JP2005330397A - 熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法、熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法および熱可塑性樹脂組成物成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法、熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法および熱可塑性樹脂組成物成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルを行ない、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を提供する。
【解決手段】 本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)により構成される熱可塑性樹脂組成物廃材に、主成分がエーテル結合で構成された未使用の熱可塑性樹脂組成物を混合して行なうことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法に関する。より詳しくは、熱可塑性樹脂組成物廃材が、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂からなり、エーテル結合により構成される樹脂を主成分とする未使用の熱可塑性樹脂組成物と混合して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る資源化方法に関する。
また、本発明は、熱可塑性樹脂組成物廃材が、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂と、ポリフェニレンエーテルを主成分とする熱可塑性樹脂組成物廃材であり、かかる廃材を混合して行なう熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法に関する。
さらに、本発明は、上記の再資源化方法による熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法にも関する。また、上記の再資源化方法により得られる熱可塑性樹脂組成物成形体に関する。
近年、わが国では所得水準の向上に伴ない、エアコンディショナ(本明細書において、以下、「エアコン」とも記載する。)、テレビジョン受信機(本明細書において、以下、「テレビ」とも記載する。)、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサなどの情報機器、プリンタ、ファックスなどの事務用機器、その他の各種の家具、文具、玩具などが、一般家庭に高い普及率で備えられるようになっており、家庭生活における利便性は飛躍的に向上しつつある。
その結果、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄量も年々増加する傾向にある。従来は、これらの家電製品などの廃材の再資源化は、鉄くずの回収ルートを通して行なわれる場合が多かった。
しかし、近年では、家電製品をはじめとする各種製品の部材の構成材料が変化し、鉄をはじめとする金属からなる部材が減少し、熱可塑性樹脂組成物からなる部材の割合が増加する傾向にある。熱可塑性樹脂組成物は、鉄をはじめとする金属よりもデザインの自由度が大きく、構成成分の調製や添加剤の使用などにより金属では実現の難しい種々の特性を発揮し、軽量で、耐久性が高いなどの多くの利点を有するためである。
近年の家電製品をはじめとする各種製品の廃材は、各種構成部材の材質構成が複雑化しており、鉄や銅をはじめとする有価金属からなる部材の割合が少なくなり、有価性が低く、かつ従来の処理方法では多大の手間と経費がかかる熱可塑性樹脂組成物からなる部材(以下、「プラスチック部材」とも言う。)の割合が多くなっている。また、従来の鉄くずの回収ルートでは、このような廃材を再資源化しても採算が取れないため、対応が難しい状況になりつつある。
これらの熱可塑性樹脂組成物からなる部材は、原油などの埋蔵化石燃料を基礎原料として合成されるものが多く、資源の有効活用の観点から、これらの熱可塑性樹脂組成物からなる部材の再資源化の推進が近年強く要求されてきている。
また、原油などの埋蔵化石燃料の燃焼による二酸化炭素および硫黄酸化物の放出による地球温暖化、酸性雨といった環境破壊、塩素化合物を含む熱可塑性樹脂組成物の焼却処理によるダイオキシンの生成、飛散といった環境汚染、さらには嵩の大きい熱可塑性樹脂組成物を含む廃材の増大によるゴミ埋立処理場の不足といった問題が発生しており、これらを抑制するという観点からも、熱可塑性樹脂組成物からなる廃材の再資源化が、重要かつ緊急に解決すべき課題となりつつある。
上記の状況を受けて、2001年4月に家電リサイクル法が施行された。家電リサイクル法においては、2003年4月現在において、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機の家電製品4品目のリサイクルが義務付けられ、それぞれの製品の再商品化率については、エアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上の法定基準値が定められている。
そして、上記の家電リサイクル法の施行を受けて、プラスチック製品の廃材(以下、「プラスチック廃材」とも言う。)の回収は進みつつある。回収されたプラスチック廃材の再資源化方法としては、プラスチック廃材を燃料として使用する、いわゆるサーマルリサイクルに関する方法が従来から多く活用されている。しかし、このような方法によれば、燃焼による炭酸ガスの発生などの問題があるため、社会的要請に充分に沿った方法であるとはいえない。
そこで、回収されたプラスチック廃材から、たとえば手作業で解体し、熱可塑性樹脂組成物の系統ごとにプラスチック部材を分離して、それらのプラスチック部材を再度、製品の部材またはその原料に加工して使用するプラスチック廃材の再資源化方法が提案されている。このような再資源化方法は、上記のサーマルリサイクルと対比して、マテリアルリサイクルと言われている。
