JP6116230B2 - 熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法及び再資源化材料 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法及び再資源化材料 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法及び再資源化材料に関し、特に、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン系樹脂を主成分とし、難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法及び該再資源化方法により得られた再資源化材料に関する。
ポリカーボネート樹脂は、優れた機械特性、熱的性質を有しているため工業的に広く利用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は、溶融粘度が高いため、流動性が悪く成形性に劣る欠点がある。ポリカーボネート樹脂の流動性を改良するため他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイについても数多く開発されている。その中でもアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂(以下、ABS樹脂と記載する。)に代表されるスチレン系樹脂とのポリマーアロイは、自動車分野、OA機器分野、電子電気機器分野等に広く利用されている。近年、OA機器、家電製品等の用途を中心に、使用する樹脂材料の難燃化の要望が強く、これらの要望に応えるためにポリカーボネート樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイに難燃剤としてホスフェート系オリゴマーを配合する方法が提案されている
一方で、近年、OA機器、家電製品等の用途では、資源の有効利用及び環境保護の見地から、不要になった製品を回収し、再生利用する種々の検討が行われている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂からなるポリマーアロイに対し、難燃剤としてホスフェート系オリゴマーを使用した樹脂組成物の溶融成形品は、再生利用する過程で、粉砕機等で射出成形品を多量に粉砕しようとすると粉砕機の回転刃が高温になり、成形品が溶け出すため処理能力が低下し、その結果粉砕効率が悪くなるという問題があった。
このような問題を解決するために、特許文献1では、特定の分子量の芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することで、成形品の粉砕効率を向上させる、芳香族ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂とのポリマーアロイに難燃剤としてホスフェート系オリゴマーを配合してなる樹脂組成物の溶融成形品を再利用する再利用方法が開示されている。特許文献1の再利用方法は、樹脂組成物として下記a成分、b成分及びc成分の合計を100重量%とした時、粘度平均分子量13,000〜19,500の芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)40〜92重量%、スチレン系樹脂(b成分)5〜40重量%、および下記一般式(1)で示されるリン系難燃剤(c成分)3〜20重量%からなる難燃性樹脂組成物を用い、該組成物の成形品を回転刃により成形品を粉砕する粉砕機で粉砕し粉砕物としている。
また、特許文献1の再利用方法は、加水分解を抑制するため、タルク、マイカ、ワラストナイト等のケイ酸塩系充填剤を配合している。また、低温の衝撃特性を向上させる目的で、アクリル酸エステル系コアーシェルグラフト共重合体、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等のゴム質重合体を配合している。
特許第3660834号公報
しかしながら、特許文献1の再利用方法では、難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物の廃材を高い耐加水分解性を有した部材として再利用できなかった。難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物は、長期間使用されると、熱可塑性樹脂組成物が加水分解されるとともに、難燃剤も経年劣化により分解され、難燃剤の分解により生じる酸性物質により熱可塑性樹脂組成物の加水分解がさらに促進される。特許文献1の再利用方法は、ケイ酸塩系充填剤を添加することで、難燃剤の分解により生じる酸性物質をトラップし、加水分解の促進を防ぐことができるが、既に加水分解が進んでいる熱可塑性樹脂組成物を再利用しているため、未使用の熱可塑性樹脂組成物と比べて耐加水分解性が劣ることから、分子量低下が早まり寿命が短いという課題が有った。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物廃材を再資源化し、高い耐加水分解性を有する再資源化材料とすることができる熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の再資源化方法は、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法であって、熱可塑性樹脂組成物廃材は、ポリカーボネート樹脂及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂からなるアロイ樹脂を主成分とし、難燃剤を含むものであり、熱可塑性樹脂組成物廃材に、ケイ酸塩化合物、アクリル系ゴム及びカルボジイミド化合物を添加し混合する混合工程を有し、混合工程は、ケイ酸塩化合物を熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して0.5重量%以上かつ2重量%以下添加し、カルボジイミド化合物を熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して0.05重量%以上かつ1重量%以下添加することを特徴としている。
