JP6178967B2 - 粉体試料の交流インピーダンス測定方法 - Google Patents

粉体試料の交流インピーダンス測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、粉体の交流インピーダンス特性を精度よく測定できる粉体試料の交流インピーダンス測定方法に関するものである。
近年、高出力放電が可能なリチウムイオン二次電池の要請が非常に強くなっている。このための一つの有効な手法として、正極活物質の内部抵抗を下げることがあげられる。正極活物質は、一般的に、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムなどの粉体である。
従来、粉体の抵抗測定には、直流電圧を印加して、その際に生じる電流を計測し、オームの法則に基づいて抵抗値を求める方法が一般的であった(特許文献1)。しかしながら、直流電圧を印加する場合、粒子内部の抵抗成分(粒子内抵抗)、粒子間の抵抗成分(接触抵抗)および電極と粒子間の抵抗成分(界面抵抗)とを分離できないため、粉体の抵抗の詳細な情報を得ることができなかった。
そこで、交流インピーダンス法を適用することが提案されている(特許文献2)。特許文献2の交流インピーダンス法では、周波数を変化させながら交流電圧もしくは交流電流を、リチウムイオン二次電池用正極活物質の粉体に印加し、この入力電圧もしくは入力電流に対応する出力電流もしくは出力電圧からインピーダンスを計算する。入力信号の周波数とインピーダンスの関係を演算して、ナイキスト(Nyquist)プロットを行い、ナイキストプロットの形状を等価回路フィッティングすることで、粒子内部の抵抗成分(粒子内抵抗)、粒子間の抵抗成分(接触抵抗)および電極と粒子間の抵抗成分(界面抵抗)とを分離することが可能となる。
しかし、特許文献2では、一対の電流端子および一対の電圧端子が、測定容器の底部側に直線状に配列されている。従って、例えば、一対の電圧端子間に電圧が印加された場合、この電圧によって生じる電流は、測定容器に収納された粉体試料のうち測定容器の底部側表面付近を流れるのみであり、充填された粉体試料全体に電流を流すことができないので、上記3つの抵抗成分を精度よく測定することはできない。また、印加電圧が低い場合には、電流を検出できず、高電圧を印加して何らかの電流を検知したとしても、漏れ電流であって、上記3つの抵抗成分を測定できる電流値となりえない。
国際公開第2012/043321号 特開2009−222673号公報
上記事情に鑑み、本発明の目的は、粒子内抵抗、接触抵抗、界面抵抗を精度よく測定できる粉体試料の交流インピーダンス測定方法を提供することである。
本発明の態様は、絶縁体で形成された側壁部と、一方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された、前記側壁部と連動する底部と、他方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された蓋部と、により閉じた空間が形成された測定容器であって、前記底部にプレス装置が接続された測定容器の内部に、被測定粉体を所定量収納する工程と、記底部に接続されたプレス装置により、前記底部と前記側壁部を前記蓋部方向へ所定量移動させて、前記被測定粉体に所定のプレス圧を印加して、前記被測定粉体の密度を所定値にする工程と、定電圧交流または定電流交流をインピーダンスアナライザーの交流電源から前記一方の電極と前記他方の電極間へ出力して、前記被測定粉体に交流電流または交流電圧を印加する工程と、前記被測定粉体への前記交流電流または交流電圧の印加によって生じた電流または電圧を、インピーダンス解析する工程と、前記インピーダンス解析後、前記底部に接続された前記プレス装置により、前記底部と前記側壁部を前記蓋部方向へさらに移動させて、前記被測定粉体に前記所定のプレス圧よりも高いプレス圧を印加して、前記被測定粉体の密度を前記所定値の密度よりもさらに高い密度にする工程と、前記定電圧交流または前記定電流交流を前記インピーダンスアナライザーの交流電源から前記一方の電極と前記他方の電極間へ出力して、前記被測定粉体に前記交流電流または前記交流電圧を印加する工程と、前記被測定粉体への前記交流電流または交流電圧の印加によって生じた電流または電圧を、再度、インピーダンス解析する工程と、を有する粉体試料の交流インピーダンス測定方法である。
本発明の態様は、前記電極の直径が、1.0cm〜3.0cmである粉体試料の交流インピーダンス測定方法である。
本発明の態様は、前記被測定粉体の収納量が、0.5〜5.0gである粉体試料の交流インピーダンス測定方法である。
本発明の態様は、前記被測定粉体の圧縮度が、35%〜60%である粉体試料の交流インピーダンス測定方法である。
本明細書中、「圧縮度」とは、(タップ密度−バルク密度)/タップ密度×100(%)を意味する。また、バルク密度とは、疎充填時のかさ密度を、タップ密度とは、かさ体積変化が生じなくなるまで試料をタップしたときの密度を、それぞれ、意味する。具体的には、上記バルク密度とは、タップデンサー(セイシン企業社製、型番:KYT−4000)にて測定した数値を意味し、上記タップ密度とは、タップデンサー(セイシン企業社製、型番:KYT−4000)を用いて、JISR1628に記載の手法のうち、定容積測定法によって測定を行ったものを意味する。
本発明の態様は、前記被測定粉体が、リチウムイオン二次電池用正極活物質である粉体試料の交流インピーダンス測定方法である。
