JP6118692B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、タイヤ赤道面に関して非対称なトレッド構造を有し、車両への装着方向が指定されている空気入りタイヤに関する。
車両への装着方向が指定された空気入りタイヤは、タイヤ赤道面に関して非対称なトレッド構造を有するのが通常であり、一般には非対称なトレッドパターンが形成されている(例えば、特許文献1参照)。それらの多くは、操縦安定性能とWET性能(濡れた路面での走行性能)とを両立するなど、諸性能を高次元でバランス化することを目的としている。
例えば、特許文献2に記載の空気入りタイヤでは、車両装着時に車両外側となる外側領域に配置された横溝のピッチを、その車両内側となる内側領域に配置された横溝のピッチよりも大きくし、それにより外側領域の踏面剛性を増大させて操縦安定性能の向上を図っている。しかし、トレッドパターンの設計には、他のタイヤ性能や使用条件も考慮する必要があるため、操縦安定性能を向上するうえで実用上の制約が少なくない。それ故、トレッドパターンとは無関係に操縦安定性能を向上しうる手法の提案が望まれる。
一方、近年では、WET性能などの向上を目的として、トレッドゴムをシリカ高配合とした空気入りタイヤが提案されている(例えば、特許文献3参照)。かかるトレッドゴムは、カーボンブラック高配合としたトレッドゴムに比べてゴム硬度が小さい傾向にあり、踏面剛性の低下に伴ってタイヤ動特性(コーナリングパワーなど)が低下しがちであるため、操縦安定性能を向上しうる手法の提案が特に強く望まれる。また、シリカ高配合のトレッドゴムは比較的高い電気抵抗を有することから、この種のタイヤでは、車体やタイヤで発生した静電気を路面へ放出するための導電経路が必要になる。
特開平11−321231号公報 特開2003−170705号公報 特開2009−126291号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、非対称なトレッド構造を採用しながら、トレッドパターンとは無関係に操縦安定性能を向上できる空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、車両への装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッドゴムが、踏面を構成するキャップ層と、前記キャップ層のタイヤ径方向内側に積層されるベース層と、前記キャップ層と前記ベース層との間でタイヤ幅方向に延びるトレッド補強層とを備え、前記トレッド補強層が、互いに平行に配列されたタイヤ幅方向に延びる多数本のコードをトッピングゴムで被覆してなり、タイヤ赤道面を基準として車両装着時に車両外側となる外側領域にのみ設けられているものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく研究を重ねたところ、旋回時には、外側領域の踏面に接地圧力が集中することで横方向(タイヤ幅方向)への大きな歪みが発生し、それに伴う横方向の変形によって操縦安定性能が低下しやすいことに着目し、上記の如き本発明を想到した。本発明に係る空気入りタイヤでは、内圧の作用によりトレッド補強層のコードに張力が発生し、それによって横方向の変形に対する外側領域の踏面剛性が増大する。その結果、スリップ角が付与された際の反力が大きくなり、操縦安定性能(特に旋回時の限界性能)を向上することができる。
また、トレッド補強層は、キャップ層とベース層との間に介在するために踏面の近くに配置され、それにより踏面剛性が良好に増大する。しかも、トレッド補強層は、外側領域にのみ設けられ、旋回時の寄与が小さい内側領域には設けられていないため、定常走行に対するトレッド補強層の影響が抑えられ、特にネガティブキャンバーが付与される場合には顕著である。このように、本発明の空気入りタイヤによれば、非対称なトレッド構造を採用しながら、トレッドパターンとは無関係に操縦安定性能を向上できる。
本発明の空気入りタイヤでは、前記トレッドゴムが、前記トレッド補強層からタイヤ径方向外側へ延びて踏面に露出する露出層を備え、前記キャップ層が非導電性ゴムにより形成され、前記トレッド補強層のトッピングゴムが導電性ゴムにより形成され、前記露出層が導電性ゴムにより形成され、前記トレッド補強層及び前記露出層を介して、ビード部のリム接触面から踏面に至る導電経路が設けられているものでもよい。
