JP5056505B2 - 粉粒体電気的特性測定プローブ及びシート状体の電気的特性評価方法 - Google Patents

粉粒体電気的特性測定プローブ及びシート状体の電気的特性評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、個々の粉を集めた状態の粉体、個々の粒を集めた状態の粒体、粉体と粒体が混じったもの(以下、これらを「粉粒体」と総称する。)の電気的特性(代表例として静電容量やインピーダンス)をLCRアナライザを用いて測定するための測定プローブに関し、さらに該測定プローブを利用したシート状体の電気的特性の評価方法に関する。
本発明に関係する技術分野として例えば静電潜像担持体を用いる画像形成の分野を挙げることができる。
静電潜像担持体を用いる画像形成については、静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像してトナー像とし、該トナー像を最終的に記録紙等の記録媒体に転写し、定着させることができる画像形成装置が知られている。静電潜像担持体上に現像形成されたトナー像は、モノクロ画像形成装置では通常記録媒体上に直接転写され、定着される。
しかしカラー画像形成装置では、一般的には、カラー画像を形成するための各色のトナー像が静電潜像担持体上に順次形成され、該各トナー像が中間転写体に順次重ねて転写され、このようにして形成された多重トナー像が最終的に記録媒体に転写され、定着される。中間転写体としては一般的にはシート状体からなっているもの(代表的には中間転写ベルト)であることが多い。
また、カラー画像を形成するための各色のトナー像が静電潜像担持体上に順次形成され、該各トナー像が記録媒体搬送部材に保持された記録媒体に順次重ねて転写され、このようにして得られた多重トナー像が該記録媒体に定着される場合もある。かかる搬送部材としては一般的にはシート状体からなっているもの(代表的には搬送ベルト)であることが多い。
静電潜像担持体から中間転写体へのトナー像の転写や、静電潜像担持体から記録媒体搬送部材上の記録媒体へのトナー像の転写は、通常、中間転写体や記録媒体搬送部材の裏側から転写電圧を印加し、転写電界により帯電したトナー像を中間転写体側や記録媒体搬送部材上の記録媒体側へ引きつけることで行われる。
このような中間転写体や記録媒体搬送部材は、電気的特性がトナー像転写に支障のないものでなければならず、例えば厚み方向における電気的特性(代表例としては静電容量、インピーダンス)がトナー像転写に支障のないものでなければならない。
一方、このような中間転写体や記録媒体搬送部材は、既述のとおりシート状体からなっていることが多く、そのように製造する場合には(例えばベルト形態に製造する場合には)、導電性材料が所定量混入されて電気的特性が調整された樹脂ペレット群(ペレットからなる粉粒体)を溶融して成形することで、電気的特性が所定のものに調整されたシート状に製造することが多い
そして、このように成形された中間転写体や記録媒体搬送部材の電気的特性が品質管理のために測定される。
なお、シート状体の電気的特性の測定は、例えば、画像形成装置で使用する記録媒体(記録紙等)の厚さを検出するために該シート状体の静電容量や抵抗値を測定する場合にも行われる(特開平6−201313号公報)
特開平6−201313号公報
しかしながら、中間転写体等の電気的特性は、それを構成するシート状体が形成された最終的段階や、シート状体が形成されるとともに該シート状体からなる中間転写体等が形成されてしまう場合には、該中間転写体等が形成された最終段階での品質検査において測定されるため、品質検査において不良がわかったときには、その不良の程度によっては、そのときまでに既に製造されてしまっていたシート状体や中間転写ベルト等にまで遡ってそれらを廃棄しなければならず、大きい損失が発生する可能性がある。
以上、画像形成装置で使用する中間転写体等に関係する問題を指摘したが、一般的に言って、電気的特性を所定の範囲のものにしなければならないシート状体であって、粉粒体材料を成形して得るものでは、その製造の最終的段階、或いは最終段階になってからしか、該シート状体の電気的特性を測定評価できないから、同様の問題が発生する恐れがある。
