JP2008100413A - プラスチック廃材の再資源化方法およびプラスチック原料の製造方法、プラスチック部材の製造方法、ならびにプラスチック原料、プラスチック部材 - Google Patents

プラスチック廃材の再資源化方法およびプラスチック原料の製造方法、プラスチック部材の製造方法、ならびにプラスチック原料、プラスチック部材 Download PDF

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Abstract

【課題】塗膜を有するプラスチック廃材を、塗膜を分離することなく、被塗装材であるプラスチックと混合して再資源化しても、再生されたプラスチックにおいて物性が低下してしまうことなく、かつ環境に悪影響を及ぼさないプラスチック廃材の再資源化方法を提供する。
【解決手段】植物系塗料により形成された塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化する方法であって、前記塗膜を有するプラスチック廃材を破砕する工程と、破砕されたプラスチック廃材を加熱溶融する工程とを含む、プラスチック廃材の再資源化方法およびそれを用いたプラスチック原料の製造方法、プラスチック成形体の製造方法、ならびにプラスチック原料、プラスチック成形体。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック廃材の再資源化方法に関する。また本発明は、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック原料の製造方法、プラスチック部材の製造方法、ならびに製造されたプラスチック原料およびプラスチック部材に関する。
近年、わが国では所得水準の向上に伴い、エアコンディショナ(本明細書においては「エアコン」と呼称する)、テレビジョン受信機(本明細書においては「テレビ」と呼称する)、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサなどの情報機器、プリンタ、ファックスなどの事務用機器、その他の各種の家具、文具、玩具などが、一般家庭に高い普及率で備えられるようになっており、家庭生活における利便性は飛躍的に向上しつつある。その結果、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄量も年々増加する傾向にある。従来は、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄物の再資源化は、鉄くずの回収ルートを通して行われる場合が多かった。
しかし近年では、家電製品をはじめとする各種製品の部材の構成材料が変化し、鉄をはじめとする金属からなる部材が減少してプラスチックからなる部材の割合が増加する傾向にある。プラスチックは、鉄をはじめとする金属よりもデザインの自由度が大きく、構成成分の調製や添加剤の使用などにより金属では実現の難しい種々の特性を付与することができ、軽量であり耐久性が高いことなどの多くの利点を有するためである。
なお、本明細書においては、プラスチックからなる部材を「プラスチック部材」と呼称する。また、本明細書においては、プラスチック部材を備えた製品を「プラスチック製品」と呼称する。さらに、本明細書においては、プラスチック製品の廃棄物を「プラスチック廃材」とも呼称する。
近年の家電製品をはじめとする各種製品の廃棄物は、各種構成部材の材質構成が複雑化しており、鉄や銅をはじめとする有価金属からなる部材の割合が少なく、有価性が低くかつ従来の処理方法では多大の手間と経費がかかるプラスチック部材の割合が多くなっており、従来の鉄くずの回収ルートではこのような廃棄物を再資源化しても採算がとれないため、対応が難しい状況になりつつある。そして、これらのプラスチック部材は、原油などの埋蔵化石燃料を基礎原料として合成されるものが多く、資源の有効活用の観点から、これらのプラスチック部材を備えた製品の再資源化の推進が近年強く要求されてきている。
また、原油などの埋蔵化石燃料の燃焼による二酸化炭素および硫黄酸化物の放出による地球温暖化、酸性雨といった環境破壊や、塩素化合物を含むプラスチックの焼却処理によるダイオキシンの生成、飛散といった環境汚染、さらには嵩の大きいプラスチック廃材の増大によるゴミ埋立処理場の不足といった問題を抑制するという観点からも、これらのプラスチック廃材の再資源化が重要かつ緊急の課題となってきつつある。
ここで、上記の状況を受けて、2001年4月に家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)が施行された。ここで、家電リサイクル法においては、2002年1月時点では、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目のリサイクルが義務付けられ、また、それぞれの製品の再資源化率については、エアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上の法定基準値が定められている。
しかし、これらの家電製品をはじめとするプラスチック製品は、一般に複数のプラスチック部材を備えており、それらのプラスチック部材はプラスチックの材質が異なることも多く、異なる材質のプラスチックからなる複合部材であることも多い。また、プラスチック部材は、外観部材(製品の外観に現れる部分に用いられる部材)などにおいては、塗装が施されているものも多い。