また、混合工程は、カルボジイミド化合物を、熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して0.05重量%以上かつ0.2重量%以下添加してもよい。
また、混合工程は、アクリル系ゴムを熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して1重量%以上かつ3重量%以下添加してもよい。
また、混合工程は、熱可塑性樹脂組成物廃材の末端基量を測定する工程及び測定された末端基量によりカルボジイミド化合物の添加量を調整する工程を有してもよい。
本発明の再資源化材料は、熱可塑性樹脂組成物廃材を再資源化した材料であって、熱可塑性樹脂組成物廃材は、ポリカーボネート樹脂及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂からなるアロイ樹脂を主成分とし、難燃剤を含むものであり、再資源化材料は、熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して、0.5重量%以上かつ2重量%以下のケイ酸塩化合物、1重量%以上かつ3重量%以下のアクリル系ゴム及び0.05重量%以上かつ0.2重量%以下のカルボジイミド化合物を混合したものであることを特徴としている。
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法によれば、熱可塑性樹脂組成物廃材を高い耐加水分解性を有する再資源化材料に再生することが可能となる。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物を備えた製品から熱可塑性樹脂組成物廃材を回収する方法について説明するための図である。 本発明に係る熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法について説明するための図である。 本発明に係る熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法におけるタルクの添加量と物性値の関係性を示した図である。 本発明に係る熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法におけるカルボジイミド化合物の添加量と物性値の関係性を示した図である。 本発明に係る熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法におけるアクリル系ゴムの添加量と物性値の関係性を示した図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、図1から図4に基づいて説明する。本実施形態は、家庭等で経年使用され不要になった製品から回収された熱可塑性樹脂組成物廃材に、ケイ酸塩化合物、アクリル系ゴム及びカルボジイミド化合物を添加することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法である。ここで、熱可塑性樹脂組成物廃材を回収する製品は、例えば家電製品、OA機器及び電気電子部品等である。家電製品としては、エアコンディショナ、テレビ、冷蔵庫及び洗濯機等であり、OA機器としては、複写機及びプリンタ等である。特に、テレビ、複写機のキャビネットの材質として、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂からなるアロイ樹脂(以下、PC+ABSと記載する。)が多く用いられている。また、家電製品、OA機器及び電気電子部品等の製品の多くは、難燃剤が添加されている。本実施形態は、PC+ABSを主成分とし、難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物廃材を再資源化して再資源化材料とし、製品の部材として再利用する。
図1は、熱可塑性樹脂組成物を備えた製品を解体し熱可塑性樹脂組成物廃材を回収するまでのフローについて説明するための図である。なお、フロー図におけるSは、各ステップを表す。
まず、家庭等で経年使用され、廃棄された使用済み製品を回収する(S101)。ここで、回収する使用済み製品は、PC+ABSを主成分とし、難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物を備えたものであれば、どのようなものでもよい。
次に、回収した製品を大型金属部品及び大型熱可塑性樹脂成形品等の部品ごとに解体し、分類する。(S102)。
次に、大型金属部品等以外の大型熱可塑性樹脂成形品等の部材を、大型破砕機で60mm程度に粗破砕する(S103)。大型破砕機として、例えば衝撃式破砕装置を用いる。