そこで本発明は、粉粒体の電気的特性の測定、さらに詳言すれば、粉粒体から製造した場合のシート状体の電気的特性を粉粒体の段階で評価することを可能ならしめる該粉粒体の電気的特性の測定のための粉粒体電気的特性測定プローブを提供することを第1の課題とする。
また本発明は、本発明に係る粉粒体電気的特性測定プローブを用いて、粉粒体から製造した場合のシート状体の電気的特性を粉粒体の段階で評価する方法を提供することを第2の課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するため研究を重ね、次のことを知見するに至った。
例えば、導電性材料を含有する樹脂ペレット群からシート状体を成形する場合、目標とする電気的特性を示すシート状体が得られることが既に分かっている樹脂ペレットを基準樹脂ペレットとし、該基準樹脂ペレット群をシート状体を模して面状に敷き詰め、且つ、二つの電極間に面状に敷き詰めて挟着し、該電極をLCRメータ等のLCRアナライザに接続して該面状に敷き詰められた基準樹脂ペレット群に所定の電圧を印加し、それにより該基準樹脂ペレット群について周波数−静電容量特性、周波数−インピーダンス特性等を求め、それらを電気的特性についての基準データとする。
一方、これから製造しようとする、前記目標とする電気的特性と同じ電気的特性を示すべきシート状体の材料となる樹脂ペレットについて、該材料樹脂ペレット群を前記基準樹脂ペレット群の場合と同様に前記の二つの電極間に面状に敷き詰めて挟着し、該電極をLCRアナライザに接続して該面状に敷き詰められた材料樹脂ペレット群に前記基準樹脂ペレット群の場合と同様の所定の電圧を印加し、それにより該材料樹脂ペレット群について周波数−静電容量特性、周波数−インピーダンス特性等を求め、それらを測定データとする。
そうすると、該測定データを先に求めた基準データと比較し、該測定データと基準データとの差が予め定めた許容範囲にあれば、該材料樹脂ペレットから得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を示すものとなると予測、評価でき、該測定データと基準データとの差が予め定めた許容範囲外のものであれば、該材料樹脂ペレットから得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を示すものとはならないと予測、評価できる。
このように、材料樹脂ペレットから得られるシート状体が目標とする電気的特性を示すものではないと推測、評価される場合には、該材料樹脂ペレットによるシート状体の製造を止める等して、最終製品廃棄を大幅に低減し、それだけ損失を大幅に低減させることができる。
以上は導電性材料を含有する樹脂ペレット群からシート状体を成形する場合のことであるが、同様のことは粉粒体から目標とする電気的特性を示すシート状体を形成しようとする場合ついて広く当てはまることである。
本発明はこのような知見に基づき、先ず、粉粒体をシート状体に似せて敷き詰めた状態で該敷き詰めた粉粒体の電気的特性を測定するための次の測定プローブを提供し、また、該測定プローブを利用したシート状体の電気的特性の評価方法を提供する。
(1)測定プローブ
LCRアナライザに接続して粉粒体の電気的特性を測定するための粉粒体電気的特性測定プローブであり、粉粒体を敷き詰めるための電極面を有する第1電極と、該第1電極の該電極面との間で粉粒体を挟着するための電極面を有する第2電極と、該第1電極に電気絶縁性スペーサを介して配置されたシールド電極と、該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に測定対象粉粒体を挟着するための押圧手段とを含んでおり、該第1及び第2の電極がLCRアナライザに接続される電極である粉粒体電気的特性測定プローブ。
(2)シート状体の電気的特性の評価方法
粉粒体を成形してシート状体を形成する方法により目標とする電気的特性を有するシート状体を得ることができることが予め分かっている粉粒体を基準粉粒体とすること、
