JP2010260938A - プラスチック廃材の再資源化方法およびプラスチック成形体の製造方法 - Google Patents

プラスチック廃材の再資源化方法およびプラスチック成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期使用され、劣化により流動性の上昇したポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とのアロイ樹脂(PC+ABS樹脂)でも、マテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有するプラスチック成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減し、効率的なプラスチック廃材の再資源化方法を提供する。
【解決手段】プラスチック廃材の流動性を測定する工程と、測定されたプラスチック廃材の流動性に応じてプラスチックのバージン材の配合量を決定する工程と、プラスチック廃材と上記決定された配合量で配合されたプラスチックのバージン材とを溶融混錬する工程とを含む、プラスチック廃材の再資源化方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック廃材の再資源化方法に関する。また、本発明はプラスチック成形体の製造方法にも関する。
近年、わが国では所得水準の向上に伴ない、エアコンディショナ(本明細書において、以下、「エアコン」とも記載する。)、テレビジョン受信機(本明細書において、以下、「テレビ」とも記載する。)、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサなどの情報機器、プリンタ、ファックスなどの事務用機器、その他の各種の家具、文具、玩具などが、一般家庭に高い普及率で備えられるようになっており、家庭生活における利便性は飛躍的に向上しつつある。その結果、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄量も年々増加する傾向にある。従来は、これらの家電製品などの廃材の再資源化は、鉄くずの回収ルートを通して行われる場合が多かった。
しかし、近年では、家電製品をはじめとする各種製品の部材の構成材料が変化し、鉄をはじめとする金属からなる部材が減少し、プラスチックからなる部材の割合が増加する傾向にある。プラスチックは、鉄をはじめとする金属よりもデザインの自由度が大きく、構成成分の調製や添加剤の使用などにより金属では実現の難しい種々の特性を発揮し、軽量で、耐久性が高いなどの多くの利点を有するためである。
近年の家電製品をはじめとする各種製品の廃材は、各種構成部材の材質構成が複雑化しており、鉄や銅をはじめとする有価金属からなる部材の割合が少なくなり、有価性が低く、かつ従来の処理方法では多大の手間と経費がかかるプラスチックからなる部材(以下、「プラスチック部材」とも言う。)の割合が多くなっている。また、従来の鉄くずの回収ルートでは、このような廃材を再資源化しても採算が取れないため、対応が難しい状況になりつつある。
これらのプラスチック部材は、原油などの埋蔵化石燃料を基礎原料として合成されるものが多く、資源の有効活用の観点から、これらのプラスチック部材の再資源化の推進が近年強く要求されてきている。
また、原油などの埋蔵化石燃料の燃焼による二酸化炭素および硫黄酸化物の放出による地球温暖化、酸性雨といった環境破壊、塩素化合物を含むプラスチックの焼却処理によるダイオキシンの生成、飛散といった環境汚染、さらには嵩の大きいプラスチックを含む廃材の増大によるゴミ埋立処理場の不足といった問題が発生しており、これらを抑制するという観点からも、プラスチック部材の廃棄物の再資源化が、重要かつ緊急に解決すべき課題となりつつある。
上記の状況を受けて、2001年4月に家電リサイクル法が施行された。家電リサイクル法においては、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機の家電製品4品目のリサイクルが義務付けられ、それぞれの製品の再商品化率については、エアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上の法定基準値が定められている。
そして、上記の家電リサイクル法の施行を受けて、プラスチック部材の廃棄物(以下、「プラスチック廃材」とも言う。)の回収は進みつつある。回収されたプラスチック廃材の再資源化方法としては、プラスチック廃材を燃料として使用する、いわゆるサーマルリサイクルに関する方法が従来から多く活用されている。しかし、このような方法によれば、燃焼による炭酸ガスの発生などの問題があるため、社会的要請に充分に沿った方法であるとはいえない。
そこで、回収されたプラスチック廃材から、たとえば手作業で解体し、プラスチックの系統ごとにプラスチック部材を分離して、それらのプラスチック部材を再度、製品の部材またはその原料に加工して使用するプラスチック廃材の再資源化方法が提案されている。このような再資源化方法は、上記のサーマルリサイクルと対比して、「マテリアルリサイクル」と言われている。
