JP6115173B2 - 染色樹脂体の製造方法、および染色装置 - Google Patents

染色樹脂体の製造方法、および染色装置 Download PDF

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Description

本発明は、染料が付着した樹脂体を加熱して染料を定着させることで、染色樹脂体を製造する製造方法、および染色装置に関する。
従来、染料が付着した樹脂体に赤外線を照射することで、樹脂体を加熱して染料を定着させる技術が知られている。例えば、特許文献1が開示する染色装置は、プラスチックレンズのうち、染料が蒸着していない領域を遮蔽手段で遮蔽した状態で、プラスチックレンズに赤外線を照射する。その結果、染料が蒸着していない部位において、加熱による黄変の発生が抑制される。
特許第4802138号公報
赤外線等の電磁波を樹脂体に照射して加熱すると、樹脂体の形状等の影響で、樹脂体の各部位の温度上昇割合に差が生じる場合がある。例えば、略板状の樹脂体を均一に加熱するために、樹脂体の板面に均一に電磁波を照射する場合を想定する。この場合、樹脂体の厚みが一定でなければ、厚い部分の温度は薄い部分の温度よりも上昇し難いため、樹脂体の各部位に温度差が生じ得る。樹脂体を均一に加熱できなければ、色むら等の不良が生じる可能性がある。つまり、樹脂体の各部位の温度上昇割合に差が生じることを抑制しつつ、電磁波の照射によって樹脂体を加熱して染料を定着させることは、従来の技術では困難であった。
本発明は、樹脂体の各部位の温度上昇割合に差が生じることを抑制しつつ、電磁波の照射によって樹脂体を加熱して染料を定着させることができる染色樹脂体の製造方法、および染色装置を提供することを目的とする。
本発明の第一態様に係る染色樹脂体の製造方法は、表面に染料が付着した樹脂体を加熱することで、前記染料を前記樹脂体に定着させて染色樹脂体を製造する製造方法であって、前記樹脂体に対する付着性を有する付着体を、前記樹脂体に付着させる付着ステップと、前記付着ステップにおいて前記付着体が付着された前記樹脂体に対し、電磁波を発生させる電磁波発生手段から電磁波を照射することで、前記樹脂体を加熱して前記染料を定着させる定着ステップとを有し、前記付着体の材質は、硬度が3度〜30度のシリコーンであることを特徴とする。
本発明の第二態様に係る染色樹脂体の製造方法は、表面に染料が付着した樹脂体を加熱することで、前記染料を前記樹脂体に定着させて染色樹脂体を製造する製造方法であって、前記樹脂体に対する付着性を有する付着体を、前記樹脂体に付着させる付着ステップと、前記付着ステップにおいて前記付着体が付着された前記樹脂体に対し、電磁波を発生させる電磁波発生手段から電磁波を照射することで、前記樹脂体を加熱して前記染料を定着させる定着ステップと、を有し、前記付着体の材質は、シリコーンであって、前記付着体のうち、少なくとも前記樹脂体が載置される部分の厚みが1mm〜10mmであることを特徴とする。
本発明の第態様に係る染色装置は、表面に染料が付着した樹脂体を加熱することで、前記樹脂体の表面に付着した染料を前記樹脂体に定着させて、前記樹脂体を染色する染色装置であって、前記樹脂体が設置される設置部と、前記設置部に設置された前記樹脂体に対し電磁波を発生させる電磁波発生手段とを備え、前記設置部は、前記樹脂体に接触する部位に、前記樹脂体に対する付着性を有する付着体と、前記付着体を装着する付着体装着部と、を備え、前記付着体の材質は、硬度が3度〜30度のシリコーンであることを特徴とする。

本発明によると、樹脂体の各部位の温度上昇割合に差が生じることを抑制しつつ、電磁波の照射によって樹脂体を加熱して染料を定着させることができる。
染色装置1の斜視図である。 上蓋部4および前蓋部5が開放された状態の染色装置1の斜視図である。 分布調整部14の平面図である。 閉塞室20、および閉塞室20に付随する構成の斜視図である。 設置部前後動機構40の斜視図である。 設置部50の斜視図である。 染色用基体57が設置された状態の設置部50の斜視図である。 退避機構60の斜視図である。 染色装置1の電気的構成を示すブロック図である。 本実施形態の染色樹脂体製造工程を説明するためのフローチャートである。 染色装置1が実行する染色処理のフローチャートである。 第一変形例の染色装置1が備える距離調整部90を説明するための説明図である。 評価試験の結果を示す図である。 第二変形例の染色装置1が備える分布調整部94を説明するための説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、本実施形態に係る染色装置1の概略構成について説明する。以下の説明では、図1および図2の左斜め下側、右斜め上側、左斜め上側、右斜め下側を、それぞれ染色装置1の前方、後方、左側、右側とする。
染色装置1は、略直方体形状の筐体2を備える。筐体2は、樹脂体(本実施形態ではプラスチックレンズ)を染色するための各種構成を内部に収容する。筐体2は、基部3、上蓋部4、および前蓋部5を備える。基部3は、染色装置1の全体を支持する。上蓋部4は、基部3の後部において上下方向に回動可能に支持されている。上蓋部4の前部を上方に回動させることで、筐体2の上方が開放される。前蓋部5は板状であり、基部3の正面側端部の下端において前後方向に回動可能に支持されている。前蓋部5の上部を前方に回動させることで、筐体2の前方が開放される。
基部3の上面の中央には、表面にタッチパネル6を備えたディスプレイ7が設けられている。作業者は、タッチパネル6を操作することで、各種指示を染色装置1に入力できる。上蓋部4の背面側には、染色装置1の内部を冷却するための冷却ファン8(図9参照)が、左右に2つ並べて設けられている。
図2に示すように、筐体2の内部には、主に、加熱部10、閉塞室20、設置部前後動機構40、および設置部50等が収容されている。加熱部10は、プラスチックレンズと、染色用基体57(図7参照)に付着した昇華性の染料とを加熱するために設けられる。閉塞室20は、設置部50に設置されたプラスチックレンズの周囲を閉塞し、略真空の空間を内部に形成する。設置部前後動機構40は、設置部50を前後方向に移動させる。設置部50には、プラスチックレンズおよび染色用基体57が設置される。以下、各構成について、図2から図8を参照して詳細に説明する。
加熱部10について説明する。図2に示すように、加熱部10は、電磁波発生部11、分布調整部14、調整部回転モータ80(図9参照)、モータギア17、および調整部装着ギア18を主に備える。
電磁波発生部11について説明する。本実施形態の電磁波発生部11は、プラスチックレンズおよび染色用基体57(図7参照)によって吸収される電磁波(この場合は赤外線)を発生させる。具体的には、赤外線を発生させる赤外線ヒータ12が電磁波発生部11に使用されている。しかし、ハロゲンランプ、遠赤外線ヒータ等の他の構成を電磁波発生部11に使用することも可能である。また、紫外線、マイクロ波等の電磁波を発生させる構成を使用してもよい。電磁波発生部11は、2つのプラスチックレンズの染色を同時に実行できるように、上蓋部4の内側(つまり、上蓋部4が開放された状態では正面側)に、左右に並べて2つ設けられている。なお、電磁波発生部11によって生じる電磁波の全てがプラスチックレンズに吸収される必要は無い。また、同時に染色できる樹脂体の数が2つに限られないことは言うまでも無い。
電磁波発生部11において電磁波を発生する発生部位は、後述する分布調整部14に設けられた開口部15(図3参照)の形状に対応する環状に形成されている。詳細には、本実施形態の開口部15は円環状であるため、電磁波の発生部位も円環状に形成されている。例えば、開口部15の形状を矩形環状に形成した場合には、電磁波の発生部位も矩形環状に形成することが望ましい。電磁波の発生部位の形状と開口部15の形状とを対応させることで、板状、直線状等の他の形状の発生部位を採用する場合に比べて、分布調整部14によって遮断される電磁波の量が減少する。その結果、電磁波が効率よく開口部15からプラスチックレンズに照射される。なお、「対応する環状」とは、電磁波の発生部位の形状および大きさと、開口部15の形状および大きさとが完全に一致していることを示すものではない。つまり、両者の形状は略一致していればよく、且つ、両者の大きさ(例えば直径)は必ずしも一致させる必要は無い。