本発明に係る粉粒体電気的特性測定プローブの前記第1電極の電極面に該基準粉粒体を敷き詰めるとともに該基準粉粒体を該プローブの前記第2電極の電極面との間に挟み込み、該プローブの前記押圧手段により該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に基準粉粒体を挟着すること、
該第1及び第2の電極をLCRアナライザに接続して該押圧手段による押圧力下に該第1及び第2の電極の前記電極面間に挟着された基準粉粒体の、前記目標とする電気的特性と同種の電気的特性を測定し、該測定結果を基準データとすること、
本発明に係る粉粒体電気的特性測定プローブの前記第1電極の電極面に前記目標とする電気的特性を有するシート状体と同じ目標とする電気的特性を有するシート状体を形成しようとするときの材料である材料粉粒体を敷き詰めるとともに該材料粉粒体を該プローブの前記第2電極の電極面との間に挟み込み、該プローブの前記押圧手段により該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に材料粉粒体を挟着すること、
該第1及び第2の電極をLCRアナライザに接続して該押圧手段による押圧力下に該第1及び第2の電極の前記電極面間に挟着された材料粉粒体の、前記目標とする電気的特性と同種の電気的特性を測定し、該測定結果を測定データとすること、
前記基準データと前記測定データとを比較し、両者の差が前記目標とする電気的特性のシート状体が得られる予め定めた許容範囲にあるときは、該材料粉粒体から得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を有するものであると評価し、該両者の差が該予め定めた許容範囲外にあるときは、該材料粉粒体から得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を有しないものであると評価すること
を含むシート状体の電気的特性の評価方法。
なお、ここで「粉粒体」とは既述のとおり、個々の粉が集まった状態の粉体、個々の粒が集まった状態の粒体、粉体と粒体が混じったものの総称であり、粉体、粒体、該粉体と粒体とが混ざり合ったものを含む概念である。
本発明に係るプローブにおいて、粉粒体を挟着するための第1電極の電極面及び第2電極の電極面は、これら両電極面間に粉粒体を挟着するとき、該両電極面間の間隙を各部で均一にできるものであれば、必ずしも全体的に平坦な面である必要はないが、電極構造を簡素化し、粉粒体の電気的特性をより精度よく測定するために、各電極面は全体的に平坦面とすることを例示できる。
本発明に係るプローブは、前記第1及び第2の電極の前記測定対象粉粒体を挟着するための電極面間に配置されて該両電極面間隔を該粉粒体の破壊を抑制しつつ該粉粒体を該両電極面に接触させる間隔に規制する電気絶縁性スペーサをさらに含んでいる。
各電極の極性については、例えば第1電極はマイナス電極とし、第2電極はプラス電極とすることができる。前記シールド電極については、接地電位に設定する場合を例示できる。
各電極の配置関係については、例えば、前記第1電極は前記シールド電極を下側にして且つ前記粉粒体を敷き詰めるための電極面を上に向けて静止配置される電極とし、前記第2電極は該粉粒体を該第1電極の電極面との間に挟着するための電極面を下に向けて上下動可能に配置される電極とすることができる。
この場合、前記押圧手段は、該第2電極に上側から該第1電極へ向けて押圧力を加える手段とすることができる。
この場合、押圧手段はその構成を簡素化、低価格化するために「重り」としてもよい。 勿論、他のタイプの押圧手段、例えば、バネ力を利用して押圧力を加えるようなものでもよい。
以上説明したように本発明によると、粉粒体の電気的特性の測定、さらに詳言すれば、粉粒体から製造した場合のシート状体の電気的特性を粉粒体の段階で評価することを可能ならしめる該粉粒体の電気的特性の測定のための粉粒体電気的特性測定プローブを提供することができる。
また本発明によると、本発明に係る粉粒体電気的特性測定プローブを用いて、粉粒体から製造した場合のシート状体の電気的特性を粉粒体の段階で評価する方法を提供することができる。