上記のようにして熱可塑性樹脂組成物の系統ごとに分離されたプラスチック部材の中でも、熱可塑性樹脂組成物からなる部材(以下、本明細書においては「熱可塑性樹脂組成物廃材」とも記載する。)は、加熱溶融して再度成形することにより比較的容易にマテリアルリサイクルすることが可能である。
そのため、現在、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルの比率を高めることを目的として、熱可塑性樹脂組成物廃材のマテリアルリサイクルによる再資源化方法の研究開発が、各方面で多大な努力を払って行なわれている。
しかしながら、熱可塑性樹脂組成物廃材、特に、家電製品および事務用機器などに使用されていた熱可塑性樹脂組成物廃材は、厳しい環境で長期間使用されることが多いため、廃材となった時点ですでに特性が低下しており、変色または退色などの外観上の特性の低下だけでなく、強度、柔軟性などの物性も低下し、耐久性に乏しい材料になっていることが多い。
そのため、熱可塑性樹脂組成物廃材は、要求特性の高いプラスチック部材に用いられる熱可塑性樹脂組成物のバージン材料の代替とはならず、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いられることが多い。
現在のところ、熱可塑性樹脂組成物廃材のマテリアルリサイクルとしては、このようなカスケードリサイクルが主流となっている。そのため、熱可塑性樹脂組成物廃材から再生される熱可塑性樹脂組成物成形体の用途が限られてしまい、サーマルリサイクルされている熱可塑性樹脂組成物廃材が大量にあるという問題がある。
ここで、本明細書において、バージン材料とは、未使用の樹脂組成物のことを意味するものとする。また、本明細書において、特性の低下したプラスチック廃材を、要求特性の高いプラスチック部材に用いられるバージン材料の代替用途ではなく、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いることを、カスケードリサイクルと記載するものとする。
このような問題を克服するため、上記の熱可塑性樹脂組成物廃材からのマテリアルリサイクルにより得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の特性を向上させ、要求特性の高いプラスチック部材としても使用可能な水準に到達させるべく、多くの研究開発がなされている。たとえば、熱可塑性樹脂組成物廃材(マテリアルリサイクル材料)にバージン材料を混合することによって特性を保持する方法が、数多く提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、このようなマテリアルリサイクル方法においては、バージン材料の混合に伴い物性は向上するものの、物性が低下した熱可塑性樹脂組成物廃材を混合する限り、バージン材料と同等の物性に回復させるのは不可能である。また、バージン材料の物性に近似させるためには、熱可塑性樹脂組成物廃材よりも多量のバージン材料を混合する必要がある場合が多く、資源循環型社会に対応しているとは言い難い。さらに、物性が低下していない熱可塑性樹脂組成物廃材であっても、長期間の使用により寿命は大きく低下しており、再利用した際、長期信頼性に問題の生じる場合が多い。
一方で、使用済み製品の構成部品の劣化度に基づいてリサイクルの方策を決定し、繰返し再資源化するリサイクルシステムについても提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、このリサイクルシステムにおいては、方策を決定するための判断基準である劣化度は、バージン材料との比較によって判定可能な物性に基づくものであり、回収された廃材の初期の特性が既知の場合のみに有効となるが、実際に回収される廃材は膨大な数量があり、これらのひとつひとつの初期特性を把握し、さらには廃材の特性とその初期特性を逐一比較するには、膨大な時間と処理能力が必要であり、現実的にはこのようなリサイクルシステムの実現は困難であり、コスト的に不利である。
また、廃材となる製品の内部に使用される部品は、外観に使用される部品に比べて、光などの影響を受けにくいため、見かけ上の劣化度が低く、物性値の有意な差として劣化の進み具合が顕われない場合もある。したがって、このようなリサイクルシステムにおいては、廃材の材料組成の識別は可能であっても、劣化度でもって材料の振り分けを行なうことは困難である。
特開2000−159900号公報 特開平7−24437号公報
上記のように、市場から回収された熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルによる再資源化方法であって、得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の用途が広く、プラスチック部材またはその原料としても使用可能な特性を有する成形体を得る方法が望まれている。また、効率的かつ低コストの熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の開発が強く望まれている。しかし、そのような再資源化方法は未だ知られていない。
また、一般的に、プラスチック廃材の回収は、たとえば手作業による解体などの方法で、熱可塑性樹脂組成物の系統ごとにプラスチック部材を分別し、成形樹脂原料に加工して再資源化されている。しかしながら、使用済み製品から分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材は、同種製品の同種部材であっても、製造年月または製造メーカによって材質が異なっている場合がある。
たとえば、液晶テレビのキャビネットにおいては、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)のほか、ポリスチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)が使用され、あるいは将来的に使用される可能性がある。このような部材においては、熱可塑性樹脂組成物の系統ごとにプラスチック部材を分別するには、分別する作業と、分別した部材をストックする場所が必要である。
