JP6119547B2 - 電極用スラリーの製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電極用スラリーの製造装置に関する。
従来、蓄電装置の電極を製造する技術として、例えば、粉体状のリチウム遷移金属複合酸化物と、バインダと、導電助剤と、を溶媒で希釈してスラリーを調製し、このスラリーを金属上に塗布・乾燥することにより、二次電池の正極を製造する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、遷移金属化合物等を噴霧乾燥した後に、リチウム化合物を添加混合し、混合物を焼成し、その後解砕及び分級して、粉体状のリチウム遷移金属複合酸化物を製造する。
特開2007−5238号公報
ところで、リチウム遷移金属複合酸化物等の粉体材料の各種物性値には、ロット毎のばらつきがある。したがって、粉体材料と、バインダ等のペースト材料とを混合し、溶媒で希釈することにより調製されるスラリーの粘度にも、粉体材料の物性値のばらつきに起因するばらつきが生じる場合があった。スラリーの粘度にばらつきが生じると、このスラリーを用いて得られる蓄電装置の品質にもばらつきが生じるおそれがある。調製されたスラリーの粘度を実測して、実測された粘度に基づいて希釈量を調節することによってスラリーの粘度を微調整することも可能ではあるが、この場合には人件費及び加工時間が増加するという問題がある。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、電極用スラリーの粘度を簡便に目標値に合わせることができる電極用スラリーの製造装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明の電極用スラリーの製造装置は、粉体材料及びペースト材料を含む原材料並びに溶媒を用いて電極用スラリーを製造する、電極用スラリーの製造装置であって、粉体材料のロット毎の粉体材料の密度、DBP(ジブチルフタレート)吸油量及びペースト材料のロット毎のペースト材料の粘度の少なくともいずれか一の入力を受け付ける入力受付部と、電極用スラリーの粘度の目標値を予め保持し、入力受付部により入力が受け付けられた粉体材料の密度、DBP吸油量及びペースト材料の粘度の少なくともいずれか一に基づいて、電極用スラリーの粘度を目標値とするための溶媒による原材料の希釈量を算出する算出部と、算出部により算出された希釈量の溶媒で原材料を希釈することにより電極用スラリーを調製する調製部と、を備える。
本発明によれば、ロット毎の粉体材料の密度、DBP吸油量及びロット毎のペースト材料の粘度の少なくともいずれか一に基づいて、電極用スラリーの粘度を目標値とするための希釈量が算出部により算出され、この希釈量の溶媒で原材料が希釈されて電極用スラリーが調製される。したがって、ロット毎の粉体材料の密度、DBP吸油量及びロット毎のペースト材料の粘度がばらついたとしても、調製される電極用スラリーの粘度を常に目標値に合わせることが可能になる。希釈量の算出は、算出部により自動的に実行されるので、調製されたスラリーの粘度を実測する必要がなくなり、スラリーの粘度を簡便に微調整することができる。
入力受付部は、粉体材料のロット毎の粉体材料の密度、DBP吸油量及びペースト材料のロット毎のペースト材料の粘度の少なくともいずれか一を表す情報コードを読み取る読取部を備えていることが好ましい。この場合、入力受付部への情報の入力がより簡便なものとなり、利便性を向上できる。
入力受付部が受け付ける粉体材料の密度がタップ密度であることが好ましい。タップ密度は、スラリーの粘度に特に強く影響するパラメータである。したがって、粉体材料の密度としてタップ密度を用いることにより、調製される電極用スラリーの粘度をより精度良く目標値に合わせることができる。
本発明によれば、電極用スラリーの粘度を簡便に目標値に合わせることができる。