この場合、キャップ層が非導電性ゴムにより形成されるが、ビード部のリム接触面から踏面に至る導電経路が設けられるために、車体やタイヤで発生した静電気は路面へ放出される。そして、その導電経路の一部を構成するトレッド補強層によって、上記の操縦安定性能の向上効果が得られる。非導電性ゴムがシリカ高配合のゴムであれば、操縦安定性能とWET性能とを高次元で両立できる。また、トレッド補強層が外側領域にのみ設けられることで、内側領域ではシリカ高配合のゴムが増えて改善効果が高められる。
上記においては、前記露出層がタイヤ周方向に沿って螺旋状に設けられていてもよい。かかる構成によれば、露出層を形成する導電性ゴムのボリュームを低減できるため、非導電性ゴムによる改善効果が高められる。また、キャップ層が少し摩耗した段階では、露出層がタイヤ周方向において部分的に露出し、踏面に露出する非導電性ゴムの面積が増えるため、キャップ層を非導電性ゴムで形成することによる改善効果が高められる。
前記トレッド補強層の幅は、前記トレッドゴムの幅の40〜50%であることが好ましい。この割合が40%以上であることにより、横方向の変形に対する外側領域の踏面剛性を効果的に増大させることができる。また、この割合が50%以下であることにより、トレッド補強層を必要以上に幅広にすることなく、定常走行に対するトレッド補強層の影響を良好に抑えることができる。
前記トレッド補強層のコードが有機繊維からなることが好ましい。かかる構成によれば、トレッド補強層のコードに張力を適切に発生させられるため、横方向の変形に対する外側領域の踏面剛性を増大させるうえで都合が良い。
前記外側領域での前記キャップ層の厚みが、タイヤ赤道面を基準として車両装着時に車両内側となる内側領域での前記キャップ層の厚みよりも小さく、前記トレッドゴムの厚みが左右で同等に設定されている。これにより、非対称なトレッド構造を採用しながらも、接地圧分布の不均一化に起因した接地性の悪化を抑制することができる。
本発明に係る空気入りタイヤの一例を概略的に示すタイヤ子午線断面図 各層のコードの配列を示す平面図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の一例である空気入りタイヤTのタイヤ子午線断面を概略的に示している。図2は、そのタイヤTが備えるカーカス層4、ベルト層7、ベルト補強層8及びトレッド補強層13の平面視において、それらのコードの配列を概略的に示している。
図1に示すように、空気入りタイヤTは、一対のビード部1と、そのビード部1の各々からタイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部2と、そのサイドウォール部2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド部3とを備える。ビード部1には、鋼線等の収束体をゴム被覆してなる環状のビードコア1aと、硬質ゴムからなるビードフィラー1bとが設けられている。
カーカス層4は、トレッド部3からサイドウォール部2を経てビード部1に至り、その端部がビードコア1aを介して巻き上げられている。カーカス層4を構成するカーカスプライは、互いに平行に配列されたタイヤ幅方向に延びる多数本のコードC4をトッピングゴムで被覆してなる。リムストリップゴム5は、不図示のリムと接するリム接触面15を有し、ビード部1におけるカーカス層4の外側に設けられている。サイドウォールゴム6は、サイドウォール部2におけるカーカス層4の外側に設けられている。
ベルト層7は、トレッド部3におけるカーカス層4の外周に設けられている。ベルト層7を構成する複数枚(本実施形態では2枚)のベルトプライは、それぞれ、タイヤ赤道面TCに対して傾斜して延びるコードC7をトッピングゴムで被覆してなり、そのコードC7が互いに逆向きに交差するように積層されている。ベルト補強層8は、ベルト層7の外周に設けられ、実質的にタイヤ周方向に延びるコードC8をトッピングゴムで被覆してなる。トレッドゴム10は、ベルト補強層8の外周に設けられており、後述するトレッド補強層13を備えることで、そのトレッド構造はタイヤ赤道面TCに関して非対称である。
このタイヤTは、車両への装着方向が指定されたタイヤであり、図1右側のサイドウォール部2が車両外側となるように指定されている。装着方向の指定は、例えば、サイドウォール部2の外表面に、車両外側となる旨の表示(例えば、OUTSIDE)または車両内側となる旨の表示(例えば、INSIDE)を付すことにより行われる。トレッド部3に関して、外側領域OAは、タイヤ赤道面TCを基準として車両装着時に車両外側となる領域であり、内側領域IAは、タイヤ赤道面TCを基準として車両装着時に車両内側となる領域である。