上記のようにしてプラスチックの系統ごとに分離されたプラスチック部材の中でも、プラスチックからなる部材は、加熱溶融して再度成形することにより比較的容易にマテリアルリサイクルすることが可能である。そのため、現在、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルの比率を高めることを目的として、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルによる再資源化方法の研究開発が、各方面で多大な努力を払って行なわれている。
しかしながら、プラスチック廃材、特に、家電製品および事務用機器などに使用されていたプラスチック廃材は、厳しい環境で長期間使用されることが多いため、廃材となった時点ですでに特性が低下しており、変色または退色などの外観上の特性の低下だけでなく、強度、柔軟性などの物性も低下し、耐久性に乏しい材料になっていることが多い。そのため、プラスチック廃材は、要求特性の高いプラスチック部材に用いられるプラスチックのバージン材の代替とはならず、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いられることが多い。ここで、本明細書において、「バージン材」とは、未使用の樹脂組成物のことを意味するものとする。また、本明細書において、特性の低下したプラスチック廃材を、要求特性の高いプラスチック部材に用いられるバージン材の代替用途ではなく、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いることを、「カスケードリサイクル」と記載するものとする。
現在のところ、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルとしては、このようなカスケードリサイクルが主流となっている。そのため、プラスチック廃材から再生されるプラスチック成形体の用途が限られてしまい、サーマルリサイクルされているプラスチック廃材が大量にあるという問題がある。
このような問題を克服するため、プラスチック廃材からのマテリアルリサイクルにより得られるプラスチック成形体の特性を向上させ、要求特性の高いプラスチック部材としても使用可能な水準に到達させるべく、多くの研究開発がなされている。たとえば、プラスチック廃材(マテリアルリサイクル材料)にバージン材を混合することによって特性を保持する方法が、数多く提案されている(たとえば、特開2000−159900号公報(特許文献1)、特開2001−26719号公報(特許文献2)、特開2003−160724号公報(特許文献3)などを参照。)。しかしながら、特許文献1〜3に開示されたようなマテリアルリサイクル方法においては、プラスチック廃材よりも多量のバージン材を混合する必要がある場合が多く、資源循環型社会に対応しているとは言い難い。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂とABS樹脂のアロイ樹脂のマテリアルリサイクル方法が提案されている(たとえば、特開2007−238817号公報(特許文献4)を参照。)。しかしながら、特許文献4に開示されたようなマテリアルリサイクル方法においては、混合されるものがゴム成分などの添加剤のみであるために、母材である芳香族ポリカーボネート樹脂とABS樹脂のアロイ樹脂の劣化度合いが大きければ、バージン材料同等の特性までに回復させることは難しいといった課題がある。
また、分子量が低下したポリカーボネート樹脂廃材にポリカーボネート廃材より分子量の高いポリカーボネート樹脂を混合し再生する方法が提案されている(たとえば、特許第3262983号(特許文献5)を参照)。しかしながら、本手法では、ポリカーボネート樹脂廃材の分子量の測定に時間を要すると共に、幅広い分子量のポリカーボネート樹脂を管理しなければならいといった課題がある。
さらに、プラスチック廃材(廃芳香族ポリカーボネート樹脂)を、エステル交換反応によりモノマー化し原料再生を行うケミカルリサイクル方法についても提案がなされている(たとえば、特開2003−171324号公報(特許文献6)を参照。)。しかしながら、本手法では、モノマー化に必要な設備が大がかりとなり多大なコストを要することと、ポリカーボネートとその他の熱可塑性樹脂とのアロイ材への適用は難しいといった課題がある。
特開2000−159900号公報 特開2001−26719号公報 特開2003−160724号公報 特開2007−238817号公報 特許第3262983号 特開2003−171324号公報
上記のように、市場から回収されたプラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルによる再資源化方法であって、得られるプラスチック成形体の用途が広く、プラスチック部材またはその原料としても使用可能な特性を有する成形体を得る方法が望まれている。また、効率的かつ低コストのプラスチック廃材の再資源化方法の開発が強く望まれている。しかし、そのような再資源化方法は未だ知られていない。