製造装置の構成を示す模式図である。 粉体材料のタップ密度と所定の固形分率の電極用スラリーの粘度との関係を示すグラフである。 ペースト材料の粘度と所定の固形分率の電極用スラリーの粘度との関係を示すグラフである。 所定の固形分率の電極用スラリーの粘度と完成時の電極用スラリーの固形分率との関係を示すグラフである。 活物質の吸油量と所定の固形分率の電極用スラリーの粘度との関係を示すグラフである。 ペースト材料の粘度と所定の固形分率の電極用スラリーの粘度との関係を示すグラフである。 所定の固形分率の電極用スラリーの粘度と完成時の電極用スラリーの固形分率との関係を示すグラフである。 粉体材料の密度の実測工程を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る電極用スラリーの製造装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電極用スラリーSLの製造装置1の構成を示す模式図である。同図に示される製造装置1は、粉体材料P及びペースト材料Bを含む原材料並びに溶媒Sを用いて電極用スラリーSLを製造する装置である。製造装置1により製造される電極用スラリーSLは、例えばアルミニウムや銅などの金属箔の表面に塗工されることにより、二次電池等の蓄電装置の電極を製造するために用いられる。
粉体材料Pは、例えば活物質である。活物質は、正極活物質及び負極活物質のいずれであってもよい。粉体材料Pには、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック等の導電助剤が含まれていてもよい。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウム、硫黄等が挙げられる。複合酸化物は、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとを含む。
負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、Si、SiOxのようなシリコン系材料、Sn、SnOxのようなスズ系材料、ホウ素添加炭素等が挙げられる。
ペースト材料Bは、例えばバインダである。バインダとしては、例えばPVdF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、NBR(ニトリル・ブタジエンゴム)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、ポリアクリル酸、ポリアミドイミド、ポリイミド等が挙げられる。溶媒Sは、例えばNMP(N−メチルピロリドン)、メタノール、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤であってもよく、水であってもよい。
図1に示される製造装置1は、原材料の密度、DBP吸油量及び粘度の少なくともいずれか一の入力を受け付ける入力受付部11と、入力受付部により入力が受け付けられた情報に基づいて原材料の希釈量を算出する算出部13と、算出部13により算出された希釈量の溶媒Sで原材料を希釈する希釈部20と、を備えている。
入力受付部11は、ロット毎の粉体材料Pの密度、DBP吸油量及びロット毎のペースト材料Bの粘度の少なくともいずれか一の入力を受け付ける部分である。入力受付部11は、例えば、ロット毎の粉体材料Pの密度、DBP吸油量及びロット毎のペースト材料Bの粘度の少なくともいずれか一を表す情報コードCを読み取る読取部12を備えている。読取部12は、例えば、画像情報を取得するためのスキャナやカメラ等の画像取得部、及び取得された画像情報をデコードして、情報コードCに含まれる粉体材料Pの密度、DBP吸油量又はペースト材料Bの粘度を読み出す情報読出部等によって構成されている。情報コードCとしては、例えばQRコード(登録商標)やバーコードが用いられ得る。情報コードCは、例えば、粉体材料P又はペースト材料Bのロット毎の納入仕様書DS等に印刷されている。
入力受付部11が受け付ける粉体材料Pの密度は、例えばタップ密度である。タップ密度を測定する際のタップの回数は、特に限定されないが、例えば250回である。また、粉体材料Pの密度として、粉体材料Pを容器に入れた後にタップを行わない状態で体積を測定して得られるかさ密度を用いてもよい。この他、粉体材料Pの密度として、粉体材料Pが不溶性を示す液体の中に粉体材料Pを投入し、液体の液面の上昇に基づいて粉体材料Pの体積を算出し、液体中に投入された粉体材料Pの質量を上記算出された体積で除算して得られる密度を用いてもよい。
算出部13は、溶媒Sによる原材料の希釈量を算出する部分である。算出部13は、電極用スラリーSLの粘度の目標値を不図示のメモリ等の記憶部に予め保持している。そして、算出部13は、入力受付部11により入力が受け付けられた粉体材料Pの密度、DBP吸油量及びペースト材料Bの粘度の少なくともいずれか一に基づいて、希釈量を算出する。算出部13は、物理的には、例えばマイクロプロセッサ及びメモリ等によって構成することができる。希釈量の具体的な算出方法は後述する。