以下本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明に係る粉粒体電気的特性測定プローブの1例の電極部分を分解して示す図である。図2は図1に示す電極を含む粉粒体電気的特性測定プローブにより粉粒体の電気的特性を測定する様子を示す図である。
図1及び図2に示す測定プローブ10は、第1電極1、第2電極2及びシールド電極5を含んでおり、さらに、電極1、2の間に介在せしめられる電気絶縁性のスペーサ3、第1電極1とシールド電極5の間に介在する電気絶縁性スペーサ4を含んでいる。
図1、図2に示すプローブ10は、図3に示す導電性カーボンを含有させた樹脂製の、直径d=2mm、高さh=3mmの円柱状のペレットPからなるペレット群(粉粒体)に関する電気的特性を測定するのに適するプローブとして作製されたものである。なお、このペレットP群を溶融、成形して得られるシート状体は画像形成装置の中間転写ベルト等として利用できるものである。
電極1、2及び5のそれぞれは、いずれも本例では厚さ1.5mmのステンレススチール(SUS304)板体を円形皿状に加工して形成してある。
第1電極1は、外径D1が22cmの皿状電極であり、上側の凹んだ底面11は全体的に円形の平坦電極面11となっている。
第2電極2は、外径D2が20cmの皿状電極であり、下面21は全体的に円形の平坦電極面となっている。
電極2の上面には後述する、押圧力印加用の重りWを配置できる(図2参照)。
スペーサ3は、ここでは開口部31を有し、厚みがtである発泡ウレタン製のリング状のスペーサであり、立ち上がり周縁部32を有している。 スペーサ3の開口部31の内径D3は18cmであり、厚みtはペレットPの径dと同程度或いは該径dより若干小さくする(ペレット高さが径に比べて大きいとき)。
スペーサ3の外径は、立ち上がり周縁部32が第1電極1に上方から嵌まり、電極平坦底面11まで嵌着できるものである(図2参照)。
スペーサ3の立ち上がり周縁部32の内径は、第2電極2が周縁部32の内側に対して嵌脱できるものである(図2参照)。
シールド電極5は、ここではポリウレタン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフエニレンサルファイド(PPS)等から選ばれた樹脂からなる電気絶縁スペーサ4を間にして第1電極1に下方から嵌着されている。
以上説明した測定プローブ10によると、次のようにして樹脂ペレットP群の電気的特性(ここでは静電容量及びインピーダンス)を測定できる。
図2に示すように、シールド電極5を台7上に静止配置し、接地電位に設定する。シールド電極5が静止配置されることで、第1電極1も静止配置される。そしてこの第1電極1に対して第2電極2が上下動可能な状態となる。スペーサ3は第1電極1に嵌めておく。
第1電極1はマイナス電極とし、第2電極2はプラズ電極とし、これら電極をLCRアナライザ6に接続する。
LCRアナライザとしては、例えば、アジレントテクノロジー株式会社のLCRメータ(E4980AプレシジョンLCRメータ、4263BLCRメータ)や、株式会社NF回路ブロックのLCRメータ(ZM2353)などを使用できる。
第1電極1に、その底の平坦電極面11まで嵌着されたスペーサ3の開口部31の内側領域に前記の樹脂ペレットPをできるだけ隙間無く、また、スペーサ3の高さに略揃うように均一状に敷き詰める。
次いで、該敷き詰めたペレットP群の上から第2電極2の下面である平坦電極面21を配置し、さらに第2電極2の上に重りWを配置する。
この重りWは、敷き詰めたペレットP群を第1電極の平坦電極面11と第2電極の平坦電極面21との間で全体的にできるだけ均一な圧力下に挟着し、両平坦電極面11、21にペレットP群をできるだけ均一に接触させるためのものである。そのように重りWの重さを選択しておく。
スペーサ3は、ペレットP群が第2電極2を介して重りWの重力を受けるとき、両電極面11、21の間隔をペレットPの破壊を抑制しつつペレットP群を両電極面11、21に接触させ得る間隔に規制する。
かくして、LCRアナライザ6により第1、第2の電極1、2間に高周波電圧を印加することで、敷き詰められたペレットP群の電気的特性を測定することができる。