トレッドゴム10は、踏面を構成するキャップ層12と、キャップ層12のタイヤ径方向内側に積層されるベース層11と、そのキャップ層12とベース層11との間でタイヤ幅方向に延びるトレッド補強層13とを備える。トレッド補強層13は、互いに平行に配列されたタイヤ幅方向に延びる多数本のコードC13をトッピングゴムで被覆してなり、車両装着時に車両外側となる外側領域OAにのみ設けられている。このタイヤTには、左右で非対称なトレッドパターンが形成され、外側領域OAと内側領域IAとでパターン形状が異なっているが、図1では踏面に設けられた溝の図示を省略している。
インフレート時には、内圧の作用によりコードC13に張力が発生し、横方向(タイヤ幅方向)の変形に対する外側領域OAの踏面剛性が増大する。その結果、スリップ角が付与された際の反力が大きくなり、操縦安定性能(特に旋回時の限界性能)を向上できる。旋回時の寄与が小さい内側領域IAにはトレッド補強層13を設けておらず、定常走行に対するトレッド補強層13の影響(歪みによる転がり抵抗の低下など)が抑えられる。特にネガティブキャンバーが付与される場合には、定常走行に対する作用が内側領域IAで大きくなるため、トレッド補強層13を外側領域OAにのみ設けることの有益性が増す。
トレッド補強層13による補強効果を確保するうえで、トレッド補強層13の幅W13はトレッドゴム10の幅W10の40%以上であることが好ましい。また、トレッド補強層13を必要以上に幅広にしないよう、幅W13は幅W10の50%以下であることが好ましい。同様の理由から、トレッド補強層13はタイヤ赤道面TCを越えないことがより好ましい。トレッド補強層13はタイヤ周方向に沿って環状に設けられており、本実施形態では1層で構成されているが、複数を積層した構造でも構わない。
トレッド補強層13のコードC13は、好ましくはナイロンやレーヨン、ポリエステル、アラミドなどの有機繊維からなり、例えば4.9〜14.7GPaの引張モジュラスを有する。この引張モジュラスは、JISL1017に準拠して常温で引張試験を行ったときの2%伸張時の値である。タイヤ幅方向に延びるコードC13のタイヤ赤道面TCに対する角度θは、90±10度の範囲内である。トレッド補強層13のトッピングゴムは、例えば1.0〜4.0MPaの引張モジュラス(M100)を有する。M100は、JISK6251に準拠して25℃で引張試験を行ったときの100%伸張時の値である。
本実施形態では、踏面を構成するキャップ層12が、非導電性ゴムにより形成されている。非導電性ゴムは、原料ゴムに補強剤としてシリカを高比率で、例えばゴム成分100重量部に対して30〜100重量部で配合することにより作製される。好ましくは湿式シリカが用いられるが、補強材として汎用されているものは特に制限なく使用できる。このようなシリカ高配合のゴムでキャップ層12が形成されることにより、操縦安定性能とWET性能を高次元で両立できる。非導電性ゴムは比較的高い電気抵抗を有し、例えば固有抵抗値が8MΩ・cmを越えるため、後述するような導電経路が設けられている。
トレッドゴム10は、トレッド補強層13からタイヤ径方向外側へ延びて踏面に露出する露出層14を備える。露出層14は、トレッド補強層13のトッピングゴムに接続される一端から、踏面に露出する他端まで連続して延びている。本実施形態の露出層14はタイヤ周方向に沿って螺旋状に設けられているため、図1の断面では断続的に現れている。トレッド補強層13のトッピングゴムは導電性ゴムにより形成され、露出層14も導電性ゴムにより形成されている。図1では、図面上での区別を容易にするため、トレッド補強層13と露出層14を黒く着色して描いている。
導電性ゴムは、原料ゴムに補強剤としてカーボンブラックを高比率で、例えばゴム成分100重量部に対して30〜100重量部で配合することにより作製される。カーボンブラック以外にも、カーボンファイバーや、グラファイト等のカーボン系、及び金属粉、金属酸化物、金属フレーク、金属繊維等の金属系の公知の導電性付与材を配合してもよい。導電性ゴムは比較的低い電気抵抗を有し、例えば固有抵抗値が8MΩ・cm以下である。
上記の原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上混合して使用される。かかる原料ゴムには、加硫剤や加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等も適宜に配合される。また、上記の固有抵抗値は、JISK6271に準拠して23℃で測定した体積固有抵抗を指す。