希釈部20は、算出部13により算出された希釈量の溶媒Sで原材料を希釈することにより電極用スラリーSLを調製する部分である。希釈部20は、例えば溶媒貯留槽21、粉体材料貯留槽22、ペースト材料貯留槽23、混合槽24、弁25A〜25C及び制御部27を備えている。溶媒貯留槽21は、溶媒Sを貯留する容器である。粉体材料貯留槽22は、粉体材料Pを貯留する容器である。ペースト材料貯留槽23は、ペースト材料Bを貯留する容器である。混合槽24は、粉体材料貯留槽22に貯留された粉体材料Pとペースト材料貯留槽23に貯留されたペースト材料Bとを混合し、溶媒貯留槽21に貯留された溶媒Sを加えて希釈するための容器である。
弁25A〜25Cは、溶媒貯留槽21、粉体材料貯留槽22及びペースト材料貯留槽23から混合槽24に至る配管26A〜26C上にそれぞれ設けられている。弁25A〜25Cが開閉されることにより、溶媒貯留槽21、粉体材料貯留槽22及びペースト材料貯留槽23から配管26A〜26Cを経由して混合槽24へ供給される溶媒S、粉体材料P及びペースト材料Bの供給量が調整される。
制御部27は、算出部13により算出された希釈量に応じて、弁25A〜25Cの開閉を制御する部分である。制御部27は、混合槽24へ供給される溶媒S、粉体材料P及びペースト材料Bの全ての量を可変とするように弁25A〜25Cを制御してもよい。あるいは、制御部27は、溶媒Sの量のみを希釈量に応じて可変とするように弁25Aを制御し、粉体材料P及びペースト材料Bの量については粉体材料Pの密度、DBP吸油量及びペースト材料Bの粘度によらず一定とするように弁25B及び25Cを制御しようにしてもよい。
以上のように構成される製造装置1は、次のように動作する。まず、入力受付部11の読取部12が、粉体材料P及びペースト材料Bの少なくとも一方のロット毎の納入仕様書DSに印刷された情報コードCを読み取る。入力受付部11は、情報コードCをデコードして、粉体材料Pのロットの密度、DBP吸油量及びペースト材料Bのロットの粘度の少なくともいずれか一の情報を読み出す。入力受付部11は、読み出されたタップ密度、DBP吸油量又は粘度の情報を算出部13に出力する。
算出部13は、入力受付部11により読み出された粉体材料Pのロットの密度、DBP吸油量及びペースト材料Bのロットの粘度の少なくともいずれか一に基づいて、希釈量を算出する。希釈部20の制御部27は、算出部13により算出された希釈量に基づいて弁25A〜25Cを開閉する。弁25A〜25Cの開閉に応じて、溶媒貯留槽21、粉体材料貯留槽22及びペースト材料貯留槽23から、それぞれ溶媒S、粉体材料P及びペースト材料Bが、混合槽24に供給される。混合槽24では、粉体材料P及びペースト材料Bが混合され、さらに溶媒Sで希釈されることにより、電極用スラリーSLが製造される。製造された電極用スラリーSLは、混合槽24から後段へ排出される。
以上説明したように、本実施形態の製造装置1によれば、ロット毎の粉体材料Pの密度、DBP吸油量及びロット毎のペースト材料Bの粘度の少なくともいずれか一に基づいて、電極用スラリーSLの粘度を目標値とするための希釈量が算出部13により算出され、この希釈量の溶媒Sで原材料が希釈されて電極用スラリーSLが調製される。したがって、ロット毎の粉体材料Pの密度、DBP吸油量及びロット毎のペースト材料Bの粘度がばらついたとしても、調製される電極用スラリーSLの粘度を常に目標値に合わせることが可能になる。希釈量の算出は、算出部13により自動的に実行されるので、調製された電極用スラリーSLの粘度を実測する必要がなくなり、電極用スラリーSLの粘度を簡便に微調整することができる。
また、入力受付部11は、ロット毎の粉体材料Pの密度、DBP吸油量及びロット毎のペースト材料Bの粘度の少なくともいずれか一を表す情報コードCを読み取る読取部12を備えている。この構成により、入力受付部11への情報の入力がより簡便なものとなり、利便性が向上されている。
また、入力受付部11が受け付ける粉体材料Pの密度がタップ密度である場合には、タップ密度は、電極用スラリーSLの粘度に特に強く影響するパラメータであるため、粉体材料Pの密度としてタップ密度を用いることにより、調製される電極用スラリーSLの粘度をより精度良く目標値に合わせることができる。
(希釈量の算出方法の例)