本実施形態の電磁波発生部11では、複数の赤外線ヒータ12が組み合わされることで、環状の発生部位が形成されている。具体的には、2つのU字状の赤外線ヒータ12の各々のU字部分によって円環が形成されるように、2つの赤外線ヒータ12が配置されている。円環状の発生部位を有する赤外線ヒータは、U字状等の他の形状の赤外線ヒータに比べて製造し難く、高いコストを要する。しかし、複数の赤外線ヒータ12を組み合わせることで、環状の発生部位が容易に低コストで形成される。なお、1つの電磁波発生部位11に使用する赤外線ヒータ12の数および形状を変更できることは言うまでもない。また、本実施形態では、図2に示すように、2つのU字状の赤外線ヒータ12が交差するように配置される。換言すると、一方の赤外線ヒータ12の電磁波発生部位が含まれる平面と、他方の赤外線ヒータ12の電磁波発生部位が含まれる平面とが、2つの赤外線ヒータ12の配設位置で交差する。その結果、プラスチックレンズに照射される電磁波の強度にむらが生じることが抑制される。また、電磁波の発生部位を環状に形成する場合、発生部位は連続した環状でなく断続した環状であってもよい。
分布調整部14について説明する。図2に示すように、分布調整部14は、上蓋部4が開放された状態で、2つの電磁波発生部11の各々の正面側に位置するように、左右に並べて2つ設けられている。従って、上蓋部4が閉鎖されると、分布調整部14は電磁波発生部11の下方に位置する。
図3に示すように、分布調整部14は板状である。分布調整部14には、電磁波発生部11が発生させた電磁波の一部を通過させる開口部15が形成される。染色装置1は、電磁波発生部11から下方に照射される電磁波の強度分布を、分布調整部14の開口部15によって調整する。詳細には、開口部15は断続した環状に形成される。染色装置1は、環状の開口部15に電磁波を通過させることで、下方に照射される電磁波のビームにおける中心部の強度と周辺部の強度とを、簡易な構成で容易に調整することができる。より具体的には、本実施形態の開口部15では、内側の円盤状の部位を支持するための放射状の支持片16が、環状の孔に等間隔に4つ形成された形状である。しかし、開口部15を環状に形成する場合、開口部15は連続した環状に形成してもよい。複数の孔を環状に配置することで環状の開口部15を形成してもよい。また、本実施形態では、円形のプラスチックレンズに照射する電磁波の強度分布を適切に調整するために、開口部15の形状が円環状に形成されている。しかし、開口部15の形状は、染色する樹脂体の形状に応じて適宜変更できる。よって、多角形の環状、楕円形の環状等の他の形状の開口部を用いることも可能である。
2つの分布調整部14の各々には、大きさおよび形状の少なくとも一方が異なる複数の開口部15(本実施形態では、2つの開口部15A,15B)が形成されている。本実施形態では、開口部15Aの大きさ(径)は、開口部15Bの大きさよりも大きい。染色装置1は、加熱する物体(例えばプラスチックレンズ)と電磁波発生部11との間に位置させる開口部15A,15Bを切り替えるだけで、物体に照射させる電磁波の強度分布を容易に切り替えることができる。なお、分布調整部14に形成する開口部15の数が2つに限定されないことは言うまでもない。
図2に示すように、上蓋部4には、調整部回転モータ80(図9参照)によって回転される2つのモータギア17が設けられている。モータギア17は、2つの調整部装着ギア18の各々に噛み合い、調整部装着ギア18を回転させる。2つの調整部装着ギア18の各々の先端側(図2の状態では正面側)には、分布調整部14が着脱可能に装着される。染色装置1は、調整部回転モータ80を駆動して分布調整部14を回転させることで、分布調整部14の姿勢を切り替える。その結果、加熱する物体と電磁波発生部11との間に位置する開口部15A,15Bが、作業者の作業を要することなく自動的に切り替わる。なお、使用する開口部15A,15Bを切り替える方法は変更できる。例えば、分布調整部14を回転させずに平行にスライドさせることで、分布調整部14の位置を変更し、開口部15A,15Bを切り替えてもよい。
閉塞室20、および閉塞室20に付随する構成について説明する。図2に示すように、閉塞室20は、筐体2の内部の略中央に設けられている。筐体2の上蓋部4が閉鎖されると、閉塞室20は加熱部10の下方に位置する。図4に示すように、閉塞室20の形状は、略矩形の箱状形状である。閉塞室20は、閉塞室本体21と閉塞室前壁22(図2および図7参照)とを備える。閉塞室本体21は、正面側が開放された略箱状である。閉塞室前壁22は、閉塞室本体21の正面側の開放部を閉塞することができる。
図4に示すように、閉塞室本体21の上壁には、円筒状の電磁波通過部23が左右に2つ並べて設けられている。電磁波発生部11(図2参照)が発生させた電磁波は、電磁波通過部23の内部の空間を通過して閉塞室20の内部へ至る。2つの電磁波通過部23の各々には、閉塞室20の内部の雰囲気温度を検出する熱電対24が設置されている。
図2に示すように、2つの電磁波通過部23における各々の上端縁部には、電磁波通過部23の内径よりも径が大きい円盤状の透過部25が、電磁波通過部23の上部開口を閉塞するように設置される。透過部25は、電磁波発生部11が発生させる電磁波の少なくとも一部を透過させる材質で形成されればよい。さらに、透過部25の材質は、電磁波によって上昇する温度に耐え得る耐熱性を有することが望ましい。本実施形態では、透過部25の材質として、赤外線を透過させる耐熱ガラスが用いられている。しかし、これは一例であり、透過部25の材質を変更することは可能である。閉塞室20は、閉塞室本体21、閉塞室前壁22、電磁波通過部23、および透過部25によって、内部の空間を閉塞する。閉塞室20の内部と電磁波発生部11との間の部位に透過部25を設置すれば、閉塞室20の外部に電磁波発生部11を設置しても、電磁波は閉塞室20の内部に照射される。従って、電磁波発生部11は、閉塞室20の内部における気圧の変化の影響を受けない。
図2および図4に示すように、閉塞室20の上方には、透過部25の位置を保持するための保持板27が設けられている。保持板27は、外形が矩形の板状部材であり、円盤状の透過部25の径よりも小さい径の開口を左右に並べて2つ備える。保持板27の後端部は、筐体2に対して回動可能に装着されている。保持板27が上方に回動されると、電磁波通過部23に対する透過部25の設置および取り外しが可能な状態となる(図2参照)。保持板27が前方に回動されると、透過部25が保持板27によって上方から押圧され、電磁波通過部23に対する透過部25の位置が保持される。なお、詳細は後述するが、プラスチックレンズに染料を蒸着させる工程では、閉塞室20の内部が略真空状態とされる。この場合、閉塞室20の内部が減圧されることで、透過部25の位置が確実に固定される。従って、保持板27は、強固な力で透過部25を押圧する必要は無い。
図4に示すように、閉塞室本体21の背面側には気圧制御部30が設けられている。気圧制御部30と閉塞室本体21の背面との間には、給排気管(図示せず)が接続されている。気圧制御部30は、ポンプ31および電磁弁33(図9参照)を備える。染色装置1は、ポンプ31を駆動することで、閉塞室20内の気体を給排気管から外部へ排出し、閉塞室20内の気圧を低下させることができる。また、染色装置1は、電磁弁33を閉じることで、閉塞室20内の密閉性を保つ。さらに、染色装置1は、電磁弁33を開放させることで、減圧状態の閉塞室20内に外部から気体を導入させて、閉塞室20内の気圧を上昇させる。なお、閉塞室20(本実施形態では閉塞室本体21の背面)には、閉塞室20内の気圧を検出する圧力センサ84(図9参照)が設けられている。
設置部前後動機構40について説明する。前述したように、設置部前後動機構40は、設置部50(図2および図6参照)を前後方向に移動させる。設置部50は、設置部前後動機構40によって後方に移動すると、閉塞室20の内部に納まる。設置部50は、前方に移動すると、閉塞室20および筐体2(図2参照)の外部に位置する。
図5に示すように、設置部前後動機構40は、メインフレーム41、センターフレーム42、2つのサイドフレーム43、前後動モータ81、駆動プーリ45、従動プーリ46、およびベルト47を備える。メインフレーム41は、筐体2(図2参照)の底部に配置され、設置部前後動機構40の全体を支持する。センターフレーム42は、平面視T字状を成し、設置部前後動機構40の左右方向中央に配置される。センターフレーム42の正面側端部は、設置部50および閉塞室前壁22(図7参照)の少なくともいずれかの底面に固定される。なお、本実施形態では、設置部50は閉塞室前壁22に装着される。2つのサイドフレーム43は、前後方向に延びる略棒状の部材であり、センターフレーム42の左右の各々に装着される。サイドフレーム43は、メインフレーム41の左右において、前後方向の移動をガイドされる。サイドフレーム43の正面側(先端側)は、閉塞室前壁22の左右の各々に固定される。
前後動モータ81は、メインフレーム41の後端部に設置され、設置部50を前後動させるための動力を発生させる。駆動プーリ45は、メインフレーム41の後端部における左右方向の中央において回転可能に保持されており、前後動モータ81の動力によって回転する。従動プーリ46は、メインフレーム41の先端部における左右方向の中央において回転可能に保持されている。駆動プーリ45の回転軸および従動プーリ46の回転軸は、共に上下方向に延びる。ベルト47は、駆動プーリ45と従動プーリ46に架け渡されている。センターフレーム42の後端部はベルト47に固定される。