また、多くの液晶テレビキャビネットに使用されているポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)の場合、未使用のポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)と混合してリサイクルされる。しかしながら、キャビネットの材質は将来的にはコスト面からポリスチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)に代替される可能性が高いため、テレビキャビネットをリサイクルする際には、両者の材料が混合することになり、物性が低下するという課題がある。
上記の現状に基づき、本発明の課題は、材質の異なる熱可塑性樹脂組成物廃材を混合する場合においても、熱可塑性樹脂組成物廃材のマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物廃材を低減し、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を提供することである。
また、本発明の課題は、より詳しくは、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)により構成される熱可塑性樹脂組成物廃材に、ポリフェニレンエーテル(PPE)を主成分とする未使用の熱可塑性樹脂組成物、あるいは、熱可塑性樹脂組成物廃材、もしくは未使用品と廃材の両方を混合することで、材質の異なる熱可塑性樹脂組成物廃材が混在する場合においても、熱可塑性樹脂組成物廃材のマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物廃材を低減し、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を提供することである。
さらに、本発明の別の課題は、熱可塑性樹脂組成物廃材から、マテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を提供することにある。
本発明者は、熱可塑性樹脂組成物廃材の複数種類を混合し、熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることにより、かかる課題を解決し得るとの着想を得、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を開発すべく、多くの種類の熱可塑性樹脂組成物廃材からペレット状の熱可塑性樹脂組成物成形体を調製し、物性についての実験を行ない、鋭意検討を重ねた。
その結果、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)により構成される熱可塑性樹脂組成物廃材に着目し、未使用の熱可塑性樹脂組成物としてポリフェニレンエーテルを混合して加熱溶融し、熱可塑性樹脂組成物成形体を得る本発明を見出すに至った。
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)により構成される熱可塑性樹脂組成物廃材に、主成分がエーテル結合で構成された未使用の熱可塑性樹脂組成物を混合して行なうことを特徴とする。エーテル結合で構成される未使用の熱可塑性樹脂組成物の主成分は、ポリフェニレンエーテルが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の他の態様は、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)により構成される熱可塑性樹脂組成物廃材と、ポリフェニレンエーテルを主成分とする熱可塑性樹脂組成物廃材を混合して行なうことを特徴とする。
かかる態様においては、ポリフェニレンエーテルを主成分とする熱可塑性樹脂組成物廃材に加えて、主成分がポリフェニレンエーテルからなる未使用の熱可塑性樹脂組成物を混合することが望ましい。また、本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物廃材は、家電製品、OA機器、電気電子部品とからなる群より選ばれる少なくとも1種とすることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法は、かかる熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により製造することを特徴とする。熱可塑性樹脂組成物成形体の形状は、ペレット状が好ましい。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体は、かかる熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により製造することを特徴とする。熱可塑性樹脂組成物成形体の形状は、ペレット状が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法によれば、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材を効率よくマテリアルリサイクルでき、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることが可能となり、サーマルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物廃材を低減することができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法によれば、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)から、より安価なスチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)に代替しても、両者の部材を混合してマテリアルリサイクルが可能であり、コストダウンのみならず、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化が可能である。