ここで、プラスチック廃材の再資源化方法には、従来より単独の材質のプラスチックだけを含むプラスチック廃材を、手解体で分解して再資源化する方法が多く用いられている。一方、材質が異なる複数のプラスチックの集合体からなる部材を備えた製品の廃棄物(以下、「混合プラスチック廃材」と呼称する。)に関しては、これらの混合プラスチック廃材の部材をプラスチックの系統ごとに分離した上で、再度加工する必要がある。なお、本明細書においては、このように、廃棄物を処理した後、製品の部材またはその原料に再び加工して使用することを、サーマルリサイクルと対比して、「マテリアルリサイクル」と呼称する。
このように、単独の材質のプラスチックだけを含むプラスチック廃材および混合プラスチック廃材のマテリアルリサイクルにおいては、各方面で多くの開発努力がなされ、リサイクルが実施されている。
しかし、塗装が施されているプラスチック廃材または混合プラスチック廃材(以下、「塗装成形品廃棄物」と呼称する。)に関しては、硬い塗膜が異物としてプラスチック中に混合するため、再生されたプラスチックの機械的強度は大きく低下する。よって、塗装成形品廃棄物のリサイクル方法としては、燃料として使用するという、いわゆるサーマルリサイクルが多く用いられているのが現状である。しかしこの方法によれば、塗装成形品廃棄物のサーマルリサイクルによる再資源化は可能であるが、燃焼による炭酸ガスの発生などの問題があるため、社会的要請に十分に沿った方法であるとはいえない。
そこで、塗装成形品廃棄物から塗膜を分離した後、プラスチック部材を回収することにより高品質な再生樹脂材料を得る方法について、各方面で多くの開発努力がなされている。たとえば、特開平5−84746号公報(特許文献1)、特開平6−31731号公報(特許文献2)においては、塗装された樹脂を粗粉砕し、水と塩化メチレンを加えて加熱攪拌、あるいはピロリドン液に浸漬することにより、塗膜を剥離し、樹脂素材を回収する樹脂成形品の塗膜剥離分離回収方法が開示されている。しかし、このような化学処理方法においては、添加する酸、アルカリの廃液を処理しなければならないため経済的とはいえない。またこれらの溶剤は作業環境を悪化させるため、十分な換気を行うなど、作業環境の改善のために設備投資が必要になるという問題がある。
また、特開平7−256640号公報(特許文献3)、特開平8−281650号公報(特許文献4)、特開平10−86154号公報(特許文献5)では、塗膜付樹脂を数分割して、周速度の異なるロールに挿入することにより塗膜を分離する方法が開示されている。しかし、このような圧延処理方法においても、塗膜を除去する工程が余分に必要であり、新たな設備投資が必要となり経済的とはいえない。
また、特開平6−8245号公報(特許文献6)には、塗装された樹脂成形物を粉砕後、比重分離法によってふるい分級する方法が開示されている。しかし、この方法によれば塗膜が完全に分離されることはないため、塗膜が樹脂基材に混入すると樹脂の特性が低下するという問題がある。
その他、特開平6−226742号公報(特許文献7)には、塗膜をガスバーナーで加熱して溶融層を形成し、これを掻き取って剥離する方法、また特開平2−273207号公報(特許文献8)には、塗膜を軟質の研磨剤を用いて直圧式ブラスト加工する方法などが開示されている。しかしながら、これらの物理的に塗膜を無理に剥離する方法では、樹脂の可燃性、研磨剤の完全除去などの問題が残る。
特開平5−84746号公報 特開平6−31731号公報 特開平7−256640号公報 特開平8−281650号公報 特開平10−86154号公報 特開平6−8245号公報 特開平6−226742号公報 特開平2−273207号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、塗膜を有するプラスチック廃材を、塗膜を分離することなく、被塗装材であるプラスチックと混合して再資源化しても、再生されたプラスチックにおいて物性が低下してしまうことなく、かつ環境に悪影響を及ぼさないプラスチック廃材の再資源化方法を提供することである。
また本発明は、埋蔵化石資源の使用量を低減することができる、環境に悪影響を及ぼさないプラスチック廃材の再資源化方法を提供することもその目的とする。
さらに本発明は、塗膜を有するプラスチック廃材から塗膜を剥離する場合であっても容易に剥離でき、かつ、より高品位なプラスチックを再生することができるプラスチック廃材の再資源化方法を提供することもその目的とする。
さらに、本発明は、塗膜を有するプラスチック廃材をマテリアルリサイクルすることなく燃焼した場合においても、燃焼時に排出される二酸化炭素の量を増大させないプラスチック原料、プラスチック部材およびそれらの製造方法を提供することもその目的とする。
本発明者らは、塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化するに際し、塗膜成分が被塗装材と適度な親和性を有する組成であれば、このようなプラスチック廃材から再生されたプラスチックに塗膜が混入した場合でも物性を低下させることがなく、また、塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化するに際し、塗膜を剥離する場合でも比較的容易に剥離できるとの着想を得、そのようなプラスチック廃材の再資源化方法を開発すべく、多くの種類のプラスチックから得られる原料ペレット状のプラスチック成形体を調製し、その上に塗膜を形成し、特性・塗膜性能について実験を繰り返し鋭意検討を重ねた。検討の結果、本発明者らは、塗膜を形成する塗料として植物系塗料を使用することによって、当該塗膜を有するプラスチック廃材を破砕し、溶融加熱することにより、高品位なプラスチック部材またはその原料を製造することを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明は、植物系塗料により形成された塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化する方法であって、前記塗膜を有するプラスチック廃材を破砕する工程と、破砕されたプラスチック廃材を加熱溶融する工程とを含むことを特徴とする。