前後動モータ81が回転すると、駆動プーリ45が回転する。これに伴い、駆動プーリ45に架け渡されているベルト47が回転する。ベルト47が回転すると、ベルト47に固定されているセンターフレーム42が前後方向に移動する。その結果、センターフレーム42に固定されている設置部50が前後方向に移動する。設置部50の前後動は、サイドフレーム43およびメインフレーム41によってガイドされる。
設置部50について説明する。前述したように、設置部50には、プラスチックレンズおよび染色用基体57が設置される。図6に示すように、設置部50は、支持板51と、2つの円筒部53とを備える。支持板51は、平面視略矩形の板状部材である。円筒部53の内径は、染色するプラスチックレンズの径よりもやや大きく形成されている。2つの円筒部53は、支持板51の上面に、左右に並べて設けられている。支持板51の上面のうち、2つの円筒部53の各々によって囲まれた部位(つまり、円筒部53の底壁の部分)は、付着体装着部52となる。
付着体装着部52の中心部分には、樹脂体(本実施形態ではプラスチックレンズ)に対する付着性を有する付着体55が装着される。プラスチックレンズは、付着体55の上面に載置(設置)され、付着体55が付着した状態で加熱される。従って、プラスチックレンズの一部の温度が他の部分の温度よりも高くなった場合でも、熱が付着体55に拡散するため、プラスチックレンズの各部位の温度差が減少する。なお、付着体装着部52は、付着体55を着脱可能に装着する。従って、作業者は、付着体55に汚れ・破損等が生じた場合、および、形状等が異なる他の付着体55に変更したい場合等に、容易に付着体55を交換することができる。
付着体55の材質には、熱伝導率がプラスチックレンズの材質の熱伝導率以上である材質を用いることが望ましい。この場合、プラスチックレンズにおいて他の部分よりも高温となった部位の熱は、効率よく付着体55に拡散される。その結果、プラスチックレンズの各部位の温度差がさらに減少する。ただし、付着体55の熱伝導率は、プラスチックレンズの熱伝導率と同等であってもよい。付着体55の熱伝導率がプラスチックレンズの熱伝導率よりも低くても、付着体55を用いない場合に比べて温度差は減少する。また、付着体55の硬度は3度〜30度であることが望ましい。硬度が3度未満の付着体55は製造し難く、且つ、仮に製造できたとしても柔らかすぎて形状を維持し難い。また、硬度が30度よりも高いと、付着体55を各種のプラスチックレンズの曲率に合わせて密着させることが困難である。硬度を3度〜30度とすることで、付着体55が容易にプラスチックレンズに付着するため、さらに効果的に温度差が減少する。より望ましい付着体55の硬度は、5度〜10度である。本実施形態では、硬度が約6度のシリコーンによって樹脂体55が形成されている。
付着体55のうち、少なくともプラスチックレンズが載置される部分(本実施形態では付着体全体)の厚みは、1mm〜10mmであることが望ましい。厚みを1mm未満とすると、プラスチックレンズの熱が付着体55に拡散し難くなるため、温度差の発生を抑制しづらい。また、厚みを10mmよりも厚くした場合、付着体55をプラスチックレンズの曲率に合わせて密着させることが困難である。厚みを1mm〜10mmとすることで、付着体55は容易にプラスチックレンズに付着し、温度差の発生を効果的に抑制する。
また、付着体55に載置される側のプラスチックレンズの面が球面状に湾曲している場合、付着体55のうち、プラスチックレンズが載置される載置面(上面)の曲率半径は、50mm〜200mmであることが望ましい。この場合、付着体55は、曲率半径が大きいプラスチックレンズにも、曲率半径が小さいプラスチックレンズにも、容易に密着する。つまり、この場合、付着体55とプラスチックレンズの十分な接触面積が確保され、より効果的に温度差の発生が抑制される。
また、平面視において、付着体55の大きさは、加熱する樹脂体の大きさ以上の大きさであることが望ましい。この場合、外周側の方が内側よりも温度上昇し易い樹脂体(例えばプラスレンズ・凸レンズ)、および、内側の方が外周側よりも温度上昇し易い樹脂体(例えばマイナスレンズ、凹レンズ)のいずれを加熱する場合であっても、付着体55は樹脂体の全体に付着する。よって、樹脂体の形状に関わらず温度差の発生を抑制できる。一方で、平面視において付着体55が樹脂体よりも大きすぎると、染料の汚れが付着体55に付着し易い。従って、付着体55の大きさは、加熱する樹脂体と同じ大きさとすることがより望ましい。ただし、付着体55の大きさは変更することも可能である。例えば、染色装置1がマイナスレンズのみを加熱する場合には、付着体55をマイナスレンズよりも小さくし、マイナスレンズの中心部分に付着体55を付着させても、温度差の発生を十分に抑制できる。
図7に示すように、設置部50の正面側には閉塞室前壁22が固定される。また、染料をプラスチックレンズに蒸着させる工程では、染色用基体57を保持した基体保持枠58が、円筒部53の上部に載置(設置)される。本実施形態では、染色用基体57には、適度な硬さの矩形の紙が用いられる。しかし、染色用基体57の材質には、ガラス板、耐熱性樹脂、セラミック、金属フィルム等の他の材質を用いることも可能である。耐熱性があり、且つ染料と化学反応を起こさない材質を染色用基体57の材質として採用することが望ましい。染色用基体57の下側の面(つまり、プラスチックレンズに対向する側の面)には、目的とする染色の態様に応じて、昇華性の染料が溶解または微粒子分散されたインク(染色用用材)が、プリンタによって印刷されている。プリンタを駆動するための印刷データ(色データ)は、作業者が所望する箇所に所望する色・濃度の色が染色されるように、電子計算機であるパーソナルコンピュータ(PC)によって作成される。従って、染色用基体57には、適切な位置に適切な量の昇華性染料が正確に付着する。印刷データを保存しておけば、同様の染色を複数回実行することも容易である。浸染法等の他の染色方法に比べて、グラデーション等の複雑な染色を行うことも容易である。染色用基体57に付着させる染料の色は、1色でも複数色でもよい。
基体保持枠58は、外形が平面視略矩形状の板状部材であり、染色用基体57を保持する。基体保持枠58には、設置部50の円筒部53(図6参照)の位置および大きさに対応するように、円形の開口が左右に2つ並べて形成されている。開口が形成された位置では、電磁波は基体保持枠58で遮断されることなく染色用基体57に直接照射される。また、染色用基体57から昇華した染料は、下方のプラスチックレンズ側へ円滑に流れる。なお、本実施形態では、基体保持枠58は磁性体(例えば、鉄)によって形成される。基体保持枠58が円筒部53の上端部に設置されると、染色用基体57の下方の面は、付着体55上に設置されたプラスチックレンズに非接触で対向する。
図8を参照して、退避機構60について説明する。退避機構60は、基体保持枠58によって保持された染色用基体57(図7参照)を、設置部50から退避させる。退避機構60は、2つの支持アーム61、作動アーム63、退避モータ82、および回転リンク65を主に備える。2つの支持アーム61は、前後方向に平行に延びる。それぞれの支持アーム61の後端側は、筐体2(図1および図2参照)に回転可能に保持されている。作動アーム63は、左右方向に延びる略棒状の部材である。作動アーム63の左端部は、左側の支持アーム61の前端部に固定される。作動アーム63の右端部は、右側の支持アーム61の前端部に固定される。作動アーム63は、磁石(図示せず)を底部に備える。作動アーム63の底部が基体保持枠58に接触すると、基体保持枠58は作動アーム63の磁石に吸着する。
退避モータ82は、退避機構60の左側に設置されている。回転リンク65は、退避モータ82の近傍において、左右方向に延びる回転軸を中心として回転可能に保持されている。回転リンク65は、退避モータ82の動力によって回転する。回転リンク65の右側面における回転軸の外側には、右方に延びる円柱状の突出部66が設けられている。また、左側の支持アーム61には、前後方向に延びる係合長孔62が形成されている。係合長孔62の端手方向の幅(短径)は、突出部66の径と一致する。突出部66は係合長孔62に係合する。
染色装置1は、退避モータ82を駆動させて回転リンク65を回転させることで、左側の支持アーム61を、後端側を中心として回転させることができる。左側の支持アーム61が回転すると、作動アーム63および右側の支持アーム61も回転する。染色装置1は、染色用基体57の染料の加熱(蒸着の工程)が完了するまでは、基体保持枠58よりも上方に作動アーム63を位置させる。蒸着の工程が完了すると、染色装置1は、設置部前後動機構40(図5参照)によって、閉塞室本体21(図4参照)の内部から前方に設置部50(図7参照)を移動させる。作動アーム63の位置を下げて、作動アーム63の底部の磁石に基体保持枠58を吸着させる。次いで、作動アーム63の位置を再び上昇させる。その結果、基体保持枠58によって保持された染色用基体57は、退避機構60によって自動的に設置部50から退避される。