また最近は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(Field Emission Display:FED)、電子ペーパーなどのフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display:FPD)が身の周りの製品に搭載されてきており、たとえば、テレビ、パーソナルコンピュータ、モニター、ビデオ、カメラ、携帯電話、カーナビゲーション、情報携帯端末、小型ゲーム機など、様々な分野で幅広く利用されてきている。FPDの市場規模はその省電力、省スペース、軽量といった特性から、近年の高度情報化社会の進展に伴い急激に増加している。これに伴い、これらFPDの廃棄量も年々増加していくことが予想され、リサイクル活動などの環境活動において、リサイクル性向上などの要求が強くなってきている。
ところが、これらFPDは比較的新しい製品であること、また、現状は比較的廃棄物の量が少ないこともあり、ブラウン管テレビのようなリサイクルは実用化されていない。廃棄されたFPDは廃棄物の処理施設で破砕されて、シュレッダーダストとともに埋め立て処理あるいは焼却処理されているのが現状である。
加えて液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどに代表される薄型テレビにおいては、2009年4月より、家電リサイクル法の適用品目として追加される。この場合、資源の有効活用や再商品化率向上などの観点から、当該製品のキャビネットなどに使用されているプラスチック廃材の再資源化方法の開発についても強く望まれている。
たとえば、薄型テレビの一例である液晶テレビのキャビネットにおいては、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とからなるアロイ樹脂(PC+ABS樹脂)がよく使用されている。当該アロイ樹脂は耐熱性、自消性、成形性に富み、機械的特性も非常に優れた材料の1つである。その反面、ポリカーボネート樹脂は、炭酸エステル構造を有しており、化学構造上加水分解を起こしやすく、特に、リン酸エステル系難燃剤との組み合わせにおいてはその性質が顕著となるため、バージン材料同等にまで特性を改善するのは難しい材料である。
また、ポリカーボネート樹脂の加水分解によって平均分子量が低下することで機械特性の低下、特に、流動性が上昇しさらに、リン酸エステル系難燃剤の劣化も起こるため流動性はより上昇しやすい状態となる。そのため、そのままリサイクル材として使用した場合、リサイクル材毎に成形条件が異なりかつ、機械的物性も低下するためそのままリサイクルすることは容易ではない。したがって、リサイクル材として安定的に使用するためには機械物性の回復はもとより流動性の調整が必要となる。
上記の現状に基づき、本発明の課題は、長期使用され、劣化により流動性の上昇したポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とのアロイ樹脂(PC+ABS樹脂)でも、マテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有するプラスチック成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減し、効率的なプラスチック廃材の再資源化方法を提供することである。
本発明者らは、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とのアロイ樹脂(PC+ABS樹脂)の物性が低下する点、特にポリカーボネート樹脂の劣化と添加剤(難燃剤など)の劣化によって流動性が上昇することによりリサイクル材によって成形条件が大きく異なる点に着目し、プラスチック廃材の流動性(メルトフローレートやスパイラルフローレート)を測定することで樹脂の劣化状態を把握し、再生用バージン材の添加量を決定することができ、かつ、再生用バージン材にプラスチック廃材のバージン材よりも流動性が低いものを添加すれば、少ない添加量で上記課題を解決でき、また、目的の流動性の制御が可能であるとの着想を得、プラスチック廃材の再資源化方法を開発すべく物性についての実験を行ない鋭意検討を重ねた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、プラスチック廃材の流動性を測定する工程と、測定されたプラスチック廃材の流動性に応じてプラスチックのバージン材の配合量を決定する工程と、プラスチック廃材と上記決定された配合量で配合されたプラスチックのバージン材とを溶融混錬する工程とを含むことを特徴とする。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、プラスチック廃材の流動性としてメルトフローレートおよびスパイラルフローから選ばれる少なくともいずれかを測定することが、好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、プラスチック廃材として、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とからなるアロイ樹脂で構成されたものであることが、好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、配合するプラスチックのバージン材は、プラスチック廃材のバージン材よりも流動性の低いものであることが好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、配合するプラスチックのバージン材はポリカーボネート樹脂および/またはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂および/またはポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂のアロイ樹脂で構成されたものであることが、好ましい。