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法により、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルを行ない、多様な用途に適した特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を提供することができる。
以下、発明の実施の形態を示して、本発明をより詳細に説明する。
<熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の概要>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)により構成される熱可塑性樹脂組成物廃材に、主成分がエーテル結合により構成される樹脂、たとえばポリフェニレンエーテルである未使用の熱可塑性樹脂組成物を混合して行なうことを特徴とする。
かかる再資源化方法により、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材を効率よくマテリアルリサイクルすることができ、多様な用途に好適な熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることが可能となり、サーマルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物廃材を低減できる。
<家電製品4品目の廃棄物に含まれるプラスチック部材>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においては、熱可塑性樹脂組成物廃材として、家電製品、OA機器および電気電子部品などの廃材を使用することができる。本発明の再資源化方法によれば、材質の異なる熱可塑性樹脂組成物廃材を混合する場合においても、熱可塑性樹脂組成物廃材のマテリアルリサイクルが可能であり、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化を図ることができる。
家電製品としては、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機よりなる群から選ばれる製品であり、特に、液晶テレビ、複写機などに使用されるリン系難燃剤を使用する熱可塑性樹脂組成物からなる部材も含まれる。
ここで、使用済み製品として廃棄された液晶テレビ、複写機のキャビネットから回収された熱可塑性樹脂組成物の材質としては、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)と、スチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)などが多い。
ここで、本明細書において、熱可塑性樹脂組成物と呼称する際には、狭義の熱可塑性樹脂組成物のみを示すのではなく、熱可塑性エラストマー組成物および高分子組成物なども含む広い意味での熱可塑性樹脂組成物を示すものとする。
<使用済み家電製品4品目の再資源化方法の手順>
ここで、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法について、図1および図2に示すように、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)をマテリアルリサイクルする場合を例にとり、さらに詳細に説明する。
その具体例として、家電製品4品目の熱可塑性樹脂組成物廃材について、一般的に行なわれているマテリアルリサイクルについて説明するが、複写機などのOA機器についてもほぼ同様の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を実施することができる。また、液晶テレビについても、現在は再資源化されていないが、近い将来には同様の工程の再資源化方法が適用可能である。
まず、図1に示すように、家庭などから廃棄された使用済みの家電製品4品目の製品を回収する(S101)。つぎに、家電製品4品目の廃棄物を解体して、コンプレッサ、熱交換器などの大型の金属部品および大型のプラスチック成形品などを部品ごとに回収する(S102)。
つづいて、大型金属部品などが回収された残りの部材は、大型破砕機で60mm程度に粗破砕する(S103)。つぎに、破砕物から、金属選別機で金属系粉砕物をプラスチック系破砕物から選別する(S104)。鉄、銅、アルミニウムなどの金属系粉砕物を除いた残りのプラスチック系破砕物から、風力選別機を用いてポリウレタン断熱材や発泡ポリスチロールを除去すると、プラスチック混合物が得られる(S105)。
つぎに、図1において、解体し、分離回収した大型プラスチック成形品を、図2に示すように、それぞれ10mm程度に微破砕する(S201)。大型プラスチック成形品は、たとえば液晶テレビ筐体キャビネットであり、PC+ABSまたはPPE+PSなどからなる。その後、洗浄し、付着している異物を除去する(S202)。さらに、洗浄した各熱可塑性樹脂組成物の破砕物を均一に混合し(S203)、加熱溶融し(S204)、ペレット状の成形用樹脂原料とする(S205)。そして、このペレット状の樹脂原料を射出成形機に投入し、成形体を作製する(S206)。
より詳しくは、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、回収した製品の手作業による解体時に、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)を分離回収し、破砕、洗浄した後、均一に混合する工程で、主成分がポリフェニレンエーテルである未使用の熱可塑性樹脂組成物を混合し、加熱溶融して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る方法である。