図9を参照して、染色装置1の電気的構成について説明する。染色装置1は、染色装置1の制御を司るCPU70を備える。CPU70には、RAM71、ROM72、不揮発性メモリ73、タッチパネル6、ディスプレイ7、冷却ファン8、ポンプ31、電磁弁33、圧力センサ84、熱電対24、ヒータ駆動部75、およびモータ駆動部76が、バスを介して接続されている。
RAM71は、各種情報を一時的に記憶する。ROM72には、染色装置1の動作を制御するための制御プログラム(例えば、図11に示す染色処理を制御するための染色制御プログラム等)が記憶されている。不揮発性メモリ73は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる記憶媒体である(例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM等)。ヒータ駆動部75は2つの赤外線ヒータ12に接続し、赤外線ヒータ12の駆動を制御する。モータ駆動部76は、調整部回転モータ80、前後動モータ81、および退避モータ82の各々の駆動を制御する。
本実施形態に係る染色樹脂体の製造方法の概要について説明する。従来、樹脂体を染色して染色樹脂体を製造する方法として、浸漬染色方法(以下、「浸漬法」という。)が多く用いられている。浸漬法では、染料が分散された液体を加熱し、加熱した液体に樹脂体を浸漬することで、染色が行われる。この浸漬法では、染料の凝集等によって染色が不安定となる問題、廃棄される染料が多いという問題、作業環境が悪いという問題等、種々の問題がある。また、固形の昇華性染料を加熱して昇華させることで樹脂体を染色する方法も存在する。しかし、固形の昇華性染料を定量的に飛ばすのは困難であり、色の調整も難しい。これに対し、本実施形態に係る染色方法(以下、「気相転写染色方法」という。)では、板状の染色用基体57に昇華性染料が付着されて、染色用基体57から樹脂体に染料が転写(蒸着)される。次いで、樹脂体が加熱されることで、染料が樹脂体に定着する。よって、色相および濃度のばらつきが減少し、染色の品質が安定する。染色に必要な染料(つまり、染色用基体に付着させる染料)は、浸染法において液体に分散させる染料よりも少量で良いため、無駄になる染料は浸染法に比べて少ない。さらに、作業環境も、浸染法を行う場合に比べて改善される。なお、本実施形態における「定着」とは、樹脂体に付着した染料が熱によって単分子レベルで樹脂内に拡散された状態を示す。「定着」は、染色または発色と表現される場合もある。また、定着の工程では、樹脂体に転写された染料自体が加熱されてもよい。本実施形態でも、電磁波発生部11が発生させる可視域の光によって、樹脂体と共に染料自体も加熱され、染料が樹脂体に定着される。
気相転写染色方法で樹脂体を染色する場合、蒸着の工程で染色用基体57の染料を加熱し、且つ、定着の工程で樹脂体を加熱する。蒸着の工程では、染料の凝集等を防ぎつつ正確に染料を蒸着させるために、樹脂体の周囲を略真空にして染料を加熱する必要がある。また、定着の工程では、樹脂体の各部位に温度差が生じると、染料の定着が不均一となる場合がある。加熱によって樹脂体に生じる変色の影響が不均一に現れて、見栄えが悪くなる場合もある。従って、従来の気相転写染色方法では、電磁波加熱による蒸着の工程が略真空の雰囲気下で行われた後、樹脂体がオーブンに移動され、オーブンによって定着の工程が実行される。オーブンを用いることで、樹脂体はゆっくりと温度上昇するため、樹脂体の各部位における温度差の発生が抑制される。
しかし、従来の気相転写染色方法では、蒸着の工程を行うための装置と、定着の工程を行うためのオーブンとが共に用いられていた。この場合、2つの装置を設置するための広いスペースが必要であり、且つ、装置を導入するためのコストを低下させることも困難であった。よって、例えば眼鏡の小売店等で気相転写染色方法を行うことは困難であり、品物を迅速に顧客に提供することはできなかった。さらに、オーブンによって定着の工程を実行する場合、樹脂体をオーブンに移動させるための時間を要し、且つ、オーブンによる温度上昇の速度も遅い。従って、定着の工程に要する時間を短縮することも困難であった。
上記問題を解決するためには、蒸着の工程で染料の加熱に用いられる電磁波発生部を、定着の工程における樹脂体の加熱にも使用することが望ましい。しかし、電磁波を照射することで樹脂体を加熱する場合、前述したように、樹脂体の各部位に温度差が生じて染色品質が低下する場合がある。また、樹脂体の周囲の気圧が低いまま定着の工程を行うと、樹脂体に付着した染料が再び昇華して染色の品質が不安定になる可能性もある。本実施形態で例示する技術によると、以上の問題を解決することも可能であり、高品質の染色樹脂体を短時間且つ低コストで製造することができる。
図10を参照して、本実施形態に係る染色樹脂体製造工程について詳細に説明する。まず、染色用基体57を作成する工程が行われる(S1)。前述したように、本実施形態では、プリンタが、PCによって作成された印刷データに基づいて、昇華性染料を含有したインクを基体(本実施形態では紙)に印刷する。その結果、染色用基体57が作成される。従って、染色用基体57には、適切な位置に適切な量の昇華性染料が正確に付着する。PCにおける印刷データの作成、変更、保存等は容易である。よって、複雑な染色も容易であり、同様の染色を繰り返すことも可能である。ただし、PCおよびプリンタを用いずに染色用基体57を作成しても、本発明は実現できる。例えば、作業者は、スプレー等を用いて昇華性染料を紙に付着させることで染色用基体57を作成してもよい。
次いで、作業者は、染色する樹脂体と、S1で作成した染色用基体57とを、染色が行われる位置に設置する(S2)。本実施形態では、樹脂体であるプラスチックレンズが、設置部50の付着体55(図6参照)上に設置される。染色用基体57は、基体保持枠58(図7参照)に保持された状態で、設置部50の円筒部53の上端に設置される。染色用基体57は、昇華性染料が付着した付着面が樹脂体に非接触で対向するように配置される。よって、本実施形態では、付着面が下方を向くように染色用基体57が配置される。
次いで、樹脂体周辺の気圧を低下させる工程、および、付着体55を樹脂体に付着させる工程が行われる(S3)。本実施形態では、ポンプ31(図9参照)によって閉塞室20内の気体が外部に排出されることで、閉塞室20内が略真空状態とされる。この間、樹脂体の底面と付着体55の上面との間に存在する気体が吸引され、付着体55が樹脂体の底面(つまり、染料が蒸着される面と反対の面)に付着する。従って、本実施形態では、樹脂体に付着体55を押し付ける等の工程が行われなくても、略真空の空間が形成される過程で樹脂体に付着体55が付着する。樹脂体に付着した付着体55が、蒸着(つまり、染色用基体57から樹脂体表面への染料の付着)の妨げになることもない。
次いで、昇華性染料を樹脂体に蒸着させる工程が行われる(S4)。本実施形態では、電磁波発生部11が発生する電磁波によって染色用基体57が加熱される。その結果、染色用基体57の下側の面に付着している昇華性染料が加熱されて昇華し、樹脂体の上面に蒸着される。
次いで、樹脂体周辺の気圧を上昇させる工程が行われる(S5)。本実施形態では、電磁弁33(図9参照)が開放されることで、閉塞室20の内部に給排気管を通じて外部の気体が導入される。その結果、閉塞室20内の気圧は大気圧まで戻される。
次いで、染色用基体57を設置部50から退避させる工程が行われる(S6)。本実施形態では、まず、設置部前後動機構40(図5参照)によって設置部50が閉塞室20の外部へ移動される。染色用基体57を保持している基体保持枠58が、退避機構60(図8参照)によって設置部50から退避される。その後、設置部50は、設置部前後動機構40によって、閉塞室20の内部へ戻される。
次いで、樹脂体に染料を定着させる工程が行われる(S7)。本実施形態では、蒸着の工程(S4)で用いられた電磁波発生部11が再び駆動される。染色用基体57は退避されているため、電磁波発生部11が発生させた電磁波は、染色用基体57に遮断されることなく樹脂体に照射される。よって、染色用基体57が燃えることは無いため、燃えかす等によって染色の品質が低下することは無い。電磁波の照射分布は、分布調整部14(図3参照)によって適切に調整されている。さらに、樹脂体には付着体55が付着しており、樹脂体の一部に局所的に発生した熱は付着体55に拡散する。従って、樹脂体における各部位の温度差は発生し難い。電磁波は、樹脂体のうち、付着体55が付着した側の反対側(本実施形態では上面)に照射される。従って、電磁波は、付着体55を経ずに樹脂体に到達し、樹脂体の上面に蒸着された染料が効率よく定着する。