本発明におけるプラスチック廃材は、家電製品と、OA機器と、電気電子部品とからなる群より選ばれる少なくともいずれかの廃棄物であることが好ましい。この場合、プラスチック廃材は、フラットパネルディスプレイが搭載された製品の部品の廃棄物であることが好ましく、さらには、フラットパネルが、液晶ディスプレイテレビ、プラズマディスプレイテレビ、有機ELディスプレイテレビ、無機ELディスプレイテレビ、フィールドエミッションディスプレイテレビから選ばれる少なくともいずれかであることが特に好ましい。
本発明はまた、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を含む、プラスチック成形体の製造方法についても提供する。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によれば、本来はマテリアルリサイクルが難しいポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とのアロイ樹脂で形成されたプラスチック廃材を効率よくマテリアルリサイクルすることができ、多様な用途に応じた特性を有するプラスチック成形体を得ることが可能となり、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減することができる。
また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によれば、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とのアロイ樹脂(PC+ABS樹脂)で形成されたプラスチック廃材の再資源化の際、流動性の測定のみで再生処方が決定できるためシンプルなリサイクルフローを実現できる。また、再生用バージン材をプラスチック廃材のバージン材よりも流動性が低いものを使用することで再生用バージン材の添加量を抑制することができる。また、目的の流動性に制御できるため、リサイクル材毎に成形条件のばらつきを抑えることができるため、生産効率の向上につながる。
そして、本発明のプラスチック成形体の製造方法により、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルを行ない、多様な用途に適した特性を有するプラスチック成形体を提供することができる。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の好ましい一例を示すフローチャートである。
<プラスチック廃材>
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、再資源化の対象とするプラスチック廃材を構成するプラスチックについては特に制限されるものではなく、たとえばポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とのアロイ樹脂(PC+ABS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂とのアロイ樹脂(PC+PMMA樹脂)、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とアクリル樹脂とのアロイ樹脂(PC+ABS+PMMA樹脂)、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂とのアロイ樹脂(PPE+PS樹脂)などが挙げられる。中でも、その高い機械的物性やノンハロゲン難燃剤によって高い難燃性が得られることから、家電製品や、OA機器や、電気電子部品の多く使われていることより、本発明においては、PC+ABS樹脂で構成されたプラスチックを再資源化の対象とすることが好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法におけるプラスチック廃材としては、家電製品と、OA機器と、電気電子部品とからなる群より選ばれる少なくともいずれかの廃棄物であることが好ましい。なお、上記家電製品としては、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機などからなる群から選ばれる製品であり、特に、液晶テレビ、複写機などに使用される難燃剤を含有するプラスチックからなる部材も含まれる。使用済み製品として廃棄された液晶テレビ、複写機のキャビネットから回収されたプラスチックの材質としては、PC+ABS樹脂が使用されている場合が多い。