本実施形態では、リムストリップゴム5とサイドウォールゴム6が、それぞれ導電性ゴムにより形成されるとともに、トレッド補強層13がサイドウォールゴム6に接続されている。これにより、トレッド補強層13及び露出層14を介して、ビード部1のリム接触面15から踏面に至る導電経路が設けられている。即ち、車体やタイヤで発生した静電気は、リムから、リムストリップゴム5、サイドウォールゴム6、トレッド補強層13のトッピングゴム、露出層14を通って路面に放出される。
露出層14は、トレッド補強層13からタイヤ径方向外側へ向かって、図1の断面において直線状に延びるものでも構わない。しかし、本実施形態のように螺旋状に延びる構造であれば、露出層14を形成する導電性ゴムのボリュームを低減でき、非導電性ゴムによる改善効果(例えば、WET性能の向上効果)が高められる。トレッドゴム10内の導電経路を全体的に螺旋状すると導電経路の距離が長くなるものの、トレッド補強層13を介在させることにより、そのような導電経路の長距離化が抑えられる。
未摩耗の新品時における露出層14は、タイヤ周方向の全周で踏面に露出し、或いは、タイヤ周方向において部分的に露出する。キャップ層12が少し摩耗した段階では、露出層14がタイヤ周方向において部分的に露出するため、摩耗の初期段階から末期段階にかけて一律にタイヤ周方向の全周で導電性ゴムが露出する構造に比べると、踏面に露出する非導電性ゴムの面積が増える。それ故、キャップ層12を非導電性ゴムで形成することによる改善効果(例えば、WET性能の向上効果)が高められる。
露出層14が露出する部位は、踏面内であれば特に限られるものではないが、制動性能の向上を図るうえで、タイヤ幅方向の中央部であることが好ましい。また、同じ理由から、トレッドゴム10の表面にタイヤ赤道面TCを通るセンターリブが設けられる場合には、そのセンターリブ上で露出層14が露出することが好ましい。露出層14はタイヤ幅方向の複数箇所で露出するものでも構わないが、導電性ゴムのボリュームを抑えるうえでは、本実施形態のように1箇所で露出する形態が好ましい。
リム接触面15から踏面に至る導電経路は、トレッド補強層13と露出層14を介して設けられるが、その他の部分を構成する部材は特に限定されない。したがって、例えば、サイドウォールゴム6を非導電性ゴムにより形成したうえで、カーカスプライのトッピングゴムを導電性ゴムにより形成し、トレッド補強層13をカーカス層4に接続するように構成してもよい。所要の導電経路を設けるうえでは、トレッド補強層13のタイヤ幅方向外側の末端が、トレッドゴム10の側面又は底面に露出することが好ましい。
このタイヤTでは、外側領域OAでのキャップ層12の厚みT12oが、内側領域IAでのキャップ層12の厚みT12iよりも小さい。厚みT12oは、踏面からトレッド補強層13の表面までの距離として測定される。厚みT12oと厚みT12iとの差は、トレッド補強層13の厚みと同程度であり、そのためトレッドゴム10の厚みが左右で同等に設定されている。外側領域OAでのトレッドゴム10の厚みT10oは、例えば、内側領域IAでのトレッドゴム10の厚みT10iの100±3%である。
このようにトレッドゴム10の厚みを左右で同等にすることにより、非対称なトレッド構造を採用しながらも、接地圧分布の不均一化に起因した接地性の悪化を抑制することができる。尚、厚みT12oと厚みT12iは、タイヤ赤道面TCからタイヤ幅方向に略同じ距離だけ離れた箇所で測定され、厚みT10o,T10iは、それぞれ厚みT12o,T12iの測定箇所で測定されるものとする。
キャップ層12の厚みに代えて又は加えて、ベース層11の厚みに基づいて調整してもよい。即ち、外側領域OAでのベース層11の厚みを、内側領域IAでのベース層11の厚みよりも小さくし、それによりトレッドゴム10の厚みを左右で同等に設定することも可能である。但し、トレッド補強層13を踏面の近くに配置して踏面剛性を増大させるうえでは、キャップ層12の厚みに基づいて調整することが好適である。
この空気入りタイヤTは、トレッド部3を上記の如く構成する程度の改変で、その他は従来のタイヤ製造工程と同様にして製造することができる。トレッドゴム10の成形にはリボン巻き工法の採用が好ましく、トレッドゴムを押出成形する場合に比べて、キャップ層12とベース層11の間にトレッド補強層13を介在させたり、キャップ層12の厚みを調整したりすることが容易くなる。リボン巻き工法は、小幅で未加硫のゴムリボンをタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けて、所望の断面形状を有するゴム部材を成形する工法である。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。したがって、踏面に形成されるトレッドパターンなどは、本発明において特に限定されるものではない。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。タイヤの各性能評価は、次のようにして行った。