次いで、樹脂体の徐冷が行われて(S8)、染色樹脂体製造工程は終了する。本実施形態では、閉塞室20内、または、閉塞室20の前側の空間(前室)で、樹脂体を所定時間以上待機させる。その結果、樹脂体の温度が徐々に低下する。染色装置1は、温度が低下した樹脂体を筐体2の外部に移動させて、工程を終了させる。染色装置1は、徐冷の工程(S8)を実行することで、作業者が火傷を負う危険性を低下させることができる。また、樹脂体の温度が急激に低下して変形・割れが生じる可能性も低下する。
図11を参照して、染色装置1のCPU70が実行する染色処理について説明する。前述したように、染色装置1のROM72には、染色処理を制御するための染色制御プログラム等が記憶されている。CPU70は、染色装置1の電源がONとされると、染色制御プログラムにしたがって、図11に示す染色処理を実行する。染色処理では、前述した染色樹脂体製造工程(図10参照)のうちのS3〜S8の工程が、自動的に行われる。
まず、開口部切替指示、またはレンズ情報が入力されたか否かが判断される(S21)。開口部切替指示とは、分布調整部14(図3参照)に形成された複数の開口部15のうち、電磁波発生部11と設置部50(図1参照)の間に位置させる開口部15を切り替える指示である。開口部15を切り替える指示は、開口部15の大きさを直接指定する指示でもよい。また、レンズ情報とは、染色するプラスチックレンズのパラメータである。パラメータとしては、例えば、レンズの素材、径、度数、屈折率、上端面の高さ、中心の高さ、形状等を用いることができる。作業者は、タッチパネル6を操作することで、開口部切替指示またはレンズ情報を染色装置1に入力することができる。また、染色装置1は、ネットワーク等を介して、開口部切替指示またはレンズ情報を他のデバイスから入力することも可能である。
開口部切替指示およびレンズ情報がいずれも入力されていなければ(S21:NO)、処理はそのままS24の判断へ移行する。開口部の切替指示が入力されると(S21:YES)、調整部回転モータ80(図9参照)によって分布調整部14が回転されることで、開口部15が切り替えられる(S22)。また、レンズ情報が入力されると(S21:YES)、入力されたパラメータを有するレンズを加熱するために適した開口部15が使用されるように、調整部回転モータ80が駆動される。一例として、本実施形態では、レンズ情報として、レンズの形状(プラスレンズ、マイナスレンズ等)が入力される。CPU70は、入力されたレンズの形状に応じて開口部15を切り替える。処理はS24の判断へ移行する。
本実施形態では、径が大きい開口部15Aを用いる場合、電磁波の強度分布は、プラスチックレンズの中心部よりも外側の方が強くなる。また、径が小さい開口部15Bを用いる場合、環状の開口部15Bを通過した電磁波は、プラスチックレンズの中心部で重なり合う。その結果、電磁波の強度分布は、プラスチックレンズの外側よりも中心部の方が強くなる。従って、染色するプラスチックレンズとしてマイナスレンズが指定された場合、CPU70は、径が大きい開口部15Aを電磁波発生部11と設置部50の間に位置させる。この場合、中心部よりも外側の方が厚いマイナスレンズの各部が、略均等に加熱される。一方で、染色するプラスチックレンズとしてプラスレンズが指定された場合、CPU70は、径が小さい開口部15Bを電磁波発生部11と設置部50の間に位置させる。この場合、中心部の方が外側よりも厚いプラスレンズの各部が、略均等に加熱される。
次いで、染色を開始させる指示が入力されたか否かが判断される(S24)。作業者は、設置部50にプラスチックレンズと染色用基体57を設置する。次いで、作業者は、タッチパネル6のうち、ディスプレイ7に表示されているスタートボタン(図示せず)に対応する位置に触れることで、染色の開始指示を染色装置1に入力する。染色の開始指示が未だ入力されていない場合には(S24:NO)、処理はS21の判断へ戻り、S21およびS24の判断が繰り返される。
染色の開始指示が入力されると(S24:YES)、前後動モータ81(図5参照)が駆動されて、設置部50が後方に移動されることで、設置部50が閉塞室20内に搬入される(S26)。その結果、閉塞室20内は、閉塞室本体21、閉塞室前壁22、および透過部25によって閉塞される。次いで、ポンプ31(図9参照)によって閉塞室20内の気体が外部に排出されることで、閉塞室20内の気圧が低下されて、略真空状態とされる(S27)。その結果、付着体55は自動的にプラスチックレンズに付着する。
圧力センサ84(図9参照)によって検出される閉塞室20内の圧力が閾値以下となり、気体の排出が完了したと判断されると、赤外線ヒータ12(図2参照)がONとされて、電磁波(本実施形態では赤外線)が発生される(S28)。電磁波は、設置部50に設置された染色用基体57に向けて照射される。その結果、染色用基体57の下側の面に付着した昇華性染料が加熱されて昇華し、プラスチックレンズの上側の面に付着(蒸着)される。本実施形態におけるS28の処理では、最大の出力で赤外線ヒータ12から電磁波が照射される。その結果、短時間で安定した蒸着が行われる。また、蒸着における電磁波の照射時間は予め設定されている。照射時間が経過すると、赤外線ヒータ12がOFFとされる(S29)。電磁弁33(図9参照)が開放されて、閉塞室20の内部に外部の気体が導入され、閉塞室20内の気圧が略大気圧まで上昇される(S30)。
次いで、前後動モータ81が駆動されて、設置部50が閉塞室20の外側(前方)へ移動される(S32)。退避モータ82(図8参照)が駆動されて、退避機構60の作動アーム63に基体保持枠58が磁力によって吸着された後、作動アーム63が上昇される。その結果、電磁波発生部11によって加熱される位置から、染色用基体57が退避される(S33)。従って、染色装置1は、染色用基体57を退避させるための作業を作業者に実行させることなく染色を行うことができる。その後、設置部前後動機構40によって、設置部50が再び閉塞室20内に搬入される(S34)。
次いで、閉塞室20内の気圧が大気圧または略大気圧とされた状態で、赤外線ヒータ12がONとされて、電磁波が発生される(S36)。染色用基体57が退避されているため、電磁波は、設置部50の付着体55上に設置されたプラスチックレンズに直接照射され、プラスチックレンズを加熱する。その結果、プラスチックレンズの上面に蒸着された染料が定着する。閉塞室20内の気圧は略大気圧であるため、プラスチックレンズに付着した染料が再び昇華して染色が不安定となる可能性は低い。プラスチックレンズに照射される電磁波の強度分布は、分布調整部14によって適切に調整されている。従って、プラスチックレンズの各部位の温度上昇は適切に(略均等となるように)制御される。また、プラスチックレンズの下側の面には付着体55が付着している。従って、プラスチックレンズの一部の温度が他の部分の温度よりも高くなった場合でも、他の部分よりも多く発生した熱は付着体55に拡散する。その結果、樹脂体の各部位の温度上昇割合に差が生じることが抑制される。
本実施形態におけるS36の処理では、まず、最大の出力で赤外線ヒータ12から電磁波が照射される。従って、染色装置1は、プラスチックレンズの温度を短時間で上昇させることができる。次いで、CPU70は、プラスチックレンズの温度上昇が完了すると、プラスチックレンズの温度が維持されるように赤外線ヒータ12の出力を調整する。出力を調整するタイミングは、熱電対24(図4参照)によって検出される温度が所定温度となるタイミングでもよいし、電磁波の照射開始から所定時間経過したタイミングでもよい。なお、定着における電磁波の照射時間は予め設定されている。また、染色装置1は、定着の工程(S36)の途中で開口部15を切り替えることで、プラスチックレンズの温度を維持してもよい。照射時間が経過すると、赤外線ヒータ12がOFFとされる(S37)。閉塞室20内または前室内でプラスチックレンズが待機されて、プラスチックレンズの徐冷が行われる(S38)。徐冷が終了すると、設置部50が設置部前後動機構40によって筐体2の外部へ移動されて(S39)、染色処理は終了する。なお、冷却ファン8は、少なくとも電磁波が発生している間は常に駆動される。よって、筐体2内の無駄な熱は、冷却ファン8によって外部に放出される。
なお、本実施形態では、プラスチックレンズの周囲の気圧(つまり、閉塞室20内の気圧)が大気圧とされた状態で定着の工程が行われる。よって、プラスチックレンズに蒸着された染料が再び昇華する可能性が低下する。しかし、定着時におけるプラスチックレンズの周囲の気圧は大気圧に限定されない。例えば、プラスチックレンズの周囲の気圧を、大気圧よりも高い気圧としてもよい。また、プラスチックレンズの周囲の気圧を、蒸着時の気圧と大気圧との間に設定してもよい。つまり、染色装置1は、定着時の気圧を少なくとも蒸着時の気圧よりも高くすれば、蒸着時と同じ気圧で定着の工程を行う場合に比べて、染料が再び昇華する割合を低下させることができる。
