JP6114581B2 - 容器蓋 - Google Patents
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Description
近年、省資源化、コスト削減のため、容器蓋は、スカート壁の高さの低いものや容器蓋の径の小さいものが使用されている。
このような場合、指で容器蓋の外周を握る面積が小さくなり、開栓初期において大きな力を必要とする。
また、容器蓋の径の小さいものでは指で握る力が掛かり難く、開栓時の困難さがある。このような開栓時の困難さを解決するため、容器蓋の開栓を容易にしたものがある。例えば、特許文献1には、ペットボトルのキャップの外径形状に合致する内径形状をもつリング状本体の側面にハンドル部と小さな穴を設け、ペットボトルのキャップを開ける機能を持たせると同時に、ハンドル部に缶入り飲料のプルを開ける機能を持たせ、ペットボトルを開ける際にはリング状本体が径の大きな開栓補助具として働くようにした携帯ジュースオープナーが記載されている。
(2)本発明の容器蓋は、上記(1)において、前記開栓補助手段は、前記スカート壁の外周部に沿って閉栓方向に伸延することを特徴とする。
(3)本発明の容器蓋は、上記(1)又は(2)において、前記開栓補助手段及び前記スカート壁には、収納時の該開栓補助手段を該スカート壁に係止する係止手段が備えられていることを特徴とする。
(4)本発明の容器蓋は、上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記開栓補助手段の自由端側に隣接する前記スカート壁の外周面には、ナール部が全く形成されていない非ナール部が備えられていることを特徴とする。
(5)本発明の容器蓋は、上記(1)乃至(4)のいずれかにおいて、前記開栓補助手段は、容器蓋と薄肉のブリッジで接続されており、ヒンジを基点としてその他端を前記スカート壁の外方に拡開するときに該ブリッジを切断するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の容器蓋は、開栓補助手段の外周面が拡径部の外径と同一となるような外周面を有しているので、キャッピング装置による容器蓋の巻き締めの際、容器蓋のスカート壁を把持する容器蓋用チャックが安定したキャッピングが可能となる。
さらに、外観形状は通常の飲料キャップと変わらないので、使用者にも受け入れられるデザインである。
実施形態の容器蓋は、略円筒状の容器口部を有する外周部に形成された雄ネジ部に螺合して、飲料、洗剤、薬剤などの液体を収容する容器の口部を開閉する。
容器としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート製の透明樹脂をブロー成形することによって形成され、略円筒状の胴部の下端に底部を有し、上部が窄まって形成される容器口部を有するペットボトルなどが挙げられる。
この容器蓋10は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂などから形成され、円板形状の天面壁11とこの天面壁11の周縁から垂下する筒状のスカート壁12とを有する。
スカート壁12の内周部には、螺旋状の雌ネジ部41が形成されており(図5参照)、容器口部40の外周部に形成される雄ネジ部42(図5参照)に螺合するようになっている。
雌ネジ部41を容器口部40の雄ネジ部42に螺合して容器蓋10を容器口部40に閉栓する際には、容器蓋10の一端側を閉塞する天面壁11によって容器口部40を閉塞し、容器口部40を繰り返し開放可能に閉塞することができるように構成されている。
また、スカート壁12には、その上端から下端に亘って、その一部を半径方向に拡径した拡径部14を有している。すなわち、拡径部14においては、平面視で天面壁11の径が部分的に半径方向に拡径されており、この拡径された天面壁11の周縁からスカート壁12が垂下している。
なお、容器蓋10のスカート壁12の外周部のうち、拡径部14以外の外周部を非拡径部15とする。よって、スカート壁12は、拡径部14と非拡径部15との組み合わせから構成されている。
また、容器蓋10の拡径部14の外周部には、容器蓋10の軸10a方向に延在する複数のナール部13が、外周部の外側に突出した突起部として周方向に亘って形成されている。このナール部13は、キャッピング装置による容器蓋10の容器口部40への巻き締めや、容器蓋10の開栓操作において指押さえ時の滑り止め用の機能を果たす。
また、容器蓋10の拡径部14の端部には、弧状の開栓補助手段16が少なくとも1個設けられている(実施形態では開栓補助手段16が2個の場合を示している)。
この開栓補助手段16は、容器蓋10の開栓操作時における補助部材であり、容器口部と容器蓋との相対的な回動に必要とされる旋回力をより小さなものとするためのものであり、容器蓋10に一体的に設えられ、非操作時には非拡径部15内へ収納されている。