ここにおいて、前記植物系塗料は澱粉を含有する塗料であることが好ましい。
また本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、プラスチック廃材が、植物由来のプラスチックを含有することが好ましい。この植物由来のプラスチックはポリエステル系樹脂組成物であることがさらに好ましく、ポリエステル系樹脂組成物はL−乳酸および/またはD−乳酸を主成分とするポリ乳酸重合体であることが特に好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、前記破砕されたプラスチック廃材を加熱溶融する工程の前に、破砕されたプラスチック廃材から前記塗膜を剥離する工程を含んでいてもよい。この場合、当該塗膜を剥離する工程は以下の(1)または(2)の工程であることが好ましい。
(1)破砕されたプラスチック廃材を70℃以上の温水に浸漬する工程、
(2)破砕されたプラスチック廃材を弱アルカリ溶液に浸漬する工程。
また本発明のプラスチック廃材の再資源化方法におけるプラスチック廃材は、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、衣料乾燥機および電子レンジからなる群から選ばれる家電製品の廃棄物であることが、好ましい。
本発明は、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック原料の製造方法も提供する。
また本発明は、上述した本発明のプラスチック原料の製造方法によって製造されたプラスチック原料についても提供する。本発明のプラスチック原料は、ペレット状であることが好ましい。
本発明はまた、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック部材の製造方法も提供する。
さらに本発明は、上述した本発明のプラスチック部材の製造方法によって製造されたプラスチック部材についても提供する。本発明のプラスチック部材は、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、衣料乾燥機および電子レンジからなる群から選ばれる家電製品に用いられることが、好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法、プラスチック原料の製造方法、およびプラスチック部材の製造方法によれば、塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化する際に、塗膜成分が混入したとしても、少なくとも中品位または高品位のプラスチックを主体とする再生品を得ることができ、使用済みとなったプラスチック廃材を高い割合で再利用することができる。また、塗膜を有するプラスチック廃材から塗膜を剥離する場合であっても容易に剥離でき、かつ、より高品位なプラスチックを再生できる。
また本発明のプラスチック廃材の再資源化方法、プラスチック原料の製造方法、およびプラスチック部材の製造方法によれば、植物系塗料を用いて形成された塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化に供するため、埋蔵化石資源の使用量を低減することができ、環境に悪影響を及ぼさない。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、塗装成形品廃棄物のうち、植物系塗料により形成された塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化の対象とすることを特徴の1つとする。本発明における「植物系塗料」とは、植物に由来する成分(植物由来成分)を主体成分として含む塗料を意味する。このような植物系塗料に用いられる植物由来成分としては、たとえば澱粉、油脂(亜麻仁油・大豆油・ヒマシ油・ヒマワリ油など)、ポリ乳酸などから選ばれる少なくともいずれかが挙げられるが、これらに制限されるものではない。なお、「主体成分として含む」とは、植物系塗料のうち、前記植物由来成分の含有率が20重量%以上含有されることを意味する。植物系塗料中の植物由来成分の含有率は、含有される植物由来成分に応じて従来公知の適宜の方法で測定でき、たとえば植物由来成分が澱粉である場合は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いてピラノース環の吸収ピークにて定量することで測定できる。
本発明における植物系塗料は、上記中でも、変性しやすい(変性することにより、有機溶剤に対する溶解性がよい、塗膜硬度が高いなどの特性が得られる)ことから、澱粉を植物由来成分として含むものであることが好ましい。この場合、澱粉としては、たとえばコーンスターチ、小麦粉澱粉、米澱粉などの地上茎未変性澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉などの地下茎未変性澱粉、およびそれらの澱粉の低度エステル化、エーテル化、酸化、イソシアネート基、酸化重合性基、ラジカル重合性不飽和基、アミド基などの置換基を有する反応性の変性澱粉などが例示されるが、特に制限されるものではない。中でも、澱粉分子中の水酸基と反応性化合物との反応によりエステル結合、ウレタン結合などの結合を有する変性澱粉は、有機溶剤に対する溶解性、塗膜加工性、耐水性、耐食性、耐光性などの塗膜の耐久性能に優れた効果を有する塗膜を形成し得るという理由から、植物系塗料中の植物由来成分として特に好適に用いられる。なお、澱粉は市販のもの(たとえば日食CPS#20(日本食品化工株式会社製)や日本コーンスターチ社製の適宜の製品など)を用いればよい。
