21の入力端子及び出力端子の他方と接続するよう構成される。本実施形態では4個のFL収容部10aが設けられているので、図4,5に示すように、各FL収容部10aに個別に挿通される4個の第一バスバー16−1、16−2、16−3、16−4が幅方向に沿って配列され、同様に、4個の第二バスバー17−1、17−2、17−3、17−4が幅方向に沿って配列されている。すなわち、FLバスバー15は、FLホルダ10のFL収容部10aの個数に対応する複数対の第一バスバー16及び第二バスバー17を備え、本実施形態では4対を備えている。
第一バスバー16は、図5,6に示すように、積層方向に延在する直線状に形成され、回路基板5から垂直方向に立設される。第一バスバー16は、積層方向上側の端部にヒュージブルリンク21と接続するためのFL接続部16aを有し、積層方向下側の端部にピン状の回路接続部16bを有する。第一バスバー16は、ブロック本体13のFLバスバー設置部13bに設けられる圧入孔13cに積層方向の上側から圧入されることで、回路接続部16bを回路基板5側に突出して、ブロック本体13に保持されている。
第二バスバー17のうちの3個の第二バスバー17−1〜17−3は、図4〜6に示すように、クランク形状に形成され、回路基板5から垂直方向(積層方向上側)へ立設される第一垂直部17aと、第一垂直部17aから屈曲して回路基板5に対して平行方向へ延在する水平部17bと、水平部17bから屈曲して垂直方向へ延在(立設)する第二垂直部17cと、を有する。第二バスバー17は、第一垂直部17aの積層方向下側の端部にピン状の回路接続部17dを有し、第二垂直部17cの積層方向上側の端部にFL接続部17eを有する。水平部17bは奥行き方向に沿って延在し、第一垂直部17aは水平部17bの奥行き方向背面側の端部に連結され、第二垂直部17cは水平部17bの奥行き方向前面側の端部に連結されている。第二バスバー17−1〜17−3は、第一垂直部17aの回路接続部17dが回路基板5に接続されると共に、水平部17bと第二垂直部17cとの境界部分が、FLバスバー設置部13bに設けられる載置棚13dに載置されることで、ブロック本体13に保持されつつ回路基板5上に設置される。第二バスバー17−1〜17−3は、載置棚13dから奥行き方向背面側に突出する水平部17bによって、コネクタブロック8の端子やリレー12の積層方向上側を回路基板5に対して平行に通過して、これらの端子やリレー12の間の空間を利用して回路基板5のスルーホール5cに挿入接続されている。
ここで、FLバスバー設置部13bの載置棚13dは、図5に示すように、その底面の周囲に周壁を立設して形成され、かつ、この周壁のうち奥行き方向背面側の部分に第二バスバー17の水平部17bを挿通可能な幅の切欠きが底面まで設けられており、これにより、第二バスバー17−1〜17−3の第二垂直部17cの積層方向下側の部分を収容可能に構成されている。そして、第二バスバー17−1〜17−3の第二垂直部17cのうち、載置棚13dに収容される部分には、幅方向の両側に一対の係止片17fが設けられている。第二バスバー17−1〜17−3は、載置棚13dへの設置時にこれらの係止片17fが載置棚13dの周壁の内周面に嵌合することで、ブロック本体13に対して奥行き方向の前面側及び背面側に移動するのを規制されている。また、第二バスバー17−1〜17−3は、載置棚13dへの設置時に水平部17bが載置棚13dの底面と当接することで、積層方向下側への移動が規制されている。さらに、図7に示すように、電気接続箱1の組み立て時には、第二バスバー17−1〜17−3は、第二垂直部17cの先端側部分をFL収容部10aに積層方向下側から挿通させる構成であるので、第二垂直部17cの係止片17fがインナカバー3の壁面に積層方向下側から当接する。これにより、第二バスバー17−1〜17−3は、積層方向上側への浮き上がりが規制されている。
また、上記のように第二バスバー17−1〜17−3をブロック本体13に組み付ける際には、各第二バスバー17−1〜17−3を載置棚13dに嵌合する構成であるため、ブロック本体13に対する第二バスバー17−1〜17−3の位置決めを容易に行うことができる。