図4は、カーボン含有率9.3%、9.3%、9.0%の3種類のPPS樹脂ペレットPについて、F(周波数)−C(静電容量)特性を測定した結果を示している。図4において、■で示されるPPSペレットと菱形で示されるPPSペレットはカーボン含有率は同じであるが樹脂とカーボンの混練具合が異なっており、■で示されるPPSペレットの方が、菱形で示されるPPSペレットよりも樹脂とカーボンがより均一に混ざり合っている。図4の縦軸は、そのペレットを用いてシート状体を形成すれば、そのシート状体の目標とする電気的特性が達成されることが予め分かっているペレット(カーボン含有率9.3%のPPS樹脂ペレット)に対する変化量(%)を示している。高周波電圧のピークツーピーク電圧はいずれも1Vである。
図5は、カーボン含有率が9.3%、9.3%、9.0%である図4の場合と同じ3種類のペレットPについて、F(周波数)−Z(インピーダンス)特性を測定した結果を示している。図5の縦軸は、そのペレットを用いてシート状体を形成すれば、そのシート状体の目標とする電気的特性が達成されることが予め分かっているペレット(カーボン含有率9.3%のPPS樹脂ペレット)に対する変化量(%)を示している。高周波電圧のピークツーピーク電圧はいずれも1Vである。
なお、ここで使用したLCRアナライザは、アジレントテクノロジー株式会社のE4980AプレシジョンLCRメータである。
図4から、ペレットPの導電性材料(ここではカーボン)の含有量の違いによる静電容量の差が分かる。また、静電容量は周波数依存性が低いことが分かる。
図5から、ペレットPの導電性材料(ここではカーボン)の含有量の違いによるインピーダンスの差が分かる。また、インピーダンスは1kHzより低周波数域でしか違いを確認し難いことも分かる。
また、図4、図5からカーボン含有率が9.3%と同じでも、材料の違い(樹脂とカーボンの混練の均一性の違い)により、静電容量やインピーダンスに差が生じることが分かる。
ところで、図6は、PPS(ポリフエニレンサルファイド)の樹脂ペレットPについてロット毎に、測定プローブ10とE4980AプレシジョンLCRメータとを用いて静電容量とインピーダンスを測定した結果を示している。測定周波数は60Hzの一定である。図6の縦軸は、そのペレットを用いてシート状体を形成すれば、そのシート状体の目標とする電気的特性が達成されることが予め分かっている樹脂ペレット(カーボン含有率9.3%のPPS樹脂ペレット)に対する変化量(%)を示している。高周波電圧のピークツーピーク電圧はいずれも1Vである。
このように、樹脂ペレットPはロット毎に電気的特性が異なってくる場合がある。
このようなときに、樹脂ペレットPからシート状体を生産ラインで次々と製造してから、該シート状体の電気的特性を評価していたのでは、もし、そのシート状体が電気的特性の点で不良ということになると、損失が極めて大きくなる。
しかし、測定プローブ10を利用すると、次のようにして、粉粒体から製造した場合のシート状体の電気的特性を粉粒体の段階で評価することができる。
このことについて樹脂ペレットP群を成形してシート状体を形成する場合について説明する。
先ず、目標とする電気的特性(例えば静電容量及びインピーダンス)を有するシート状体を得ることができることが予め分かっているペレット群を基準ペレット群に定める。
プローブ10の第1電極1の電極面11に基準ペレットを敷き詰めるとともに該基準ペレット群を第2電極2の電極面21との間に挟み込み、重りWを第2電極2上に載置して第2電極2を第1電極1へ押圧し、両電極1、2間に基準ペレット群を挟着する。
電極1、2をLCRメータ6に接続して重りWによる押圧力下に電極面11、21間に挟着された基準ペレット群の、前記目標とする電気的特性と同種の電気的特性を測定し、該測定結果を基準データとする。
このようにして基準データを予め作成しておき、その後に、プローブ10の第1電極1の電極面11に前記目標とする電気的特性を有するシート状体と同じ目標とする電気的特性を有するシート状体を形成しようとするときの材料である材料ペレットを敷き詰めるとともに該材料ペレット群を第2電極2の電極面21との間に挟み込み、重りWにより電極2を電極1へ押圧して電極面11、21間に材料ペレット群を挟着する。