植物由来成分として澱粉を含有する植物系塗料を用いる場合、植物系塗料中における澱粉の含有率は上述したように20重量%以上であればよいが、好ましくは30〜90重量%の範囲内であり、より好ましくは50〜80重量%の範囲内である。植物系塗料中の澱粉の含有率が50重量%未満である場合には、CO2削減効果が乏しく、また再資源化時に剥離しにくい傾向にあり、また、植物系塗料中の澱粉の含有率が80重量%を超える場合には、耐アルカリ性が低下する傾向にあるためである。
なお、本発明における植物系塗料は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上述した植物由来成分以外の成分として、たとえばポリイソシアネート化合物、ポリアクリル酸エステル化合物、ポリアミノ化合物などの成分を含んでいてもよい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、上述した植物系塗料により形成された塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化の対象とすることによって、塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化する際に、塗膜成分が混入したとしても、少なくとも中品位または高品位のプラスチックを主体とする再生品を得ることができ、使用済みとなったプラスチック廃材を高い割合で再利用することができる。すなわち、塗膜を有するプラスチック廃材をリサイクルする際、従来は硬い塗膜成分(熱硬化性樹脂など)が混合していたため、物性や長期信頼性の点で低品位の再生品しか得られず、ハンガーや植木鉢などの日用品雑貨への利用に留まり、実際にはサーマルリサイクルや焼却、埋立て処理されることが多かった。本発明によれば、家電製品から高品位なプラスチックからなる再生品が得られるため、得られた再生品を耐久消費財(たとえば洗濯機の後釜や冷蔵庫のしきり板など)へ適用することが可能となる。
また本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、植物系塗料を用いて形成された塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化に供するため、埋蔵化石資源の使用量を低減することができ、環境に悪影響を及ぼさないという効果も奏される。
また、本発明では、塗膜を有するプラスチック廃材から塗膜を剥離する場合であっても、後述するように容易に剥離でき、かつ、より高品位なプラスチックを再生することができるプラスチック廃材の再資源化方法を提供することができる。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において再資源化の対象とする上述した植物系塗料を有するプラスチック廃材のうち、被塗装物であるプラスチック廃材自体の組成は、特に制限されるものではなく、たとえばハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、変性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルなどの従来公知の適宜の樹脂成分を含有するものが例示される。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法においては、上記プラスチック廃材自体を構成するプラスチックとして、植物由来のプラスチックを含有することが好ましい。植物由来のプラスチックを含有するプラスチック廃材を再資源化の対象とすることで、埋蔵化石資源を基礎原料として合成するプラスチックの使用量を低減することができ、環境に配慮したプラスチック廃材の再資源化方法を実現することができる。また、植物由来のプラスチックを含有するプラスチック廃材を再資源化の対象とすることで、塗膜を有する当該プラスチック廃材をマテリアルリサイクルすることなく燃焼した場合においても、燃焼時に排出される二酸化炭素の量を増大させることがない。
ここで、「植物由来のプラスチック」は、植物由来の有機資源を原料の全部ないしは一部として利用するプラスチックを意味し、このようなプラスチックに該当するものであれば特に制限されるものではないが、たとえば、植物由来のポリエステル系樹脂組成物、酢酸セルロース、エステル化でんぷんなどが挙げられる。中でも、上述した植物系塗料との親和性が良好であるという観点からは、植物由来のポリエステル系樹脂組成物を含有するプラスチック廃材を再資源化の対象とすることが好ましい。
また植物由来のポリエステル系樹脂組成物としては、たとえば、L−乳酸および/またはD−乳酸を主成分とするポリ乳酸重合体、ポリブチレンサクシネートなどが例示される。中でも、植物由来のプラスチックの中では優れた機械的特性などの諸特性を有しているとともに、成形用の材料として量産性に優れていることから、L−乳酸および/またはD−乳酸を主成分とするポリ乳酸重合体が特に好ましい。