本発明の態様は、前記リチウムイオン二次電池用正極活物質が、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)である粉体試料の交流インピーダンス測定方法である。
本発明の態様は、上記粉体試料の交流インピーダンス測定方法にてインピーダンス解析を行ったリチウムイオン二次電池用正極活物質を有する正極を備えたリチウムイオン二次電池である。
本発明の態様は、上記粉体試料の交流インピーダンス測定方法にて、複数種のリチウムイオン二次電池用正極活物質のインピーダンス解析を行う工程と、前記インピーダンス解析の結果に応じて、リチウムイオン二次電池用正極活物質を選択する工程と、前記選択されたリチウムイオン二次電池用正極活物質を用いて正極を作製する工程と、を含む、リチウムイオン二次電池の製造方法である。また、本発明の態様は、被測定粉体が充填される空間を有する測定容器であって、絶縁体で形成された側壁部と、一方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された、前記側壁部と連動する底部と、他方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された蓋部とにより、閉じた前記空間が形成された測定容器と、記底部に接続されたプレス装置であって、前記プレス装置の稼働により、前記底部と前記側壁部が前記蓋部方向へ所定量移動して、前記空間に充填された前記被測定粉体のプレス圧を調整することで、前記被測定粉体の密度を可変とすることができ、且つ前記底部と前記側壁部の前記蓋部方向への移動を停止して前記被測定粉体の密度を固定できるプレス装置と、前記一方の電極と前記他方の電極間へ定電圧交流または定電流交流を出力して、前記プレス圧が印加された前記被測定粉体に交流電流または交流電圧を印加する交流電源と、前記プレス圧が印加された前記被測定粉体への前記交流電流または交流電圧の印加によって生じた電流または電圧から、インピーダンス解析をするインピーダンスアナライザーと、を具備する粉体試料の交流インピーダンス測定装置である。
本発明の態様によれば、一方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された底部と、他方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された蓋部とにより閉じた空間が形成された測定容器を用いることによって、測定容器に収納された粉体試料の表面部付近だけではなく、収納された粉体試料全体、すなわち、上記底部と蓋部との間に充填された粉体試料全体に、均質な電流を流すことができるので、粉体試料の粒子内抵抗、接触抵抗及び界面抵抗を精度よく測定できる。
本発明の態様によれば、被測定粉体の圧縮度が35%〜60%であることにより、被測定粉体に所定のプレス圧を印加して、被測定粉体の密度を所定値にする工程において、被測定粉体のペレット化を防止できるので、粒子内抵抗、接触抵抗及び界面抵抗を、より精度よく測定でき、さらに、再現性に優れた抵抗値を得ることができる。
本発明の態様によれば、被測定粉体がリチウムイオン二次電池用正極活物質であることにより、リチウムイオン二次電池を実際に組み上げることなく、高出力用途に適した正極活物質を正確に選別することができる。さらに、選別した正極活物質を用いて前記二次電池を組み上げることで、高出力用途に適した二次電池を確実に提供することができる。
本発明にて使用する測定容器の概要を示す説明図である。 被測定粉体の粒子内抵抗、接触抵抗及び界面抵抗の概念を示す説明図である。 本発明で使用する等価回路の説明図である。 (a)図は、15.9MPa印加時のナイキストプロットとフィッティング、(b)図は、31.8MPa印加時のナイキストプロットとフィッティング、(c)図は、47.8MPa印加時のナイキストプロットとフィッティング、(d)図は、63.7MPa印加時のナイキストプロットとフィッティング、(e)図は、(a)図〜(d)図のフィッティングの重ね合わせを、それぞれ示す、実施例の結果である。 (a)図は、15.9MPa印加時のナイキストプロットとフィッティング、(b)図は、31.8MPa印加時のナイキストプロットとフィッティング、(c)図は、47.8MPa印加時のナイキストプロットとフィッティング、(d)図は、63.7MPa印加時のナイキストプロットとフィッティング、(e)図は、(a)図〜(d)図のフィッティングの重ね合わせを、それぞれ示す、比較例の結果である。
次に、本発明の実施形態例について説明する。本発明の粉体試料の交流インピーダンス測定方法は、絶縁体で形成された側壁部と、一方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された底部と、他方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された蓋部と、により閉じた空間が形成された測定容器であって、前記蓋部または前記底部にプレス装置が接続された測定容器の内部に、被測定粉体を所定量収納する工程と、前記蓋部または前記底部に接続されたプレス装置により、前記蓋部を前記底部方向または前記底部を前記蓋部方向へ所定量移動させて、前記被測定粉体に所定のプレス圧を印加して、前記被測定粉体の密度を所定値にする工程と、定電圧交流または定電流交流をインピーダンスアナライザーの交流電源から前記一方の電極と前記他方の電極間へ出力して、前記被測定粉体に交流電流または交流電圧を印加する工程と、前記被測定粉体への前記交流電流または交流電圧の印加によって生じた電流または電圧を、インピーダンス解析する工程と、を有する。