なお、開栓補助手段16の外周部にも、複数の外面ナール部16eが、外周部の外側に突出し、拡径部14のナール部13と同一の間隔で周方向に亘って形成されている。また、外面ナール部16eは、拡径部14のナール部13と同一の突出高さで形成されている。
開栓補助手段16は、その一端16aが、連結部17によって拡径部14に回動自在にヒンジ連結され、他端は自由端16bとなっており、操作時には、容器蓋10から開栓補助手段16の自由端16b側を拡開させて、容器蓋10と一体的に回動する開栓補助手段16の回動半径を増大させて大径部を形成する。すなわち、開栓操作時において、連結部17を基点として他端(自由端16b側)を水平面内で回動させて、拡径部14から離脱拡開させるように構成されている。これにより、開栓補助手段16は、容器蓋10の開栓操作をするための旋回力を、容器蓋10に増幅して伝達することができる。
なお、開栓補助手段16は、スカート壁12の周長の約四分の一程度の長さ、スカート壁12の上端から下端に亘る高さに設定され、スカート壁12の外周部に沿って、非拡径部15に収納し得るように湾曲しており、全体として弧状且つ板状に形成されている。
連結部17は、拡径部14の外周部の端部において、開栓補助手段16の一端16aをヒンジ連結して、開栓補助手段16を回動自在にする部位である。容器蓋10とヒンジ連結することにより、開栓補助手段16に対して加えた旋回力を、連結部17を介して容器蓋10に対して直接的に伝達して、容器蓋10と一体的に回転させることができる。
なお、開栓補助手段16は、容器蓋10の上面から見て、スカート壁12の外周部に沿って連結部17から閉栓方向yに伸延させて形成されている。
開栓操作時においては、連結部17を基点として開栓補助手段16の自由端16b側をスカート壁12の外周部から離脱させて拡開していき、指でスカート壁12を握りながら、開栓補助手段16の内周面を指で押すことによって、容器蓋10の開栓の補助が可能となる。
開栓補助手段16は、スカート壁12の外周部に沿って伸延した外周面を備えており、その外径16cは、容器蓋10の拡径部14の外径12cと同一となるように弧状に形成されている(図2(a)参照)。
こうすることによって、開栓補助手段16は、開栓操作前には、外径方向に嵩張らず、且つ、開栓操作時には開栓補助手段16をレバーのようにして拡開させることによって容器蓋10に旋回力を付与することが可能となり、手や指を痛めることなく開栓操作時の補助効果を得ることができるようになる。
また、前述より、外面ナール部16eとナール部13とは同一の間隔および同一の突出高さで形成されていることからも明らかのように、キャッピング装置による容器蓋10の巻き締めの際、容器蓋のスカート壁12が容器蓋用チャックで把持されるが、従来と同様の安定したキャッピングが可能となる。
開栓補助手段16の内周面には、内面ナール部16dの突起部が形成されている。この内面ナール部16dは、開栓補助手段16を非拡径部15に収納した際に、スカート壁12の、内面ナール部16dと対向する部分に形成された係合用ナール部12aの突起部と係合するように構成されている。すなわち、開栓補助手段16の収納時において、内面ナール部16dの突起部と係合用ナール部12aの突起部とを、干渉しないように交互に配置している。
これにより、開栓補助手段16の内面ナール部16dの突起部と、スカート壁12の係合用ナール部12aの突起部とを、互いに係り止め状態とすることができ、開栓補助手段16を容器蓋10の非拡開部15から容易に拡開しないように収納させておくことができる。
なお、スカート壁12の係合用ナール部12aの突起部は、開栓補助手段16を非拡径部15に収納したときに、開栓補助手段16の内面ナール部16dの突起部の閉栓方向y側近傍に位置するように形成することが好ましい(図3(a)参照)。
これは、容器蓋10を閉栓する際、スカート壁12の外周面からy方向への力が加えられ、それに伴って内面ナール部16dの突起部へもy方向の力が伝わる。その際、内面ナール部16dの突起部よりもy側近傍に係合用ナール部12aを配置し、内面ナール部16dと係合用ナール部12aとを互いに当接させることによって、内面ナール部16dから係合用ナール部12aへとy方向の力を伝え、すなわち、容器蓋10へと有効に力の伝達が可能となる。
これにより、キャッピング装置によってキャッピングする際に、開栓補助手段16を含むスカート壁を把持して回転する力を容器蓋10に直接伝達することができるので、従来と同様の安定したキャッピングが可能となる。
