JP6118308B2 - 回転電機および共振回避方法 - Google Patents

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Description

本発明は、本体部と端子箱との共振を回避可能に構成された回転電機、および共振回避方法に関する。
一般に、回転電機においては、その回転電機の本体側電線と、外部側電線すなわち、回転電機が電動機の場合の電源や、回転電機が発電機の場合の負荷側あるいは電力系統側との取り合い用の電線との接続部は、端子箱に収納されている。端子箱を設けることによって、人体の接触による感電の防止、雨水や異物などの付着による相間短絡等の防止を図っている。端子箱は、通常、回転電機のフレームの側部あるいは上部に取り付けられ、本体と一体化している場合が多い(特許文献1、2)。
端子箱が本体と一体化している場合、本体側電線は、端子箱内の接続部に接続された状態である。設置場所に回転電機が据え付けられた後に、外部側電線が、端子箱内の接続部に接続される。外部側電線は、回転電機以外の設備の改造等によっても、再度、端子箱に接続する必要が生じる。
端子箱が小さいと、端子箱内の空間が狭くなり、端子箱内での接続作業や点検作業がやりにくくなる。この結果、接続状態が不完全となる可能性があり、このような場合は、発熱等が生じ火災の原因や、振動による電線の位置ずれによる相間短絡、接続部からの脱落等の事象の原因となる可能性がある。
このため、作業性を確保した端子箱が指定されるケースも出てきている。
特開2003−244889号公報 特開2007−014044号公報
端子箱内での作業性を確保するためには、端子箱内にしかるべきスペースを確保する必要がある。この結果、近年は、端子箱の寸法は従来に比べて大きくなる傾向がある。このように端子箱が大型化すると、端子箱を回転電機の本体部に取り付けることは困難となる。
端子箱を回転電機のフレームと独立して設置する場合でも、端子箱を回転電機のフレームから距離を置いて設けようとすると、フレームと端子箱の間の電線を覆うためにコンジット等を敷設する必要がある。
このため、端子箱をフレームの近傍に設置することが好ましい。この場合は、回転電機本体と端子箱間で共振が発生しないような注意が必要である。
そこで、本発明は、回転電機において本体部と端子箱間の共振を回避することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明に係る回転電機は、ロータシャフトおよび回転子鉄心を有する回転子と、固定子鉄心および固定子コイルを有する固定子と、前記回転子鉄心と前記固定子を収納するフレームとを有する本体部と、前記本体部に隣接して設けられ、前記本体部からの本体側電線と外部からの外部側電線とを接続する電線接続部を内蔵する端子箱と、前記本体部とは独立して前記端子箱を支持し前記端子箱と前記本体部との共振を回避するために剛性が変化可能に構成された支持機構と、前記フレームと前記端子箱とを連結し前記本体側電線を収納する連絡ダクトと、を備え、前記支持機構は、前記端子箱の下方に設けられ上面部と、底面部と、これらのそれぞれと剛に接続してこれら相互間を接続する板状の上下接続部とを有し前記端子箱の自重を支持する支持部材と、当該支持機構の剛性を調節するため前記上面部と前記底面部間に設けられたジャッキを有する調節部と、を具備することを特徴とする。
また、本発明に係る共振回避方法は、本体部を設置し、本体部と連絡ダクトで接続される端子箱を、前記端子箱の下方に設けられ上面部と、底面部と、これらのそれぞれと剛に接続してこれら相互間を接続する板状の上下接続部とを有し前記端子箱の自重を支持する支持部材と、当該支持機構の剛性を調節するため前記上面部と前記底面部間に設けられたジャッキを有する調節部が備えられた支持機構により支持して設置する設置ステップと、前記設置ステップの後に、前記調節部で前記支持機構の剛性を調節する調節ステップと、前記調節ステップの後に、回転電機を運転する運転ステップと、前記運転ステップでの回転電機の運転の結果として、前記端子箱と前記本体部との間で共振が発生したか否かを判定し、共振が発生したと判定した場合は前記調節ステップに戻り、共振が発生していないと判定した場合は終了とする判定ステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、回転電機において本体部と端子箱間の共振を回避することができる。