本発明において再資源化の対象とするプラスチック廃材自体が植物由来のプラスチックを含有する場合、その含有率は特に制限されるものではないが、5〜95重量%の範囲内であることが好ましく、10〜90重量%の範囲内であることがより好ましい。植物由来のプラスチックの含有率が10重量%未満である場合には、化石資源由来のプラスチックの比率が高くなるため、埋蔵化石資源の使用量への低減への寄与度が小さくなる傾向にあり、また、植物由来のプラスチックの含有率が90重量%を超える場合には、植物由来のプラスチック(たとえば上述したポリ乳酸重合体)の比率が高くなるため、衝撃特性(面衝撃強度)、耐久性などに劣り、耐久消費財の部材として使用できるような特性が得られなくなる傾向にあるためである。なお、プラスチック廃材中の植物由来のプラスチックの含有量は、含有される植物由来のプラスチックに応じて従来公知の適宜の方法によって測定できるが、たとえばL−乳酸および/またはD−乳酸を主成分とするポリ乳酸重合体を含有する場合には、移動相に硫酸銅水溶液と2−プロパノールを用いた液体クロマトグラフィによって上記含有率を測定することができる。また、プラスチック廃材自体が植物由来のプラスチックを含有する場合、植物由来のプラスチック以外の樹脂成分としては、たとえばポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート、アクリル、変性ポリフェニレンエーテルなどの化石資源由来のプラスチックが例示される。
なお、上述した植物由来のプラスチックのみを樹脂成分として含有するプラスチック廃材を再資源化に供する場合、再生された植物由来のプラスチックを家電製品のような耐久消費財に使用するには、機械物性、耐久性などの観点で問題がある。このため、上述した植物由来のプラスチックを再生プラスチックとして用いる場合には、他の樹脂成分(たとえばポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート、アクリル、変性ポリフェニレンエーテルなど)とのブレンド材として用いることが好ましい。
ここで、図1は、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の好ましい一例を模式的に示すフローチャートである。本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、上述したように植物系塗料で形成された塗膜を有するプラスチック廃材(好ましくは被塗装材であるプラスチック廃材自体が植物由来のプラスチックを含有する)を再資源化の対象とし、上記塗膜を有するプラスチック廃材を破砕する工程(図1中、ステップ103)と、破砕されたプラスチック廃材を加熱溶融する工程(図1中、ステップ108)とを少なくとも含むことを特徴とする。以下、図1を例に挙げて、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法について具体的に説明する。
図1に示す例では、まず、プラスチック廃材を回収する(ステップ101)。ここで、プラスチック廃材は上述したように植物系塗料により形成された塗膜を有するものであり、好ましくは被塗装材であるプラスチック廃材が植物由来のプラスチックを含有するものである。このようなプラスチック廃材としては、たとえば、家庭などから廃棄された使用済みの家電製品(エアコン、テレビ(薄型テレビを含む)、冷蔵庫、洗濯機、衣料乾燥機、電子レンジ、空気清浄機、電気掃除機など)の廃棄物であって、植物系塗料により形成された塗膜を有するものが挙げられるが、これに制限されず、上述した植物系塗料により形成された塗膜を有するプラスチック製品の廃棄物であればよい。中でも、家電リサイクル法の対象製品であるエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、衣料乾燥機、電子レンジから選ばれ、植物系塗料により形成された塗膜を有する家電製品の廃棄物が好ましい。
次に、回収されたプラスチック廃材を、従来公知の適宜の手法にて解体(手解体)して、プラスチック部材と、コンプレッサ・熱交換器などの大型の金属部材などを部品ごとに分別回収する(ステップ102)。
次に、手解体により分別されたプラスチック廃材の各部材を粗破砕する(ステップ103)。この粗破砕は、たとえば衝撃式破砕装置やせん断式破砕装置などの大型破砕機を用いて行うことができる(粗破砕後のものを、以下「粗破砕物」と呼ぶ。)。ステップ103における破砕物の粒径は、特に制限されるものではないが、10mm以上であるのが好ましく、40mm以上であることがより好ましい。また、破砕物の粒径は80mm以下であることが好ましく、60mm以下であることがより好ましい。破砕物の粒径が10mm未満の場合には、破砕に長時間を要するため、プラスチックが溶融あるいは熱酸化劣化を起こすという傾向があり、また、粒径が80mmを越えると、嵩比重が小さくなり以後の工程での作業性に悪影響を及ぼすという傾向がある。具体的には、粒径が60mm程度となるように破砕するのが特に好ましい。