開栓補助手段16及びスカート壁12には、収納時の開栓補助手段16をスカート壁12に係止するための係止手段19が備えられていることが望ましい。すなわち、開栓補助手段16の他端である自由端16bの一部(スカート壁12の下部)に隙間19bを設け、対応するスカート壁12には、僅かに外方に突出させた突起部19aを設け、この突起部19a及び隙間19bを係止手段19とし、開栓補助手段16を非拡径部15に収納した際に、開栓補助手段16に形成された隙間19bをスカート壁12の突起部19aに係止させて、開栓補助手段16とスカート壁12とを係止状態に保持することができるように構成されている。
これにより、非操作時には、開栓補助手段16の隙間19bをスカート壁12の突起部19aに係止させて係止状態とし、適宜、開栓補助手段16を安定して非拡径部15内に収納させることができ、邪魔にならないようにすることができると共に、容器蓋の外観を損なうこともない。
開栓操作時には、突起部19aから隙間19bを離脱させて係止状態を解除し、開栓補助手段16を拡開させるようにすることができ、開栓補助手段16の拡開、収納の繰返し操作を容易化できる。
また、開栓補助手段16の下方部には、複数の薄肉のブリッジ20を設け、容器蓋10と接続させることができる。この薄肉のブリッジ20は、開栓補助手段16と容器蓋10の非拡径部15とを繋ぐ部位であり、本形態においては、開栓補助手段16の下部内周面と非拡径部15の下部外周面とを繋いでおり、所定以上の力を加えると容易に断裂させ得、未操作状態であることを示唆すると共に、操作状態以前の状態(例えば、製品流通段階)において開栓補助手段16が誤って拡開してしまうことを未然に防止することができ、安定的に容器蓋10に接続させておくためのものである。
使用者が、容器蓋10の開栓操作をする場合には、先ず操作初回時に、開栓補助手段16に開栓方向xに適当な大きさの拡開力を加えて、容器蓋10と開栓補助手段16とを接続しているブリッジ20を断裂させる。そして、そのまま連結部17を基点として開栓補助手段16の自由端16b側を開栓方向xに回動させる(図6参照)。
また、開栓補助手段16の自由端16b側に隣接するスカート壁12の非拡径部15の外周面には、ナール部が全く形成されていない非ナール部21が備えられていることが望ましい。これにより、開栓補助手段16の自由端16に指を掛けやすくして拡開しやすくすることができる。
10a 容器蓋の軸
11 天面壁
12 スカート壁
12a 係合用ナール部
12c 拡径部の外径
13 ナール部
14 拡径部
15 非拡径部
16 開栓補助手段
16a 開栓補助手段の一端
16b 開栓補助手段の自由端(他端)
16c 開栓補助手段の外径
16d 内面ナール部
16e 外面ナール部
17 連結部
19 係止手段
19a 突起部
19b 隙間
20 ブリッジ
21 非ナール部
41 雌ネジ部
42 雄ネジ部
40 容器口部
x 開栓方向
y 閉栓方向
Claims (5)
- 天面壁と該天面壁の周縁から垂下する筒状のスカート壁とを有し、
該スカート壁はその一部を半径方向に拡径した拡径部を有するとともに、
該拡径部の外周部には、該外周部の外側に突出し、軸方向に延在する滑り止め用のナール部を周方向に亘って複数形成した容器蓋において、
該拡径部の端部には、一端が回動自在にヒンジ連結され前記スカート壁の外周部に沿って伸延し該拡径部の外径と同一となるような外周面を有する開栓補助手段が少なくとも1個形成されており、
該開栓補助手段は、その内周面に内面ナール部を、その外周面に外面ナール部をそれぞれ有しており、
ヒンジを基点としてその他端を前記スカート壁の外方に拡開することによって、
容器蓋の開栓時の旋回力付与の補助部材となり、
前記スカート壁は、該開栓補助手段の収納時に該開栓補助手段の内周面と対向する部分に係合用ナール部を有し、
前記係合用ナール部の突起部が、前記開栓補助手段の前記内面ナール部の突起部と交互に位置するようにしたことを特徴とする容器蓋。 - 前記開栓補助手段は、前記スカート壁の外周部に沿って閉栓方向に伸延することを特徴とする請求項1に記載の容器蓋。
- 前記開栓補助手段及び前記スカート壁には、収納時の該開栓補助手段を該スカート壁に係止する係止手段が備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器蓋。
- 前記開栓補助手段の自由端側に隣接する前記スカート壁の外周面には、ナール部が全く形成されていない非ナール部が備えられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の容器蓋。
- 前記開栓補助手段は、容器蓋と薄肉のブリッジで接続されており、
ヒンジを基点としてその他端を前記スカート壁の外方に拡開するときに該ブリッジを切断するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の容器蓋。
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