次に、粗破砕物に残っている金属系破砕物を金属選別機によって選別し、熱可塑性樹脂系の破砕物のみを回収する(S104)。金属選別機として、例えば磁力を用いた鉄の選別機や、を用いた銅やアルミニウムの選別機を用いる。磁力を用いた選別と渦電流を用いた選別の両方を行なう場合、その順序は特に制限されないが、効率の観点からは、まず磁力により鉄を除去し、次いで渦電流により銅やアルミニウムを除去することが好ましい。
次に、熱可塑性樹脂系破砕物に残っている低嵩比重破砕物を風力選別機によって選別し、不純物を取り除いた熱可塑性樹脂組成物廃材を回収する(S105)。低嵩比重破砕物とは、嵩比重が0.3以下の破砕物を意味し、例えば、ポリウレタン系断熱材の破砕物や発泡スチロール系発泡体の破砕物等である。以上により、廃棄された製品から熱可塑性樹脂組成物廃材を回収することができる。
図2は、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法について説明するための図である。まず、図1のようにして回収した熱可塑性樹脂組成物廃材を、微破砕機で10mm程度に微破砕する(S201)。微破砕機として、例えばせん断式破砕装置を用いる。
次に、熱可塑性樹脂組成物廃材を微破砕した微破砕物を洗浄し、砂塵、金属粉、錆、水スケール、洗剤、有機汚れ等の異物を除去する(S202)。
次に、洗浄した熱可塑性樹脂組成物廃材の微破砕物にケイ酸塩化合物、アクリル系ゴム及びカルボジイミド化合物を添加し均一に混合する(S203)。ケイ酸塩化合物は、難燃剤の経年劣化により生じた酸性物質をトラップし、耐加水分解性を向上させることを目的に添加されるものであり、具体的には、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ベントナイト、セピオライト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト等が好ましく、耐加水分解性の向上効果が高いタルクが特に好ましい。ケイ酸塩化合物としてタルクを添加する場合、タルクの添加量は熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して0.5重量%以上かつ2重量%以下の範囲が好ましく、0.75重量%以上かつ1.25重量%以下の範囲がより好ましい。タルクの添加量が0.5重量%未満であると、耐加水分解性が向上せず曲げ弾性率も低下するため好ましくない。また、タルクの添加量が2重量%を超えると、タルクの耐加水分解性向上の効果が飽和し、添加量を増やしても耐加水分解性はあまり向上しないが、アイゾット衝撃強度は著しく低下するため好ましくない。
また、アクリル系ゴムは、耐衝撃性の向上を目的に添加する。アクリル系ゴムの主成分は、粒子状のゴムの外部にグラフト層を持ったコアシェルゴムであり、該粒子状のゴムは、シリコーンアクリル複合ゴム又はブタジエンゴムが好ましく、該グラフト層は、グリシジルメタクリレート樹脂又はメチルアクリレート樹脂が好ましい。特に、ポリカーボネート樹脂への分散性が良く、耐衝撃性の改善効果が高いグリシジルメタクリレート樹脂/シリコーン樹脂コアシェルゴム又はメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体が好ましい。
また、カルボジイミド化合物は、加水分解により生じたカルボキシル基を封止し、分子量低下を抑制することを目的に添加する。カルボジイミド化合物は、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物であり、イソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド等が好ましく、2分子以上の樹脂末端に結合して鎖長延長の効果が期待できる分子内に2個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物が特に好ましい。カルボジイミド化合物の添加量は、熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して0.05重量%以上かつ1重量%以下の範囲が好ましい。カルボジイミド化合物の添加量が0.05重量%未満だと耐加水分解性が向上せず、1重量%を超えると耐加水分解性が低下する恐れがある。
次に、ケイ酸塩化合物、アクリル系ゴム及びカルボジイミド化合物を混合した混合物を加熱溶融し、熱可塑性樹脂組成物として再生する(S204)。ここで、混合物全体が溶融する最も低い温度をT℃とした場合、加熱溶融の温度はT℃以上が好ましく、(T+10)℃以上がより好ましい。また、(T+120)℃以下であることが好ましく、(T+60)℃以下であることがより好ましい。加熱溶融の温度をT℃以上とすることで、混合物全体が十分に溶融し、成形し易くすることができる。また、加熱溶融の温度を(T+120)℃以下とすることで、熱可塑性樹脂組成物の熱劣化を抑制することができる。加熱成形に用いる加熱成形機として、例えば単軸押出成形機又は多軸式押出成形機等の押出成形機を用いる。
次に、加熱成形して再生された熱可塑性樹脂組成物を造粒して再資源化材料にする(S205)。再資源化材料は、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカット等の作粒方法を用いることが好ましく、特に、後の射出成形で特定の形状へ成形する際に再資源化材料の供給が円滑に行えて大量に処理できるアンダーウォーターカット法がより好ましい。なお、再資源化材料は、その形状に特に制限はなく、ペレット状、シート状、フィルム状、パイプ状などの形状であってもよい。加熱成形機の種類、使用の態様又は求められる特性などから適宜決定すればよいが、均一な加熱溶融が容易である点でペレット状が好ましい。ペレットの粒径は、1mm以上かつ8mm以下の範囲が好ましく、2mm以上かつ5mm以下がより好ましい。ペレットの粒径が1mm未満の場合には、ペレットが浮遊するため作業性が低下しやすく、ペレットの粒径が8mmを超えると、射出成形機のシリンダ内で十分に溶融しないため、均一な混錬が困難になりやすい。