第二バスバー17のうちの残りの1個の第二バスバー17−4は、他とは異なり第一バスバー16と同様の形状に形成されており、FLバスバー設置部13bの圧入孔13cに積層方向の上側から圧入されることで、回路接続部17dを回路基板5側に突出して、ブロック本体13に保持されている。また、第二バスバー17−4は、第一バスバー16−4と平行に配置されており、FL接続部17eが第一バスバー16−4のFL接続部16aと積層方向の略同一の高さ位置となるように設置されている。
第一バスバー16と第二バスバー17は、幅方向の位置が同一となる第一バスバー16−1、16−2、16−3、16−4のFL接続部16aと、第二バスバー17−1、17−2、17−3、17−4のFL接続部17eとが、FLホルダ10のFL収容部10aの1つに併せて挿通されるよう構成されている。そして、同一のFL収容部10aに挿通される一対のFL接続部16a及びFL接続部17eの一方が、このFL収容部10aに嵌合された状態のヒュージブルリンク21の入力端子及び出力端子の一方と接続し、一対のFL接続部16a及びFL接続部17eの他方が、ヒュージブルリンク21の入力端子及び出力端子の他方と接続するよう構成されている。
上述のように、第一バスバー16は、ブロック本体13のFLバスバー設置部13bに設けられる圧入孔13cに圧入されることで、ブロック本体13に保持されている。また、第二バスバー17は、ブロック本体13のFLバスバー設置部13bに設けられる載置棚13dに載置されることで、ブロック本体13に保持されている。つまり、FLバスバー15を構成する第一バスバー16及び第二バスバー17は、共にブロック本体13によって保持されている。
また、このようなFLバスバー15の構成により、電気接続箱1においてヒュージブルリンク21を取り付けるFL収容部10aは、FLバスバー15の第一バスバー16及び第二バスバー17がFLバスバー設置部13bにより保持されている箇所に対して積層方向の真上に設けられている。このような本実施形態の構成において、FL収容部10aにヒュージブルリンク21を嵌合させる場合を考える。
この場合、図6に示すように、積層方向下側に向けた挿入力Fが付加される。この挿入力Fは、ヒュージブルリンク21に接続されるFL接続部16a及びFL接続部17eを介してFLバスバー15の第一バスバー16及び第二バスバー17に伝達される。このとき、第一バスバー16は、FLバスバー設置部13bの圧入孔13cに圧入されることでブロック本体13に保持されているので、積層方向下側への挿入力Fを圧入孔13cの内周面で受け止めることができる。これにより、第一バスバー16は、挿入力Fに対する反力f1を積層方向上側へ向けて発生する。また、このとき、第二バスバー17は、FLバスバー設置部13bの載置棚13dに載置されているので、積層方向下側への挿入力Fを載置棚13dの底面で受け止めることができる。これにより、第二バスバー17は、挿入力Fに対する反力f2を積層方向上側へ向けて発生する。
このように、本実施形態では、FL収容部10aにヒュージブルリンク21を嵌合させる際に、付加される挿入力Fに対してFLバスバー15の第一バスバー16及び第二バスバー17がそれぞれ反力f1,f2を発生させるので、ヒュージブルリンク21と、第一バスバー16のFL接続部16a及び第二バスバー17のFL接続部17eとの嵌合を促進でき、ヒュージブルリンク21をFL収容部10aに嵌合しやすくできる。また、FLバスバー15の第一バスバー16及び第二バスバー17が共にブロック本体13に保持されるので、上記の挿入力Fがブロック本体13で受け止められて各バスバー16,17と回路基板5との接合部分に伝達されるのを抑制できるので、接合部分(例えばはんだ接合部)の品質を確保できる。また、第二バスバー17に伝達される挿入力FをFLバスバー設置部13bの載置棚13dで受けることができるので、挿入力Fの影響が第二バスバー17の水平部17bに伝達されるのを防止でき、FL収容部10aにヒュージブルリンク21を嵌合させる際に第二バスバー17の水平部17bが撓むのを好適に抑制できる。
次に、図8,9を参照して、第二バスバー17の回路接続部17dの端子形状について説明する。図8は、回路基板との接続部分における従来のバスバーの端子形状の一例として本実施形態の第一バスバーの回路接続部の端子形状を示す模式図である。図9は、回路基板との接続部分における第二バスバーの回路接続部の端子形状を示す模式図である。
