JP5056505B2 - 粉粒体電気的特性測定プローブ及びシート状体の電気的特性評価方法 - Google Patents
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Description
静電潜像担持体を用いる画像形成については、静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像してトナー像とし、該トナー像を最終的に記録紙等の記録媒体に転写し、定着させることができる画像形成装置が知られている。静電潜像担持体上に現像形成されたトナー像は、モノクロ画像形成装置では通常記録媒体上に直接転写され、定着される。
なお、シート状体の電気的特性の測定は、例えば、画像形成装置で使用する記録媒体(記録紙等)の厚さを検出するために該シート状体の静電容量や抵抗値を測定する場合にも行われる(特開平6−201313号公報)
例えば、導電性材料を含有する樹脂ペレット群からシート状体を成形する場合、目標とする電気的特性を示すシート状体が得られることが既に分かっている樹脂ペレットを基準樹脂ペレットとし、該基準樹脂ペレット群をシート状体を模して面状に敷き詰め、且つ、二つの電極間に面状に敷き詰めて挟着し、該電極をLCRメータ等のLCRアナライザに接続して該面状に敷き詰められた基準樹脂ペレット群に所定の電圧を印加し、それにより該基準樹脂ペレット群について周波数−静電容量特性、周波数−インピーダンス特性等を求め、それらを電気的特性についての基準データとする。
LCRアナライザに接続して粉粒体の電気的特性を測定するための粉粒体電気的特性測定プローブであり、粉粒体を敷き詰めるための電極面を有する第1電極と、該第1電極の該電極面との間で粉粒体を挟着するための電極面を有する第2電極と、該第1電極に電気絶縁性スペーサを介して配置されたシールド電極と、該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に測定対象粉粒体を挟着するための押圧手段とを含んでおり、該第1及び第2の電極がLCRアナライザに接続される電極である粉粒体電気的特性測定プローブ。
粉粒体を成形してシート状体を形成する方法により目標とする電気的特性を有するシート状体を得ることができることが予め分かっている粉粒体を基準粉粒体とすること、
本発明に係る粉粒体電気的特性測定プローブの前記第1電極の電極面に該基準粉粒体を敷き詰めるとともに該基準粉粒体を該プローブの前記第2電極の電極面との間に挟み込み、該プローブの前記押圧手段により該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に基準粉粒体を挟着すること、
該第1及び第2の電極をLCRアナライザに接続して該押圧手段による押圧力下に該第1及び第2の電極の前記電極面間に挟着された基準粉粒体の、前記目標とする電気的特性と同種の電気的特性を測定し、該測定結果を基準データとすること、
本発明に係る粉粒体電気的特性測定プローブの前記第1電極の電極面に前記目標とする電気的特性を有するシート状体と同じ目標とする電気的特性を有するシート状体を形成しようとするときの材料である材料粉粒体を敷き詰めるとともに該材料粉粒体を該プローブの前記第2電極の電極面との間に挟み込み、該プローブの前記押圧手段により該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に材料粉粒体を挟着すること、
該第1及び第2の電極をLCRアナライザに接続して該押圧手段による押圧力下に該第1及び第2の電極の前記電極面間に挟着された材料粉粒体の、前記目標とする電気的特性と同種の電気的特性を測定し、該測定結果を測定データとすること、
前記基準データと前記測定データとを比較し、両者の差が前記目標とする電気的特性のシート状体が得られる予め定めた許容範囲にあるときは、該材料粉粒体から得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を有するものであると評価し、該両者の差が該予め定めた許容範囲外にあるときは、該材料粉粒体から得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を有しないものであると評価すること
を含むシート状体の電気的特性の評価方法。
この場合、前記押圧手段は、該第2電極に上側から該第1電極へ向けて押圧力を加える手段とすることができる。
図1は本発明に係る粉粒体電気的特性測定プローブの1例の電極部分を分解して示す図である。図2は図1に示す電極を含む粉粒体電気的特性測定プローブにより粉粒体の電気的特性を測定する様子を示す図である。
第1電極1は、外径D1が22cmの皿状電極であり、上側の凹んだ底面11は全体的に円形の平坦電極面11となっている。
電極2の上面には後述する、押圧力印加用の重りWを配置できる(図2参照)。
スペーサ3の外径は、立ち上がり周縁部32が第1電極1に上方から嵌まり、電極平坦底面11まで嵌着できるものである(図2参照)。
スペーサ3の立ち上がり周縁部32の内径は、第2電極2が周縁部32の内側に対して嵌脱できるものである(図2参照)。
図2に示すように、シールド電極5を台7上に静止配置し、接地電位に設定する。シールド電極5が静止配置されることで、第1電極1も静止配置される。そしてこの第1電極1に対して第2電極2が上下動可能な状態となる。スペーサ3は第1電極1に嵌めておく。
LCRアナライザとしては、例えば、アジレントテクノロジー株式会社のLCRメータ(E4980AプレシジョンLCRメータ、4263BLCRメータ)や、株式会社NF回路ブロックのLCRメータ(ZM2353)などを使用できる。
この重りWは、敷き詰めたペレットP群を第1電極の平坦電極面11と第2電極の平坦電極面21との間で全体的にできるだけ均一な圧力下に挟着し、両平坦電極面11、21にペレットP群をできるだけ均一に接触させるためのものである。そのように重りWの重さを選択しておく。