引き続き、粗破砕物を微破砕する(ステップ104)。この微破砕は、たとえばせん断式破砕装置を用いて行うことができる(微破砕後のものを、以下「微破砕物」と呼ぶ)。微破砕物の大きさに特に制限はないが、成形機のシリンダ内で十分に溶融し、均一混練させる理由から、最大長さが5〜20mm程度が好ましく、最大長さが10mm程度が特に好ましい。なお、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、上述した粗破砕する工程(ステップ103)のみを行い、この微破砕する工程(ステップ104)は省略するようにしてもよい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、上述したように、塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化する際に、塗膜成分が混入したとしても、少なくとも中品位または高品位のプラスチックを主体とする再生品を得ることができるため、塗膜を剥離することなく微破砕工程(ステップ104)から後述する洗浄工程(ステップ106)へ移るようにしてもよいが、塗膜を有するプラスチック廃材から塗膜を剥離する場合であっても容易に剥離でき、かつ、より高品位なプラスチックを再生できるため、塗膜を剥離する工程を有していてもよい。この塗膜を剥離する工程を有する場合、剥離作業に広範囲の場所をとらず、また、大規模な装置(浸漬槽)を要しないなどの理由からは、上述したプラスチック廃材を破砕する工程(ステップ103、104)と、後述する破砕されたプラスチック廃材を加熱溶融する工程(ステップ108)との間に有することが好ましい。
図1には、上述した微破砕を行う工程(ステップ104)と洗浄を行う工程(ステップ106)との間に、プラスチック廃材に施された塗装(塗膜)を剥離する工程(ステップ105)を行う場合についても示している。塗膜を剥離する工程(ステップ105)を行う場合、当該工程は、以下の(1)または(2)の工程であることが好ましい。
(1)破砕されたプラスチック廃材を70℃以上の温水に浸漬する工程、
(2)破砕されたプラスチック廃材を弱アルカリ溶液に浸漬する工程。
上記(1)の工程により塗膜を剥離する場合、温水の温度が70℃未満であると、塗膜が剥離しないか、または剥離に要する時間がかかり過ぎる傾向にある。より効率的に塗膜を剥離し得る観点からは、温水の温度は70〜100℃の範囲内であることが好ましく、70〜90℃の範囲内であることがより好ましい。破砕されたプラスチック廃材(図1に示す例の場合には微破砕物)を上記温水に浸漬させる時間は、特に制限されないが、好ましくは5分間〜24時間である。
また上記(2)の工程により塗膜を剥離する場合、用いる弱アルカリ溶液はpHが8〜12の範囲内のアルカリ性の溶液を指し、たとえば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アンモニアなどの水溶液が挙げられ、特に制限されるものではないが、安全性の観点からは、炭酸水素ナトリウム水溶液が好ましい。
上記(2)の工程における弱アルカリ溶液の温度も特に制限されるものではないが、扱いやすく、また、プラスチック廃材自体を傷めないという観点から、常温(25℃)〜100℃の範囲内であることが好ましく、40〜70℃の範囲内であることがより好ましい。また、破砕されたプラスチック廃材(図1に示す例の場合には微破砕物)を上記弱アルカリ溶液に浸漬させる時間についても、特に制限されないが、好ましくは5分間〜24時間、より好ましくは15分間〜1時間である。
次に、塗膜を剥離された後の微破砕物(ステップ105を経た場合)、または、塗膜を有したままの微破砕物(ステップ105を経なかった場合)を洗浄し、付着している異物を除去する(ステップ106)。洗浄は、従来公知の湿式水洗浄を行い、たとえば翼型ロータ・脱水スクリーン式洗浄脱水乾燥機で行う。
次に、酸化防止剤・改質剤などの添加剤とを均等に混合し(ステップ107)、加熱溶融して(ステップ108)、ペレット状の成形用プラスチック原料とする(ステップ109)。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、この加熱溶融する工程(ステップ108)の際に、アルカリ剤を添加することで、塗膜を剥離するようにしてもよい。この場合に添加されるアルカリ剤としては、特に制限されるものではないが、たとえば水酸化ナトリウム、アミン化合物などを挙げることができる。中でも、反応が速く、また安全であるという理由から、アミン化合物が好ましい。
なお、プラスチックの融点をT℃とすると、加熱成形時の加熱温度はT℃以上であることが好ましく、特に(T+10)℃以上であることがより好ましい。また、このときの加熱温度は(T+120)℃以下であることが好ましく、特に(T+80)℃以下であることがより好ましい。加熱成形時の加熱温度がT℃未満の場合には、該プラスチックが十分に溶融しないため成形し難いという傾向にあるためであり、また、加熱成形時の加熱温度が(T+120)℃を超えると、該プラスチックが熱劣化してしまう傾向にあるためである。加熱成形に用いる装置としては、特に制限されるものではないが、たとえば、単軸押出成形機あるいは多軸式押出成形機などの押出成形機が挙げられる。
そして、このペレット状のプラスチック原料を射出成形機に投入し成形体を作成する(ステップ110)。なお、プラスチックをペレット状に成形してマテリアルリサイクルする場合には、上記プラスチック原料を、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカットなどのいずれかの方法により造粒してもよい。これらの造流方法の中でも、後に射出成形により特定の形状に成形する場合には、プラスチック原料の供給が円滑に行え、大量処理にも対応できるアンダーウォーターカットが特に好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、図1に示した各工程の全てを備える必要はなく、前記塗膜を有するプラスチック廃材を破砕する工程と、破砕されたプラスチック廃材を加熱溶融する工程とを含むのであれば、本発明の範囲に包含される。