(1)接地性(接地圧分布の均一性)
15×6JJのリムに装着して内圧を180kPaとし、制動時にタイヤ1輪あたりに負荷される鉛直方向の荷重に相当する5545N(=JATMA最大荷重×0.8×1.15)を負荷した状態で、接地面内における各測定点での垂直接地圧力と平均接地圧を算出した。その上で、各測定点の接地圧と平均接地圧の差の平方二乗の全測定点の総和を全測定点数で除した値を求め、この値を接地圧分散とした。比較例1の結果を100として指数評価し、数値が大きいほど接地性に優れていることを示す。
(2)操縦安定性能
実車(セダンタイプの乗用車)に装着して旋回走行を行い、ドライバーによる官能試験により評価した。比較例1の結果を100として指数評価し、数値が大きいほど操縦安定性能に優れていることを示す。
評価に供したタイヤのうち、図1のようにトレッド補強層を設けるとともに、そのトレッド補強層に含まれるコードのタイヤ周方向に対する角度が0度であるものを比較例1,2とし、90度であるものを実施例1及び参考例1,2とした。トレッド補強層の構造を除いて、各例におけるタイヤ構造やゴム配合は共通であり、タイヤサイズは195/65R15 91Sである。評価結果を表1に示す。
Figure 0006118692
表1に示すように、実施例1及び参考例1,2は、比較例1,2よりも操縦安定性能に優れており、中でも実施例1及び参考例2では、接地性を損なうことなく操縦安定性能を向上できている。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス層
5 リムストリップゴム
6 サイドウォールゴム
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 トレッドゴム
11 ベース層
12 キャップ層
13 トレッド補強層
14 露出層
15 リム接触面

Claims (5)

  1. 車両への装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、
    トレッドゴムが、踏面を構成するキャップ層と、前記キャップ層のタイヤ径方向内側に積層されるベース層と、前記キャップ層と前記ベース層との間でタイヤ幅方向に延びるトレッド補強層とを備え、
    前記トレッド補強層が、互いに平行に配列されたタイヤ幅方向に延びる多数本のコードをトッピングゴムで被覆してなり、タイヤ赤道面を基準として車両装着時に車両外側となる外側領域にのみ設けられていて、
    前記外側領域での前記キャップ層の厚みが、タイヤ赤道面を基準として車両装着時に車両内側となる内側領域での前記キャップ層の厚みよりも小さく、前記トレッドゴムの厚みが左右で同等に設定されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッドゴムが、前記トレッド補強層からタイヤ径方向外側へ延びて踏面に露出する露出層を備え、
    前記キャップ層が非導電性ゴムにより形成され、前記トレッド補強層のトッピングゴムが導電性ゴムにより形成され、前記露出層が導電性ゴムにより形成され、
    前記トレッド補強層及び前記露出層を介して、ビード部のリム接触面から踏面に至る導電経路が設けられている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記露出層がタイヤ周方向に沿って螺旋状に設けられている請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド補強層の幅が前記トレッドゴムの幅の40〜50%である請求項1〜3いずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッド補強層のコードが有機繊維からなる請求項1〜4いずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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