図8に示すように、従来の端子形状としての第一バスバー16の回路接続部16bは、回路基板5のスルーホール5cに挿通して半田にて接続を行うのが一般的である。このとき、半田付けにおける半田不良による接続信頼性の低下を回避するため、回路基板5からの出代αを規定されている値とすることが望ましい。出代αとは、回路基板5のスルーホール5cに挿通された回路接続部16bの突出量と表現することができる。この出代αは、端子(第一バスバー16)の寸法精度や加工精度の影響によって変動が大きいため、第一バスバー16の固定位置や回路接続部16bの端子形状の管理を徹底する必要がある。
これに対して、図9に示すように、本実施形態における第二バスバー17の回路接続部17dは、第二バスバー17からピン形状の回路接続部17dまでの遷移部分であるテーパ形状の当て部17gを回路基板5のスルーホール5cに当てるよう構成されている。第二バスバー17の当て部17gは、第二バスバー17自体の自重によって容易に回路基板5に当たることができる。これにより、従来のように、出代αを規定値とするために第二バスバー17の固定位置や回路接続部17dの端子形状の管理を徹底する必要がなくなり、製造リードタイムや設備稼働を短縮でき、この結果、製造コストを低減可能となり、また、環境への配慮も実施可能となる。
ここで、当て部17gの当て部角θ(回路基板5の裏面5bを基準とする当て部17gのテーパ形状の傾斜角度)は、45度以上であることが好ましい。これにより、当て部17gが当接するスルーホール5cのエッジ部をつぶしにくくでき、回路基板5の表面レジストを削る可能性を低減できる。また、半田フィレットが形成されやすくできる。
なお、上記実施形態では、第二バスバー17の回路接続部17dを、当て部17gにより回路基板5のスルーホール5cに当接する構成として例示したが、上記実施形態中の第一バスバー16の回路接続部16bや、ヒューズバスバー14の回路接続部14fの端子形状も同様の構成としてもよい。また、この反対に、第二バスバー17の回路接続部17dの端子形状を図8に示す従来の端子形状としてもよい。
次に、本実施形態に係る電気接続箱1の効果を説明する。
本実施形態の電気接続箱1は、筐体2と、筐体2の内部に収容される回路基板5と、回路基板5の表面5a側に対向配置される筐体2の外面(主面壁部3a)に設けられ、ヒュージブルリンク21を嵌合するFL収容部10aと、回路基板5から垂直方向に立設され、FL収容部10aに嵌合された状態のヒュージブルリンク21と回路基板5とを接続する第一バスバー16と、回路基板5から垂直方向へ立設される第一垂直部17aと、第一垂直部17aから屈曲して回路基板5に対して平行方向へ延在する水平部17bと、水平部17bから屈曲して垂直方向へ延在する第二垂直部17cと、を有し、FL収容部10aに嵌合された状態のヒュージブルリンク21と回路基板5とを接続する第二バスバー17と、回路基板5上に設けられ、第一バスバー16及び第二バスバー17を保持するバスバーブロック11のブロック本体13と、を備える。
この構成により、ヒュージブルリンク21をFL収容部10aに嵌合する際に、このヒュージブルリンク21と接続する第一バスバー16及び第二バスバー17に伝達される押圧力(すなわち挿入力F)をバスバーブロック11のブロック本体13で受け止めることができるので、押圧力による第一バスバー16及び第二バスバー17の撓み変形を低減できる。この結果、ヒュージブルリンク21の嵌合時にこのヒュージブルリンク21と接続する第一バスバー16及び第二バスバー17の変形を好適に抑制できる。また、ヒュージブルリンク21と接続する第一バスバー16及び第二バスバー17を共にバスバーブロック11のブロック本体13により保持することで、ブロック本体13をヒュージブルリンク21の嵌合時に応力受け部として機能させることができると共に、第一バスバー16及び第二バスバー17を組み付ける際の位置決めを容易にできる。
また、本実施形態の電気接続箱1において、ブロック本体13は、第一バスバー16を圧入して保持する。また、ブロック本体13は、ヒュージブルリンク21をFL収容部10aに挿入する際に第二バスバー17の水平部17bに付加される挿入力Fを載置棚13dにより回路基板5側から受けて第二バスバー17を保持する。