また本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、プラスチック廃材の破砕物(粗破砕物または微破砕物)を、金属選別機や風力選別機、比重差の異なる分離液などを用いてプラスチックの系統別に細かく分離する工程と含んでいてもよい。
本発明はまた、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック原料の製造方法、ならびに、当該方法にて製造されたプラスチック原料をも提供する。
本発明のプラスチック原料は、その形状に特に制限はなく、ペレット状、シート状、フィルム状、パイプ状などのいずれの形態であってもよく、押出成形機の種類、使用の態様あるいは求められる特性などから適宜決定すればよい。シート、フィルム、射出成形機などの各種成形体に成形する原料として汎用性があること、取り扱いが容易であることから、プラスチック原料はペレット状であることが好ましい。
プラスチック原料をペレット状とする場合、その粒径は特に制限されるものではないが、1mm以上が好ましく、特に2mm以上がより好ましい。ペレットの粒径が1mm未満の場合には、浮遊するため作業性が低下するという傾向があるためである。またペレットの粒径は8mm以下が好ましく、特に5mm以下がより好ましい。ペレットの粒径が8mmを超えると、成形機のシリンダ内で十分に溶融しないため均一混練されないという傾向があるためである。
さらに、本発明のプラスチック原料には、熱安定剤や光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を阻害しない範囲の量で添加してもよい。
さらに、本発明は、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック部材の製造方法、ならびに当該方法で製造されたプラスチック部材をも提供する。
本発明のプラスチック部材は、特に制限されるものではないが、エアコン、テレビ、冷蔵庫、衣料乾燥機、電子レンジからなる群から選ばれる製品に用いられることが好ましい。本発明のプラスチック部材は、上述した本発明のプラスチック原料から、射出成形などの方法を用いて成形することができる。このとき用いる射出成形機としては、特に制限されるものではないが、たとえばスクリュインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機などが挙げられる。
本発明のプラスチック部材の成形の工程をより簡略化するために、ペレット状などの形状を有するプラスチック原料を作製することなく、破砕したプラスチックを射出成型機のそのまま投入し、プラスチック部材を直接作製しても構わない。
また、本発明のプラスチック部材は、熱安定剤や加水分解安定剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を阻害しない範囲の量で添加した上で成形して作製するようにしてもよい。これらの添加剤を添加する工程としては、押出成形機または破砕したプラスチックの投入時が好ましい。
以下、実験例および比較実験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実験材料の調製>
図1の手順に従って、家電製品のうち、テレビのスタンドベースを手解体により取り出し、通常の破砕機を用いて微破砕した後、洗浄を行った。ここでは機械物性の評価を行うため、酸化防止剤や加水分解安定剤などの添加剤は添加しなかった。
そして、これらのプラスチックをそれぞれスクリュー系45mmの二軸溶融混練押出成形機を用いて260℃で溶融混練し、ペレット状のプラスチック原料を作成した。続いて、これらのプラスチック原料をそれぞれ10トン射出成形機のホッパーに投入し、成形温度260℃、金型温度60℃の射出成形条件でASTM準拠の物性測定用の試験片を作製した。
<測定方法>
上記手順で調製した各試験片について、下記物性を測定した。
(1)引張強度および伸び
JIS K 7113に準じて測定した。
(2)曲げ強度および曲げ弾性率
JIS K 7203に準じて測定した。
(3)アイゾット衝撃強度
JIS K 7110に準じて測定した。
(4)面衝撃強度50%破壊高さ
JIS K 7211に準じて測定した。
<実験例1>
プラスチック廃材として、植物系塗料(プラレックスGP5000(ダークメタリック)、関西ペイント株式会社製)を塗布した化石資源由来のプラスチックよりなるテレビスタンドベースを用い、上記手順を用いて試験片を得た。
<実験例2>
微破砕物を70℃の温水に10分間浸漬することによって塗膜剥離工程も行ったこと以外は、実験例1と同様にして試験片を得た。
<実験例3>
微破砕物を弱アルカリ溶液(炭酸水素ナトリウム水溶液)に10分間浸漬することによって塗膜剥離工程も行ったこと以外は、実験例1と同様に試験片を得た。
<実験例4>
プラスチック廃材の代わりに、植物由来のプラスチックを含有するプラスチックのバージン材(変性PPE(ポリフェニレンエーテル)/PLA(ポリ乳酸)ブレンド材)に実験例1で用いた植物系塗料を塗布したものを用いた以外は、実験例1と同様にして試験片を得た。ここで用いた変性PPE/PLAブレンド材の構成は、PPE:PLA=75:25であり、相溶化剤としてGMA変性スチレン系エラストマーを配合したものである。
<比較実験例1>
プラスチック廃材に化石系塗料(スチレン系アクリル樹脂樹脂塗料プラエースK716(ダークメタリック)、武蔵塗料株式会社製)を用いた以外は実験例1と同様にして試験片を得た。
<比較実験例2>