また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、最近、拡大基調にあるフラットパネルディスプレイ(FPD)が搭載された製品(FPD製品)から回収されるプラスチック廃材にも適用でき、効率的なプラスチック廃材の再資源化を図ることができる。この場合、フラットパネルディスプレイ製品は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイおよび電子ペーパーから選ばれる少なくともいずれかであることが好ましい。
なお、本明細書において、「プラスチック」または「熱可塑性樹脂」と呼称する際には、狭義の熱可塑性樹脂の組成物のみを示すのではなく、熱可塑性エラストマー組成物および高分子組成物なども含む広い意味での熱可塑性樹脂の組成物を示すものとする。
<使用済み液晶テレビキャビネットの再資源化方法の手順>
図1は、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の好ましい一例を示すフローチャートである。以下、プラスチック廃材が具体的に使用済み製品である液晶テレビのキャビネットである場合を例に挙げ、図1を参照しながら、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法について詳細に説明する。当該液晶テレビのキャビネットは、たとえば、PC+ABS樹脂から形成される。
まず、使用済み液晶テレビからキャビネット(PC+ABS樹脂で構成)を回収する(ステップS1)。キャビネットは通常、複数本のビスで固定されているため、ドライバーを用いてビスを外すことにより筐体を取り外すことができる。
次に、キャビネットとは異なる材質のもの(「異材質物」と称する)を除去する(ステップS2)。異材質物としては、たとえば、キャビネットに取り付けられたシール、ロゴバッチ、振動防止用テープ、コード結束用バンドなどが挙げられる。また前部のキャビネットには塗装が施されていることが多いが該塗膜も異材質物である。これら異材質物の混入は物性低下要因となるため除去することが好ましい。キャビネットから異材質物を除去する方法としては、切削、研磨などの機械的方法や、薬品を用いた除去など、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を適宜使用することができる。
次に、キャビネットを10mm程度に破砕する(ステップS3)。その後、キャビネット破砕物を洗浄し、付着している汚れ、埃、異物などを除去する(ステップS4)。該キャビネット破砕物を洗浄する方法は、破砕した樹脂同士をこすり合わせることにより異物などを除去する乾式方法や、水洗浄などの湿式方法が挙げられるが、その方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法を適宜使用することができる。
次に、洗浄したキャビネット破砕物を乾燥する(ステップS5)。PC+ABS樹脂は、比較的加水分解を起こしやすい樹脂であるため、乾燥を行うことが好ましい。乾燥条件としては、たとえば、80℃で4〜6時間程度であるが特に限定はされない。また、乾燥設備についても、恒温器、除湿乾燥機、熱風乾燥機などが挙げられるが、これについても特に限定はされない。
次に、乾燥後のプラスチック廃材の破砕物であるキャビネット破砕物(PC+ABS樹脂で構成)について、少量を抜き取りロット検査によりプラスチック廃材を溶融させて流動性を測定する(ステップS6)。検査項目はメルトフローレート(MFR)およびスパイラルフローから選ばれる少なくともいずれかを測定することが好ましい。このようにプラスチック廃材の流動性としてメルトフローレートおよびスパイラルフローから選ばれる少なくともいずれかを測定することで、プラスチック廃材の特性を把握し、特性改善処方を組むことが可能となる。一般的にプラスチック廃材は劣化が進むと共に流動性が増加する。そのため、再生用バージン材の配合量を決定するためには、ロット毎に流動性の測定を行い、その結果に応じて再生用バージン材(配合するプラスチックのバージン材)の配合量を決定することが好ましい。ただし、再生用バージン材の添加量は、プラスチック廃材100重量部に対して50重量部以下であることが好ましく、20重量部以下であることがより好ましい。なお、プラスチック廃材のメルトフローレートは、JIS K7210に準拠してたとえばメルトフローテスター(CEAST社製)を用いて測定することができ、また、プラスチック廃材のスパイラルフローは、成形材料の金型中での流動性を評価する、射出成形の実用的な手法として用いられている。スパイラルフローでは、渦巻状の容易に完全充填しないほど長い流動長を持つ試験金型を用い、温度や圧力条件などを変えて射出成形し、本金型に充填した長さを計測して流動性を評価する。たとえばスパイラルフローを作製するための成形機はFNX−110(日精樹脂(株)製)(110t成形機)を用いて測定することができる。