実施形態に係る本体部の断面を含む回転電機の全体正面図である。 実施形態に係る回転電機の付属端子箱の正面側の断面を示す立断面図である。 実施形態に係る回転電機の付属端子箱の側面側の断面を示す側断面図である。 実施形態に係る共振回避方法の手順を示すフロー図である。 実施形態に係る回転電機の効果を説明する概念図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る回転電機について説明する。
図1は、実施形態に係る本体部の断面を含む回転電機の全体正面図である。回転電機100は、本体部10、端子箱20、連絡ダクト30、および支持機構40を有する。
本体部10は、回転子11、固定子12およびフレーム15を有する。回転子11は、ロータシャフト11aおよび回転子鉄心11bを有する。固定子12は、回転子11の径方向外側に配された円筒形の固定子鉄心12aおよび図示しない固定子コイルを有する。フレーム15は、回転子鉄心11および固定子12を収納する。本体部10は、自重を支持する脚部16を有する。脚部16はベース5上に取り付けられており、自重は脚部16を経由してベース5に伝達される。
端子箱20は、本体部10に隣接して、本体部10からの本体側電線21(図2、3)と外部からの外部側電線23とを接続する電線接続部22(図2、3)を内蔵する。連絡ダクト30は、本体部10のフレーム15と端子箱20とを接続し、本体側電線21を収納する。
支持機構40は、ベース5上に設置されている。支持機構40は、本体部10とは独立して端子箱20の自重を受ける。端子箱20の自重は支持機構40を経由してベース5に伝達される。支持機構40は、支持部材41と、調節部42、および弾性部材43を有する。支持部材41は、端子箱20の下方に設けられ、上面部41aと、底面部41bと、上面部41aと底面部41bのそれぞれと剛に接続してこれら相互間を接続する上下接続部41cとを有する。支持部材41の断面はチャンネル材と同様の形状であり、長手方向に延びている。
調節部42は、上面部41aと底面部41bとの間に、上下接続部41cと並列に設けられており、その全長が可変で調節可能である。具体的には、ジャッキを用いることでよい。調節部42の長さを変化させることによって、支持部材41の鉛直方向、水平方向かつ長手方向に垂直方向の剛性が変化する。
弾性部材43は、端子箱20と支持部材41との間に設けられている。弾性部材43は、たとえば、板状の弾性ゴムである。なお、弾性部材43を設けない場合でもよい。この場合は、後述する支持バネ(図5)の剛性は大きな値となる。
図2は、付属端子箱の正面側の断面を示す立断面図である。また、図3は、側断面図である。電線接続部22の本体側接続部22aに本体側電線21が接続される。また、電線接続部22の外部側接続部22bに外部側電線23が接続される。外部側電線23の接続作業は、蓋25を外して実施することができ、端子箱20は十分な内部スペースを有し、作業性が確保されている。
図4は、実施形態に係る共振回避方法の手順を示すフロー図である。まず、回転電機100を設置する(ステップS01)。すなわち、本体部10を設置する。端子箱20の設置は、また、調節部42を設置し、その上部に端子箱20を設置する。また、端子箱20と本体部10に連絡ダクト30を取付けて端子箱20と本体部10とを接続する。なお、連絡ダクト30の取り付けの順序は、本体側電線21の取り扱いがしやすいように決めればよい。
設置ステップS01の後に、調節部42で支持機構40の剛性を調節する(ステップS02)。なお、最初の回転電機100の設置時は、支持機構40の上に端子箱20を搭載する前に、調節状態を計画して計画した状態に調節部42を調節してもよい。
次に、回転電機100を運転する(ステップS03)。回転電機100を運転している状態において、共振の有無を確認する。
回転電機100の運転の結果として、端子箱20と本体部10との間での共振が発生したか否かを判定する(ステップS04)。共振が発生したと判定した場合はステップS02に戻り、調節部42で調節する。また、共振状態が発生していないと判定した場合は終了とする。