この構成により、ヒュージブルリンク21をFL収容部10aに挿入する際に、このヒュージブルリンク21と接続する第一バスバー16及び第二バスバー17に伝達される挿入力Fをバスバーブロック11のブロック本体13でより一層確実に受けることができるので、第一バスバー16及び第二バスバー17の変形をさらに抑制できる。
また、本実施形態の電気接続箱1は、回路基板5と直交配置される筐体2の側壁部2aに設けられ、ヒューズ20を嵌合するヒューズ収容部6aと、ヒューズ収容部6aに嵌合された状態のヒューズ20と回路基板5とを接続するヒューズバスバー14の第一層バスバー14a、第二層バスバー14b、第三層バスバー14c、及び第四層バスバー14dと、を備える。バスバーブロック11のブロック本体13は、これらの第一層バスバー14a、第二層バスバー14b、第三層バスバー14c、及び第四層バスバー14dを保持する。
この構成により、ヒューズ収容部6aに対してFL収容部10aが回路基板5との対向位置に配置され、バスバーブロック11に接続される電子部品の配置が複数方向となるので、バスバーブロック11を介して回路基板5に接続可能な電子部品の数を増加でき、また、バスバーブロック11の各バスバー14,15の配索の自由度を向上できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
上記実施形態では、ヒュージブルリンク21を、回路基板5から垂直方向に設けられるFL収容部10aに嵌合する構成を例示したが、ヒュージブルリンク21以外の電子部品を適用してもよい。また、筐体2の側壁部2a(側面)にヒューズ収容部6aを設け、ヒューズ20を嵌合する構成を例示したが、ヒューズ20以外の電子部品を適用してもよい。
1 電気接続箱
2 筐体
2a 側壁部(側面)
3a 主面壁部(外面)
5 回路基板
5a 回路基板の表面
6a ヒューズ収容部(第二電子部品収容部)
10a FL収容部(電子部品収容部)
11 バスバーブロック
13 ブロック本体(保持部材)
14 ヒューズバスバー
14a 第一層バスバー(第三バスバー)
14b 第二層バスバー(第四バスバー)
14c 第三層バスバー(第三バスバー)
14d 第四層バスバー(第四バスバー)
15 FLバスバー
16(16−1,16−2,16−3,16−4) 第一バスバー
17(17−1,17−2,17−3,17−4) 第二バスバー
17a 第一垂直部
17b 水平部
17c 第二垂直部
20 ヒューズ(第二電子部品)
21 ヒュージブルリンク(電子部品)
F 挿入力

Claims (3)

  1. 筐体と、
    前記筐体の内部に収容される回路基板と、
    前記回路基板の表面側に対向配置される前記筐体の外面に設けられ、電子部品を嵌合する電子部品収容部と、
    前記回路基板から垂直方向に立設され、前記電子部品収容部に嵌合された状態の前記電子部品と前記回路基板とを接続する第一バスバーと、
    前記回路基板から前記垂直方向へ立設される第一垂直部と、前記第一垂直部から屈曲して前記回路基板に対して平行方向へ延在する水平部と、前記水平部から屈曲して前記垂直方向へ延在する第二垂直部と、を有し、前記電子部品収容部に嵌合され、かつ前記第一バスバーと接続された状態の前記電子部品と前記回路基板とを接続する第二バスバーと、
    前記回路基板上に設けられ、前記第一バスバー及び前記第二バスバーを保持する保持部材と、
    を備えることを特徴とする電気接続箱。
  2. 前記保持部材は、前記第一バスバーを圧入して保持し、前記電子部品を前記電子部品収容部に挿入する際に前記第二バスバーの前記水平部に付加される挿入力を前記回路基板側から受けて前記第二バスバーを保持する、
    請求項1に記載の電気接続箱。
  3. 前記回路基板と直交配置される前記筐体の側面に設けられ、第二電子部品を嵌合する第二電子部品収容部と、
    前記第二電子部品収容部に嵌合された状態の前記第二電子部品と前記回路基板とを接続する第三バスバー及び第四バスバーと、
    を備え、
    前記保持部材は、前記第三バスバー及び前記第四バスバーを保持する、
    請求項1または2に記載の電気接続箱。
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