算出部13による希釈量の算出方法の一つの実施例について説明する。本実施例では、製造装置1により製造される電極用スラリーSLは、正極スラリーである。粉体材料Pは、活物質であるニッケルコバルトマンガン酸リチウムと、導電助剤であるカーボンブラックとを含む。ペースト材料Bは、バインダであるPVdFを含む。溶媒Sは、NMP(N−メチルピロリドン)を含む。
希釈量の算出に先立ち、粉体材料Pのタップ密度と、当該タップ密度を有する粉体材料Pをペースト材料Bと混合して得られる所定固形分率のスラリーの粘度との関係を予め調べておく。図2は、粉体材料Pのタップ密度と所定固形分率(70重量%)のスラリーの粘度との関係の一例である。横軸は、粉体材料Pのタップ密度(単位:g/cm)である。縦軸は、所定固形分率(70重量%)のスラリーの粘度(単位:cP)である。図2において、ペースト材料Bの粘度は、1000cPで固定とされている。図2上の5つの点は、粉体材料Pのタップ密度を5通りに変化させて所定固形分率(70重量%)となるように希釈したスラリーの粘度を実測し、結果をプロットしたものである。図2の直線は、5通りの実測値から得られた、粉体材料Pのタップ密度と所定固形分率のスラリーの粘度との関係を示す近似直線を示す。粉体材料Pのタップ密度をxとし、所定固形分率のスラリーの粘度をyとすれば、y=−11650x+32881と近似される。
同様に、希釈量の算出に先立ち、ペースト材料Bの粘度と、当該粘度を有するペースト材料Bを粉体材料Pと混合して得られる所定固形分率のスラリーとの粘度の関係を予め調べておく。図3は、ペースト材料Bの粘度と所定固形分率(70重量%)のスラリーの粘度との関係の一例である。横軸は、ペースト材料Bの粘度(単位:cP)である。縦軸は、所定固形分率(70重量%)のスラリーの粘度(単位:cP)である。図3において、粉体材料Pのタップ密度は、2.3g/cmで固定とされている。図3上の5つの点は、ペースト材料Bの粘度を5通りに変化させて所定固形分率(70重量%)となるように希釈したスラリーの粘度を実測し、結果をプロットしたものである。図3の直線は、5通りの実測値から得られた、ペースト材料Bの粘度と所定固形分率のスラリーの粘度との関係を示す近似直線を示す。ペースト材料Bの粘度をxとし、所定固形分率のスラリーの粘度をyとすれば、y=3.183x+2842.1と近似される。
これらの関係を統合すると、粉体材料Pのタップ密度及びペースト材料Bの粘度に基づいて所定固形分率のスラリーの粘度を計算するための式が、次の式(1)のように得られる。
η=−α(ρ−ρA0)+β(η−ηB0)+η ・・・(1)
式(1)において、ηは所定固形分率のスラリーの粘度、ηは所定固形分率のスラリーの粘度の中央値、αは粉体材料Pのタップ密度にかかる係数、βはペースト材料Bの粘度にかかる係数、ρはロット毎の粉体材料Pのタップ密度、ρA0は粉体材料Pのタップ密度の中央値、ηはロット毎のペースト材料Bの粘度、ηB0はペースト材料Bの粘度の中央値である。上述した実施例の場合、例えばη=6056、α=11650、β=3.183、ρA0=2.3、ηB0=1000とすれば、所定固形分率のスラリーの粘度ηを粉体材料Pのタップ密度ρ及びペースト材料Bの粘度ηに基づいて計算することができる。
算出部13は、このようにして所定固形分率のスラリーの粘度ηを計算し、次いで、粘度ηの所定固形分率のスラリーを希釈して最終的に得られる電極用スラリーSLの粘度を目標値とすることができる溶媒の希釈量を計算する。
図4は、所定固形分率(70重量%)のスラリーの粘度と目標粘度(5000cP)での固形分率との関係の一例である。横軸は、所定固形分率(70重量%)のスラリーの粘度である。縦軸は、目標粘度(5000cP)での固形分率である。図4上の10の点は、図2及び図3でプロットした所定固形分率(70重量%)となるように希釈したスラリーを目標粘度(5000cP)とするために必要な固形分率を実測し、結果をプロットしたものである。図4の直線は、10通りの実測値から得られた、所定固形分率(70重量%)のスラリーの粘度と目標粘度(5000cP)での固形分率との関係を示す近似直線を示す。所定固形分率(70重量%)のスラリーの粘度をxとし、目標粘度(5000cP)での固形分率をyとすれば、y=−0.00096x+74.95122と近似される。
この結果から、目標粘度の電極用スラリーを得るために必要な固形分率を所定固形分率のスラリーの粘度ηに基づいて計算するための式が、次の式(2)のように得られる。
M=−γ(η−η)+M ・・・(2)