そして、再資源化材料を射出成形機に投入し、熱可塑性樹脂成形体として再生する(S206)。射出成形機として、例えばスクリュインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機等を用いる。熱可塑性樹脂成形体は、熱可塑性樹脂からなる部材であり、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機等の製品の部材として再生することができる。
なお、本実施形態は、図1及び図2に示した全ての工程を備える必要はなく、少なくともS203の熱可塑性樹脂組成物廃材にケイ酸塩化合物、アクリル系ゴム及びカルボジイミド化合物を添加し均一に混合する混合工程を含めばよい。また、図1及び図2に示されていないステップを必要により追加してもよい。
例えば、工程を簡略化するため、S204及びS205を省略し、加熱溶融させず、ペレット状等の再資源化材料への造粒もせずに、ケイ酸塩化合物、アクリル系ゴム及びカルボジイミド化合物を混合させた熱可塑性樹脂組成物廃材の微破砕物を射出成形機にそのまま投入し、熱可塑性樹脂成形体を直接成形してもよい。
また、再資源化された熱可塑性樹脂成形体には、必要により本実施形態の効果を害しない範囲で難燃剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、銅害防止剤、抗菌剤及び着色剤等の添加剤を添加してもよい。即ち、該添加剤を添加する工程を、S202で熱可塑性樹脂組成物廃材の微破砕物を洗浄した後又はS205で熱可塑性樹脂組成物を再資源化材料にした後に追加してもよい。或いは、S204の押出成形機又はS206の射出成型機に該添加剤を熱可塑性樹脂組成物と共に投入するようにしてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
図1及び図2に示した手順に従い、熱可塑性樹脂組成物廃材を再資源化し、熱可塑性樹脂成形体としてASTM規格準拠の物性測定用試験片を作製した。まず、市場で使用されて廃棄された液晶テレビを解体し、難燃PC+ABS製バックキャビネットから熱可塑性樹脂組成物廃材(A)を回収した。次に、熱可塑性樹脂組成物廃材(A)を10mm以下に微破砕して洗浄した。次に、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:0.5:3:0.1の分量で混合する混合工程を行った。ここでは、タンブラー混合機によって混合し、熱風除湿乾燥機にて80℃、8時間、除湿乾燥した。次に、混合物をスクリュ径5mm、スクリュ有効長L/D=26の二軸溶融混錬押出機によって、設定温度250℃で加熱溶融混錬するとともに押出成形し、ペレタイザを用いてカットし、ペレット状の再資源化材料を得た。そして、再資源化材料を10トン射出成形機ホッパーに投入し、設定温度260℃、金型温度60℃、冷却時間30秒の射出成形条件で、ASTM規格準拠の試験片を作製した。
<実施例2>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:3:0.1の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<実施例3>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:2:3:0.1の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<実施例4>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:3:0.05の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<実施例5>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:3:0.2の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<実施例6>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:3:0.5の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<実施例7>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:3:1の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<比較例1>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:0.01:3:0.1の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<比較例2>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:5:3:0.1の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<比較例3>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:3:0.001の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<比較例4>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:3:3の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<比較例5>