かかる方法により、材質の異なる熱可塑性樹脂組成物廃材が混在する場合においても、熱可塑性樹脂組成物廃材のマテリアルリサイクルを効率的に行なうことができ、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができる。また、サーマルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物廃材を低減し、効率的に熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化が可能となる。
また、同様の効果を奏する本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の他の態様は、解体工程において、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)により構成される熱可塑性樹脂組成物廃材を分離回収し、破砕、洗浄した後、均一混合する工程で、主成分がポリフェニレンエーテルである熱可塑性樹脂組成物廃材を混合し、加熱溶融して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る方法である。
かかる再資源化の態様においては、ポリフェニレンエーテルを主成分とする熱可塑性樹脂組成物廃材に加えて、主成分がポリフェニレンエーテルからなる未使用の熱可塑性樹脂組成物を混合すると、より好ましい。主成分がポリフェニレンエーテルからなる未使用の熱可塑性樹脂組成物を混合することにより、引張強度、伸び、曲げ強度および衝撃強度などにおいて、中品位以上の再製品が得られるようになり、再利用の用途を大幅に拡大することができる。
ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材と、主成分がポリフェニレンエーテルである未使用の熱可塑性樹脂組成物(ペレット状)の混合は、図2に示すように、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)をペレット状の原料にする工程(S205)の後に行なうこともできる。また、ペレット状の樹脂原料を射出成形機に投入し、成形体を作製する工程(S206)において行なうこともできる。これにより、混合物同士の大きさ・形状が揃った状態で、加熱溶融し混合できるので、均一に混ざった状態の成形体を得ることができる。
逆に、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材に、主成分がポリフェニレンエーテルである熱可塑性樹脂組成物廃材を混合する場合には、各々の廃材をペレット状の樹脂原料に成形した後に、この樹脂原料を射出成形機に投入して成形体を作成すると、2度加熱溶融することになり、成形体の物性を低下させ易くするので、各々の廃材の粉砕物の大きさ・形状を略同等にして射出成形機に投入して成形体を作成するのが好ましい。
あるいは、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材、主成分がポリフェニレンエーテルである熱可塑性樹脂組成物廃材、主成分がポリフェニレンエーテルである未使用の熱可塑性樹脂組成物の大きさ・形状を略同等にして、成形体を作成する成形工程時に、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材に主成分がポリフェニレンエーテルである熱可塑性樹脂組成物廃材および/または主成分がポリフェニレンエーテルである未使用の熱可塑性樹脂組成物を混合してもよい。
<熱可塑性樹脂組成物の成形工程>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、配合が容易となり、均一な混合物が得られる点で、部材ごとに分離回収された熱可塑性樹脂組成物をペレット状などの特定の大きさ・形状に成形する工程、あるいは分離回収後の破砕時に均一な大きさ・形状に成形する工程を含む態様が好ましい。8mm以下程度の大きさであると、成形機のシリンダ内で十分に溶融し、均一な混練が可能であり、好適である。熱可塑性樹脂組成物の成形工程においては、射出成形を容易に行なうことができる点で、部材ごとに分離回収された熱可塑性樹脂組成物を溶融した後、ペレット状に押出成形する態様が好ましい。
また、熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融する場合は、熱可塑性樹脂組成物の融点をT℃とすると、加熱溶融温度はT℃以上にし、特に(T+10)℃以上がより好ましい。また、加熱温度は(T+120)℃以下が好ましく、特に(T+80)℃以下がより好ましい。加熱温度がT℃未満の場合には、熱可塑性樹脂組成物が充分に溶融せず、成形が困難になる傾向があり、加熱温度が(T+120)℃を超えると、熱可塑性樹脂組成物が熱劣化する虞があるためである。
系統別に分離された熱可塑性樹脂組成物の成形は、押出成形機により行なうことができる。押出成形機は、特に限定されるものではなく、たとえば単軸押出成形機、二軸押出成形機あるいは多軸式押出成形機などを好ましく使用することができる。
熱可塑性樹脂組成物をペレット状に成形してマテリアルリサイクルする場合には、押出成形した後に、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカットなどの方法により造粒することができる。また、後で射出成形により特定の形状に成形する場合には、樹脂原料の供給が円滑に行なえ、大量に処理できる点で、アンダーウォーターカット法が特に好ましい。
<熱可塑性樹脂組成物原料>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を実施することにより、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体を製造することができる。したがって、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材を効率よくマテリアルリサイクルし、多様な用途に適した特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体が得られる。