式(2)において、Mは、目標粘度の電極用スラリーを得るために必要な固形分率、Mは所定固形分率のスラリーの固形分率、ηは所定固形分率のスラリーの粘度、ηは最終的に得る電極用スラリーSLの目標粘度、γは粘度にかかる係数である。上述した実施例の場合、例えばM=70、η=5000、γ=0.00096とすれば、目標粘度の電極用スラリーを得るために必要な固形分率を所定固形分率のスラリーの粘度ηに基づいて計算することができる。
このような方法により、算出部13は、粉体材料Pのタップ密度ρ及びペースト材料Bの粘度ηに基づいて、溶媒Sの希釈量(固形分率)を計算することができる。
(希釈量の算出方法の別の例)
上記実施例ではペースト材料Bのロットの粘度である粉体材料Pのタップ密度に基づいて希釈量を算出したが、粉体材料Pの密度を用いる代わりに、密度と相関を示す他の指標を用いても良い。例えば、DBP吸油量を用いることができる。DBP吸油量は、タップ密度に対して負の相関を有する物性値である。
以下、算出部13による希釈量の算出方法の別の例について説明する。本実施例では、製造装置1により製造される電極用スラリーSLは、負極スラリーである。粉体材料Pは、活物質である天然黒鉛を含む。ペースト材料Bは、増粘剤であるCMC水溶液を含む。溶媒Sは、水を含む。電極用スラリーSLの材料としては、上述の粉体材料P、ペースト材料B及び溶媒Sに加えて、液体としての性状を示すSBRが用いられる。
希釈量の算出に先立ち、粉体材料PのDBP吸油量と、当該DBP吸油量を有する粉体材料Pをペースト材料Bと混合して得られる所定固形分率のスラリーの粘度との関係を予め調べておく。図5は、粉体材料PのDBP吸油量と所定固形分率(60重量%)のスラリーの粘度との関係の一例である。横軸は、粉体材料PのDBP吸油量(単位:ml/100g)である。縦軸は、所定固形分率(60重量%)のスラリーの粘度(単位:cP)である。図5において、ペースト材料Bの粘度は、3700cPで固定とされている。図5上の5つの点は、粉体材料PのDBP吸油量を5通りに変化させて所定固形分率(60重量%)となるように希釈したスラリーの粘度を実測し、結果をプロットしたものである。図5の直線は、5通りの実測値から得られた、粉体材料PのDBP吸油量と所定固形分率のスラリーの粘度との関係を示す近似直線を示す。粉体材料PのDBP吸油量をxとし、所定固形分率のスラリーの粘度をyとすれば、y=134.82x−1223.5と近似される。
同様に、希釈量の算出に先立ち、ペースト材料Bの粘度と、当該粘度を有するペースト材料Bを粉体材料Pと混合して得られる所定固形分率のスラリーとの粘度の関係を予め調べておく。図6は、ペースト材料Bの粘度と所定固形分率(60重量%)のスラリーの粘度との関係の一例である。横軸は、ペースト材料Bの粘度(cP)である。縦軸は、所定固形分率(60重量%)のスラリーの粘度(cP)である。図6において、粉体材料PのDBP吸油量は、54ml/100gで固定とされている。図6上の5つの点は、ペースト材料Bの粘度を5通りに変化させて所定固形分率(60重量%)となるように希釈したスラリーの粘度を実測し、結果をプロットしたものである。図6の直線は、5通りの実測値から得られた、ペースト材料Bの粘度と所定固形分率のスラリーの粘度との関係を示す近似直線を示す。ペースト材料Bの粘度をxとし、所定固形分率のスラリーの粘度をyとすれば、y=1.8395x−826.67と近似される。
これらの関係を統合すると、粉体材料PのDBP吸油量及びペースト材料Bの粘度に基づいて所定固形分率のスラリーの粘度を計算するための式が、次の式(3)のように得られる。
η=α(V−VA0)+β(η−ηB0)+η ・・・(3)
式(3)において、ηは所定固形分率のスラリーの粘度、ηは所定固形分率のスラリーの粘度の中央値、αは粉体材料PのDBP吸油量にかかる係数、βはペースト材料Bの粘度にかかる係数、Vはロット毎の粉体材料PのDBP吸油量、VA0は粉体材料PのDBP吸油量の中央値、ηはロット毎のペースト材料Bの粘度、ηB0はペースト材料Bの粘度の中央値である。上述した実施例の場合、例えばη=6018、α=135、β=1.84、VA0=54、ηB0=3700とすれば、所定固形分率のスラリーの粘度ηを粉体材料PのDBP吸油量V及びペースト材料Bの粘度ηに基づいて計算することができる。
算出部13は、このようにして所定固形分率のスラリーの粘度ηを計算し、次いで、粘度ηの所定固形分率のスラリーを希釈して最終的に得られる電極用スラリーSLの粘度を目標値とすることができる溶媒の希釈量を計算する。