なお、ここで使用したLCRアナライザは、アジレントテクノロジー株式会社のE4980AプレシジョンLCRメータである。
図5から、ペレットPの導電性材料(ここではカーボン)の含有量の違いによるインピーダンスの差が分かる。また、インピーダンスは1kHzより低周波数域でしか違いを確認し難いことも分かる。
また、図4、図5からカーボン含有率が9.3%と同じでも、材料の違い(樹脂とカーボンの混練の均一性の違い)により、静電容量やインピーダンスに差が生じることが分かる。
このようなときに、樹脂ペレットPからシート状体を生産ラインで次々と製造してから、該シート状体の電気的特性を評価していたのでは、もし、そのシート状体が電気的特性の点で不良ということになると、損失が極めて大きくなる。
このことについて樹脂ペレットP群を成形してシート状体を形成する場合について説明する。
プローブ10の第1電極1の電極面11に基準ペレットを敷き詰めるとともに該基準ペレット群を第2電極2の電極面21との間に挟み込み、重りWを第2電極2上に載置して第2電極2を第1電極1へ押圧し、両電極1、2間に基準ペレット群を挟着する。
図7の押圧装置8は、第2電極2の上面に当接される押さえ部材81をバネ82で押さえるようにし、そのバネ圧を高さ位置が調節可能な部材83で調節できるようにしたものである。
1 第1電極(マイナス電極)
11 平坦電極面
D1 電極1の外径
2 第2電極(プラス電極)
21 平坦電極面
D2 電極2の外径
3 スペーサ
31 開口部
t スペーサ厚み
D3 開口部31の内径
32 スペーサの立ち上がり周縁部
4 スペーサ
5 シールド電極
6 LCRメータ
7 台
8 押圧装置
81 押圧部材
82 バネ
83 高さ位置調節可能の部材
P 樹脂ペレット
Claims (7)
- LCRアナライザに接続して粉粒体の電気的特性を測定するための粉粒体電気的特性測定プローブであり、粉粒体を敷き詰めるための電極面を有する第1電極と、該第1電極の該電極面との間で粉粒体を挟着するための電極面を有する第2電極と、該第1電極に電気絶縁性スペーサを介して配置されたシールド電極と、該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に測定対象粉粒体を挟着するための押圧手段と、前記第1及び第2の電極の前記測定対象粉粒体を挟着するための電極面間に配置されて該両電極面間隔を該粉粒体の破壊を抑制しつつ該粉粒体を該両電極面に接触させる間隔に規制する電気絶縁性スペーサを含んでおり、該第1及び第2の電極がLCRアナライザに接続される電極であることを特徴とする粉粒体電気的特性測定プローブ。
- 前記粉粒体は導電性材料を含有する樹脂ペレット群である請求項1記載の粉粒体電気的特性測定プローブ。
- 前記第1及び第2の電極の前記測定対象粉粒体を挟着するための電極面はそれぞれ平坦電極面である請求項1又は2記載の粉粒体電気的特性測定プローブ。
- 前記第1電極はマイナス電極であり、前記第2電極はプラス電極である請求項1、2又は3記載の粉粒体電気的特性測定プローブ。
- 前記第1電極は前記シールド電極を下側にして且つ前記粉粒体を敷き詰めるための電極面を上に向けて静止配置される電極であり、前記第2電極は該粉粒体を該第1電極の電極面との間に挟着するための電極面を下に向けて上下動可能に配置される電極であり、前記押圧手段は、該第2電極に上側から該第1電極へ向けて押圧力を加える手段である請求項1から4のいずれかに記載の粉粒体電気的特性測定プローブ。
- 前記押圧手段は重りである請求項5記載の粉粒体電気的特性測定プローブ。
- 粉粒体を成形してシート状体を形成する方法により目標とする電気的特性を有するシート状体を得ることができることが予め分かっている粉粒体を基準粉粒体とすること、
請求項1から6のいずれかに記載の粉粒体電気的特性測定プローブの前記第1電極の電極面に該基準粉粒体を敷き詰めるとともに該基準粉粒体を該プローブの前記第2電極の電極面との間に挟み込み、該プローブの前記押圧手段により該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に基準粉粒体を挟着すること、
該第1及び第2の電極をLCRアナライザに接続して該押圧手段による押圧力下に該第1及び第2の電極の前記電極面間に挟着された基準粉粒体の、前記目標とする電気的特性と同種の電気的特性を測定し、該測定結果を基準データとすること、
請求項1から6のいずれかに記載の粉粒体電気的特性測定プローブの前記第1電極の電極面に前記目標とする電気的特性を有するシート状体と同じ目標とする電気的特性を有するシート状体を形成しようとするときの材料である材料粉粒体を敷き詰めるとともに該材料粉粒体を該プローブの前記第2電極の電極面との間に挟み込み、該プローブの前記押圧手段により該第2電極を該第1電極へ相対的に押圧して該第1及び第2の電極の前記電極面間に材料粉粒体を挟着すること、
該第1及び第2の電極をLCRアナライザに接続して該押圧手段による押圧力下に該第1及び第2の電極の前記電極面間に挟着された材料粉粒体の、前記目標とする電気的特性と同種の電気的特性を測定し、該測定結果を測定データとすること、
前記基準データと前記測定データとを比較し、両者の差が前記目標とする電気的特性のシート状体が得られる予め定めた許容範囲にあるときは、該材料粉粒体から得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を有するものであると評価し、該両者の差が該予め定めた許容範囲外にあるときは、該材料粉粒体から得られるシート状体は前記目標とする電気的特性を有しないものであると評価すること
を含むことを特徴とするシート状体の電気的特性の評価方法。
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