図12を参照して、上記実施形態の第一変形例について説明する。上記実施形態の染色装置1では、分布調整部14が回転して開口部15A,15Bが切り替わった場合、または、分布調整部14自体が取り替えられた場合に、電磁波の照射分布が変化する。一方で、図12に示す第一変形例では、分布調整部14と、設置部50に設置されたプラスチックレンズ88との間の距離Dが調整されることで、電磁波の照射分布が変化する。
図12に示すように、第一変形例でも上記実施形態と同様に、円環状の電磁波発生部位を有する電磁波発生部11と、樹脂体であるプラスチックレンズ88との間に、円環状の開口部15を有する分布調整部14が配置されている。さらに、第一変形例では、電磁波発生部11と分布調整部14とを設置部50に対して移動(上下動)させるための距離調整部90が設けられている。距離調整部90には種々の構成を採用できる。第一変形例では、ラックアンドピニオン機構が距離調整部90として採用されている。染色装置1は、図示しない距離調整モータを回転させることで、ラックアンドピニオン機構を駆動する。しかし、作業者が手動でラックアンドピニオン機構を駆動してもよい。
分布調整部14とプラスチックレンズ88の距離Dを短くすると、開口部15を通過した電磁波のビームがあまり拡散せずに、プラスチックレンズ88の外周部近傍に強く照射される。その結果、プラスチックレンズ88の外周部近傍の温度上昇割合は、中心の温度上昇割合よりも高くなる。一方で、距離Dを長くすると、開口部15を通過した電磁波のビームは、プラスチックレンズ88に到達する時点で拡散が進んだ状態となる。環状の開口部15を通過した電磁波のビームが拡散すると、プラスチックレンズ88の中心では、拡散した電磁波が重なり合う。その結果、外周部近傍に対する中心の温度上昇割合は、距離Dが短い場合に比べて高くなる。以上のように、第一変形例の染色装置1は、分布調整部14と設置部50の距離を距離調整部90によって変化させることで、プラスチックレンズ88に照射させる電磁波の強度分布を動的に変化させることができる。なお、染色装置1は、電磁波発生部11と分布調整部14の距離Pを変化させることで、電磁波の強度分布を変化させてもよい。電磁波発生部11と分布調整部14の距離、および、分布調整部14と設置部50の距離を共に変化させることで強度分布を変化させてもよい。また、設置部50を上下動させることで距離を調整してもよい。
また、第一変形例の染色装置1は、S21およびS22(図11参照)において、入力されたレンズ情報に応じて距離Dを調整する。一例として、プラスチックレンズ88の種類がマイナスレンズであることを示すレンズ情報が入力された場合には、プラスレンズであることを示すレンズ情報が入力された場合に比べて距離Dを短くする。従って、第一変形例の染色装置1は、レンズのパラメータに応じた適切な強度分布で電磁波をプラスチックレンズ88に照射することができる。
また、電磁波発生部11の出力を一定とする場合、電磁波発生部11と、設置部50に設置されたプラスチックレンズ88との間の距離P(図示せず)が長くなる程、プラスチックレンズ88に到達する電磁波は弱くなる。従って、プラスチックレンズ88の温度上昇割合は、距離Pに応じて変化する。この場合、プラスチックレンズ88の染色品質を一定に保つことが困難になり得る。第一変形例の染色装置1は、距離Pを変更しても、プラスチックレンズ88の温度上昇割合がほぼ均等になるように、距離Pに応じて電磁波発生部11の出力(電圧)を制御する。詳細には、染色装置1のCPU70は、距離Pを増加させる場合に、電磁波発生部11の出力を、距離Pの増加前における出力以上の出力に制御する(つまり、距離Pが長くなる程、出力を大きくする)。また、距離Pを減少させる場合に、電磁波発生部11の出力を、距離Pの減少前における出力以下の出力に制御する(つまり、距離Pが短くなる程、出力を小さくする)。従って、第一変形例の染色装置1は、距離Pに応じて樹脂体の温度上昇割合に差が生じることを抑制することができる。
なお、距離Pに応じて電磁波発生部11の出力を調整する場合、具体的な出力の調整方法は適宜設定できる。例えば、CPU70は、距離Pに比例させて出力を増加させてもよい。距離Pが一定量増加する毎に段階的に出力を増加させてもよい。また、開口部15を切り換えて強度分布を切り替える方法(上記実施形態で例示した方法)と、距離Dを切り換えて強度分布を切り替える方法(第一変形例で例示した方法)とを同時に実行してもよい。この場合、染色装置1は、より正確に電磁波の強度分布を調整することができる。
[評価試験]
本願発明の発明者は、開口部15を備える分布調整部14によって電磁波の照射分布を調整できることを確認するために、評価試験を行った。この評価試験では、発明者は、図12に示すように、電磁波発生部11とプラスチックレンズ88の間に、分布調整部14に形成された開口部15を配置した。次いで、発明者は、電磁波発生部11と分布調整部14の距離を20mmに固定しつつ、分布調整部14とプラスチックレンズ88の距離Dを30mm、40mm、50mm、60mm、70mmとした場合のプラスチックレンズ88における各部位の温度を計測した。温度計測のタイミングは、電磁波による加熱開始から300秒経過後である。以上の試験を、形状の異なる2種類のプラスチックレンズ88に対して実行した。
なお、温度を測定した部位のうち、A部はプラスチックレンズ88の中心、B部は中心から20mm離間した位置、C部は中心から35mm離間した位置(つまり、外周部近傍)である。また、2種類のプラスチックレンズ88の径は共に約70mmであるが、各部の厚みは2種類のプラスチックレンズ88の間で異なる。詳細には、「CR S−0.00」のプラスチックレンズ88では、A部の厚みは2.30、B部の厚みは2.30mm、C部の厚みも2.30mmである。「CR S−4.00」のプラスチックレンズ88では、A部の厚みは1.80mm、B部の厚みは3.45mm、C部の厚みは7.25mmである。分布調整部14とプラスチックレンズ88の距離Dを変更しても、プラスチックレンズ88の温度がほぼ均等になるように、分布調整部14とプラスチックレンズの距離Dに応じて電磁波発生部11の電圧を調整した。評価試験の結果を図13に示す。
図13に示すように、プラスチックレンズ88の種類に関わらず、距離Dが短い程、外周部近傍の温度上昇割合が中心の温度上昇割合よりも高くなった。また、距離Dを長くする程、外周部近傍の温度上昇割合は中心の温度上昇割合よりも低くなった。この理由は、分布調整部14の開口部15の形状、分布調整部14の位置等に応じて、プラスチックレンズ88に照射される電磁波の強度分布が決定されるためである。従って、染色装置1は、距離Dを変化させることで、電磁波の強度分布を変化させることができる。また、開口部15A,15B(図3参照)を切り替えることで、電磁波の強度分布を変化させることもできる。
「CR S−0.00」のプラスチックレンズ88では、各部の厚みが一定である。これに対し、「CR S−4.00」のプラスチックレンズ88では、中心の厚みが外周部近傍の厚みよりも薄いため、外周部近傍よりも中心の方が温度上昇し易い。評価試験の結果を考察しても、中心の温度上昇割合は、「CR S−0.00」よりも「CR S−4.00」の方が高くなっている。従って、プラスチックレンズ88における各部の温度上昇割合を均等にし、染色の品質を向上させるためには、プラスチックレンズ88の形状に応じて電磁波の強度分布を適宜変更することが望ましい。評価試験の結果によると、「CR S−0.00」では、距離Dを約48〜49mmとした場合に、各部の温度上昇割合が最も均等に近づくと考えられる。また、「CR S−4.00」では、距離Dを約45mmとした場合に、各部の温度上昇割合が最も均等に近づくと考えられる。ただし、1つの形状のプラスチックレンズ88のみを染色する場合等には、電磁波の強度分布を動的に変更する必要は無い。つまり、「電磁波の強度分布を調整する」とは、強度分布を動的に変更することのみを意味するのではなく、樹脂体の部位に応じて適切な強度の電磁波が照射されるように、強度分布を静的に調整することも意味する。また、前述したように、電磁波の強度分布を調整する方法は、距離Dを変化させる方法に限られず、開口部15A,15Bを切り替える方法等も採用できる。
図14を参照して、上記実施形態の第二変形例について説明する。上記実施形態の分布調整部14は、電磁波発生部11が発生させた電磁波の強度分布を開口部15によって調整する。一方で、図14に示す第二変形例では、染色装置1は、電磁波発生部11が発生させた電磁波の少なくとも一部を反射させる反射部92によって、プラスチックレンズ88に照射される電磁波の強度分布を調整する。