次に、ロット検査の結果により、再生用バージン材の配合量を決定する(ステップS7)。ここにおいては、たとえば、プラスチック廃材を構成するPC+ABS樹脂と再生用バージン材であるPC+ABS樹脂および/またはポリカーボネート樹脂(PC樹脂)および/またはABS樹脂とを混合する際の混合比率を目的の流動性に応じて決定する。なお、再生用バージン材の流動性は事前に把握しておくことが好ましく、一般的にプラスチック廃材は劣化が進むと共に流動性が増加する。そのため、バージン材に比べるとプラスチック廃材は流動性が高くなるため、再生材の流動性をある程度バージン材の状態に戻し、かつ再生材毎で流動性を同等程度に調整するためには、再生用バージン材は、プラスチック廃材のバージン材(この例ではPC+ABS樹脂のバージン材)よりも流動性の低いものであることがより好ましい。なお、再生用バージン材の配合量を決定する方法の詳細は後述する実験例1にて詳しく記述する。
また、再生用バージン材としてPC+ABS樹脂および/またはPC樹脂および/またはABS樹脂が挙げられるが、これら再生用バージン材は廃材のバージン材よりも流動性が低ければ特に限定されず、一般品を用いてかまわない。
次に、プラスチック廃材(PC+ABS樹脂で構成)と再生用バージン材(PC+ABS樹脂および/またはPC樹脂および/またはABS樹脂)とを溶融混錬しペレット状の成形用樹脂原料を製造する(ステップS8)。ペレット製造は、押出成形機により行なうことができる。押出成形機は、特に限定されるものではなく、たとえば単軸押出成形機、二軸押出成形機あるいは多軸式押出成形機などを好ましく使用することができる。
上記混合物をペレット状に成形してマテリアルリサイクルする場合には、押出成形した後に、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカットなどの方法により造粒することができる。また、後で射出成形により特定の形状に成形する場合には、樹脂原料の供給が円滑に行なえ、大量に処理できる点で、アンダーウォーターカット法が特に好ましい。
ペレットの粒径は1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。また、ペレットの粒径は8mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。ペレットの粒径が1mm未満の場合には、浮遊するため作業性が低下しやすく、ペレットの粒径が8mmを超えると、成形機のシリンダ内で充分に溶融しないため、均一な混錬が困難になりやすい。
上述した成形用樹脂原料の形状は、ペレット状に限定されず、たとえばシート状、フィルム状、パイプ状などの形態とすることができる。したがって、押出成形機の種類、使用の態様あるいは求められる特性などから適宜決定することができる。また、上述した成形用樹脂原料には、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤、難燃剤、エラストマー、ドリップ防止剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲の量で添加することができる。
なお、プラスチック部材の製造工程を簡略化するため、ペレット状などに成形することなく、破砕したプラスチックなどを射出成形機にそのまま投入し、プラスチック部材を直接作製することもできるが、PC+ABS樹脂の場合、押出加工によるせん断力により、PC樹脂の中にABS樹脂をほどよく分散させることができる観点から、さらには、相溶化剤などの添加剤を混合する場合は、押出加工を行う方が均一にブレンドできるという観点から、押出加工によるペレット製造を行うことが好ましい。
次に、ペレット状の樹脂原料を射出成形機で加熱溶融し、プラスチック成形体を製造する(ステップS9)。射出成形機としては、特に限定されるものではないが、たとえばスクリューインライン式射出成形機またはプランジャ式射出成形機などが挙げられる。
<プラスチック成形体の製造方法>
本発明は、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を含むプラスチック成形体の製造方法についても提供する。本発明のプラスチック成形体の製造方法における上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法以外の工程は、適宜公知の工程を組み合わせることができ、特に制限されるものではない。
本発明の製造方法により得られたプラスチック成形体は、マテリアルリサイクルされる製品に用いられるものであることが好ましく、この場合、マテリアルリサイクルされる製品は、家電製品と、OA機器と、電機電子部品とからなる群より選ばれる少なくともいずれかであることが好ましい。またマテリアルリサイクルされる製品は、フラットパネルディスプレイが搭載された製品の部品であってもよく、この場合、フラットパネルディスプレイが搭載された製品は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイおよび電子ペーパーから選ばれる少なくともいずれかであることが、好ましい。
以下、実験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実験例1>