図1に示すように、本発明の実施形態例で使用する測定容器1は、絶縁体で形成された側壁部2と、絶縁体で形成され、側壁部2の下部端面に設けられた底部絶縁体部7aと、絶縁体で形成され、底部7と対向するように設けられた蓋部絶縁体部8aと、により閉じた内部空間6が形成されている。測定容器1の蓋部絶縁体部8aには、内部空間6側の面に金属で作製された蓋部電極8bが形成され、蓋部端子3(以下、「上部電極」という場合がある。)が備えられ、測定容器1の底部絶縁体部7aには、内部空間6側の面に金属で作製された底部電極7bが形成され、底部端子4(以下、「下部電極」という場合がある。)が備えられている。上部電極と下部電極のうち、どちらを正極としてもよい。側壁部2の外側は、導電性容器壁5にて被覆されている。また、本発明の実施形態例である測定容器1では、底部7は上下方向に可動であり、底部7(図1では、側壁部2の導電性容器壁5の下端部)にプレス装置10が接続されている。一方、蓋部8は固定されている。蓋部電極8bと底部電極7bは、平板の電極の金属電極である。金属には、ニッケル、ステンレス、銅、白金、金などを使用できる。また、表面は可能な限り平滑にする必要がある。表面の平滑性が乏しいと、電極平面の表面積が大きくなり、被測定粉体と電極間の抵抗が大きくなる恐れがあるためである。なお、明細書中、「下」とは測定装置の設置面側を意味し、「上」とは測定装置の設置面とは反対側を意味する。
まず、測定容器1の底部7に被測定粉体9を載置することで、内部空間6に、被測定粉体9を所定量充填する。次に、プレス装置10を稼働させて、側壁部2と該側壁部2と連動するように形成された底部7とを上方向に移動させていくと、被測定粉体9が蓋部8に接触して圧縮されはじめ、さらに側壁部2と底部7を上方向に移動させていくと、被測定粉体9の圧縮が進み、被測定粉体9の密度が高くなっていく。この圧縮の程度を調整することで、被測定粉体9に所定のプレス圧が印加され、被測定粉体9の密度を任意に調整することが可能となる。
被測定粉体9の密度が所望の値となったところで、側壁部2と底部7の上方向への移動を停止する。次に、定電圧交流または定電流交流を、図示しないインピーダンスアナライザーの交流電源から蓋部8の蓋部端子3と底部7の底部端子4間へ出力して、所定のプレス圧を印加された被測定粉体9に交流電圧または交流電流を印加する。インピーダンスアナライザーは、公知のものを使用でき、例えば、Solartron社製1260、アジレント社製4292a、日置電子社製3532−80などを挙げることができる。
次に、被測定粉体9への交流電圧または交流電流の印加によって生じた電流または電圧を、インピーダンスアナライザーにてインピーダンス解析をする。このとき、被測定粉体9へ定電圧を印加した場合は電流が、被測定粉体9へ定電流を印加した場合は電圧が、それぞれ、発生し、蓋部端子3、底部端子4に接続されている前記インピーダンスアナライザーへ入力される。なお、蓋部端子3および底部端子4からインピーダンスアナライザーへ接続するケーブルは、途中でインピーダンスアナライザーの電圧端子と電流端子に接続するよう、それぞれが分岐される。
インピーダンス解析について、以下に説明する。インピーダンスアナライザーからの出力電圧をV、入力電流をIとすると、インピーダンスZは、Z=V/Iで計算される。しかしながら、被測定粉体9の抵抗成分に基づいて、出力と入力の間に位相の進みもしくは遅れが生じる。これに対応して、インピーダンスZを複素数プロットしたものがナイキストプロットと呼ばれるものである。
従って、インピーダンス解析では、まず、ナイキストプロットの作成を行う。インピーダンスアナライザーへ入力された電流または電圧は、インピーダンスアナライザーにて、インピーダンスZや位相などの情報に分離され、インピーダンスアナライザーに接続された電子計算機へ導かれる。電子計算機では、インピーダンスアナライザーから導かれた情報を解析ソフトによって、上記ナイキストプロットに変換する。上記の通り、ナイキストプロットは、インピーダンスを複素数プロットしたもので、インピーダンスの実数部および虚数部との関係を示す。通常、横軸を実数部Z’とし、縦軸を虚数部Z”とする複素数平面上にインピーダンスをプロットする。
インピーダンスアナライザーは、定電圧または定電流の交流電流を出力することができ、周波数は固定も変動も可能である。ここで、測定周波数を1点に固定すると、ナイキストプロット上の測定点数は1点のみとなるが、周波数を、例えば、10MHzから1mHzまで連続的に変化させると、ナイキストプロットも連続的な測定点として得られ、測定点数が十分に多ければ、線状のナイキストプロット(複素インピーダンス線図またはCole-Coleプロットともいう。)が得られる。
次いで、上記のようにして得られたナイキストプロットから被測定粉体9の抵抗成分の分離を行う。まず、得られたナイキストプロットがどのような抵抗要素によって構成されるか推定して、等価回路モデルを作成する。この等価回路モデルと得られたナイキストプロットが一致するように各成分の大きさを変えながらフィッティングを行う。得られたナイキストプロットが等価回路モデルと一致しない場合には、等価回路中の各成分の大きさや等価回路自体を見直して、再度、等価回路モデルと得られたナイキストプロットとのフィッティングを図る。得られたプロットと等価回路モデルとのフィッティングが完了することにより、等価回路中の各成分の大きさや等価回路自体から、被測定粉体9の抵抗成分、すなわち、粒子内抵抗、接触抵抗及び界面抵抗を算出することができる。