微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)に何も添加せず、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)をスクリュ径5mm、スクリュ有効長L/D=26の二軸溶融混錬押出機によって、設定温度250℃で加熱溶融混錬するとともに押出成形し、ペレタイザを用いてカットし、ペレット状の再資源化材料を得た。そして、再資源化材料を10トン射出成形機ホッパーに投入し、設定温度260℃、金型温度60℃、冷却時間30秒の射出成形条件で、ASTM規格準拠の試験片を作製した。
<比較例6>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)及び三菱レイヨン株式会社製のグリシジルメタクリレート樹脂/シリコーン樹脂コアシェルゴム(C−2)を100:1:2の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<比較例7>
経年使用されていない熱可塑性樹脂組成物(以下、バージン材料と記載する。)をスクリュ径5mm、スクリュ有効長L/D=26の二軸溶融混錬押出機によって、設定温度250℃で加熱溶融混錬するとともに押出成形し、ペレタイザを用いてカットし、ペレット状の再資源化材料を得た。そして、再資源化材料を10トン射出成形機ホッパーに投入し、設定温度260℃、金型温度60℃、冷却時間30秒の射出成形条件で、ASTM規格準拠の試験片を作製した。
そして、実施例1から7及び比較例1から7で作製された試験片の物性値、即ち曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度及び寿命を測定した。ここで、曲げ弾性率は、JIS K7203に準じて測定した。また、アイゾット衝撃強度は、JIS K7110に準じて測定した。また、試験片を80℃95%RHの恒温恒湿槽に投入し、投入時間毎にJIS K7203に準じて曲げ強度を測定し、試験前の試験片の曲げ強度から90%の曲げ強度になるまでの時間を試験片の加水分解試験に対する寿命とした。
まず、実施例1、2、3及び比較例1、2で作製された試験片の物性値を測定した結果を表1に示す。実施例1、2、3及び比較例1、2で作製された試験片は、アクリル系ゴム、即ちメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)とカルボジイミド化合物(D)の添加量を固定し、それぞれケイ酸塩化合物、即ちタルク(B)の添加量を変えて作製された試験片である。
図3は、タルクの添加量と物性値の関係性を示した図であり、横軸にタルクの添加量を重量%で表し、図3(a)の縦軸に曲げ弾性率、図3(b)の縦軸にアイゾット衝撃強度、図3(c)の縦軸に寿命をそれぞれ表した。曲げ弾性率については、タルクの添加量が増えると徐々に上昇した。アイゾット衝撃強度については、タルクの添加量が増えると低下した。寿命については、タルクの添加量が0.5重量%以上であれば、長い寿命、即ち高い耐加水分解性を示した。また、タルクの添加量が2重量%を超えると、寿命があまり向上せず、アイゾット衝撃強度も低下していた。
次に、実施例4、5、6、7及び比較例3、4で作製された試験片の物性値を測定した結果を表2に示す。実施例2、4、5、6、7及び比較例3、4で作製された試験片は、ケイ酸塩化合物、即ちタルク(B)とメチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(C−1)の添加量を固定し、それぞれカルボジイミド化合物(D)の添加量を変えて作製された試験片である。
図4は、カルボジイミド化合物の添加量と物性値の関係性を示した図であり、横軸にカルボジイミド化合物の添加量を重量%で表し、図4(a)の縦軸に曲げ弾性率、図4(b)の縦軸にアイゾット衝撃強度、図4(c)の縦軸に寿命をそれぞれ表した。曲げ弾性率については、カルボジイミド化合物の添加量が0.05重量%から1重量%までは増加し、1重量%を超えると低下した。アイゾット衝撃強度については、カルボジイミド化合物の添加量が0.1重量%までは増加し、0.1重量%を超えると低下した。寿命については、0.2重量%までは増加し、0.2重量%を超えると低下した。カルボジイミド化合物の添加量が0.05重量%以上1重量%以下であれば、400時間以上の長い寿命を示した。
次に、比較例5、6、7で作製された試験片の物性値を測定した結果を表3に示す。比較例5の試験片は、難燃PC+ABSの廃材に添加剤を混合せずに作製した試験片である。比較例6の試験片は、難燃PC+ABSの廃材にケイ酸塩化合物、即ちタルク及びアクリル系ゴム、即ちグリシジルメタクリレート樹脂/シリコーン樹脂コアシェルゴムを混合し、カルボジイミド化合物を混合せずに作製した試験片である。比較例7の試験片は、バージン材料で作製した試験片である。