回収した液晶テレビ(製造日より5年、7年経過品)を手作業により解体して、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とのアロイ樹脂(PC+ABS樹脂)で構成されたプラスチック廃材(PC+ABS廃材)として、筐体キャビネット(サイコロイC6600、SABICイノベーティブプラスチックス製)の廃棄物を回収した。その後、ラベルなどの付着物を除去し、破砕した後、水洗浄を行った。次に、PC+ABS廃材を除湿乾燥機((株)松井製作所製)にて乾燥後、キャビネット破砕物について、JIS K7210に準拠してメルトフローレート(MFR)を測定した(メルトフローテスター、CEAST社製)。測定条件として、樹脂溶融温度を260℃とし、荷重錘を2.16kg一定とした。また、C6600のバージンペレットを同様にMFR(g/10min)を測定した。結果を表1に示す。表1から、PC+ABS廃材は使用年数に伴いMFRが上昇し、流動性が上昇したことが分かる。
Figure 2010260938
<実験例2>
次に、実験例1で得られたPC+ABS廃材(5年、7年経過品)の破砕片とバージン材であるPC樹脂(レキサン131、SABICイノベーティブプラスチックス製)(バージンPC樹脂)およびPC+ABS樹脂(サイコロイCH6410、SABICイノベーティブプラスチックス製)(バージンPC+ABS樹脂)を除湿乾燥機((株)松井製作所製)にて乾燥後、その後、PC+ABS廃材とバージンPC樹脂およびバージンPC+ABS樹脂をPC+ABS廃材の重量を100として、5、10、20重量部ずつ混合し、スクリュー径25mm、L/D=26の二軸溶融混錬押出機((株)テクノベル製))を用いて、設定温度260℃で加熱溶融混錬するとともに押出成形し、ペレタイザーを用いてカットし、ペレット状の成形用樹脂原料を得た。このペレットを用いて、実験例1と同様の条件で流動性(MFR)(g/10min)測定を行った。結果を表2に示す。表2からバージン材の添加量に応じてMFRの値は減少し、またその関係はほぼ比例関係であることが分かる。そのため、予めバージン材を選定し、配合部数とMFRの関係をデータベース化すれば目的のMFRに応じた配合量を決定することができることがわかる。たとえば、7年経過品のMFR値を約30g/minにするためにはバージンPC樹脂では10重量部、バージンPC+ABS樹脂では16重量部添加すればよいことがわかる。ただし、バージン材に関しては添加部数が多くなると比例関係からズレが生じるためバージン材の添加量は、プラスチック廃材100重量部に対し、50重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましい。
Figure 2010260938
<実験例3>
続いて、実験例2と同様の条件でPC+ABS廃材(5年、7年経過品)をMFR値が約30g/minになるようにバージンPC樹脂およびバージンPC+ABS樹脂を添加し作製したペレットを10トン射出成形機(日精樹脂工業(株)製)のホッパーに投入し、成形温度260℃、金型温度60℃、冷却時間30秒の射出成形条件で、ASTM準拠の物性測定用試験片を作製した。また、面衝撃強度測定のために、厚み3mmの物性測定用試験片も作製した。また、C6600のバージンペレットおよびPC+ABS廃材の破砕片から再生用バージン材無添加の状態で直接、上述と同様の射出成形機を用いて試験片を作製し物性値を比較できるようにした。そして、これら各試験片を用いて、後述する引張強度、伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾッド衝撃強度、面衝撃強度を測定した。さらに、成形品の状態を確認するため射出圧等の成形条件を一定に保ち外観などの観察を行った。ここで、樹脂流動性が著しく異なる樹脂である場合、同じ成形条件で試験片を作製すると、ヒケ、バリ、ショートショットなどの成形不良が生じるため、これらの有無を確認することで成形条件が最適であるかどうか判断できる。
<物性測定方法>
(1)引張強度(MPa)および伸び(%)
JIS K7113の規定に準拠して、引張破断点降伏強さ、引張破断点伸びとしてそれぞれ測定した。なお、「引張強度」、「伸び」とは、材料を一定の速度で引張、応力と歪との関係を求めるもので、伸長された材料は、はじめに弾性変形をし、その後塑性変形をはじめ、極大強度に達し、さらに降伏点を超えるとネッキングを生じ、破断に至る。応力の一番大きいところ(最大点応力)を「引張強度」、破断したときの歪(破断点伸び)を「伸び」としている。
(2)曲げ強度(MPa)および曲げ弾性率(MPa)
JIS K7203の規定に準拠してそれぞれ測定した。なお、「曲げ強度」、「曲げ弾性率」とは、2点で支えた試験片の中心に応力をかけることにより、応力と歪との関係を求めるものである。応力の一番大きいところを「曲げ強度」、応力−歪曲線の傾きを「曲げ弾性率」としている。
(3)アイゾッド衝撃強度(KJ/m2
JIS K7110の規定に準拠して測定した。
(4)面衝撃強度(cm)
JIS K7211の規定に準拠して測定した。
実験例3で得られた結果を表3に示す。
Figure 2010260938