具体的には、インピーダンス解析において、粒子内抵抗、接触抵抗及び界面抵抗の算出は、以下のように行う。図2に示すように、粉体の全抵抗は、上記の通り、次の3つの抵抗成分、すなわち、 1)粒子内の電荷の移動を妨げる粒子内抵抗、2)別々の粒子間の電荷移動を妨げる接触抵抗、3)電極等の基板と粒子の界面に由来する界面抵抗、の総和である。
1)、2)、3)の各抵抗成分の等価回路は、それぞれ、レジスタンスRとキャパシタンスCの並列回路として考えられる。従って、1)、2)、3)の各抵抗成分の総和は、それぞれのレジスタンスRとキャパシタンスCの並列回路の和として表すことができる。また、インピーダンスアナライザー内部や配線を含めた測定系固有の抵抗Rsも存在する。
図3に示すように、これらを総合すると、1)の抵抗成分に相当するレジスタンスR1とキャパシタンスC1の並列回路と、2)の抵抗成分に相当するレジスタンスR2とキャパシタンスC2の並列回路と、3)の抵抗成分に相当するレジスタンスR3とキャパシタンスC3の並列回路と、を有する等価回路を設定できる。なお、R×Cは、時定数(T)と称される時間の次元を持つ数値であり、1)、2)、3)の各抵抗成分に基づく時定数(T)は、粉体によって大きく異なる。
1)、2)、3)の各抵抗成分に基づく時定数に十分な差があれば、1)、2)、3)の各抵抗成分に由来する半円が1つずつ、計3個の半円が、ナイキストプロットの第一象限に出現する。なお、1)、2)、3)の各抵抗成分の時定数の差が小さいと、各々の半円が重なり、あたかも一つの半円のようにナイキストプロットの第一象限に出現することがある。
半円状に出現したナイキストプロットと等価回路を用いて、等価回路の抵抗Rs、レジスタンスR1〜レジスタンスR3、キャパシタンスC1〜キャパシタンスC3の値を実測値である半円状のナイキストプロットに一致するようにフィッティングすることで、抵抗Rs、レジスタンスR1〜レジスタンスR3、キャパシタンスC1〜キャパシタンスC3の値を確定させる。このようにして得られた、レジスタンスR1〜レジスタンスR3、キャパシタンスC1〜キャパシタンスC3、1)の抵抗成分の時定数T1、2)の抵抗成分の時定数T2、3)の抵抗成分の時定数T3の数値を比較することで、粉体の抵抗特性を判断することが可能となる。
なお、フィッティングは、Zviewとして市販されているインピーダンス解析ソフトやMicrosoft Excel Solverやエクセルを用いて行うことが可能である。
粉体の抵抗特性を判断するにあたり、測定容器1では、収納された被測定粉体9の表面部だけではなく、底部7と蓋部8との間に圧縮された状態で収納された被測定粉体9全体に電流を流すことができるので、被測定粉体9の粒子内抵抗、接触抵抗及び界面抵抗を精度よく分離しかつ測定できる。
測定容器1では、プレス装置10を稼働させて、側壁部2と底部7を上方向に所定量移動させることで、被測定粉体9に所定のプレス圧を印加し、被測定粉体9を所定の密度まで圧縮できる。よって、プレス装置10による被測定粉体9に対するプレス圧(荷重)を調整することで、被測定粉体9の密度、すなわち、圧縮の程度を可変とすることができる。被測定粉体9の密度が低い状態と最も高い状態との間で、側壁部2と底部7の上方向への移動を停止して被測定粉体9の密度(圧縮の程度)を固定して交流インピーダンスを測定する。測定後、側壁部2と底部7を上方向へ移動させて被測定粉体9の密度(圧縮の程度)をさらに高い状態へとし、側壁部2と底部7の上方向への移動を停止して被測定粉体9の密度(圧縮の程度)を所望の値に固定し、再度、交流インピーダンスを測定する。このように、被測定粉体9の圧縮と交流インピーダンスの測定を繰り返すことで、被測定粉体9の密度の変化と交流インピーダンスとの関係を測定することができる。
なお、交流の周波数範囲は、被測定粉体9の種類、充填質量(収納量)、圧縮時の密度などによって適宜選択可能であり、例えば、交流の周波数範囲は、100MHz〜1mHzが好ましく、30MHz〜100mHzがより好ましい。また、充填質量は、0.5〜5.0gが好ましく、1.0〜4.0gがより好ましく、特に好ましくは1.5〜3.5gであり、圧縮時の被測定粉体9の密度は2.5〜3.5g/cmが好ましい。また、測定点数は、10点/桁が一般的であるが、特に高周波域で点数が十分でない場合は、50点/桁程度の範囲内で調整してもよい。
交流インピーダンスが、被測定粉体9の低密度側から高密度側まで、連続的に変化する場合には、被測定粉体9は、圧縮による変化を受けていないと考えることができる。一方、交流インピーダンスが、不連続に変化した場合には、被測定粉体9が圧縮により何らかの変化を受けたと考えることができる。従って、測定容器1にプレス装置10を取り付けた測定装置とすることで、抵抗データの信頼性が大きく向上する。