電極1、2をLCRアナライザ6に接続して重りWによる押圧力下に電極面11、21間に挟着された材料ペレット群の、前記目標とする電気的特性と同種の電気的特性を測定し、該測定結果を測定データとする。
基準データと測定データとを比較し、両者の差が前記目標とする電気的特性のシート状体が得られる予め定めた許容範囲にあるときは、該材料ペレット群から得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を有するものであると評価し、該両者の差が該予め定めた許容範囲外にあるときは、該材料ペレット群から得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を有しないものであると評価することができる。前記図6の場合で言えば、変化量が15%以上のものを不良ロットとする例を挙げることができる。
このように、シート状体を製造する前の材料ペレットの段階で、該ペレットから成形されるシート状態の電気的特性を評価できるので、材料樹脂ペレットから得られるシート状体が目標とする電気的特性を示すものではないと予測、評価される場合には、該材料樹脂ペレットによるシート状体の製造を止める等して、最終製品廃棄を大幅に低減し、それだけ損失を大幅に低減させることができる。
以上説明した測定プローブ10では各電極はステンレススチール製の円形皿状のものであったが、電極の材質、形状等についてはこれに限定されるものではない。電極材料としてはステンレススチールのほか、鉄、亜鉛、銅等の導電性金属材料や導電性合金材料等も使用できる。また、合金等に金メッキなどの導電性コーティングを施したものも採用できる。
形態については、第1電極1についてはこれに後述するように粉粒体を敷き詰めるので、粉粒体がこぼれないように皿状のものであることが好ましいが、第2電極2については、平坦な板体形状のものでもよい。
また、プローブの各部品の各部のサイズ、プローブ10で言えば特にスペーサ3の開口部31の大きさや厚みtは、測定しようとする粉粒体の個々のもののサイズや、シート状体に求められている電気的特性とのかねあいでどの程度の精度で粉粒体の電気的特性を測定すればよいか等に応じて、また、予め行ってもよい実験等を通じて適宜決定することができる。測定精度を上げるには、一般的には、敷き詰める粉粒体を構成する個々のものの個数を多くした方がよく(例えば、一般的な樹脂ペレットの場合500個以上とするとよく)、スペーサ3の開口部31の大きさや厚みtはそのような個数が納まるものとすることができる。
また、第2電極2を第1電極1へ相対的に押圧する押圧手段は前記の例では重りWであるが、例えば図7に示すようなバネ利用のもの等でも構わない。
図7の押圧装置8は、第2電極2の上面に当接される押さえ部材81をバネ82で押さえるようにし、そのバネ圧を高さ位置が調節可能な部材83で調節できるようにしたものである。
本発明は、粉粒体から製造した場合のシート状体の電気的特性を粉粒体の段階で評価することを可能ならしめる粉粒体電気的特性測定のためのプローブを提供すること及び該プローブを利用した粉粒体の段階でのシート状体の電気的特性の評価に利用できる。
本発明に係る測定プローブの1例の電極部分の分解図である。 図1に示す電極を備えた測定プローブの使用状態を示す断面図である。 樹脂ペレット例を示す斜視図である。 図1、図2に示す測定プローブを用いて測定した樹脂ペレット群の周波数−静電容量特性を示す図である。 図1、図2に示す測定プローブを用いて測定した樹脂ペレット群の周波数−静電容量特性を示す図である。 ロットによって樹脂ペレットの電気的特性に振れがあることを示す図である。 押圧手段の他の例を示す図である。
符号の説明
10 測定プローブ
1 第1電極(マイナス電極)
11 平坦電極面
D1 電極1の外径
2 第2電極(プラス電極)
21 平坦電極面
D2 電極2の外径
3 スペーサ
31 開口部
t スペーサ厚み
D3 開口部31の内径
32 スペーサの立ち上がり周縁部
4 スペーサ
5 シールド電極
6 LCRメータ
7 台
8 押圧装置
81 押圧部材
82 バネ
83 高さ位置調節可能の部材
P 樹脂ペレット

Claims (7)