図5は、実施形態に係る回転電機の効果を説明する概念図である。端子箱20は、本体部10と連結バネで結合している。連結バネは連絡ダクト30の剛性、連絡ダクト30と本体部10との結合部の剛性、および連絡ダクト30と端子箱20との接続部の剛性を含む総合的な剛性である。
また、端子箱20は、支持バネで支持されている。ここで、支持バネは、支持機構40の剛性、および支持機構40と端子箱20との接続部の剛性を含む総合的な剛性である。支持バネの剛性は、調節部42を調節することによって変化する。
本体部10は脚部16によって支持されている。本体部10は、フレーム15の剛性、脚部16の剛性、および脚部16のフレーム15への取付け部の剛性の総合的な剛性を有する。
以上のように、回転電機100は、本体部10、連結バネ、端子箱20、および支持バネが結合した形で、連成した振動系となっている。振動の原因は、回転子11を有する本体部10であり、条件によっては、端子箱20と本体部10との共振が発生する。この場合、支持バネの剛性を変化させることによって、連成した振動系の振動特性が変化し、共振状態から外れることになる。
なお、弾性部材43の剛性が著しく低く、調整部42で調整しても支持バネの剛性が弾性部材43の剛性でほとんど決まり、調整部42での調整が効かない場合は、弾性部材43を除くか、薄くすることにより調整可能範囲を大幅にずらすことができる。
以上のように、本実施形態によれば、回転電機100において本体部10と端子箱20間の共振を回避することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
5…ベース、10…本体部、11…回転子、11a…ロータシャフト、11b…回転子鉄心、12…固定子、12a…固定子鉄心、15…フレーム、16…脚部、20…端子箱、21…本体側電線、22…電線接続部、22a…本体側接続部、22b…外部側接続部、23…外部側電線、25…蓋、30…連絡ダクト、40…支持機構、41…支持部材、41a…上面部、41b…底面部、41c…上下接続部、42…調節部、43…弾性部材、100…回転電機

Claims (3)

  1. ロータシャフトおよび回転子鉄心を有する回転子と、固定子鉄心および固定子コイルを有する固定子と、前記回転子鉄心と前記固定子を収納するフレームとを有する本体部と、
    前記本体部に隣接して設けられ、前記本体部からの本体側電線と外部からの外部側電線とを接続する電線接続部を内蔵する端子箱と、
    前記本体部とは独立して前記端子箱を支持し前記端子箱と前記本体部との共振を回避するために剛性が変化可能に構成された支持機構と、
    前記フレームと前記端子箱とを連結し前記本体側電線を収納する連絡ダクトと、
    を備え
    前記支持機構は、
    前記端子箱の下方に設けられ上面部と、底面部と、これらのそれぞれと剛に接続してこれら相互間を接続する板状の上下接続部とを有し前記端子箱の自重を支持する支持部材と、
    当該支持機構の剛性を調節するため前記上面部と前記底面部間に設けられたジャッキを有する調節部と、
    を具備することを特徴とする回転電機。
  2. 前記支持機構は、前記端子箱と前記支持部材の間に設けられた弾性部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 本体部を設置し、本体部と連絡ダクトで接続される端子箱を、前記端子箱の下方に設けられ上面部と、底面部と、これらのそれぞれと剛に接続してこれら相互間を接続する板状の上下接続部とを有し前記端子箱の自重を支持する支持部材と、当該支持機構の剛性を調節するため前記上面部と前記底面部間に設けられたジャッキを有する調節部とが備えられた支持機構により支持して設置する設置ステップと、
    前記設置ステップの後に、前記調節部で前記支持機構の剛性を調節する調節ステップと、
    前記調節ステップの後に、回転電機を運転する運転ステップと、
    前記運転ステップでの回転電機の運転の結果として、前記端子箱と前記本体部との間で共振が発生したか否かを判定し、共振が発生したと判定した場合は前記調節ステップに戻り、共振が発生していないと判定した場合は終了とする判定ステップと、
    を有することを特徴とする共振回避方法。
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