上記被測定粉体9としては、特に限定されないが、例えば、チタン酸バリウムなどの誘電体、黒鉛や金属粉などの導電性粉体、一次電池もしくは二次電池の正極活物質もしくは負極活物質、一次電池もしくは二次電池の正極活物質と導電助剤の混合物などが挙げられる。特に、リチウムイオン二次電池の、正極活物質、正極活物質と導電助剤との混合物、負極活物質、負極活物質と導電助剤の混合物に好適に用いることができる。リチウムイオン二次電池用正極活物質としては、特に限定されないが、例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)を挙げることができる。
例えば、リチウムイオン二次電池の場合、高出力特性の評価は、通常、電池として組み上げて、常温もしくは−25℃程度の高レート放電特性やDC−IR特性評価などで行われるが、本発明によれば、電池として組み上げずに、正極活物質もしくは負極活物質の状態で、高出力特性の評価ができるので、評価期間を短縮でき、また、評価に要するコストも低減できる。
また、被測定粉体9の特性も特に限定されないが、例えば、被測定粉体のペレット化による粉体の特性変化を防止して、粉体固有の粒子内抵抗、接触抵抗及び界面抵抗を、より精度よく測定し、さらに、再現性に優れた抵抗値を得る点から、圧縮度が35%〜60%である流動特性を有する被測定粉体が好ましく、40%〜55%の圧縮度を有する被測定粉体が特に好ましい。
測定容器1の形状は、特に限定されず、例えば、平面視円筒形の形状を挙げることができる。また、上部電極及び下部電極の大きさも特に限定されないが、平面視円形の電極の場合は、電極の直径は1〜3cmが好ましい。電極の直径が大きすぎると、電極の表面積が大きくなって被測定粉体9と電極間の容量が大きくなってしまい、さらに、圧縮効率も低下してしまう。一方で、電極の直径が小さすぎると取り回しが困難となる。
上記の通り、交流インピーダンス測定は、定電圧交流でも定電流交流でも用いることができる。定電圧交流を用いる場合は、1V以下であり、0.5V以下が好ましい。定電流交流を用いる場合は、1A以下であり、0.3A以下が好ましい。
測定容器1の材質は、絶縁性であれば特に限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニルなどのプラスチックやセラミックなどが挙げられる。また、その外側は、電磁波などによるノイズを防ぐために、導電性材料で作製された導電性容器壁5で覆われている。導電性材料としては、例えば、ステンレスやニッケルなどの金属が用いられる。また、測定容器1では、側壁部2の導電性容器壁5の部位にプレス装置10が接続され、側壁部2と底部7が上下方向に可動であり、蓋部8は固定されていたが、これに代えて、蓋部にプレス装置が接続され、側壁部と蓋部が上下方向に可動であり、底部は固定された測定容器でもよい。また、測定容器1では、側壁部2と該側壁部2と連動するように形成された底部7とを上方向に移動させていたが、これに代えて、側壁部2と底部7とを別体とし、底部のみを上方向に移動させる態様としてもよい。
リチウムイオン二次電池は、リチウムイオン二次電池用正極と、リチウムイオン二次電池用負極と、非水電解質とを備える。アルミニウムやアルミニウム合金などの軽量金属を使用した電池ケースに、リチウムイオン二次電池用正極と、リチウムイオン二次電池用負極を収納し、それぞれ、電池ケースの蓋体に固定された電極端子に取り付け、その後、非水電解質を電池ケース内に注入することで、リチウムイオン二次電池をくみ上げることができる。また、必要に応じて、前記正極と負極を隔離するセパレータを備えていてもよい。
リチウムイオン二次電池用正極は、例えば、前記正極活物質、導電助剤および結着剤を混合し、得られたペーストを集電体に塗布し、乾燥することによって得ることができる。リチウムイオン二次電池に用いる負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に限定されず、例えば、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の黒鉛系炭素、チタン酸リチウム等のチタン含有酸化物、リチウム金属等を原料とするものが挙げられ、上記正極の製法と同様の方法にて得ることができる。また、リチウムイオン二次電池に用いる非水電解質としては、非水電解液、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質等を用いることができる。
次に、本発明の実施例を説明する。ここでは、被測定粉体として、リチウムイオン二次電池用正極活物質であるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を用いた場合を例にとって説明する。
上部電極(直径2.0cm)及び下部電極(直径2.0cm)のうち、下部電極を取り付けた測定容器(寸法は2.0cm×5.7cm)の底部にプレス装置である油圧ポンプを接続して底部と該底部と連動するように形成された側壁部を可動式とし、上部電極を取り付けた蓋部は固定とした。従って、油圧ポンプにて下部電極を取り付けた底部と該底部と連動するように形成された側壁部とを上方に移動させることで、被測定粉体を圧縮できる測定装置を使用した。被測定粉体としては、下記表1に記載のニッケル:コバルト:マンガンのモル比が1:1:1であるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)であるA〜Fを使用した。
インピーダンスアナライザーは、Solartron社製1260を用い、インピーダンスアナライザーと上部電極及び下部電極間の配線は、50Ωの特性インピーダンスを持つ同軸ケーブルを使用した。インピーダンスアナライザーとコンピューターとの間はGP−IBケーブルで接続した。測定周波数は4MHz〜1000Hz、測定点数は10点/桁とした。交流は0.1mVの定電圧交流を用いた。