図7は、所定固形分率(60重量%)のスラリーの粘度と目標粘度(4000cP)での固形分率との関係の一例である。横軸は、所定固形分率(60重量%)のスラリーの粘度である。縦軸は、目標粘度(4000cP)での固形分率である。図7上の10の点は、図5及び図6でプロットした所定固形分率(60重量%)となるように希釈したスラリーを目標粘度(4000cP)とするために必要な固形分率を実測し、結果をプロットしたものである。図7の直線は、10通りの実測値から得られた、所定固形分率(60重量%)のスラリーの粘度と目標粘度(4000cP)での固形分率との関係を示す近似直線を示す。所定固形分率(60重量%)のスラリーの粘度をxとし、目標粘度(4000cP)での固形分率をyとすれば、y=−0.00066x+62.54694と近似される。
この結果から、目標粘度の電極用スラリーを得るために必要な固形分率を所定固形分率のスラリーの粘度ηに基づいて計算するための式が、次の式(4)のように得られる。
M=−γ(η−η)+M ・・・(4)
式(4)において、Mは、目標粘度の電極用スラリーを得るために必要な固形分率、Mは所定固形分率のスラリーの固形分率、ηは所定固形分率のスラリーの粘度、ηは最終的に得る電極用スラリーSLの目標粘度、γは粘度にかかる係数である。上述した実施例の場合、例えばM=60、η=4000、γ=0.00066とすれば、目標粘度の電極用スラリーを得るために必要な固形分率を所定固形分率のスラリーの粘度ηに基づいて計算することができる。
このような方法により、算出部13は、粉体材料PのDBP吸油量V及びペースト材料Bの粘度ηに基づいて、溶媒Sの希釈量(固形分率)を計算することができる。
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、入力受付部11に、読取部12に代えてキーボード等の入力装置を設け、作業者が入力装置を用いて粉体材料Pの密度又はペースト材料Bの粘度を入力することとしてもよい。
また、入力受付部11が受け付ける粉体材料Pの密度又はペースト材料Bの粘度は、粉体材料P又はペースト材料Bの製造者が提供するロット毎の情報であってもよいし、製造装置1を使用して電極用スラリーSLを製造する作業者が測定するようにしてもよい。
図8を参照して、粉体材料Pの密度の測定方法の一例を説明する。図8は、粉体材料Pの密度の実測工程を示す模式図である。
この方法では、作業者がロットから粉体材料Pの一部を抜き取り、粉体材料Pが不溶性を示す液体Lに、抜き取られた粉体材料Pを投入する。粉体材料Pが液体Lに投入されると、液体Lの液面は、元の液面F1から、新たな液面F2まで上昇する。この液面の上昇に基づき、粉体材料Pの体積を計算する。液体Lに投入された粉体材料Pの質量を上記計算された体積で除算することにより、粉体材料Pの密度を計算することができる。
1…製造装置、11…入力受付部、12…読取部、13…算出部、20…希釈部、B…ペースト材料、C…情報コード、P…粉体材料、S…溶媒、SL…電極用スラリー。

Claims (3)

  1. 粉体材料及びペースト材料を含む原材料並びに溶媒を用いて電極用スラリーを製造する、電極用スラリーの製造装置であって、
    前記粉体材料のロット毎の前記粉体材料の密度、DBP吸油量及び前記ペースト材料のロット毎の前記ペースト材料の粘度の少なくともいずれか一の入力を受け付ける入力受付部と、
    前記電極用スラリーの粘度の目標値を予め保持し、前記入力受付部により入力が受け付けられた前記粉体材料の密度、DBP吸油量及び前記ペースト材料の粘度の少なくともいずれか一に基づいて、前記電極用スラリーの粘度を前記目標値とするための前記溶媒による前記原材料の希釈量を算出する算出部と、
    前記算出部により算出された前記希釈量の前記溶媒で前記原材料を希釈することにより前記電極用スラリーを調製する希釈部と、
    を備える、電極用スラリーの製造装置。
  2. 前記入力受付部は、前記粉体材料のロット毎の前記粉体材料の密度、DBP吸油量及び前記ペースト材料のロット毎の前記ペースト材料の粘度の少なくともいずれか一を表す情報コードを読み取る読取部を備えている、請求項1に記載の電極用スラリーの製造装置。
  3. 前記入力受付部が受け付ける前記粉体材料の密度がタップ密度である、請求項1又は2に記載の電極用スラリーの製造装置。
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