表3より再生用バージン材を添加したものは5年、7年経過品どちらもC6600のバージン材に比べ遜色無く物性値の回復および成形品の外観も良好であることが分かる。逆に、再生用バージン材が無添加の場合、5年、7年経過品ともにC6600バージンに比べ物性値が低下していることが分かる。以上より、再生用バージン材を適切な量添加することにより、物性値の回復、成形条件の安定化を図ることができる。さらに、C6600バージン材のMFR値は実験例1と同様の条件において約23g/minである。つまり、今回約30g/minというMFR値に調整しており、MFR値だけで判断すれば劣化していることになるが、そのような様子は見受けられない。そのため、流動性を上げつつ物性の回復を可能とした。また、流動性が高いほど成形性は向上するため生産性向上にも寄与できる。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、家電製品やOA機器や電気・電子部品から回収されたプラスチック廃材の再資源化方法に限定されるものではなく、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とのアロイ樹脂(PC+ABS樹脂)により構成される部材を備える製品であれば、どのような製品にも好適に適用可能である。
今回開示された実施の形態および実験例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によれば、本来はマテリアルリサイクルが難しいポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とのアロイ樹脂(PC+ABS樹脂)で形成されたプラスチック廃材を効率よくマテリアルリサイクルすることができ、多様な用途に応じた特性を有するプラスチック成形体を得ることが可能となり、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減することができる。
また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によれば、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とのアロイ樹脂(PC+ABS樹脂)で形成されたプラスチック廃材に同プラスチック廃材のバージン材よりも流動性の低いポリカーボネート樹脂(PC樹脂)およびポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(PC+ABS樹脂)を混合することにより、流動性を上げつつ物性の回復が可能であることから、生産性の向上が期待できる。
そして、本発明のプラスチック成形体の製造方法により、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルを行ない、多様な用途に適した特性を有するプラスチック成形体を提供することができる。

Claims (9)

  1. プラスチック廃材の流動性を測定する工程と、
    測定されたプラスチック廃材の流動性に応じてプラスチックのバージン材の配合量を決定する工程と、
    プラスチック廃材と上記決定された配合量で配合されたプラスチックのバージン材とを溶融混錬する工程とを含む、プラスチック廃材の再資源化方法。
  2. プラスチック廃材の流動性としてメルトフローレートおよびスパイラルフローから選ばれる少なくともいずれかを測定する、請求項1に記載の方法。
  3. プラスチック廃材が、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とからなるアロイ樹脂で構成されたものである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 配合するプラスチックのバージン材は、プラスチック廃材のバージン材よりも流動性の低いものである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 配合するプラスチックのバージン材はポリカーボネート樹脂および/またはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂および/またはポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂とのアロイ樹脂で構成されたものである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. プラスチック廃材が、家電製品と、OA機器と、電気電子部品とからなる群より選ばれる少なくともいずれかの廃棄物である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. プラスチック廃材が、フラットパネルディスプレイが搭載された製品の部品の廃棄物である、請求項6に記載の方法。
  8. フラットパネルが、液晶ディスプレイテレビ、プラズマディスプレイテレビ、有機ELディスプレイテレビ、無機ELディスプレイテレビ、フィールドエミッションディスプレイテレビから選ばれる少なくともいずれかである、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法を含む、プラスチック成形体の製造方法。
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