まず、下部電極を取り付けた測定容器の底部上に、被測定粉体を2.5g収納した。次に、収納した被測定粉体に対して油圧ポンプにて15.9MPaの圧力を印加して、被測定粉体の厚みを計測した。15.9MPaの圧力を維持しながら、4MHz〜1000Hzの周波数スイープによりインピーダンスを計測し、半円状のナイキストプロットを得た。次いで、被測定粉体に対する油圧ポンプの圧力を31.8MPa、47.8MPa、63.7MPaと変えて、同様の測定を行い、各圧力について、半円状のナイキストプロットを得た。
次に、図3に示す等価回路を用いて、半円状のナイキストプロットへのフィッティングを行った。図3に示す等価回路について、Rs、R1〜3、C1〜3の値を実測値である半円状のナイキストプロットと一致するようにフィッティングを行って、Rs、R1〜3、C1〜3の値を決定した。さらに、R×Cから時定数(T)を計算した。
下記表1に、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜Fに対して、それぞれ、31.8MPaを印加した場合の各成分の値と時定数を示す。また、図4に、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Bに対して、15.9MPa、31.8MPa、47.8MPa、63.7MPaの圧力を印加したときの、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Bの密度と、実測値である半円状のナイキストプロットと、該実測値へのフィッティングを示す。
図4から、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Bについて、各圧力において、実測値である半円状のナイキストプロットと該実測値へのフィッティングが、良好に一致した。なお、図示しないが、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物B以外のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A、C〜Fについても、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Bと同様に、各圧力において、実測値である半円状のナイキストプロットと該実測値へのフィッティングが、良好に一致した。
さらに、下記表1に、比較例としてリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Xに対して、31.8MPaを印加した場合のインピーダンスと時定数を示し、図5に、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Xに対して、15.9MPa、31.8MPa、47.8MPa、63.7MPaを印加したときの、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Xの密度と、実測値である半円状のナイキストプロットと、該実測値へのフィッティングを示す。図5から、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Xについても、各圧力において、実測値である半円状のナイキストプロットと該実測値へのフィッティングが、良好に一致した。
なお、表1中、
D50は、堀場製作所社製、型番LA−950にて測定した。
比表面積は、マウンテック社製、型番:Macsorb HM−1208にて測定した。タップ密度は、タップデンサー(セイシン企業社製、型番:KYT−4000)を用いて、JISR1628に記載の手法のうち、定容積測定法によって測定した。
バルク密度は、タップデンサー(セイシン企業社製、型番:KYT−4000)にて測定した。
なお、プレス密度については、実施例で使用した測定容器内に被測定粉体を2.5g収納し、63.7MPaの荷重をかけたときの数値を意味する。
表1から、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜Fは、粒子内抵抗に相当するT1が1.30×10−7s以下、接触抵抗に相当するT2が9.14×10−7s以下、界面抵抗に相当するT3が6.81×10−6s以下であるのに対し、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Xは、T1が7.23×10−7s、T2が5.65×10−6s、T3が2.61×10−5sであり、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜Fの10倍前後の時定数であった。