廃材から作製した比較例5及び比較例6の試験片の寿命は、ケイ酸塩化合物添加していない比較例5の試験片よりもケイ酸塩化合物を添加した比較例6の試験片の方が長かった。しかし、廃材から作製した比較例5及び比較例6の試験片の寿命は、バージン材料から作製した比較例7の試験片よりも寿命が短かった。上記実施例1から7の試験片は、廃材にケイ酸塩化合物及びカルボジイミド化合物を適切な量混合したことで、バージン材料から作製した比較例7の試験片よりも長い寿命、即ち高い耐加水分解性を示した。
以上説明したとおり、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物廃材にケイ酸塩化合物、アクリル系ゴム及びカルボジイミド化合物を混合し、特に、ケイ酸塩化合物を0.5重量%以上かつ2重量%以下混合し、カルボジイミド化合物を0.05重量%以上かつ1重量%以下混合することで、高い耐加水分解性を有する再資源化材料を得ることができる。
〔実施形態2〕
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態は、図2のS203において、アクリル系ゴムを適切な添加量で混合し、カルボジイミド化合物をより適切な量で混合する点が異なる。本実施形態は、耐加水分解性だけでなく、高い曲げ弾性率及び高いアイゾット衝撃強度も有する再資源化材料を得ることができる。
S203において、アクリル系ゴムの添加量は、熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して1重量%以上かつ3重量%以下の範囲が好ましく、2重量%以上かつ3重量%以下の範囲がより好ましい。アクリル系ゴムの添加量が1重量%未満だと耐衝撃性が低く、3重量%を超えると曲げ弾性率が低いため好ましくない。
また、カルボジイミド化合物の添加量は、熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して0.05重量%以上かつ0.2重量%以下の範囲がより好ましく、0.08重量%以上かつ0.12重量%以下の範囲が特に好ましい。カルボジイミド化合物の添加量が1重量%以下であれば、高い耐加水分解性を得られるが、カルボジイミド化合物の添加量が0.2重量%以下であれば、高い耐加水分解性に加えて、高いアイゾット衝撃強度を得ることができる。
上記比較例7に示したように、バージン材料の曲げ弾性率は約2630MPaであり、アイゾット衝撃強度は約6.6kJ/mであり、加水分解試験に対する寿命は約400時間であった。再資源化材料をバージン材料の代替用途として使用する場合、曲げ弾性率は2500MPa以上、アイゾット衝撃強度は5.5kJ/m以上、加水分解試験に対する寿命は400時間以上の物性値が有ればよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施形態1で示した実施例1から5も、本実施形態の実施例の範囲に含まれる。
<実施例8>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のグリシジルメタクリレート樹脂/シリコーン樹脂コアシェルゴム(C−2)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:1:0.1の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<実施例9>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のグリシジルメタクリレート樹脂/シリコーン樹脂コアシェルゴム(C−2)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:2:0.1の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<実施例10>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のグリシジルメタクリレート樹脂/シリコーン樹脂コアシェルゴム(C−2)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:3:0.1の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<比較例8>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のグリシジルメタクリレート樹脂/シリコーン樹脂コアシェルゴム(C−2)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:0.01:0.1の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
<比較例9>
混合工程において、微破砕した熱可塑性樹脂組成物廃材(A)、日本タルク株式会社製のタルク(B)、三菱レイヨン株式会社製のグリシジルメタクリレート樹脂/シリコーン樹脂コアシェルゴム(C−2)及び日清紡ケミカル株式会社製のカルボジイミド化合物(D)を100:1:5:0.1の分量で混合したこと以外は、実施例1と同様に行った。
実施例8、9、10及び比較例8、9で作製された試験片の物性値を測定した結果を表4に示す。実施例8、9、10及び比較例8、9で作製された試験片は、即ちタルク(B)とカルボジイミド化合物(D)の添加量を固定し、それぞれアクリル系ゴム、即ちグリシジルメタクリレート樹脂/シリコーン樹脂コアシェルゴム(C−2)の添加量を変えて作製された試験片である。