図14に示すように、第二変形例の分布調整部94には、電磁波発生部11に関してプラスチックレンズ88と反対側となる位置(つまり、電磁波発生部11の上方)に、反射部92が設けられている。反射部92のうち電磁波発生部11を向く側の面(つまり、下方の面)は、電磁波発生部11が発生させた電磁波を反射させる。本実施形態では、電磁波発生部11の下方の面は、上方に凹んだ球面状(凹面状)に形成されている。従って、電磁波発生部11から反射部92に照射された電磁波は、反射部92によって下方に反射される。反射された電磁波のビーム径は、下方に向かう程徐々に小さくなる。よって、反射部92によって反射されてプラスチックレンズ88に照射される電磁波の強度は、プラスチックレンズ88の外側よりも中心部の方が高くなる。一方で、電磁波発生部11から下方に直接される電磁波の強度は、プラスチックレンズ88の中心部よりも外側の方が高くなる。従って、第二変形例の染色装置1は、分布調整部94の反射部92を用いることで、プラスチックレンズ88に照射する電磁波の強度分布を適切に調整することができる。また、第二変形例の染色装置1は、反射部92を用いることで、電磁波発生部11が発生させた電磁波を効率よくプラスチックレンズ88に照射することができる。
また、第二変形例の染色装置1は、プラスチックレンズ88と反射部92の間の距離を変化させる構成を備える。つまり、第二変形例の染色装置1は、プラスチックレンズ88および反射部92の少なくともいずれかを上下に移動させる。プラスチックレンズ88と反射部92の距離を変化させることで、反射部92に反射されてプラスチックレンズ88に照射される電磁波の強度分布が変化する。従って、第二変形例の染色装置1は、プラスチックレンズ88に照射する電磁波の強度分布を動的に変化させることができる。
なお、反射部92の位置および形状が適宜変更できることは言うまでもない。例えば、電磁波発生部11を向く側の反射部92の形状は、実施する加熱の態様に応じて、平板状、円錐状等の他の形状に変更してもよい。電磁波発生部11の側方に反射部92を設置してもよい。形状の異なる反射部92に切り替える構成を備えてもよい。
また、上記実施形態および変形例で説明した分布調整部14は一例である。つまり、電磁波の強度分布を調整するための構成を変更することも可能である。例えば、複数の赤外線ヒータの配置を調整することで、強度分布を調整してもよい。また、複数の赤外線ヒータの各々の出力を調整することで、強度分布を調整してもよい。一例として、プラスチックレンズの中心部に照射する電磁波の強度を外周部よりも強くする場合、電磁波発生部11の中心部に、外周部よりも高密度で赤外線ヒータを配置してもよい。また、電磁波発生部の中心部に配置した赤外線ヒータの出力を、外周部に配置した赤外線ヒータの出力よりも高くしてもよい。
また、上記実施形態および変形例では、放射状に均一な形状のプラスチックレンズを加熱する場合を例示した。つまり、レンズの幾何中心を通り、且つレンズ面に垂直な軸を中心にプラスチックレンズを回転させた場合、上記実施形態および変形例のプラスチックレンズでは、任意の角度について回転対称となる。従って、開口部15は楕円形でなく真円形であり、反射部92も均一な球面状である。しかし、放射状に不均一な形状の樹脂体(例えば、円柱成分を含んだトーリックレンズ)を加熱する場合でも、本発明は適用できる。この場合、例えば、染色装置1は、電磁波発生部11と樹脂体の間に、分布調整部としてシリンダーレンズを配置することで、樹脂体に照射される電磁波の強度分布を調整してもよい。この場合、シリンダーレンズを回転させる機構、または、シリンダーレンズを移動させる機構を備えることで、樹脂体の形状に応じてより適切に電磁波の強度分布を調整することができる。また、放射状に不均一な形状の樹脂体を加熱する場合、分布調整部14の開口部15の形状を楕円形としてもよい。電磁波発生部11と樹脂体の位置関係を変化させながら電磁波を照射することで、電磁波の強度分布を調整してもよい。
また、以上説明した複数の分布調整部のうちの2つ以上を組み合わせて用いることも可能である。例えば、上記実施形態で例示した開口部15と、第二変形例で例示した反射部92とを共に用いて電磁波の強度分布を調整してもよい。この場合、開口部15によって調整される強度分布と、反射部92によって調整される強度分布とを共に考慮して、両者の形状、配置等を設定することが望ましい。複数の分布調整部を組み合わせることで、電磁波の強度分布はより適切に調整される。
以上説明したように、上記実施形態に係る染色樹脂体の製造方法では、付着体55が樹脂体に付着される。付着体55が付着された樹脂体に対し、電磁波発生部11から電磁波が照射されることで、樹脂体が加熱されて染料が定着される。従って、樹脂体の一部の温度が他の部分の温度よりも高くなった場合でも、熱が付着体55に拡散するため、温度差の発生が抑制される。よって、樹脂体の各部位の温度上昇割合に差が生じることを抑制しつつ、電磁波の照射によって樹脂体を加熱して染料を定着させることができる。
電磁波の照射によって定着の工程を適切に実行できれば、種々の効果を奏し得る。例えば、染色装置1は、オーブン等の他の加熱手段を用いる場合に比べて、短時間で樹脂体を加熱することができる。装置本体の小型化も容易になる。また、電磁波のビームをスキャンさせることで、樹脂体の各部位の温度上昇を制御する方法も考えられる。しかし、電磁波のビームをスキャンするための構成および制御は複雑であり、染色時間の短縮も困難である。これに対し、上記実施形態の染色装置1は、電磁波のビームをスキャンさせることなく、樹脂体の各部位の温度上昇割合に差が生じることを抑制できる。
上記実施形態の付着体55の熱伝導率は、樹脂体の熱伝導率以上である。従って、樹脂体において局所的に発生した熱は、効率よく付着体55に拡散される。よって、上記実施形態の製造方法によると、樹脂体の各部位の温度上昇割合をより効率よく抑制することができる。
上記実施形態の製造方法では、付着体55を樹脂体に接触させた状態で、付着体55および樹脂体が存在する空間の気圧を低下させることで、付着体55が樹脂体に付着される。つまり、付着体55を樹脂体に接触させた状態で気圧を低下させるだけで、蒸着に必要な略真空の空間が形成されると共に、樹脂体に付着体55が付着される。従って、作業者または染色装置1は、樹脂体に付着体55を押し付ける等の工程を行う必要が無い。
上記実施形態の製造方法では、昇華性の染料を溶解または微粒子分散させた染色用用材が、電子計算機にて設定した色データに基づいて基体上に付着されることで、染色用基体57が作成される。従って、染色用基体57の正確な位置に染料が付着するため、より品質の高い染色樹脂体が得られる。さらに、作業者は、染色の態様(デザイン)を電子計算機で容易且つ自由に設定することができる。
上記実施形態では、樹脂体はプラスチックレンズである。付着体55の材質は、硬度が3度〜30度のシリコーンである。付着体55のうち、少なくともプラスチックレンズが載置される部分の厚みが、1mm〜10mmである。この場合、付着体55は容易に樹脂体に付着する。よって、樹脂体の各部位による温度差をより効果的に減少させることができる。また、付着体55のうち、樹脂体が載置される載置面の曲率半径が、50mm〜200mmである。この場合、付着体55と樹脂体の十分な接触面積が確保され、付着体55が容易に樹脂体に付着する。
上記実施形態の染色装置1は、樹脂体が設置される設置部50と、設置部50に設置された樹脂体に電磁波を照射する電磁波発生部11とを備える。設置部50は、樹脂体に接触する部位に、付着体55を装着する付着体装着部52を備える。従って、染色装置1は、樹脂体の一部の温度が他の部分の温度よりも高くなった場合でも、熱を付着体55に拡散させて、樹脂体の各部位に温度差が発生することを抑制できる。
上記実施形態の染色装置1は、さらに、閉塞室20およびポンプ31を備える。染色装置1のCPU70は、付着体55を樹脂体に接触させた状態で、ポンプ31によって閉塞室20内の気圧を低下させる(S27、図11参照)。CPU70は、染色用基体57が樹脂体に非接触で対向した状態であり、且つ閉塞室20内の気圧が低下した状態で、染色用基体57に向けて電磁波を照射させる。その結果、昇華性染料が樹脂体に蒸着される(S28、図11参照)。さらに、CPU70は、染料が蒸着された樹脂体に対し、電磁波発生部11に電磁波を照射させることで、染料を樹脂体に定着させる(S36、図11参照)。従って、染色装置1は、気相転写染色法における蒸着の工程および定着の工程を共に実行することができる。よって、作業者は、従来よりも狭い作業場でも気相転写染色を行うことができる。設備を導入するための費用も低下する。さらに、染色装置1は、同一の電磁波発生部11を用いて蒸着の工程と定着の工程を実行する。従って、染色装置1自体のコストが低下する。染色装置1の小型化も容易である。