従って、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜F、Xのうち、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜Fが、高出力用途に適した正極活物質であることが判明した。特に、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Cは、粒子内抵抗に相当するT1が8.94×10−8s、接触抵抗に相当するT2が4.05×10−7sと、いずれも、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜Fのうち最も低く、界面抵抗に相当するT3が3.54×10−6sと良好であった。従って、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Cは、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜Fのうちでも、高出力用途により適した正極活物質であることが判明した。
さらに、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜F、Xを用いて電池を作製し、25℃で1、2、5C放電容量の0.2C放電容量に対する比(容量維持率)を求めた。なお、試験用電池は、以下のように作製した。
正極活物質としてリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜F、Xと、アセチレンブラックと、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、質量比が90:5:5となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と混合して、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜F、Xをおのおの有する正極活物質含有スラリーを調製した。この各正極活物質含有スラリーを、厚さ15μmのアルミニウム箔(正極集電体)の片面にドクターブレード法にて塗付して乾燥させることにより、正極集電体の片面に正極活物質層を有する正極シートを作製した。正極活物質層の塗工量は、約20.0mg/cm(固形分基準)となるように調節した。圧延プレス機によりプレスして、正極活物質層の密度を約2.2g/cmに調整した。
負極としては、150μm厚のリチウム金属箔(本城金属社製)を使用した。
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、上記のように作製した正極シートと負極を、セパレータ(ポリポア社製セルガード#2500)を介して対面させ、非水電解液とともに日本トムセル社製電気化学測定セルに収容して、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜F、Xをおのおの有する試験用電池を作製した。なお、非水電解液としては、1.0MLiPF6 EC:DMC=3:7(体積比)を用いた。
0.2Cの放電容量については、以下のように測定した。まず、上記各試験用電池に0.2Cの定電流充電を行い4.2Vに到達後、電流値が1/5になるまで定電圧充電を行った。引き続き、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電を行った。該手順の放電容量を0.2C放電容量とした。なお、該測定は25℃の恒温槽内で行った。
1、2、5Cの放電容量については、以下のように測定した。まず、0.2C放電容量の測定後の各試験用電池を、0.2Cで4.2Vまで定電流充電を行い、4.2Vに到達後、電流値が1/5になるまで定電圧充電を行った。引き続き、1Cの定電流で3.0Vまで放電を行った。該手順の放電容量を1C放電容量とした。次に、1C放電容量の測定後の各試験用電池を、0.2Cで4.2Vまで定電流充電を行い、4.2Vに到達後、電流値が1/5になるまで定電圧充電を行った。引き続き、2Cの定電流で3.0Vまで放電を行った。該手順の放電容量を2C放電容量とした。次に、2C放電容量の測定後の各試験用電池を、0.2Cで4.2Vまで定電流充電を行い、4.2Vに到達後、電流値が1/5になるまで定電圧充電を行った。引き続き、5Cの定電流で3.0Vまで放電を行った。該手順の放電容量を5C放電容量とした。なお、上記各測定は全て25℃の恒温槽内で行った。
その結果を下記表2に示す。
表2に示すように、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Xでは、1、2、5Cのいずれの放電レートでも、容量維持率がリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜Fより小さく、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Xが、実際に、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜Fよりも、高出力用途に適さないことが判明した。一方で、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜Fのうち、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Cが、1、2、5Cのいずれの放電レートでも、容量維持率が最も高く、高出力用途により適していることが判明した。従って、上記表1と表2の結果から、リチウムイオン二次電池を実際に組み上げることなく、高出力用途に適した正極活物質を正確に選別することができたことも裏付けられた。