図5は、アクリル系ゴムの添加量と物性値の関係性を示した図であり、横軸にアクリル系ゴムの添加量を重量%で表し、図5(a)の縦軸に曲げ弾性率、図5(b)の縦軸にアイゾット衝撃強度、図5(c)の縦軸に寿命をそれぞれ表した。曲げ弾性率については、アクリル系ゴムの添加量を増やすと低下し、アイゾット衝撃強度及び寿命については、アクリル系ゴムの添加量を増やすと上昇した。アクリル系ゴムの添加量が1重量%以上であれば、5.5kJ/m以上の高いアイゾット衝撃強度を示し、アクリル系ゴムの添加量が3重量%以下であれば、2500MPa以上の高い曲げ弾性率を示した。
また、実施形態1で示した実施例1から5の試験片も高い曲げ弾性率及び高いアイゾット衝撃強度を有していた。実施例6、7は、高い耐加水分解性を有していたが、カルボジイミド化合物の添加量が多かったためアイゾット衝撃強度が低下していた。カルボジイミド化合物の添加量が0.2重量%以下であれば、高い加水分解性だけでなく、高い曲げ弾性率及び高いアイゾット耐衝撃強度を示していた。
以上説明したとおり、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物廃材に適切な添加量でケイ酸塩化合物、アクリル系ゴム及びカルボジイミド化合物を混合することで、バージン材料の代替用途に使用可能な、優れた曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度及び耐加水分解性を有する再資源化材料を得ることができる。
〔実施形態3〕
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態は、図2のS203において、末端基量を測定する工程及びカルボジイミド化合物の添加量を調整する工程を含む点が実施形態1及び2と異なる。
S203において、まず、熱可塑性樹脂組成物廃材の末端基量を測定する処理を行う。クロロホルム及びベンジルアルコールに指示薬としてフェノールフタレインを加えた溶媒へ熱可塑性樹脂組成物廃材を溶かし、滴定薬として水酸化カリウムを加え、その滴定量から末端のカルボキシル基量を算出する。そして、熱可塑性樹脂組成物廃材の微破砕物にケイ酸塩化合物、アクリル系ゴム及びカルボジイミド化合物を添加し均一に混合する。このとき、カルボジイミド化合物の添加量を、測定されたカルボキシル基量に基づいて調整する。ケイ酸塩化合物及びアクリル系ゴムは、実施形態1又は2と同様に添加する。
カルボジイミド化合物は、加水分解により生じるカルボキシル基を封止することで分子量の低下による物性低下を抑制し、熱可塑性樹脂組成物の耐加水分解性を向上させる。熱可塑性樹脂組成物廃材のカルボキシル基量に基づいてカルボジイミド化合物の添加量を調整することで、熱可塑性樹脂組成物廃材の加水分解の度合に基づいて実施形態1及び2よりもさらに適切な量のカルボジイミド化合物を添加することができるため、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度及び耐加水分解性に優れた再資源化材料を得ることができる。
ここでは、熱可塑性樹脂組成物廃材の末端基量として、カルボキシル基量を測定したが、熱可塑性樹脂組成物の加水分解によりカルボキシル基と同数のヒドロキシ基が生じるため、ヒドロキシ基量を測定してもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物廃材の末端基量を測定することで、熱可塑性樹脂組成物廃材の加水分解の度合に応じて適切な量のカルボジイミド化合物を添加することができる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法であって、
    前記熱可塑性樹脂組成物廃材は、ポリカーボネート樹脂及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂からなるアロイ樹脂を主成分とし、難燃剤を含むものであり、
    前記熱可塑性樹脂組成物廃材に、タルク、アクリル系ゴム及びカルボジイミド化合物を添加し混合する混合工程を有し、
    前記混合工程は、前記タルクを前記熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して0.5重量%以上かつ2重量%以下添加し、前記カルボジイミド化合物を前記熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して0.05重量%以上かつ1重量%以下添加し、前記アクリル系ゴムを前記熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して1重量%以上かつ3重量%以下添加し、
    また、前記混合工程は、前記熱可塑性樹脂組成物廃材の末端基量を測定する工程及び測定された末端基量により前記カルボジイミド化合物の添加量を調整する工程を有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  2. 前記混合工程は、前記カルボジイミド化合物を、前記熱可塑性樹脂組成物廃材の合計量100重量%に対して0.05重量%以上かつ0.2重量%以下添加することを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
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