上記実施形態および変形例の染色装置1は、電磁波の照射分布を調整する分布調整部14,94を備える。従って、染色装置1は、樹脂体の各々の部位に適切な強度の電磁波を照射させることができる。よって、染色装置1は、樹脂体の各部位の温度上昇をさらに適切に制御することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、様々な変形が可能であることは勿論である。上記実施形態では、図10に示した染色樹脂体製造工程のS3〜S8が、1つの染色装置1で実行される。従って、複数の装置が用いられる従来の工程とは異なり、設備を導入するための広いスペースを確保する必要は無い。染色に要する時間も短くなる。しかし、作業者は、上記実施形態の染色装置1を用いずに、本発明に係る製造方法を実行することも可能である。この場合でも、作業者は、付着体55を樹脂体に付着させることで、樹脂体における温度差の発生を従来に比べて抑制しつつ染色を行うことができる。
上記実施形態の染色装置1は、電磁波発生部11を用いて、蒸着の工程と定着の工程を共に実行する。その結果、構成が簡素化される。しかし、例えば、電磁波発生部11を複数のヒータで構成し、蒸着時には複数のヒータの一部を使用し、定着時に複数のヒータの全てを使用する場合でも、蒸着と定着の各々を異なる加熱手段を用いて実行する場合に比べて、構成は簡素化される。つまり、蒸着時の加熱手段と定着時の加熱手段の少なくとも一部を共通化すれば、構成は簡素化される。
上記実施形態では、付着体55が樹脂体に付着した状態で閉塞室20内の気圧が低下する。従って、作業者または染色装置1は、樹脂体に付着体55を押し付ける等の工程を別途行う必要が無い。しかし、作業者または染色装置1は、樹脂体に付着体55を付着させる工程を別途行ってもよい。この場合、付着体55は、より確実に樹脂体に付着する。
上記実施形態では、略円盤状の眼鏡用プラスチックレンズに染色を行う場合を例示した。しかし、本発明は、プラスチックレンズ以外の樹脂体を染色する場合にも適用できる。例えば、本発明は、携帯電話のカバー、自動車のライト用のカバー、アクセサリー、玩具等、種々の樹脂体を染色する場合に適用できる。また、本発明に係る気相転写染色によると、染色する樹脂体にコーティングが行われているか否かに関わらず、高品質の染色が行われる。例えば、眼鏡用のプラスチックレンズを染色する場合には、撥水効果を得るための撥水コート、光の反射を防止するための反射防止コート、傷を防止するためのハードコート、割れを防止するためのプライマーコート等を、染色の前または後にプラスチックレンズに施すことも可能である。つまり、樹脂体にコーティングが行われている場合には、「樹脂体の表面」とは、コーティングされた層の表面と捉えてもよいし、コーティングされた層の下に位置するの樹脂体自体の表面と捉えてもよい。
上記実施形態の開口部15は環状に形成されている。従って、染色装置1は、電磁波のビームにおける中心部の強度と周辺部の強度とを、簡易な構成で調整することができる。しかし、環状以外の形状の開口部を用いても、電磁波の強度分布を調整することは可能である。例えば、環状でなく円形の開口部を用いてもよい。また、上記実施形態では、電磁波の発生部位の形状も、開口部15の形状に対応する環状である。よって、染色装置1は、電磁波を効率よく開口部15から樹脂体に照射することができる。しかし、電磁波の発生部位の形状を変更しても、分布調整部14を用いることで、電磁波の強度分布は適切に調整される。
上記実施形態のように、分布調整部14は着脱可能に染色装置1に装着されることが望ましい。しかし、着脱できない分布調整部14を用いてもよい。この場合でも、複数の開口部15A,15Bを切り替える構成、または、部材間の距離を調整する構成(図12参照)を用いれば、電磁波の強度分布を変化させることができる。また、上記実施形態のように、分布調整部14に複数の開口部15A,15Bを設けることで、使用する開口部15A,15Bを容易に切り替えることができる。しかし、1つの開口部15のみを分布調整部14に設けることも可能である。
上記実施形態の染色装置1は、使用する開口部15を切り替えるための調整部回転モータ80を備える。従って、作業者自身が開口部15を切り替える必要は無い。しかし、開口部15を作業者自身が手動で切り替える場合でも、電磁波の強度分布を動的に変化させることは可能である。また、上記実施形態および変形例では、樹脂体および染色用基体57の上方に電磁波発生部11が位置し、上方から樹脂体および染色用基体57に電磁波が照射される。しかし、各種構成の位置関係は変更してもよい。例えば、樹脂体および染色用基体の下方、側方、斜め方向から電磁波を照射させることも可能である。
上記実施形態の染色装置1は、蒸着の工程および定着の工程を、共に同一の電磁波発生部11で実行する。従って、染色装置1の小型化、構成の簡略化、コストの低下等の効果が得られる。しかし、蒸着の工程で用いられる加熱手段が、定着の工程で用いられる電磁波発生部とは別に設けられた染色装置においても、付着体55を用いることで、樹脂体における温度差の発生を抑制できる。
上記実施形態では、蒸着の工程および定着の工程で同一の開口部15が使用される。しかし、染色装置1は、蒸着の工程および定着の工程において、開口部15の変更等によって電磁波の強度分布を変化させてもよい。この場合、染色装置1は、染色用基体57の染料を加熱するために適切な電磁波の強度分布と、樹脂体を加熱するために適切な電磁波の強度分布とを、同一の電磁波発生部11を用いて実現することができる。よって、気相転写染色法による染色をより円滑に実行することができる。また、分布調整部14を用いずに付着体55のみを用いて温度差の発生を抑制することも可能である。
上記実施形態の染色装置1は、閉塞室20に透過部25を設けることで、閉塞室20内の密閉性を保ちつつ、閉塞室20の外部から内部に電磁波を透過させる。従って、染色用基体57に付着した染料を効率よく加熱することができる。しかし、透過部25を設けずに、電磁波で染色用基体57の染料を加熱することも可能である。例えば、染色装置1は、染色用基体57が鉄板の板面に接触した状態で、鉄板を電磁波で加熱することで、染色用基体57の昇華性染料を昇華させてもよい。また、気圧の変化が電磁波発生部11に与える影響を考慮すると、電磁波発生部11は閉塞室20の外部に設けることが望ましい。しかし、閉塞室20の内部に電磁波発生部11を設けることも可能である。
1 染色装置
10 加熱部
11 電磁波発生部
14,94 分布調整部
15 開口部
20 閉塞室
31 ポンプ
50 設置部
52 付着体装着部
55 付着体
57 染色用基体
70 CPU
88 プラスチックレンズ

Claims (5)

  1. 表面に染料が付着した樹脂体を加熱することで、前記染料を前記樹脂体に定着させて染色樹脂体を製造する製造方法であって、
    前記樹脂体に対する付着性を有する付着体を、前記樹脂体に付着させる付着ステップと、
    前記付着ステップにおいて前記付着体が付着された前記樹脂体に対し、電磁波を発生させる電磁波発生手段から電磁波を照射することで、前記樹脂体を加熱して前記染料を定着させる定着ステップと
    を有し
    前記付着体の材質は、硬度が3度〜30度のシリコーンであることを特徴とする染色樹脂体の製造方法。
  2. 前記付着体のうち、少なくとも前記樹脂体が載置される部分の厚みが1mm〜10mmであることを特徴とする請求項1に記載の染色樹脂体の製造方法。
  3. 表面に染料が付着した樹脂体を加熱することで、前記染料を前記樹脂体に定着させて染色樹脂体を製造する製造方法であって、
    前記樹脂体に対する付着性を有する付着体を、前記樹脂体に付着させる付着ステップと、
    前記付着ステップにおいて前記付着体が付着された前記樹脂体に対し、電磁波を発生させる電磁波発生手段から電磁波を照射することで、前記樹脂体を加熱して前記染料を定着させる定着ステップと、
    を有し、
    前記付着体の材質は、シリコーンであって、
    前記付着体のうち、少なくとも前記樹脂体が載置される部分の厚みが1mm〜10mmであることを特徴とする染色樹脂体の製造方法。
  4. 表面に染料が付着した樹脂体を加熱することで、前記樹脂体の表面に付着した染料を前記樹脂体に定着させて、前記樹脂体を染色する染色装置であって、
    前記樹脂体が設置される設置部と、
    前記設置部に設置された前記樹脂体に対し電磁波を発生させる電磁波発生手段と
    を備え、
    前記設置部は、
    前記樹脂体に接触する部位に、前記樹脂体に対する付着性を有する付着体と、
    前記付着体を装着する付着体装着部と、
    を備え
    前記付着体の材質は、硬度が3度〜30度のシリコーンであることを特徴とする染色装置。
  5. 前記付着体の熱伝導率が前記樹脂体の熱伝導率以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の染色樹脂体の製造方法。
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