  1. LCRアナライザに接続して粉粒体の電気的特性を測定するための粉粒体電気的特性測定プローブであり、粉粒体を敷き詰めるための電極面を有する第1電極と、該第1電極の該電極面との間で粉粒体を挟着するための電極面を有する第2電極と、該第1電極に電気絶縁性スペーサを介して配置されたシールド電極と、該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に測定対象粉粒体を挟着するための押圧手段と、前記第1及び第2の電極の前記測定対象粉粒体を挟着するための電極面間に配置されて該両電極面間隔を該粉粒体の破壊を抑制しつつ該粉粒体を該両電極面に接触させる間隔に規制する電気絶縁性スペーサを含んでおり、該第1及び第2の電極がLCRアナライザに接続される電極であることを特徴とする粉粒体電気的特性測定プローブ。
  2. 前記粉粒体は導電性材料を含有する樹脂ペレット群である請求項1記載の粉粒体電気的特性測定プローブ。
  3. 前記第1及び第2の電極の前記測定対象粉粒体を挟着するための電極面はそれぞれ平坦電極面である請求項1又は2記載の粉粒体電気的特性測定プローブ。
  4. 前記第1電極はマイナス電極であり、前記第2電極はプラス電極である請求項1、2又は3記載の粉粒体電気的特性測定プローブ。
  5. 前記第1電極は前記シールド電極を下側にして且つ前記粉粒体を敷き詰めるための電極面を上に向けて静止配置される電極であり、前記第2電極は該粉粒体を該第1電極の電極面との間に挟着するための電極面を下に向けて上下動可能に配置される電極であり、前記押圧手段は、該第2電極に上側から該第1電極へ向けて押圧力を加える手段である請求項1から4のいずれかに記載の粉粒体電気的特性測定プローブ。
  6. 前記押圧手段は重りである請求項5記載の粉粒体電気的特性測定プローブ。
  7. 粉粒体を成形してシート状体を形成する方法により目標とする電気的特性を有するシート状体を得ることができることが予め分かっている粉粒体を基準粉粒体とすること、
    請求項1から6のいずれかに記載の粉粒体電気的特性測定プローブの前記第1電極の電極面に該基準粉粒体を敷き詰めるとともに該基準粉粒体を該プローブの前記第2電極の電極面との間に挟み込み、該プローブの前記押圧手段により該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に基準粉粒体を挟着すること、
    該第1及び第2の電極をLCRアナライザに接続して該押圧手段による押圧力下に該第1及び第2の電極の前記電極面間に挟着された基準粉粒体の、前記目標とする電気的特性と同種の電気的特性を測定し、該測定結果を基準データとすること、
    請求項1から6のいずれかに記載の粉粒体電気的特性測定プローブの前記第1電極の電極面に前記目標とする電気的特性を有するシート状体と同じ目標とする電気的特性を有するシート状体を形成しようとするときの材料である材料粉粒体を敷き詰めるとともに該材料粉粒体を該プローブの前記第2電極の電極面との間に挟み込み、該プローブの前記押圧手段により該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に材料粉粒体を挟着すること、
    該第1及び第2の電極をLCRアナライザに接続して該押圧手段による押圧力下に該第1及び第2の電極の前記電極面間に挟着された材料粉粒体の、前記目標とする電気的特性と同種の電気的特性を測定し、該測定結果を測定データとすること、
    前記基準データと前記測定データとを比較し、両者の差が前記目標とする電気的特性のシート状体が得られる予め定めた許容範囲にあるときは、該材料粉粒体から得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を有するものであると評価し、該両者の差が該予め定めた許容範囲外にあるときは、該材料粉粒体から得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を有しないものであると評価すること
    を含むことを特徴とするシート状体の電気的特性の評価方法。
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