プラスチック廃材の代わりに、植物由来のプラスチックを含有するプラスチックのバージン材(変性PPE/PLAブレンド材)に化石系塗料(スチレン系アクリル樹脂樹脂塗料プラエースK716(ダークメタリック)、武蔵塗料株式会社製)を用いた以外は実験例1と同様にして試験片を得た。
<参考実験例1>
PPEとPS(ポリスチレン)とのポリマーブレンド(変性PPE)のバージン材(ザイロンTV08J、旭化成株式会社製)を用いたこと以外は実験例1と同様にして試験片を得た。
<参考実験例2>
植物由来のプラスチックを含有するプラスチックと化石資源由来のプラスチックとのブレンド材のバージン材を用いて試験片を得た。
結果を表1に示す。
Figure 2008100413
表1から理解されるように、化石系塗料を塗布した比較実験例1の物性測定値は、バージン材から得られた参考実験例1の物性測定値と比較して、伸び、アイゾット衝撃強度、面衝撃強度が著しく劣るものであった。このように比較実験例1の品質が参考実験例と比較して低くなっている理由は、塗膜が異物として含有されることによりノッチ効果が生じ、伸び・衝撃強度が低下してしまうためであると推測される。
これに対し、植物系塗料を塗布したものは比較実験例1と比較して、伸び、アイゾット衝撃強度、面衝撃強度の低下が小さかった(実験例1)。さらに、温水処理またはアルカリ処理により塗膜を剥離したものは、伸び、アイゾット衝撃強度、面衝撃強度ともに参考実験例1に近似したものとなった(実験例2、3)。また、被塗装材に植物由来のプラスチックを含有するプラスチックと化石資源由来のプラスチックのブレンド材を用いたものは、比較実験例2と比較して、伸び、アイゾット衝撃強度、面衝撃強度が向上し、参考実験例2に近似したものとなっている(実験例4)。
したがって本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、塗装が施されたプラスチック廃材の場合でも、前記塗料として植物系塗料を用いることにより、塗膜を分離することなく、被塗装材であるプラスチックと混合して再資源化しても、再生されたプラスチックにおいて物性が低下してしまうことなく、従来はサーマルリサイクルまたは焼却、埋立てに限定されていた塗装成形品廃材のマテリアルリサイクルが可能になったといえる。
今回開示された実施の形態、実験例および比較実験例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の好ましい一例を模式的に示すフローチャートである。

Claims (15)

  1. 植物系塗料により形成された塗膜を有するプラスチック廃材を再資源化する方法であって、
    前記塗膜を有するプラスチック廃材を破砕する工程と、破砕されたプラスチック廃材を加熱溶融する工程とを含む、プラスチック廃材の再資源化方法。
  2. 前記植物系塗料は澱粉を含有する塗料であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  3. 前記プラスチック廃材が、植物由来のプラスチックを含有することを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  4. 前記植物由来のプラスチックがポリエステル系樹脂組成物であることを特徴とする請求項3に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  5. 前記ポリエステル系樹脂組成物がL−乳酸および/またはD−乳酸を主成分とするポリ乳酸重合体であることを特徴とする請求項4に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  6. 前記破砕されたプラスチック廃材を加熱溶融する工程の前に、破砕されたプラスチック廃材から前記塗膜を剥離する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  7. 前記塗膜を剥離する工程が、破砕されたプラスチック廃材を70℃以上の温水に浸漬する工程であることを特徴とする請求項6に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  8. 前記塗膜を剥離する工程が、破砕されたプラスチック廃材を弱アルカリ溶液に浸漬する工程であることを特徴とする請求項6に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  9. プラスチック廃材が、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、衣料乾燥機および電子レンジからなる群から選ばれる家電製品の廃棄物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法を用いた、プラスチック原料の製造方法。
  11. 請求項10に記載のプラスチック原料の製造方法により製造されたプラスチック原料。
  12. ペレット状であることを特徴とする請求項11に記載のプラスチック原料。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法を用いた、プラスチック部材の製造方法。
  14. 請求項13に記載のプラスチック部材の製造方法により製造されたプラスチック部材。
  15. エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、衣料乾燥機および電子レンジからなる群から選ばれる家電製品に用いられることを特徴とする請求項14に記載のプラスチック部材。
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