また、表2から、良好なインピーダンス測定の結果が得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物A〜Fを用いて実際に組み上げたリチウムイオン二次電池は、1、2、5Cのいずれの放電レートでも、容量維持率がリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Xを用いて実際に組み上げたリチウムイオン二次電池より大きく、高出力用途に適したリチウムイオン二次電池であった。特に、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物Cを用いたリチウムイオン二次電池は、1、2、5Cのいずれの放電レートでも、容量維持率が最も高く、高出力用途により適していた。
本発明は、粉体試料の粒子内抵抗、接触抵抗、界面抵抗を精度よく測定できるので、例えば、リチウムイオン二次電池の正極活物質や負極活物質の抵抗特性評価の分野で、特に利用価値が高い。
1 測定容器
3 蓋部端子
4 底部端子
9 被測定粉体

Claims (8)

  1. 絶縁体で形成された側壁部と、一方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された、前記側壁部と連動する底部と、他方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された蓋部と、により閉じた空間が形成された測定容器であって、前記底部にプレス装置が接続された測定容器の内部に、被測定粉体を所定量収納する工程と、
    記底部に接続されたプレス装置により、前記底部と前記側壁部を前記蓋部方向へ所定量移動させて、前記被測定粉体に所定のプレス圧を印加して、前記被測定粉体の密度を所定値にする工程と、
    定電圧交流または定電流交流をインピーダンスアナライザーの交流電源から前記一方の電極と前記他方の電極間へ出力して、前記被測定粉体に交流電流または交流電圧を印加する工程と、
    前記被測定粉体への前記交流電流または交流電圧の印加によって生じた電流または電圧を、インピーダンス解析する工程と、
    前記インピーダンス解析後、前記底部に接続された前記プレス装置により、前記底部と前記側壁部を前記蓋部方向へさらに移動させて、前記被測定粉体に前記所定のプレス圧よりも高いプレス圧を印加して、前記被測定粉体の密度を前記所定値の密度よりもさらに高い密度にする工程と、
    前記定電圧交流または前記定電流交流を前記インピーダンスアナライザーの交流電源から前記一方の電極と前記他方の電極間へ出力して、前記被測定粉体に前記交流電流または前記交流電圧を印加する工程と、
    前記被測定粉体への前記交流電流または交流電圧の印加によって生じた電流または電圧を、再度、インピーダンス解析する工程と、
    を有する粉体試料の交流インピーダンス測定方法。
  2. 前記電極の直径が、1.0cm〜3.0cmである請求項1に記載の粉体試料の交流インピーダンス測定方法。
  3. 前記被測定粉体の収納量が、0.5〜5.0gである請求項1または2に記載の粉体試料の交流インピーダンス測定方法。
  4. 前記被測定粉体の圧縮度が、35%〜60%である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粉体試料の交流インピーダンス測定方法。
  5. 前記被測定粉体が、リチウムイオン二次電池用正極活物質である請求項4に記載の粉体試料の交流インピーダンス測定方法。
  6. 前記リチウムイオン二次電池用正極活物質が、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)である請求項5に記載の粉体試料の交流インピーダンス測定方法。
  7. 請求項5または6に記載の粉体試料の交流インピーダンス測定方法にて、複数種のリチウムイオン二次電池用正極活物質のインピーダンス解析を行う工程と、
    前記インピーダンス解析の結果に応じて、リチウムイオン二次電池用正極活物質を選択する工程と、
    前記選択されたリチウムイオン二次電池用正極活物質を用いて正極を作製する工程と、
    を含む、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  8. 被測定粉体が充填される空間を有する測定容器であって、絶縁体で形成された側壁部と、一方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された、前記側壁部と連動する底部と、他方の金属電極が設けられ絶縁体で形成された蓋部とにより、閉じた前記空間が形成された測定容器と、
    記底部に接続されたプレス装置であって、前記プレス装置の稼働により、前記底部と前記側壁部が前記蓋部方向へ所定量移動して、前記空間に充填された前記被測定粉体のプレス圧を調整することで、前記被測定粉体の密度を可変とすることができ、且つ前記底部と前記側壁部の前記蓋部方向への移動を停止して前記被測定粉体の密度を固定できるプレス装置と、
    前記一方の電極と前記他方の電極間へ定電圧交流または定電流交流を出力して、前記プレス圧が印加された前記被測定粉体に交流電流または交流電圧を印加する交流電源と、
    前記プレス圧が印加された前記被測定粉体への前記交流電流または交流電圧の印加によって生じた電流または電圧から、インピーダンス解析をするインピーダンスアナライザーと、
    を具備する粉体試料の交流インピーダンス測定装置。
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