本発明の方法により製造される熱可塑性樹脂組成物成形体は、熱可塑性樹脂組成物からなる様々な部材の原料とすることができる。原料となる熱可塑性樹脂組成物成形体は、均一な加熱溶融が容易である点で、ペレット状に成形するのが好ましい。ペレットの粒径は1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。また、ペレットの粒径は8mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。ペレットの粒径が1mm未満の場合には、浮遊するため作業性が低下しやすく、ペレットの粒径が8mmを超えると、成形機のシリンダ内で充分に溶融しないため、均一な混練が困難になりやすい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物原料の形状は、ペレット状に限定されず、たとえばシート状、フィルム状、パイプ状などの形態とすることができる。したがって、押出成形機の種類、使用の態様あるいは求められる特性などから適宜決定することができる。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物原料には、熱安定剤や光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラ、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲の量で添加することができる。
<熱可塑性樹脂組成物からなる部材>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体を製造することができる。かかる熱可塑性樹脂組成物成形体は、熱可塑性樹脂組成物からなる部材として使用することができる。熱可塑性樹脂組成物からなる部材は、家電製品、OA機器および電気電子部品などの製品に用いることができる。
熱可塑性樹脂組成物からなる部材は、熱可塑性樹脂組成物原料から射出成形などの方法を用いて成形することができる。射出成形機としては、特に限定されるものではないが、たとえばスクリューインライン式射出成形機またはプランジャ式射出成形機などが挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物からなる部材の製造工程を簡略化するため、ペレット状などに成形することなく、破砕した熱可塑性樹脂組成物を射出成形機にそのまま投入し、熱可塑性樹脂組成物からなる部材を直接作製することもできる。
さらに、熱可塑性樹脂組成物からなる部材には、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラ、銅害防止剤、抗菌剤および着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲で添加することができる。添加剤は、押出成形機または射出成形機へ投入することにより添加する態様、あるいは熱可塑性樹脂組成物原料または破砕した熱可塑性樹脂組成物へ投入することにより添加する態様が、添加剤の分散性を高める点で好ましい。
実施例1
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実験材料の調製>
まず、下記の実施例において用いる実験材料を図2の手順で調製した。具体的には、回収した液晶テレビを手作業により解体して、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)により構成される筐体キャビネットを回収した。その後、ラベルなどの付着物を除去し、破砕し、水洗浄した。つぎに、タンブラ混合機で均一混合し、スクリュウ径45mmの二軸溶融混練押出機により250℃で加熱溶融し、ペレット状の原料に加工して、実験材料とした。
つづいて、熱可塑性樹脂組成物原料をそれぞれ10トン射出成形機のホッパに投入し、成形温度250℃、金型温度40℃の射出成形条件でASTM準拠の物性測定用の試験片を作製し、それぞれの物性を測定した。併せて、同一系統の熱可塑性樹脂組成物のバージン材料について物性測定用試験片を作製し、それぞれの物性を測定した。
各物性値は、つぎの方法に準じて測定した。すなわち、引張降伏強さおよび引張破断伸びはJIS K7113、曲げ強さおよび曲げ弾性率はJIS K7203、アイゾット衝撃値はJIS K7110、面衝撃強度はJIS K5400にそれぞれ準じて測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2005330397
表1における、「R−(PC+ABS)」は分離回収し調製したポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)、「R−(PPE+PS)」は分離回収し調製したスチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)、また「V−(PC+ABS)」は未使用のポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)を示す。
表1の結果から明らかなとおり、本実施例で分離回収し調製したポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材は、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなる未使用のアロイ樹脂(PC+ABS)を等量以上混合することにより、マテリアルリサイクルが可能なレベルの物性となった。しかしながら、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材と、スチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)からなる熱可塑性樹脂組成物廃材の混合物の物性は、上記の物性とは異なり、両者の廃材を等量混合した場合に、物性が最も低下した。
したがって、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材と、スチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)からなる熱可塑性樹脂組成物廃材は、それぞれ単独で分離回収しリサイクルするのが好ましく、両者を混合した場合は、中品位の特性となった。
つぎに、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材と、スチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)からなる熱可塑性樹脂組成物廃材の混合物に加えて、未使用のスチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)を混合し、物性を測定した。
実験材料の調製は、本実施例で分離回収し調製したポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材と、スチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)からなる熱可塑性樹脂組成物廃材を等量で混合し、さらに、未使用のスチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)を混合し、スクリュー径45mmの二軸溶融混練押出機を用いて250℃で溶融混練し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物原料を作製した。
つづいて、熱可塑性樹脂組成物原料を10t射出成形機のホッパーに投入し、成形温度250℃、金型温度40℃の射出成形条件でASTM準拠の物性測定用の試験片を作製し、物性を測定した。測定結果を表2に示す。表2における、「V−(PPE+PS)」は未使用のスチレン変性ポリフェニレンエーテルを示す。
Figure 2005330397
表2から理解されるように、本実施例で分離回収し調製したポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)廃材と、スチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)からなる熱可塑性樹脂組成物廃材を等量で混合し、さらに未使用のスチレン変性ポリフェニレンエーテル(PPE+PS)を混合した場合、各物性値はバージン材料とはやや異なるが、中品位以上の再生品が得られ、再利用の用途が大幅に拡大することがわかった。
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、家電製品4品目の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法に限定されるものではなく、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS)により構成される部材を備える製品であれば、どのような製品にも好適に適用可能である。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
材質の異なる熱可塑性樹脂組成物廃材を混合する場合においても、熱可塑性樹脂組成物廃材のマテリアルリサイクルにより、多様な用途に適した特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を提供することができる。また、サーマルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物廃材を低減し、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を提供することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の前半部を示すフロー図である。 本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の後半部を示すフロー図である。

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂組成物廃材に未使用の熱可塑性樹脂組成物を混合して行なう再資源化方法において、前記熱可塑性樹脂組成物廃材は、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂であって、未使用の前記熱可塑性樹脂組成物の主成分は、エーテル結合により構成された樹脂であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  2. 未使用の前記熱可塑性樹脂組成物の主成分は、ポリフェニレンエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  3. ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂の熱可塑性樹脂組成物廃材と、ポリフェニレンエーテルを主成分とする熱可塑性樹脂組成物廃材を混合して行なう熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  4. ポリフェニレンエーテルを主成分とする前記熱可塑性樹脂組成物廃材に加えて、主成分がポリフェニレンエーテルからなる未使用の熱可塑性樹脂組成物を混合することを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂組成物廃材が、家電製品と、OA機器と、電気電子部品とからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により製造することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂組成物成形体は、ペレット形状を有することを特徴とする請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により製造することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物成形体。
  9. 前記熱可塑性樹脂組成物成形体は、ペレット形状を有することを特徴とする請求項8に記載の熱可塑性樹脂組成物成形体。
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